JP7146479B2 - 包装用箱 - Google Patents

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Description

この発明は、開封用の破断線が設けられた包装用箱に関する。
従来、紙製等のシートから一体的に打ち抜かれた箱体形成片から成り、互いに連接されて筒体に組み立てられる複数個の側面と、組立状態で筒体の端部に位置する開口を閉鎖する蓋片を有する包装用箱がある。この種の包装用箱の蓋片は、糊付けされて封止され、側面には、開封する際に破断する破断線が設けられている。
例えば、特許文献1、2に開示されている包装用箱は、4つの側面が四角筒体に組み立てられている。1つの側面には、筒体の端部に位置する開口を閉鎖する外蓋片が折罫線で区切られて設けられ、外蓋片は、裏面に重ねられた内蓋片に糊付けされて、開口を封止している。折罫線は、中心部分は押し罫線で形成され、両端部分は破断線で設けられている。外蓋片が設けられた側面には、折罫線に連続する部分に、コの字の開封用の切断線が設けられている。切断線の両端部は、御罫線の破断線に連続し、切断線と折罫線の中心部分で囲まれた矩形の部分は、開封する時に押して切断線と折罫線を切断する開封口となる。
その他、特許文献3に開示されているように、4つの側面の正面板に裏面板を重ねて設け、正面板の上端部に開封用の透孔が形成され、正面板の透孔から上蓋に向かって開封用の破断線が形成された包装用箱もある。透孔に対応して裏面板には、コ字状の切り込み線で囲まれた押圧吸収部が形成されている。この包装用箱の開封は、正面板の透孔から裏面板の押圧吸収部を指で押して、透孔上部の開封部と押圧吸収部との間に隙間を形成し、開封部の端縁に指を掛けて上方に引き上げて、破断線を破断させ、蓋片を開くものである。
特開2012-171677号公報 特開2018-16373号公報 特開2013-227036号公報
上記背景技術の特許文献1,2の場合、開封する際に、切断線を切断するために開封口を十分な深さまで押し込む必要がある。しかし、収容物が側面の裏側に隙間なく収容されている場合は、十分な深さまで押すことができず、開封することが難しい。しかも、開封口は、蓋片から斜め下方且つ内側に向かって押し込まれるため、開封時には斜め下方に内側に押し込まれた開封口を、引き上げて開封しなければならない。しかし、斜め下方に押し込まれた開封口を上方に引き上げるには、指が滑ったりして力が掛かり難くい。特に、収容物が隙間無く収容されている場合、この引き上げによる開封が難しい。また、収容物が柔らかく破損の恐れがある場合も、強く押すことができない。
特許文献2に開示された包装用箱の開封の場合、上記の指の掛かり難さを解消しているが、収容物が隙間無く収容されている場合の押し込みができず、引き上げによる開封が難しいと言う問題が残る。
この発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な構造で、側面を浅く押すだけで容易に開封することができる包装用箱を提供することを目的とする。
本発明は、互いに平行に連接され筒体に組み立てられる側面が設けられ、前記側面の一つには、前記筒体の端部に位置する開口を閉鎖する蓋片が破断線で区切られて設けられた包装用箱であり、前記蓋片が設けられた前記側面には、前記破断線に交差する開封用切断線が設けられ、前記開封用切断線と、前記破断線で囲まれた部分は、前記包装用箱を開封する時に押す押し部となる。この包装用箱を開封する時は、前記押し部を押して僅かに前記包装用箱の内側にへこませる。これにより、前記蓋片との間に段差が生じ、前記蓋片の側縁部が突出し、突出した前記蓋片の側縁部を引き上げて前記破断線を切断して開封する。
前記破断線と前記開封用切断線の間には、短い切り残し部が設けられている。前記開封用切断線は、一対設けられ、前記一対の開封用切断線は、各々1本の全切線で設けられ、使用者の指が入る程度の距離をおいて互いに略平行に設けられ、前記破断線の、前記押し部に含まれる位置には、長い全切線が1本設けられている。
本発明の包装用箱は、簡単な構造で、側面を浅く押し込むだけで容易に開封することができる。特に、収容物が、側面の裏面に隙間なく当接していても、側面の蓋片に近い端部に位置する押し部を少し押すだけで、蓋片を引き上げる際の手がかりを形成することができる。さらに、手がかりを保持して蓋片を引き上げながら蓋片と側面の間に位置する破断線を切断して、簡単に開封することができる。
この発明の第一実施形態の包装用箱の蓋片から見た斜視図(a)と蓋片を開封した状態を示す斜視図(b)である。 この発明の第一実施形態の包装用箱の展開図である。 この発明の第二実施形態の包装用箱の展開図である。
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1、図2はこの発明の第一実施形態を示すもので、この実施形態の包装用箱10は、紙製等の一枚のシートを打ち抜いて形成された箱体形成片12を組み立てて設けられている。
図2は、箱体形成片12を表面から見た展開図であり、箱体形成片12は、側面14,16,18,20が、互いに平行に連接して形成されている。側面14,16,18,20は、連接方向と直交する幅方向は互いに等しい矩形であり、連接方向の長さは、側面16,20が長く、側面14,18は短い。側面20の側縁部には、包装用箱10の組立状態で側面14の裏面に糊付けされ筒体にする糊付片22が設けられている。側面14,16,18,20、糊付片22は、各々折罫線24,26,28,30で区切られている。
側面14の、側面同士の連接方向に対して直角な方向の両端部には、矩形のフラップ32が各々折罫線34で区切られて設けられている。側面16の、側面同士の連接方向に対して直角な方向の両端部には、フラップ32よりも大きい矩形の内蓋片36が、折罫線38で区切られて各々設けられている。側面18の、側面同士の連接方向に対して直角な方向の両端部には、フラップ32と同形状のフラップ40が折罫線42で区切られて各々設けられている。
側面20の側面同士の連接方向に対して直角な方向の両端部には、内蓋片36より少し大きい矩形の外蓋片44が、折罫線46で区切られて各々設けられている。側面20の、一方の端部の折罫線46は、箱体形成片12の厚みを貫通する全切線が断続して形成された破断線48で形成され、他方の折罫線46は、押し罫線で形成されている。
破断線48は、所定長さの全切線が所定間隔を開けて連続して形成され、破断線48の長手方向の中間には長い全切線48aが1本設けられている。全切線48aの両脇に位置するその他の全切線は、全切線48a側に位置する端部に、全切線の端部から離れるにつれて外蓋片44の先端中心に近づく方向に傾斜する短い全切線が交差して設けられ、全切線48a側から切断しやすいジッパー線となっている。
側面20の、破断線48に接する端部には、一対の開封用切断線50が設けられている。各開封用切断線50は、1本の全切線で設けられ、一対の開封用切断線50の間隔は使用者の指が入る程度の長さであり、互いに平行に設けられている。開封用切断線50は、破断線48に対して略直角に形成され、破断線48側の端部は、破断線48との間に短い切り残し部49を介して位置している。開封用切断線50の、破断線48とは反対側の端部は、例えば破断線48から5mm程度離れた位置にある。一対の開封用切断線50と破断線48で囲まれた部分は、包装用箱10を開封する時に押す押し部52となる。一対の開封用切断線50で挟まれた押し部52は、破断線48の、長手方向の中間付近に設けられ、中間に位置する長い全切線48aを含んでいる。
破断線48で区切られて設けられている一方の外蓋片44には、押し部52に対向する位置に、開封する操作がわかり易いように文字と三角形が印刷された印刷部51が設けられている。
次に、この実施形態の包装用箱10の組立方法について説明する。ここでは、図2が包装用箱10の箱体形成片12の表面を見たものであり、箱体形成片12の表面が凸になる折り方を正折り、そして裏面が凸になる折り方を逆折りと称する。
まず、糊付片22の表面に糊54を塗布し、折罫線28を正折りし、さらに折罫線24を正折りする。これにより糊付片22は側面14の裏面に糊付けされ、箱体形成片12は折り畳み状態となり、この折り畳んだ状態で出荷される。
次に、収容物を収容し包装する工場等において、折罫線24,26,28,30を各々90°に正折りして四角形の筒体にし、筒体の一方の端部で、折罫線34,42でフラップ32,40を正折りし、その後折罫線38で内蓋片36を正折りし、外蓋片44の裏面に糊56を塗布し、折罫線46で外蓋片44を正折りし、内蓋片36の表面に外蓋片44の裏面を糊付けして一方の端面を形成する。この状態で、図示しない収容物を包装用箱10の中に入れる。そして、他方の端部で、同様に折罫線34,42でフラップ32,40を正折りし、その後折罫線38で内蓋片36を正折りし、外蓋片44の裏面に糊56を塗布し、折罫線46で外蓋片44を正折りし、内蓋片36の表面に外蓋片44の裏面を糊付けして他方の端面も形成し、包装が完了する。なお、折罫線46が破断線48で設けられている端部が先に組み立てられてもよく、逆でも良く、順番は自由である。
次に、この実施形態の包装用箱10の使用方法について説明する。収容物を取り出す時は、側面20の押し部52を浅く押し、開封用切断線50と破断線48の間の切り残し部49を切断する。押し部52をさらに押して僅かに包装用箱10の内側にへこませる。これにより、外蓋片44の破断線48の全切線48aが位置する側縁部との間に段差が生じ、外蓋片44が突出したようになる。突出した外蓋片44の側縁部の裏面に指を入れ、文字と三角形が印刷された印刷部51に従って、引き上げる。すると、全切線48aの両脇に位置する破断線48が切断され、図1(b)に示すように、外蓋片44と、外蓋片44に糊付けされた内蓋片36が引き上げられ開封される。次に、フラップ32,40も引き起こし、開口させ、開口から収容物を取り出す。
この実施形態の包装用箱10によれば、簡単な構造で、側面を浅く押すだけで容易に開封することができる。収容物が、側面20の裏面に隙間なく当接していても、側面20の外蓋片44に近い端部に位置する押し部52を少し押すだけで、外蓋片44を引き上げる際の手がかりを形成することができる。手がかりを保持して外蓋片44を引き上げることにより、外蓋片44と側面20の間に位置する破断線48を切断して、簡単に開封することができる。破断線48の、押し部52に対面する位置には、長い全切線48aが位置しているため、外蓋片44を引き上げる際の手がかりを形成しやすい。外蓋片44を引き上げながら破断線48を切断して開封するため、力が入れやすく、容易に破断線48を切断することができる。さらに、外蓋片44には印刷部51が設けられ、開け方がわかり易い。構造がシンプルであり、また開封用切断線50と破断線48の間には切り残し部49が設けられ、押し部52が他の部材に引っ掛かることが無く、従来の包装用箱10の製造方法を変更することが無い。
次にこの発明の第二実施形態について図3に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の包装用箱60は、紙製等の一枚のシートを打ち抜いて形成された箱体形成片62を組み立てて設けられている。
図3は、箱体形成片62を表面から見た展開図であり、箱体形成片62は、側面14,16,18,20が、互いに平行に連接して形成されている。側面20の、側面同士の連接方向に対して直角な方向の両端部には、側面14,16,18,20が筒体に組み立てられた端部に位置する開口を一枚で閉鎖する矩形の蓋片64が、折罫線66で区切られて設けられている。蓋片64の折罫線66とは反対側の端部には、差込片68が折罫線70で区切られて設けられている。側面20の、蓋片64を区切る折罫線66は、箱体形成片62の厚みを貫通する全切線が断続して形成された破断線48で形成され、外蓋片44を区切る折罫線46は、押し罫線で形成されている。
破断線48は、所定長さの全切線が所定間隔を開けて連続して形成され、破断線48の長手方向の中間には長い全切線48aが1本設けられている。全切線48aの両脇に位置するその他の全切線は、全切線48a側から切断しやすいジッパー線となっている。側面20の、破断線48に接する端部には、一対の開封用切断線50が設けられている。開封用切断線50は、破断線48に対して略直角に形成され、破断線48側の端部は、破断線48との間に短い切り残し部49を介して位置している。一対の開封用切断線50と破断線48で囲まれた部分は、包装用箱60を開封する時に押す押し部52となる。一対の開封用切断線50で挟まれた押し部52は、破断線48の、長手方向の中間付近に設けられ、中間に位置する長い全切線48aを含んでいる。
側面18の、側面20の破断線48に連続する端部には、変形した矩形のフラップ41が折罫線43で区切られて各々設けられている。フラップ41は、折罫線28の延長に位置する側縁部は折罫線28に対して平行であり、折罫線26の延長に位置する側縁部は折罫線43から離れるにつれて折罫線26の延長線から離れる方向に傾斜して設けられている。側面18の折罫線43とは反対側の端部には、矩形のフラップ40が折罫線42で区切られて設けられている。
側面16の、側面18の折罫線43に連続する端部16aには、他部材は何も設けられていない。側面16の、端部16aとは反対側の両端部には、外蓋片44よりも小さい矩形の内蓋片36が、折罫線38で区切られて設けられている。
側面14の、側面16の端部16aに連続する端部には、フラップ41と線対称の形状のフラップ33が折罫線35で区切られて設けられている。フラップ33は、側面14の、折罫線24とは反対側の側縁部の延長に位置する側縁部は、側面14の側縁部に対して平行であり、折罫線24の延長に位置する側縁部は、折罫線35から離れるにつれて折罫線24の延長線から離れる方向に傾斜して設けられている。側面14の、折罫線35とは反対側の端部には、フラップ40と同形状のフラップ32が折罫線34で区切られて設けられている。
次に、この実施形態の包装用箱60の組立方法について説明する。ここでは、図3が包装用箱60の箱体形成片62の表面を見たものであり、箱体形成片62の表面が凸になる折り方を正折り、そして裏面が凸になる折り方を逆折りと称する。
上記実施形態と同じ方法で四角形の筒体にし、筒体の一方の端部で、折罫線34,42でフラップ32,40を正折りし、その後折罫線38で内蓋片36を正折りし、外蓋片44の裏面に糊56を塗布し、折罫線46で外蓋片44を正折りし、内蓋片36の表面に外蓋片44の裏面を糊付けして一方の端面を形成する。この状態で、収容物を包装用箱60の中に入れる。そして、他方の端部で、折罫線35,43でフラップ33,41を正折りし、その後差込片68の表面に糊72を塗布し、折罫線70で差込片68を90°に正折りし、折罫線66で蓋片64を90°に正折りして、差込片68を側面16の端部16aから裏面に沿って差し込む。差込片68は、糊72により側面16の裏面に糊付けされ、他方の端面も形成し、包装が完了する。なお、蓋片64が設けられている端部が先に組み立てられてもよく、逆でも良く、順番は自由である。
この実施形態の包装用箱60の使用方法は、上記実施形態と同様であり、同様の効果を有するものである。蓋片64が差込片68で封止されるタイプの包装用箱60でも、側面20の、蓋片64に近い端部に位置する押し部52を少し押すだけで、蓋片64を引き上げる際の手がかりを形成し、簡単に開封することができる。構造がシンプルであり、また開封用切断線50と破断線48の間には切り残し部49が設けられ、押し部52が他の部材に引っ掛かることが無く、従来の包装用箱60の製造方法を変更することが無い。
なお、この発明の包装用箱は、上記各実施形態に限定されるものではなく、各部材の形状は収容物の形状や数に合わせて適宜変更可能である。印刷部は上記以外でも良く、わかり易いものであればよい。開封用切断線と破断線は、筒体の両側の蓋片に各々設けてもよく、一方の蓋片を開封した後に、残りの蓋片を側面から容易に切り離して、廃棄用に平坦に折り畳むことができる。
10,60 包装用箱
12,62 箱体形成片
14,16,18,20 側面
36 内蓋片
44 外蓋片
48 破断線
48a 全切線
49 切り残し部
50 開封用切断線
52 押し部
64 蓋片

Claims (1)

  1. 互いに平行に連接され筒体に組み立てられる側面が設けられ、前記側面の一つには、前記筒体の端部に位置する開口を閉鎖する蓋片が破断線で区切られて設けられている包装用箱において、
    前記蓋片が設けられた前記側面には、前記破断線に交差する一対の開封用切断線が設けられ、前記一対の開封用切断線と、前記破断線で囲まれた部分は、前記包装用箱を開封する時に押す押し部となり、前記一対の開封用切断線は、各々1本の全切線で設けられ、使用者の指が入る程度の距離をおいて互いに略平行に設けられ、
    前記破断線の、前記押し部に含まれる位置には、全切線が1本設けられ、
    前記破断線と前記開封用切断線の間には、切り残し部が設けられていることを特徴とする包装用箱。
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