JP7146579B2 - 排ガス浄化フィルタ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、排ガス浄化フィルタ及びその製造方法に関する。
自動車用エンジン等の内燃機関の排気管内には、排気ガス中の有害成分や粒子状物質を除去するための排ガス浄化フィルタが設けられている。排ガス浄化フィルタは、多孔質セラミックからなるハニカム構造体を有している。ハニカム構造体の内部には、隔壁部によって区画された筒状を呈する多数のセルが形成されている。
この種の排ガス浄化フィルタは、多数のセルのうち一部のセルの入口側の端部と残りのセルの出口側の端部とが開口し、これら以外のセルの端部が栓によって閉鎖された構造を有していることがある。入口側が開口したセルと出口側が開口したセルとは互いに隣接して配置されている。
かかる構造を有する排ガス浄化フィルタにおいて、排気ガスは、入口側が開口したセルに流入し、隔壁部の細孔を通過した後に出口側が開口したセルから排出される。排ガス浄化フィルタは、排気ガスが隔壁部の細孔を通過する際に、排気ガス中に含まれる有害成分や粒子状物質を排気ガス中から除去することができる。
従来、排ガス浄化フィルタは、ハニカム構造体の原料となるセラミック粒子と、バインダと、水とを含むハニカム状の成形体を押出成形によって作製する工程と、当該成形体を焼成する工程と、多数のセルにおける所定の端部を栓によって閉鎖する工程とを含む製造方法によって作製されている。例えば特許文献1には、一の方向に延びる複数のセルを形成する隔壁と、端部において前記セルを交互に目封じする目封じ部とを備えるハニカムフィルタが記載されている。
特開2006-95352号公報
特許文献1を含む従来の製造方法においては、押出成形によって成形体を作製するため、成形体内におけるセラミック粒子やバインダの配置を制御することができない。それ故、成形体を焼成すると、隔壁部内に無秩序に延設された細孔が形成される。これらの細孔の中には、有底孔状、つまり、入口側が開口したセルまたは出口側が開口したセルのうちいずれか一方に開口し、他方には開口していないものが含まれている。
このような有底孔状の細孔は、排ガス浄化フィルタの入口側から出口側へ排気ガスを導くことができない。それ故、有底孔状の細孔の数が多くなると、排ガス浄化フィルタの圧力損失の増大や、有害成分等の除去性能の悪化を招くおそれがある。
排ガス浄化フィルタの圧力損失を低減するとともに有害成分等の除去性能を向上させるためには、例えば、隔壁部の気孔率を高める方法が考えられる。この場合には、入口側が開口したセルと出口側が開口したセルとの両方に開口した細孔の数を多くすることができるため、圧力損失の低減及び有害成分等の除去性能の向上が期待できる。しかし、この場合には、隔壁部の強度の低下を招くおそれがある。
このように、従来の排ガス浄化フィルタにおいては、隔壁部の強度と気孔率とがトレードオフの関係にある。そして、排ガス浄化フィルタの性能をより向上させるために、隔壁部の強度と気孔率とのトレードオフを改善することが求められている。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、隔壁部の強度と気孔率とのトレードオフを改善することができる排ガス浄化フィルタ及びその製造方法を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、筒状を呈する外壁部(2)と、前記外壁部の軸方向に沿って延設され、前記外壁部の内側を複数の筒状空間(C)に区画する隔壁部(3)と、を備えたハニカム構造体(11)と、
複数の前記筒状空間のうち一部の筒状空間の一端を閉鎖する第1栓部(12)と、残りの筒状空間の他端を閉鎖する第2栓部(13)と、
前記第1栓部によって閉鎖された前記筒状空間からなる第1セル(C1)と、
前記第2栓部によって閉鎖された前記筒状空間からなり、前記第1セルに隣接して配置された第2セル(C2)と、を有し、
前記隔壁部は、前記第1セル側に開口した複数の第1開口(31)と、前記第2セル側に開口した第2開口(32)と、前記第1開口と前記第2開口とを接続する連通路(35、36、37、38、39)と、を有し、
前記各第1開口は、前記連通路を介して少なくとも1か所の前記第2開口に接続されており、
前記各第2開口は、前記連通路を介して少なくとも1か所の前記第1開口に接続されており、
前記連通路(35、36、37、38、39)は、前記第1開口から延設された第1連通部(351、361、371a、381a、391a)と、
複数の前記第1連通部を互いに接続する接続部(352、362、372a、382a、392a)と、
前記接続部から前記第2開口側に延設された第2連通部(353、363、371b、381b、391b)と、を有している、排ガス浄化フィルタ(107、108、121、122、123)にある。
本発明の他の態様は、前記の態様の排ガス浄化フィルタの製造方法であって、
前記ハニカム構造体の形状に対応する空洞(S、S2)を備えた鋳型(4、402)を作製し、
前記空洞内に前記ハニカム構造体の原料(110)を充填し、
前記原料を前記鋳型ごと加熱することにより、前記鋳型を焼失させるとともに前記原料を焼成して前記排ガス浄化フィルタを形成する、排ガス浄化フィルタの製造方法にある。
前記排ガス浄化フィルタは、前記第1セルと前記第2セルとを区画する隔壁部に、第1セル側に開口した複数の第1開口と、第2セル側に開口した第2開口と、各第1開口と第2開口とを接続する連通路と、を有している。また、各第1開口は、連通路を介して少なくとも1か所の第2開口に接続されており、各第2開口は、連通路を介して少なくとも1か所の第1開口に接続されている。
即ち、前記排ガス浄化フィルタは、排気ガスを流通させることができない有底孔状の細孔を有しない。それ故、前記排ガス浄化フィルタは、従来の排ガス浄化フィルタと同程度の気孔率を有する場合には、有底孔状の細孔を有しない分、隔壁部の強度を高めることができる。また、前記排ガス浄化フィルタは、従来の排ガス浄化フィルタと同程度の隔壁部の強度を有する場合には、有底孔状の細孔を有しない分、気孔率を高めることができる。
従って、前記排ガス浄化フィルタによれば、隔壁部の強度と気孔率とのトレードオフを改善することができる。その結果、前記排ガス浄化フィルタは、例えば、従来と同程度の隔壁部の強度を確保しつつ圧力損失を低減するとともに有害物質等の浄化性能を改善することができる。また、従来と同程度の圧力損失及び有害成分等の除去性能を確保しつつ、隔壁部の強度をより高くすることもできる。
また、前記の態様の製造方法においては、ハニカム構造体の形状に対応する空洞を備えた鋳型を用い、鋳型内に充填したハニカム構造体の原料を鋳型ごと焼成する。そのため、予め、鋳型に連通路に対応する構造を設けることにより、所望の形状の連通路を精度よく形成することができる。その結果、前述したような、有底孔状の細孔を有しない排ガス浄化フィルタを容易に作製することができる。
以上のごとく、上記態様によれば、隔壁部の強度と気孔率とのトレードオフを改善することができる排ガス浄化フィルタ及びその製造方法を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
図1は、参考形態1における排ガス浄化フィルタの斜視図である。 図2は、参考形態1における排ガス浄化フィルタの要部を示す断面図である。 図3は、図2における隔壁部の拡大図である。 図4は、参考形態1の排ガス浄化フィルタを作製するために用いる鋳型の要部を示す断面図である。 図5は、図4における、隔壁部に対応する部分の拡大図である。 図6は、参考形態1の鋳型に原料を充填した状態の要部を示す断面図である。 図7は、参考形態2における、第1栓部及び第2栓部が外壁部及び隔壁部と一体的に形成された排ガス浄化フィルタの要部を示す断面図である。 図8は、参考形態2の排ガス浄化フィルタを作製するために用いる鋳型の要部を示す断面図である。 図9は、参考形態3における、有底孔を有しない連通路を備えた排ガス浄化フィルタの隔壁部を示す一部拡大断面図である。 図10は、参考形態3における、有底孔を有しない連通路の他の態様の例である。 図11は、参考形態3における、有底孔を有しない連通路の他の態様の例である。 図12は、参考形態3における、有底孔を有しない連通路の更に他の態様の例である。 図13は、実施形態1における、接続部を備えた連通路を有する排ガス浄化フィルタの隔壁部を第1セル側から視た平面図である。 図14は、図13のXIV-XIV線矢視断面図である。 図15は、図14のXV-XV線矢視断面図である。 図16は、実施形態2における、接続部を備えた連通路の他の態様を示す排ガス浄化フィルタの一部断面図である。 図17は、図16のXVII-XVII線矢視断面図である。 図18は、実施形態3における、第1開口から第2開口に至る経路上に複数の接続部を有する連通路の一態様を示す一部断面図である。 図19は、実施形態3における、第1開口から第2開口に至る経路上に複数の接続部を有する連通路の他の態様を示す一部断面図である。 図20は、実施形態3における、第1開口から第2開口に至る経路上に複数の接続部を有する連通路の更に他の態様を示す一部断面図である。 図21は、比較形態における、従来の排ガス浄化フィルタの要部を示す一部拡大断面図である。
参考形態1
前記排ガス浄化フィルタ及びその製造方法に係る参考形態について、図1~図6を参照して説明する。図1及び図2に示すように、排ガス浄化フィルタ1は、筒状を呈する外壁部2と、外壁部2の軸方向に沿って延設され、外壁部2の内側を複数の筒状空間Cに区画する隔壁部3と、を備えたハニカム構造体11と、を有している。図2に示すように、複数の筒状空間Cのうち一部の筒状空間Cの一端は第1栓部12によって閉鎖されており、残りの筒状空間Cの他端は第2栓部13によって閉鎖されている。
また、図2に示すように、排ガス浄化フィルタ1は、第1栓部12によって閉鎖された筒状空間Cからなる第1セルC1と、第2栓部13によって閉鎖された筒状空間Cからなり、第1セルC1に隣接して配置された第2セルC2と、を有している。
図3に示すように、隔壁部3は、第1セルC1側に開口した複数の第1開口31と、第2セルC2側に開口した第2開口32と、第1開口31と第2開口32とを接続する連通路33と、を有している。そして、各第1開口31は、連通路33を介して少なくとも1か所の第2開口32に接続されており、各第2開口32は、連通路33を介して少なくとも1か所の第1開口31に接続されている。
以下、排ガス浄化フィルタ1の構成の例をより詳細に説明する。本形態の排ガス浄化フィルタ1は、図1に示すように円柱状を呈している。排ガス浄化フィルタ1は、2か所の端面14、15のうちどちらの端面14、15から排気ガスを導入しても、反対側の端面15、14へ排気ガスを排出することができるように構成されている。以下において、便宜上、排ガス浄化フィルタ1の一方の端面14を「第1端面14」といい、他方の端面15を「第2端面15」という。なお、排ガス浄化フィルタ1の形状は、本形態の形状に限定されるものではなく、内燃機関の排気管の形状に合わせて適宜設定することができる。
排ガス浄化フィルタ1におけるハニカム構造体11は、筒状を呈する外壁部2と、外壁部2の内側を区画する隔壁部3と、を有しており、外壁部2の内側が隔壁部3によって複数の筒状空間Cに区画されている。筒状空間Cの態様は特に限定されることはない。例えば、筒状空間Cは、外壁部2の軸方向に垂直な断面において、四角形状、五角形状、六角形状等の多角形状の断面形状を有していてもよい。
また、複数の筒状空間Cの全てが同一の断面形状を有していてもよいし、一部の筒状空間Cの断面形状が他の筒状空間Cの断面形状とは異なっていてもよい。更に、外壁部2の軸方向に垂直な断面におけるすべての筒状空間Cの断面積が同一であってもよいし、一部の筒状空間Cの断面積が他の筒状空間Cの断面積とは異なっていてもよい。
図1に示すように、本形態の排ガス浄化フィルタ1においては、外壁部2の内側が格子状に配置された隔壁部3によって区画されている。各筒状空間Cは、外壁部2の軸方向に垂直な断面において四角形状を呈する断面形状を有している。
ハニカム構造体11は、例えば、セラミックから構成されていてもよい。セラミックとしては、例えば、45~55質量%のSiO2と、33~42質量%のAl23と、12~18質量%のMgOとからなるコーディエライト、炭化珪素、珪素-炭化珪素系複合材料、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素-コーディエライト系複合材料、リチウムアルミニウムシリケート、アルミニウムチタネート等を採用することができる。ハニカム構造体11は、これらの中でも、熱膨張係数が小さく、耐熱衝撃性に優れたコーディエライトから構成されていることが好ましい。
また、ハニカム構造体11には、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属を含む触媒が担持されていてもよい。この場合には、排ガス浄化フィルタ1によって、排気ガス中の粒子状物質とともに、炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物などの有害成分を除去することができる。
図1及び図2に示すように、複数の筒状空間Cは、第1セルC1または第2セルC2のいずれかとして構成されている。図2に示すように、第1セルC1は、第2端面15に開口し、第1栓部12によって第1端面14を閉鎖された有底孔状を有している。第2セルC2は、第1端面14に開口し、第2栓部13によって第2端面15を閉鎖された有底孔状を呈している。また、第1セルC1と第2セルC2とは、隔壁部3を介して互いに隣接して配置されている。
第1栓部12及び第2栓部13は、例えば、セラミックから構成されていてもよい。セラミックとしては、ハニカム構造体11と同様に、コーディエライト、炭化珪素、珪素-炭化珪素系複合材料、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素-コーディエライト系複合材料、リチウムアルミニウムシリケート、アルミニウムチタネート等を採用することができる。
第1栓部12及び第2栓部13の形成は、ハニカム構造体11の作製と同時に行ってもよいし、ハニカム構造体11を作製した後に第1栓部12及び第2栓部13を形成することもできる。本形態における第1栓部12及び第2栓部13は、ハニカム構造体11を作製した後に形成されている。
図3に示すように、第1セルC1と第2セルC2とを区画する隔壁部3は、第1セルC1側に開口した複数の第1開口31と、第2セルC2側に開口した複数の第2開口32と、第1開口31と第2開口32とを接続する連通路33と、を有している。各第1開口31は、連通路33を介して1か所以上の第2開口32に接続されており、各第2開口32は、連通路33を介して1か所以上の第1開口31に接続されている。本形態においては、1か所の第1開口31と1か所の第2開口32とが連通路33を介して接続されている。
本形態の排ガス浄化フィルタ1における各第1開口31は1か所の第2開口32に接続されており、各第2開口32は1か所の第1開口31に接続されている。そのため、本形態の隔壁部3は、第1セルC1側の表面及び第2セルC2側の表面のいずれにも排気ガスを通過させることができない有底孔状の細孔を有しない。それ故、排ガス浄化フィルタ1は、従来の排ガス浄化フィルタと同程度の気孔率を有する場合には、有底孔状の細孔を有しない分、隔壁部3の強度を高めることができる。また、排ガス浄化フィルタ1は、従来の排ガス浄化フィルタ1と同程度の隔壁部3の強度を有する場合には、有底孔状の細孔を有しない分、気孔率を高めることができる。
このように、排ガス浄化フィルタ1によれば、隔壁部3の強度と気孔率とのトレードオフを改善することができる。
本形態の排ガス浄化フィルタ1の製造方法の態様を以下に例示する。まず、図4及び図5に示すように、ハニカム構造体11の形状に対応する空洞Sを備えた鋳型4を作製する。次いで、図6に示すように、鋳型4の空洞S内にハニカム構造体11の原料110を充填する。その後、原料110を鋳型4ごと加熱することにより、鋳型4を焼失させるとともに原料110を焼成してハニカム構造体11を形成する。
鋳型4は、原料110の焼成温度よりも低い温度で焼失する材質から構成されている。例えば、鋳型4の材質としては、樹脂を採用することができる。
鋳型4は、例えば、積層造形法、つまり、層状の部分構造を積み重ねることにより所望の形状に成形する方法によって作製することができる。積層造形法としては、例えば、液状の光硬化性樹脂に光を照射して当該樹脂を局所的に硬化させることにより層状の部分構造を形成する光造形法や、層状に敷き詰めた鋳型4の粉末を局所的に溶融させ、または接着することにより層状の部分構造を形成する粉末法等の方法を採用することができる。
本態様において、鋳型4は、図4に示すように、空洞Sの外周に配置された枠体部41と、枠体部41に連なり、筒状空間Cに対応した角柱状を呈する柱状部42と、を有している。また、図5に示すように、柱状部42同士の隙間には細線部43が配置されている。枠体部41は、空洞Sに連なるとともに外部空間に開口した充填口44を1か所以上有している。
また、細線部43の端はいずれかの柱状部42に連なっている。即ち、細線部43は、連通路33における、第1開口31と第2開口32とを結ぶ経路から分岐した有底孔331(図3参照)を除いた部分に対応した形状を有している。より具体的には、本態様における細線部43は、第1開口31と第2開口32とを結ぶ直線に沿って延設されている。
本態様においては、鋳型4の充填口44からハニカム構造体11の原料110を注入することにより、図6に示すように、鋳型4の空洞S内にハニカム構造体11の原料110を充填することができる。排ガス浄化フィルタ1の原料110としては、例えば、焼成後の組成が所望の組成となるように調製された無機成分の粉末や、かかる無機成分の粉末を水などの溶媒に分散させたスラリーを使用することができる。
原料110中には、バインダが含まれていなくてもよい。従来の製造方法においては、押出成形を行ってから焼成するまでの間に亘って成形体の形状を維持するため、通常、原料110中にバインダが添加されている。これに対し、本態様の製造方法においては、鋳型4によって空洞S内の原料110を保持することができるため、バインダを添加しなくても所望の形状の排ガス浄化フィルタ1を得ることができる。
また、バインダを含まない場合には、バインダの消失による焼成時の寸法収縮を抑制することができる。更に、バインダから発生する熱分解ガスによる、隔壁部3への意図しない細孔の形成等を抑制することもできる。これらの結果、所望の寸法及び特性を備えた排ガス浄化フィルタ1をより容易に作製することができる。
このように、鋳型4内に排ガス浄化フィルタ1の原料110を充填した後、鋳型4ごと原料110を加熱する。鋳型4は原料110の焼成温度よりも低い温度で焼失するため、焼成が完了し、ハニカム構造体11が形成された時点では鋳型4が消失している。従って、鋳型4ごと原料110を加熱することにより、ハニカム構造体11を得ることができる。
その後、ハニカム構造体11における筒状空間Cの一端または他端に、ディスペンサ等を用いて第1栓部12及び第2栓部13の原料を配置する(図示略)。そして、この状態でハニカム構造体11を再度加熱して第1栓部12及び第2栓部13を焼成することにより、排ガス浄化フィルタ1を得ることができる。
なお、前述した態様では、ハニカム構造体11を焼成する際に、鋳型4の焼失によって熱分解ガスが発生する。この熱分解ガスが鋳型4と原料110との隙間に滞留した場合には、例えば図3に示すように、連通路33に、第1開口31から第2開口32に至る経路から分岐した有底孔331が形成されることがある。また、図には示さないが、場合によっては、隔壁部3に、第1セルC1側のみに開口した細孔や第2セルC2側にのみ開口した細孔が形成されるおそれもある。
隔壁部3に、第1セルC1側のみに開口した細孔や第2セルC2側にのみ開口した細孔が形成されているか否かの判定は、以下のようにして行えばよい。即ち、コンピュータ断層撮影によって排ガス浄化フィルタ1を撮影し、排ガス浄化フィルタ1の再構成像を得る。
この再構成像中に存在する隔壁部3に、5か所の観察領域を無作為に設定する。各観察領域は、隔壁部3の厚み方向全体に延在した四角柱状を呈しており、第1セルC1又は第2セルC2に面し、一辺200μmの正方形状を呈する端面を有している。これらの観察領域に第1セルC1側のみに開口した細孔及び第2セルC2側にのみ開口した細孔が存在するか否かを判断する。そして、5か所の観察領域に第1セルC1側のみに開口した細孔及び第2セルC2側のみに開口した細孔が存在していない場合には、隔壁部3は、第1セルC1側のみに開口した細孔及び第2セルC2側を有しないと判断する。
また、連通路33が、第1開口31から第2開口32へ至る経路から分岐した有底孔331を有するか否かの判定も、前述した判定と同様の方法により行うことができる。即ち、コンピュータ断層撮影によって排ガス浄化フィルタ1を撮影し、排ガス浄化フィルタ1の再構成像を得る。
この再構成像中に存在する隔壁部3に、前述した四角柱状を呈する5か所の観察領域を無作為に設定する。これらの観察領域に有底孔331が存在するか否かを判断する。そして、5か所の観察領域に有底孔331が存在していない場合には、隔壁部3は、有底孔331を有しないと判断する。
前述した態様の製造方法において、製造上の理由によって形成されるガスを流通することができない細孔や有底孔331の数は、従来の製造方法によって作製される排ガス浄化フィルタにおける細孔の数及び有底孔331の数に比べて格段に少ない。それ故、このような細孔や有底孔331が隔壁部3の強度と気孔率とのトレードオフに及ぼす悪影響は小さい。
参考形態2
本形態においては、図7に示すように、第1栓部12及び第2栓部13が外壁部2及び隔壁部3と一体的に形成された排ガス浄化フィルタ102を説明する。なお、本形態以降において用いた符号のうち、既出の形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の形態における構成要素と同様の構成要素等を表す。
本形態の排ガス浄化フィルタ102は、外壁部2、隔壁部3、第1栓部12及び第2栓部13が一体的に形成されている。ここで、第1栓部12及び第2栓部13が外壁部2及び隔壁部3と「一体的に形成された」状態とは、第1栓部12及び第2栓部13と、外壁部2及び隔壁部3との間に材質等の差異がなく、両者の境界が存在しない状態をいう。
本形態の排ガス浄化フィルタ102は、例えば、図8に示すように、ハニカム構造体11と、第1栓部12と、第2栓部13とを一体化した形状に対応する空洞S2を備えた鋳型402を使用する以外は、参考形態1と同様の方法により作製することができる。その他は参考形態1と同様である。
本形態のように、第1栓部12及び第2栓部13をハニカム構造体11と一体化することにより、ハニカム構造体11の作製と、第1栓部12及び第2栓部13によって筒状空間Cを閉鎖する作業とを同一の工程において行うことができる。これにより工程数の増加を回避し、排ガス浄化フィルタ102の生産性をより向上させることができる。その他、本形態の排ガス浄化フィルタ102は、参考形態1と同様の作用効果を奏することができる。
参考形態3
本形態においては、図9~図12に示すように、第1開口31から第2開口32へ至る経路から分岐した有底孔331(図3参照)を有しない連通路341~344を備えた排ガス浄化フィルタ103~106を説明する。
図9に示す排ガス浄化フィルタ103のように、1か所の第1開口31と1か所の第2開口32とが連通路341を介して接続されている場合、連通路341は、第1開口31から第2開口32へ至る経路上に分岐を有しない。
第1開口31と第2開口32との接続の態様は、図9の態様に限定されるものではない。例えば、図10に示す排ガス浄化フィルタ104のように、複数の第1開口31と1か所の第2開口32とが連通路342を介して接続されていてもよいし、図11に示す排ガス浄化フィルタ105のように、1か所の第1開口31と複数の第2開口32とが連通路343を介して接続されていてもよい。
更に、図12に示す排ガス浄化フィルタ106のように、複数の第1開口31と複数の第2開口32とが連通路344を介して接続されていてもよい。連通路341~343のように第1開口31から第2開口32へ至る経路上で連通路が分岐している場合には、分岐した先は、第1開口31または第2開口32のいずれかに接続されている。
隔壁部は、これらの連通路341~344のうち1種のみを有していてもよいし、2種以上を有していてもよい。その他は参考形態1と同様である。
本形態のように、第1開口31から第2開口32へ至る経路上に有底孔331を有しない連通路341~344を設けることにより、経路上の有底孔331への排気ガスの滞留を回避することができる。その結果、隔壁部3の強度と気孔率とのトレードオフの改善効果をより高めることができる。
実施形態1
本形態においては、図14に示すように、第1開口31から延設された第1連通部351と、複数の第1連通部351を互いに接続する接続部352と、接続部352から第2開口32側に延設された第2連通部353と、を備えた連通路35を有する排ガス浄化フィルタ107を説明する。
本形態の排ガス浄化フィルタ107における隔壁部3は、図13及び図14に示すように、第1セルC1側の壁面に、互いに間隔をあけて配置された複数の第1開口31からなる第1開口群310を有している。図13に示すように、隔壁部3は複数の第1開口群310を有しており、第1開口群310同士が互いに間隔をあけて配置されている。なお、第1開口群310の配置は、本形態の配置に限定されるものではない。
第1開口群310を構成する第1開口31は、隔壁部3の厚み方向における第1セルC1側から視た平面視において、六角形を呈するように配置されている。なお、各第1開口群310に含まれる第1開口31の配置は本形態の配置に限定されるものではない。例えば、各第1開口群310に含まれる第1開口31は、隔壁部3の厚み方向における第1セルC1側から視た平面視において、円形、長円形、楕円形、多角形等の形状を呈するように配置されていてもよい。また、各第1開口群310に含まれる第1開口31は、無秩序に配置されていてもよい。
第1連通部351は、図14に示すように、第1開口31から接続部352までに亘って延設されている。第1連通部351の配置及び形状は特に限定されるものではない。例えば、本形態の第1連通部351は、第1開口31から隔壁部3の厚み方向に平行な方向に延設されている。また、隔壁部3の厚み方向に直交する断面における第1連通部351の断面形状は円形である。なお、第1連通部351の断面形状は、本形態に限定されるものではなく、例えば、楕円形、長円形、多角形等の種々の形状をとり得る。
隔壁部3は、第2セルC2側の壁面に、互いに間隔をあけて配置された複数の第2開口32からなる第2開口群320を有している。隔壁部3は複数の第2開口群320を有しており、第2開口群320同士が互いに間隔をあけて配置されている。なお、本形態の第2開口群320の配置は、第1開口群310の配置と同様である。第2開口群320の配置は本形態の配置に限定されるものではない。
図には示さないが、第2開口群320を構成する第2開口32は、第1開口群310と同様に、隔壁部3の厚み方向における第2セル側から視た平面視において、六角形を呈するように配置されている。なお、各第2開口群320に含まれる第2開口32の配置は本形態の配置に限定されるものではなく、第1開口31と同様に種々の態様をとり得る。
図14に示すように、本形態の第2開口32は、第2連通部353に直接接続されている。つまり、第2連通部353は、第2開口32から接続部352までに亘って延設されている。なお、第2連通部353は、本形態のように、接続部352から延設され、第2開口32に直接接続されていてもよいし、第2連通部353と第2開口32との間に設けられた他の接続部及び連通部を介して第2開口32に接続されていてもよい。
第2連通部353の配置及び形状は特に限定されるものではない。例えば、本形態の第2連通部353は、接続部352から隔壁部3の厚み方向に平行な方向に延設されている。また、隔壁部3の厚み方向に直交する断面における第2連通部353の断面形状は円形である。なお、第2連通部353の断面形状は、本形態に限定されるものではなく、例えば、楕円形、長円形、多角形等の種々の形状をとり得る。その他は参考形態1と同様である。
本形態の排ガス浄化フィルタ107は、隔壁部3の内部に配置された複数の接続部352を有している。各接続部352には、第1開口群310に含まれる第1開口31から延設された複数の第1連通部351が接続されている。また、各接続部352からは、複数の第2連通部353が第2開口32へ向かって延出している。
接続部352の数、配置及び形状は、種々の態様をとり得る。例えば、本形態の接続部352は、図15に示すように、隔壁部3の厚み方向に直交する断面において円形を呈している。接続部352は、厚み方向に直交する断面において、直線、楕円、長円、多角形等であってもよい。また、本形態においては、個々の接続部352に複数の第1連通部351のうちの一部の第1連通部351が接続されているが、全ての第1連通部351が単一の接続部352に接続されていてもよい。
図14に示すように、接続部352は、第1連通部351の開口端である第1接続口354と、第2連通部353の開口端である第2接続口355と、を有している。本形態の第2接続口355は、第1接続口354に対面して配置されている。
本形態のように連通路35に接続部352を設けることにより、第1連通部351または第2連通部353のいずれかから流入した排気ガスを接続部352内で拡散させることができる。これにより、排気ガスを連通路35の内表面により効率よく接触させ、排気ガス中の有害成分や粒子状物質の除去効果をより高めることができる。
また、図14及び図15に示すように、本形態の接続部352は、当該接続部352に連なる第1連通部351及び第2連通部353のうち最も外側に配置された第1連通部351及び第2連通部353よりも外方に延出した延出部356を有している。延出部356は、第1連通部351または第2連通部353のいずれかから流入した排気ガスの流れを乱し、排気ガスを攪拌することができる。そのため、本形態の排ガス浄化フィルタ107は、接続部352において排気ガスを攪拌することにより、排気ガスを連通路35の内表面に更に効率よく接触させることができる。その結果、排気ガス中の有害成分や粒子状物質の除去効果を更に高めることができる。
本形態の排ガス浄化フィルタ107は、前述した接続部352を設けたことによる効果及び接続部352に延出部356を設けたことによる効果に加え、参考形態1と同様の作用効果を奏することができる。
実施形態2
本形態においては、第1接続口364及び第2接続口365の配置の他の態様を説明する。図16に示すように、本形態の排ガス浄化フィルタ108における隔壁部3は、第1連通部361、接続部362及び第2連通部363を備えた連通路36を有している。接続部362は、第1連通部361の開口端である第1接続口364と、第2連通部363の開口端である第2接続口365と、延出部366と、を有している。そして、図16及び図17に示すように、第1接続口364の一部と第2接続口365の一部とが互いに対面して配置されている。即ち、本形態の第1接続口364は、その一部が第2接続口365と対面し、残部が接続部362の内表面と対面するように配置されている。同様に、第2接続口365は、その一部が第1接続口364と対面し、残部が接続部352の内表面と対面するように配置されている。その他は実施形態1と同様である。
本形態の第2接続口365は、前述のごとく、第1接続口364の正面から若干ずれた位置に配置されている。同様に、第1接続口364は、第2接続口365の正面から若干ずれた位置に配置されている。第1接続口364及び第2接続口365を前述のごとく配置することにより、第1接続口364または第2接続口365のいずれか一方から接続部362内へ流入した排気ガスの一部を接続部362の内表面に当てて排気ガスの流れを乱すことができる。そのため、本形態の排ガス浄化フィルタ108は、接続部362において排気ガスを攪拌し、排気ガスを連通路36の内表面により効果的に接触させることができる。
また、本形態の排ガス浄化フィルタ108は、図16に示すように、連通路36の一部が第1開口31と第2開口32とを結ぶ直線に沿って配置されている。つまり、隔壁部3は、その厚み方向から視た平面視において、図17に示すように、連通路36の一部からなる貫通穴367を有している。そのため、第1開口31または第2開口32のいずれか一方から連通路36内へ流入した排気ガスの一部を、貫通穴367を介してそのまま他方へ導き、連通路36の外部へ排出することができる。それ故、本形態の排ガス浄化フィルタ108は、連通路36内における排気ガスの流れの乱れに起因する圧力損失を低減することができる。
以上のように、本形態の排ガス浄化フィルタ108は、貫通穴367によって圧力損失を低減しつつ、接続部352内において排気ガスを攪拌し、排気ガス中の有害成分や粒子状物質をより効果的に除去することができる。その他、本形態の排ガス浄化フィルタ108は実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
実施形態3
本形態においては、図18~図20に示すように、第1開口31から第2開口32に至る経路上に複数の接続部372、382、392を備えた連通路37、38、39を有する排ガス浄化フィルタ121、122、123を説明する。
接続部372、382、392の数及び配置は種々の態様をとり得る。例えば、図18~図20に示す排ガス浄化フィルタ121~123は、第1開口31から第2開口32に至る経路上に4か所の接続部372(372a~372d)、382(382a~382d)、392(392a~392d)を有している。また、個々の経路上における隣り合う接続部372、382、392は、複数の連通部371(371a~371e)、382(382a~382e)、392(392a~392e)を介して接続されている。なお、接続部372、382、392の数は、本形態の態様に限定されるものではなく、所望する特性に応じて適宜変更することができる。
また、本形態の接続部372、382、392は、延出部376、386、396を有している。
以下においては、便宜上、複数の接続部372、382、392のうち最も第1開口31に近い接続部から順に第1接続部372a、382a、392a、第2接続部372b、382b、392b、第3接続部372c、382c、392c及び第4接続部372d、382d、392dという。また、第1開口31と第1接続部372a、382a、392aとを接続する連通部を第1連通部371a、381a、391aという。以降、第1開口31に近い順に、第2連通部371b、381b、391b、第3連通部371c、381c、391c、第4連通部371d、381d、391d、第5連通部371e、381e、391eという。
即ち、第2連通部371b、381b、391bは第1接続部372a、382a、392aと第2接続部372b、382b、392bとを接続しており、第3連通部371c、381c、391cは第2接続部372b、382b、392bと第3接続部372c、382c、392cとを接続しており、第4連通部371d、381d、391dは第3接続部372c、382c、392cと第4接続部372d、382d、392dとを接続しており、第5連通部371e、381e、391eは第4接続部と第2開口32とを接続している。
例えば図18に示す排ガス浄化フィルタ121のように、第1連通部371a~第5連通部371eは、隔壁部3の厚み方向に平行な方向に延設されていてもよい。また、図20に示す排ガス浄化フィルタ123のように、第1連通部391a~第5連通部391eは、隔壁部3の厚み方向に対して傾斜した方向に延設されていてもよい。
また、図18に示すように、第1連通部371a~第5連通部371eは、第1開口31と第2開口32とを結ぶ直線に平行な方向から視た平面視において、同一の位置に配置されていてもよい。
図18に示す第1接続部372aにおいて、第1連通部371aの開口は第2連通部371bの開口の正面に配置されている。同様に、第2接続部372bにおいて、第2連通部371bの開口は第3連通部371cの開口の正面に配置されており、第3接続部372cにおいて、第3連通部371cの開口は第4連通部371dの正面に配置されており、第4接続部372dにおいて、第4連通部371dの開口は第5連通部371eの正面に配置されている。
図19に示す排ガス浄化フィルタ122のように、各接続部382a~382dにおいて、第1開口31側に接続された連通部381の開口の一部と、第2開口32側に接続された連通部381の開口の一部とが対面するように配置されていることが好ましい。つまり、第1接続部382aにおいて、第1連通部381aの開口の一部は第2連通部381bの開口の一部と対面する位置に配置されていることが好ましい。同様に、第2接続部382bにおいて、第2連通部381bの開口の一部は第3連通部381cの開口の一部と対面する位置に配置されていることが好ましく、第3接続部382cにおいて、第3連通部381cの開口の一部は第4連通部381dの開口の一部と対面する位置に配置されていることが好ましく、第4接続部382dにおいて、第4連通部381dの開口の一部は第5連通部381eの開口の一部と対面する位置に配置されていることが好ましい。
このように、各接続部382において、第1開口31側に接続された連通部381の開口の一部と、第2開口32側に接続された連通部381の開口の一部とが対面するように配置されている場合には、各接続部382内において排気ガスを攪拌し、排気ガス中の有害成分や粒子状物質をより効果的に除去することができる。
また、図19に示す連通路38は、その一部が第1開口31と第2開口32とを結ぶ直線に沿って配置されている。より具体的には、排ガス浄化フィルタ122においては、第1連通部381a、第3連通部381c及び第5連通部381eが、第1開口31と第2開口32とを結ぶ直線に平行な方向、つまり、隔壁部3の厚み方向において同一の直線上に配置されている。また、第2連通部381b及び第4連通部381dが、隔壁部3の厚み方向において同一の直線上であって、第1連通部381a、第3連通部381c及び第5連通部381eとは異なる位置に配置されている。これにより、隔壁部3の厚み方向から視た平面視において、第1連通部381a~第5連通部381e及び第1接続部382a~第4接続部382dが重なる領域に貫通穴387が形成されている。
このように、排ガス浄化フィルタ122の隔壁部3は、第1開口31と第2開口32とを結ぶ直線に平行な方向から視た平面視において、連通路38の一部からなる貫通穴387を有している。それ故、排ガス浄化フィルタ122は、前述の作用効果を奏しつつ、圧力損失をより低減することができる。
本形態のように、連通路37、38、39に複数の接続部372、382、392を設けることにより、排気ガスを各接続部372、382、392において攪拌し、連通路の内表面により効率よく接触させることができる。その結果、排気ガス中の有害成分や粒子状物質の除去効果をより高めることができる。その他、本形態の排ガス浄化フィルタは、実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
本形態の排ガス浄化フィルタの作用効果を確認するため、以下のようにしてシミュレーションを行った。まず、図18に示す排ガス浄化フィルタ121の構造モデル及び図19に示す排ガス浄化フィルタ122の構造モデルを作製した。なお、これらの構造モデルにおける、連通部371、381の直径は2μmとし、接続部372、382の直径は13.5μmとした。また、各接続部372、382に接続される連通部371、381の本数は19本とした。これらの構造モデルの気孔率、つまり、連通路37、38を含めた隔壁部3の体積に対する、連通路37、38の体積の比率は70%とした。
また、これらの構造モデルと比較するために、図9に示すように、第1開口31と第2開口32とが直線状の連通路341を介して接続された構造モデルを作製した。この構造モデルにおける連通路341の直径は13.5μmとした。また、連通路341の本数は、構造モデルの気孔率が70%となるように適宜設定した。
これら3種の構造モデルに粒子状物質を含む排気ガスを流通させた際の粒子状物質の捕集率を算出した。その結果、図18に示す構造モデルにおける捕集率は図9に示す構造モデルにおける捕集率の6.1倍となり、図19に示す構造モデルにおける捕集率は図9に示す構造モデルにおける捕集率の6.7倍となった。
これらの結果から、連通路37、38のように、第1開口31から第2開口に至る経路上に接続部372、382を設けることにより、排気ガス中の有害成分や粒子状物質をより効果的に除去できることが理解できる。また、図19に示すように、各接続部382において、第1開口31側に接続された連通部381の開口の一部と、第2開口32側に接続された連通部381の開口の一部とが対面するように配置されている場合には、図18に示すように、第1開口31側に接続された連通部371の開口が第2開口32側に接続された連通部371の開口の正面に配置されている場合に比べて、排気ガス中の有害成分や粒子状物質の除去効果を更に高められることが理解できる。
(比較形態1)
本形態においては、従来の製造方法によって作製された排ガス浄化フィルタ9の構成を説明する。従来の排ガス浄化フィルタ9は、排ガス浄化フィルタ9の原料となるセラミック粒子91と、バインダとを含む坏土を調製した後、押出成形によって坏土の成形体を作製し、当該成形体を焼結することによって作製される。
従来の製造方法では、成形体内に存在するセラミック粒子91が無秩序に配置されている。そのため、図21に一例を示すように、焼結後の隔壁部92には、セラミック粒子91同士の隙間に由来して無秩序に延設された細孔93が形成される。そして、これらの細孔93の中には、有底孔状、つまり、隔壁部92のいずれか一方の面にのみ開口した細孔931が含まれている。
それ故、従来の排ガス浄化フィルタ9は、気孔率が同一の場合、排気ガスが流通することができない細孔931の分だけ参考形態1~3の排ガス浄化フィルタ1、102~106に比べて排気ガスの流量が少なくなる。その結果、圧力損失の増大を招くおそれがある。また、従来の排ガス浄化フィルタ9は、圧力損失が同一の場合、排気ガスが流通することができない細孔931の分だけ参考形態1~3の排ガス浄化フィルタ1、102~106に比べて気孔率が高くなる。その結果、隔壁部92の強度の低下を招くおそれがある。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
1、102~106、121~123 排ガス浄化フィルタ
11 ハニカム構造体
2 外壁部
3 隔壁部
31 第1開口
32 第2開口
33、341~344、35~39 連通路
C 筒状空間
C1 第1セル
C2 第2セル

Claims (6)

  1. 筒状を呈する外壁部(2)と、前記外壁部の軸方向に沿って延設され、前記外壁部の内側を複数の筒状空間(C)に区画する隔壁部(3)と、を備えたハニカム構造体(11)と、
    複数の前記筒状空間のうち一部の筒状空間の一端を閉鎖する第1栓部(12)と、残りの筒状空間の他端を閉鎖する第2栓部(13)と、
    前記第1栓部によって閉鎖された前記筒状空間からなる第1セル(C1)と、
    前記第2栓部によって閉鎖された前記筒状空間からなり、前記第1セルに隣接して配置された第2セル(C2)と、を有し、
    前記隔壁部は、前記第1セル側に開口した複数の第1開口(31)と、前記第2セル側に開口した第2開口(32)と、前記第1開口と前記第2開口とを接続する連通路(35、36、37、38、39)と、を有し、
    前記各第1開口は、前記連通路を介して少なくとも1か所の前記第2開口に接続されており、
    前記各第2開口は、前記連通路を介して少なくとも1か所の前記第1開口に接続されており、
    前記連通路(35、36、37、38、39)は、前記第1開口から延設された第1連通部(351、361、371a、381a、391a)と、
    複数の前記第1連通部を互いに接続する接続部(352、362、372a、382a、392a)と、
    前記接続部から前記第2開口側に延設された第2連通部(353、363、371b、381b、391b)と、を有している、排ガス浄化フィルタ(107、108、121、122、123)。
  2. 前記接続部は、前記第1連通部の開口端である第1接続口(364)と、前記第2連通部の開口端である第2接続口(365)と、を有しており、前記第1接続口の一部と前記第2接続口の一部とが互いに対面して配置されている、請求項1に記載の排ガス浄化フィルタ(108、122)。
  3. 前記接続部は、当該接続部に連なる前記第1連通部及び前記第2連通部のうち最も外側に配置された連通部(351a、353a、361a、363a)よりも外方に延出した延出部(356、366、376、386、396)を有している、請求項1または2に記載の排ガス浄化フィルタ(107、108、121、122、123)。
  4. 前記各連通路(341、342、343、344)は、前記第1開口から前記第2開口に至る経路から分岐した有底孔(331)を有しない、請求項1または2に記載の排ガス浄化フィルタ(103、104、105、106)。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の排ガス浄化フィルタの製造方法であって、
    前記ハニカム構造体の形状に対応する空洞(S、S2)を備えた鋳型(4、402)を作製し、
    前記空洞内に前記ハニカム構造体の原料(110)を充填し、
    前記原料を前記鋳型ごと加熱することにより、前記鋳型を焼失させるとともに前記原料を焼成して前記排ガス浄化フィルタを形成する、排ガス浄化フィルタの製造方法。
  6. 前記鋳型を積層造形法によって作製する、請求項5に記載の排ガス浄化フィルタの製造方法。
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