JP7148439B2 - 導体接合治具 - Google Patents
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Description
(1)複数の前記線材を整列させる整列溝が、前記線材の径以下の深さに彫り込まれた、前記多芯線材をフラット状に成型したフラット導体を成型するための前記フラット導体の成型ブロック。
(2)前記フラット導体及び前記平角導体を接合させる接合溝が、前記フラット導体とハンダ材と前記平角導体とを重ね合わせた形状に彫り込まれた接合ブロック。
(3)前記接合溝内に前記フラット導体と前記ハンダ材と前記平角導体とを重ね合わせて収容した状態で、前記ハンダ材を加熱して前記フラット導体と前記平角導体とをハンダ付けするヒータ。
(構成)
以下、図1~図3を参照して、第1の実施形態の構成について具体的に説明する。第1の実施形態に係る導体接合治具1は、フラット導体3と、平らな接合面4を有する平角導体5とを接合するための治具である。フラット導体3は、複数の線材2からなる多芯線材をフラット状に成型した導体である。図1は、導体接合治具1全体の斜視図である。図1に示すように、導体接合治具1は、成型ブロック11と、接合ブロック12とを備えている。
成型ブロック11は、フラット導体3を成型するための薄い直方体状のブロックである。なお、図1では、成型ブロック11及び接合ブロック12にフラット導体3を取り付けた状態では、見やすさを優先して、フラット導体3を構成する線材2の図示は省略する。
接合ブロック12は、フラット導体3と平角導体5とを接合するための薄い直方体状のブロックである。接合ブロック12は、ハンダ溶融し難い難ハンダ付け材、例えばアルミなどからなる。
図3に示すように、接合ブロック12の内部には、接合ブロック12の長手方向に直交して、長方形状のヒータ17a~17c(以下、ヒータ17とも称する)が互いに平行に埋め込まれている。ヒータ17aは、接合ブロック12の中央部に配置されており、ヒータ17bは、接合ブロック12の一方の短辺の縁部(図3では右側)付近に配置され、ヒータ17cは、接合ブロック12の他方の短辺の縁部(図3では左側)付近に配置されている。これらのヒータ17a~17cは、中央部側に位置するヒータ17aから加熱を開始して、次に外側に位置するヒータ17b、17cが加熱するように構成されている。
導体接合治具1を用いてフラット導体3と平角導体5とを接合する方法について、図1~図3を用いて説明する。まず、整列溝13に複数の線材2を平行に並べてフラット状に整列させる(図2参照)。そして、3つの固定金具14を均一に締めることで、線材2のフラット状態を確保する(図1の上段参照)。成型ブロック11では、整列溝13に整列させた線材2同士をハンダこてにより、複数のハンダ付け部6にてハンダ付けする。これにより、成型ブロック11において、整列した線材2同士が密着したフラット導体3を成型する。フラット導体3を成型した後、成型ブロック11の整列溝13からフラット導体3を取り出す。
第1の実施形態の効果は次の通りである。第1の実施形態に係る導体接合治具1は、複数の線材2からなる多芯線材をフラット状に成型したフラット導体3を成型するためのフラット導体3の成型ブロック11と、フラット導体3と平角導体5の接合ブロック12と、を備え、成型ブロック11には複数の線材2をフラット状に整列させる整列溝13を形成し、接合ブロック12にはフラット導体3、ハンダシート7及び平角導体5を重ね合わせる接合溝15を形成し、さらに、接合ブロック12には接合溝15内にフラット導体3とハンダシート7と平角導体5とを収容した状態でハンダシート7を加熱してフラット導体3と平角導体5とをハンダ付けするヒータ17と、を備える。
(構成)
図4に示すように、第2の実施形態には、サラバネ18が接合ブロック12の固定金具16に取り付けられている。サラバネ18は、接合溝15内に重ね合わされたフラット導体3、ハンダシート7及び平角導体5に対して固定力を付与する加圧部材である。
以上の構成を有する第2の実施形態によれば、接合ブロック12の固定金具16にサラバネ18を取り付けたので、フラット導体3、ハンダシート7及び平角導体5に対して固定力を付与することができ、フラット導体3及び平角導体5の密着度をより高めることができる。従って、抵抗値をさらに低く抑えることができ、低抵抗接合の施工の安定化を、より進めることが可能である。
(構成)
図5に示すように、第3の実施形態に係る接合ブロック12には、ヒータ17a~17cに近接して、接合ブロック12の温度を測定する熱電対19a~19cが設置されている。熱電対19a~19cは接合ブロック12の温度を測定するものである。熱電対19a~19cには、ヒータ17a~17cに制御信号を与えるコントローラ20が接続されている。コントローラ20は、熱電対19a~19cの測定値に基づいてヒータ17a~17cを制御する部分である。
第3の実施形態では、熱電対19a~19cにて接合ブロック12の温度を測定し、熱電対19a~19cの測定値に基づいてコントローラ20がヒータ17a~17cを制御する。つまり、接合ブロック12の温度測定を実施して、その測定値をコントローラ20にフィードバックすることで、ヒータ17a~17cによる加熱を高品位に制御することが可能である。従って、ハンダシート7の溶融温度とその保持時間などを的確に管理することができ、ハンダシート7の溶融を安定して行うことができる。これにより、低抵抗接合の施工をより安定して実施することが可能となる。
(構成)
図6に示すように、第4の実施形態では、接合ブロック12の中央に、接合溝21が形成されている。第4の実施形態に係る接合溝21は、平角導体5の上面にハンダシート7を挟んでフラット導体3を重ね合わせ、さらにフラット導体3の上面にハンダシート7を挟んで補強用銅板8を重ね合わせた形状に彫り込まれている。接合溝21の幅寸法は、フラット導体3、平角導体5、ハンダシート7及び補強用銅板8の幅寸法とほぼ同一に設定されている。
第4の実施形態では、ハンダシート7を挟んでフラット導体3と補強用銅板8とを接合させたので、機械的強度がいっそう向上するという利点がある。また、接合ブロック12の接合溝21が、平角導体5、ハンダシート7、フラット導体3、ハンダシート7、補強用銅板8という5枚の部材を重ね合わせた形状に彫り込まれているため、5枚の部材を重ね合わせた状態のままで接合溝21にスムーズに収容することができ、上記第1の実施形態と同じく、優れた作業効率が得られる。
(構成)
図7に示すように、第5の実施形態では、接合ブロック12の中央に接合溝22が形成されている。第5の実施形態に係る接合溝22は、平角導体5の上面及び下面にハンダシート7を挟んでフラット導体3を重ね合わせ、下側のフラット導体3のさらに下側に補強用銅板8を重ね合わせ、上側のフラット導体3のさらに上側に補強用銅板8を重ね合わせた形状に彫り込まれている。接合溝22の幅寸法は、フラット導体3、平角導体5、ハンダシート7及び補強用銅板8の幅寸法とほぼ同一に設定されている。
第5の実施形態では、平角導体5の両側にフラット導体3を配置させたことで、平角導体5の表面積を最大限に活用して、大量のフラット導体3を効率良く平角導体5に密着、接合することができ、低抵抗接合を実現できる。しかも、第5の実施形態では、ハンダシート7を挟んで2枚のフラット導体3を備え、さらに各フラット導体3の外側に補強用銅板8を接合させている。つまり、補強用銅板8、フラット導体3、ハンダシート7、平角導体5、ハンダシート7、フラット導体3、補強用銅板8という7枚の部材を重ね合わせている。そのため、機械的強度がいっそう向上する。
以上説明した実施形態は、本発明の実施形態の一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。本発明の実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等な範囲に含まれる。
2…線材
3…フラット導体
4…接合面
5…平角導体
6…ハンダ付け部
7…ハンダシート
8…補強用銅板
11…成型ブロック
12…接合ブロック
13…整列溝
14、16…固定金具
15、21、22、23…接合溝
17a~17c…ヒータ
18…サラバネ
19a~19c…熱電対
20…コントローラ
Claims (9)
- 複数の線材からなる多芯線材と、平らな接合面を有する平角導体とを接合するための導体接合治具であって、
複数の前記線材を整列させる整列溝が、前記線材の径以下の深さに彫り込まれ、前記多芯線材をフラット状に成型したフラット導体を成型するためのフラット導体の成型ブロックと、
前記フラット導体及び前記平角導体を接合させる接合溝が、前記フラット導体とハンダ材と前記平角導体とを重ね合わせた形状に彫り込まれた接合ブロックと、
前記接合溝内に前記フラット導体と前記ハンダ材と前記平角導体とを重ね合わせて収容した状態で、前記ハンダ材を加熱して前記フラット導体と前記平角導体とをハンダ付けするヒータと、
を備えた導体接合治具。 - 前記接合溝内に重ね合わされた前記フラット導体、前記ハンダ材及び前記平角導体に対し固定力を付与する加圧部材を、前記接合ブロックに取り付けた請求項1に記載の導体接合治具。
- 前記接合ブロックに設置された熱電対と、
前記熱電対の測定値に基づいて前記ヒータを制御するヒータ制御部と、を備えた請求項1又は2に記載の導体接合治具。 - 前記接合溝は、直線部あるいは曲線部を含む請求項1~3のいずれかに記載の導体接合治具。
- 前記接合ブロックは、ハンダ溶融し難い難ハンダ付け材からなる請求項1~4のいずれかに記載の導体接合治具。
- 前記接合溝は、前記フラット導体又は前記平角導体に対して前記ハンダ材を挟んで補強用銅板を重ね合わせた形状に彫り込んだ溝である請求項1~5のいずれかに記載の導体接合治具。
- 前記接合溝は、前記平角導体の接合面の両面に対して前記ハンダ材を挟んで前記フラット導体を重ね合わせた形状に彫り込んだ溝である請求項1~6のいずれかに記載の導体接合治具。
- 前記ハンダ材は、シート状、ボール状及びパウダー状のいずれかの部材からなる請求項1~7のいずれかに記載の導体接合治具。
- 前記接合ブロックは、当該接合ブロックの中央に前記接合溝を設け、
前記ヒータは、前記接合ブロックの中央部から水平方向に外側に向かって複数設け、中央部側に位置するヒータから加熱を開始して、徐々に外側に位置するヒータが加熱するように構成した請求項1~8のいずれかに記載の導体接合治具。
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