JP7148330B2 - ウェーハの分離方法 - Google Patents
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Description
図1、2に示すように、レーザビーム照射ヘッド30から照射されるレーザビームLBの集光点FPが、チャックテーブル31で保持されたインゴットIの内部の所定の高さ位置に位置づけられるとともに、平坦面であるインゴットIの第1の面Iaに向けてインゴットIに透過性を有する波長のレーザビームLBが照射されて、分離の起点となる改質領域がインゴットI内部に形成される。
なお、剥離層Mの形成は本例に限定されるものではない。
以下に、本発明に係るウェーハの分離方法(実施形態1のウェーハの分離方法とする。)を実施して、図3に示すインゴットIの端面(第1の面Ia)から生成すべきウェーハの厚みTに相当する位置に面状に剥離層Mを形成したインゴットIからウェーハを分離する場合の各工程について説明する。
インゴットIは、例えば、図3に示すウェーハ分離装置5に搬送される。図3に示すウェーハ分離装置5の液槽59は、側壁51と、側壁51の下部に一体的に連接する底板50とから構成されている。液槽59の底板50の下面には、超音波振動板53が配設されている。なお、超音波振動板53は、液槽59内に配設されていてもよい。超音波振動板53には、図示しない端子が接続されており、この端子及び配線54を介して交流電圧を印加して高周波電力を超音波振動板53に供給する電源55が接続されている。
液体供給源570から供給パイプ571に対して液体L(水)が供給され、液槽59内に液体Lがためられていく。そして、液槽59内に液体Lが所定の水位になるまでためられることで液体供給工程が完了する。
図3に示す超音波音圧計1は、例えばSUS等の金属又は硬質プラスチック等からなりZ軸方向に所定の長さで延在する棒10を備えている。棒10の形状は円柱状であっても角柱状であってもよい。
棒10の長手方向(Z軸方向)の側面10aには、ウェーハ分離装置5の液槽59内にためられた液体L(水)に伝播する超音波振動の音圧を測定可能な検知部11が、該長手方向に並べて複数(例えば、図3においては11個)配設されている。
例えば板状に形成され圧電素子112に密接する受振プレート113は、所定の金属(例えば、銅やニッケル)で構成され、受けた超音波振動を増幅させて圧電素子112に伝える増幅器としての役割を果たす。
なお、一般的に、超音波音圧計による音圧の測定は、圧電素子の一方の面を密閉し、他方の面に音圧を与えることにより実現される。超音波音圧計1Aにおいても、圧電素子112の一方の面(-X方向側の面)は、棒10とは非接触となっているため棒10から超音波振動が伝わらないようになっており、圧電素子112の他方の面(+X方向側の面)は、受振プレート113を介して超音波振動が伝わる構成となっている。
また、電源55から超音波振動板53に対して、所定の出力で高周波電力が供給されて、超音波振動板53が高周波電力を主に上下方向の機械振動に変換することで所定の振動周波数の超音波を発振する。そして、発振された超音波が液槽59の底板50を介して液体Lに伝播する。
液体Lに伝播した超音波振動は、+Z方向(垂直方向)へ液面に向かって進み、液面に達した後、液面で全反射して底板50側に戻ってくる。これにより液面へむかう超音波(入射波)と液面から反射して底板50側に戻ってくる超音波(反射波)とが重なりあって、液体L中に音圧の強い深さと弱い深さとが生じる。なお、超音波の周波数に応じて、液体L中で最も音圧の高い深さは、振動面である底板50からZ軸方向において一定間隔で存在する。
図5に示すように、ウェーハ分離装置5は、インゴットIを保持するインゴット保持手段60を備えている。インゴット保持手段60は、例えば、その下面(吸着面)でインゴットIを吸着保持する吸引パッド600と、吸引パッド600を支持するとともに昇降手段61に接続されたアーム部601とを備えている。なお、インゴット保持手段60は、本例に限定されるものではなく、インゴットIの外側面Icを挟持するクランプ等から構成されるものであってもよい。図5に示すように、インゴット保持手段60によりインゴットIの第2の面Ibが吸引保持され、インゴットIの第1の面Iaが下側を向いた状態になる。
インゴット保持手段60を鉛直方向(Z軸方向)に昇降させる昇降手段61は、例えば、電動シリンダー又はモータ及びボールネジ等からなる機構である。
なお、分離工程においてインゴットIを液体L中に下降させていくことで、液体L中のZ軸方向において最も音圧が大きくなる深さZ1が上方向又は下方向に少しだけ変化する場合もある。この場合には、水深判断手段19から送られてくる情報を下に、制御手段9による制御の下で、位置検出工程で検出した深さZ1にインゴットIの剥離層Mを位置付けた後に、昇降手段61がさらにインゴット保持手段60を該変化に追従できるように上方向又は下方向に少しだけ移動させてもよい。
以下に、本発明に係るウェーハの分離方法(実施形態2のウェーハの分離方法とする。)を実施して、図6に示すインゴットIの端面(第1の面Ia)から生成すべきウェーハの厚みTに相当する位置に面状に剥離層Mを形成したインゴットIからウェーハを分離する場合の各工程について説明する。
図6に示すウェーハ分離装置5Aは、図3に示すウェーハ分離装置5の構成の一部を変更したものである。ウェーハ分離装置5Aは、液槽59内の上方に電源55に配線54を介して接続された超音波振動板53が配設されている。
液槽59の底板50にはインゴットIが載置されるテーブル56が配設されており、テーブル56は、テーブル昇降手段58によってZ軸方向に昇降可能となっている。例えば、テーブル昇降手段58は、底板50にシールリング580及び図示しない軸受を介して昇降自在に挿通されテーブル56の下面に接続された昇降軸581と、昇降軸581を昇降させるモータ等の駆動源582とを備えている。なお、テーブル昇降手段58は、本構成に限定されるものではない。
また、液体供給源570から供給パイプ571に対して液体Lが供給され、液槽59内に液体Lがためられていく。そして、液槽59内に液体Lが所定の水位になるまでためられることで液体供給工程が完了する。また、超音波振動板53の下面側が液体Lに浸漬した状態になる。
位置検出工程においては、超音波音圧計1が液槽59の液体L内に差し入れられて、検知部11が液槽59の底板50の少し上方から液面までZ軸方向に複数並べられた状態になる。また、電源55から超音波振動板53に対して所定出力で高周波電力が供給され、超音波振動板53が所定の振動周波数の超音波を発振し、超音波が液槽59内の液体Lに伝播する。
液体Lに伝播した超音波振動は、-Z方向へ液槽59の底板50側に向かって進み、底板50やインゴットIの第1の面Iaに達した後に全反射して液面に戻ってくる。これにより入射波と反射波とが重なりあって、液体L中に音圧の強い深さと弱い深さとが生じる。なお、超音波の周波数に応じて、液体L中で最も音圧の高い深さは、振動面である超音波振動板53の下面からZ軸方向において一定間隔で存在する。
水深判断手段19は、液体L中のZ軸方向において最も音圧が大きくなる深さZ2についての情報を制御手段9に送信する。
ここで、インゴットIの厚みは既知の情報であり、また、インゴットIの厚み方向(Z軸方向)における剥離層Mの位置も既知の情報である。よって、例えば、テーブル56が原点位置である液槽59の底板50上にある場合におけるインゴットIの剥離層MのZ軸方向における高さ位置についての情報は予め制御手段9により把握されている。そして、制御手段9によるテーブル昇降手段58の制御の下で、テーブル昇降手段58が該原点位置にあるテーブル56を+Z方向に所定距離だけ上昇させる。これによって、位置検出工程で検出した深さZ2に、インゴットIの剥離層Mが位置づけられる。
なお、分離工程においてインゴットIを液体L中で例えば上昇させていくことで、液体L中のZ軸方向において最も音圧が大きくなる深さZ2が上方向又は下方向に少しだけ変化する場合もある。この場合には、水深判断手段19から送られてくる情報を下に、制御手段9による制御の下で、位置検出工程で検出した深さZ2にインゴットIの剥離層Mを位置づけた後に、テーブル昇降手段58がさらにテーブル56を該変化に追従できるように上方向又は下方向に少しだけ移動させてもよい。
以下に、本発明に係るウェーハの分離方法(実施形態3のウェーハの分離方法とする。)を実施して、図7に示すインゴットIの端面(第1の面Ia)から生成すべきウェーハの厚みTに相当する位置に面状に剥離層Mを形成したインゴットIからウェーハを分離する場合の各工程について説明する。本実施形態におけるウェーハの分離方法においては、下記に示す(1)液体供給工程、(2)位置検出工程、及び(3)分離工程が例えば並行して行われる。
本実施形態においては、インゴットIは、例えば、図7に示すウェーハ分離装置5Bに搬送される。
図7に示すウェーハ分離装置5Bは、図6に示すウェーハ分離装置5Aの構成の一部を変更したものであり、ウェーハ分離装置5Aと異なり図6に示すテーブル56及びテーブル昇降手段58を備えない構成となっている。
図7に示すように、ウェーハ分離装置5Bは、装置全体の制御を行う制御手段9を備えている。制御手段9は、例えば、図7に示す超音波音圧計1に接続された水深判断手段19及び液体供給手段57の開閉バルブ572(例えば、電磁弁)に電気的に接続されており、水深判断手段19から制御手段9に情報が送信された後、制御手段9の下で、開閉バルブ572の開閉動作が制御される。
電源55から超音波振動板53に対して所定出力で高周波電力が供給され、超音波振動板53が所定の振動周波数の超音波を発振し、超音波が液槽59内の液体Lに伝播する。そして、液体L中において入射波と反射波とが重なりあって、液体L中に音圧の強い深さと弱い深さとが生じる。
液体供給源570から供給パイプ571に対して液体Lが供給され、液槽59内に液体Lがためられていき液面が上昇していく。そして、水深判断手段19は、監視している深さ位置Z3に位置する圧電素子112から送られてくる電圧信号が最大になったならば、該圧電素子112が受振した超音波の音圧が最も大きくなった旨の情報を制御手段9に通知する。
そして、制御手段9による制御の下で、液体供給手段57の開閉バルブ572が閉じられる。これによって、液体L中のZ軸方向において最も音圧が大きくなる深さZ3に、インゴットIの剥離層Mが位置づけられた状態になる。
なお、例えば上記のように各工程を実施した後に液体L中における最大の音圧となる深さが分かっていないときは、一度液槽59内に液体Lを満たしてから液体Lの供給を止めた後、図7に示す排液バルブ591を開けて液槽59の排液口590から排液をしつつ、液体L供給時に取得した測定データも使用する等して超音波音圧計1によって最大の音圧になる水深を測定し、最大の音圧になる水深にインゴットIの剥離層Mを位置づけてもよい。
以下に、本発明に係るウェーハの分離方法(実施形態4のウェーハの分離方法とする。)を実施して、図8に示すインゴットIの端面(第1の面Ia)から生成すべきウェーハの厚みTに相当する位置に面状に剥離層Mを形成したインゴットIからウェーハを分離する場合の各工程について説明する。
本実施形態においては、インゴットIは、例えば、図8に示すウェーハ分離装置5Cに搬送される。また、液体供給源570から供給パイプ571に対して液体L(水)が供給され、液槽59内に液体Lがためられていく。そして、液槽59内に液体Lが所定の水位になるまでためられることで液体供給工程が完了する。
本実施形態においては、図8に示す超音波音圧計2を用いて液体Lの深さ方向(Z軸方向)において最も大きい音圧となる深さが検出される。超音波音圧計2は、Z軸方向に延在する棒状の本体部20の末端に検知部21を備えている。
次いで、図9に示すように、インゴットIを保持するインゴット保持手段60が昇降手段61により-Z方向へと送られ、制御手段9による昇降手段61の制御の下で、インゴットIの第1の面Iaが液面の高さに位置づけられる。この状態から、制御手段9による昇降手段61の制御の下で、昇降手段61がインゴット保持手段60をさらに-Z方向に、深さZ4に生成すべきウェーハの厚みTを加えた距離だけ下降させる。これによって、位置検出工程で検出した深さZ4に、インゴットIの剥離層Mが位置づけられる。
なお、分離工程においてインゴットIを液体L中で下降させていくことで、液体L中のZ軸方向において最も音圧が大きくなる深さZ4が上方向又は下方向に少しだけ変化する場合もある。この場合には、電圧監視手段29から送られてくる情報を下に、制御手段9による制御の下で、位置検出工程で検出した深さZ4にインゴットIの剥離層Mを位置付けた後に、昇降手段61がさらにインゴット保持手段60を該変化に追従できるように上方向又は下方向に少しだけ移動させてもよい。
以下に、本発明に係るウェーハの分離方法(実施形態5のウェーハの分離方法とする。)を実施して、図10に示すインゴットIの端面(第1の面Ia)から生成すべきウェーハの厚みTに相当する位置に面状に剥離層Mを形成したインゴットIからウェーハを分離する場合の各工程について説明する。
インゴットIは、例えば、図10に示すウェーハ分離装置5Dに搬送され、液槽59の底板50上に第1の面Iaを上側に向けた状態、即ち、剥離層M側を上側にした状態で載置される。ウェーハ分離装置5Dは、図3に示すウェーハ分離装置5の構成の一部を変更したものである。
図10に示すように、ウェーハ分離装置5Dは、装置全体の制御を行う制御手段9を備えている。制御手段9は、例えば、図10に示す検知部11に接続された電圧監視手段29及び液体供給手段57の開閉バルブ572(例えば、電磁弁)に電気的に接続されており、電圧監視手段29から制御手段9に情報が送信された後、制御手段9の下で、開閉バルブ572の開閉動作が制御される。
該準備工程の後、図11に示すように、制御手段9による制御の下で、液体供給手段57の開閉バルブ572が開状態になり、液体供給源570から供給パイプ571に対して液体L(水)が供給され、液槽59内に液体Lがためられていく。
また、電源55から超音波振動板53に対して所定出力で高周波電力が供給され、超音波振動板53が所定の振動周波数の超音波を発振し、超音波が液槽59内の液体Lに伝播する。そして、液体L中において入射波と反射波とが重なりあって、液体L中に音圧の強い深さと弱い深さとが生じる。
液体供給源570から供給パイプ571に対して液体Lが供給され、液槽59内に液体Lがためられていき液面が上昇していくことで、インゴットI上の浸漬した圧電素子112が受振した超音波の音圧が最も大きくなる。そして、電圧監視手段29は、圧電素子112から送られてくる電圧信号が最大になったならば、圧電素子112が受振した超音波の音圧が最も大きくなった旨の情報を制御手段9に通知する。
なお、例えば上記のように各工程を実施した後に液体L中における最大の音圧となる深さが分かっていないときは、一度液槽59内に液体Lを満たしてから液体Lの供給を止めた後、図11に示す排液バルブ591を開けて液槽59の排液口590から排液をしつつ、液体L供給時に取得した測定データも使用する等して検知部11によって最大の音圧になる水深を測定し、最大の音圧になる水深にインゴットIの剥離層Mを位置づけてもよい。
上記液体供給工程が実施されることで、液体L中のZ軸方向において最も音圧が大きくなる深さZ5に位置するインゴットI中の剥離層Mに最も大きな超音波振動が付与され、剥離層Mを境にインゴットIからウェーハWが分離される。
30:レーザビーム照射ヘッド 31:チャックテーブル
5:ウェーハ分離装置 59:液槽 50:底板 51:側壁 53:超音波振動板
55:電源 57:液体供給手段 571:供給パイプ 570:液体供給源 572:開閉バルブ
1:超音波音圧計 10:棒 10a:棒の側面 12:配線
11:検知部 111:振動絶縁体 112:圧電素子 113:受振プレート
19:水深判断手段
1A:超音波音圧計 15:検知部 114:第1の部屋 115:第2の部屋
116:振動絶縁体
60:インゴット保持手段 600:吸引パッド 601:アーム部 61:昇降手段
9:制御手段
5A:ウェーハ分離装置 56:テーブル 58:テーブル昇降手段
5B:ウェーハ分離装置
5C:ウェーハ分離装置 2:超音波音圧計 20:本体部 21:検知部
22:配線 29:電圧監視手段 27:超音波音圧計昇降手段
5D:ウェーハ分離装置
Claims (2)
- インゴットの端面から生成すべきウェーハの厚みに相当する位置に面状に剥離層を形成したインゴットを液槽内の液体に液没させ、超音波振動板から発振され該液体に伝播した超音波振動を該剥離層に付与し、該剥離層を境にインゴットからウェーハを分離させるウェーハの分離方法であって、
該液槽に該液体をためる液体供給工程と、
該超音波振動板から該液体を伝播する超音波振動を発振させ、該液体の深さ方向において最も大きい音圧となる深さを圧電素子を用いて検出する位置検出工程と、
該位置検出工程で検出した深さに、インゴットの該剥離層を位置づけ該剥離層を境にインゴットからウェーハを分離させる分離工程と、からなり、
該分離工程では、インゴットの該液体中における深さ方向の位置が変化することによって音圧が最も大きくなる深さが変化することに対応させて、該音圧が最も大きくなる深さにインゴットの該剥離層を移動させる
ウェーハの分離方法。 - インゴットの端面から生成すべきウェーハの厚みに相当する位置に面状に剥離層を形成したインゴットを液槽内に配置させ、該液槽に液体を供給して該インゴットを液没させ、超音波振動板から超音波を発振させ該液体を伝播した超音波振動を該剥離層に付与させて、該剥離層を境にインゴットからウェーハを分離させるウェーハの分離方法であって、
該液槽に該剥離層側を上側にしてインゴットを配設させ、インゴットの上面に圧電素子を配設させる準備工程と、
該準備工程の後、該超音波振動板から超音波振動を発振させるとともに該液槽に該液体を供給して液面を上昇させ、インゴット上の浸漬した該圧電素子が受振した超音波の音圧が最も大きくなったら該液体の供給を停止させる液体供給工程と、
該液体供給工程の後、該剥離層を境にインゴットからウェーハ分離させる分離工程と、からなるウェーハの分離方法。
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