JP7145175B2 - 組成物 - Google Patents
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Description
本発明は、シリル(メタ)アクリレートポリマー、トラロピリル及び極性溶媒を含む防汚コーティング組成物、ならびに組成物の調製方法に関する。この組成物は優れた長期貯蔵安定性を有する。本発明はまた、該組成物を含む塗料及び該組成物を含む塗料容器に関する。さらに、本発明は、表面の少なくとも一部にコーティングを含む物品、及び物品の表面の少なくとも一部を該組成物でコーティングすることを含む、物品の汚損を防止するためのコーティング方法に関する。
海洋環境に沈んでいる表面は、バクテリア、珪藻、藻類、チューブワーム、フジツボ及びムラサキイガイなどの汚損生物の付着を受ける。表面で成長するすべての海洋生物の中で、ハードファウリング(フジツボ、ムラサキイガイ、ムシクイなど)は、最も大きな経済的な結果をもたらす問題である。適切な条件を仮定すると、ハードファウリングは非常に急速に成長する可能性がある。フジツボ及びムラサキイガイは世界中に分布しており、沿岸水域で最もよく見られる汚損生物である。
第一の態様から見ると、本発明は:
(i)シリル(メタ)アクリレートポリマー、
(ii)トラロピリル、
(iii)極性溶媒、及び、
(iv)非極性溶媒、
を含む防汚組成物であって、前記極性溶媒は、酢酸n-ブチルに対する蒸発速度が少なくとも0.1であり、ハンセン溶解度パラメータδHが<17.0(J/cm3)1/2であり、前記組成物は組成物中に存在する溶媒の総量に基づいて少なくとも2.5wt%の極性溶媒を含み、そして前記組成物は粘度が2000cP未満である、防汚組成物を提供する。
(i)シリル(メタ)アクリレートポリマー、
(ii)トラロピリル、
(iii)極性溶媒、及び、
(iv)非極性溶媒、
を混合することを含む方法を提供する。
前記物品の表面の少なくとも一部を上記のとおりの組成物でコーティングすること、及び、前記コーティングを乾燥及び/又は硬化させることを含む方法を提供する。
本明細書で使用されるときに、用語「防汚コーティング組成物」は、表面に適用されたときに、表面上の海洋生物の成長を防止又は最小化する組成物を指す。
本発明は、
(i)シリル(メタ)アクリレートポリマー、
(ii)トラロピリル、
(iii)極性溶媒、及び、
(iv)非極性溶媒、
を含む、防汚コーティング組成物に関する。
防汚コーティング組成物中に存在する極性溶媒は、好ましくは、酢酸n-ブチルに対する蒸発速度が少なくとも0.15である。好ましくは、極性溶媒は、酢酸n-ブチルに対する蒸発速度が0.15~5.0、より好ましくは0.2~2.5、さらにより好ましくは0.3~2.0である。好ましくは、蒸発速度は温度25℃、相対湿度5%未満で蒸発計においてASTM D3539に従って決定される。
各Rは、直鎖又は分岐鎖C1-8アルキル基から独立して選ばれ、
R1は、直鎖又は分岐鎖C1-8アルキル基から選ばれ、場合により1つの-O-基で中断されていてよく、そして
R2は、H又は直鎖もしくは分岐鎖C1-8アルキル基から選ばれ、場合により1つの-O-基で中断されていてよい。
防汚コーティング組成物は非極性溶媒を含む。好ましくは、非極性溶媒は有機物である。
本発明の防汚コーティング組成物中に存在するシリル(メタ)アクリレートポリマーは、好ましくはコポリマーである。
R4はH又はCH3であり、
R5は、それぞれ独立して、直鎖又は分岐鎖C1-4アルキル基から選ばれ、
R6は、それぞれ独立して、直鎖又は分岐鎖C1-20アルキル基、C3-12シクロアルキル基、場合により置換されていてよいC6-20アリール基及び-OSi(R7)3基からなる群より選ばれ、
各R7は独立して、直鎖又は分岐鎖C1-4アルキル基であり、
ZはC1~C4アルキレンであり、
mは0~1の整数であり、そして
nは0~5の整数である。
トリイソプロピルシリル(メタ)アクリレート、トリ-n-ブチルシリル(メタ)アクリレート、トリイソブチルシリル(メタ)アクリレート、トリ-sec-ブチルシリル(メタ)アクリレート、ブチルジイソプロピルシリル(メタ)アクリレート、tert-ブチルジメチルシリル(メタ)アクリレート、テキシルジメチルシリル(メタ)アクリレート、tert-ブチルジフェニルシリル(メタ)アクリレート、トリイソプロピルシロキシカルボニルメチル(メタ)アクリレート、トリイソプロピルシロキシカルボニルエチル(メタ)アクリレート、tert-ブチルジフェニルシロキシカルボニルメチル(メタ)アクリレート、ノナメチルテトラシロキシ(メタ)アクリレート、ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル(メタ)アクリレート及びトリス(トリメチルシロキシ)シリル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレートが挙げられる。
本発明の防汚コーティング組成物はトラロピリル又はその塩を含む。これは、海洋汚損物を防止し又は表面から除去できる有機防汚剤である。有機殺生物剤であるトラロピリルは、JansssenによりEconea(エコネア)(登録商標)として販売している。トラロピリルは、4-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピロール-3-カルボニトリルであり、以下に示す構造を有する。
(i)1~50wt%、より好ましくは2~40wt%のシリル(メタ)アクリレートポリマー、
(ii)0.5~10wt%、より好ましくは1~7wt%のトラロピリル、
(iii)0.5~30wt%、より好ましくは1~25wt%の極性溶媒、及び、
(iv)0~35wt%、より好ましくは1~30wt%の非極性溶媒、
を含み、wt%は組成物の総質量に基づく。
本発明の防汚コーティング組成物は、好ましくは、カルボン酸基を含む1つ以上の化合物及び/又はその誘導体を含む。誘導体としては、カルボン酸基を含む化合物の金属塩(金属カルボキシレートとも呼ばれる)及びカルボン酸基を含む化合物のエステル、好ましくはメチルエステルが挙げられる。
シリル(メタ)アクリレートポリマーに加えて、防汚コーティング組成物の特性を調整するために、追加のバインダを場合により使用することができる。使用できるバインダの例として:
(メタ)アクリルポリマー及びコポリマー、特に、WO03/070832及びEP2128208に記載されているポリ(n-ブチルアクリレート)、ポリ(n-ブチルアクリレート-コ-イソブチルビニルエーテル)などのアクリレートバインダ及びその他のもの、
親水性コポリマー、例えばGB2152947に記載されている(メタ)アクリレートコポリマー及びEP0526441に記載されているポリ(N-ビニルピロリドン)コポリマー及び他のコポリマー、
ポリ(メチルビニルエーテル)、ポリ(エチルビニルエーテル)、ポリ(イソブチルビニルエーテル)、ポリ(塩化ビニル-コ-イソブチルビニルエーテル)などのビニルエーテルポリマー及びコポリマー、
ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(2-ヒドロキシ酪酸)、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸)、ポリ(4-ヒドロキシ吉草酸)、ポリカプロラクトン及び2つ以上の上記の単位から選ばれた単位を含む脂肪族ポリエステルコポリマーなどの脂肪族ポリエステル、
WO2009/100908に記載されているポリオキサレート及びWO96/14362に記載されている他の縮合ポリマー、
アルキド樹脂及び変性アルキド樹脂、及び、
WO2011/092143に記載されているような炭化水素樹脂、例えば、C5脂肪族モノマー、C9芳香族モノマー、インデンクマロンモノマー又はテルペン又はそれらの混合物から選ばれる少なくとも1つのモノマーの重合のみから形成される炭化水素樹脂などが挙げられる。
本明細書において、増量剤という用語は、増量剤及びフィラーを包含するように使用される。これらの化合物は組成物の嵩を増加させる。増量剤及びフィラーの例は、ドロマイト、プラストライト、方解石、石英、重晶石、マグネサイト、アラゴナイト、シリカ、ウォラストナイト、タルク、緑泥石、雲母、カオリン、長石などの鉱物、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、シリカなどの合成無機化合物、非被覆又は被覆中空及び中実ガラスビーズ、非被覆又は被覆中空及び中実セラミックビーズ、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート-コ-エチレングリコールジメタクリレート、ポリ(スチレン-コ-エチレングリコールジメタクリレート)、ポリ(スチレン-コ-ジビニルベンゼン)、ポリスチレン及びポリ(塩化ビニル)などのポリマー材料の中空、多孔質及びコンパクトビーズなどのポリマー及び無機微小球である。
本発明の防汚コーティング組成物は、水捕捉剤又は乾燥剤とも呼ばれる脱水剤を場合により含む。好ましくは、脱水剤は、それが存在する組成物から水を除去する化合物である。脱水剤は、顔料及び溶媒などの原料から導入された湿分、又は、防汚コーティング組成物中のカルボン酸化合物と二価及び三価金属化合物との反応により形成された水を除去することにより、防汚コーティング組成物の貯蔵安定性を向上させる。防汚コーティング組成物中に使用できる脱水剤及び乾燥剤としては有機化合物及び無機化合物が挙げられる。
本発明の防汚コーティング組成物は、好ましくは1つ以上の他の成分を含む。防汚コーティング組成物に添加できる他の成分の例は、強化剤、チキソトロープ剤、増粘剤、沈降防止剤、分散剤、湿潤剤及び可塑剤である。
本発明はまた、組成物中に存在する成分が混合される、上記のとおりの組成物を調製する方法に関する。本発明の好ましい方法において、トラロピリルは極性溶媒と予備混合され、シリル(メタ)アクリレートポリマー及び非極性溶媒及び他の任意成分と混合される。従来の製造方法のいずれかを使用することができる。本発明の好ましい方法において、シリル(メタ)アクリレートポリマー及び非極性溶媒及び他の任意成分はトラロピリル又はトラロピリルと極性溶媒とを含む混合物の添加前に分散及び破砕されそして冷却される。
例
ポリマーの調製及び特性評価
ポリマー溶液の粘度の決定
ポリマー溶液の粘度は、12rpmのLV-2又はLV-4スピンドルを備えたブルックフィールドDV-1粘度計を使用して、ASTM D2196-15試験方法Aに従って決定した。ポリマーは測定前に23.0℃±0.5℃に調整した。
ポリマー溶液の固形分は、ISO 3251:2008に従って決定した。0.4g±0.1gの試験サンプルを取り出し、150℃の換気オーブンで30分間乾燥させた。残留材料の重量は不揮発性物質(NVM)と考えられる。不揮発性物質の含有量は質量%で表される。与えられた結果は3つのパラレルの平均である。
ポリマーはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定によって特徴付けした。分子量分布(MWD)は、Agilentの2つのPLgel 5 μm Mixed-Dカラムを直列に備えたMalvern Omnisec Resolve and Revealシステムを使用して決定した。カラムは、狭いポリスチレン標準を使用した従来のキャリブレーションによって較正した。分析条件は以下の表に記載されているとおりであった。
サンプルは、5mLのTHFに25mgの乾燥ポリマーに相当する量のポリマー溶液を溶解することで調製した。サンプルはGPC測定のサンプリングの前に、室温で最低3時間保管した。分析の前に、サンプルを0.45μmナイロンフィルタでろ過した。重量平均分子量(Mw)及びMw/Mnとして与えられる多分散指数(PDI)を報告する。
ガラス転移温度(Tg)は示差走査熱量測定(DSC)測定によって得た。DSC測定はTA Instrument DSC Q200で行った。乾燥ポリマーサンプルは、ギャップサイズ100μmのフィルムアプリケータを使用して、ガラスパネルにドローダウンして調製した。ガラスパネルを室温で少なくとも24時間乾燥させ、次いで、50℃で24時間乾燥させた。約10mgの乾燥ポリマー材料をガラスパネルから収集し、アルミパンに移した。測定は空のパンを基準として用いて開放したアルミニウムパンで行った。スキャンは-50℃から120℃の温度範囲で10℃/分の加熱速度及び10℃/分の冷却速度で記録した。データは、TA Instrumentsのユニバーサル分析(Universal Analysis)ソフトウェアを使用して処理した。ASTM E1356-08で規定されているとおり、第二回目の加熱のガラス転移範囲の変曲点をポリマーのTgとして報告する。
ある量の溶媒を、撹拌機、凝縮器、窒素入口及び供給口を備えた温度制御された反応容器に装填した。反応容器を加熱し、85℃の反応温度に維持した。モノマー、開始剤及び溶媒のプレミックスを調製した。プレミックスを、窒素雰囲気下で2時間にわたって一定速度で反応容器に装填した。さらに1時間後に、ブースト開始剤溶液の後添加を追加した。反応容器をさらに2時間85℃の反応温度に維持した。次に、温度を110℃に上げ、さらに30分間維持した。希釈溶媒を反応器に加え、次いでコポリマー溶液を室温まで冷却した。
コーンアンドプレート粘度計を使用した塗料粘度の決定
防汚コーティング組成物の粘度はISO 2884-1:1999に従って、23℃の温度に設定されたコーンアンドプレート粘度計を使用して、10000s-1のせん断速度で動作し、0~10Pの粘度測定範囲で決定した。得られた結果は、3つの測定値の平均である。
防汚塗料組成物のコンシステンシーはデジタルストーマー型粘度計を使用して、ASTM D562-10(2014)方法Bに従って決定した。測定は、23℃の500mL容器内のサンプルで行なった。
防汚コーティング組成物のVOC(g/L)は、ASTM D5201-01に従って計算した。
防汚コーティング組成物の貯蔵安定性は、ASTM D1849-95(2014)に記載されている条件下で決定した。サンプルを、52℃の250mL容器に貯蔵した。貯蔵後に、容器を開ける前にサンプルを室温まで冷却した。塗料のコンシステンシーを評価した。液体サンプルを均質な品質まで攪拌し、コーンアンドプレート粘度計を使用して粘度を記録した。52℃で1か月間貯蔵すると、23℃で6か月から1年貯蔵した場合の幾つかの影響がシミュレートされる。
成分を表3-1~3-3及び表4に示されている割合で混合した。量は質量部で示されている。表4に比較組成を示す。混合物を、振動ペイントシェーカーを使用して15分間、1L容器内に適切な量のガラスビーズ(直径3~4mm)の存在下で分散させた。塗料を、保存安定性試験のために250mL容器に移した。
防汚コーティング組成物は溶解機を使用して調製した。120gの銅ピリチオン、500gのシリル(メタ)アクリレートポリマー溶液S-2、300gのガムロジン溶液(キシレン中60%)及び120gのメチルイソアミルケトンを3L塗料容器中で混合した。1400gの酸化銅(I)、240gのタルク、240gの酸化亜鉛、80gの酸化鉄、40gの二酸化チタン、20gの酸化ポリエーテルワックス(キシレン中25%)及び20gのテトラエトキシシランを加えた。ミルベースが40μmの粉砕度及び55℃の温度を有するまで、混合物を高速で分散させた。470gのシリル(メタ)アクリレートポリマー溶液S-2、40gのポリアミドワックス(キシレン中20%)及び170gのキシレンを攪拌下で添加した。混合物を冷却し、120gのトラロピリル及び120gのメチルイソアミルケトンのプレミックスを加えた。塗料を室温に冷却し、粘度測定と貯蔵安定性試験のために小さな容器に移した。翌日、粘度を測定した。
本開示は以下も包含する。
[1] (i)シリル(メタ)アクリレートポリマー、
(ii)トラロピリル、
(iii)極性溶媒、及び、
(iv)非極性溶媒、
を含む防汚コーティング組成物であって、前記極性溶媒は、酢酸n-ブチルに対する蒸発速度が少なくとも0.1であり、ハンセン溶解度パラメータδHが<17.0(J/cm 3 ) 1/2 であり、前記組成物は組成物中に存在する溶媒の総量に基づいて少なくとも2.5wt%の極性溶媒を含み、そして前記組成物は粘度が2000cP未満である、防汚コーティング組成物。
[2] 前記極性溶媒は酢酸n-ブチルに対する蒸発速度が少なくとも0.2である、上記項目1記載の組成物。
[3] 前記極性溶媒はハンセン溶解度パラメータδHが2.0~14.5(J/cm 3 ) 1/2 である、上記項目1又は2記載の組成物。
[4] 前記極性溶媒はハンセン溶解度パラメータδPが<10.0(J/cm 3 ) 1/2 である、上記項目1~3のいずれか1項記載の組成物。
[5] 前記極性溶媒はハンセン溶解度パラメータδDが<20.0(J/cm 3 ) 1/2 である、上記項目1~4のいずれか1項記載の組成物。
[6] 前記極性溶媒はO、N、P及びSから選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子、好ましくはOを含む、上記項目1~5のいずれか1項記載の組成物。
[7] 前記極性溶媒は第一級アルコール官能基を含まない、上記項目1~6のいずれか1項記載の組成物。
[8] 前記極性溶媒は-O-、-OC(O)-、-C(O)-及び-C(OH)-から選ばれる官能基を含む、上記項目1~7のいずれか1項記載の組成物。
[9] 前記極性溶媒は式(Ia)~(Ic)
各Rは、直鎖又は分岐鎖C 3-8 アルキル基から独立して選ばれ、
R 1 は、直鎖又は分岐鎖C 1-8 アルキル基から選ばれ、場合により1つの-O-基で中断されていてよく、そして
R 2 は、H又は直鎖もしくは分岐鎖C 1-8 アルキル基から選ばれ、場合により1つの-O-基で中断されていてよい)から選ばれる、上記項目1~7のいずれか1項記載の組成物。
[10] Rは直鎖又は分岐鎖C 3-6 アルキルである、上記項目9記載の組成物。
[11] 前記極性溶媒は式Ib又はIcから選ばれる、上記項目9又は10記載の組成物。
[12] 前記極性溶媒は1-メトキシ-2-プロパノール、酢酸n-ブチル、1-メトキシ-2-プロピルアセテート、メチルイソアミルケトン、メチルアミルケトン及びメチルイソブチルケトンから選ばれる、上記項目1~11のいずれか1項記載の組成物。
[13] 前記組成物は、組成物中に存在する溶媒の総量に基づいて、少なくとも3wt%の極性溶媒を含む、上記項目1~12のいずれか1項記載の組成物。
[14] 前記非極性溶媒は芳香族炭化水素である、上記項目1~13のいずれか1項記載の組成物。
[15] 前記シリル(メタ)アクリレートポリマーはコポリマーである、上記項目1~14のいずれか1項記載の組成物。
[16] 前記シリル(メタ)アクリレートポリマーは、式(II):
R 4 はH又はCH 3 であり、
R 5 は、それぞれ独立して、直鎖又は分岐鎖C 1-4 アルキル基から選ばれ、
R 6 は、それぞれ独立して、直鎖又は分岐鎖C 1-20 アルキル基、C 3-12 シクロアルキル基、場合により置換されていてもよいC 6-20 アリール基及び-OSi(R 7 ) 3 基からなる群より選ばれ、
各R 7 は独立して、直鎖又は分岐鎖C 1-4 アルキル基であり、
ZはC 1 ~C 4 アルキレンであり、
mは0~1の整数であり、そして
nは0~5の整数である)の少なくとも1つのモノマーの残基を含む、上記項目1~15のいずれか1項記載の組成物。
[17] 前記シリル(メタ)アクリレートポリマーは(メタ)アクリレートモノマーをさらに含む、上記項目1~16のいずれか1項記載の組成物。
[18] 前記(メタ)アクリレートモノマーは式(IIIa)~(IIIc):
[19] 前記組成物は0.5~10wt%のトラロピリルを含む、上記項目1~18のいずれか1項記載の組成物。
[20] (i)1~50wt%のシリル(メタ)アクリレートポリマー
(ii)0.5~10wt%のトラロピリル、
(iii)0.5~30wt%の極性溶媒、及び、
(iv)0~35wt%の非極性溶媒、
を含む、上記項目1~19のいずれか1項記載の組成物。
[21] 前記組成物は、52℃で1週間貯蔵した後に50~2000cPの粘度を有する、上記項目1~20のいずれか1項記載の組成物。
[22] 前記組成物は、52℃で4週間の貯蔵中にゲルを形成しない、上記項目1~21のいずれか1項記載の組成物。
[23] (i)シリル(メタ)アクリレートポリマー、
(ii)トラロピリル、
(iii)極性溶媒、及び、
(iv)非極性溶媒、
を混合することを含む、上記項目1~22のいずれか1項記載の組成物を調製するための方法。
[24] 上記項目1~22のいずれか1項記載の組成物を含む塗料。
[25] 上記項目1~22のいずれか1項記載の組成物を含む塗料容器。
[26] 上記項目1~22のいずれか1項記載の組成物を含むコーティングを表面の少なくとも一部に含む(例えば、覆われているか又はコーティングされている)物品。
[27] 物品をコーティングして、その汚損を防止するための方法であって、前記方法は:
上記項目1~22のいずれか1項記載の組成物で前記物品の表面の少なくとも一部をコーティングすること、及び、
前記コーティングを乾燥及び/又は硬化させること、
を含む、方法。
[28] 物品の表面の少なくとも一部をコーティングして、その表面の汚損を防止するための、上記項目1~22のいずれか1項記載の組成物の使用。
Claims (25)
- (i)シリル(メタ)アクリレートポリマー、
(ii)トラロピリル、
(iii)極性溶媒、及び、
(iv)非極性溶媒、
を含む防汚コーティング組成物であって、
前記極性溶媒は、1,3-ジオキソラン、又は式(Ia)~(Ic)
各Rは、直鎖又は分岐鎖C 1-8 アルキル基から独立して選ばれ、
R 1 は、直鎖又は分岐鎖C 1-8 アルキル基から選ばれ、場合により1つの-O-基で中断されていてよく、そして
R 2 は、H又は直鎖もしくは分岐鎖C 1-8 アルキル基から選ばれ、場合により1つの-O-基で中断されていてよい)
から選ばれ、前記極性溶媒は、酢酸n-ブチルに対する蒸発速度が少なくとも0.1であり、ハンセン溶解度パラメータδHが<17.0(J/cm3)1/2であり、前記組成物は組成物中に存在する溶媒の総量に基づいて少なくとも2.5wt%の極性溶媒を含み、そして前記組成物は粘度が2000cP未満である、防汚コーティング組成物。 - 前記極性溶媒は酢酸n-ブチルに対する蒸発速度が少なくとも0.2である、請求項1記載の組成物。
- 前記極性溶媒はハンセン溶解度パラメータδHが2.0~14.5(J/cm3)1/2である、請求項1又は2記載の組成物。
- 前記極性溶媒はハンセン溶解度パラメータδPが<10.0(J/cm3)1/2である、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
- 前記極性溶媒はハンセン溶解度パラメータδDが<20.0(J/cm3)1/2である、請求項1~4のいずれか1項記載の組成物。
- 前記極性溶媒は第一級アルコール官能基を含まない、請求項1~5のいずれか1項記載の組成物。
- Rは直鎖又は分岐鎖C3-6アルキルである、請求項1~6のいずれか1項記載の組成物。
- 前記極性溶媒は式Ib又はIcから選ばれる、請求項1~7のいずれか1項記載の組成物。
- 前記極性溶媒は1-メトキシ-2-プロパノール、酢酸n-ブチル、1-メトキシ-2-プロピルアセテート、メチルイソアミルケトン、メチルアミルケトン及びメチルイソブチルケトンから選ばれる、請求項1~8のいずれか1項記載の組成物。
- 前記組成物は、組成物中に存在する溶媒の総量に基づいて、少なくとも3wt%の極性溶媒を含む、請求項1~9のいずれか1項記載の組成物。
- 前記非極性溶媒は芳香族炭化水素である、請求項1~10のいずれか1項記載の組成物。
- 前記シリル(メタ)アクリレートポリマーはコポリマーである、請求項1~11のいずれか1項記載の組成物。
- 前記シリル(メタ)アクリレートポリマーは(メタ)アクリレートモノマーをさらに含む、請求項1~13のいずれか1項記載の組成物。
- 前記組成物は0.5~10wt%のトラロピリルを含む、請求項1~15のいずれか1項記載の組成物。
- (i)1~50wt%のシリル(メタ)アクリレートポリマー
(ii)0.5~10wt%のトラロピリル、
(iii)0.5~30wt%の極性溶媒、及び、
(iv)0~35wt%の非極性溶媒、
を含む、請求項1~16のいずれか1項記載の組成物。 - 前記組成物は、52℃で1週間貯蔵した後に50~2000cPの粘度を有する、請求項1~17のいずれか1項記載の組成物。
- 前記組成物は、52℃で4週間の貯蔵中にゲルを形成しない、請求項1~18のいずれか1項記載の組成物。
- 請求項1~19のいずれか1項記載の組成物を含む塗料。
- 請求項1~19のいずれか1項記載の組成物を含む塗料容器。
- 請求項1~19のいずれか1項記載の組成物を含むコーティングを表面の少なくとも一部に含む(例えば、覆われているか又はコーティングされている)物品。
- 物品をコーティングして、その汚損を防止するための方法であって、前記方法は:
請求項1~19のいずれか1項記載の組成物で前記物品の表面の少なくとも一部をコーティングすること、及び、
前記コーティングを乾燥及び/又は硬化させること、
を含む、方法。 - 物品の表面の少なくとも一部をコーティングして、その表面の汚損を防止するための、請求項1~19のいずれか1項記載の組成物の使用。
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