以下、添付図面を参照して、本発明に係る蓄電装置を実施形態毎に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「横」、「前」、「後」、「側」、「端」を含む用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。つまり、それらの用語は、添付図面に示される蓄電装置の姿勢における方向を示すものであり、必ずしも実際の使用状態における方向と一致するものでない。また、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。
[第1実施形態]
図1の斜視図は、第1実施形態に係る蓄電装置としての組電池(電池モジュール)1を示している。組電池1は、エンジンを駆動源とする二輪車に搭載され、主としてエンジンの始動に用いられる比較的低電圧の補機バッテリである。ただし、組電池1の用途は限定されるものでなく、例えば自動車など、二輪車以外の移動体に搭載されるものであってもよい。
図2の分解斜視図に示すように、組電池1は、複数の蓄電素子としての単電池(電池セル)2と、複数の単電池2を収容する外装体10とを備える。
単電池2は、例えば、リチウムイオン二次電池のような非水電解質二次電池である。単電池2は、いわゆる角形電池である。第1実施形態に係る組電池1では、4個の単電池2が、相互に積層された状態で外装体10に収容されている。
ただし、組電池1を構成する単電池2の個数は、2個以上であれば、特に限定されるものでない。なお、隣接する単電池2間には、樹脂のような絶縁性材料からなるスペーサ(図示せず)が介在されてもよい。
図3の斜視図に示すように、各単電池2は、電極体(図示せず)を収容するケース3を有する。ケース3の形状は、例えば、中空の略直方体である。ケース3は、ケース本体4と蓋体5を有する。
ケース本体4は、上面が開口した扁平な箱形の部材である。ケース本体4は、所定の横方向Xに対する垂直面(YZ平面)に沿って配置された一対の短側面4a、横方向Xに直交する所定の前後方向Yに対する垂直面(XZ平面)に沿って配置された一対の長側面4b、及び、横方向Xと前後方向Yとに直交する所定の上下方向Zに対する垂直面(XY平面)に沿って配置された底面4cを有する。
ケース本体4の材料には、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金等の金属が用いられる。なお、ケース本体4の表面は、樹脂のような絶縁性材料からなるフィルム(図示せず)で被覆されてもよい。
蓋体5は、ケース本体4の上面開口部を塞いで、ケース3の頂面を構成している。蓋体5は、例えば金属からなる板状部材である。蓋体5は、上下方向Zに対する垂直面(XY平面)に沿って配置されている。蓋体5の形状は、例えば、横方向Xに延びる一対の長辺と前後方向Yに延びる一対の短辺とを有する長方形状である。蓋体5は、ケース本体4の開口縁部に例えば溶接によって接合されている。
蓋体5の表面には、第1端子としての正極端子6と、第2端子としての負極端子7が固定されている。正極端子6は、蓋体5における横方向Xの中央よりも一方側部分に設けられ、負極端子7は、蓋体5における横方向Xの中央よりも他方側部分に設けられている。
各端子6,7は、蓋体5の上面にガスケット8を介して例えばかしめによって固定された板状部材である。端子6,7の材料には、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル等の金属が用いられる。
図2に示すように、複数の単電池2は、ケース本体4の長側面4b同士が対向するように前後方向Yに1列に配列されている。組電池1の横方向X一方側及び他方側のそれぞれにおいて、正極端子6と負極端子7が前後方向Yに交互に並べて配置されている。
各単電池2の端子6,7と、別の単電池2の端子6,7との間の電気的接続は、バスバー(図示せず)を介してなされている。第1実施形態では、全ての単電池2が直列に接続されている。
組電池1を構成する全ての単電池2のうち前後方向Yの最も前側(図2の手前側)に位置する単電池2の正極端子6は、組電池1の外装体10に設けられた正極外部端子21に対して、例えばバスバー(図示せず)を介して電気的に接続されている。
組電池1を構成する全ての単電池2のうち前後方向Yの最も後側(図2の奥側)に位置する単電池2の負極端子7は、組電池1の外装体10に設けられた負極外部端子22に対して、例えばバスバー(図示せず)を介して電気的に接続されている。
単電池2の蓋体5の長手方向(横方向X)中央部にはガス排出弁9が設けられている。これにより、ケース3内で発生したガスが、ガス排出弁9を経由してケース3の外側へ排出され得る。複数の単電池2のガス排出弁9は、前後方向Yに沿って直線状に配列される。
外装体10は、上面が開口した箱形のケース本体12と、該ケース本体12の上面開口を塞ぐ蓋体14とを備えている。蓋体14は、複数の単電池2の頂面(蓋体)5に対向する内蓋15と、内蓋15の外側に重ねられる外蓋16とを有する。ケース本体12、内蓋15、及び外蓋16は、樹脂製の部材である。ただし、ケース本体12、内蓋15、及び外蓋16の材料は、樹脂以外の絶縁性材料であってもよい。
ケース本体12は、横方向Xに対する垂直面(YZ平面)に沿って配置された一対の短側面部12a、前後方向Yに対する垂直面(XZ平面)に沿って配置された一対の長側面部12b、及び、上下方向Zに対する垂直面(XY平面)に沿って配置された底面部12cを有する。
内蓋15は、ケース本体12の上面開口の形状に対応した長方形状の輪郭を有する板状部材である。内蓋15は、単電池2の頂面5の上側に対向するように、上下方向Zに対する垂直面(XY平面)に沿って配置される。
内蓋15の周縁部には、厚肉のフレーム部15a,15b,15c,15dが一体に設けられており、これにより、内蓋15の剛性が高められている。内蓋15の周縁部(フレーム部15a,15b,15c,15d)は、ケース本体12の上面開口の周縁部に係合され、例えば接着によってケース本体12に接合されている。
内蓋15には、単電池2の端子6,7の位置に合わせて複数の開口部15eが設けられている。これにより、図4に示すように、ケース本体12に収容された複数の単電池2の上側に内蓋15が配置され、且つ、内蓋15がケース本体12に組み付けられた状態において、内蓋15の各開口部15eに単電池2の端子6,7が臨むように配置される。
内蓋15には、開口部15eの周縁部から立ち上がる複数の枠状の壁部15fが一体に設けられている。壁部15fは、単電池2の端子6,7に接続されるバスバー(図示せず)の周縁部に沿って配置され、これにより、バスバーと周辺部品との間の電気的絶縁が図られる。バスバーは、例えば、壁部15fの一部に設けられた爪状の係止片(図示せず)などを用いた固定によって、内蓋15に支持される。これにより、内蓋15は、単電池2の端子6,7に接続されるバスバーを支持するバスバーフレームとして機能する。
内蓋15の外側の面には、外蓋16に係合される突条部15gが突設されている。突条部15gは、内蓋15の周縁部に概ね沿うように設けられている。
外蓋16は、内蓋15の外側に対向する頂面部16aと、該頂面部16aの周縁部から上下方向Zの下側(底面部12c側)に延びる周壁部16bとを有する。外蓋16は、周壁部16bの下端部において内蓋15の突条部15gに係合され、例えば接着によって内蓋15に接合されている。これにより、外蓋16は、内蓋15を介してケース本体12に取り付けられている。
ただし、ケース本体12に対して内蓋15及び外蓋16を取り付けるための構成は特に限定されるものでない。例えば、ケース本体12に対して外蓋16が直接接合されたり、ケース本体12、内蓋15、及び外蓋16間の接合が、ねじを用いた締結、又は溶着によって行われたりしてもよい。
図1に示す組立完了状態において、内蓋15の周縁部は、ケース本体12の上縁部と外蓋16の周縁部との間に挟み込まれている。内蓋15の上面部は、外蓋16によって覆われており、内蓋15の外周部は、少なくとも部分的に、外装体10の表面に露出している。外蓋16の周壁部16bにおける後述の切欠16c以外の部分と、内蓋15の外周部における露出部とは、ケース本体12の短側面部12a及び長側面部12bと協働して、外装体10の短側面17a,17bおよび長側面18a,18bを構成している。
外蓋16の頂面部16aは、内蓋15を介して複数の単電池2に対向配置された基準面を構成している。頂面部16aは、上下方向Zにおいて内蓋15の外側に間隔をあけて対向配置されている。頂面部16aは、横方向Xに延びる一対の長辺と前後方向Yに延びる一対の短辺とを有する概ね長方形状とされている。周壁部16bは、頂面部16aの輪郭形状に合わせた概ね長方形の枠状部である。ただし、頂面部16a及び周壁部16bにおける一方の長辺の両端に位置する各コーナー部には切欠16cが設けられている。
外蓋16の一方の切欠16cには、組電池1の正極の外部端子21が配置され、他方の切欠16cには、組電池1の負極の外部端子22が配置されている。各外部端子21,22は、外装体10の外側に露出するように蓋体14に取り付けられている。このように、外部端子21,22は、外装体10の頂面部16aと一方(前後方向Yの前側)の長側面18aとの間のコーナー部に設けられている。
各外部端子21,22は、例えば、屈曲部を有する帯状の金属板で構成されている。外部端子21,22は、外蓋16の周壁部16bを貫通して設けられている。外部端子21,22は、その一端側が外蓋16の外側に露出し、他端側が外蓋16の内側に配置されている。外部端子21,22は、例えばインサート成形によって外蓋16と一体に設けられてもよい。
内蓋15には一対の被固定部15hが設けられており、各被固定部15hに、外部端子21,22の一端部が例えばねじを用いて固定されている。被固定部15hは、内蓋15の外周面に設けられた凹部である。凹状の被固定部15hには、外部端子21,22の一端部と、その外側に重ねられる板状のカバー26とが収容される。カバー26は、例えば接着によって内蓋15に接合され、外装体10の長側面18aの一部を構成する。
外部端子21,22の他端部は、外蓋16の内側においてバスバー(図示せず)に接続され、該バスバーを介して単電池2の電気的に接続されている。
外装体10の外側に配置された外部端子21,22の露出部は、外装体10の頂面部16aに沿うように配置された頂面部23と、屈曲部を介して頂面部23に連なり外装体10の長側面18aに沿うように配置された側面部24とを有する。外部端子21,22は、頂面部23又は側面部24に取り付けられる接続部材(図示せず)を介して、車体側の電気系統に接続される。
図4の分解斜視図に示すように、内蓋15と外蓋16との間には、制御基板20を含む電気部品が収容されている。制御基板20は、内蓋15と外蓋16の頂面部16aとの間に形成された空間に配置されている。制御基板20は、例えばねじを用いて内蓋15の外側の面に固定される。なお、内蓋15には、制御基板20を固定するためのねじがねじ込まれる複数の被固定部15iが設けられている。
図4~図6に示すように、組電池1の外装体10は、単電池2のガス排出弁9から排出されたガスを外装体10の外側へ排出するための排気口28と、外装体10の内側においてガス排出弁9から排気口28へガスを導くためのダクト部30とを備えている。第1実施形態において、排気口28とダクト部30は、外装体10の内蓋15に設けられている。
図4に示すように、排気口28は、内蓋15の前後方向Yの前側のフレーム部15aから上下方向Zの上側に突出した突出部29に設けられている。なお、外蓋16の周壁部16bの下縁部には、内蓋15の突出部29との干渉を回避するための切欠16dが設けられている。
突出部29は、前後方向Yに対する垂直面(XZ平面)に沿って配置された板状部である。突出部29は、外装体10の表面に露出するように配置され、外装体10の長側面18aの一部を構成している(図1参照)。突出部29及び排気口28は、上下方向Zにおいて外部端子21,22の側面部24とオーバラップして配置されている。すなわち、排気口28は、外装体10の長側面18aにおいて、一対の外部端子21,22間に配置されている。
突出部29は、横方向Xに長い長方形状の輪郭を有する。排気口28は、例えば、横方向Xに延びるスロット状に形成されている。ただし、排気口28の形状は特に限定されるものでない。突出部29及び排気口28は、横方向Xにおいて内蓋15の中央からオフセットして配置されている。
ダクト部30は、内蓋15において、外装体10の内側(単電池2側)に開放した溝状に形成されている。これにより、複数の単電池2の頂面5とダクト部30との間に、単電池2のガス排出弁9から外装体10の排気口28へのガスの排気通路40が形成されている。すなわち、内蓋15は、ガスの排気通路40を形成する通路形成部材として機能している。
ダクト部30は、前後方向Yに延びる第1ダクト部31と、第1ダクト部31から横方向Xに延びる第2ダクト部32とを備えている。
第1ダクト部31は、内蓋15の横方向X中央部において、前後方向Yに沿って直線状に延びるように設けられている。図6に示すように、上下方向Zから見て、第1ダクト部31は、全ての単電池2のガス排出弁9とオーバラップして配置されている。上下方向Zから見て、各ガス排出弁9は、その全体が第1ダクト部31とオーバラップしている。このように、第1ダクト部31は、全ての単電池2のガス排出弁9に対向するように配置されている。
図5~図7に示すように、第1ダクト部31は、上下方向Zに対する垂直面(XY平面)に沿って配置された天井面部31aと、該天井面部31aの横方向X両端部から横方向Xの外側に向かって斜め下側に延びる一対の傾斜面部31b,31cとを備えている。
内蓋15には、第1ダクト部31の横方向X両側に隣接して配置された一対の床面部31dが設けられている。各床面部31dは、傾斜面部31b,31cの下端から横方向Xの外側に延びるように設けられている。上下方向Zから見て、床面部31dは、第1ダクト部31に沿って前後方向Yに延びるように配置されている。一方の床面部31dは、排気口28と横方向Xにオーバラップして配置されている。各床面部31dの横方向X外側端部は、上述の開口部15eの縁部の一部を構成している。各床面部31dの下面は、単電池2の頂面5に当接するように配置されている(図7参照)。
内蓋15の各床面部31dの上面には、横方向Xに延びる複数のリブ31eが、前後方向Yに間隔を空けて設けられている。リブ31eの横方向X内側端部は、第1ダクト部31の傾斜面部31b,31cに接続されている。これにより、第1ダクト部31の剛性が高められている。
図6、図8、及び図9に示すように、第2ダクト部32は、第1ダクト部31の前後方向Y前側端部から横方向X外側に延びるように設けられている。第2ダクト部32の横方向X内側端部は、第1ダクト部31の前後方向Y前側端部に接続されている。これにより、第1ダクト部31の内部空間と第2ダクト部32の内部空間とが互いに連通している。
図6及び図10に示すように、第2ダクト部32の前後方向Y後側には、一方の床面部31dが隣接して配置され、第2ダクト部32の前後方向Y前側には、フレーム部15a及び突出部29が隣接して配置されている。第2ダクト部32の内部空間は、排気口28に面しており、該排気口28を介して外装体10の外側に連通している。
図6~図10に示すように、排気通路40は、単電池2の頂面5と第1ダクト部31との間に形成された第1通路部41、単電池2の頂面5と第2ダクト部32との間に形成された第2通路部42、及び、第2通路部42と排気口28とを繋ぐ第3通路部43を有する。
第1通路部41は、第1ダクト部31の一端から他端にかけて前後方向Yに沿って直線状に延びるように形成されている。第1通路部41は、全ての単電池2のガス排出弁9に面している。
第2通路部42は、横方向Xに沿って第1通路部41側から排気口28側に向かって直線状に延びるように形成されている。第2通路部42は、屈曲部44(図6参照)を介して、第1通路部41の前後方向Y前側端部に接続されている。屈曲部44は、上下方向Zから見て直角に形成されている(図6参照)。
第2通路部42の下面は、第1通路部41の下面と比べて上下方向Zの同じ高さ位置に配置され、第2通路部42の上面は、第1通路部41の上面よりも上下方向Zの上側に配置されている(図8参照)。すなわち、第2通路部42は、第1通路部41に比べて上下方向Zに広く形成されている。
第2通路部42は、前後方向Yにおいて排気口28の後側にオフセットされ、横方向Xにおいて排気口28とオーバラップして配置されている。第2通路部42は、排気口28とオーバラップする横方向X領域において第3通路部43(図10参照)に接続されている。
図10に示すように、第3通路部43は、第2ダクト部32における前後方向Y前側の側壁部を貫通して、前後方向Yに延びるように設けられている。第3通路部43は、第2通路部42と排気口28との間を接続している。
第3通路部43の上面は、上下方向Zにおいて第2通路部42の上面および排気口28の上縁部と同じ高さ位置に配置され、第2通路部42の上面と排気口28の上縁部とにそれぞれ連なっている。第3通路部43の下面は、上下方向Zにおいて第2通路部42の下面よりも上側かつ排気口28の下縁部と同じ高さ位置に配置され、排気口28の下縁部に連なっている。第3通路部43の下面と第2通路部42の下面との間には段状部45が形成されている。
第1通路部41は、全ての単電池2の頂面5と内蓋15の第1ダクト部31との間に形成された閉断面部である。したがって、単電池2のガス排出弁9から第1通路部41に排出されたガスは、第1通路部41の外側への漏出が抑制されつつ、第1通路部41に沿って排気口28側へ流れやすくなっている。
第1通路部41を流れるガスは、屈曲部44(図6参照)を介して第2通路部42へスムーズに導かれ得る。第2通路部42は、前後方向Yの最も前側の単電池2の頂面5と内蓋15の第2ダクト部32との間に形成された閉断面部である。したがって、第1通路部41から第2通路部42へ導入されたガスは、第2通路部42の外側への漏出が抑制されつつ、第2通路部42に沿って排気口28側へ流れやすくなっている。
第2通路部42を流れるガスは、段状部45(図10参照)を乗り越えて第3通路部43へスムーズに導かれ得る。第3通路部43は、内蓋15の第2ダクト部32の側壁部に形成された閉断面部である。したがって、第2通路部42から第3通路部43へ導入されたガスは、第3通路部43の外側への漏出が抑制されつつ、第3通路部43を経由して排気口28へスムーズに導かれ得る。
以上のように、排気通路40は、単電池2のガス排出弁9から外装体10の排気口28に至るまでの全長に亘って、内蓋15によって外側から塞がれた閉断面部で構成されている。このようにして内蓋15を利用して形成された排気通路40を経由させることで、単電池2のガス排出弁9から排気口28に至るスムーズなガスの流れを実現できる。また、内蓋15の外側へのガスの流れが規制されるため、内蓋15と外蓋16との間に配置された制御基板20のような電気部品を排出ガスから効果的に保護できる。
図11(a)は、二輪車への組電池1の搭載態様の一例を示す側面図であり、図11(b)は、同搭載例が適用された組電池1を示す平面図である。
図11(a)に示す搭載例において、組電池1は、外装体10の頂面部16a及び外部端子21,22の頂面部23が上下方向Zの上側を指向する姿勢で、二輪車の車体に固定されたケース50に収容される。ケース50は、上下方向Zに対する垂直面(XY平面)に沿って配置された長方形状の底面部51と、該底面部51の周縁部から上下方向Zの上側に延びる周壁部52とを備えている。
組電池1は、ケース50の底面部51上に載置される。すなわち、ケース50の底面部51は、組電池1の底面部12cに対向配置される。ケース50の周壁部52は、組電池1の後側の長側面18bに対向する後面部53と、組電池1の前側の長側面18aに対向する前面部54とを有する。
ケース50の後面部53は、上下方向Zにおいて、組電池1の高さよりも長く形成されており、後面部53の上端部は、組電池1の頂面部16aよりも上下方向Zの上側に配置されている。ケース50の前面部54は、上下方向Zにおいて、組電池1のケース本体12の高さよりも短く形成されており、前面部54の上端は、組電池1のケース本体12の上端よりも上下方向Zの下側に配置されている。
ケース50は、前面部54の上端から前後方向Yの前側に延びる支持面部55と、支持面部55の上面に突設された留め具56とを更に備えている。留め具56は、例えば、前後方向Yから見て逆U字状の金具であり、留め具56の両端部は支持面部55に固定されている。留め具56は、ケース50の横方向X中央部に設けられている。
ケース50に収容された組電池1は、固定バンド60を用いてケース50に固定される。固定バンド60は、例えば、帯状の金属板からなる。ただし、固定バンド60の材質は特に限定されるものでない。固定バンド60の短手方向の幅は、全長に亘って一定となっている。
固定バンド60の一端部は、ケース50の後面部53の上端部に固定されており、固定バンド60の他端は自由端となっている。固定バンド60の自由端側の端部には、上記の留め具56に係合可能なフック62が設けられている。
固定バンド60は、ケース50の横方向X中央部において、前後方向Yに延びるように設けられている。固定バンド60の自由端側部分は、斜め下側に屈曲されている。固定バンド60は、ケース50に収容された組電池1の頂面部16aと前側の長側面18aとに対向するように組電池1に巻き付けられ、固定バンド60の先端部に設けられたフック62が留め具56に係合される。これにより、組電池1は、横方向X中央部において、固定バンド60によって頂面部16aが上下方向Zの上側から押さえ付けられることで、ケース50に固定される。
図11(b)に示すように、組電池1の頂面部16aにおいて固定バンド60が巻き付けられる被巻き付け部48は、頂面部16aを横切るように前後方向Yに延びる帯状領域(図11(b)において細点が付された領域)である。被巻き付け部48は、組電池1の外装体10の横方向X中央部に配置されている。すなわち、被巻き付け部48は、横方向Xにおいて単電池2のガス排出弁9と重複する領域に配置されている。
これに対して、外装体10の排気口28は、外装体10の横方向X中央部からオフセットして配置されている。これにより、排気口28の一部は、被巻き付け部48から横方向Xにずれて配置されている。図11(b)に示す例では、排気口28の横方向Xの全幅のうち半分以上の幅部分が被巻き付け部48からずれて配置されており、排気口28の残りの幅部分は被巻き付け部48と横方向Xにオーバラップして配置されている。ただし、排気口28は、その少なくとも一部が被巻き付け部48から横方向Xにずれて配置されればよく、排気口28全体が被巻き付け部48から横方向Xにずれて配置されてもよい。
図11(a)及び図11(b)に示す組電池1の搭載例によれば、組電池1の外装体10に対して、その頂面部16aの長辺に対して直交するように固定バンド60が巻き付けられる。また、固定バンド60は、外装体10の頂面部16aにおける長辺方向(横方向X)の中央部に巻き付けられる。そのため、仮に頂面部16aの短辺に対して直交するように固定バンド60が巻き付けられる場合、及び、仮に頂面部16aにおける長辺方向(横方向X)の中央部からずれた位置に固定バンド60が巻き付けられる場合に比べて、ケース50に対する組電池1の固定を安定化させやすい。
また、組電池1の外装体10では、排気口28が被巻き付け部48から横方向Xにオフセットして配置されることにより、排気口28全体が固定バンド60によって塞がれることを抑制できる。さらに、外装体10の排気口28は、上下方向Zにおいて外装体10の上端側に配置され、ケース50の支持面部55よりも上側において露出する。そのため、外装体10の内部で発生したガスを、排気口28からスムーズに排出することができる。
図12(a)は、二輪車への組電池1の搭載態様の別の例を示す側面図であり、図12(b)は、同搭載例が適用された組電池1を示す平面図である。
図12(a)に示す搭載例において、組電池1は、その上下方向Z及び横方向Xが水平面に沿って配置され且つ前後方向Yが鉛直方向に沿って配置される姿勢で、二輪車の車体に固定されたケース70に収容される。すなわち、組電池1は、外装体10の一方の長側面18a及び外部端子21,22の側面部24が鉛直方向(前後方向Y)の上側を指向する姿勢で、ケース70に収容される。
ケース70は、鉛直方向Yに対する垂直面(ZX平面)に沿って配置された長方形状の底面部71と、該底面部71の周縁部から鉛直方向Yの上側に延びる周壁部72とを備えている。
組電池1は、ケース70の底面部71上に載置される。すなわち、ケース70の底面部71は、組電池1の他方の長側面18bに対向配置される。ケース70の周壁部72は、組電池1の頂面部16aに対向する第1側面部73と、組電池1の底面部12cに対向する第2側面部74とを有する。
ケース70の第1側面部73は、鉛直方向Yにおいて、搭載姿勢の組電池1の高さよりも長く形成されており、第1側面部73の上端部は、組電池1の上側の長側面18aよりも鉛直方向Yの上側に配置されている。ケース70の第2側面部74は、鉛直方向Yにおいて、搭載姿勢の組電池1の高さよりも短く形成されており、第2側面部74の上端は、搭載姿勢の組電池1の上端よりも鉛直方向Yの下側に配置されている。
ケース70は、第2側面部74の上端から第1側面部73の反対側(組電池1の上下方向Yの下側)に延びる支持面部75と、支持面部75の上面に突設された留め具76とを更に備えている。留め具76は、例えば逆U字状の金具であり、留め具76の両端部は支持面部75に固定されている。留め具76は、組電池1の横方向Xにおけるケース70の中央部に設けられている。
ケース70に収容された組電池1は、固定バンド80を用いてケース70に固定される。固定バンド80は、例えば、帯状の金属板からなる。ただし、固定バンド80の材質は特に限定されるものでない。固定バンド80の短手方向の幅は、全長に亘って一定となっている。
固定バンド80の一端部は、ケース70の第1側面部73の上端部に固定されており、固定バンド80の他端は自由端となっている。固定バンド80の自由端側の端部には、上記の留め具76に係合可能なフック82が設けられている。
固定バンド80は、横方向Xにおけるケース70の中央部において、横方向Xに直交する水平方向(組電池1の上下方向Z)に延びるように設けられている。固定バンド80の自由端側部分は、斜め下側に屈曲されている。固定バンド80は、ケース70に収容された組電池1の上側の長側面18aと底面部12cとに対向するように組電池1に巻き付けられ、固定バンド80の先端部に設けられたフック82が留め具76に係合される。これにより、組電池1は、横方向X中央部において、固定バンド80によって上側の長側面18aが鉛直方向Yの上側から押さえ付けられることで、ケース70に固定される。
図12(b)に示すように、組電池1の上側の長側面18aにおいて固定バンド80が巻き付けられる被巻き付け部49は、長側面18aを横切るように水平方向(組電池1の上下方向Z)に延びる帯状領域(図12(b)において細点が付された領域)である。被巻き付け部49は、組電池1の外装体10の横方向X中央部に配置されている。すなわち、被巻き付け部49は、横方向Xにおいて単電池2のガス排出弁9と重複する領域に配置されている。
これに対して、外装体10の排気口28は、外装体10の横方向X中央部からオフセットして配置されている。これにより、排気口28の一部は、被巻き付け部49から横方向Xにずれて配置されている。図12(b)に示す例では、排気口28の横方向Xの全幅のうち半分以上の幅部分が被巻き付け部49からずれて配置されており、排気口28の残りの幅部分は被巻き付け部49と横方向Xにオーバラップして配置されている。ただし、排気口28は、その少なくとも一部が被巻き付け部49から横方向Xにずれて配置されればよく、排気口28全体が被巻き付け部49から横方向Xにずれて配置されてもよい。
図12(a)及び図12(b)に示す組電池1の搭載例によれば、組電池1の外装体10における上側の長側面18aに対して固定バンド80が巻き付けられる。また、固定バンド80は、外装体10の長側面18aにおける横方向Xの中央部に巻き付けられる。そのため、仮に外装体10の短側面17a,17bに固定バンド80が巻き付けられる場合、及び、仮に外装体10の長側面18aにおける横方向Xの中央部からずれた位置に固定バンド80が巻き付けられる場合に比べて、ケース70に対する組電池1の固定を安定化させやすい。
また、組電池1の外装体10では、排気口28が被巻き付け部49から横方向Xにオフセットして配置されることにより、排気口28全体が固定バンド80によって塞がれることを抑制できる。さらに、外装体10の排気口28は、鉛直方向Yにおいて外装体10の上端側に配置され、ケース70の上面側に露出する。そのため、外装体10の内部で発生したガスを、排気口28からスムーズに排出することができる。
さらに、外装体10に収容された単電池2に対して、外装体10の長側面18aの外側から固定バンド80が押し当てられることで、単電池2の配列方向Yへの膨張によって外装体10が配列方向Yに膨れることを抑制しやすくなる。
[第2実施形態]
図13の斜視図は、第2実施形態に係る蓄電装置としての組電池(電池モジュール)101を示している。組電池101は、エンジンを駆動源とする二輪車に搭載され、主としてエンジンの始動に用いられる比較的低電圧の補機バッテリである。ただし、組電池101の用途は限定されるものでなく、例えば自動車など、二輪車以外の移動体に搭載されるものであってもよい。
図14の分解斜視図に示すように、組電池101は、複数の蓄電素子としての単電池(電池セル)102と、複数の単電池102を収容する外装体110とを備える。
単電池102は、例えば、リチウムイオン二次電池のような非水電解質二次電池である。単電池102は、いわゆる角形電池である。第2実施形態に係る組電池101においても、第1実施形態と同様、4個の単電池102が、相互に積層された状態で外装体110に収容されている。
ただし、組電池101を構成する単電池102の個数は、2個以上であれば、特に限定されるものでない。なお、隣接する単電池102間には、樹脂のような絶縁性材料からなるスペーサ(図示せず)が介在されてもよい。
第1実施形態の単電池2(図3参照)と同様、各単電池102は、ケース本体4及び蓋体5を有するケース3を備え、蓋体5は、ケース3の頂面を構成している。蓋体5の表面には、第1実施形態と同様、正極端子6と負極端子7が固定されている。正極端子6は、蓋体5における横方向Xの中央よりも一方側部分に設けられ、負極端子7は、蓋体5における横方向Xの中央よりも他方側部分に設けられている。
複数の単電池102は、ケース本体4の長側面4b同士が対向するように前後方向Yに配列されている。組電池101の横方向X一方側及び他方側のそれぞれにおいて、正極端子6と負極端子7が前後方向Yに交互に並べて配置されている。
各単電池102の端子6,7と、別の単電池102の端子6,7との間の電気的接続は、バスバー125cを介してなされている。第2実施形態では、全ての単電池102が直列に接続されている。
組電池101を構成する全ての単電池102のうち前後方向Yの最も前側(図14の手前側)に位置する単電池102の正極端子6は、組電池101の外装体110に設けられた正極外部端子121に対して、例えばバスバー125a(図15参照)を介して電気的に接続されている。
組電池101を構成する全ての単電池102のうち前後方向Yの最も後側(図14の奥側)に位置する単電池102の負極端子7は、組電池101の外装体110に設けられた負極外部端子122に対して、例えばバスバー125b及び制御基板120(図15参照)を介して電気的に接続されている。
単電池102の蓋体5にはガス排出弁9が設けられている。ガス排出弁9は、正極端子6と負極端子7との間に配置されている。ガス排出弁9は、蓋体5の長手方向(横方向X)中央からオフセットして配置されている。これにより、複数の単電池102のガス排出弁9は、前後方向Yに沿って千鳥状に配列される。
外装体110は、上面が開口した箱形のケース本体112と、該ケース本体112の上面開口を塞ぐ蓋体114とを備えている。蓋体114は、複数の単電池102の頂面(蓋体)5に対向する内蓋115と、内蓋115の外側に重ねられる外蓋116とを有する。ケース本体112、内蓋115、及び外蓋116は、樹脂製の部材である。ただし、ケース本体112、内蓋115、及び外蓋116の材料は、樹脂以外の絶縁性材料であってもよい。
ケース本体112は、横方向Xに対する垂直面(YZ平面)に沿って配置された一対の短側面部112a、前後方向Yに対する垂直面(XZ平面)に沿って配置された一対の長側面部112b、及び、上下方向Zに対する垂直面(XY平面)に沿って配置された底面部112cを有する。
ケース本体112の各短側面部112aの内側の面には、上下方向Zに延びる複数の突条部112dが、前後方向Yに間隔をあけて設けられている。各突条部112dは、配列方向Yに隣接する一対の単電池102に係合され、これにより、各単電池102が配列方向Yに位置決めされる。
ケース本体112の各長側面部112bの内側の面には、外蓋116に係合される複数の係合部112eが例えば凸状に設けられている。複数の係合部112eは、各長側面部112bの上縁部において横方向Xに間隔をあけて設けられている。
内蓋115は、ケース本体112の上面開口の形状に対応した長方形状の輪郭を有する板状部材である。内蓋115は、単電池102の頂面5の上側に対向するように、上下方向Zに対する垂直面(XY平面)に沿って配置される。
内蓋115は、その周縁部の一部から立ち上がる周壁部115aを備えている。周壁部115aは、内蓋115の横方向X両縁部における前後方向Y後端側部分と、内蓋115の前後方向Y後縁部における横方向X中央部を除く部分とに設けられている。
内蓋115は、その横方向X両縁部から上下方向Zの下側に延びる複数の突出部115bを備えている。突出部115bは、内蓋115の横方向X各縁部に、前後方向Yに間隔をあけて例えば3つずつ設けられている。各突出部115bは、配列方向Yに隣接する一対の単電池102に係合される。
内蓋115には、単電池102の端子6,7の位置に合わせて複数の開口部115cが設けられている。これにより、内蓋115の各開口部115cに単電池102の端子6,7が臨むように配置される(図18参照)。
内蓋115には、開口部115cの周縁部から立ち上がる複数の枠状の壁部115dが一体に設けられている。壁部115dは、単電池102の端子6,7に接続されるバスバー125a,125b,125c(図15参照)の周縁部に沿って配置され、これにより、バスバー125a,125b,125cと周辺部品との間の電気的絶縁が図られる。バスバー125a,125b,125cは、例えば、壁部115dの一部に設けられた爪状の係止片(図示せず)などを用いた固定によって、内蓋115に支持される。これにより、内蓋115は、バスバー125a,125b,125cを支持するバスバーフレームとして機能する。
内蓋115は、複数の単電池102の頂面5に載置され且つ上記の突出部115bにおいて複数の単電池102に係合されることで、複数の単電池102を介してケース本体112に取り付けられる。
外蓋116は、内蓋115の外側に対向する頂面部116aと、該頂面部116aの周縁部から上下方向Zの下側(底面部112c側)に延びる周壁部116bとを有する。外蓋116は、周壁部116bの内側において内蓋115の周壁部115aに係合される。
外蓋116の周壁部116bは、頂面部116aの前後方向Y前側縁部に沿って横方向Xに延びる前面部116c、頂面部116aの横方向X両縁部に沿って前後方向Yに延びる一対の側面部116d,116e、及び、頂面部116aの前後方向Y後側縁部に沿って横方向Xに延びる後面部116fを備えている。
周壁部116bの前面部116c及び後面部116fには、ケース本体112の係合部112eに係合される複数の係合部116hが例えば凹状に設けられている。複数の係合部116hは、前面部116c及び後面部116fのそれぞれにおいて、横方向Xに間隔をあけて設けられている。ケース本体112の係合部112eに周壁部116bの係合部116hが係合されることで、ケース本体112に外蓋116が取り付けられている。
ただし、ケース本体112に対して内蓋115及び外蓋116を取り付けるための構成は特に限定されるものでない。例えば、ケース本体112に対して外蓋116が内蓋115を介して取り付けられてもよい。
図13に示す組立完了状態において、内蓋115は、外蓋116によって完全に覆われており、外装体110の表面に露出しない。すなわち、外装体110の表面は、ケース本体112と外蓋116とで構成されている。
ケース本体112の短側面部112aと、外蓋116の側面部116d,116eとは、互いに協働して外装体110の短側面117a,117bを構成している。ケース本体112の長側面部112bと、外蓋116の前面部116c及び後面部116fとは、互いに協働して外装体110の長側面118a,118bを構成している。
外蓋116の頂面部116aは、内蓋115を介して複数の単電池102に対向配置された基準面を構成している。頂面部116aは、上下方向Zにおいて内蓋115の外側に間隔をあけて対向配置されている。頂面部116aは、横方向Xに延びる一対の長辺と前後方向Yに延びる一対の短辺とを有する概ね長方形状とされている。外蓋116の周壁部116bは、頂面部116aの輪郭形状に合わせた概ね長方形の枠状部である。ただし、頂面部116a及び周壁部116bにおける一方の長辺の両端に位置する各コーナー部には切欠116gが設けられている。
外蓋116の一方の切欠116gには、組電池101の正極の外部端子121が配置され、他方の切欠116gには、組電池101の負極の外部端子122が配置されている。各外部端子121,122は、外装体110の外側に露出するように蓋体114に取り付けられている。このように、外部端子121,122は、外装体110の頂面部116aと一方(前後方向Yの前側)の長側面118aとの間のコーナー部に設けられている。
各外部端子121,122は、例えば、屈曲部を有する帯状の金属板で構成されている。外部端子121,122は、外蓋116を貫通して設けられている。外部端子121,122は、その一端側が外蓋116の外側に露出し、他端側が外蓋116の内側に配置されている。外部端子121,122は、例えばインサート成形によって外蓋116と一体に設けられてもよい。
外装体110の外側に配置された外部端子121,122の露出部は、外装体110の頂面部116aに沿うように配置された頂面部121a,122a、屈曲部を介して頂面部121a,122aに連なり外装体110の長側面118aに沿うように配置された側面部121b,122bとを有する。外部端子121,122は、頂面部121a,122a又は側面部121b,122bに取り付けられる接続部材(図示せず)を介して、車体側の電気系統に接続される。
図15に示すように、正極外部端子121の一端部は、外蓋116の内側において、単電池102の正極端子6に接続されたバスバー125aに電気的に接続されている。負極外部端子122の一端部は、外蓋116の内側において、バスバー125bを介して単電池102の負極端子7に接続された制御基板120に電気的に接続されている。
制御基板120は、内蓋115と外蓋116との間に収容されている。制御基板120は、例えばねじを用いて内蓋115の外側の面に固定される。なお、内蓋115には、制御基板120を固定するためのねじがねじ込まれる複数の被固定部115eが設けられている。
図16及び図17に示すように、外蓋116の頂面部116aには、カバー126によって開閉可能に覆われる凹部116iが設けられている。凹部116iは、頂面部116aにおける前後方向Y前側縁部に設けられている。凹部116iは、横方向Xにおける頂面部116aの中央と正極外部端子121との間に配置されている。
頂面部116aの凹部116iには、作業用の開口部116j及び空間形成用凹部116kが、互いに横方向Xに隣接して設けられている。
作業用の開口部116jには、正極外部端子121の一端部121cを、上記のバスバー125a(図15参照)を介して内蓋115に固定するためのナット123が臨むように配置される。これにより、作業用の開口部116jを通して、ナット123の着脱作業を行うことができる。
空間形成用凹部116kは、横方向Xにおいて、作業用の開口部116jと正極外部端子121との間に配置されている。空間形成用凹部116kの底部には貫通穴116m(図22参照)が設けられている。貫通穴116mは、空間形成用凹部116kの底部上面に取り付けられた通気防水膜119によって上側から覆われている。通気防水膜119は、気体の透過性に優れ且つ外蓋116の内側への水等の液体の浸入を抑制し得る素材からなる。
図13~図17に示すように、組電池101の外装体110は、単電池102のガス排出弁9から排出されたガスを外装体110の外側へ排出するための排気口128を備えている。排気口128は、外蓋116の周壁部116bの前面部116cに設けられている。排気口128は、上記の空間形成用凹部116kと横方向Xにオーバラップする領域において、前面部116cを前後方向Yに貫通して設けられている。すなわち、排気口128は、横方向Xにおいて外蓋116の中央からオフセットして配置されている。
これにより、外蓋116の空間形成用凹部116kとカバー126の下面との間の空間160(図22参照)が、排気口128を介して外装体110の外側空間に連通している。すなわち、外蓋116の空間形成用凹部116kとカバー126の下面との間に、外装体110の外側空間に連通した外気連通空間160が形成されている。
排気口128は、上下方向Zにおいて外部端子121,122の側面部121b,122bとオーバラップして配置されている。すなわち、排気口128は、外装体110の長側面118aにおいて、一対の外部端子121,122間に配置されている。排気口128は、例えば円形に形成されている。ただし、排気口128の形状は特に限定されるものでない。
図18及び図19に示すように、外装体110の内蓋115は、外装体110の内側においてガス排出弁9から排気口128へガスを導くためのダクト部130を備えている。
ダクト部130は、内蓋115において、外装体110の内側(単電池102側)に開放した溝状に形成されている。これにより、複数の単電池102の頂面5とダクト部130との間に、単電池102のガス排出弁9から外装体110の排気口128へのガスの排気通路140(図20及び図21参照)が形成されている。すなわち、内蓋115は、ガスの排気通路140を形成する通路形成部材として機能している。
ダクト部130は、複数の単電池102のガス排出弁9の上方を通るように蛇行しながら前後方向Yに延びている。図18に示すように、上下方向Zから見て、ダクト部130は、全ての単電池102のガス排出弁9とオーバラップして配置されている。具体的には、上下方向Zから見て、ダクト部130における両端部および2つの屈曲部が、それぞれガス排出弁9とオーバラップして配置されている。上下方向Zから見て、各ガス排出弁9は、その全体がダクト部130とオーバラップしている。このように、ダクト部130は、全ての単電池102のガス排出弁9に対向するように配置されている。
これにより、単電池102のガス排出弁9から排気通路140に排出されたガスは、排気通路140に沿って前後方向Yの排気口128側へ流れやすくなっている。
図19に示すように、ダクト部130は、その両端部および2つの屈曲部において、それぞれ連通溝部131,132,133,134を介して、開口部115cに連通している。これにより、排気通路140を流れるガスは、いずれかの連通溝部131,132,133,134及びこれに対応する開口部115cを経由して、内蓋115の外側へ導かれる。
このように、単電池102のガス排出弁9から排出されたガスは、単電池102と内蓋115との間の排気通路140を経由して、内蓋115と外蓋116との間の蓋内空間150(図20及び図21参照)に導かれる。さらに、図22に示すように、蓋内空間150に充満したガスは、上述の通気防水膜119を通って外気連通空間160に導入される。外気連通空間160に導入されたガスは、排気口128を通って外装体110の外部空間に排出される。
以上のように、第2実施形態によれば、内蓋115を利用した第1通路部としての排気通路140と、内蓋115と外蓋116を利用した第2通路部としての蓋内空間150とを経由させることで、単電池102のガス排出弁9から外蓋116の排気口128へのスムーズなガスの流れを実現できる。
第2実施形態の組電池101は、第1実施形態と同様、例えば、図11(a)又は図12(a)に示すような態様で、二輪車に搭載されてもよい。
図11(a)に示す搭載例が採用される場合、図13に示すように、組電池101の頂面部116aに、固定バンド60が巻き付けられる被巻き付け部148が形成される。被巻き付け部148は、組電池101の外装体110の横方向X中央部に配置されている。したがって、固定バンド60による組電池101の固定の安定化を図ることができる。
この場合、外装体110の横方向X中央部からオフセットして配置された外装体110の排気口128は、被巻き付け部148から横方向Xにずれて配置されている。そのため、排気口128が固定バンド60によって塞がれることを抑制でき、排気口128からの良好な排気が可能になっている。
一方、図12(a)に示す搭載例が採用される場合、図13に示すように、組電池101の一方の長側面118aに、固定バンド80が巻き付けられる被巻き付け部149が形成される。被巻き付け部149は、組電池101の外装体110の横方向X中央部に配置されている。したがって、固定バンド80による組電池101の固定の安定化を図ることができる。
この場合も、外装体110の排気口128は、被巻き付け部149から横方向Xにずれて配置されている。そのため、排気口128が固定バンド80によって塞がれることを抑制でき、排気口128からの良好な排気が可能になっている。
また、この場合、外装体110に収容された単電池102に対して、外装体110の長側面118aの外側から固定バンド80が押し当てられることで、単電池102の配列方向Yへの膨張によって外装体110が配列方向Yに膨れることを抑制しやすくなる。
さらに、図11(a)及び図12(a)のいずれの搭載例が採用される場合も、外装体110の排気口128は、鉛直方向の上端側に配置されるため、外装体110の内部で発生したガスを、排気口128からスムーズに排出することができる。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、組電池の外装体において、被巻き付け部が一面のみに設けられる例を説明したが、被巻き付け部は複数の面に亘って設けられてもよい。
また、本発明に係る蓄電装置を構成する蓄電素子は、上述の実施形態のような角形の電池に限定されるものでなく、例えば、円筒形電池又はラミネート形(パウチ形)の電池であってもよい。
さらに、上述の実施形態では、蓄電素子としてリチウムイオン二次電池のような非水電解質二次電池を有する蓄電装置を例に本発明に係る蓄電装置を説明したが、本発明に係る蓄電装置を構成する蓄電素子は、非水電解質二次電池以外の二次電池、一次電池、キャパシタを含む種々の蓄電素子であってもよい。