JP7140295B1 - カメラモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】例えば、カメラモジュールの耐衝撃性や耐振動性を向上させる。【解決手段】レンズが収納される鏡筒部と、鏡筒部の一部が収納される鏡筒収納部を有するホルダと、接着部とを有し、鏡筒部は、凹部及び凸部と雄ネジ部とを周面に有し、鏡筒収納部は、内面に雌ネジ部を有し、鏡筒部の雄ネジ部と鏡筒収納部の雌ネジ部とが螺着されており、接着部が、凹部と凸部との境界部から鏡筒収納部の所定箇所にわたって形成されている、カメラモジュールである。【選択図】図10

Description

本発明は、カメラモジュールに関する。
車両のカメラ等に適用されるカメラモジュールの構成に関して、種々の提案がなされている。例えば、下記の特許文献1には、対物レンズと、当該対物レンズを保持する対物レンズホルダとを接着剤により固着したカメラモジュールが記載されている。
特表2017-525310号公報
しかしながら、特許文献1の開示技術は、対物レンズと対物レンズホルダとの間隙に接着剤を流し込むだけの構成であるため、カメラモジュールに加わる物理的な衝撃または温度変化などの環境的な衝撃によって接着剤が剥離してレンズ位置にズレが生じて焦点ズレが発生するなどして、カメラモジュールとしての機能が損なわれてしまう虞が高かった。
本発明は、物理的または温度変化などの環境的な耐衝撃性をより向上させたカメラモジュールを提供することを目的の一つとする。
発明は、
レンズが収納される鏡筒部と、
鏡筒部の一部が収納される鏡筒収納部を有するホルダと、
接着部とを有し、
鏡筒部は、第1凹部及び第1凸部と雄ネジ部とを周面に有し、
鏡筒収納部は、第2凹部及び第2凸部と、内面に形成された雌ネジ部とを有し、
鏡筒部の雄ネジ部と鏡筒収納部の雌ネジ部とが螺着されており、
接着部が、第1凹部と第1凸部との境界である第1境界部から、第2凹部と第2凸部との境界である第2境界部にわたって形成されている、
カメラモジュールである。
図1Aは第1の実施形態に係るカメラモジュールを上側から視た斜視図であり、図1Bは第1の実施形態に係るカメラモジュールを下側から視た斜視図である。 図2は、第1の実施形態に係るカメラモジュールの分解斜視図である。 図3Aは第1の実施形態に係るカメラモジュールの正面図、図3Bは第1の実施形態に係るカメラモジュールの右側面図、図3Cは第1の実施形態に係るカメラモジュールの左側面図、図3Dは第1の実施形態に係るカメラモジュールの上面図、図3Eは第1の実施形態に係るカメラモジュールの底面図、図3Fは第1の実施形態に係るカメラモジュールの背面図である。 図4は、図3Bにおける切断線AA-AAで第1の実施形態に係るカメラモジュールを切断した場合の断面を示す断面図である。 図5Aは第1の実施形態に係る鏡筒部を上側から視た斜視図であり、図5Bは第1の実施形態に係る鏡筒部を下側から視た斜視図である。 図6Aは第1の実施形態に係る鏡筒部の正面図、図6Bは第1の実施形態に係る鏡筒部の右側面図、図6Cは第1の実施形態に係る鏡筒部の左側面図、図6Dは第1の実施形態に係る鏡筒部の上面図、図6Eは第1の実施形態に係る鏡筒部の底面図、図6Fは第1の実施形態に係る鏡筒部の背面図である。 図7は、図3Bにおける切断線BB-BBで第1の実施形態に係る鏡筒部を切断した場合の断面を示す断面図である。 図8Aは第1の実施形態に係るホルダを上側から視た斜視図であり、図8Bは第1の実施形態に係るホルダを下側から視た斜視図である。 図9Aは第1の実施形態に係るホルダの正面図、図9Bは第1の実施形態に係るホルダの右側面図、図9Cは第1の実施形態に係るホルダの左側面図、図9Dは第1の実施形態に係るホルダの上面図、図9Eは第1の実施形態に係るホルダの底面図、図9Fは第1の実施形態に係るホルダの背面図である。 図10は、第1の実施形態に係る接着部を説明するための部分拡大図である。 図11Aは第2の実施形態に係るカメラモジュールを上側から視た斜視図であり、図11Bは第2の実施形態に係るカメラモジュールを下側から視た斜視図である。 図12Aは第2の実施形態に係るカメラモジュールの正面図、図12Bは第2の実施形態に係るカメラモジュールの右側面図、図12Cは第2の実施形態に係るカメラモジュールの左側面図、図12Dは第2の実施形態に係るカメラモジュールの上面図、図12Eは第2の実施形態に係るカメラモジュールの底面図、図12Fは第2の実施形態に係るカメラモジュールの背面図である。 図13Aは第2の実施形態に係る鏡筒部を上側から視た斜視図であり、図13Bは第2の実施形態に係る鏡筒部を下側から視た斜視図である。 図14Aは第2の実施形態に係る鏡筒部の正面図、図14Bは第2の実施形態に係る鏡筒部の右側面図、図14Cは第2の実施形態に係る鏡筒部の左側面図、図14Dは第2の実施形態に係る鏡筒部の上面図、図14Eは第2の実施形態に係る鏡筒部の底面図、図14Fは第2の実施形態に係る鏡筒部の背面図である。 図15Aは第2の実施形態に係るホルダを上側から視た斜視図であり、図15Bは第2の実施形態に係るホルダを下側から視た斜視図である。 図16Aは第2の実施形態に係るホルダの正面図、図16Bは第2の実施形態に係るホルダの右側面図、図16Cは第2の実施形態に係るホルダの左側面図、図16Dは第2の実施形態に係るホルダの上面図、図16Eは第2の実施形態に係るホルダの底面図、図16Fは第2の実施形態に係るホルダの背面図である。 図17Aは、図12Bにおける切断線CC-CCで第2の実施形態に係るカメラモジュールを切断した場合の断面を示す断面図であり、図17Bは図17Aの部分拡大図である。 図18Aは第3の実施形態に係るカメラモジュールを上側から視た斜視図であり、図18Bは第3の実施形態に係るカメラモジュールを下側から視た斜視図である。 図19Aは第3の実施形態に係るカメラモジュールの正面図、図19Bは第3の実施形態に係るカメラモジュールの右側面図、図19Cは第3の実施形態に係るカメラモジュールの左側面図、図19Dは第3の実施形態に係るカメラモジュールの上面図、図19Eは第3の実施形態に係るカメラモジュールの底面図、図19Fは第3の実施形態に係るカメラモジュールの背面図である。 図20Aは第3の実施形態に係る鏡筒部を上側から視た斜視図であり、図20Bは第3の実施形態に係る鏡筒部を下側から視た斜視図である。 図21Aは第3の実施形態に係る鏡筒部の正面図、図21Bは第3の実施形態に係る鏡筒部の右側面図、図21Cは第3の実施形態に係る鏡筒部の左側面図、図21Dは第3の実施形態に係る鏡筒部の上面図、図21Eは第3の実施形態に係る鏡筒部の底面図、図21Fは第3の実施形態に係る鏡筒部の背面図である。 図22Aは第3の実施形態に係るホルダを上側から視た斜視図であり、図22Bは第3の実施形態に係るホルダを下側から視た斜視図である。 図23Aは第3の実施形態に係るホルダの正面図、図23Bは第3の実施形態に係るホルダの右側面図、図23Cは第3の実施形態に係るホルダの左側面図、図23Dは第3の実施形態に係るホルダの上面図、図23Eは第3の実施形態に係るホルダの底面図、図23Fは第3の実施形態に係るホルダの背面図である。 図24は、図23Bにおける切断線EE-EEで第3の実施形態に係るホルダを切断した場合の断面を示す断面図である。 図25Aは、図21Bにおける切断線DD-DDで第3の実施形態に係るカメラモジュールを切断した場合の断面を示す断面図であり、図25Bは図25Aの部分拡大図である。 図26A及び図26Bは、変形例を説明するための図である。 図27A及び図27Bは、変形例を説明するための図である。 図28A乃至図28Fは、変形例を説明するための図である。 図29は、変形例を説明するための図である。 図30は、変形例を説明するための図である。 図31は、変形例を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態等について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態等は本発明の好適な具体例であり、本発明の内容がこれらの実施形態等に限定されるものではない。説明は以下の順序で行う。
<第1の実施形態>
<第2の実施形態>
<第3の実施形態>
<変形例>
なお、特許請求の範囲に示される部材を、実施形態の部材に特定するものではない。特に、実施形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置、上下左右等の方向の記載等は特に限定する旨の記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがあり、また、図示が煩雑となることを防止するために、参照符号の一部のみを図示する場合や図示の一部を簡略化する場合もある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、重複する説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
<第1実施形態>
[カメラモジュールの全体の構成例]
始めに、図1乃至図4を参照しつつ、第1の実施形態に係るカメラモジュール(カメラモジュール100)の全体構成例について説明する。図1Aはカメラモジュール100を上側から視た斜視図であり、図1Bはカメラモジュール100を下側から視た斜視図である。図2は、カメラモジュール100の分解斜視図である。図3Aはカメラモジュール100の正面図、図3Bはカメラモジュール100の右側面図、図3Cはカメラモジュール100の左側面図、図3Dはカメラモジュール100の上面図、図3Eはカメラモジュール100の底面図、図3Fはカメラモジュール100の背面図である。図4は、図3Bにおける切断線AA-AAでカメラモジュール100を切断した場合の断面を示す断面図である。
カメラモジュール100は、例えば、車載機器に適用され得る。具体的には、ドライブレコーダーや後方を確認するためのバックカメラに適用され得る。勿論、このことは、カメラモジュール100の用途を限定する趣旨ではない。
カメラモジュール100は、概略的には、鏡筒部11、ホルダ12、基板13、コネクタ14、FPC15、接着部16を有する。なお、以下では、鏡筒部11の先端側(後述するレンズ111が露出する側)を上側とし、反対側(基板13側)を下側として説明する。
鏡筒部11は、全体としては、円柱状の形状を有している。勿論、鏡筒部11の形状は円柱状に限定されることなく、角柱状等、他の形状であってもよい。鏡筒部11には、レンズ111が収納されている。なお、図1等では一番外側のレンズ111のみが示されているが、レンズ111が複数のレンズを有し、複数のレンズが鏡筒部11内に収納される構成であっても構わない。
ホルダ12は、例えば、樹脂により構成されている。ホルダ12は、一つの面が開放され内部空間を有する箱状のベース121を有する。開放面とは反対側の面部121Aからは、上方に向かって鏡筒収納部122が立設している。鏡筒収納部122は、鏡筒部11を収納できる形状を有しており、本実施形態では、中空の円柱状の形状を有している。ベース121の内部空間と鏡筒収納部122の内部空間とが連通している。ベース121と鏡筒収納部122とは例えば一体成形されるが、別々の部品が接着等された構成であっても構わない。ベース121の開放面側が、基板13の一方の主面である表面131Aに取り付けられている。例えば、ベース121の対向する側壁の外側と基板13の表面131Aとが接着剤(図示しない)により固定される。
基板13は、例えば、薄板状の形状を有するリジッド基板である。基板13の表面131Aには、撮像素子132が実装されている(図2参照)。撮像素子132としては、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサやCCD(Charge Coupled Device)センサを適用することができる。撮像素子132は、ベース121内の空間内に収納されている。表面131Aの反対面である裏面131Bには、撮像素子132の駆動を制御するIC(Integrated Circuit)等の図示しない電子部品が実装されている。
コネクタ14は、基板13の裏面131Bに取り付けられている。コネクタ14からはFPC15が導出されている。FPC15は、コネクタ14を介して撮像素子132等と電気的に接続されており、撮像素子132により得られる画像信号がFPC15を介して外部機器に伝送される。なお、外部機器との接続手段はFPC15に限定されず、外部機器と接続するためのコネクタやケーブルなど、他の接続手段を用いてもよい。
詳細は後述するが、鏡筒部11の一部が鏡筒収納部122内に収納され螺着される。この際の鏡筒部11のねじ込み量を調整することによって、鏡筒部11内のレンズのフォーカス調整が可能となる。すなわち、鏡筒部11のねじ込み量を調整しながら、鏡筒部11内のレンズによる焦点が、撮像素子132の撮像面に結像するようにフォーカス調整がなされる。フォーカス調整後に接着剤が塗布され、当該接着剤が硬化して接着部16が形成されることで、鏡筒部11と鏡筒収納部122とが固着される。接着部16は、例えば、円周方向の沿って略90度間隔で設けられた四つの接着部(接着部16A、16B、16C、及び、16D(図4参照))を含む。勿論、接着部16を構成する接着部の個数や場所は、適宜、変更可能である。
接着部16を構成する接着剤の種類は特に限定されないが、ゴム系樹脂接着剤、アクリル系樹脂接着剤、シリコン系樹脂接着剤、ウレタン系樹脂接着剤などを例示することができる。これらは一種類でもよいし複数種類の組み合わせ(ハイブリッド接着剤)でもよい。また、接着部16の種類は、自然に硬化するもの、紫外線によって硬化するもの、熱によって硬化するもの、湿気によって硬化するものなど、あらゆるものであってもよい。
[鏡筒部]
次に、カメラモジュール100の各部の詳細について説明する。始めに、図5乃至図7を参照して、鏡筒部11の詳細な構成例について説明する。図5Aは鏡筒部11を上側から視た斜視図であり、図5Bは鏡筒部11を下側から視た斜視図である。図6Aは鏡筒部11の正面図、図6Bは鏡筒部11の右側面図、図6Cは鏡筒部11の左側面図、図6Dは鏡筒部11の上面図、図6Eは鏡筒部11の底面図、図6Fは鏡筒部11の背面図である。図7は、図6Bにおける切断線BB-BBで鏡筒部11を切断した場合の断面を示す断面図である。
鏡筒部11は、円柱状の頭部112を有する。頭部112の上面112Aからは、レンズ111が露出している。上面112Aとは反対側の面である底面112B(本実施形態における一方の端面に相当)からは、円柱状の円筒部113が下方に向かって立設している。頭部112は例えば金属により構成されており、円筒部113は樹脂により構成されている。勿論、頭部112及び円筒部113の両方が金属若しくは樹脂により構成されてもよい。
円筒部113の周面におけるやや上側から下側端面付近にかけて雄ネジ部114が設けられている。雄ネジ部114は、鏡筒収納部122の雌ネジ部(後述する雌ネジ部126)と螺合する。円筒部113の周面における、底面112B(円筒部113の上側端部)と雄ネジ部114との間には、第1凹部115及び第1凸部116が形成されている。例えば、円筒部113の周面に、複数の第1凹部115及び複数の第1凸部116が交互に形成されている。複数の第1凹部115及び複数の第1凸部116は、断面視した場合に、歯車状の形状を有している(図7参照)。第1凹部115と第1凸部116との境界には、段差状の第1境界部119が形成される。
[ホルダ]
次に、図8及び図9を参照して、ホルダ12の詳細な構成例について説明する。図8Aはホルダ12を上側から視た斜視図であり、図8Bはホルダ12を下側から視た斜視図である。図9Aはホルダ12の正面図、図9Bはホルダ12の右側面図、図9Cはホルダ12の左側面図、図9Dはホルダ12の上面図、図9Eはホルダ12の底面図、図9Fはホルダ12の背面図である。
鏡筒収納部122の内面には、雌ネジ部126が形成されている。雌ネジ部126は、上述した鏡筒部11の雄ネジ部114と螺合するネジ部である。鏡筒収納部122の上側端面(外側に露出する外側端面に相当)は、第2凹部127及び第2凸部128が形成されている。例えば、鏡筒収納部122の上側端面には、鏡筒収納部122の内側周縁及び外側周縁に通じる切り欠き状の第2凹部127が略90度の間隔で形成されている。第2凹部127以外の箇所が第2凸部128となっている。勿論、第2凹部127及び第2凸部128の形状や個数、形成箇所は適宜、変更可能である。第2凹部127と第2凸部128との境界には、段差状の第2境界部129が形成される。
[接着部]
次に、図10の部分拡大図を参照して、本実施形態に係る接着部16について説明する。接着部16は、少なくとも一つの第1境界部119と、少なくとも一つの第2境界部129とにわたって(またぐように)形成されている。本実施形態では、例えば、二つの第1境界部119と二つの第2境界部129とにわたって山型状の接着部16が形成されている。なお、図10では、接着部16の箇所にドットが付されている。
[製造方法例]
次に、第1の実施形態に係るカメラモジュール100の製造方法例について説明する。始めに、撮像素子132や電子部品133が実装された基板13の裏面131Bに対してコネクタ14が取り付けられる。コネクタ14を介してFPC15が基板13に接続され、撮像素子132や電子部品133とFPC15とが電気的に接続される。そして、接着部123が形成されることで、基板13の表面131Aに対してホルダ12が固着される。
続いて、鏡筒部11の雄ネジ部114を鏡筒収納部122の雌ネジ部126と螺合させることで、鏡筒部11の円筒部113が鏡筒収納部122に収納される。このとき、鏡筒部11のねじ込み量を調整することにより、フォーカス調整がなされる。フォーカス調整後には、鏡筒収納部122の上側端面のやや上側に第1凹部115及び第1凸部116が位置するように、大凡の設計がなされている。フォーカス調整後には、少なくとも1組の第1凹部115及び第1凸部116に対して略対向する範囲(1組の第1凹部115及び第1凸部116の端から端までの範囲に対して略対向する範囲)に、第2境界部が位置することが好ましい。従って、第1凹部115及び第1凸部116、及び、第2凹部及び第2凸部の少なくとも一方は、所定以下のピッチで連続的(交互)に形成されていることが好ましい。
フォーカス調整後に、鏡筒収納部122の上側端面の4カ所に、接着剤が塗布される。具体的には、少なくとも一つの第1境界部119と、少なくとも一つの第2境界部129とにわたって接着剤が塗布される。例えば、第2凹部127及び第2凹部127の両端付近にある第2凸部128から、その上側に位置する第1凹部115及び第1凸部116にわたって接着剤を塗布する。そして、塗布した接着剤を熱や紫外線により硬化させることにより、四つの接着部を含む接着部16が形成される。
[効果]
以上説明した第1の実施形態に係るカメラモジュールによれば、下記の効果を得ることができる。
カメラモジュールにおける、鏡筒部とホルダとの機械的な接合強度を向上させることができる。本実施形態では、少なくとも一つの第1境界部と少なくとも一つの第2境界部とにわたって接着部が形成されている。係る構成により、カメラモジュールに対して、衝撃や振動により鏡筒部を緩ませる回転方向への力が加わった場合であっても、接着部が設けられた第1境界部及び第2境界部が引っ掛かりとなり、上述した回転方向への鏡筒部やホルダの動きを抑止できる。また、鏡筒部等の回転方向への動きを抑止できるので、これらの動きに起因する鏡筒部の脱落や焦点ズレが発生してしまうことを防止できる。
接着剤を用いた接着部が温度変化などの環境的な衝撃を受けた場合、接着剤と接着対象物との間で界面剥離が生じやすいことが知られている。従来(第1凹部、第1凸部、第2凹部、及び、第2凸部がない構成)は、接着剤が平面または円筒面等をなす平滑な面同士を接着する構成であったため、界面剥離が生じた場合には、接着剤が塗布箇所に止まっていても、接着対象物を接着されていた位置に保持することができず、鏡筒部等の回転方向への動きを十分に抑止できない虞があった。すなわち、カメラモジュールにとっての致命的な破壊モードが接着部の界面剥離であった。
本実施形態に係る構成では、上述のように、固化した接着剤である接着部に第1境界部及び第2境界部が引っ掛かかることで、部分的に界面剥離が生じた状況であっても、接着剤に変形が生じない限り接着対象物を接着されていた位置に保持することができるので、鏡筒部やホルダの回転方向への動きを確実に抑止できる。すなわち、接着部の破壊モードが、固化した接着剤に変形が生じる凝集破壊となるので、従来の破壊モードであった界面剥離に対して破壊強度を大幅に向上させることができる。とりわけ、界面剥離の生じやすい環境的な衝撃に対する耐性を向上させることできる。
上述のように鏡筒部とホルダとの機械的な接合強度を向上させることができるため、実施形態のように接着部をスポット状に設ける構成を採用することができる。このため、鏡筒収納部の上側端面の全体にわたって接着剤を塗布する構成に比べて、接着部に用いる接着剤を少なくしても同等以上の接合強度を得ることができる。また、鏡筒部とホルダとの機械的な接合強度を向上させることができるため、比較的、接着強度が低い接着剤も用いることができる。このように、本実施形態に係るカメラモジュールによれば、製造コストを低減できるとともに、製造における材料の選択自由度を高めることができる。但しこのことは、鏡筒収納部の上側端面の全体にわたって接着剤を塗布する構成や、接着強度が高い接着剤を用いることを排除するものではない。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態の説明において、上述した説明における同一または同質の構成については同一の参照符号を付し、重複した説明を適宜、省略する。また、特に断らない限り、第1の実施形態で説明した事項は第2の実施形態に対して適用することができる。
図11乃至図17を参照しつつ、第2の実施形態に係るカメラモジュール(カメラモジュール200)について説明する。図11Aはカメラモジュール200を上側から視た斜視図であり、図11Bはカメラモジュール200を下側から視た斜視図である。図12Aはカメラモジュール200の正面図、図12Bはカメラモジュール200の右側面図、図12Cはカメラモジュール200の左側面図、図12Dはカメラモジュール200の上面図、図12Eはカメラモジュール200の底面図、図12Fはカメラモジュール200の背面図である。
図13Aは第2の実施形態に係る鏡筒部(鏡筒部21)を上側から視た斜視図であり、図13Bは鏡筒部21を下側から視た斜視図である。図14Aは鏡筒部21の正面図、図14Bは鏡筒部21の右側面図、図14Cは鏡筒部21の左側面図、図14Dは鏡筒部21の上面図、図14Eは鏡筒部21の底面図、図14Fは鏡筒部21の背面図である。
図15Aは第2の実施形態に係るホルダ(ホルダ22)を上側から視た斜視図であり、図15Bはホルダ22を下側から視た斜視図である。図16Aはホルダ22の正面図、図16Bはホルダ22の右側面図、図16Cはホルダ22の左側面図、図16Dはホルダ22の上面図、図16Eはホルダ22の底面図、図16Fはホルダ22の背面図である。図17Aは図12Bにおける切断線CC-CCでカメラモジュール200を切断した場合の断面を示す断面図であり、図17Bは図17Aにおける点線で囲んだ箇所を拡大した部分拡大図である。
概略的には、カメラモジュール200が第1の実施形態に係るカメラモジュール100と異なる点は、第1凹部、第1凸部、第2凹部、及び、第2凸部が形成される箇所である。
図11乃至図16に示すように、鏡筒部21の頭部112の底面112Bと雄ネジ部114の間には、第1凹部及び第1凸部が形成されていない。また、鏡筒収納部122の上側端面には、第2凹部及び第2凸部が形成されていない。
図13及び図14に示すように、第2の実施形態に係る鏡筒部21は、第1凹部215及び第1凸部216を有する。第1凹部215及び第1凸部216は、円筒部113の先端付近の周面に形成されている。第1凹部215と第1凸部216との境界として第1境界部219が形成される。
また、図15及び図16に示すように、鏡筒収納部122の内側端面には、例えば、円周方向に略90度の間隔でもって、四つの第2凹部227が形成されている。第2凹部227が形成されることで、第2凹部227よりも内側に向かって凸となる第2凸部228が第2凹部227間に形成される。第2凹部227と第2凸部228との境界として第2境界部229が形成される。
図17Bに示すように、少なくとも一つの第1境界部219と、少なくとも一つの第2境界部229にわたって接着部(接着部26)が設けられる。図17Bでは接着部26の箇所にドットが付されている。例えば、予め鏡筒部21を鏡筒収納部122に仮螺合させた上で、第2凹部227及び第2凸部228に熱硬化性の接着剤を塗布しておき、フォーカス調整後に、熱をかけて接着剤を硬化させることで接着部26を形成することができる。
以上、説明した第2の実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、接着部26がベース121内に収納されるので、カメラモジュール200の見た目が良くなるとともに、カメラモジュール200を取り扱う際に接着部26が不意な傷等を受けることを防ぐことができる。
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態について説明する。なお、第3の実施形態の説明において、上述した説明における同一または同質の構成については同一の参照符号を付し、重複した説明を適宜、省略する。また、特に断らない限り、第1、第2の実施形態で説明した事項は第3の実施形態に対して適用することができる。
図18乃至図25を参照しつつ、第3の実施形態に係るカメラモジュール(カメラモジュール300)について説明する。図18Aはカメラモジュール300を上側から視た斜視図であり、図18Bはカメラモジュール300を下側から視た斜視図である。図19Aはカメラモジュール300の正面図、図19Bはカメラモジュール300の右側面図、図19Cはカメラモジュール300の左側面図、図19Dはカメラモジュール300の上面図、図19Eはカメラモジュール300の底面図、図19Fはカメラモジュール300の背面図である。
図20Aは第3の実施形態に係る鏡筒部(鏡筒部31)を上側から視た斜視図であり、図20Bは鏡筒部31を下側から視た斜視図である。図21Aは鏡筒部31の正面図、図21Bは鏡筒部31の右側面図、図21Cは鏡筒部31の左側面図、図21Dは鏡筒部31の上面図、図21Eは鏡筒部31の底面図、図21Fは鏡筒部31の背面図である。
図22Aは第3の実施形態に係るホルダ(ホルダ32)を上側から視た斜視図であり、図22Bはホルダ32を下側から視た斜視図である。図23Aはホルダ32の正面図、図23Bはホルダ32の右側面図、図23Cはホルダ32の左側面図、図23Dはホルダ32の上面図、図23Eはホルダ32の底面図、図23Fはホルダ32の背面図である。図24は図23Bにおける切断線EE-EEでカメラモジュール300を切断した場合の断面を示す断面図である。図25Aは図19Bにおける切断線DD-DDでカメラモジュール300を切断した場合の断面を示す断面図であり、図25Bは図25Aにおける点線で囲まれた箇所を拡大した図である。
概略的には、カメラモジュール300が第1、第2の実施形態に係るカメラモジュールと異なる点は、第1凹部、第1凸部、第2凹部、及び、第2凸部が形成される箇所である。
図18乃至図21に示すように、鏡筒部31の頭部112の底面112Bと雄ネジ部114の間には、第1凹部及び第1凸部が形成されていない。また、図22及び図23に示すように、鏡筒収納部122の上側端面には第2凹部及び第2凸部が形成されていない。
図20及び図21に示すように、第3の実施形態に係る鏡筒部31は、円筒部113の中間付近の周面に形成される第1凹部315を有する。第1凹部315は、例えば、円筒部113の中間付近の周面の所定箇所(雄ネジ部114が形成されている箇所の一部)を切り欠くことにより形成される。第1凹部315が形成されることで、第1凹部315よりも相対的に外側に凸となる第1凸部316が第1凹部315間に形成される。なお、本実施形態に係る第1凸部316は、雄ネジ部114が形成される箇所と同じ箇所となっている。第1凹部315と第1凸部316との境界として第1境界部319が形成される。
また、図22乃至図24に示すように、鏡筒収納部122の周面には、例えば、円周方向に略90度の間隔でもって、四つの第2凹部327が形成されている。第2凹部327は、例えば、鏡筒収納部122の周面を貫通する孔部を設けることによって形成される。このように、各実施形態における第2凹部(第1凹部も同様)は底部を有しない孔部であってもよい。第2凹部327は、後述する接着部(接着部36)を構成する接着剤を充填し易いようにするために貫通孔であることが好ましいが、鏡筒収納部122の内面の一部を貫通しない程度に切り欠くことで形成されたものであってもよい。第2凹部327が形成されることで、第2凹部327に対して相対的に内側に向かって凸となる第2凸部328が第2凹部327間に形成される。第2凹部327と第2凸部328との境界として第2境界部329が形成される。
図25Bに示すように、少なくとも一つの第1境界部319と、少なくとも一つの第2境界部329にわたって接着部(接着部36)が設けられる。図25Bでは、接着部36の箇所にドットが付されている。例えば、鏡筒部31を鏡筒収納部122に螺合してフォーカス調整をした後に、各第2凹部327から鏡筒収納部122内に接着剤を注入する。そして、熱をかけたり紫外線を照射することで接着剤を硬化させることで接着部36を形成することができる。
以上、説明した第3の実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
<変形例>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
[第1の変形例]
図26乃至図29を参照しつつ、第1の変形例に係るカメラモジュール(カメラモジュール400)について説明する。図26Aはカメラモジュール400を上側から視た斜視図であり、図26Bはカメラモジュール400を下側から視た斜視図である。図27Aは第1の変形例に係る鏡筒部(鏡筒部41)を上側から視た斜視図であり、図27Bは鏡筒部41を下側から視た斜視図である。図28Aは鏡筒部41の正面図、図28Bは鏡筒部41の右側面図、図28Cは鏡筒部41の左側面図、図28Dは鏡筒部41の上面図、図28Eは鏡筒部41の底面図、図28Fは鏡筒部41の背面図である。図29は図28Bにおける切断線FF-FFでカメラモジュール400を切断した場合の断面を示す断面図である。
カメラモジュール400は、第1凹部415及び第1凸部416を有する。図26乃至図28に示すように、第1凹部415及び第1凸部416が形成される位置は、第1の実施形態で説明した第1凹部115及び第1凸部116が形成される位置と同じである。但し、第1凹部及び第1凸部の形状が異なっている。本変形例に係る第1凹部415及び第1凸部416の形状は、図29に示すように、断面視(上面や底面から視た場合でもよい)において外縁がジグザグ状(蛇腹状)の形状を有している。第1凹部415と第1凸部416との間をつなぐ面が本変形例に係る第1境界部419となっている。このように、第1凹部及び第1凸部の形状は歯車状に限定されることはなく、適宜、変更可能である。他の例として、第1凹部及び第1凸部がシボ状の形状を有していてもよい。
同様に、第2凹部及び第2凸部の形状も歯車状に限定されることはなく、適宜、変更可能である。例えば、第2凹部及び第2凸部の形状は、鏡筒収納部の上側端面に形成され、上下方向に凹凸となるジグザグ状(蛇腹状)の形状であってもよい。また、第2凹部及び第2凸部は、シボ状の形状を有していてもよい。
[第2の変形例]
上述した実施形態では、鏡筒部が第1凹部及び第1凸部を有し、鏡筒収納部が第2凹部及び第2凸部を有する構成について説明したが、一方のみが凹部及び凸部を有する構成であってもよい。例えば、図30に示すように、鏡筒部11が第1凹部115及び第1凸部116(凹部及び凸部の一例)を有し、鏡筒収納部122が第2凹部127及び第2凸部128を有しない構成であってもよい。係る構成の場合、第1凹部115と第1凸部116との境界部である第1境界部119と、鏡筒収納部122の所定箇所(例えば、鏡筒収納部122の上側端面の一部)とにわたって接着部16が形成される。
また、図31に示すように、鏡筒部11が第1凹部115及び第1凸部116を有さずに、鏡筒収納部122が第2凹部127及び第2凸部128(凹部及び凸部の一例)を有する構成であってもよい。係る構成の場合、第2凹部127と第2凸部128との境界部である第2境界部129と、鏡筒部11の所定箇所(例えば、鏡筒部11の周面の一部)とにわたって接着部16が形成される。
なお、鏡筒部とホルダ(具体的には鏡筒収納部)との接合強度を大きくする観点からは、実施形態で説明したように、鏡筒部が第1凹部及び第1凸部を有し、鏡筒収納部が第2凹部及び第2凸部を有する構成が好ましい。また、ホルダに比べて鏡筒部の方が衝撃によって回動しやすいことから、少なくとも鏡筒部が第1凹部及び第1凸部を有する構成が好ましい。
[その他の変形例]
他の変形例として、第3凹部及び第3凸部を設け、接着部が、第1境界部、第2境界部、及び、第3凹部及び第3凸部の境界である第3境界部にわたって形成されてもよい。第3凹部及び第3凸部の形成位置は特に限定されるものではないが、第3凹部は、例えば、上述した第1の実施形態に係る鏡筒収納部122の上側端面に近い箇所の外側周面に溝状に設けられる。これにより、鏡筒部と鏡筒収納部との接合強度をより大きくすることができる。
また、上述した実施形態および変形例では、鏡筒部と鏡筒収納部とが螺着されてなる例を示したが、鏡筒部も鏡筒収納部もネジ構造を有しておらず、鏡筒部が鏡筒収納部に単に挿入されている構成の場合であっても、本発明を実施し得る。
上述した実施形態及び変形例の構成、方法、工程、形状、材料および数値等は、本発明の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることや入れ替えることが可能である。また、1つのものを2つ以上に分けることも可能であり、2つ以上のものを1つに纏めることも可能である。さらに、一部を省略することも可能である。
11、21、31、41・・・鏡筒部
12、22、32・・・ホルダ
13・・・基板
14・・・コネクタ
15・・・FPC
16、26、36・・・接着部
100、200、300、400・・・カメラモジュール
111・・・レンズ
112・・・頭部
112B・・・底面
113・・・円筒部
114・・・雄ネジ部
115、215、315、415・・・第1凹部、
116、216、316、416・・・第1凸部
119、219、319、419・・・第1境界部
122・・・鏡筒収納部
126・・・雌ネジ部
127、227、327・・・第2凹部
128、228、328・・・第2凸部
129、229、329・・・第2境界部

Claims (8)

  1. レンズが収納される鏡筒部と、
    前記鏡筒部の一部が収納される鏡筒収納部を有するホルダと、
    接着部とを有し、
    前記鏡筒部は、第1凹部及び第1凸部と雄ネジ部とを周面に有し、
    前記鏡筒収納部は、第2凹部及び第2凸部と、内面に形成された雌ネジ部とを有し、
    前記鏡筒部の雄ネジ部と前記鏡筒収納部の雌ネジ部とが螺着されており、
    前記接着部が、前記第1凹部と前記第1凸部との境界である第1境界部から、前記第2凹部と前記第2凸部との境界である第2境界部にわたって形成されている、
    カメラモジュール。
  2. 少なくとも1組の前記第1凹部及び前記第1凸部に対して略対向する範囲に、前記第2境界部が位置している、
    請求項に記載のカメラモジュール。
  3. 前記鏡筒部は、円柱状の頭部と前記頭部の一方の端面から延在する円柱状の円筒部とを有し、
    前記鏡筒収納部は、中空の円柱状の形状を有する、
    請求項又はに記載のカメラモジュール。
  4. 前記円筒部における前記頭部の一方の端面と前記雄ネジ部との間の周面に、前記第1凹部及び前記第1凸部が形成され、
    前記鏡筒収納部の外側端面に前記第2凹部及び前記第2凸部が形成されている、
    請求項に記載のカメラモジュール。
  5. 前記円筒部の中間付近に前記第1凹部及び前記第1凸部が形成され、
    前記鏡筒収納部の中間付近に前記第2凹部及び前記第2凸部が形成されている、
    請求項又はに記載のカメラモジュール。
  6. 前記円筒部の先端付近に前記第1凹部及び前記第1凸部が形成され、
    前記鏡筒収納部の内側端面に前記第2凹部及び前記第2凸部が形成されている、
    請求項からまでの何れかに記載のカメラモジュール。
  7. 前記接着部は、複数の第1境界部及び複数の第2境界部にわたって設けられている、
    請求項からまでの何れかに記載のカメラモジュール。
  8. 複数の前記第1凹部及び前記第1凸部、及び、複数の前記第2凹部及び前記第2凸部のそれぞれは、歯車状、蛇腹状及びシボ状の何れかの形状を有する、
    請求項からまでの何れかに記載のカメラモジュール。
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