JP7149843B2 - 車体前部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車体前部構造、特に、バンパビームの車両幅方向両端部がそれぞれガセットを介してサイドメンバの車両前方部に連結されている車両の車体前部構造に関する。
車両の衝突のパターンとして、衝突対象物が車両の前方から且つ車幅方向の端部側の一部のみで衝突するスモールオーバラップ前面衝突が知られている。また、車室内の乗員保護に関する試験としてもスモールオーバラップテスト(スモールオーバラップ前面衝突試験)が知られており、このテストでは、車両前側部における車体前部構造の構造体を如何に変形させて、その荷重エネルギーを吸収するかなどの試験や研究が行われている。
スモールオーバラップ前面衝突に対応する技術として、例えば、下記特許文献1に記載される車体前部構造では、バンパビームの車両幅方向両端部がそれぞれガセットを介してサイドメンバの車両前方部に連結されている。このガセットは、サイドメンバ側の結合部分よりもバンパビーム側の結合部分が車両前方に向けて車両幅方向外側に伸長するように配設されている。これにより、スモールオーバラップ前面衝突時に荷重が作用すると、ガセットがサイドメンバを車両幅方向内側に変形させてパワーユニット(エンジン)を車両側方に押すことになる。その結果、スモールオーバラップ前面衝突時の荷重のエネルギーを吸収するようにしている。なお、下記特許文献2に記載されるように、ガセットとサイドメンバの結合部の近傍において、車両幅方向両側のサイドメンバをクロスメンバで連結する車体前部構造も存在する。
特開2017-171222号公報 特開2017-109713号公報
ところで、電動車両では、車両駆動用のモータ(モータジェネレータ)を車両前部に搭載することもあり得る。具体的には、一般的な乗用車両におけるパワーユニット(エンジン)の搭載部位、すなわち車室前方にモータを搭載する。このように、車室前方にモータを搭載する車両に、上記特許文献1に記載の車体前部構造を採用すると、スモールオーバラップ前面衝突の荷重で変形・移動したサイドメンバやガセットがモータに接触し、それによりモータが損傷するおそれがある。一般に、車両駆動用のモータは高電圧大電流で駆動されるので、そうした車両駆動用モータの損傷は、例えば、漏電などを回避するためにも避ける必要がある。その結果、スモールオーバラップ前面衝突時でも車室前方の搭載物に構造体が接触しない車体前部構造が望まれる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、スモールオーバラップ前面衝突時でも車室前方の搭載物、特に車両駆動用モータに構造体が接触しない車体前部構造を提供することにある。
上記目的を達成するため請求項1に記載の車体前部構造は、
車両幅方向両側部で車両前後方向に延在するサイドメンバと、前記サイドメンバの車両前方部で2つの該サイドメンバ間に架け渡され且つ車両幅方向両端部が該サイドメンバよりも車両幅方向外側に延在するバンパビームと、前記バンパビームの車両幅方向両端部のそれぞれと前記サイドメンバの車両幅方向外側部とを連結する連結部材であって、サイドメンバへの結合部分に対してバンパビームへの結合部分が車両前方で且つ車両幅方向外側にあるように構成されたガセットと、該ガセットと前記サイドメンバとの結合部の近傍で前記2つのサイドメンバを連結するクロスメンバと、を有する車体前部構造において、
前記クロスメンバと前記サイドメンバとの結合部の車両前方端部の位置は、前記ガセットと該サイドメンバとの結合部の車両後方端部の位置と車両前後方向で同じ位置か又は車両後方側に設定され、少なくとも前記ガセットの前記サイドメンバへの結合部分であるサイドメンバ結合部の剛性は、該サイドメンバの前記クロスメンバとの結合部分であるクロスメンバ結合部を含む該クロスメンバ結合部の近傍の剛性よりも大きく設定されたことを特徴とする。
この構成によれば、スモールオーバラップ前面衝突の荷重が作用すると、ガセットが車両後方で且つ車両幅方向内側に移動され、これにより、ガセットのサイドメンバ結合部がサイドメンバのクロスメンバ結合部を圧し潰す。このガセットによるサイドメンバの圧し潰しには、短時間といえども時間を要し、その間、ガセットは車両幅方向内側と同時に車両後方側に移動される。しかし、このサイドメンバの圧し潰しの以前に、ガセットはクロスメンバよりもやや車両前方側の位置でサイドメンバに結合されていることから、圧し潰しの完了時にはガセットのサイドメンバ結合部はクロスメンバ側に移動して押当する。このとき、ガセットのサイドメンバ結合部は、クロスメンバに対して、車両後方向きで且つ車両幅方向内側向きに押当されるので、スモールオーバラップ前面衝突時の荷重が車両後方及び車両幅方向内側に略均等に分散される。
このうち、車両幅方向内側に作用する分散荷重はクロスメンバが支持するので、サイドメンバの車両幅方向内側への折れ曲がりが防止される。したがって、サイドメンバのクロスメンバ結合部より車両後方側の部分は、車両幅方向内側への折れ曲がり又は、主として、車両後方側への圧縮変形状態となり、車体前部構造を構成する構造体が車室前方の搭載物(モータなど)に接触するのを回避することができる。
請求項2に記載の車体前部構造は、請求項1に記載の車体前部構造において、
前記ガセットのサイドメンバ結合部は、スモールオーバラップ前面衝突時の荷重に対して略無変形の剛性を有する高剛性部材で構成され、前記ガセットの前記バンパビームへの結合部分であるバンパビーム結合部の剛性は、前記スモールオーバラップ前面衝突時の荷重によって圧潰する剛性であることを特徴とする。
この構成によれば、ガセットのサイドメンバ結合部よりも車両前方で且つ車幅方向外側に存在しているバンパビーム結合部がスモールオーバラップ前面衝突時の荷重で圧潰し始めると、車両平面視における所定位置を中心としてサイドメンバ結合部が車両後方側で且つ車両幅方向内側に回転される。その状態で、更にスモールオーバラップ前面衝突時の荷重が車両後方向きに作用した結果、サイドメンバ結合部が車両後方で且つ車両幅方向内側に移動される。このサイドメンバ結合部は、スモールオーバラップ前面衝突時の荷重が作用しても略無変形の剛性を有するので、このサイドメンバ結合部がサイドメンバのクロスメンバ結合部を確実に圧し潰し、これによりガセットのサイドメンバ結合部がクロスメンバに直接的に押当する。
請求項3に記載の車体前部構造は、請求項1又は2に記載の車体前部構造において、前記ガセットは、スモールオーバラップ前面衝突時の所定の荷重で前記サイドメンバ結合部が前記クロスメンバに直接的に押当して該荷重が車両前後方向後方及び車両幅方向内側方向に略均等に分散される位置に配置されたことを特徴とする。
この構成によれば、例えば、スモールオーバラップ前面衝突時に作用する所定荷重の応力解析によって得られた位置にガセットが予め配置されていることから、スモールオーバラップ前面衝突時にはガセットの高剛性のサイドメンバ結合部がクロスメンバに確実に押当して荷重を車両後方及び車両幅方向内側に略均等に確実に分散する。その結果、スモールオーバラップ前面衝突時の構造体の大幅な車両後方側への移動が確実に回避され、これにより車体前部構造を構成する構造体が車室前方の搭載物に接触するのを回避することができる。
以上説明したように、本発明によれば、スモールオーバラップ前面衝突時の荷重に対して、サイドメンバのクロスメンバ結合部の近傍部分は主として車両後方に圧潰されてエネルギーを吸収することができるので、車体前部構造を構成する構造体が車室前方の車両駆動用モータなどの搭載物に接触するのを回避することができる。これにより、スモールオーバラップ前面衝突時における車室内の乗員の保護だけでなく、電動車両における漏電問題も回避することができる。
本発明の車体前部構造が適用された電動車両の車体前部の一実施の形態を示す概略斜視図である。 図1の車体前部構造の作用の説明図である。 図1の車体前部構造の作用の説明図である。 図1の車体前部構造の作用の説明図である。 図1の車体前部構造の作用の説明図である。 図1の車体前部構造の作用の説明図である。
以下に、本発明の車体前部構造の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態の車体前部の概略構成を示す斜視図である。周知のように、実際の車両では、多種の車体構造体が複雑に配置・取付けされているが、以下の図は、この実施の形態の車体前部構造の主要部のみを簡潔に示している。また、図示される車体前部構造の車両後方には車室が設けられる。また、図中の「前」、「左」、「上」は、車室内に乗車した状態での方向を示している。
車両幅方向両側部のそれぞれには、車両前後方向に伸長するサイドメンバ10が配設されている。図では、車両前部のみが示されているが、実際には、車室の下部まで延設され、車両後部まで延長される場合もある。車体前部構造におけるサイドメンバ10は、フロントサイドフレームなどとも呼ばれ、何れの車両にあっても車体前部構造を支える重要な骨格部材である。なお、サイドメンバ10の上下方向における伸長方向は、路面と略平行である。
この2つのサイドメンバ10の車両前方には、車両幅方向に伸長するバンパビーム12が配設されている。この実施の形態のバンパビーム12は、2つのサイドメンバ10間に架け渡され且つ車両幅方向両端部が各サイドメンバ10よりも車両幅方向外側まで延在している。この実施の形態では、バンパビーム12は、車両前後方向に伸長するクラッシュボックス14を介してサイドメンバ10の車両前端部に取付けられている。すなわち、サイドメンバ10の車両前端部が直接的にバンパビーム12に連結されているのではなく、サイドメンバ10の車両前端部とバンパビーム12の間にクラッシュボックス14が介装されている。
クラッシュボックス14は、車両前方からの荷重で潰れることによってそのエネルギーを吸収するものである。クラッシュボックス14は、一般に、バンパビーム12に一体的に取付けられており、そのクラッシュボックス14をバンパビーム12ごと、ボルト・ナットなどの締結具を介して、サイドメンバ10の車両前端部に取付ける。したがって、クラッシュボックス14とサイドメンバ10の連結構造には、周知のように、それぞれに一体的に固着されたプレートが介在しているが、この実施の形態では、図示及び説明を省略する。なお、この実施の形態では、クラッシュボックス14が取付けられるサイドメンバ10の車両前端部は、比較的剛性の大きい部材で構成されており、以下では、この部分を前方高剛性部16ともいう。
バンパビーム12のうち、サイドメンバ10の位置よりも車両幅方向外側に延在している部分は、車両幅方向両側のそれぞれで、連結部材であるガセット20を介してサイドメンバ10の車両前方部の車両幅方向外側部(面)と連結されている。したがって、ガセット20は、サイドメンバ10への結合部分(サイドメンバ結合部24)よりもバンパビーム12への結合部分(バンパビーム結合部22)が車両前方且つ車両幅方向外側になるように車両前後方向に対して斜めに伸長するように配設されている。この実施の形態のガセット20は、サイドメンバ結合部24とバンパビーム結合部22に二分されたものが一体化されて構成されている。このうち、サイドメンバ結合部24は、後述するスモールオーバラップ前面衝突時の荷重が作用しても、変形しないか又は僅かにしか変形しない、略無変形の剛性を有する、バルク(塊体)のような高剛性部材で構成されている。すなわち、このサイドメンバ結合部24は、サイドメンバ10のクロスメンバ26との結合部であるクロスメンバ結合部及びその近傍の剛性よりも大きい。
一方、バンパビーム結合部22は、サイドメンバ結合部24よりも剛性の小さい部材で、例えば方形閉断面に構成されており、スモールオーバラップ前面衝突の荷重が作用すると、部材の伸長方向に圧潰するような剛性に設定されている。なお、ガセット20のサイドメンバ10との結合構造については詳細に図示していないが、例えば、ガセット20のサイドメンバ結合部24の車両幅方向内側後端部から上下方向に広いフランジ状結合部を車両後方側に小さく延設し、この延設されたフランジ状結合部を上下方向に複数の溶接点でサイドメンバ10の車両幅方向外側面に堅固に固着している。すなわち、ガセット20とサイドメンバ10の結合部(の位置)は、ガセット20の本体部から車両後方側に離れていない。ちなみに、ガセット20のサイドメンバ結合部24は、上記サイドメンバ10の前方高剛性部16に結合されている(例えば図2参照)。また、ガセット20の上下方向における伸長方向は、路面と略平行である。
上記2つのサイドメンバ10の車両前方部は、上記ガセット20との結合部の近傍において、それらサイドメンバ10間に配設されたクロスメンバ26によって連結されている。サイドメンバ10は、図示のクロスメンバ26の他、車両前後方向側に配設された、例えばラジエータコアサポートのような横部材で連結されているが、ここでは、ガセット20が結合されている部分のクロスメンバ26だけを図示・説明する。この実施の形態では、このクロスメンバ26とガセット20の位置関係が重要である。このクロスメンバ26とガセット20は、例えば図2に示すように、クロスメンバ26とサイドメンバ10との結合部の車両前方端部の位置が、ガセット20とサイドメンバ10との結合部の車両後方端部の位置と車両前後方向で同じ位置か又は車両後方側に設定されている。これは、後述するように、スモールオーバラップ前面衝突の荷重でガセット20のサイドメンバ結合部24がクロスメンバ26に直接的に押当してその荷重を車両前後方向後方及び車両幅方向内側に略均等に分散するための構成要件である。
なお、この実施の形態では、上記クロスメンバ26より車両後方側で且つ2つのサイドメンバ10の間、すなわち車室前方に車両駆動用の図示しないモータ(モータジェネレータ)が搭載される。また、そのモータの車両後方側に駆動用バッテリが配置される場合もある。また、上記サイドメンバ10の車室近傍部分は、例えば、上方に一体的に形成されるストラットタワー28によって剛性が高められている。また、サイドメンバ10上に配置される図示しないモータマウント部材も、サイドメンバ10の車室近傍部の剛性向上に寄与する場合がある。このサイドメンバ10の車室近傍部分を後方高剛性部26と呼ぶ。
次に、図2~図6を用いて、この実施の形態の車体前部構造の作用について説明する。ここでは、この実施の形態の電動車両に対するスモールオーバラップ前面衝突時の挙動について説明する。このスモールオーバラップ前面衝突は、例えば図2に示すように、車両幅方向外側から車幅の25%に相当する距離の車両前部範囲を所定形状のバリア(障壁)Bに車両前方から予め設定された所定の速度で衝突させる。図2は、バンパビーム12にバリアBが接触開始した状態を示す平面図である。以下、図面は、全て車両の前方左端部のみ(ストラットタワーは図示を省略)を示している。この実施の形態では、上記クラッシュボックス14の車両幅方向やや外側にバリアBが最初に接触する。この状態から、バリアBが相対的に車両後方側に進むと、図3の平面図に示すように、バンパビーム12の変形を伴ってガセット20のバンパビーム結合部22が部材伸長方向に圧潰すると共にクラッシュボックス14の車両後方側への圧潰が始まる。
更に、バリアBが相対的に車両後方側に進むと、図4の平面図に示すように、ガセット20のバンパビーム結合部22及びクラッシュボックス14はほぼ圧潰し、サイドメンバ10の前方高剛性部16を伴ってガセット20のサイドメンバ結合部24が、車両平面視で、サイドメンバ10の車両前端部の車両幅方向やや内側箇所を中心として車両後方側で且つ車両幅方向内側に回転し始める。これと同時に、サイドメンバ10の前方高剛性部16の車両後方部分、すなわち前方高剛性部16とクロスメンバ26との間の部分が車両後方向きに圧潰する。これらの構造体の圧潰によって、スモールオーバラップ前面衝突の荷重のエネルギーが或る程度まで吸収される。更に、バリアBが相対的に車両後方側に進むと、図5の平面図に示すように、ガセット20の高剛性のサイドメンバ結合部24がサイドメンバ10のクロスメンバ26との結合部(クロスメンバ結合部11)を車両後方側且つ車両幅方向内側に圧し潰す。
このガセット20のサイドメンバ結合部24によるサイドメンバ10のクロスメンバ結合部11の圧し潰しの間、サイドメンバ結合部24は、更に、車両幅方向内側と同時に車両後方側に移動されるが、このサイドメンバ結合部24は、予めクロスメンバ26よりもやや車両前方側の位置でサイドメンバ10に結合されていることから、サイドメンバ10の圧し潰しが完了すると、ガセット20のサイドメンバ結合部24が直接的にクロスメンバ26の車両幅方向外側端部に押当する。このとき、ガセット20のサイドメンバ結合部24は、クロスメンバ26に対して、車両幅方向内側向きで且つ車両後方向きに押当されることから、スモールオーバラップ前面衝突の残りの荷重Fは、図に矢印(ベクトル)で示すように、車両幅方向内側方向と車両後方に略均等に分散される。
このうち、車両幅方向内側方向に作用する分散荷重は、車両幅方向反対側端部(図示されていない右方端部)が反対側(右側)のサイドメンバ10に固定されたクロスメンバ26によって支持される。すなわち、クロスメンバ26は反対側のサイドメンバ10と共に車両幅方向内側方向に作用する分散荷重の反力を受ける。これにより、サイドメンバ10が車両幅方向内側に折れ曲がるのを防止する。一方、車両後方に作用する分散荷重は、サイドメンバ10の後方高剛性部26によって支持することができる。その結果、図6の平面図に示すように、サイドメンバ10のうち、後方高剛性部26より車両前方側の部分、具体的にはクロスメンバ結合部11よりも車両後方側の部分が車両後方向きに圧潰し、スモールオーバラップ前面衝突の荷重の残りのエネルギーが吸収される。
これに伴い、クロスメンバ26の図示左方端部側、すなわち荷重作用側部分がやや車両後方側に湾曲変形するものの、クロスメンバ26を含めて、これより車両後方側の構造体が車両後方に大幅に移動することがない。また、前述のように、サイドメンバ10の車両幅方向内側への折れ曲がりもないので、例えば図6の右下の空間にモータが搭載されていたとしても、車体前部構造を構成する構造体が、この空間内に入り込むことがなく、したがってモータに構造体が接触することもない。このように、この実施の形態の車体前部構造では、スモールオーバラップ前面衝突に対して、車室内の乗員を保護できることは勿論、車室前方に車両駆動用のモータを搭載する場合にそのモータを損傷させることもない。
このように、この実施の形態の車体前部構造では、スモールオーバラップ前面衝突の荷重が作用すると、ガセット20が車両後方で且つ車両幅方向内側に移動され、これにより、ガセット20のサイドメンバ結合部24がサイドメンバ10のクロスメンバ結合部11を圧し潰す。このガセット20によるサイドメンバ10の圧し潰しには、短時間といえども時間を要し、その間、ガセット20は車両幅方向内側と同時に車両後方側に移動される。しかし、このサイドメンバ10の圧し潰しの以前に、ガセット20はクロスメンバ26よりもやや車両前方側の位置でサイドメンバ10に結合されていることから、圧し潰しの完了時にはガセット20のサイドメンバ結合部24がクロスメンバ26に直接的に押当する。このとき、ガセット20のサイドメンバ結合部24は、クロスメンバ26に対して、車両後方向きで且つ車両幅方向内側向きに押当されるので、スモールオーバラップ前面衝突時の荷重が車両後方及び車両幅方向内側に略均等に分散される。
このうち、車両幅方向内側に作用する分散荷重はクロスメンバ26が支持するので、サイドメンバ10の車両幅方向内側への折れ曲がりが防止される。一方、車両後方に作用する分散荷重に対して、サイドメンバの車室近傍部である後方高剛性部18は、ストラットタワー28などが構成されて剛性が大きいので、車室近傍部から遠い、クロスメンバ結合部11の車両後方側からサイドメンバ10が車両後方に圧潰してエネルギーを吸収する。これに伴って、クロスメンバ26は荷重作用側部分がやや車両後方側に湾曲変形するものの、クロスメンバ26を含めたクロスメンバ26より車両後方側の構造体の大幅な車両後方側への移動が回避される。これらの結果、車体前部構造を構成する構造体が車室前方の搭載物に接触するのを回避することができる。
また、スモールオーバラップ前面衝突時の荷重に対して略無変形の剛性を有する高剛性部材でガセット20のサイドメンバ結合部24を構成し、ガセット20のバンパビーム結合部22の剛性は、スモールオーバラップ前面衝突時の荷重によって圧潰する剛性とした。これにより、サイドメンバ結合部24よりも車両前方で且つ車幅方向外側に存在しているバンパビーム結合部22がスモールオーバラップ前面衝突時の荷重で圧潰し始めると、車両平面視における所定位置を中心としてサイドメンバ結合部24が車両後方側で且つ車両幅方向内側に回転される。その状態で、更にスモールオーバラップ前面衝突時の荷重が車両後方向きに作用した結果、サイドメンバ結合部24が車両後方で且つ車両幅方向内側に移動される。そして、その結果、ガセット20のサイドメンバ結合部24がサイドメンバ10のクロスメンバ結合部を確実に圧し潰し、これによりガセット20のサイドメンバ結合部24がクロスメンバ10に直接的に押当する。
また、ガセット20は、例えば、応力解析により、スモールオーバラップ前面衝突の荷重でサイドメンバ結合部24がクロスメンバ26に直接的に押当して該荷重が車両前後方向後方及び車両幅方向内側方向に略均等に分散される位置に配置されていることから、スモールオーバラップ前面衝突時の構造体の大幅な車両後方側への移動が確実に回避され、これにより車体前部構造を構成する構造体が車室前方の搭載物に接触するのを回避することができる。
以上、実施の形態に係る車体前部構造について説明したが、本件発明は、上記実施の形態で述べた構成に限定されるものではなく、本件発明の要旨の範囲内で種々変更が可能である。例えば、上記実施の形態は、上記クロスメンバ26の車両後方にモータを搭載する電動車両を前提としたが、本件発明の車体前部構造は、モータとエンジンを併載するハイブリッド車両を始め、駆動源としてエンジンのみを搭載するコンベンショナルな乗用車両などにも同様に適用することができる。
10 サイドメンバ
12 バンパビーム
18 後方高剛性部
20 ガセット
22 バンパビーム結合部
24 サイドメンバ結合部
26 クロスメンバ
B バリア

Claims (3)

  1. 車両幅方向両側部で車両前後方向に延在するサイドメンバと、
    前記サイドメンバの車両前方部で2つの該サイドメンバ間に架け渡され且つ車両幅方向両端部が該サイドメンバよりも車両幅方向外側に延在するバンパビームと、
    前記バンパビームの車両幅方向両端部のそれぞれと前記サイドメンバの車両幅方向外側部とを連結する連結部材であって、サイドメンバへの結合部分に対してバンパビームへの結合部分が車両前方で且つ車両幅方向外側にあるように構成されたガセットと、
    該ガセットと前記サイドメンバとの結合部の近傍で前記2つのサイドメンバを連結するクロスメンバと、を有する車体前部構造において、
    前記クロスメンバと前記サイドメンバとの結合部の車両前方端部の位置は、前記ガセットと該サイドメンバとの結合部の車両後方端部の位置と車両前後方向で同じ位置か又は車両後方側に設定され、
    少なくとも前記ガセットの前記サイドメンバへの結合部分であるサイドメンバ結合部の剛性は、該サイドメンバの前記クロスメンバとの結合部分であるクロスメンバ結合部を含む該クロスメンバ結合部の近傍の剛性よりも大きく設定されたことを特徴とする車体前部構造。
  2. 前記ガセットのサイドメンバ結合部は、スモールオーバラップ前面衝突時の荷重に対して略無変形の剛性を有する高剛性部材で構成され、前記ガセットの前記バンパビームへの結合部分であるバンパビーム結合部の剛性は、前記スモールオーバラップ前面衝突時の荷重によって圧潰する剛性であることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
  3. 前記ガセットは、スモールオーバラップ前面衝突時の所定の荷重で前記サイドメンバ結合部が前記クロスメンバに直接的に押当して該荷重が車両前後方向後方及び車両幅方向内側方向に略均等に分散される位置に配置されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車体前部構造。
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