JP7147488B2 - 導電性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、紙や布などの基板上で加熱硬化した際に基板の着色が生じず、耐高温高湿性に優れた硬化膜を得ることが可能な導電性組成物に関する。
近年、導電性ペーストを各種基板に印刷することで配線を形成する「プリンテッド エレクトロニクス」(以下、PEと略記する)と呼ばれる技術が注目されている。PE技術の応用により、従来から配線用基板として使用されているガラスやプラスチック基板に加えて、従来のウェットエッチング法では配線を形成することができなかった、紙や布などの有機基板への配線形成が可能になったことから、デバイスの一部に紙や布などが使用されたウェアラブルデバイスの開発が進められている。また、ウェアラブルデバイスには様々な環境下で使用した場合の長期信頼性が要求されており、加速試験の1つである高温高湿環境下での曝露試験に供した際に、導電性等の特性変化が小さい材料が求められている。
一方で、デバイスの低コスト化の観点から、従来使用されていた銀ペーストよりも安価な銅ペーストの適用が検討されている。銅は大気中で酸化されやすく、酸化防止剤の添加が必須であるため、フェノール系酸化防止剤などの配合が検討されている。しかしながら、従来使用されている銀ペーストと同様に大気雰囲気で加熱硬化した場合に、導電性が不十分であるという課題があった。
特許文献1では、耐酸化処理を施した銅粒子、バインダ樹脂および1,4―フェニレンジアミンを含む、大気雰囲気での加熱硬化で優れた導電性を示す銅ペーストが開示されている。
WO2016/199811号公報
特許文献1の銅ペーストを用いて加熱硬化した場合、使用している基板そのものや基板の周辺部材が着色されるという問題点がある。特に、ウェアラブルデバイスでは配線そのものがデバイスのデザインの一部とされることが多く、基板表面が露出する場合が多いため、基板の着色はデバイスのデザイン性を大きく損なう。
また、特許文献1の銅ペーストを用いて得られる硬化膜は、初期の導電性は優れるものの、高温高湿環境での曝露試験に供した際に、導電性が悪化するという問題点がある。そのため、長期信頼性を要求されるウェアラブルデバイスへの適用が困難である。
そこで、本発明の課題は、基板上で加熱硬化した際に基板の着色が生じず、耐高温高湿性に優れた硬化膜を得ることが可能な導電性組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために検討を重ねた結果、銅粒子とバインダ樹脂に加えて、基板の着色を生じない特定の成分を配合することにより、基板上で加熱硬化した際に着色が生じず、耐高温高湿性に優れた硬化膜を得ることが可能な導電性組成物を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(a)下記式(1)で表される化合物を0.2~2.0質量%、
(b)下記式(2)で表される化合物を0.2~2.0質量%、
(c)銅粒子を60.0~94.6質量%、および
(d)バインダ樹脂を5.0~39.6質量%含有する、加熱硬化時の有機基板の着色を抑制する、有機基板用導電性組成物である。

Figure 0007147488000001

(式(1)中、
、Rは、それぞれ独立して、水素または炭素数1から4の炭化水素基であり、
は水素、水酸基またはメトキシ基である。)

Figure 0007147488000002

(式(2)中、
は炭素数1から6の炭化水素基またはフェニル基である。)
本発明によれば、基板上で加熱硬化した際に着色が生じず、耐高温高湿性に優れた硬化膜を得ることが可能な導電性組成物を提供することができる。
以下に本発明の実施形態について詳細に説明する。
((a)一般式(1)で表される化合物)

Figure 0007147488000003

(式(1)中、
、Rは、それぞれ独立して、水素または炭素数1から4の炭化水素基であり、
は水素、水酸基またはメトキシ基である。)
化合物(a)の中で、RおよびRが水素である化合物としては、Rが水酸基である、1,4-ベンゼンジオールのほかに、1,4-ベンゼンジオールの異性体である1,2-ベンゼンジオール、1,3-ベンゼンジオール、または、Rがメトキシ基である、2-メトキシフェノール、3-メトキシフェノール、4-メトキシフェノールなどが挙げられる。
が炭素数1から4の炭化水素基である化合物としては、RおよびRがtert-ブチル基であり、Rがメチル基である2,6-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,5-t-ブチル-4-メチルフェノール、または、RおよびRがtert-ブチル基であり、Rが水素である、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、2,5-ジ-tert-ブチルフェノール、または、RおよびRがtert-ブチル基であり、Rが水酸基である、2,6-ジ(tert-ブチル)-1,4-ベンゼンジオール、2,5-ジ(tert-ブチル)-1,4-ベンゼンジオール、2,6-ジ-tert-ブチルベンゼン-1,3-ジオール、2,5-ジ-tert-ブチルベンゼン-1,3-ジオールなどが挙げられる。
これらの化合物(a)は、1種類選択することができ、また二種類以上を併用することもできる。特に、1,4-ベンゼンジオール、1,3-ベンゼンジオール、1,2-ベンゼンジオール、4-メトキシフェノールから1種類以上選択して用いることが導電性の観点から好ましく、1,4-ベンゼンジオールが導電性の観点からは、より好ましい。
導電性組成物の総質量を100質量%としたとき、化合物(a)の含有量は、0.2~2.0質量%が好ましく、1.0~2.0質量%がより好ましい。(a)の含有量が0.2質量%以上であれば、良好な酸化防止能が発揮され、高導電性の銅硬化膜が得られやすくなる。しかし、2.0質量%を超えると、導電性組成物の貯蔵安定性が低下する可能性がある。
(式(2)で表される化合物(b))

Figure 0007147488000004

(式(2)中、
は炭素数1から6の炭化水素基またはフェニル基である。)
導電性組成物の総質量を100質量%としたとき、化合物(b)の含有量は、0.2~2.0質量%とする。化合物(b)の含有量が0.2質量%以上であれば、良好な酸化防止能が発揮され、高導電性の銅硬化膜が得られやすくなるので、0.2質量%以上とするが、1.0質量%以上とすることが更に好ましい。また、化合物(b)の含有量が2.0質量%を超えると、導電性組成物の貯蔵安定性が低下する可能性がある。
化合物(b)の中で、R4が炭素数1から6の炭化水素基である化合物としては、N,N’-ビス(サリチリデン)エチレンジアミン、N,N’-ビス(サリチリデン)-1,2-プロパンジアミン、N,N’-ビス(サリチリデン)-1,3-プロパンジアミン等が挙げられる。
また、R4がフェニル基である化合物としては、N, N’-ビス(サリチリデン)-1,2-フェニレンジアミン等が挙げられる。特に、N,N’-ビス(サリチリデン)エチレンジアミン、N,N’-ビス(サリチリデン)-1,2-プロパンジアミンから1種類以上選択して用いることが導電性の観点から好ましく、N,N’-ビス(サリチリデン)エチレンジアミンがより好ましい。
((c)銅粒子)
(c)銅粒子は、銅のみからなっていてよいが、銀や白金などの銅以外の金属、金属酸化物、金属硫化物を更に含有していてもよく、表面層や突起物を形成するなどどのような形状であってもよい。銅粒子が銅以外の金属、金属酸化物、金属硫化物を更に含有する場合、銅粒子中の銅の質量比率は、50質量%以上とすることが好ましい。
また、(c)銅粒子は市販のものをそのまま用いても良いが、耐酸化性を向上させるなどを目的に表面を被覆した表面被覆銅粒子を用いることが好ましい。中でも、アミン化合物により表面を被覆した表面被覆銅粒子を用いることが好ましく、下記式(3)で表されるアミン化合物により表面を被覆した表面被覆銅粒子を用いることがより好ましい。
Figure 0007147488000005

(式(3)中、
mは0~3の整数、
nは0~2の整数であり、
n=0のとき、mは0~3のいずれかであり、
n=1またはn=2のとき、mは1~3のいずれかである。)
アミン化合物で表面を被覆した表面被覆銅粒子は、より良好な耐酸化性を得る観点から、さらに脂肪族モノカルボン酸で被覆された表面被覆銅粒子とすることが好ましい。
これにより銅粒子表面は、アミン化合物により形成された第1被覆層と、脂肪族モノカルボン酸により形成された第2被覆層とで被覆される。第1被覆層は好ましくは銅粒子表面に形成され、第2被覆層は第1被覆層上に形成される。
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数8~20の脂肪族モノカルボン酸が好ましい。該脂肪族モノカルボン酸としては、直鎖飽和脂肪族モノカルボン酸、直鎖不飽和脂肪族モノカルボン酸、分岐飽和脂肪族モノカルボン酸、分岐不飽和脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。炭素数8~20の直鎖飽和脂肪族モノカルボン酸としては、具体的には、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸が挙げられる。炭素数8~20の直鎖不飽和脂肪族モノカルボン酸としては、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸等が挙げられる。炭素数8~20の分岐飽和脂肪族モノカルボン酸としては、2-エチルヘキサン酸などが挙げられる。上記脂肪族モノカルボン酸は、1種類で用いても良く、複数の種類を混合して用いても良い。
表面被覆銅粒子を製造する方法は特に限定されない。アミン化合物で表面を被覆した表面被覆銅粒子を得る方法としては、例えば、銅粒子を塩化アンモニウム水溶液などにより洗浄した後、該洗浄後の銅粒子をアミン化合物の溶液に添加し、必要に応じて加熱すればよい。
アミン化合物により形成された第1被覆層と、脂肪族モノカルボン酸により形成された第2被覆層とで被覆された表面被覆銅粒子の製造方法としては、例えば、アミン化合物で表面を被覆した表面被覆銅粒子を、脂肪族モノカルボン酸の溶液に添加する方法が挙げられる。添加後に、必要に応じて加熱すればよい。
(c)銅粒子の平均粒径については、特に限定されないが、(c)銅粒子を含む導電性組成物がインクジェット印刷やスクリーン印刷などの各種印刷方法において良好に印刷可能であるように銅粒子の粒径を制御することが好ましい。具体的には、(c)銅粒子の平均粒径は、5nm~20μmであることが好ましく、10nm~10μmであることがより好ましい。
(c)銅粒子の形状やアスペクト比(粒子の長径と短径の比)に特に制限は無く、球状、多面体状、扁平状、板状、フレーク状、薄片状、棒状、樹枝状、ファイバー状等を用いることができる。また、なお、(c)銅粒子はこれらのいずれか1種類を用いてもよく、2種類以上を混合して用いても良い。
導電性組成物の総質量を100質量%としたとき、(c)銅粒子は、60.0~94.6質量%とする。(c)銅粒子の含有量は、65質量%以上とすることが更に好ましく、また、85質量%以下とすることが更に好ましい。
((d)バインダ樹脂)
(d)バインダ樹脂は、導電性組成物のバインダとして作用する成分である。
(d)バインダ樹脂としては、導電性ペースト等に用いられる公知のバインダであればよく、熱や光を加えることにより硬化する熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂および、熱可塑性樹脂などを例示することができる。
バインダ樹脂としては、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、キシレン樹脂、アクリル樹脂、オキセタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂などの熱硬化性樹脂、アクリル樹脂、イミド樹脂、ウレタン樹脂などの光硬化性樹脂、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、アクリロニトリル-
ブタジエン- スチレン共重合体樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
なお、(d)バインダ樹脂は、これらのいずれか1種類を用いてもよく、2種類以上を混合して用いても良い。
また、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂から1種類以上選択して用いることが硬化性の観点から好ましく、レゾール型フェノール樹脂がより好ましい。
導電性組成物の総質量を100質量%としたとき、(d)バインダ樹脂の含有量は、5.0~39.6質量%とする。(d)の含有量を5.0質量%以上とすることで、導電性組成物の印刷時に十分な流動性を有するので、5.0質量%以上とするが、10.0質量%以上とすることが更に好ましい。また、(d)バインダ樹脂の含有量を39.6質量%以下とすることで、導電性組成物中における銅粒子同士の接触性が良好となり、優れた導電性を示す硬化膜が得られやすいので、39.6質量%以下とするが、30.0質量%以下とすることが更に好ましい。
本発明の導電性組成物は、(a)~(d)以外に、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、溶剤、可塑剤、滑剤、硬化剤、レベリング剤、粘度調整剤、分散剤、発泡剤等の公知の各種添加剤を適宜含有することができる。また、原料成分および製造過程の装置等から不可避的に混入し得る不純物を含むものも本発明の範囲内である。
導電性組成物の総質量を100質量%としたとき、(a)~(d)以外の成分の質量比率は、20質量%以下が好ましく、10質量%以下が更に好ましく、また0質量%であってもよい。
(溶剤)
本発明で用いる導電性組成物は、塗工性の改善や粘度の調節を目的に、溶剤を適宜添加することができる。溶剤の種類およびその混合比率は特に制限されず、用途に応じて単独、又は2種以上を混合して用いることができる。溶剤の種類としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのエーテル系アルコール類、プロピレングリコール、1,
4-ブタンジオールなどの非エーテル系アルコール類、シクロヘキサノールアセテート、メチルメトキシプロピオネート、エチルエトキシプロピオネート、1,6-ヘキサンジオールアセテートなどのエステル類、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン類、α-ターピネオール、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピニルアセテートなどのテルペン類、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、炭酸プロピレンなどのその他炭化水素類等が挙げられる。
これらの溶剤の中で、エーテル系アルコール類および、エステル類から1種類以上選択して用いることが好ましく、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートがより好ましい。
(可塑剤)
本発明の導電性組成物は、硬化膜の柔軟性調節を目的として、可塑剤を適宜添加することができる。可塑剤の種類およびその混合比率は特に制限されず、用途に応じて単独、又は2種以上を混合して用いることができる。可塑剤の種類としては、例えば、リン酸トリフェニル、リン酸モノ(2-エチルヘキシル)、リン酸ビス(2-エチルヘキシル)、リン酸トリス(2-エチルヘキシル)などのリン酸エステル類、フタル酸ジブチル、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)などのフタル酸エステル類、アデカサイザー(ADK-CIZER:登録商標)RS-966(重量平均分子量470)、アデカサイザーRS-700(重量平均分子量550)、およびアデカサイザーRS-5.00(重量平均分子量550)(以上株式会社ADEKA製)などのポリエーテルエステル類、アデカサイザーRS-107(重量平均分子量434)、アデカサイザーP-200(重量平均分子量2000)(以上株式会社ADEKA製)などのアジピン酸エステル類が挙げられる。
これらの可塑剤の中で、リン酸エステル類および、フタル酸エステル類から1種類以上選択して用いることが好ましく、リン酸トリス(2-エチルヘキシル)がより好ましい。
(滑剤)
本発明で用いる導電性組成物は、組成物中での(c)銅粒子の分散性調節を目的に、滑剤を適宜添加することができる。滑剤の種類およびその混合比率は特に制限されず、用途に応じて単独、又は2種以上を混合して用いることができる。滑剤の種類としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの脂肪酸類、ナトリウム、カリウム、バリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、スズなどの金属と前記脂肪酸類が塩を形成した脂肪酸金属塩類、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、ベヘン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類、ステアリン酸ブチルなどの脂肪酸エステル類、パラフィンワックス、流動パラフィン等のワックス類、エチレングリコール、ステアリルアルコール等のアルコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびこれらの変性物からなるポリエーテル類、シリコーンオイル等のポリシロキサン類、フッ素系オイルなどのフッ素化合物が挙げられる。
これらの滑剤の中で、脂肪酸類および、脂肪酸金属塩類から1種類以上選択して用いることが好ましく、ステアリン酸マグネシウムがより好ましい。
(硬化促進剤)
本発明で用いる導電性組成物は、組成物に含まれるバインダ樹脂の硬化度を調整することを目的に、硬化促進剤を適宜添加することができる。硬化促進剤を配合することで、加熱硬化による製造した導電性組成物硬化膜の耐熱性および、耐湿性が向上し、耐高温高湿環境性に優れた硬化膜を得ることができる。
硬化促進剤の種類としては、例えば、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール類、2-エチルヘキシルアミン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシランなどの脂肪族アミン類およびその誘導体、ポリオキシアルキレンアミン、ポリエーテルアミンなどのポリアミン類などが挙げられる。硬化促進剤の種類およびその混合比率は特に制限されず、用途に応じて単独、又は2種以上を混合して用いることができる。
これらの硬化促進剤の中で、脂肪族アミン類およびその誘導体から1種類以上選択して用いることが好ましく、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシランがより好ましい。
以下に、本発明に用いた導電性組成物の製造例および、評価方法を示す。また、導電布の製造方法に関する実施例、比較例を挙げて本発明の実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
((a)一般式(1)で表される化合物)
化合物(a)として以下4種類を使用した。
1,4-ベンゼンジオール
1,3-ベンゼンジオール
1,2-ベンゼンジオール
4-メトキシフェノール
((b)一般式(2)で表される化合物)
化合物(b)として以下2種類を使用した。
N-N'-ビス(サリチリデン)エチレンジアミン
N,N’-ビス(サリチリデン)-1,2-プロパンジアミン
((c)銅粒子)
(c)として以下2種類の銅粒子を使用した。
銅粒子(1) [表面被覆粒子]
銅粒子(2) [FCC-TB、福田金属箔粉工業(株)製]
((d)バインダ樹脂)
(d)バインダ樹脂として以下の材料を使用した。
レゾール型フェノール樹脂[PL-5208、群栄化学工業(株)製、固形分60.0質量%、溶剤:ジエチレングリコールモノエチルエーテル]
その他の成分として、以下の材料を使用した。
(硬化促進剤)
3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン
n-ブチルアミン
(可塑剤)
トリス(2-エチルヘキシル)ホスフェート
(滑剤)
ステアリン酸マグネシウム
(溶剤)
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
(実施例1)
(表面被覆銅粒子(銅粒子(1)の製造)
水100gに対し塩化アンモニウム5gを溶解した塩化アンモニウム水溶液を調製した。銅粒子[三井金属鉱業株式会社製「1400YP」;粒径(D50)6.9μm、比表面積0.26m2/g、形状:板状]50gを、該塩化アンモニウム水溶液に添加し、窒素バブリング下、30℃で60分間攪拌した。撹拌は、メカニカルスターラーを使用し、回転数150rpmで実施した。以下、撹拌は同様の撹拌装置を使用して同じ回転数で行った。攪拌終了後、5C濾紙の桐山ロートを用いて減圧濾過にて銅粒子を濾別し、つづいて、桐山ロート上で150gの水により2回銅粒子の洗浄を行った。
洗浄した銅粒子を、40質量%のジエチレントリアミン水溶液250gに添加し、窒素バブリンクをしながら60℃下で1時間加熱攪拌を行った。
撹拌を止めて5分間静置した後、上澄み液約200gを抜き取って除去した。つづいて、沈殿物に洗浄用溶剤としてイソプロパノール200gを添加し、30℃で3分間攪拌を行った。撹拌を止めて5分間静置した後、上澄み液約200gを抜き取って除去し、その後、2質量%のラウリン酸イソプロパノール溶液250gを添加した後、30℃で30分間攪拌した。 攪拌終了後、5C濾紙の桐山ロートを用いて減圧濾過にて銅粒子を濾別した。得られた銅粒子を25℃で3時間減圧乾燥することにより表面被覆銅粒子(銅粒子(1))を得た。
(導電性組成物の製造)
(a)成分として1,4-ベンゼンジオール 1.0g、(b)成分としてN-N'-ビス(サリチリデン)エチレンジアミン 0.5g、(c)成分として表面被覆銅粒子(銅粒子(1))を70.0g、(d)成分としてレゾール型フェノール樹脂[PL-5208、群栄化学工業(株)製、固形分60.0質量%、溶剤:ジエチレングリコールモノエチルエーテル]を25g混合した。次に、プラネタリーミキサー[ARV-310、(株)シンキー製]を用いて、室温下、回転数1500rpmで60秒間撹拌し、1次混練を行った。次に、3本ロールミル[EXAKT-M80S、(株)永瀬スクリーン印刷研究所製]を用いて、室温、ロール間距離5μmの条件下で5回通すことで、2次混練を行った。次に、2次混練で得られた混練物に、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート 3.5gを加え、プラネタリーミキサーを用いて、室温、真空条件下、回転数1000rpmで90秒間撹拌し脱泡混練することにより、導電性組成物を製造した。
導電性組成物中の各成分の配合割合を表1に示す。
(硬化膜の形成)
得られた導電性組成物を紙基板上に、メタルマスクを用いて、幅×長さ×厚み=1.0mm×30mm×30μmのパターンを塗布した。導電性組成物を塗布した紙基板を対流オーブンにて150℃で30分間加熱することにより硬化膜を作製した。
(着色性の評価方法)
紙基板の白色度をJIS P 8148に準拠して、紫外可視分光光度計[V-550、日本分光(株)製]を用いて測定した。硬化膜形成前後での紙基板の白色度変化率を下記式(I)で求め、下記の評価基準により判定した。
本試験では、白色度変化率の値が大きいほど、加熱による硬化膜形成前後の紙基板の着色が少ないことを示す。

白色度変化率(%)=
[(硬化膜形成後における紙基板の白色度)/(硬化膜形成前における紙基板の白色度)]×100・・・(I)

○: 白色度変化率が90%以上である
△: 白色度変化率が60%以上、90%未満である
×: 白色度変化率が60%未満である
(抵抗値の評価方法)
上記の方法で得られた硬化膜の導電性を、下記の抵抗値測定により評価した。形成したパターンの両端に測定プローブを押し当て、デジタルマルチメータ[PC7000、三和電気計器(株)製]を用いて硬化膜の抵抗値を測定し、下記の評価基準により判定した。
硬化膜の抵抗値が低いほど電流が流れやすく、導電性が優れていることを示す。

○: 抵抗値が1.0Ω未満である
△: 抵抗値が1.0Ω以上、10.0Ω未満である
×: 抵抗値が10.0Ω以上である
(耐高温高湿性の評価方法)
紙基板上の硬化膜サンプルを、小型環境試験機[SH-222、エスペック(株)製]
中で、85℃、85%RHの環境下で168時間保管することにより、高温高湿度環境曝露後の試料とした。曝露後の抵抗値を上記と同様の方法で測定し、曝露前後での測定値の変化率を下記式(I)で求め、下記の評価基準により判定した。
抵抗値変化率の値が小さいほど、高温高湿環境下において導電性の変化が少なく、耐高温高湿性が優れていることを示す。

抵抗値変化率(%)=
[(高温高湿度環境曝露後の抵抗値)/(高温高湿度環境曝露前の抵抗値)]×100・・・(I)

○: 抵抗値変化率が120%未満である
△: 抵抗値変化率が120%以上、200%未満である
×: 抵抗値変化率が200%以上である
(実施例2~8:比較例1~4)
各成分の配合割合を表1、表2に示す通りとした以外は、実施例1と同様にして導電性組成物の製造、および硬化膜の形成を行った。
さらに、各硬化膜について、実施例1と同様にして着色性、抵抗値および、耐高温高湿性を評価した。結果を表1、表2に示す。
Figure 0007147488000006

Figure 0007147488000007

実施例1~8は、硬化膜形成後の白色度変化率が60%以上であり、硬化膜形成前後での紙基板の着色が少ない。また、高温高湿度環境曝露前の抵抗値が10.0未満であり、かつ高温高湿度環境曝露前後の抵抗値増加率を200%未満に抑えることができている。
比較例1では、式(1)の化合物(a)および式(2)の化合物(b)を配合せずに、酸化防止剤として4,4‘-ブチリデンビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)を配合した。この結果、白色度変化率は90%以上を満たしているが、高温高湿度環境曝露前の抵抗値が10.0Ω以上であり、高温高湿度環境曝露前後の抵抗値変化率が200%以上と高かった。
また、比較例2では、式(1)の化合物(a)および式(2)の化合物(b)を配合せずに、酸化防止剤として1,4-フェニレンジアミンを配合した。この結果、高温高湿度環境曝露前の抵抗値が1.0Ω未満であるが、高温高湿度環境曝露前後の抵抗値変化率が200%以上と高く、白色度変化率が60%未満であった。
また、比較例3では、酸化防止剤として式(1)の化合物(a)のみを配合し、比較例4では、式(2)の化合物(b)のみを配合した。この結果、白色度変化率が90%以上であり、かつ高温高湿度環境曝露前の抵抗値が1.0Ω未満であるが、高温高湿度環境曝露前後の抵抗値変化率が200%以上と高かった。
(処方例)
以下の配合で、実施例1と同様にして導電性組成物の製造、および硬化膜の形成を行った。さらに、各硬化膜について、実施例1と同様にして着色性、抵抗値および、耐高温高湿性を評価した。

(a)化合物: 1,4-ベンゼンジオール 1.0g
(b)化合物: N-N'-ビス(サリチリデン)エチレンジアミン 0.5g
(c)銅粒子: 表面被覆銅粒子(銅粒子(1))を70.0g
(d)バインダ樹脂: レゾール型フェノール樹脂[PL-5208、群栄化学工業(株)製、固形分60.0質量%、溶剤:ジエチレングリコールモノエチルエーテル] 25g
硬化促進剤: 3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシランを0.8g
可塑剤:トリス(2-エチルヘキシル)ホスフェートを1.5g
滑剤: ステアリン酸マグネシウム0.5g
溶剤: ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート0.7g
着色性は白色度変化率が92%であったことから「○」、抵抗値は0.8Ωであったことから「○」、耐高温高湿性は抵抗値変化率が112%であったことから「○」と判定した。

Claims (1)

  1. (a)下記式(1)で表される化合物を0.2~2.0質量%、
    (b)下記式(2)で表される化合物を0.2~2.0質量%、
    (c)銅粒子を60.0~94.6質量%、および
    (d)バインダ樹脂を5.0~39.6質量%含有する、加熱硬化時の有機基板の着色を抑制する、有機基板用導電性組成物。

    Figure 0007147488000008

    (式(1)中、
    、Rは、それぞれ独立して、水素または炭素数1から4の炭化水素基であり、
    は水素、水酸基またはメトキシ基である。)

    Figure 0007147488000009

    (式(2)中、
    は炭素数1から6の炭化水素基またはフェニル基である。)
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