JP2005296820A - 排ガス浄化フィルタ触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】PMを捕集し、捕集したPMを連続的にかつ効率よく酸化燃焼できるようにする。
【解決手段】金属薄板からなる波板及び平板が交互に積層され排ガス下流側で閉塞された流入側セル12と排ガス上流側で閉塞された流出側セル13とを有するフィルタ触媒であって、波板10及び平板11の少なくとも一方に表裏を貫通する連通孔14を形成し、触媒層3によって連通孔14を孔径が 200μm以下に縮径又は閉塞した。
PMを連通孔14に形成された触媒層3で捕集することができる。また触媒層3を均一に形成することができ、捕集されたPMを効率よく酸化燃焼することができる。また触媒層が均一であるので、その厚さを薄くすることができ、その結果排気圧損が低くなる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ディーゼルエンジンなどからの排ガス中の粒子状物質(以下、PMという)を捕集する排ガス浄化フィルタ触媒に関する。
ディーゼルエンジンなどからの排ガス中には、カーボン微粒子、 SOF、サルフェート類などからなるPMが含まれているため、排出前にPMを除去して清浄な排ガスを排出する必要がある。このPMは、通常の酸化触媒、三元触媒などでは除去することが困難であるため、フィルタに捕集した後に酸化除去する方法が一般的である。
このようなフィルタとしては、コーディエライトなどの耐熱性セラミックスからなり多数のセルをもつハニカム体に、下流側端部で目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接し上流側端部で目詰めされた流出側セルを形成したウォールフロー型のもの( DPF)が広く用いられている。この DPFでは、流入側セルに流入した排ガスがセル隔壁を通過して流出側セルから排出されるが、排ガスがセル隔壁を通過する際にPMがセル隔壁の細孔中に捕集される。そしてPMがある程度捕集されると、ヒータによる加熱などで捕集されたPMを燃焼させフィルタ機能を再生することが行われる。
しかしこのようなフィルタでは、PM捕集量が多い場合などには再生時の燃焼による発熱量が大きく、ヒートショックによって損傷する場合がある。また製造コストも高い。そこで近年では、金属製のフィルタ装置がいくつか提案されている。
たとえば特開平09−262414号公報には、金属薄板からなる波板と金属不織布からなる平板とを交互に積層し、下流側端部で目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接し上流側端部で目詰めされた流出側セルと、を形成したフィルタが記載されている。また特開2002−113798号公報には、金属不織布からなる平板と波板とを交互に積層し、下流側端部で目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接し上流側端部で目詰めされた流出側セルと、を形成したフィルタが記載されている。
これらのフィルタによれば、排ガス中のPMは金属不織布中に捕集される。そして加熱によってPMを燃焼させる再生処理を行っても、金属製であるためヒートショックが小さく損傷を抑制することができる。ところがいずれもウォールフロー型のフィルタであるので、PMの捕集に伴って排気圧損が上昇する。しかも流入側セルの目詰め部近傍にPMが集中して堆積するため排気圧損が一気に上昇するという不具合があり、エンジン効率や燃費などを重視する場合には再生処理を頻繁に行う必要がある。
一方、独国特許 20,117,873 U1号には、金属フォイル製の波板とフィルタ層とを交互に積層し、波板に爪状穴高さを有する複数の爪状穴を形成し、複数の爪状穴は内向爪状穴と外向爪状穴とを有する流路を形成し、内向爪状穴と外向爪状穴とは互いに角をなして配置され、爪状穴高さは構造高さの 100〜60%の高さがあり少なくとも20%の流動自由度が保証されたフィルタが記載されている。
このフィルタによれば、爪状穴から出る排ガスがフィルタ層を通過することでPMがフィルタ層に捕集される。また主としてストレートフロー構造であるので、排気圧損の増大も抑制される。しかし基本的にストレートフロー構造であるので、PMの捕集効率が低いという欠点がある。
また触媒機能を付与したフィルタ触媒も開発されている。例えば特開平09−262415号公報には、連続空孔を有する耐熱金属製3次元網状構造多孔体又はその多孔体の孔に、セラミックもしくは金属を充填して実質孔径を小さくしたもので作られる平板フィルタと波板を交互に重ねて巻回してなり、これによって出来る柱状体の両端を各々交互に目留めしてなるフィルタエレメントが記載され、波板又は平板エレメントに触媒金属を担持することが記載されている。
このフィルタエレメントによれば、PMトラップと触媒コンバータを一体化することができ、スペース面で有利である。また担持体が金属であるので、熱容量が小さく触媒金属の昇温速度が早くなり、触媒金属が効果的に働くのに必要な温度を得ることも容易となる。さらに、触媒金属としてアルカリ金属などのNOx 吸蔵材を担持した場合には、コーディエライトなどからなる基体の場合にはNOx 吸蔵材と基体が反応するが、金属製の基体であればNOx 吸蔵材と反応しないという利点がある。
しかしながら特開平09−262415号公報に記載の技術では、連続空孔を有する耐熱金属製3次元網状構造多孔体を用いているので、孔径がランダムである。触媒を担持するには、触媒金属を担持した多孔質酸化物を含む触媒層を形成するのが効果的であるが、孔径がランダムな耐熱金属製3次元網状構造多孔体に均一な触媒層を形成することは困難であり、排気圧損の上昇が大きくなったり、触媒金属による活性が十分に得られなかったり、使用時の熱によって触媒金属の粒成長が生じて活性が低下するという問題があった。
特開平09−262414号 特開2002−113798号 独国特許 20,117,873 U1号 特開平09−262415号
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、PMを捕集し、捕集したPMを連続的にかつ効率よく酸化燃焼できるようにすることを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明の排ガス浄化フィルタ触媒の特徴は、金属薄板からなる波板及び平板が交互に積層されてなり、波板及び平板で形成される複数のセルを有するとともに波板及び平板の少なくとも一方には表裏を貫通する連通孔を備え、セルは排ガス下流側で閉塞された流入側セルと、流入側セルに隣接し排ガス上流側で閉塞された流出側セルとを有する基体と、
連通孔を有する波板及び平板の少なくとも一方の表面に形成され、触媒金属が担持された多孔質酸化物を含む触媒層と、からなり、触媒層によって連通孔は孔径が 200μm以下に縮径又は閉塞されていることにある。
波板は触媒層が形成され排ガスが衝突する切欠きを有し、切欠きに衝突した排ガスが連通孔を通過するように構成されていることが望ましい。
本発明の排ガス浄化フィルタ触媒によれば、連通孔は触媒層によって孔径が 200μm以下に縮径又は閉塞されているので、排ガス中のPMを連通孔に形成された触媒層で捕集し浄化することができる。そして金属薄板に触媒層を形成しているので、触媒層を均一に形成することができ、排ガスによって触媒層が均一に加熱され触媒金属も均一に活性化されるため、捕集されたPMを効率よく酸化燃焼することができる。また触媒層が均一であるので、その厚さを薄くすることができ、その結果排気圧損が低くなる。
さらに波板に触媒層が形成され排ガスが衝突する切欠きを有し、切欠きに衝突した排ガスが連通孔を通過するように構成されていれば、波板に形成された触媒層で排ガス中のNOが酸化され、酸化活性の高いNO2 となって連通孔を通過するので、連通孔に形成された触媒層に捕集されたPMの酸化燃焼がさらに促進される。
本発明の排ガス浄化フィルタ触媒では、連通孔は触媒層によって孔径が 200μm以下に縮径又は閉塞されている。孔径が 200μmの場合、初期状態では 200μmの孔からPMがすり抜けるものもあるが、PMが付着してくると孔径が10〜50μm程度となってPM捕集能が向上するので、孔径を 200μm以下とした。なお触媒層は多孔質酸化物粉末を含むため、触媒層自体にも10μm程度の細孔が存在し、多孔質酸化物粉末にもさらに微細な細孔が存在する。したがって連通孔が触媒層で完全に閉塞されていても、ガス拡散性は確保され、連通孔に形成された触媒層に捕集されたPMは触媒金属によって効率よく酸化燃焼される。
波板及び平板は、金属薄板から形成されたものであり、波板は平板からコルゲート加工などにより製造することができる。その材質は、排ガス温度及び再生時の熱に耐え得る以上の耐熱性を有すれば特に制限されないが、ステンレス鋼材が好ましい。また自動車用の場合には、厚さは20〜 110μmの範囲が好ましく、40〜80μmの範囲が特に好ましい。
波板及び平板の少なくとも一方には、表裏を貫通する連通孔を備えている。この連通孔は、30〜 500μmの大きさとすることが好ましい。連通孔の大きさが 500μmを超えると触媒層によって 200μm以下に閉塞することが困難となり、30μm未満では触媒層によって閉塞される結果、ガス拡散性は確保されるものの排気圧損が上昇しやすい。連通孔の数には特に制限がないが、基体の強度が維持できる範囲でできるだけ多く設けることが好ましい。
基体を形成するには、波板と平板とを交互に積層して所定の外筒に挿入してもよいし、所定長さの波板と平板とを重ねてロール状に巻回したものを所定の外筒に挿入することもできる。また排ガス下流側で閉塞された流入側セルと、流入側セルに隣接し排ガス上流側で閉塞された流出側セルを形成するには、金属製などの栓部材でセルを目詰めする方法、あるいは耐熱性セラミックス製のフィルタと同様に粘土状のスラリーを詰めた後に焼成して形成する方法、あるいは波板を挟んだ2枚の平板の端部を排ガス入り口側と出口側で交互に接合する方法、などを採用できる。
触媒層は、触媒金属が担持された多孔質酸化物を含む層であり、基体1リットルあたり30〜 200gの量で形成されていることが望ましい。触媒層の量がこれより少ないと触媒金属が高密度で担持されることとなるため触媒金属に粒成長が生じたり、PMの捕集効率が低下する。また触媒層がこれより多くなると、排気圧損が上昇するようになる。多孔質酸化物としては、アルミナ、ジルコニア、チタニア、セリアなどから選ばれる少なくとも一種、あるいはこれらから選ばれる複数種からなる複合酸化物などを用いることができる。触媒金属としては、Pt、Rh、Pd、Ir、Ruなどの白金族の貴金属から選ばれた一種あるいは複数種を用いることが好ましい。触媒金属の担持量は、基体1Lあたり 0.1〜5gとするのが好ましい。担持量がこれより少ないと活性が低すぎて実用的でなく、この範囲より多く担持しても活性が飽和するとともにコストアップとなってしまう。
触媒層には、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれるNOx 吸蔵材を含むことが望ましい。触媒層にNOx 吸蔵材を含めば、触媒金属による酸化によって生成したNO2 をNOx 吸蔵材に吸蔵できるので、NOx の浄化活性がさらに向上する。NOx 吸蔵材の担持量は、基体1リットルあたり0.05〜0.45モルの範囲とすることが好ましい。担持量がこれより少ないと活性が低すぎて実用的でなく、この範囲より多く担持すると触媒金属を覆って活性が低下するようになる。
基体に触媒層を形成するには、酸化物粉末あるいは複合酸化物粉末をアルミナゾルなどのバインダ成分及び水とともにスラリーとし、そのスラリーを波板及び平板の少なくとも一方に付着させた後に焼成し、その後に触媒金属を担持すればよい。また酸化物粉末あるいは複合酸化物粉末に予め触媒金属を担持した触媒粉末からスラリーを調製することもできる。スラリーを付着させるには通常の浸漬法を用いることができるが、エアブローあるいは吸引によって、連通孔に強制的にスラリーを充填するとともに、連通孔内に入ったスラリーの余分なものを除去することが望ましい。
波板は触媒層が形成され排ガスが衝突する切欠きを有し、切欠きに衝突した排ガスが触媒層が形成された連通孔を通過するように構成されていることが望ましい。この場合には、波板に形成された触媒層で排ガス中のNOが酸化され、酸化活性の高いNO2 となって連通孔を通過するので、連通孔の触媒層に捕集されたPMの酸化燃焼がさらに促進される。したがってこの場合には、触媒層は波板及び平板の両方に形成することが望ましい。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
図1に本実施例の排ガス浄化フィルタ触媒の斜視図を、図2にその要部拡大断面図を、図3に用いた基体の要部拡大斜視図を示す。このフィルタ触媒は、ステンレス鋼よりなり厚さ50μmの波板10と、ステンレス鋼よりなり厚さ50μmの平板11とが交互に積層され互いに溶接されてなる基体1と、基体1が圧入保持された外筒2と、から構成されている。基体1は直径 130mmで2Lの体積を有し、セル数は 200個/inch2 であって、排ガス下流側で一つおきに交互に目詰めされた流入側セル12と、流入側セル12に隣接し排ガス下流側で目詰めされていないセルを排ガス上流側で目詰めした流出側セル13と、を有している。
波板10及び平板11には、それぞれ直径 0.2mmの連通孔14が 0.2mm毎に穿設されている。また波板10及び平板11の表裏面には、それぞれ触媒層3が形成されている。この触媒層3は、Ptが担持されたアルミナ粉末から構成され、スラリーを用いてウォッシュコート後に焼成されてなる。触媒層3は平均細孔径10μmの細孔を有し、基体1の1リットルあたり 150g形成され、Ptが基体1リットルあたり2g担持されている。また触媒層3によって連通孔14の径が縮小され、約 100μmとなっている。
このフィルタ触媒では、流入側セル12に流入した排ガスは連通孔14を通過して流出側セル13に流入し、その際にPMは、触媒層3の細孔及び連通孔14で捕集される。また排ガス中のHC、CO、及び捕集されたPMは、触媒層3に担持されたPtによって酸化されて浄化される。
このフィルタ触媒をディーゼルエンジンの排気管に装着し、11 LapモードにおけるPM低減率、運転後期における排気圧損、PM残存量を測定した。PM低減率は、フィルタ触媒を通過した排ガス中のPM量(P1 )を測定し、予めわかっているディーゼルエンジンから排出されるPM総量(P0 )から次式によって算出した。
PM低減率(%)= 100×(P0 −P1 )/P0
排気圧損は、11 Lapモードで1000km走行した時のフィルタ触媒入りガスの圧力とフィルタ触媒出ガスの圧力との差を測定した。またPM残存量は、11 Lapモードで1000kmの運転後にフィルタ触媒の重量を測定し、運転前の重量との差を算出した。結果を表1に示す。
(比較例1)
波板10及び平板11に代えて、厚さ 0.3mm、気孔率80%の金属製ファイバーマットから形成された波板と平板を用いたこと以外は実施例1と同様である。このフィルタ触媒を用い、実施例1と同様にしてPM低減率、排気圧損、PM残存量をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(実施例2)
図4に本実施例の排ガス浄化フィルタ触媒の断面図を、図5に用いた基体の要部拡大斜視図を示す。このフィルタ触媒は、目詰めされていない波板10を挟んだ2枚の平板11の端部を、排ガス入り口側と出口側で交互に接合し、平板11のみに連通孔14が形成されて、平板11によるウォールフロー構造となっている。波板10は流入側セル12及び流出側セル13の仕切保持材となっている。また触媒層3は、平板11の表面のみに形成されている。他の構成は実施例1と同様である。
このように構成した基材を用いても、実施例1と同様の作用効果が奏される。また平板11の両端を交互に接合するだけでよいので、目詰めする実施例1に比べて製造工数が低減され、重量も軽減される。
<評価>
Figure 2005296820
実施例1と比較例1との比較より、実施例1のフィルタ触媒は比較例1に比べてPM捕集能に優れ、かつ排気圧損が低い。またPM残存量が少なく、フィルタの再生性能にも優れている。これは、実施例1では金属薄板よりなる波板と平板に触媒層を形成したので、ファイバーマットに触媒層を形成した比較例1に比べて触媒層が均一に形成され、Ptも均一に分布した効果である。
本発明の一実施例のフィルタ触媒の斜視図である。 本発明の一実施例のフィルタ触媒の要部拡大断面図である。 本発明の一実施例のフィルタ触媒に用いた基体の要部拡大斜視図である。 本発明の第2の実施例のフィルタ触媒の要部拡大断面図である。 本発明の第2の実施例のフィルタ触媒に用いた基体の要部拡大斜視図である。
符号の説明
1:基体 2:外筒 3:触媒層
4:波板 10:波板 11:平板
12:流入側セル 13:流出側セル 14:連通孔

Claims (2)

  1. 金属薄板からなる波板及び平板が交互に積層されてなり、該波板及び該平板で形成される複数のセルを有するとともに該波板及び該平板の少なくとも一方には表裏を貫通する連通孔を備え、該セルは排ガス下流側で閉塞された流入側セルと、該流入側セルに隣接し排ガス上流側で閉塞された流出側セルとを有する基体と、
    該連通孔を有する該波板及び該平板の少なくとも一方の表面に形成され、触媒金属が担持された多孔質酸化物を含む触媒層と、からなり、
    該触媒層によって該連通孔は孔径が 200μm以下に縮径又は閉塞されていることを特徴とする排ガス浄化フィルタ触媒。
  2. 前記波板は前記触媒層が形成され排ガスが衝突する切欠きを有し、該切欠きに衝突した排ガスが前記触媒層が形成された前記連通孔を通過するように構成された請求項1に記載の排ガス浄化フィルタ装置。
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