JP7151396B2 - 蓄熱体、および、化学蓄熱反応器 - Google Patents
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Description
図1は、第1実施形態の蓄熱体1が用いられる化学蓄熱装置8の模式図である。図2は、図1のA-A線断面図である。図3は、蓄熱体1の模式図である。図4は、図2のB-B線断面図である。なお、図中に示す矢印Hは、化学蓄熱反応器5の鉛直方向を示し、矢印Dは、化学蓄熱反応器5の奥行方向を示し、矢印Wは、化学蓄熱反応器5の幅方向を示す。
反応容器10は、直方体状に形成され、内部に蒸気流路11と、蓄熱体収容室12と、を有している。蒸気流路11は、水蒸気が流通可能な流路であり、蓄熱体収容室12を囲むように形成されている。具体的には、図2に示すように、蒸気流路11は、蓄熱体収容室12の幅方向の両側と、蓄熱体収容室12の奥行方向における蒸気配管13側とに形成されている。蒸気流路11は、蒸気配管13に接続している。図2に示すように、蓄熱体収容室12は、蓄熱体1を収容する空間であり、反応容器10において、蒸気配管13が接続されている側とは反対側に形成されている。蓄熱体収容室12は、複数の蓄熱体1を収容可能な大きさを有する。
蒸発凝縮器30は、貯留する水を蒸発させて化学蓄熱反応器5に供給する水蒸気を生成する機能と、化学蓄熱反応器5から受け取った水蒸気を凝縮する機能と、水を貯留する機能と、を有する。蒸発凝縮器30は、容器31と、熱媒流路32と、蒸気配管33と、開閉弁34と、を備える。容器31は、水を貯留する。容器31では、容器31内に設けられる熱媒流路32を流れる熱媒体の熱を利用して、水から水蒸気を生成、または、水蒸気から水を生成する。蒸気配管33は、容器31と接続配管20とに接続する。蒸気配管33には、蒸気配管33における水蒸気の流通を制御する開閉弁34が設けられている。
蓄熱材41は、例えば、アルカリ土類金属の酸化物の一つである酸化カルシウムの成形体である。蓄熱材41は、酸化カルシウムの粒状物を、例えば、粘土鉱物などのバインダと混練し焼成することで所定の形状となるように成形されている。本実施形態では、蓄熱材41は、円柱状に形成されている。蓄熱材41は、式(1)に示す水和反応によって発熱し、式(2)に示す脱水反応によって蓄熱するものであり、発熱と蓄熱とを可逆的に繰り返すことが可能である。
CaO + H2O →Ca(OH)2 +Q1 ・・・(1)
Ca(OH)2 +Q2 →CaO + H2O ・・・(2)
なお、式(1)のQ1は、水和反応における発熱量を示し、式(2)のQ2は、脱水反応における蓄熱量を示す。
化学蓄熱反応器5を発熱させるとき、開閉弁21、34を開放し、蒸発凝縮器30の熱媒流路32に中温媒体を流すことによって容器31内の水を蒸発させる。生成された水蒸気は、接続配管20を通って反応容器10内に供給され、蒸気流路11と隔壁14の孔15とを通過して蓄熱体収容室12に流入する。蓄熱体収容室12に流入した水蒸気は、カバー本体部47の微小貫通孔を通ってカバー本体部47内に流入し、カバー本体部47内に拡散する。カバー本体部47内の水蒸気が蓄熱材41と接触すると、蓄熱材41は、式(1)に示す水和反応によって発熱する。
図5は、第2実施形態における蓄熱体2の模式図である。第2実施形態の蓄熱体2は、第1実施形態の蓄熱体1(図3)と比較すると、2つの凸部が蓄熱材拘束カバーの周方向に沿って並ぶように配置されている点が異なる。
図7は、第3実施形態における蓄熱体3の模式図である。第3実施形態の蓄熱体3は、第1実施形態の蓄熱体1(図3)と比較すると、一つの蓄熱材拘束カバーに収容される蓄熱材の数が異なる。
蓄熱材61、62、63のそれぞれは、円柱状に形成されている。蓄熱材61、62、63は、例えば、酸化カルシウムの成形体である。蓄熱材61、62、63は、水和反応によって発熱し、脱水反応によって蓄熱するものであり、発熱と蓄熱とを可逆的に繰り返すことが可能である。
蓄熱材拘束カバー46に挿入されるときの蓄熱材61、62、63は、焼成によって成形された状態のものである。このため、蓄熱材拘束カバー46内の蓄熱材61、62、63は、水和反応によって膨張する。そこで、本実施形態では、蓄熱材61、62、63は、水和反応による膨張を考慮して、水和反応後の蓄熱材61、62、63のそれぞれの軸線方向の長さの合計が蓄熱材拘束カバー46の軸線方向の長さと同じ程度となるような大きさで、蓄熱材拘束カバー46内に配置される。このため、最初に発熱する前の、製造されたばかりの蓄熱体3では、蓄熱材61、62、63の軸線方向の長さの合計は、蓄熱材拘束カバー46の軸線方向の長さより短くなっている。また、蓄熱材61、62、63の外径も、蓄熱材拘束カバー46の内径より短くなっている。
図7(a)に示す蓄熱体3aの蓄熱材拘束カバー46aは、カバー本体部47と、3つの凹部49と、を備える。3つの凹部49は、他の蓄熱体3が有する凸部48が挿通可能に形成されている。図7(a)に示す点線矢印A1、A2、A3のように他の蓄熱体3の3つの凸部48が3つの凹部49に挿通されると、蓄熱材61a、62a、63aのそれぞれは、挿通された凸部48と蓄熱材拘束カバー46aの内面との間に挟まれ移動が規制される。
このように、本実施形態の蓄熱体3によれば、蓄熱体3の最初の発熱において重要となる蓄熱材61、62、63の蓄熱材拘束カバー46内での配置を均一にすることができるとともに、水蒸気を蓄熱材拘束カバー46内に均一に拡散し、蓄熱材61、62、63を均一に膨張させることができる。
図11は、第4実施形態における蓄熱体4の模式図である。第4実施形態の蓄熱体4は、第1実施形態の蓄熱体1(図3)と比較すると、凹部の形状が異なる。
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
第1実施形態では、化学蓄熱反応器5は、4本の蓄熱体1を備えるとした。第2実施形態では、化学蓄熱反応器5は、8本の蓄熱体2を備えるとした。しかしながら、化学蓄熱反応器5が備える蓄熱体の本数はこれに限定されない。
第1実施形態では、蓄熱材拘束カバー46は、3個の凸部48と、3個の凹部49と、を有するとした。しかしながら、凸部48の数と、凹部49の数はこれに限定されない。1つずつであってもよい。
第2実施形態では、凸部58は、蓄熱体2の軸線に垂直な断面図において、凸部48に対して蓄熱材拘束カバー56の周方向に、時計回りに90°移動した位置に配置されているとした。しかしながら、蓄熱材拘束カバー56の周方向に沿って並ぶように設けられている複数の凸部の位置関係はこれに限定されない。
第1実施形態では、凸部48と凹部49とは、蓄熱材拘束カバー46の軸線を介して対向する位置に配置されているとした。しかしながら、凸部と凹部とは、蓄熱材拘束カバーの軸線を介して対向する位置に配置されていなくてもよい。
第1実施形態では、カバー本体部47と凸部48と凹部49とは、一体に成形されているとした。しかしながら、蓄熱材カバーと凸部とは、別の部品から形成されていてもよい。この場合、蓄熱材カバーを成形した後でも凸部を追加することができ、蓄熱材拘束カバーの製作時の自由度が向上することができる。
第1実施形態では、凸部48は、カバー本体部47の外周面から突出する長さがカバー本体部47の厚みより長いとし、蓄熱材41に当接可能であるとした。しかしながら、凸部48の長さは、これに限定されない。凸部48は、蓄熱材41に刺さる程度の長さであってもよい。これにより、蓄熱材41が凸部48に固定されるため、蓄熱材41の移動が規制され、水蒸気が流通可能な隙間40を形成することができる。
第2実施形態では、凸部48と凸部58とのそれぞれが蓄熱体2の軸線に沿って並ぶように配置され、かつ、凸部48と凸部58とが蓄熱材拘束カバー56の周方向に沿って並ぶように配置されているとした。しかしながら、2つの凸部が蓄熱材拘束カバーの周方向に沿って並ぶように配置されているだけでもよい。
第1実施形態では、蓄熱材41は円柱状であって、蓄熱材拘束カバー46は略円筒状の部材であるとした。しかしながら、蓄熱材41の形状と、蓄熱材拘束カバー46の形状はこれに限定されない。
5…化学蓄熱反応器
8…化学蓄熱装置
10…反応容器
11…蒸気流路
12…蓄熱体収容室
13…蒸気配管
14…隔壁
15…孔
20…接続配管
21…開閉弁
30…蒸発凝縮器
31…容器
32…熱媒流路
33…蒸気配管
34…開閉弁
40、60、70…隙間
41、61、62、63…蓄熱材
46、56、76…蓄熱材拘束カバー
47…カバー本体部
48、58、68、78…凸部
49、59、79…凹部
Claims (7)
- 化学蓄熱反応器に用いる蓄熱体であって、
反応媒体と結合することで発熱し、前記反応媒体が脱離することで蓄熱する蓄熱材と、
前記蓄熱材の外面を覆い、前記蓄熱材の通過を制限し、前記反応媒体の通過を許容する複数の孔が形成されている蓄熱材拘束カバーと、を備え、
前記蓄熱材拘束カバーは、前記蓄熱材拘束カバーの外面から突出する凸部と、前記蓄熱材拘束カバーに隣接する他の蓄熱材拘束カバーに設けられた凸部に係合可能な凹部と、を有し、
前記凹部は、貫通孔であって、
前記凸部は、前記他の蓄熱材拘束カバーに設けられた貫通孔に挿通されると、前記他の蓄熱材拘束カバーの内側に突出するように形成されている、
蓄熱体。 - 請求項1に記載の蓄熱体であって、
前記凸部は、前記蓄熱材拘束カバーの周方向に沿って並ぶように複数配置されている、
蓄熱体。 - 請求項2に記載の蓄熱体であって、
複数の前記凸部のうちの一つは、複数の前記凸部のうちの他の一つに対して前記蓄熱材拘束カバーの周方向に90°移動した位置に配置されている、
蓄熱体。 - 化学蓄熱反応器に用いる蓄熱体であって、
反応媒体と結合することで発熱し、前記反応媒体が脱離することで蓄熱する蓄熱材と、
前記蓄熱材の外面を覆い、前記蓄熱材の通過を制限し、前記反応媒体の通過を許容する複数の孔が形成されている蓄熱材拘束カバーと、を備え、
前記蓄熱材拘束カバーは、
前記蓄熱材拘束カバーの外面から突出する凸部と、
前記蓄熱材拘束カバーに隣接する他の蓄熱材拘束カバーに設けられた凸部に係合可能な凹部であって、前記凹部が設けられた位置の内周面側が内側に突出し、前記蓄熱材拘束カバー内の蓄熱材が前記蓄熱材拘束カバー内で移動することを規制する凹部と、を有する、
蓄熱体。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の蓄熱体であって、
前記凸部は、前記蓄熱材拘束カバーの軸線方向に沿って並ぶように複数配置されている、
蓄熱体。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の蓄熱体であって、
前記凸部と前記凹部とは、前記蓄熱材拘束カバーの軸線を介して対向している、
蓄熱体。 - 化学蓄熱反応器であって、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の蓄熱体と、
前記蓄熱体を収容する反応容器と、を備える、
化学蓄熱反応器。
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