JP7146057B2 - 鞍乗り型車両の消音器構造 - Google Patents

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Description

本発明は、鞍乗り型車両の消音器構造に関する。
例えば、特許文献1には、自動二輪車の後輪の側方に、内燃機関の排気の消音を行うマフラーを配置した構成が開示されている。この構成では、車幅方向外側に張り出すマフラーを保護しつつ放熱性を確保するために、マフラー前部に第一プロテクタを備えるとともに、マフラー後部に第一プロテクタよりも幅狭の第二プロテクタを備えている。
特開2009-264293号公報
ところで、車幅方向外側に張り出すマフラーでは、走行風に対する対策を十分に考慮することが望ましい。走行風対策としては、空気抵抗の軽減の他、排気口への走行風の巻き込みを抑えることが考えられる。
しかし、上記従来の構造では、走行風対策については何ら記載されておらず、上記課題が残されている。
そこで本発明は、エンジンの排気を消音する消音器周りの空気抵抗を抑えるとともに排気への影響を抑えることができる鞍乗り型車両の消音器構造を提供することを目的とする。
上記課題の解決手段として、本発明の第一の態様は、内燃機関(E)から排出された排気の消音を行う消音器(42)を備える鞍乗り型車両(1)の消音器構造において、前記消音器(42)は、その外面(43b)から突出して前記外面(43b)に沿って流れる走行風に規定の乱流を生じさせるための突起(71)を備え、前記突起(71)は、車両前後方向を向く突起長手方向を有し、前記消音器(42)を車体側に支持する部品とは別に設けられ、前記突起(71)は、前記突起長手方向と直交する側面視で突出頂部(Zt)を有する山形をなし、前記突起(71)の車両前後方向前側には、突起前端部から突出頂部(Zt)に向けて高くなる前側傾斜部を有し、前記突起(71)の車両前後方向後側には、前記突出頂部(Zt)から突起後端部に向けて低くなる後側傾斜部を有している。
本発明の第二の態様は、上記第一の態様において、前記消音器(42)は、消音器本体(43)と、前記消音器本体(43)に取り付けられるカバー部材(51)と、を備え、前記突起(71)は、全体が前記消音器本体(43)およびカバー部材(51)の間に設けられ、かつ前記カバー部材(51)を支持する部品とは別に設けられている。
本発明の第三の態様は、上記第二の態様において、前記消音器本体(43)は、後端部に位置するエンドキャップ(46)と、前記エンドキャップ(46)に配置されて排気を大気に放出する排気口(49a)と、を有し、前記カバー部材(51)および前記エンドキャップ(46)の少なくとも一方は、前記排気口(49a)よりも後方に延びている。
本発明の第四の態様は、上記第一から第三の態様の何れか一つにおいて、前記突起(71)は、前記消音器(42)の長手方向において、前記消音器(42)の中央位置(ct1)より後方に設けられている。
本発明の第五の態様は、上記第一から第四の態様の何れか一つにおいて、前記突起長手方向の寸法(Y1)が前記突起長手方向と直交する方向の寸法(X1,Z1)よりも大きい。
本発明の第六の態様は、上記第一から第五の態様の何れか一つにおいて、前記前側傾斜部は、前記後側傾斜部よりも前記突起長手方向で長い。
本発明の第七の態様は、上記第一から第六の態様の何れか一つにおいて、前記後側傾斜部は、前記前側傾斜部よりも前記突起長手方向で長い。
本発明の第八の態様は、上記第一から第七の態様の何れか一つにおいて、前記突起(71)は、前記消音器(42)の外周に複数配置されている。
本発明の第九の態様は、上記第一から第八の態様の何れか一つにおいて、前記消音器(42)は、消音器本体(43)と、前記消音器本体(43)の外側に取り付けられるカバー部材(51)と、を備え、前記突起(71)は、前記カバー部材(51)に設けられている。
本発明の第一の態様によれば、消音器の外面に、外面に沿って流れる走行風に乱流を生じさせる突起を備えるので、突起の後方において生じる規定の乱流によって、消音器の外面からの走行風の剥離を遅らせる効果を得る。このため、消音器の後端の直後で走行風が剥離することによる空気抵抗を抑えることができる。また、消音器後端の排気口に向けた走行風の巻き込みを抑え、排気口からの排気を阻害せず、効率のよい排気を行うことができる。
また、突起の前部に漸次高くなる前側傾斜部を有するとともに、突起の後部に漸次低くなる後側傾斜部を有するので、突起の空気抵抗をより軽減するとともに、走行風の圧力変化を緩やかにすることができる。
本発明の第二の態様によれば、マフラー本体およびマフラーカバーの少なくとも一方に突起を設けるので、突起の設置自由度を高め、実施の形態の応じた気流の制御を容易に行うことができる。
本発明の第三の態様によれば、カバー部材およびエンドキャップの少なくとも一方が排気口よりも後方に延びて排気口を隠すタイプの消音器構造となり、外観性を向上させるとともに、カバー部材およびエンドキャップの後端からの巻き込み風が排気口に影響を与えることを抑えることができる。
本発明の第四の態様によれば、消音器の長手方向の後半部分に突起を設けるので、突起で生じた走行風の乱流が消音器の後端位置に至りやすく、消音器の後端位置での走行風の巻き込みを効果的に抑えることができる。
本発明の第五の態様によれば、突起の車両前後方向を向く突起長手方向の寸法に対し、突起長手方向と直交する方向の寸法を小とするので、突起の空気抵抗を軽減することができる。また、突起の車両前後方向を向く突起長手方向の寸法を大とするので、突起の長さを利用して走行風の圧力変化を緩やかにし、風切り音の発生を抑えることができる。
本発明の第六の態様によれば、前側傾斜部が後側傾斜部よりもなだらかなスロープ状をなすので、突起前部での空気抵抗をより軽減するとともに、後側傾斜部を急にして乱流を発生させる効果を高めることができる。
本発明の第七の態様によれば、後側傾斜部が前側傾斜部よりもなだらかなスロープ状をなすので、突起後部での空気抵抗をより軽減するとともに、突起後部で走行風の流速を高めて撹乱効果をより向上させることができる。
本発明の第八の態様によれば、走行風に乱流を生じさせる突起を消音器の外周に複数配置するので、消音器の外周全体にわたって乱流を発生させて走行風の巻き込みを抑え、排気効率への影響をより抑えることができる。
本発明の第九の態様によれば、消音器本体の外側に取り付けられるカバー部材の外面に、走行風の乱流を生じさせる突起を備えるので、消音器の最外面を流れる走行風の剥離を遅らせる効果を得る。このため、消音器の後端位置での走行風の巻き込みを効果的に抑えることができる。
本発明の実施形態における自動二輪車の右側面図である。 上記自動二輪車のマフラー周辺の右側面図である。 上記自動二輪車の後輪周辺の上面図である。 上記自動二輪車のマフラー周辺の斜視図である。 上記自動二輪車のマフラーおよび排気管の右側面図である。 上記自動二輪車のマフラーおよび排気管の上面図である。 上記自動二輪車のマフラーの前部の側面図である。 上記自動二輪車のマフラーの前部の上面図である。 上記マフラーのマフラー本体の側面図である。 図9の上面図である。 図9の後面図である。 (a)は上記マフラー本体に設けた乱流発生用の突起の平面図、(b)は(a)の側面図である。 (a)は上記突起の前後方向の向きを入れ替えた平面図、(b)は(a)の側面図である。 (a)は上記突起のないマフラーの作用説明図、(b)は上記突起を設けたマフラーの作用説明図である。 上記マフラーのカバー部材に乱流発生用の突起を設けた変形例の側面図である。 図15の上面図である。 図15の後面図である。 本発明の第二実施形態における自動二輪車の右面図である。 第二実施形態の自動二輪車のマフラーの側面図である。 図19の上面図である。 図19の後面図である。 本発明の第三実施形態における自動二輪車の右面図である。 第三実施形態の自動二輪車のマフラーの側面図である。 図23の上面図である。 図23の後面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UPが示されている。
<車両全体>
図1に示すように、本実施形態の自動二輪車(鞍乗り型車両)1は、車体フレームFの前端部にヘッドパイプ13を備えている。ヘッドパイプ13には、前輪WFを軸支するフロントフォーク11及び操向ハンドル12が繰向可能に支持されている。車体フレームFの下部には、スイング式動力ユニット(以下、パワーユニットUという。)の前部下側が上下揺動可能に支持されている。自動二輪車1は、原動機であるエンジン(内燃機関)Eと駆動輪である後輪WRとが車体フレームF(車体本体)に対して一体的に揺動するパワーユニットUを備えたユニットスイング式の鞍乗り型車両である。
図3を併せて参照し、パワーユニットUは、自動二輪車1の原動機であるエンジンEを前部に、エンジンEの出力を変速する変速機Mを後部左側に、それぞれ配置した一体のユニットである。変速機Mの後部には、駆動輪である後輪WRの車軸(後輪車軸AR)が支持されている。パワーユニットUの前部下側は、例えば車体フレームFの下部の支持部に懸架リンク等を介して上下揺動可能に支持されている。パワーユニットUの後端部は、緩衝装置であるリヤクッション9を介して、車体フレームFの後端部に支持されている。図3中線CLは車体左右中心を示す。
図1に示すように、車体フレームFは、ヘッドパイプ13から下後方へ延びるダウンフレーム14と、ダウンフレーム14の下端部から後方へ延びるロアフレーム15と、ロアフレーム15の後端部から後上方へ延びるリヤフレーム16と、を備えている。リヤフレーム16の前部には、パッセンジャー用の左右ステップ19が不図示のブラケットを介して支持されている。パッセンジャー用の左右ステップ19は、車幅方向外側に略水平に突出した使用状態と、後上がりに傾斜した折り畳み状態と、の間で回動可能である。図は折り畳み状態のステップ19を示す。
車体フレームFの周囲は、車体カバー27で覆われている。車体カバー27の後部上方には、乗員着座用の前後着座面を有するシート28が支持されている。車体カバー27は、シート28に着座した運転者が足を載せる左右一対のステップフロア29と、ステップフロア29の前方に連なるフロントボディFBと、ステップフロア29の後方に連なるリヤボディRBと、を備えている。ステップフロア29の上方でシート28と操向ハンドル12との間は、乗員が車体を跨ぎやすくする跨ぎ空間とされている。
リヤボディRBは、ステップフロア29の上方に立ち上がる前部RB1と、前部RB1の上端部から後方へ延びる後部RB2と、を有し、側面視で概略L字状をなしている。リヤボディRBの前部RB1後方かつ後部RB2下方には、リヤボディRB内のインナーカバー(不図示)およびリヤボディRBの後部RB2下面から下後方へ延びるリヤフェンダ31によって、後輪WRを揺動可能に収容するタイヤハウスWHが画定されている。図中符号32はリヤボディRBの左右側面を形成するリヤサイドカバー、符号32aはリヤボディRBの前部RB1にけるリヤサイドカバー32の後縁(以下、リヤボディRBの前部後縁という。)を示している。リヤボディRBの前部後縁32aは、側面視で後輪WRのタイヤ前端(後輪WR最前端に相当)の前方に離間している。リヤボディRBの前部後縁32aには、折り畳み状態のステップ19の後縁が重なるように配置されている。
ステップフロア29は、例えば車体の低床部の左右幅に渡って平坦状をなし、低床部の略水平な上面(フロア面29a)を形成している。なお、ステップフロア29の左右中央に前後方向に延びるセンタートンネルを備える構成でもよい。
自動二輪車1は、運転者が足を載せるステップフロア29を有するスクーター型車両である。ステップフロア29の上面(足載せ面)29aは、側面視でやや後ろ上がりに傾斜している。ステップフロア29の下面側の後部には、上面29aよりも急傾斜をなして後上がりに傾斜する下面後部29bが形成されている。
<パワーユニット>
図1~図3に示すように、パワーユニットUは、前部のエンジンEと後部左側で変速機Mを収容する変速機ケース35とを一体に備えている。
エンジンEは、不図示のクランクシャフトの回転中心軸線を左右方向(車幅方向)に沿わせた4ストローク単気筒エンジンであり、クランクケース21の前端部からシリンダ部22を前方に向けて略水平に(詳細にはやや前上がりに傾斜させて)突出させている。
クランクケース21の左側部には、左方に張り出した後に後方に延出するリヤアームとしてのケース本体36が一体形成されている。ケース本体36は、車幅方向外側に開放し、この開放部分に、ケースカバー37が車幅方向外側から取り付けられている。ケース本体36およびケースカバー37により、変速機Mを収容する変速機ケース35が構成されている。
変速機Mは、変速機ケース35の側面視の長さ方向に渡って収容されるベルト式無段変速機である。変速機Mは、変速機ケース35の前部内に収容されてクランクシャフトと同軸に配置される駆動プーリーと、変速機ケース35の後部内に収容される従動プーリーと、駆動プーリーおよび従動プーリーに渡って巻き掛けられる無端状のVベルト(伝動ベルト)と、を備えている(何れも不図示)。変速機ケース35の後部右側に突出する後輪車軸AR(出力軸)には、後輪WRが一体回転可能に取り付けられる。
クランクケース21の右側には、エンジンE冷却用のラジエータ26が配置されている。ラジエータ26の左右外側には、ルーバー付き開口を有するラジエータカバー26aが装着されている。
クランクケース21の後部右側には、前後方向に延びる補助アーム38の前端部が固定されている。補助アーム38は、後端部に後輪車軸ARの右端部を支持する。補助アーム38は、変速機ケース35とともに後輪WRを支持するスイングアームを構成する。変速機ケース35および補助アーム38の各後端部には、左右一対のリヤクッション9の下端部が連結されている。左右リヤクッション9の上端部は、左右リヤフレーム16の後端部にそれぞれ連結されている。図中符号39はパワーユニットUに一体揺動可能に取り付けられて後輪WRの前上部を覆うインナーフェンダー、符号CAは補助アーム38の後部上方に支持されるキャリパをそれぞれ示す。
図3を参照し、エンジンEのシリンダ部22の上方には、吸気系部品としてのスロットルボディ24が配置されている。スロットルボディ24の下流側である前端部は、不図示のインシュレータを介してシリンダ部22の上部(シリンダヘッドの吸気ポート)に接続されている。スロットルボディ24の上流側である後端部は、コネクティングチューブ25aを介してエアクリーナ25が接続されている。コネクティングチューブ25aは、スロットルボディ24の後方において平面視で左方に屈曲し、変速機ケース35の上方に配置されたエアクリーナ25の前端部に接続されている。図中符号25bはエアクリーナ25内に収容されるエレメントを示している。
以下、エアクリーナ25から吸気ポートに至るまでの部品を、エンジンEへの吸気を行うための吸気部品と称する。吸気系部品の最上流に位置する吸気口25cは、エアクリーナ25の外側部に配置されている。吸気系部品は、キャブレターを含むものであってもよい。
シリンダ部22の下部(シリンダヘッドの排気ポート)には、排気管41が接続されている。排気管41は、シリンダ部22の下方で後方へ湾曲して延び、概ねラジエータ26の下方位置で後上方かつ車幅方向外側に屈曲して延びる。排気管41の後端部は、後輪WR右側に配置されたマフラー(消音器)42の前端部に接続される。マフラー42は、車幅方向で後輪WRを挟んでエアクリーナ25と反対側に配置されている。すなわち、マフラー42は後輪WRの右側方に配置され、エアクリーナ25は後輪WRの左側方に配置されている。
<マフラー>
図5、図6、図11に示すように、マフラー42は、円筒状の外観をなすマフラー本体(消音器本体)43と、マフラー本体43の上方から車幅方向外側方に渡る範囲を覆うマフラーカバー(カバー部材)51と、を備えている。
マフラー本体43は、その中心軸線C1に沿って直線状に延び、後ろ上がりの傾斜姿勢で車体に搭載される。マフラー本体43は、例えば中心軸線C1を車体側面と平行にして配置される。以下、側面視で軸線C1に沿う前後方向をマフラー前後方向、側面視で軸線C1と直交する上下方向をマフラー上下方向、ということがある。図11中矢印UP1は軸線C1に沿う方向(軸線C1方向)から見た上方(マフラー上下方向の上方)を示す。
マフラー本体43は、中心軸線C1に沿う筒体44と、筒体44の前端部を閉塞するフロントキャップ45と、筒体44の後端部を閉塞するエンドキャップ46と、を備えている。筒体44は、例えば内外筒を有する二重管構造とされている。フロントキャップ45は、後側ほど拡径するテーパー状をなし、前端部に排気管41を接続している。図中符号41aは排気管41におけるエンジンEに接続される基端部を示す。エンドキャップ46は、後側ほど縮径するテーパー状をなし、後端部にテールパイプ49を配置している。マフラー本体43は、例えば筒体44の内部空間をマフラー前後方向で複数の膨張室に区画し、かつ複数の膨張室を適宜連通させた基本構成を有している。
エンドキャップ46の前端46aは、軸線C1と直交する平面に沿う円形状の開口を形成している。エンドキャップ46の前端46aには、筒体44の後端が接続されている。エンドキャップ46の後端46bは、軸線C1と直交する平面に対して側面視で下向きに傾斜している。エンドキャップ46の後端46bには、軸線C1方向から見て例えば略円形状(図では異形状)の凹部46cが形成されている。凹部46cは、軸線C1と直交する平面状の底部46dを有している。
凹部46cの底部46dには、テールパイプ49が挿通されている。テールパイプ49の後端は、底部46dの後方に突出している。テールパイプ49の後端は、エンドキャップ46の後端46bよりも後方に突出している。テールパイプ49は、例えば軸線C1と概ね同軸に延びる丸パイプで構成されている。テールパイプ49の後端は、例えばエンドキャップ46の後端46bと平行に切断されるか、あるいは軸線C1と直交する平面に沿って切断される。このテールパイプ49の後端開口が、マフラー42の排気口49aとなる。なお、エンドキャップ46の後端46bがテールパイプ49の後端(排気口49a)よりも後方に延びる構成でもよい。
図9、図10を併せて参照し、筒体44の外周には、補助アーム38への取り付け用の三つマウントブラケット47a,47b,47c、およびマフラーカバー51取り付け用の二つのカバーブラケット48a,48bが固定されている。各マウントブラケット47a,47b,47cは、例えば車幅方向に沿うボルトを用いて補助アーム38に締結される。各カバーブラケット48a,48bは、例えばマフラー本体43の径方向に沿うビスによってマフラーカバー51を締結固定する。図示都合上、カバーブラケット48a,48bに締結するビスに符号を付することがある。
マフラー本体43ひいてはマフラー42は、その前端部を排気管41に接続し、かつ複数のマウントブラケット47a,47b,47cを補助アーム38に締結することで、パワーユニットUに一体揺動可能に取り付けられる。図1、図2に示す自動二輪車1は、例えば空車1G状態を示している。図示状態において、マフラー42は、軸線C1を後ろ上がりにした傾斜姿勢となる。
<マフラーカバー>
図5、図6、図11に示すように、マフラーカバー51は、マフラー本体43の前後端を越える長さを有して軸線C1方向に延びている。マフラーカバー51は、マフラー本体43の上方から車幅方向外側に渡る範囲を、概ね一定の隙間を空けて覆っている。
マフラーカバー51におけるマフラー本体43を上方から覆う上面部52は、車幅方向内側に内側縁52aを形成している。内側縁52aは、平面視で、概ね軸線C1に沿って(詳細には後側ほど僅かに車幅方向内側に位置するように傾斜して)延びている。内側縁52aは、平面視で軸線C1よりも車幅方向内側に位置している。上面部52におけるマウントブラケット47aに重なる部位には、マウントブラケット47a近傍を上方から覆う内側庇部52bが車幅方向内側に突出している。
上面部52は、内側庇部52bを形成する部位において、側面視で軸線C1に対して上向きに傾斜し、かつマウントブラケット47aよりも前方では軸線C1に対して下向きに傾斜している。以下、これらの傾斜部の内、後者(マウントブラケット47aよりも前方の傾斜部)を後ろ上がり傾斜部53と称し、前者(内側庇部52bを形成する部位)を後ろ下がり傾斜部54と称する。後ろ上がり傾斜部53の前端53aは、マフラー本体43の前端よりも前方に位置している。後ろ上がり傾斜部53の前端53aは、側面視で軸線C1よりも上方に位置している。
後ろ上がり傾斜部53の車幅方向内側の内側縁部53bには、走行風を受けて規定の流速を発生させるための整流構造61が形成されている。整流構造61は、リヤボディRBの下後方における後輪WRを配置するタイヤハウスWHの右側方に流れの速い渦流を流し、渦流がもつ負圧によってタイヤハウスWH内の空気を吸い出すカナードとして機能する。これにより、タイヤハウスWH内の正圧の発生を抑えるとともに、後輪WRに連れ回る空気の乱流による周辺部品への影響を抑える。
上面部52における両傾斜部53,54により隆起した隆起部55には、側面視で隆起部55に合わせて前後に長い三角形状の開口部55aが形成されている。開口部55aは、隆起部55の内側を車幅方向に貫通し、マウントブラケット47aに対する車幅方向外側からの締結作業を可能とする。
図7、図8を併せて参照し、上面部52の後端は、マフラー本体43の後端部(エンドキャップ46)よりもマフラー前後方向で後方に位置している。上面部52の後端部には、側面視で軸線C1に対して下向きに傾斜した後端庇部56が形成されている。図中適所には、軸線C1に沿うマフラー前後方向の前方を示す矢印FR1、側面視で軸線C1と直交するマフラー上下方向の上方を示す矢印UP1が示されている。
マフラーカバー51におけるマフラー本体43を側方から覆う側面部57は、下方側に軸線C1に沿う後ろ上がりの下縁57aを形成している。下縁57aは、側面視で軸線C1よりも下方に位置している。
下縁57aの後端は、側面視でマフラー本体43の後端部(エンドキャップ46)と重なる位置まで延びている。側面部57の後端部には、平面視で軸線C1に対して車幅方向内側に傾斜した側面傾斜部58が形成されている。側面傾斜部58は、後端庇部56と連続的に形成され、これらがマフラーカバー51の後端部をテーパー状に縮径させている。側面傾斜部58の後端縁58aは、側面視で下縁57aの後端から上方へ、マフラー上下方向に対して上側ほど後方に位置するように傾斜して延びている。側面傾斜部58の後端縁58aは、上面部52の後端庇部56の後端縁56aに連なっている。上面部52の後端縁56aおよび側面部57の後端縁58aは、マフラーカバー51の連続した後端縁を形成している。
図5、図6を参照し、下縁57aの前部57dは、側面視でマフラー本体43の前端部(フロントキャップ45)よりも後側で上向きに屈曲するとともに、平面視で車幅方向内側に向けて屈曲している。下縁57aの前部の車幅方向内側への傾斜に応じて、側面部57の前部57eが平面視で車幅方向内側に向けて傾斜している。下縁57aの前端57bは、マフラー本体43の前端部よりも前方に位置している。下縁57aの前端57bは、側面視で軸線C1よりも上方に位置している。下縁57aの前端57bからは、上方かつ車幅方向内側に向けて前端縁57cが延びている。前端縁57cは、側面視ではマフラー上下方向に対して上側ほど前方に位置するように傾斜している。前端縁57cは、後ろ上がり傾斜部53の前端53aに接続されている。前端縁57cは、マフラーカバー51の前端縁でもある。
図7、図8を参照し、マフラーカバー51の後端庇部56は、エンドキャップ46の後端46bおよびテールパイプ49の後端(排気口49a)よりも後方に張り出している。マフラーカバー51の側面傾斜部58は、側面視でエンドキャップ46と重なる位置にある。側面傾斜部58の上部は、後端庇部56に向けて側面視で傾斜して延びている。排気口49aは、側面視で側面傾斜部58と重なる位置にある。後端庇部56および側面傾斜部58は、排気口49aよりも後方まで延びている。
マフラーカバー51の側面部57の外面に沿って流れる走行風は、側面に沿って流れた後に、側面傾斜部58に沿って車幅方向内側に沿って流れる。その後、走行風が側面傾斜部58の後端縁58aで剥離し、排気口49a側に巻き込む渦流を発生することがある。
カバー上面部の外面に沿って流れる走行風は、水平方向に対して後ろ上がりの上面に沿って流れた後に、水平方向に対して後下がりの後端庇部56に沿って後下方に流れる。その後、走行風が後端庇部56の後端縁56aで剥離し、排気口49a側に巻き込む渦流を発生することがある。
実施形態のマフラー42では、マフラー本体43とマフラーカバー51との間に隙間が設けられている。この隙間には、マフラー42前端側から走行風が侵入する。この走行風は、マフラー本体43の外面に沿って流れた後、エンドキャップ46周辺から後方に向けて吹き出す。マフラー本体43のエンドキャップ46近傍には、走行風を撹乱して小さな乱流を発生させるための突起71が設けられている。
<マフラー突起構造>
図5~図8に示すように、突起71は、マフラー本体43の後部上面(外面)43bにおいて、上面43bから上方に突出している。突起71は、マフラー本体43の外面43bに沿って流れる走行風に規定の乱流(渦流)を生じさせるための渦流生成器として機能する。すなわち、突起71により意図的に小さな乱流を生じさせることで、マフラー本体43の後端後方における気流を制御し、マフラー42の空気抵抗を減らす等の効果を得る。
本実施形態では、マフラー42の外面に小さな突起物を設け、乱流翼の原理で安定した小渦(乱気流)を発生させる。これにより、大きく不安定な渦の発生を抑制し、マフラー42周りの空気抵抗を減らして燃費向上等を図っている。突起71は、乱流の発生により風切り音を低減し、かつ車体後部の安定性を向上させる。突起71は、走行風の剥離を抑える(遅らせる)ことで、マフラー42後端の排気口49aに対する走行風の巻き込みの影響を抑制し、排気効率を良好に維持する。
図5を参照し、突起71は、マフラー42の長手方向における中央位置(実施形態では断面一定の筒体44の中央位置)ct1よりも後方に設けられている。すなわち、突起71は、マフラー42の長手方向の後半領域A1に設けられている。より好ましくは、突起71は、マフラー42の長手方向の後半領域A1の中央位置ct2よりも後方に設けられている。すなわち、突起71は、マフラー42の長手方向の後端側1/4の領域A2に設けられている。
突起71は、他のブラケットと同様、マフラー本体43の筒体44の外周面に溶接により接合されている。突起71は、他のブラケットと異なり、マフラー本体43やマフラーカバー51等の他部品を支持するものではなく、マフラー本体43の外面に独立して設けられる。このため、突起71は、マフラー本体43の外面を流れる走行風に規定の乱流を生じさせるための最適設計を行うことが可能である。突起71は、マフラー本体43に溶接する構成に限らず、溶接以外の手段で固定したり、マフラー本体43に一体形成したりしてもよい。
図12(a)は突起71をマフラー上下方向の上方から見た平面図、図12(b)は突起71を車幅方向から見た側面図である。図11は突起71をマフラー前後方向(軸線C1方向)の後方から見た態様を含んでいる。
突起71は、マフラー長手方向(軸線C1方向、矢印Y方向)に沿って延びる外形状を有している。突起71は、図12(a)の平面視で、軸線C1に関し線対称の外形状を有している。突起71は、図11の後面視で、マフラー上下方向と平行なマフラー径方向線R1に関し線対称の外形状を有している。
突起71は、マフラー長手方向の寸法(全長)Y1が、図12(a)の平面視でマフラー長手方向と直交するマフラー幅方向(矢印X方向)の寸法(全幅)X1、および図11の後面視でマフラー径方向線R1に沿うマフラー径方向(矢印Z方向)の寸法(全高)Z1、の何れよりも大とされている。すなわち、突起71は、マフラー長手方向(軸線C1方向)に沿う突起長手方向を有している。
以下、図12(a)の平面視における突起71のマフラー幅方向に沿う方向を突起幅方向、図11の後面視における突起71のマフラー径方向線R1に沿う方向を突起高さ方向という。マフラー長手方向および突起長手方向は、車両前後方向を向いている。本実施形態で「車両前後方向を向く」とは、車両前後方向と平行な配置に限らず、車両前後方向に対して規定角度(例えば45°)以内で傾斜した配置を含む。突起高さ方向は、マフラー42の外面の突起設置位置に垂直な方向に相当する。突起設置位置は、例えば突起71におけるマフラー42への接合面形状の重心位置に相当する。
突起71は、突起長手方向に直交する突起幅方向の全幅X1が、突起長手方向の全長Y1に対して狭く形成されている。突起71は、突起長手方向に直交する突起高さ方向の全高Z1が、突起長手方向の全長Y1に対して低く形成されている。これにより、車両前方からの走行風を受けた際の突起71の空気抵抗が抑えられる。
図12(a)の平面視において、突起71は、突起長手方向の中央位置Ycよりも前方に、突起幅方向の最大幅部Xmを有している。図12(a)の平面視において、突起71は、最大幅部Xmよりも前方に、前側ほど軸線C1側に位置するように傾斜する一対の前部側縁72を有している。図12(a)の平面視において、突起71における一対の前部側縁72の前端間に渡る前端縁73は、前方に凸の円弧状をなしている。突起71の前端部におけるマフラー本体43の外面の上方に離間した位置には、例えば位置決め用のロケート孔74が形成されている。
図12(a)の平面視において、突起71は、最大幅部Xmよりも後方に、後側ほど軸線C1側に位置するように傾斜する一対の後部側縁75を有している。図12(a)の平面視において、突起71における一対の後部側縁75の後端間に渡る後端縁76は、後方に凸の円弧状をなしている。
図12(b)の側面視において、突起71は、突起長手方向の中央位置Ycよりも前方に、突起高さ方向の最大高部Zmを有している。最大高部Zmは、例えば前記最大幅部Xmよりも後方に位置しているが、最大幅部Xmと同一の前後方向位置であってもよい。図中符号Ztは最大高部Zmの上端(以下、突出頂部Ztという。)を示す。突起71は、突起長手方向と直交する側面視(突起幅方向から見た側面視)で、突出頂部Ztを有する山形をなしている。
図12(b)の側面視において、突起71は、突出頂部Ztよりも前方に、前側ほど下方に位置するように傾斜する第一傾斜部81と、第一傾斜部81の前端から第一湾曲部82を介して傾斜を急にして下方に延びる第一壁部83と、を有している。第一傾斜部81は前側傾斜部に相当し、第一壁部83は突起前端部に相当する。
図12(b)の側面視において、突起71は、突出頂部Ztよりも後方に、後側ほど下方に位置するように傾斜する第二傾斜部84と、第二傾斜部84の後端から第二湾曲部85を介して傾斜を急にして下方に延びる第二壁部86と、を有している。第二傾斜部84は後側傾斜部に相当し、第二壁部86は突起後端部に相当する。第二湾曲部85にはロケート孔74が形成されている。
図11の後面視において、突起71は、概略台形状をなしている。図11の後面視において、突起71は、上側ほどマフラー径方向線R1側に位置するように傾斜する一対の側壁部87と、一対の側壁部87の前端間に渡る上壁部88と、を有している。
図12(b)の側面視において、突起71は、突出頂部Ztよりも前方に、前下がりの前側傾斜部としての第一傾斜部81を有するとともに、突出頂部Ztよりも後方に、後下がりの後側傾斜部としての第二傾斜部84を有している。突起71の高さは、突出頂部Ztの前方で漸次増加し、かつ突出頂部Ztの後方で漸次減少している。これにより、突起71がマフラー本体43の外面に沿って流れる走行風を受けたときの空気抵抗が軽減される。また、走行風の圧縮、膨張が穏やかになり、騒音(風切り音)の発生が抑えられる。
突起71は、前側傾斜部としての第一傾斜部81が、後側傾斜部としての第二傾斜部84よりも突起長手方向で長く形成されている。すなわち、第一傾斜部81の突起長手方向の長さL1は、第二傾斜部84の突起長手方向の長さL2よりも長い。これにより、突起71は、前側傾斜部が後側傾斜部よりも緩やかな傾斜で形成されている。このため、突起71前部の空気抵抗が軽減されるとともに、突起71後部で乱流を発生しやすくなる。
図12(a)の平面視において、突起71の幅は、突出頂部Zt近傍の最大幅部Xmの前方で漸次増加し、かつ最大幅部Xmの後方で漸次減少している。これによっても、空気抵抗が軽減されるとともに、騒音(風切り音)の発生が抑えられる。
図13は、突起71の前後方向の向きを入れ替えた変形例を示している。
この変形例の突起71’は、後側傾斜部としての第一傾斜部81が、前側傾斜部としての第二傾斜部84よりも突起長手方向で長く形成されている。これにより、突起71’は、後側傾斜部が前側傾斜部よりも緩やかな傾斜で形成されている。このため、突起71’が流線形に近くなり、突出頂部Ztを過ぎた走行風が突起71’後部で剥離することを抑えるとともに、突起71’後部で走行風の流速が高まり、走行風の撹乱効果を向上させる。
図11に示すように、突起71(突起71’を含む。以下同様。)は、マフラー42の外周に複数設けてもよい。図11では、マフラー42の上部に突起71を設けるとともに、例えばマフラー42の斜め下にも突起71(二点鎖線で示す)を設けている。突起71は、マフラーカバー51に覆われる部位に限らず、マフラーカバー51を避けた位置に設けてもよい。突起71は、マフラー42の後部に限らず、マフラー42の前部に設けてもよい。
<作用>
次に、本実施形態の突起71の作用について図14を参照して説明する。
図14(a)の比較例を参照し、自動二輪車1の走行時、マフラー42の周囲に走行風が流れると、マフラー42の後部下方および後端後方には負圧が生じる。マフラー42における上面側および側面側を流れた走行風は、マフラー42の後部下方および後端後方の負圧に吸い込まれるとともに、マフラー42の外面に沿うように湾曲し、マフラー42の後部下方および後端後方に回り込むように流れる。このとき、走行風がマフラー42外面から剥離することで、マフラー42周りに空気抵抗を生じさせる。
マフラー42の後端後方においては、マフラーカバー51およびマフラー本体43の各外面に沿って流れる走行風W1の一部が、排気口49a側に折り返す巻き込み風W2となる。マフラーカバー51の外面を流れる走行風は、後端庇部56および側面傾斜部58が排気口49aの後方まで延びていることから、排気口49a側に巻き込んでも、排気口49aからの排気への影響は少ない。マフラー本体43の外面を流れる走行風は、エンドキャップ46の後端46bを過ぎた直後に排気口49a側に巻き込むので、排気口49aからの排気に影響を与えることがある。この影響は、テールパイプ49の後方への突き出し量を増加させること、およびマフラー42後部に乱流発生用の突起71を設けることによって軽減される。
図14(b)を参照し、後ろ上がりのマフラー42において、特に上面側は走行風W1が当たることで風量が多い。このマフラー本体43の上面側に突起71を設けることで、以下の効果を奏する。すなわち、マフラー本体43の上面側の走行風W1の流れの中に突起71を設けることで、走行風に小さい乱流(渦流)W3を発生させる。この乱流W3をマフラー本体43の後端後方まで流すことで、マフラー本体43の上面側で走行風の境界層を乱流化し、マフラー本体43後端での気流の剥離を遅らせる。これにより、走行風がマフラー本体43の後端を過ぎた直後に大きい渦を発生することを抑え、排気口49a側へ折り返す気流(巻き込み風)の発生を抑える。したがって、マフラー42の空気抵抗を軽減するとともに、排気効率への影響を抑止することができる。
以上説明したように、上記実施形態における鞍乗り型車両の消音器構造は、エンジンEから排出された排気の消音を行うマフラー42を備える自動二輪車1の消音器構造において、マフラー42は、その外面43bから突出して前記外面43bに沿って流れる走行風に規定の乱流を生じさせるための突起71を備えている。
この構成によれば、マフラー42の外面に、外面に沿って流れる走行風に乱流を生じさせる突起71を備えるので、突起71の後方において生じる規定の乱流によって、マフラー42の外面からの走行風の剥離を遅らせる効果を得る。このため、マフラー42の後端の直後で走行風が剥離することによる空気抵抗を抑えることができる。また、マフラー42後端の排気口49aに向けた走行風の巻き込みを抑え、排気口49aからの排気を阻害せず、効率のよい排気を行うことができる。
上記鞍乗り型車両の消音器構造において、前記マフラー42は、マフラー本体43と、前記マフラー本体43に取り付けられるマフラーカバー51と、を備え、突起71は、マフラー本体43およびマフラーカバー51の少なくとも一方(上記実施形態ではマフラー本体43)に設けられている。
この構成によれば、マフラー本体43およびマフラーカバー51の少なくとも一方に突起71を設けるので、突起71の設置自由度を高め、気流の制御を容易に行うことができる。
上記鞍乗り型車両の消音器構造において、前記マフラー本体43の後端に、排気を大気に放出する排気口49aを有し、前記マフラーカバー51は、前記排気口49aよりも後方に延びている。
この構成によれば、マフラーカバー51が排気口49aよりも後方に延びて排気口49aを隠すタイプの消音器構造となり、外観性を向上させるとともに、マフラーカバー51の後端からの巻き込み風が排気口49aに影響を与えることを抑えることができる。なお、エンドキャップ46が排気口49aよりも後方に延びる構成の場合、マフラー本体43の後端からの巻き込み風が排気口49aに影響を与えることを抑えることができる。
上記鞍乗り型車両の消音器構造において、前記突起71は、前記マフラー42の長手方向において、前記マフラー42の中央位置ct1より後方に設けられている。
この構成によれば、マフラー42の長手方向の後半部分に突起71を設けるので、突起71で生じた走行風の乱流がマフラー42の後端位置に至りやすく、マフラー42の後端位置での走行風の巻き込みを効果的に抑えることができる。
上記鞍乗り型車両の消音器構造において、前記突起71は、車両前後方向を向く突起長手方向を有し、前記突起長手方向の寸法(全長Y1)が前記突起長手方向と直交する方向の寸法(全幅X1、全高Z1)よりも大きい。
この構成によれば、突起71の車両前後方向を向く突起長手方向の寸法に対し、突起長手方向と直交する方向の寸法を小とするので、突起71の空気抵抗を軽減することができる。また、突起71の車両前後方向を向く突起長手方向の寸法を大とするので、突起71の長さを利用して走行風の圧力変化を緩やかにし、風切り音の発生を抑えることができる。
上記鞍乗り型車両の消音器構造において、前記突起71は、前記突起長手方向と直交する側面視で突出頂部Ztを有する山形をなし、前記突起71の車両前後方向前側には、突起前端部から突出頂部Ztに向けて高くなる前側傾斜部を有し、前記突起71の車両前後方向後側には、前記突出頂部Ztから突起後端部に向けて低くなる後側傾斜部を有している。
この構成によれば、突起71の前部に漸次高くなる前側傾斜部を有するとともに、突起71の後部に漸次低くなる後側傾斜部を有するので、突起71の空気抵抗をより軽減するとともに、走行風の圧力変化を緩やかにすることができる。
上記鞍乗り型車両の消音器構造において、前記前側傾斜部が前記後側傾斜部よりも前記突起長手方向で長い場合、前側傾斜部が後側傾斜部よりもなだらかなスロープ状をなすので、突起71前部での空気抵抗をより軽減するとともに、後側傾斜部の傾斜を急にして乱流を発生させる効果を高めることができる。
上記鞍乗り型車両の消音器構造において、前記後側傾斜部が前記前側傾斜部よりも前記突起長手方向で長い場合、後側傾斜部が前側傾斜部よりもなだらかなスロープ状をなすので、突起71後部での空気抵抗をより軽減するとともに、突起71後部で走行風の流速を高めて走行風の撹乱効果をより向上させることができる。
上記鞍乗り型車両の消音器構造において、前記突起71は、前記マフラー42の外周に複数配置されてもよい。
この場合、走行風に乱流を生じさせる突起71をマフラー42の外周に複数配置するので、マフラー42の外周全体にわたって乱流を発生させて走行風の巻き込みを抑え、排気効率への影響をより抑えることができる。
<変形例>
図15~図17を参照し、本実施形態の変形例について説明する。この変形例は、上記実施形態に対し、走行風に乱流を生じさせるための突起71を、マフラー本体43ではなくマフラーカバー51の外面に設ける点で特に異なる。その他の、前記実施形態と同一構成には同一符号を付して詳細説明は省略する。
マフラーカバー51の後部上面(外面)51bには、上面51bから上方に突出する突起71が設けられている。突起71は、第一実施形態の突起71と同様、マフラー本体43の外面51bに沿って流れる走行風に規定の乱流(渦流)を生じさせるための渦流生成器として機能する。すなわち、突起71により意図的に小さな乱流を生じさせることで、マフラーカバー51の後端後方における気流を制御し、マフラー42の空気抵抗を減らす等の効果を得る。また、突起71は、走行風の剥離を抑える(遅らせる)ことで、マフラー42後端の排気口49aに対する走行風の巻き込みの影響を抑制し、排気効率を良好に維持する。
上記変形例における鞍乗り型車両の消音器構造では、前記マフラー42は、マフラー本体43と、前記マフラー本体43の外側に取り付けられるマフラーカバー51と、を備え、前記突起71は、前記マフラーカバー51に設けられている。
この構成によれば、マフラー本体43の外側に取り付けられるマフラーカバー51の外面に、走行風の乱流を生じさせる突起71を備えるので、マフラー42の最外面を流れる走行風の剥離を遅らせる効果を得る。このため、マフラー42の後端位置での走行風の巻き込みを効果的に抑えることができる。
なお、実施形態のマフラーカバー51は、後端部が排気口49aよりも後方まで延びているが、排気口49aよりも前方でマフラーカバー51が終端する構成でも、上記同様の効果を得ることができる。特に、マフラーカバー51の後端部が排気口49aよりも後方まで延びることによる巻き込み抑制効果がない場合、乱流発生用の突起71を設けることの効果が高い。突起71は、例えばマフラーカバー51の上面に一体形成されているが、これに限らず、別体品を接着やネジ止め等で固定してもよい。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について、図18~図21を参照して説明する。
この実施形態は、前記第一実施形態に対して、ステップフロアおよび跨ぎ空間を有するスクーター型車両ではなく、シート前方にニーグリップ部を有するとともに車体両側にバータイプのステップを有するスポーツタイプの自動二輪車に適用する点で特に異なる。その他の、前記実施形態と同一構成には同一符号を付して詳細説明は省略する。
<車両全体>
図18に示すように、第二実施形態の自動二輪車101の車体フレームF2は、前端部に位置するヘッドパイプ113と、ヘッドパイプ113から下後方へ延びる左右一対のメインフレーム114と、左右メインフレーム114の後端部から下方へ延びる左右一対のピボットフレーム115と、を備えている。ヘッドパイプ113には、自動二輪車101の前輪WF、左右一対のフロントフォーク11および操向ハンドル12が操向可能に支持されている。左右ピボットフレーム115には、スイングアーム117の前端部が上下揺動可能に支持されている。スイングアーム117の後端部には、自動二輪車101の後輪WRが支持されている。左右メインフレーム114の後部には、シートフレーム116の前端部が連結されている。
左右メインフレーム114の上方には、燃料タンク133が支持されている。燃料タンク133の後方でシートフレーム116の上方には、乗員が着座するシート128が支持されている。燃料タンク133は、シート128前方のニーグリップ部を構成している。左右ピボットフレーム115には、乗員が足を載せる左右一対のステップ118が支持されている。
自動二輪車101の車体は、車体カバー127で覆われている。車体カバー127は、車体前部を覆うフロントカウルFC2と、フロントカウルFC2の下方に連なり車体下部を覆うロアカウルLCと、シートフレーム116の後部を覆うリヤカウルRC2と、を備えている。
左右メインフレーム114の下方には、自動二輪車101の原動機であるエンジン(内燃機関)Eが支持されている。エンジンEのシリンダから延びる排気管141は、フロントカウルFC2およびロアカウルLCの内側に配置されている。排気管141は、ロアカウルLCの後部右側から後上がりに傾斜して延び、後輪WR右側に配置されたマフラー(消音器)142の前端部に接続されている。
図19~図21を併せて参照し、マフラー142は、規定の断面形状で延びるマフラー本体(消音器本体)143を備えている。本実施形態では、マフラー本体143の外側を覆うマフラーカバー(カバー部材)を備えていないが、マフラーカバーを備えた構成でもよい。図中線C2はマフラー本体143における例えば断面形状の重心位置を通る中心軸線を示す。
マフラー本体143は、その中心軸線C2に沿って直線状に延び、後ろ上がりの傾斜姿勢で車体に搭載される。マフラー本体143は、例えば中心軸線C2を車体側面と平行にして配置される。以下、側面視で軸線C2に沿う前後方向をマフラー前後方向、側面視で軸線C2と直交する上下方向をマフラー上下方向、という。図中適所には、軸線C2に沿うマフラー前後方向の前方を示す矢印FR2、側面視で軸線C2と直交するマフラー上下方向の上方を示す矢印UP2が示されている。
マフラー本体143は、中心軸線C2に沿う筒体144と、筒体144の前端部を閉塞するフロントキャップ145と、筒体144の後端部を閉塞するエンドキャップ146と、を備えている。筒体144は、軸線C2方向から見て、概略多角形状の上部と概略V字形状の下部とを組み合わせた異形の断面形状を有している。筒体144は、軸線C2方向から見て、下部の車幅方向外側に、下向きの傾斜平面状の面取り部を形成し、自動二輪車101のバンク角を稼いでいる。フロントキャップ145は、後側ほど拡径するテーパー状をなし、前端部に排気管141を接続している。エンドキャップ146は、後側ほど縮径するテーパー状をなし、後端部にテールパイプ149を配置している。
エンドキャップ146の前端146aは、軸線C2と直交する平面に沿って、筒体144と同様の異形状の開口を形成している。エンドキャップ146の前端146aには、筒体144の後端が接続されている。エンドキャップ146の後端146bは、軸線C2と直交する平面に対して側面視でやや下向きに傾斜している。エンドキャップ146の後端146bには、軸線C2方向から見て例えば筒体144よりも一回り小さい異形状の凹部146cが形成されている。凹部146cは、軸線C2と直交する平面状の底部146dを有している。底部146dには、テールパイプ149が挿通されている。テールパイプ149の後端は、凹部146c内に配置されている。このテールパイプ149の後端が、マフラー142の排気口149aとなる。エンドキャップ146の後端146bはテールパイプ149の後端(排気口149a)よりも後方に延びている。
<マフラー突起構造>
図18~図21に示すように、マフラー本体143の後部上面(外面)143bには、上面143bから上方に突出する突起71が設けられている。突起71は、第一実施形態の突起71と同様、マフラー本体143の外面143bに沿って流れる走行風に規定の乱流(渦流)を生じさせるための渦流生成器として機能する。すなわち、突起71により意図的に小さな乱流を生じさせることで、マフラー本体143の後端後方における気流を制御し、マフラー142の空気抵抗を減らす等の効果を得る。また、突起71は、走行風の剥離を抑える(遅らせる)ことで、マフラー142後端の排気口149aに対する走行風の巻き込みの影響を抑制し、排気効率を良好に維持する。
突起71は、マフラー142の長手方向において、マフラー142の中央位置(実施形態では断面一定の筒体144の中央位置)よりも後方に設けられている。すなわち、突起71は、マフラー142の長手方向の後半領域に設けられている。より好ましくは、突起71は、マフラー142の長手方向の後半領域の中央位置よりも後方に設けられている。すなわち、突起71は、マフラー142の長手方向の後端側1/4の領域に設けられている。
突起71は、マフラー本体143の筒体144の外周面に溶接により接合されている。突起71は、マフラー本体143やマフラーカバー等の他部品を支持するものではなく、マフラー本体143の外面に独立して設けられている。このため、突起71は、マフラー本体143の外面を流れる走行風に規定の乱流を生じさせるための最適設計を行うことが可能である。突起71は、マフラー本体143に溶接する構成に限らず、溶接以外の手段で固定したり、マフラー本体143に一体形成したりしてもよい。
図19、図20の突起71は、突出頂部Ztよりも前方に、前下がりの前側傾斜部として第一傾斜部81を有するとともに、突出頂部Ztよりも後方に、後下がりの後側傾斜部として第二傾斜部84を有している構成であるが、図13の変形例と同様、突起71の前後方向の向きを入れ替えてもよい。突起71は、マフラー142の外周に複数設けてもよい。突起71は、マフラー142がマフラーカバーを備える場合、マフラーカバーに設けてもよい。突起71は、マフラー142の後部に限らず、マフラー142の前部に設けてもよい。
以上説明したように、第二実施形態における鞍乗り型車両の消音器構造においても、マフラー142の外面に、外面に沿って流れる走行風に乱流を生じさせる突起71を備えるので、突起71の後方において生じる規定の乱流によって、マフラー142の外面からの走行風の剥離を遅らせる効果を得る。このため、マフラー142の後端の直後で走行風が剥離することによる空気抵抗を抑えることができる。また、マフラー142後端の排気口149aに向けた走行風の巻き込みを抑え、排気口149aからの排気を阻害せず、効率のよい排気を行うことができる。
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態について、図22~図25を参照して説明する。
この実施形態は、前記第一実施形態に対して、スイングユニットを有するスクーター型車両ではなく、エンジンを車体に支持したビジネスタイプの自動二輪車に適用する点で特に異なる。その他の、前記実施形態と同一構成には同一符号を付して詳細説明は省略する。
<車両全体>
図22に示すように、第三実施形態の自動二輪車(鞍乗り型車両)201は、所謂アンダーボーン型の車体フレームF3を備えることで、車体の跨り易さを向上させ、かつ車両の低重心化を図っている。
車体フレームF3は、前端部に位置するヘッドパイプ213と、ヘッドパイプ213から下後方へ延びるメインフレーム214と、メインフレーム214の後端部から下方へ延びるピボットフレーム215と、を備えている。ヘッドパイプ213には、自動二輪車201の前輪WF、左右一対のフロントフォーク11および操向ハンドル12が操向可能に支持されている。ピボットフレーム215には、スイングアーム217の前端部が上下揺動可能に支持されている。スイングアーム217の後端部には、自動二輪車201の後輪WRが支持されている。メインフレーム214の後部には、シートフレーム216の前端部が連結されている。シートフレーム216とスイングアーム217との間には、左右一対のリヤクッション9が配置されている。
自動二輪車201の車体は、車体カバー227で覆われている。車体カバー227は、ヘッドパイプ213周り、メインフレーム214の前部周りを覆うフロントボディカバーFC3と、メインフレーム214の後部周りおよびシートフレーム216周りを覆うリヤボディカバーRC3と、を備えている。フロントボディカバーFC3の左右側部には、左右外側に張り出す左右レッグシールドLSが形成されている。リヤボディカバーRC3の上方には、乗員着座用のシート228が支持されている。
メインフレーム214の下方には、自動二輪車201の原動機であるエンジンEが支持されている。エンジンEの左右両側には、乗員が足を載せるステップ218が配置されている。エンジンEのシリンダから延びる排気管241は、エンジンEの右下方を後方に延びている。排気管241は、エンジンEの後端近傍で、後輪WR右側に配置されたマフラー(消音器)242の前端部に接続されている。
図23~図25を併せて参照し、マフラー242は、円形の断面形状で延びるマフラー本体(消音器本体)243を備えている。本実施形態では、マフラー本体243の外側を覆うマフラーカバー(カバー部材)を備えていないが、マフラーカバーを備えた構成でもよい。図中線C3はマフラー本体243における中心軸線を示す。
マフラー本体243は、その中心軸線C3に沿って直線状に延び、僅かに後ろ上がりの傾斜姿勢で車体に搭載される。マフラー本体243は、例えば中心軸線C3を車体側面と平行にして配置される。以下、側面視で軸線C3に沿う前後方向をマフラー前後方向、側面視で軸線C3と直交する上下方向をマフラー上下方向、という。図中適所には、軸線C3に沿うマフラー前後方向の前方を示す矢印FR3、側面視で軸線C3と直交するマフラー上下方向の上方を示す矢印UP3が示されている。
マフラー本体243は、中心軸線C3に沿う筒体244と、筒体244の前端部を閉塞するフロントキャップ245と、筒体244の後端部を閉塞するエンドキャップ246と、を備えている。筒体244は、軸線C3方向から見て円形状の断面形状を有し、後側ほど拡径する緩やかなテーパー状をなしている。フロントキャップ245は、後側ほど拡径するテーパー状をなし、前端部に排気管241を接続している。エンドキャップ246は、後側ほど縮径するテーパー状をなし、後端部にテールパイプ249を配置している。
エンドキャップ246の前端246aは、軸線C3と直交する平面に沿って、筒体244と同様の円形状の開口を形成している。エンドキャップ246の前端246aには、筒体244の後端が接続されている。エンドキャップ246の後端246bは、軸線C3と直交する平面に沿って、前端246aよりも一回り小さい円形状の開口を形成している。エンドキャップ246の後端246bには、軸線C3方向から見て円形状の凹部246cが形成されている。凹部246cは、軸線C3と直交する平面状の底部246dを有している。底部246dには、テールパイプ249が挿通されている。テールパイプ249の後端は、エンドキャップ246の後端246bよりも僅かに後方に突出している。このテールパイプ249の後端が、マフラー242の排気口249aとなる。なお、エンドキャップ246の後端246bがテールパイプ249の後端(排気口249a)よりも後方に延びる構成でもよい。
<マフラー突起構造>
図22~図25に示すように、マフラー本体243の後部上面(外面)243bには、上面243bから上方に突出する突起71が設けられている。突起71は、第一実施形態の突起71と同様、マフラー本体243の外面243bに沿って流れる走行風に規定の乱流(渦流)を生じさせるための渦流生成器として機能する。すなわち、突起71により意図的に小さな乱流を生じさせることで、マフラー本体243の後端後方における気流を制御し、マフラー242の空気抵抗を減らす等の効果を得る。また、突起71は、走行風の剥離を抑える(遅らせる)ことで、マフラー242後端の排気口249aに対する走行風の巻き込みの影響を抑制し、排気効率を良好に維持する。
突起71は、マフラー242の長手方向において、マフラー242の中央位置(実施形態では断面一定の筒体244の中央位置)よりも後方に設けられている。すなわち、突起71は、マフラー242の長手方向の後半領域に設けられている。より好ましくは、突起71は、マフラー242の長手方向の後半領域の中央位置よりも後方に設けられている。すなわち、突起71は、マフラー242の長手方向の後端側1/4の領域に設けられている。
突起71は、マフラー本体243の筒体244の外周面に溶接により接合されている。突起71は、マフラー本体243やマフラーカバー等の他部品を支持するものではなく、マフラー本体243の外面に独立して設けられている。このため、突起71は、マフラー本体243の外面を流れる走行風に乱流を生じさせるために最適設計を行うことが可能である。突起71は、マフラー本体243に溶接する構成に限らず、溶接以外の手段で固定したり、マフラー本体243に一体形成したりしてもよい。
図23、図24の突起71は、突出頂部Ztよりも前方に、前下がりの前側傾斜部として第一傾斜部81を有するとともに、突出頂部Ztよりも後方に、後下がりの後側傾斜部として第二傾斜部84を有している構成であるが、図13の変形例と同様、突起71の前後方向の向きを入れ替えてもよい。突起71は、マフラー242の外周に複数設けてもよい。突起71は、マフラー242がマフラーカバーを備える場合、マフラーカバーに設けてもよい。突起71は、マフラー242の後部に限らず、マフラー242の前部に設けてもよい。
以上説明したように、第三実施形態における鞍乗り型車両の消音器構造においても、マフラー242の外面に、外面に沿って流れる走行風に乱流を生じさせる突起71を備えるので、突起71の後方において生じる規定の乱流によって、マフラー242の外面からの走行風の剥離を遅らせる効果を得る。このため、マフラー242の後端の直後で走行風が剥離することによる空気抵抗を抑えることができる。また、マフラー242後端の排気口249aに向けた走行風の巻き込みを抑え、排気口249aからの排気を阻害せず、効率のよい排気を行うことができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、突起71は、消音器本体およびカバー部材の両方に設けられてもよい。鞍乗り型車両が左右二本出しの消音器を備える場合、両方の消音器に突起71を設けてもよい。
前記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクーター型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両も含まれる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1 自動二輪車(鞍乗り型車両)
E エンジン(内燃機関)
42 マフラー(消音器)
43 マフラー本体(消音器本体)
ct1 中央位置
43b 上面、外面
46 エンドキャップ
49a 排気口
51 マフラーカバー(カバー部材)
71 突起
Y1 突起長手方向の寸法
X1,Z1 突起長手方向と直交する方向の寸法
Zt 突出頂部

Claims (9)

  1. 内燃機関(E)から排出された排気の消音を行う消音器(42)を備える鞍乗り型車両(1)の消音器構造において、
    前記消音器(42)は、その外面(43b)から突出して前記外面(43b)に沿って流れる走行風に規定の乱流を生じさせるための突起(71)を備え、
    前記突起(71)は、車両前後方向を向く突起長手方向を有し、前記消音器(42)を車体側に支持する部品とは別に設けられ、
    前記突起(71)は、前記突起長手方向と直交する側面視で突出頂部(Zt)を有する山形をなし、
    前記突起(71)の車両前後方向前側には、突起前端部から突出頂部(Zt)に向けて高くなる前側傾斜部を有し、
    前記突起(71)の車両前後方向後側には、前記突出頂部(Zt)から突起後端部に向けて低くなる後側傾斜部を有している鞍乗り型車両の消音器構造。
  2. 前記消音器(42)は、消音器本体(43)と、前記消音器本体(43)に取り付けられるカバー部材(51)と、を備え、
    前記突起(71)は、全体が前記消音器本体(43)およびカバー部材(51)の間に設けられ、かつ前記カバー部材(51)を支持する部品とは別に設けられている請求項1に記載の鞍乗り型車両の消音器構造。
  3. 前記消音器本体(43)は、後端部に位置するエンドキャップ(46)と、前記エンドキャップ(46)に配置されて排気を大気に放出する排気口(49a)と、を有し、
    前記カバー部材(51)および前記エンドキャップ(46)の少なくとも一方は、前記排気口(49a)よりも後方に延びている請求項2に記載の鞍乗り型車両の消音器構造。
  4. 前記突起(71)は、前記消音器(42)の長手方向において、前記消音器(42)の中央位置(ct1)より後方に設けられている請求項1から3の何れか一項に記載の鞍乗り型車両の消音器構造。
  5. 前記突起長手方向の寸法(Y1)が前記突起長手方向と直交する方向の寸法(X1,Z1)よりも大きい請求項1から4の何れか一項に記載の鞍乗り型車両の消音器構造。
  6. 前記前側傾斜部は、前記後側傾斜部よりも前記突起長手方向で長い請求項1から5の何れか一項に記載の鞍乗り型車両の消音器構造。
  7. 前記後側傾斜部は、前記前側傾斜部よりも前記突起長手方向で長い請求項1から6の何れか一項に記載の鞍乗り型車両の消音器構造。
  8. 前記突起(71)は、前記消音器(42)の外周に複数配置されている請求項1から7の何れか一項に記載の鞍乗り型車両の消音器構造。
  9. 前記消音器(42)は、消音器本体(43)と、前記消音器本体(43)の外側に取り付けられるカバー部材(51)と、を備え、
    前記突起(71)は、前記カバー部材(51)に設けられている請求項1から8の何れか一項に記載の鞍乗り型車両の消音器構造。
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