JP7150749B2 - 飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、プリン体およびプロリンを含む飲料に関する。
健康志向が高まる中で、低カロリー、低糖質、低プリン体量の飲料の需要が高まっている。近年、特に、高尿酸血症、痛風などの原因物質といわれているプリン体の含有量が低い飲料が強く望まれている。
ビールテイスト飲料においてプリン体の含有量の低減方法として、活性炭や樹脂などによってプリン体を吸着除去する方法が知られている(特開2004-275091号(特許文献1)、特許5850553号(特許文献2)。しかしながら、このようなプリン体の低減方法では、充分な選択性がなくプリン体以外の成分(苦味、色、うまみ)も除去されてしまうという問題があった。
また、ビールテイスト飲料においてプリン体の含有量の低減方法として、原料となる麦芽の使用量を低減させる方法も知られている(特開2014-166169号(特許文献3)、特開2015-80457号(特許文献4))。しかしながら、このようなプリン体の低減方法では、原料となる麦芽が不足することによって、麦芽に由来するうまみや飲み応えに欠けてしまうという問題があった。
特開2004-275091号 特許5850553号 特開2014-166169号 特開2015-80457号
このような状況の下、プリン体の含有量を低減しながら、飲み応えのある飲料が求められている。また、プリン体の含有量を低減しながら、飲み応えのあるビールテイスト飲料が求められている。
本発明の発明者らは、プリン体の含有量が一定量以下の飲料において、プリン体濃度とプロリン濃度の割合が所定の範囲内にある場合に、飲み応えを効率的に付与でき、特に飲料がビールテイスト飲料の場合、飲み応えを効率的に付与できることを見出した。
本発明には以下の態様の発明が含まれる。
[1]
プリン体およびプロリンを含む飲料であって、
プリン体濃度が4.5mg/100mL以下であり、
プリン体濃度(mg/100mL)/プロリン濃度(mM)が0.05~1.5である飲料。
[2]
プロリン濃度が0.7mM以上である、[1]に記載の飲料。
[3]
プリン体濃度が2mg/100mL以下である、[1]または[2]に記載の飲料。
[4]
プリン体濃度が1mg/100mL以下であり、
プロリン濃度が0.8mM以上である、
[1]または[2]に記載の飲料。
[5]
麦芽飲料である、[1]~[4]のいずれかに記載の飲料。
[6]
麦芽発酵飲料である、[1]~[4]のいずれかに記載の飲料。
[7]
ビールテイスト飲料である、[1]~[6]のいずれかに記載の飲料。
[8]
[1]~[7]のいずれかに記載の飲料が容器詰めされた、容器詰飲料。
本明細書において、「プリン体」とは、プリン核構造を有する化合物であれば特に限定されるものではない。したがって、「プリン体」としては、たとえば、プリン塩基(アデニン、グアニン、キサンチン、ヒポキサンチン)、プリンヌクレオシド(アデノシン、グアノシン、イノシン)、プリンヌクレオチド(アデニル酸、グアニル酸、イノシン酸)、および低分子または高分子の核酸(オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド)などが挙げられる。
また、本明細書において、プリン体濃度(mg/100mL)/プロリン濃度(mM(1/1000モル/L))を「プリン体/プロリン濃度比」ともいう。
本発明は、プリン体の含有量を低減しながら、飲み応えのある飲料を提供する。
1 プリン体およびプロリンを含む飲料
本発明の飲料は、プリン体およびプロリンを含む飲料であって、プリン体濃度が4.5mg/100mL以下であり、プリン体/プロリン濃度比が0.05~1.5である飲料である。一般に、プリン体はうまみや飲み応えを生み出す成分であるが、本発明の飲料は、プリン体が低減されているにもかかわらず、プリン体濃度とプロリン濃度との割合を所定の範囲内に設定することによって、飲み応えを増強することが可能である。特に、ビールテイスト飲料において、プリン体の含有量を低減しながら飲み応えを効果的に増強することができる。
本発明の飲料に含まれるプリン体とは、プリン核構造を有する化合物であれば特に限定されるものではない。プリン体濃度(mg/100mL)/プロリン濃度(mM)が0.05~1.5であり、プリン体濃度が4.5mg/100mL以下であれば、プリン体濃度は限定されない。プリン体濃度は2mg/100mL以下が好ましく、1mg/100mL以下がさらに好ましく、0.9mg/100mL以下が特に好ましい。
本発明の飲料に含まれるプロリンとは、イミノ基を持つ環状アミノ酸であり、その製造法は特に限定されず、たとえば発酵法でも合成法でも良い。また、プロリンは、市販されているものを入手可能である。プロリンは化合物として飲食品に添加してもよく、あるいは、酵母エキスに含有する態様で添加されてもよい。プロリン濃度は、プリン体濃度(mg/100mL)/プロリン濃度(mM)が0.05~1.5であれば特に限定されないが、0.3mM以上が好ましく、0.7mM以上がさらに好ましい。
本発明のビールテイスト飲料は、ビール様の風味をもつ炭酸飲料をいう。本発明のビールテイスト飲料は、特に断わりがない場合、酵母による発酵工程の有無やアルコールの有無に拘わらず、ビール風味を有するいずれの炭酸飲料も包含する。本発明のビールテイスト飲料の種類としては、例えば、日本の酒税法上の名称における発泡酒、ビール、リキュール類、その他雑酒が含まれ、また、低アルコールの発酵飲料(例えばアルコール分1%未満の発酵飲料)、スピリッツ類、ノンアルコールのビールテイスト飲料、ビールテイストの清涼飲料なども含まれる。
本発明のビールテイスト飲料のアルコール分は特に限定されないが、好ましくは0~40重量%、より好ましくは1~15重量%である。特にビールや、発泡酒といったビールテイスト飲料として消費者に好んで飲用されるアルコールと同程度の濃度、すなわち、1~7重量%の範囲であることが望ましいが、特に限定されるものではない。
1.1 原材料
本発明の飲料は、得られる飲料がプリン体およびプロリンを含めばその原材料は限定されない。したがって、主な原材料としてプリン体、プロリンまたはその両者を十分に含まない場合、それらを添加することなどによって、本発明の飲料を製造できる。
本発明のビールテイスト飲料の主な原材料は水、穀物、ホップ、糖類、水溶性食物繊維および各種添加物などである。
穀物としては、例えば、麦(大麦、小麦、ハト麦、ライ麦、エン麦、それらの麦芽など)、米(白米、玄米など)、とうもろこし、こうりゃん、ばれいしょ、豆(大豆、えんどう豆など)、そば、ソルガム、粟、ひえ、およびそれらから得られたデンプン、これらの抽出物(エキス)などがあげられる。
麦芽とは、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦などの麦類の種子を発芽させて乾燥させ、除根したものをいい、産地や品種は、いずれのものであってもよい。本発明においては、好ましくは大麦麦芽を用いる。大麦麦芽は、日本のビールテイスト飲料の原料として最も一般的に用いられる麦芽の1つである。大麦には、二条大麦、六条大麦などの種類があるが、いずれを用いてもよい。さらに、通常麦芽のほか、色麦芽なども用いることができる。なお、色麦芽を用いる際には、種類の異なる色麦芽を適宜組み合わせて用いてもよいし、一種類の色麦芽を用いてもよい。
ホップとは、ビールなどの製造に使用される通常のペレットホップ、ベールホップ、ホップエキス、ホップ加工品(イソ化ホップ、ヘキサホップ、テトラホップ)などをいう。
糖類としては、穀物由来のデンプンを酸または酵素などで分解した市販の糖化液や、市販の水飴などがあげられる。このとき、糖類の形態は、溶液などの液状、または粉末などの固形物状など、どのような形態であってもよい。また、デンプンの原料穀物の種類、デンプンの精製方法、および酵素や酸による加水分解などの処理条件についても特に制限はない。例えば、酵素や酸による加水分解の条件を工夫することにより、マルトースの比率を高めた糖類を用いてもよい。その他、スクロース、フルクトース、グルコース、マルチュロース、トレハルロース、マルトトリオースおよびこれらの溶液(糖液)などを用いることができる。
また、本発明のビールテイスト飲料の原材料に、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、グアーガム分解物、ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸、ラミナリン、フコイジン、カラギーナンなどの水溶性食物繊維を用いることもできる。これらのうち、安定性や安全性などの汎用性の観点から、難消化性デキストリン、ポリデキストロースを原材料に用いることが好ましい。
1.2 その他の添加物
本発明では、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、様々な添加物を添加してもよい。例えば、着色料、泡形成剤、香料、発酵促進剤、甘味料、苦味料、酵母エキス、ペプチド含有物などのタンパク質系物質、アミノ酸などの調味料、アスコルビン酸などの酸化防止剤、各種酸味料などを本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて添加することができる。着色料は、飲料にビール様の色を与えるために使用するものであり、カラメル色素などを用いることができる。泡形成剤は、飲料にビール様の泡を形成させるため、あるいは飲料の泡を保持させるために使用するものであり、大豆サポニン、キラヤサポニンなどの植物抽出サポニン系物質、コーン、大豆などの植物タンパク、およびペプチド含有物、ウシ血清アルブミンなどのタンパク質系物質、酵母エキスなどを適宜使用することができる。香料は、ビール様の風味付けのために用いるものであり、ビール風味を有する香料を適量使用することができる。発酵促進剤は、酵母による発酵を促進させるために使用するものであり、例えば、酵母エキス、米や麦などの糠成分、ビタミン、ミネラル剤などを単独または組み合わせて使用することができる。甘味料は、天然甘味料および合成甘味料のいずれの高甘味度甘味料も使用することができ、ショ糖誘導体、例えばスクラロースなど;合成甘味料、例えばアセスルファムK、サッカリンなどが挙げられ、これらは単独または2種以上組み合せて用いることができる。苦味料は、飲料に配合することによって味覚に苦味を知覚せしめる植物体あるいは植物抽出物であればよい。苦味料としては、姫茴香、杜松実、セージ、迷迭香、マンネンタケ、月桂樹、迷迭香、マンネンタケ、クワシン、ナリンギン、柑橘抽出物、ニガキ抽出物、コーヒー抽出物、茶抽出物、ゴーヤ抽出物、ハス胚芽抽出物、キダチアロエ抽出物、ニガヨモギ抽出物、ローレル抽出物などを用いることができる。
1.3 炭酸ガス
本発明の飲料は炭酸ガスを含んでもよく、その炭酸ガスは、原材料に含まれる炭酸ガスを利用してもよく、また、炭酸水との混和または炭酸ガスの添加などで溶解させてもよい。
本発明のビールテイスト飲料に含まれる炭酸ガスは、原材料に発酵液を用いた場合、発酵工程で炭酸ガスが発生するため、当該炭酸ガスをそのまま用いることができる。また、原材料に非発酵液を用いた場合、発酵工程で発生する炭酸ガスを利用できないため、非発酵液と炭酸水との混和、または非発酵液に炭酸ガスの添加によって、ビールテイスト飲料に炭酸ガスを溶解させることができる。
本発明の飲料に含まれる炭酸ガスの量は、飲料の炭酸ガス圧によって表され、これは、本発明の効果を妨げない限り、特に限定されない。典型的には、飲料の炭酸ガス圧の上限は4.0kg/cm、3.4kg/cm、または2.8kg/cmであり、下限は0.2kg/cm、0.9kg/cm、または1.5kg/cmであり、これらの上限および下限のいずれを組み合わせてもよい。例えば、飲料の炭酸ガス圧は、0.2kg/cm以上4.0kg/cm以下、0.2kg/cm以上3.4kg/cm以下、0.9kg/cm以上2.8kg/cm以下、または1.5kg/cm以上2.8kg/cm以下であってよい。本明細書におけるガス圧とは、特別な場合を除き、容器内におけるガス圧をいう。圧力の測定は、当業者によく知られた方法、例えば20℃にした試料をガス内圧計に固定した後、一度ガス内圧計の活栓を開いてガスを抜き、再び活栓を閉じ、ガス内圧計を振り動かして指針が一定の位置に達したときの値を読み取る方法を用いて、または市販のガス圧測定装置を用いて測定することができる。
2 飲料の製造方法
本発明の飲料の製造方法は、特に限定されないが、プリン体の含有量の多いまたは少ない原材料を選択することや、これらの原材料を増減させることによって、プリン体/プロリン濃度比を調整することができる。同様に、プロリンの含有量の多いまたは少ない原材料を選択することや、これらの原材料を増減させることによって、プリン体/プロリン濃度比を調整することができる。さらに、本発明の製造方法において、飲料の製造途中で希釈、フィルタリング等を行うことによって、プリン体濃度またはプロリン濃度を調整してもよい。
具体的には、プリン体の含有量が低い飲料の製造方法として、(i)飲料またはその原飲料を活性炭や樹脂などでフィルタリングすることによってプリン体を吸着除去する方法、(ii)飲料またはその原飲料を水や炭酸水などで希釈する方法、(iii)原料となる麦芽の使用量を低減させる方法、または、これらの方法の組み合わせなどが挙げられる。これらの製造方法は、ビールテイスト飲料の製造方法にも用いてもよい。
また、本発明のビールテイスト飲料の製造には、発酵工程を経て得られた発酵液や、発酵工程を経ていない非発酵液を用いることができる。
また、プリン体/プロリン濃度比を調整するために、本発明の製造方法はプロリンを添加する工程を含んでもよい。当該製造方法において、プロリンを添加するタイミングは限定されない。具体的には、発酵液を用いる場合、プロリンの添加のタイミングは発酵工程の前後または発酵工程中であってもよい。また、プロリンは、麦芽等の原材料と一緒に添加してもよい。原材料自体にプロリンが含まれている場合、原材料由来のプロリンの含有量と添加するプロリンの含有量の合計が、所定の含有量になるようにプロリンを添加する。
以下、本発明のビールテイスト飲料の製造方法を説明する。
2.1 発酵液、非発酵液の製造
(1) 発酵液の製造
本発明のビールテイスト飲料の製造方法に用いられる発酵液は、例えば、仕込み工程、発酵工程、貯酒工程、ろ過工程、および容器詰工程などの当業者に周知のビールテイスト飲料の製造工程によって得られる。
具体的には、原料を仕込釜または仕込槽に投入し、必要に応じてアミラーゼなどの酵素を添加し、糊化、糖化を行わせ、ろ過して煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパクなどの固形分を取り除く。その後、さらに酵母を添加して発酵させ、ろ過機などで酵母を取り除き、必要に応じて水、醸造用アルコールや添加剤などを加え、発酵液を得る。
発酵工程は、麦、麦芽エキス、大豆ペプチド、ホップなどと水を含む麦汁などの原液に酵母を添加し、発酵を行う工程であればよく、発酵温度、および発酵期間などの諸条件は、自由に設定することができる。例えばビールテイスト発酵飲料を製造する場合、通常のビールや発泡酒の製造のための発酵条件である、8~25℃、5~10日間、の条件で発酵させてもよい。発酵工程の途中で発酵液の温度(昇温、または降温)、または圧力を変化させてもよい。
発酵工程で用いる酵母は、製造すべき発酵飲料の種類、目的とする香味や発酵条件などを考慮して選択することができる。例えばWeihenstephan-34株など、市販の酵母を用いることができる。酵母は、酵母懸濁液のまま麦汁に添加しても良いし、遠心分離あるいは沈降により酵母を濃縮したスラリーを麦汁に添加しても良い。また、遠心分離の後、完全に上澄みを取り除いたものを添加しても良い。酵母の麦汁への添加量は適宜設定できるが、例えば、5×106cells/ml~1×108cells/ml程度である。
(2) 非発酵液の製造
本発明のビールテイスト飲料の製造方法に用いられる非発酵液の製造工程は、発酵工程を含まず、麦、麦芽エキス、大豆ペプチド、ホップなどと水を含む麦汁などの原液に、炭酸水または炭酸ガスと、アルコールとを混和する混和工程によって得られる。非発酵液は混和工程の他に、さらに、仕込み工程、貯酒工程、および容器詰工程などの当業者に周知のビールテイスト飲料の製造工程を含んでもよい。
(3) プリン体含有量の低減化
本発明のビールテイスト飲料は、プリン体/プロリン濃度比を調整するために、プリン体含有量の低減化することができる。具体的には、発酵液および非発酵液を活性炭や樹脂などでフィルタリングすることによってプリン体を吸着除去する、または、発酵液および非発酵液を水や炭酸水などで希釈する、またはこれらの組み合わせによって、ビールテイスト飲料中のプリン体の含有量を低くすることができる。フィルタリングは特許文献1や2等に記載の公知の方法を用いることができる。
2.2 プリン体濃度とプロリン濃度との割合の調整
飲料におけるプリン体濃度とプロリン濃度との割合を所定の範囲内に調整するために、飲料などにプロリンが添加されてもよい。プロリンの添加のタイミングは特に限定されず、発酵液または非発酵液の製造前、製造途中または製造後であってもよい。また、プロリンの添加は複数回に分けられてもよい。添加されるプロリンは、麦芽等の穀物由来、豆類由来のプロリンであっても、単離生成されたプロリンであってもよい。
3 容器詰飲料
本発明の飲料は、容器に充填・密閉して、容器詰めとすることができる。いずれの形態・材質の容器を用いてもよく、容器の例としては、ビン、缶、樽、またはペットボトルが挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例によっては制限されない。
[プロリン濃度の測定]総アミノ酸・プロリンの分析は、日立製作所製L-8800アミノ酸分析計を用いた。分離カラムは#2622 pH Column、ガードカラムは#2619 Packed Cartridge Column、アンモニアフィルタカラムは #2650 L Column (以上、いずれも日立ハイテクサイエンス社製)を用い、プロリンは440nm、プロリン以外のアミノ酸はニンヒドリンで発色させ570nm で検出し、予め作成した検量線より濃度を算出した。
[プリン体濃度の測定]
プリン体濃度の測定は、液体クロマトグラフ-質量分析法を用いて実施した。
[実施例1]
市販されているビール製品(プリン体濃度:9mg/100mL、プロリン濃度4.5mM)を炭酸水で3倍に希釈した3倍希釈飲料(プリン体濃度:3mg/100mL、プロリン濃度1.5mM)を調製した。このようにして得られた3倍希釈飲料にプロリン(マルゴコーポレーション社製)を添加しプロリン濃度2mMの飲料を得た。
[実施例2~5]
前記ビール製品を炭酸水で10倍に希釈した10倍希釈飲料(プリン体濃度:0.9mg/100mL、プロリン濃度0.45mM)を調製した。このようにして得られた10倍希釈飲料にプロリン(マルゴコーポレーション社製)を添加しプロリン濃度0.9mMの飲料を得た(実施例2)。
実施例2と同様に、前記10倍希釈飲料にプロリンを添加し、プロリン濃度が3mMの飲料(実施例3)、9mMの飲料(実施例4)および18mMの飲料(実施例5)を得た。
[実施例6]
前記ビール製品を炭酸水で希釈した飲料にプロリンを添加し、プリン体濃度0.35mg/100mL、プロリン濃度0.9mMの飲料を得た。
[実施例7]
前記ビール製品を炭酸水で180倍に希釈した180倍希釈飲料(プリン体濃度:0.05mg/100mL、プロリン濃度0.025mM)を調製し、当該飲料にプロリンを添加しプロリン濃度0.9mMの飲料を得た。
[比較例1~4]
前記市販されているビール製品(プリン体濃度:9mg/100mL、プロリン濃度4.5mM)を比較例1、3倍希釈飲料を比較例2、10倍希釈飲料を比較例3、180倍希釈飲料を比較例4とした。
[比較例5]
前記10倍希釈飲料(プリン体濃度:0.9mg/100mL、プロリン濃度0.45mM)(比較例3)にグリシン(マルゴコーポレーション社製)を添加しグリシン濃度0.9mMの飲料を得た。
このようにして得られた飲料について、訓練されたパネラー4名によって、飲み応えとビールテイスト飲料としての総合評価について官能評価を実施した。飲み応えについて、0~3(0.5刻み)
0:ない
1:感じる
2:強く感じる
3:とても強く感じる
で評価し、1.5以上を合格とした。
また、ビールテイスト飲料としての総合評価について0~3(0.5刻み)
0:不可
1:可
2:良
3:優良
で評価した。
これらの結果は表1のとおりであった。
Figure 0007150749000001
上記結果から、プリン体の含有量が低減された飲料において、プリン体濃度とプロリン濃度を所定の値の範囲内に調整すると飲み応えが向上することがわかった。具体的には、実施例1と比較例2はプリン体濃度が3mg/100mLで同一だが、実施例1は比較例2に比べて飲み応えも飲料としての総合評価も高い。実施例2~5と比較例3を比較しても、実施例7と比較例4を比較しても同様の効果が確認できた。
また、比較例5は、比較例3の飲料にプロリンと同様に甘みを呈するアミノ酸の1種であるグリシンを添加してプリン体濃度/グリシン濃度1.00に調整した飲料であるが、プロリンを添加してプリン体濃度/プロリン濃度1.00に調整した実施例2と異なり、飲み応えが十分に向上せず、飲料としての総合評価も十分に向上しなかった。このことから、アミノ酸の中でもプリン体濃度に対するプロリン濃度の割合が、特に飲み応えの付与に効果的に効いていることがわかった。
本発明は、プリン体を低減しながら、高い飲み応えを有する飲料を提供できる。

Claims (7)

  1. プリン体およびプロリンを含む飲料であって、
    プリン体濃度が0.35mg/100mL以下であり、
    プリン体濃度(mg/100mL)/プロリン濃度(mM)が0.05~0.39であり、
    プロリン濃度が0.3~0.9mMであり、
    ビールテイスト飲料である、
    飲料。
  2. プリン体およびプロリンを含む、非発酵の飲料であって、
    プリン体濃度が4.5mg/100mL以下であり、
    プリン体濃度(mg/100mL)/プロリン濃度(mM)が0.05~1.5であり、
    ビールテイスト飲料である、
    飲料。
  3. プロリン濃度が0.7mM以上である、請求項1又は2に記載の飲料。
  4. プロリン濃度が9mM以上である、請求項2に記載の飲料。
  5. 前記ビールテイスト飲料が、麦芽飲料である、請求項1~のいずれかに記載の飲料。
  6. 前記ビールテイスト飲料が、麦芽発酵飲料である、請求項1及び3~4のいずれかに記載の飲料。
  7. 請求項1~のいずれかに記載の飲料が容器詰めされた、容器詰飲料。
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