JP7151179B2 - 車線変更推定装置および車線変更推定方法と、車両制御装置および車両制御方法 - Google Patents

車線変更推定装置および車線変更推定方法と、車両制御装置および車両制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、車線変更推定装置および車線変更推定方法と、車両制御装置および車両制御方法に関する。
自動車等の車両には、オートクルーズ制御など、運転者の実操作によらずに車両の制御を実行する装置が設けられたものがある。このような制御装置では、自車両の周辺を走行する車両や、走行車線を含む走行環境を検出し、当該検出結果に基づいて車両の制御を実行する。
特許文献1には、自車両が走行する車線に対して隣接する車線を走行する車両が、車線変更するか否かを推定する方法が開示されている。特許文献1では、隣接車線を走行する推定対象車両に対して、その前方に相対的に速度の低い車両が走行しており、当該推定対象車両が前方の車両を追い越すために車線変更するか否かを推定する技術が開示されている。
特開2003-228800号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術では、車線変更の推定を行う推定対象車両と、その前方を走行する車両との相対速度だけで車線変更するか否かの推定を行っているので、高い精度を以って推定対象車両が車線変更をするか否かを推定するのは困難である。
仮に、特許文献1に開示の方法により得られた結果を用いて車両の制御を行うとした場合には、低い精度での推定結果に基づき車両が制御されることとなり、運転者に対して大きなストレスを感じさせる原因ともなる、と考えられる。
本発明は、上記のような問題を解決しようとなされたものであって、早期に、且つ、高い精度で対象車両の車線変更推定が可能な車線変更推定装置および車線変更推定方法と、当該推定結果を用いる車両制御装置および車両制御方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る車線変更推定装置は、自車両の周辺を走行する車両の車線変更を推定する車線変更推定装置であって、自車両が走行する自車線と、当該自車線に対して隣接する隣車線と、を検出する車線検出部と、前記自車線における前記自車両の前方を走行する自車線前方車両と、前記隣車線を走行し、前記車線変更の推定対象とする対象車両と、当該対象車両の前方を走行する隣車線前方車両と、前記対象車両の後方を走行する隣車線後方車両と、のそれぞれの速度および相互間の距離を検出する速度・距離検出部と、前記速度・距離検出部からの前記検出の結果を受け付け、前記対象車両の車線変更を推定する車線変更推定部と、を備え、前記車線変更推定部は、前記自車両と前記自車線前方車両との相対速度および相対距離と、前記対象車両と前記隣車線前方車両との相対速度および相対距離と、前記対象車両と前記隣車線後方車両との相対速度および相対距離と、に基づき、前記対象車両が前記自車線における前記自車両と前記自車線前方車両との間に車線変更してくるか否かの推定を実行する。
上記態様に係る車線変更推定装置では、対象車両が車線変更を開始する前に、各車両間における相対速度および相対距離に基づいて、対象車両が前記自車線における前記自車両と前記自車線前方車両との間に車線変更してくるか否かを推定するので、対象車両が実際に車線変更を開始するよりも前の早い時点で車線変更の推定(対象車両が車線変更するか否かの推定)を行うことができ、滑らかな制御での運転支援を行うことができる。
また、上記態様に係る車線変更推定装置では、自車両と自車線前方車両との相対速度および相対距離と、対象車両と隣車線前方車両との相対速度および相対距離と、対象車両と隣車線後方車両との相対速度および相対距離と、に基づき、対象車両が前記自車線における前記自車両と前記自車線前方車両との間に車線変更してくるか否かの推定を実行するので、対象車両とその前方の車両との相対速度に基づいて車線変更を推定する上記特許文献1の技術に比べて、高い精度で対象車両の車線変更推定が可能である。
上記態様に係る車線変更推定装置では、前記車線変更推定部は、前記自車両と前記自車線前方車両との前記相対速度および前記相対距離に基づき、当該自車両のリスクポテンシャルと、前記自車線前方車両のリスクポテンシャルと、を設定し、これらリスクポテンシャルに基づき前記自車線でのリスクポテンシャルを設定し、前記対象車両と前記隣車線前方車両との前記相対速度および前記相対距離に基づき、前記隣車線前方車両のリスクポテンシャルを設定し、且つ、前記対象車両と前記隣車線後方車両との前記相対速度および前記相対距離に基づき、前記隣車線後方車両のリスクポテンシャルを設定し、これらリスクポテンシャルに基づき前記隣車線でのリスクポテンシャルを設定し、前記自車線でのリスクポテンシャルの値と前記隣車線でのリスクポテンシャルの値との比を算出するとともに、当該比に基づくポテンシャル特徴量を算出し、前記ポテンシャル特徴量の値に基づいて、前記対象車両が前記自車線における前記自車両と前記自車線前方車両との間に車線変更してくるか否かを推定する、とすることもできる。
上記構成を採用する場合には、前後に存在する車両間での各リスクポテンシャルを設定し、当該各リスクポテンシャルから自車線のリスクポテンシャルと隣車線のリスクポテンシャルとを算出し、それら車線のリスクポテンシャルの比(車線間ポテンシャル値比)から算出したポテンシャル特徴量を基に、車線変更の推定を実行することとしている。よって、上記態様に係る車線変更推定装置では、早期の段階で、且つ、高い精度での車線変更の推定が可能である。
なお、上記においてのリスクポテンシャルは、車両の速度が高い程、頂の高さが高くなる。
上記態様に係る車線変更推定装置では、前記車線変更推定部は、前記自車線でのリスクポテンシャルを設定するのに際して、前記自車両のリスクポテンシャルと前記自車線前方車両のリスクポテンシャルとの間で重みづけを行い、前記隣車線でのリスクポテンシャルを設定するのに際して、前記隣車線前方車両のリスクポテンシャルと前記隣車線後方車両のリスクポテンシャルとの間で重みづけを行う、とすることもできる。
上記構成を採用する場合には、自車線および隣車線の各リスクポテンシャルの算出に際して、各車両のリスクポテンシャルに対して重みづけを行うこととしている。これにより、上記態様に係る車線変更推定装置では、各車線におけるリスクポテンシャルをより正確に算出することができる。
なお、重みづけに際しては、実験的または経験的に求めた重みを採用することができる。
上記態様に係る車線変更推定装置では、前記自車両のリスクポテンシャルは、前記自車線前方車両に対する前記自車両の相対速度が正である場合に、前記自車線前方車両の側へと偏った状態で設定され、前記自車線前方車両のリスクポテンシャルは、前記自車両に対する前記自車線前方車両の相対速度が正である場合に、前記自車両とは反対側の前方側へと偏った状態で設定され、前記隣車線前方車両のリスクポテンシャルは、前記対象車両に対する前記隣車線前方車両の相対速度が正である場合に、前記対象車両とは反対側の前方側へと偏った状態で設定され、前記隣車線後方車両のリスクポテンシャルは、前記対象車両に対する前記隣車線後方車両の相対速度が正である場合に、前記対象車両の側へと偏った状態で設定される、とすることもできる。
上記構成を採用する場合には、前方を走行する車両に対して相対速度が正の場合(前方を走行する車両に対して迫っていっている状態)では、前方車両の側の方が後方側よりもリスクが高いとして、前方側に偏った状態でリスクポテンシャルを設定するので、より正確にリスクポテンシャルの設定を行うことができる。
上記態様に係る車線変更推定装置では、前記自車両のリスクポテンシャルは、前記自車線前方車両に対する前記自車両の相対速度が、前記自車線前方車両とは反対側の後方側へと偏った状態で設定され、前記自車線前方車両のリスクポテンシャルは、前記自車両に対する前記自車線前方車両の相対速度が負である場合に、前記自車両の側へと偏った状態で設定され、前記隣車線前方車両のリスクポテンシャルは、前記対象車両に対する前記隣車線前方車両の相対速度が負である場合に、前記対象車両の側へと偏った状態で設定され、前記隣車線後方車両のリスクポテンシャルは、前記対象車両に対する前記隣車線後方車両の相対速度が負である場合に、前記対象車両とは反対側の後方側へと偏った状態で設定される、とすることもできる。
上記構成を採用する場合には、前方を走行する車両に対して相対速度が負の場合(前方を走行する車両に対して離れていっている状態)では、前方車両の側の方が後方側よりもリスクが低いとして、後方側に偏った状態でリスクポテンシャルを設定するので、より正確にリスクポテンシャルの設定を行うことができる。
本発明の一態様に係る車両制御装置は、車両を制御する車両制御装置であって、上記の何れかの態様に係る車線変更推定装置と、前記車線変更推定装置により推定された、前記対象車両が前記自車線における前記自車両と前記自車線前方車両との間に車線変更してくるか否かの推定結果に基づき、前記車両の速度および車間距離の少なくとも一方を制御する車両制御部と、を備える。
上記態様に係る車両制御装置は、上記の各態様に係る車線変更推定装置で推定された結果(車線変更推定結果)に基づいて、車両(自車両)の速度および車間距離の少なくとも一方を制御するので、高い安全性を確保しながら、滑らかな走行を可能とする。
本発明の一態様に係る車線変更推定方法は、自車両の周辺を走行する車両の車線変更を推定する車線変更推定方法であって、自車両が走行する自車線と、当該自車線に対して隣接する隣車線と、を検出する車線検出ステップと、前記自車線における前記自車両の前方を走行する自車線前方車両と、前記隣車線を走行し、前記車線変更の推定対象とする対象車両と、当該対象車両の前方を走行する隣車線前方車両と、前記対象車両の後方を走行する隣車線後方車両と、のそれぞれの速度および相互間の距離を検出する速度・距離検出ステップと、前記速度・距離検出ステップでの前記検出の結果に基づいて、前記対象車両の車線変更を推定する車線変更推定ステップと、を備え、前記車線変更推定ステップでは、前記自車両と前記自車線前方車両との相対速度および相対距離と、前記対象車両と前記隣車線前方車両との相対速度および相対距離と、前記対象車両と前記隣車線後方車両との相対速度および相対距離と、に基づき、前記対象車両が前記自車線における前記自車両と前記自車線前方車両との間に車線変更してくるか否かの推定を実行する。
上記態様に係る車線変更推定方法では、車線変更推定ステップにおいて、対象車両が車線変更を開始する前に、各車両間における相対速度および相対距離に基づいて、対象車両が前記自車線における前記自車両と前記自車線前方車両との間に車線変更してくるか否かを推定するので、対象車両が実際に車線変更を開始するよりも前の早い時点で車線変更の推定を行うことができ、滑らかな制御での運転支援を行うことができる。
また、上記態様に係る車線変更推定方法では、車線変更推定ステップにおいて、自車両と自車線前方車両との相対速度および相対距離と、対象車両と隣車線前方車両との相対速度および相対距離と、対象車両と隣車線後方車両との相対速度および相対距離と、に基づき、対象車両が前記自車線における前記自車両と前記自車線前方車両との間に車線変更してくるか否かの推定を実行するので、対象車両とその前方の車両との相対速度に基づいて車線変更を推定する上記特許文献1の技術に比べて、高い精度で対象車両の車線変更推定が可能である。
上記態様に係る車線変更推定方法では、前記車線変更推定ステップは、前記自車両と前記自車線前方車両との前記相対速度および前記相対距離に基づき、当該自車両のリスクポテンシャルと、前記自車線前方車両のリスクポテンシャルと、を設定し、これらリスクポテンシャルに基づき前記自車線でのリスクポテンシャルを設定する自車線リスクポテンシャル設定サブステップと、前記対象車両と前記隣車線前方車両との前記相対速度および前記相対距離に基づき、前記隣車線前方車両のリスクポテンシャルを設定し、且つ、前記対象車両と前記隣車線後方車両との前記相対速度および前記相対距離に基づき、前記隣車線後方車両のリスクポテンシャルを設定し、これらリスクポテンシャルに基づき前記隣車線でのリスクポテンシャルを設定する隣車線リスクポテンシャル設定サブステップと、前記自車線でのリスクポテンシャルの値と前記隣車線でのリスクポテンシャルの値との比を算出するリスクポテンシャル値比算出サブステップと、前記リスクポテンシャル値比に基づくポテンシャル特徴量を算出するポテンシャル特徴量算出サブステップと、前記ポテンシャル特徴量の値に基づいて、前記対象車両が前記自車線における前記自車両と前記自車線前方車両との間に車線変更してくるか否かを推定する車線変更推定サブステップと、を有する、とすることもできる。
上記方法を採用する場合には、自車線リスクポテンシャル設定サブステップ、隣車線リスクポテンシャル設定サブステップ、リスクポテンシャル値比算出サブステップ、およびポテンシャル特徴量算出サブステップを経てポテンシャル特徴量を算出し、車線変更推定サブステップで、ポテンシャル特徴量を基に、前記対象車両が前記自車線における前記自車両と前記自車線前方車両との間に車線変更してくるか否かの推定を実行することとしている。よって、上記態様に係る車線変更推定方法では、早期の段階で、且つ、高い精度での車線変更の推定が可能である。
上記態様に係る車線変更推定方法では、前記自車線リスクポテンシャル設定サブステップでは、前記自車両のリスクポテンシャルと前記自車線前方車両のリスクポテンシャルとの間で重みづけを行い、前記隣車線リスクポテンシャル設定サブステップでは、前記隣車線前方車両のリスクポテンシャルと前記隣車線後方車両のリスクポテンシャルとの間で重みづけを行う。
上記方法を採用する場合には、自車線リスクポテンシャル設定サブステップおよび隣車線リスクポテンシャル設定サブステップにおいて、自車線および隣車線の各リスクポテンシャルの算出に際して、各車両のリスクポテンシャルに対して重みづけを行うこととしている。これにより、上記態様に係る車線変更推定方法では、各車線におけるリスクポテンシャルをより正確に算出することができる。
上記態様に係る車線変更推定方法では、前記自車線リスクポテンシャル設定サブステップでは、前記自車線前方車両に対する前記自車両の相対速度が正である場合に、前記自車線前方車両の側へと偏った状態で、前記自車両のリスクポテンシャルを設定するとともに、前記自車両に対する前記自車線前方車両の相対速度が正である場合に、前記自車両とは反対側の前方側へと偏った状態で、前記自車線前方車両のリスクポテンシャルを設定し、前記隣車線リスクポテンシャル設定サブステップでは、前記対象車両に対する前記隣車線前方車両の相対速度が正である場合に、前記対象車両とは反対側の前方側へと偏った状態で、前記隣車線前方車両のリスクポテンシャルを設定するとともに、前記対象車両に対する前記隣車線後方車両の相対速度が正である場合に、前記対象車両の側へと偏った状態で、前記隣車線後方車両のリスクポテンシャルを設定する、とすることもできる。
上記方法を採用する場合には、自車線リスクポテンシャル設定サブステップおよび隣車線リスクポテンシャル設定サブステップにおいて、前方を走行する車両に対して相対速度が正の場合(前方を走行する車両に対して迫っていっている状態)では、前方車両の側の方が後方側よりもリスクが高いとして、前方側に偏った状態でリスクポテンシャルを設定するので、より正確にリスクポテンシャルの設定を行うことができる。
上記態様に係る車線変更推定方法では、前記自車線リスクポテンシャル設定サブステップでは、前記自車線前方車両に対する前記自車両の相対速度が負である場合に、前記自車線前方車両とは反対側の後方側へと偏った状態で、前記自車両のリスクポテンシャルを設定するとともに、前記自車両に対する前記自車線前方車両の相対速度が負である場合に、前記自車両の側へと偏った状態で、前記自車線前方車両のリスクポテンシャルを設定し、前記隣車線リスクポテンシャル設定サブステップでは、前記対象車両に対する前記隣車線前方車両の相対速度が負である場合に、前記対象車両の側へと偏った状態で、前記隣車線前方車両のリスクポテンシャルを設定するとともに、前記対象車両に対する前記隣車線後方車両の相対速度が負である場合に、前記対象車両とは反対側の後方側へと偏った状態で、前記隣車線後方車両のリスクポテンシャルを設定する、とすることもできる。
上記方法を採用する場合には、自車線リスクポテンシャル設定サブステップおよび隣車線リスクポテンシャル設定サブステップにおいて、前方を走行する車両に対して相対速度が負の場合(前方を走行する車両に対して離れていっている状態)では、前方車両の側の方が後方側よりもリスクが低いとして、後方側に偏った状態でリスクポテンシャルを設定するので、より正確にリスクポテンシャルの設定を行うことができる。
本発明の一態様に係る車両制御方法は、車両を制御する車両制御方法であって、請求項7から請求項11の何れかの車線変更推定方法を実行し、前記車線変更推定方法の実行により推定した、前記対象車両が前記自車線における前記自車両と前記自車線前方車両との間に車線変更してくるか否かの推定結果に基づき、前記車両の速度および車間距離の少なくとも一方を制御する。
上記態様に係る車両制御方法は、上記の各態様に係る車線変更推定方法の車線変更推定ステップの実行により推定された結果(車線変更推定結果)に基づいて、車両(自車両)の速度および車間距離の少なくとも一方を制御するので、高い安全性を確保しながら、滑らかな走行を可能とする。
上記の各態様では、早期に、且つ、高い精度で対象車両の車線変更推定が可能である。
実施形態に係る車両の概略構成を示す模式図である。 車両の制御構成を示すブロック図である。 レーダ、レーザセンサ、および車室外カメラによる検出範囲を示す模式図である。 自車両と周辺車両の所定時点での走行状態を示す模式図である。 リスクポテンシャルを説明するための模式図である。 (a)は、前後の車両の間で速度差が略ない場合のリスクポテンシャルを示す模式図であり、(b)は、前方の車両と後方の車両との間で速度差が存在する場合のリスクポテンシャルを示す模式図である。 自車両および周辺車両の相互の間の動的な関係を、リスクポテンシャルを適用して示す模式図である。 車線間ポテンシャル値比とポテンシャル特徴量との関係を示す特性図である。 コントロールユニットが実行する車線変更推定方法を示すフローチャートである。 (a)は、図9のフローチャートにおけるステップS6の判定方法を説明する模式図であり、(b)は、推定器が実行する判定方法のために用いる特性図である。 車線変更推定結果を用いて、コントロールユニットが実行する車両制御方法を示すフローチャートである。
以下では、本発明の実施形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下で説明の形態は、本発明の一例であって、本発明は、その本質的な構成を除き何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
[実施形態]
1.車両1の概略構成
本実施形態に係る車両1の概略構成について、図1および図2を用いて説明する。
図1に示すように、車両1は、動力源としてのエンジン10を備える。本実施形態に係る車両1では、エンジン10の一例として、多気筒のガソリンエンジンを採用している。
エンジン10には、変速機13が接続されており、当該変速機13から左右方向に向けて延びるようにドライブシャフト11が設けられている。ドライブシャフト13の端部には、左右の前輪12l,12rが取り付けられている。
なお、変速機13とドライブシャフト11との間には、図示を省略するデファレンシャルギヤが介挿されている。
車両1の後方には、左右の後輪14l,14rが配置されている。左右の後輪14l,14rのそれぞれは、図示を省略するリヤアームに取り付けられている。
図1に示すように、車両1の車室内における運転席の足元部分には、アクセルペダル15とブレーキペダル16とが設けられている。アクセルペダル15は、運転者による踏込量に応じてエンジン10の回転数を増減し、ブレーキペダル16は、運転者による踏込により、前輪12l,12rおよび後輪14l,14rに取り付けられたブレーキを作動させる。
車両1には、3つのレーダ17,18,19、車室外カメラ20、およびレーザセンサ21が設けられている。3つのレーダ17,18,19の内、レーダ17は、車両1の前方部分に配置され、残りの2つのレーダ18,19は、車両1の側部に配置されている。これらレーダ17,18,19は、自車両(車両1)の周囲の車両の検出や、車両1と周囲の車両との相対速度および相対距離を検出する機能を有する。
車室外カメラ20およびレーザセンサ21についても、レーダ17,18,19と同様に、周囲の車両の検出や、相対速度および相対距離の検出を行うために設けられている。
また、車両1には、地図情報格納部22および車-車間通信部23が設けられている。地図情報格納部22は、車両1が走行する道路に関する情報などが格納されている。地図情報格納部22に格納された地図情報には、道路における車線情報も含まれている。
車-車間通信部23は、自車両(車両1)と周辺の車両との間で逐次通信を行うユニットであり、例えば、周辺の車両の速度情報や位置情報などを取得できるようになっている。
さらに、車両1には、コントロールユニット24も設けられている。図1および図2に示すように、コントロールユニット24は、レーダ17,18,19、車室外カメラ20、レーザセンサ21、地図情報格納部22、および車-車間通信部23などと接続されており、各種情報を受け付ける構成となっている。
また、コントロールユニット24は、CPU、ROM、RAMなどから構成されたマイクロプロセッサを有して構成され、エンジン10、アクセルペダル15、およびブレーキペダル16などに接続されており、上記各種情報を基にエンジン10の制御などを実行する。即ち、本実施形態に係る車両1では、コントロールユニット24が車両制御装置としての機能を有する。
なお、コントロールユニット24は、アクセルペダル15に対して運転者への反力に関する指令なども出力できるようになっている。同様に、コントロールユニット24は、運転者による踏み込み動作がない場合でも、必要に応じてブレーキペダル16を駆動するための指令を出力できるようになっている。
2.レーダ17,18,19、車室外カメラ20、およびレーザセンサ21による検出範囲
レーダ17,18,19、車室外カメラ20、およびレーザセンサ21による検出範囲について、図3を用いて説明する。図3は、車両1を上方から平面した状態で、レーダ17,18,19、車室外カメラ20、およびレーザセンサ21による検出範囲を示す模式図である。
図3に示すように、車両1の前部に設けられたレーダ17は、車両1の前方側の範囲θ17の車両等の検出が可能となっている。車両1の左部に設けられたレーダ18は、車両1の左方側の範囲θ18の車両等の検出が可能となっている。車両1の右部に設けられたレーダ19は、車両1の右方側の範囲θ19の車両等の検出が可能となっている。
車室外カメラ20は、車両1のフロントウインドシールドの車室内側に設けられており、車両1の前方側の範囲θ20の車両等の検出が可能となっている。また、車室外カメラ20は、車両1が走行する車線や、隣接する車線などの検出も可能となっている。
レーザセンサ21は、例えば、赤外線レーザセンサであって、車両1の周囲の全方位の範囲θ21の車両等の検出が可能となっている。
車両1では、レーダ17,18,19、車室外カメラ20、およびレーザセンサ21で検出された結果がコントロールユニット24に入力されるようになっており、コントロールユニット24は、これらの入力情報から、周囲を走行する車両と車両1との相対速度や相対距離などを算出できるようになっている。
3.車線変更推定方法
車両1においてコントロールユニット24が実行する車線変更推定方法について、図4から図10を用いて説明する。
(1)車両VCおよび周囲の車両VC,VC,VC,VCの走行状況
先ず、自車両である車両VCと、その周囲の車両VC,VC,VC,VCの走行状況について、図4を用いて説明する。
図4に示すように、車両VCは、進行方向に向かって(図4の右方向に向かって)右側の車線Ln1を走行中である。以下、車両VCを「自車両VC」と記載し、車線Ln1を「自車線Ln1」と記載する場合がある。自車線Ln1には、車両VCの前方に車両VCが走行中である。車両VCは、「自車線前方車両」に相当する。
なお、本実施形態では、車両VCと車両VCとの間に、車間領域Arが空いている。車間領域Arは、車両が割り込むのに十分な大きさの領域であるとする。
自車線Ln1に対して左側(図4の上側)には、自車線Ln1に隣接する車線Ln2が設けられている。以下、車線Ln2を「隣車線Ln2」と記載する。隣車線Ln2には、自車両VCの周囲を走行する車両として、車両VCと、車両VCと、車両VCとが存在する。
車両VCは、自車両VCのコントロールユニット24が車線変更の推定対象とする車両であり、「対象車両」に相当する。車両VCは、隣車線Ln2において、対象車両VCTの前方を走行する車両であって、「隣車線前方車両」に相当する。車両VCは、隣車線Ln2において、対象車両VCの後方を走行する車両であって、「隣車線後方車両」に相当する。
自車両VCは、速度vで走行中であり、車両VCは、速度vよりも高い速度vで走行中である。自車両VCと車両VCとの間の車間は、距離rRLである。
対象車両VCは、速度vで走行中であり、車両VCは、速度vよりも低い速度vで走行中であり、車両VCは、速度vよりも高い速度vで走行中である。
対象車両VCと車両VCとの車間は、距離rTPであり、車両VCと対象車両VCとの車間は、距離rFTである。
(2)リスクポテンシャルUiの設定
次に、自車両VCおよび周辺の車両VC,VC,VC,VCへのリスクポテンシャルUiの設定方法について、図5から図7を用いて説明する。
(i)リスクポテンシャルの定義
図5に示すように、自物(自車両に相当)と障害物(周辺車両に相当)とが距離rだけ離れて配置されている場合には、リスクポテンシャルは、次式のように定義される。
Figure 0007151179000001
なお、(数1)において、「σ」は、距離rのバラツキを示す。
次に、図4に示すような、走行中の車両へのリスクポテンシャルの設定に際して、車両間の動的な関係を表現するためのリスクポテンシャル(人工リスクポテンシャル)は、次式のように定義される。
Figure 0007151179000002
なお、(数2)において、「θi」は、上方からの平面視において、自車両VCの進行方向に向く基準線に対して、自車両VCの中心と周辺の車両VC,VC,VC,VCの各中心とを結ぶ仮想線がなす各角度を示す。
(数2)に定義するように、リスクポテンシャルは、当該リスクポテンシャルを設定しようとする車両の車速が速い程、高いピークを有する。
また、前後の車両間での相対速度が正であるか負であるかで、前方側または後方側に偏った状態で設定される。即ち、図6(a)に示すように、同じ速度v1で2台の車両が走行している場合においては、リスクポテンシャルU1は前後方向に偏りのない状態で設定される。
一方、図6(b)に示すように、前方を走行する車両が速度v1、後方を走行する車両が速度v1よりも高い速度v2で走行する場合には、リスクポテンシャルU2は、前方側へと偏った状態で設定される。また、速度v2が速度v1よりも高い速度であるので、リスクポテンシャルU2はリスクポテンシャルU1よりもピークが高く設定される。
なお、前方を走行する車両の速度よりも、後方を走行する車両の速度の方が低い場合については図示を省略しているが、図6(b)に示すのとは反対の、後方側へと偏った状態でリスクポテンシャルが設定される。
(ii)実施形態でのリスクポテンシャルUiの設定
図4に示した状況でのリスクポテンシャルの設定について、図7を用いて説明する。各車両VC,VC,VC,VC,VCの車速や、相互間での車間距離などは、上述の通りである。
図7に示すように、自車両VCに対しては、後方側に偏った状態のリスクポテンシャルUが設定され、車両VCに対しては、前方側に偏った状態のリスクポテンシャルUが設定される。このようなリスクポテンシャルU,Uの偏りは、上述のように、相対速度に起因するものである。
対象車両VCの前方を走行する車両VCに対しては、後方側に偏った状態のリスクポテンシャルUが設定され、対象車両VCの後方を走行する車両VCに対しては、前方側に偏った状態のリスクポテンシャルUが設定される。偏りは、上記同様の理由によるものである。
(3)車線リスクポテンシャルU,Uの設定
次に、上記のように設定されたリスクポテンシャルU,U,U,Uより、車線ごとに行うリスクポテンシャルU,Uの設定について、説明する。
隣車線Ln2のリスクポテンシャルUは、次式で定義される。
Figure 0007151179000003
上記(数3)において、「ω」および「1-ω」は、それぞれリスクポテンシャルUおよびリスクポテンシャルUに重みづけを行うための係数である。
なお、隣車線Ln2のリスクポテンシャルUの設定に際しては、実験的または経験的に求めた重みを採用することができる。
自車線Ln1のリスクポテンシャルUは、次式で定義される。
Figure 0007151179000004
上記(数4)における、「ω」および「1-ω」は、それぞれリスクポテンシャルUおよびリスクポテンシャルUに重みづけを行うための係数であって、実験的または経験的に規定される。
(4)車線間ポテンシャル値比の算出と、ポテンシャル特徴量の算出
上記のように設定された車線ごとのリスクポテンシャルU,Uを用いて、車線間ポテンシャル値比zを算出する。車線間ポテンシャル値比zは、次式のように定義される。
Figure 0007151179000005
次に、上記で求められた車線間ポテンシャル値比zを用いて、ポテンシャル特徴量Pを算出する。ポテンシャル特徴量Pは、次式で定義される。
Figure 0007151179000006
なお、上記(数6)における関数「φ」は、実験的および経験的に(学習により)割り付けられた累積分布関数であり、車両の走行環境などにより規定される。
(5)車線変更の推定
上記で算出したポテンシャル特徴量Pを用いて、対象車両VCが車間領域Arに対して車線変更するか否かの推定を行う。具体的には、図8に示すように、ポテンシャル特徴量Pが判定閾値P1よりも大きい場合には、対象車両VCが自車線Ln1の車間領域Arに対して車線変更してくると推定する。
逆に、ポテンシャル特徴量Pが判定閾値P1以下の場合には、対象車両VCが自車線Ln1の車間領域Arに対して車線変更してこないと推定する。
(6)車線変更推定方法についてのまとめ
上記の車線変更推定方法についてのまとめと、補足を図9および図10を用いて行う。
図9に示すように、車線変更推定部としての機能を有するコントロールユニット24は、レーダ17,18,19、車室外カメラ20、レーザセンサ21、地図情報格納部22、および車-車間通信部23などから各種データを取得する(ステップS1)。取得するデータ(情報)には、周辺の車両VC,VC,VC,VCに関する情報や、車線Ln1,Ln2に関する情報が含まれている。
次に、コントロールユニット24は、車線変更の推定に係る対象車を決定する(ステップS2)。本実施形態では、隣車線Ln2を走行している車両VCが対象車両である。そして、コントロールユニット24は、上記(数2)に基づいて、各車両VC,VC,VC,VCのリスクポテンシャルUiを設定し、それらを用いて車線ポテンシャルU,Uを算出する(ステップS3)。上記のように、車線ポテンシャルU,Uの算出に際しては、重みづけを行うこととする。
次に、コントロールユニット24は、上記(数5)に基づいて車線間ポテンシャル値比zを算出し(ステップS4)、上記(数6)に基づいてポテンシャル特徴量Pを算出する(ステップS5)。
次に、コントロールユニット24は、図8を用いて説明したように、ポテンシャル特徴量Pが判定閾値P1よりも大きいか否かを判定し(ステップS6)、大きいと判定した場合には(ステップS6:Yes)、対象車両VCが車線変更すると推定する(ステップS7)。一方、コントロールユニット24は、ステップS6の判定において、“No”と判定した場合には、対象車両VCが車線変更しないと推定する(ステップS8)。
ここで、図10(a)に示すように、対象車両VCが車線変更するか否かの推定には、推定器が用いられる。この推定器は、ポテンシャル特徴量、対象車両VCの横位置および横速度などの入力を受けて、機械学習により判定結果を出力する。
推定器における機械学習の具体例としては、図10(b)に示すように、横軸に対象車両VCの横位置をとり、縦軸にポテンシャル特徴量をとった特性図において、閾となる直線よりも上方に入力されたポテンシャル特徴量が位置する場合には、対象車両VCが車線変更すると推定し、閾となる直線よりも下方に入力されたポテンシャル特徴量が位置する場合には、対象車両VCが車線変更しないと推定する。
4.車両1の制御方法
上記のような車線変更推定結果を用いた、車両1の制御方法について、図11を用いて説明する。図11は、車両制御部としての機能も併せ持つコントロールユニット24が、車線変更推定結果を用いて行う車両1の制御方法を示すフローチャートである。
図11に示すように、コントロールユニット24は、上記で推定された結果を取得するとともに(ステップS11)、周辺の車両の位置を予測する(ステップS12)。なお、コントロールユニット24は、車線変更推定部としての機能も兼ね備えるので、ステップS11の実行は内部でのデータのやりとりである。
次に、コントロールユニット24は、推定結果および周辺車両位置の予測結果から、自車両VCの周辺のリスクを評価する(ステップS13)。例えば、対象車両VCが車間領域Arに割り込んでくると予測される場合には、当該割り込み後の車間距離や相対速度などを勘案して、リスク評価がなされる。
次に、コントロールユニット24は、自車両VCの速度および前方車両(車線変更により前方に割り込むと推定される対象車両VC)との車間距離について、候補条件を設定する(ステップS14)。そして、コントロールユニット24は、ステップS14で設定された条件のリスクを評価し(ステップS15)、評価結果に基づいて速度および車間距離の補正を行った上で(ステップS16)、当該補正後の条件が最適であるか否かを判定する(ステップS17)。
コントロールユニット24は、ステップS17の判定で最適であると判定するまで、ステップS15かとステップS16との実行を繰り返す(ステップS17:No)。そして、コントロールユニット24は、ステップS17の判定で最適であると判定した場合には(ステップS17:Yes)、最終的な速度および車間距離を実現するように、エンジン10などに指令する。
[変形例]
上記実施形態に係る車両1では、周辺車両の位置や速度や、車線などを検出するために、3つのレーダ17,18,19、車室外カメラ20、レーザセンサ21、地図情報格納部22、および車-車間通信部23を備えることとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、3つのレーダ17,18,19、車室外カメラ20、レーザセンサ21、地図情報格納部22、および車-車間通信部23の内の少なくとも1つの手段を備えることとしてもよい。
上記実施形態では、自車両VCが走行する自車線Ln1と、当該自車線Ln1に隣接する隣車線Ln2と、の2車線における走行車両の車線変更推定を行うこととしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、自車線Ln1を挟んで隣車線Ln2とは反対側にも車線が存在するような状況においても、上記実施形態と同様に車線変更推定を行うことができる。この場合には、反対側の車線を走行する車両に関してもリスクポテンシャルを設定し、当該反対側の車線のリスクポテンシャルも算出することとなる。
上記実施形態では、自車両VCの前方に車両VCが走行中である状況を一例として採用したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、自車両VCRの前方に車両が走行していないような場合には、上記(数4)におけるリスクポテンシャルUが“0”となるだけであって、上記同様にポテンシャル特徴量Pの算出が可能となる。
上記実施形態では、車両1の動力源の一例としてエンジン10を採用したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、電動モータを動力源としてもよいし、エンジンと電動モータとを併用した形態とすることもできる。また、レンジエクステンダ型の電気自動車等とすることもできる。
また、上記実施形態では、フロントエンジン・フロント駆動の車両1を一例として採用することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、フロントエンジン・リヤ駆動の車両、四輪駆動車、あるいはリヤエンジン・リヤ駆動の車両などを採用することも可能である。
上記実施形態では、コントロールユニット24が車線変更推定部としての機能と車両制御部としての機能とを兼ね備えることとしたが、本発明では、車線変更推定部と車両制御部とを別々のユニットとして備える構成とすることもできる。
上記実施形態において図7で示したリスクポテンシャルU,U,U,Uは、各車両VC,VC,VC,VC,VCの速度および互いの車間距離等に基づいて設定されるものであって、本発明は、これに限定を受けるものではない。即ち、自車両および周辺を走行している車両のそれぞれの速度や互いの車間距離等に基づき、上記(数2)によりリスクポテンシャルUiが設定される。
1 車両
10 エンジン(駆動源)
17~19 レーダ
20 車室外カメラ
21 レーザセンサ
22 地図情報格納部
23 車-車間通信部
24 コントロールユニット(車線変更推定部、車両制御部)
VC 車両(自車両)
VC 車両(自車線前方車両)
VC 車両(対象車両)
VC 車両(他車線前方車両)
VC 車両(他車線後方車両)
Ln1 自車線
Ln2 他車線

Claims (12)

  1. 自車両の周辺を走行する車両の車線変更を推定する車線変更推定装置であって、
    自車両が走行する自車線と、当該自車線に対して隣接する隣車線と、を検出する車線検出部と、
    前記自車線における前記自車両の前方を走行する自車線前方車両と、前記隣車線を走行し、前記車線変更の推定対象とする対象車両と、当該対象車両の前方を走行する隣車線前方車両と、前記対象車両の後方を走行する隣車線後方車両と、のそれぞれの速度および相互間の距離を検出する速度・距離検出部と、
    前記速度・距離検出部からの前記検出の結果を受け付け、前記対象車両の車線変更を推定する車線変更推定部と、
    を備え、
    前記車線変更推定部は、前記自車両と前記自車線前方車両との相対速度および相対距離と、前記対象車両と前記隣車線前方車両との相対速度および相対距離と、前記対象車両と前記隣車線後方車両との相対速度および相対距離と、に基づき、前記対象車両が前記自車線における前記自車両と前記自車線前方車両との間に車線変更してくるか否かの推定を実行する、
    車線変更推定装置。
  2. 請求項1に記載の車線変更推定装置において、
    前記車線変更推定部は、
    前記自車両と前記自車線前方車両との前記相対速度および前記相対距離に基づき、当該自車両のリスクポテンシャルと、前記自車線前方車両のリスクポテンシャルと、を設定し、これらリスクポテンシャルに基づき前記自車線でのリスクポテンシャルを設定し、
    前記対象車両と前記隣車線前方車両との前記相対速度および前記相対距離に基づき、前記隣車線前方車両のリスクポテンシャルを設定し、且つ、前記対象車両と前記隣車線後方車両との前記相対速度および前記相対距離に基づき、前記隣車線後方車両のリスクポテンシャルを設定し、これらリスクポテンシャルに基づき前記隣車線でのリスクポテンシャルを設定し、
    前記自車線でのリスクポテンシャルの値と前記隣車線でのリスクポテンシャルの値との比を算出するとともに、当該比に基づくポテンシャル特徴量を算出し、
    前記ポテンシャル特徴量の値に基づいて、前記対象車両が前記自車線における前記自車両と前記自車線前方車両との間に車線変更してくるか否かを推定する、
    車線変更推定装置。
  3. 請求項2に記載の車線変更推定装置において、
    前記車線変更推定部は、
    前記自車線でのリスクポテンシャルを設定するのに際して、前記自車両のリスクポテンシャルと前記自車線前方車両のリスクポテンシャルとの間で重みづけを行い、
    前記隣車線でのリスクポテンシャルを設定するのに際して、前記隣車線前方車両のリスクポテンシャルと前記隣車線後方車両のリスクポテンシャルとの間で重みづけを行う、
    車線変更推定装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の車線変更推定装置において、
    前記自車両のリスクポテンシャルは、前記自車線前方車両に対する前記自車両の相対速度が正である場合に、前記自車線前方車両の側へと偏った状態で設定され、
    前記自車線前方車両のリスクポテンシャルは、前記自車両に対する前記自車線前方車両の相対速度が正である場合に、前記自車両とは反対側の前方側へと偏った状態で設定され、
    前記隣車線前方車両のリスクポテンシャルは、前記対象車両に対する前記隣車線前方車両の相対速度が正である場合に、前記対象車両とは反対側の前方側へと偏った状態で設定され、
    前記隣車線後方車両のリスクポテンシャルは、前記対象車両に対する前記隣車線後方車両の相対速度が正である場合に、前記対象車両の側へと偏った状態で設定される、
    車線変更推定装置。
  5. 請求項2から請求項4の何れかに記載の車線変更推定装置において、
    前記自車両のリスクポテンシャルは、前記自車線前方車両に対する前記自車両の相対速度が負である場合に、前記自車線前方車両とは反対側の後方側へと偏った状態で設定され、
    前記自車線前方車両のリスクポテンシャルは、前記自車両に対する前記自車線前方車両の相対速度が負である場合に、前記自車両の側へと偏った状態で設定され、
    前記隣車線前方車両のリスクポテンシャルは、前記対象車両に対する前記隣車線前方車両の相対速度が負である場合に、前記対象車両の側へと偏った状態で設定され、
    前記隣車線後方車両のリスクポテンシャルは、前記対象車両に対する前記隣車線後方車両の相対速度が負である場合に、前記対象車両とは反対側の後方側へと偏った状態で設定される、
    車線変更推定装置。
  6. 車両を制御する車両制御装置であって、
    請求項1から請求項5の何れかの車線変更推定装置と、
    前記車線変更推定装置により推定された、前記対象車両が前記自車線における前記自車両と前記自車線前方車両との間に車線変更してくるか否かの推定結果に基づき、前記車両の速度および車間距離の少なくとも一方を制御する車両制御部と、
    を備える、
    車両制御装置。
  7. 自車両の周辺を走行する車両の車線変更を推定する車線変更推定方法であって、
    自車両が走行する自車線と、当該自車線に対して隣接する隣車線と、を検出する車線検出ステップと、
    前記自車線における前記自車両の前方を走行する自車線前方車両と、前記隣車線を走行し、前記車線変更の推定対象とする対象車両と、当該対象車両の前方を走行する隣車線前方車両と、前記対象車両の後方を走行する隣車線後方車両と、のそれぞれの速度および相互間の距離を検出する速度・距離検出ステップと、
    前記速度・距離検出ステップでの前記検出の結果に基づいて、前記対象車両の車線変更を推定する車線変更推定ステップと、
    を備え、
    前記車線変更推定ステップでは、前記自車両と前記自車線前方車両との相対速度および相対距離と、前記対象車両と前記隣車線前方車両との相対速度および相対距離と、前記対象車両と前記隣車線後方車両との相対速度および相対距離と、に基づき、前記対象車両が前記自車線における前記自車両と前記自車線前方車両との間に車線変更してくるか否かの推定を実行する、
    車線変更推定方法。
  8. 請求項7に記載の車線変更推定方法において、
    前記車線変更推定ステップは、
    前記自車両と前記自車線前方車両との前記相対速度および前記相対距離に基づき、当該自車両のリスクポテンシャルと、前記自車線前方車両のリスクポテンシャルと、を設定し、これらリスクポテンシャルに基づき前記自車線でのリスクポテンシャルを設定する自車線リスクポテンシャル設定サブステップと、
    前記対象車両と前記隣車線前方車両との前記相対速度および前記相対距離に基づき、前記隣車線前方車両のリスクポテンシャルを設定し、且つ、前記対象車両と前記隣車線後方車両との前記相対速度および前記相対距離に基づき、前記隣車線後方車両のリスクポテンシャルを設定し、これらリスクポテンシャルに基づき前記隣車線でのリスクポテンシャルを設定する隣車線リスクポテンシャル設定サブステップと、
    前記自車線でのリスクポテンシャルの値と前記隣車線でのリスクポテンシャルの値との比を算出するリスクポテンシャル値比算出サブステップと、
    前記リスクポテンシャル値比に基づくポテンシャル特徴量を算出するポテンシャル特徴量算出サブステップと、
    前記ポテンシャル特徴量の値に基づいて、前記対象車両が前記自車線における前記自車両と前記自車線前方車両との間に車線変更してくるか否かを推定する車線変更推定サブステップと、
    を有する、
    車線変更推定方法。
  9. 請求項8に記載の車線変更推定方法において、
    前記自車線リスクポテンシャル設定サブステップでは、前記自車両のリスクポテンシャルと前記自車線前方車両のリスクポテンシャルとの間で重みづけを行い、
    前記隣車線リスクポテンシャル設定サブステップでは、前記隣車線前方車両のリスクポテンシャルと前記隣車線後方車両のリスクポテンシャルとの間で重みづけを行う、
    車線変更推定方法。
  10. 請求項8または請求項9に記載の車線変更推定方法において、
    前記自車線リスクポテンシャル設定サブステップでは、前記自車線前方車両に対する前記自車両の相対速度が正である場合に、前記自車線前方車両の側へと偏った状態で、前記自車両のリスクポテンシャルを設定するとともに、前記自車両に対する前記自車線前方車両の相対速度が正である場合に、前記自車両とは反対側の前方側へと偏った状態で、前記自車線前方車両のリスクポテンシャルを設定し、
    前記隣車線リスクポテンシャル設定サブステップでは、前記対象車両に対する前記隣車線前方車両の相対速度が正である場合に、前記対象車両とは反対側の前方側へと偏った状態で、前記隣車線前方車両のリスクポテンシャルを設定するとともに、前記対象車両に対する前記隣車線後方車両の相対速度が正である場合に、前記対象車両の側へと偏った状態で、前記隣車線後方車両のリスクポテンシャルを設定する、
    車線変更推定方法。
  11. 請求項8から請求項10の何れかに記載の車線変更推定方法において、
    前記自車線リスクポテンシャル設定サブステップでは、前記自車線前方車両に対する前記自車両の相対速度が負である場合に、前記自車線前方車両とは反対側の後方側へと偏った状態で、前記自車両のリスクポテンシャルを設定するとともに、前記自車両に対する前記自車線前方車両の相対速度が負である場合に、前記自車両の側へと偏った状態で、前記自車線前方車両のリスクポテンシャルを設定し、
    前記隣車線リスクポテンシャル設定サブステップでは、前記対象車両に対する前記隣車線前方車両の相対速度が負である場合に、前記対象車両の側へと偏った状態で、前記隣車線前方車両のリスクポテンシャルを設定するとともに、前記対象車両に対する前記隣車線後方車両の相対速度が負である場合に、前記対象車両とは反対側の後方側へと偏った状態で、前記隣車線後方車両のリスクポテンシャルを設定する、
    車線変更推定方法。
  12. 車両を制御する車両制御方法であって、
    請求項7から請求項11の何れかの車線変更推定方法を実行し、
    前記車線変更推定方法の実行により推定した、前記対象車両が前記自車線における前記自車両と前記自車線前方車両との間に車線変更してくるか否かの推定結果に基づき、前記車両の速度および車間距離の少なくとも一方を制御する、
    車両制御方法。
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