JP7140130B2 - 内視鏡用牽引クリップ - Google Patents

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Description

本発明は、内視鏡を利用して体内に挿入して、体内組織の一部を牽引するために用いる内視鏡用牽引クリップに関する。
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)においては、病変部の切除の容易化や確実性の向上等のため、病変部の一部を切開して剥離した際に当該剥離した病変部が継続して行われる切開の邪魔にならないように、病変部に予め牽引力をかけて、剥離した病変部をつり上げながら、病変部全体を切開するという手技が行われる場合がある。このような手技に用いられる内視鏡用クリップとして、たとえば特許文献1や特許文献2に記載のような牽引クリップ(つり上げ用クリップ、バネ付きクリップ)が知られている。
特許文献1に記載のつり上げ用クリップは、一対の把持用の爪(ツメ)を有するクリップと、紐状のゴム等からなる弾性部材と、輪状の部材(係合部材)とを概略備えて構成されている。弾性部材の一端は紐状の連結部材を介してクリップの付け根部分に連結されており、該弾性部材の他端に輪状の部材が取り付けられている。
病変部を切除する際には、病変部の剥離した一部を牽引クリップで把持せしめ、別途用意された他のクリップ(弾性部材や輪状の部材等を備えない通常のクリップ)の一対の爪の間で該輪状の部材を掬い上げて、該弾性部材を弾性変形させつつ(引き延ばしつつ)、当該他のクリップで粘膜の一部(たとえば、病変部に対向する粘膜の一部)を把持せしめる。これにより、病変部に弾性部材の弾性力(張力)によって牽引力が作用するので、切開により剥離された病変部はつり上げられる。したがって、剥離した病変部によって視界が遮られることなく、術野を確保できるので、病変部の全周を容易かつ確実に切開することができる。
輪状の部材の詳細については、特許文献1には具体的な記載はないが、切開後に病変部を回収するため、ループカッターなどにより容易に切断可能な細さ、素材であることが望ましいとの記載がある。また、特許文献2には、輪状の部材に対応する紐部材として、外科手術用の縫合糸を用いることができるとの記載がある。
ところで、従来は、輪状の部材の切断は、ループカッターとも称される内視鏡用鋏鉗子や高周波ナイフ等の切断器具を内視鏡の処置具案内管を介して挿入し、行われている。しかしながら、そのような切断器具を別途準備することは煩雑であり、処置に要するコストも増大するため、好ましくない。
特開2008-62004号公報 特開2015-192726号公報
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、切断器具を別途準備する必要がなく、処置に要するコストを低減することができる内視鏡用牽引クリップを提供することを目的とする。
本発明の第1の観点に係る内視鏡用牽引クリップは、
略V字状に開脚する一対のアーム部、および該アーム部の基端側の連結部にスライド可能に外嵌されたリング状の締め付けリングを備えるクリップ本体と、
前記クリップ本体の一部に直接にまたは接続部材を介して取り付けられる熱可塑性高分子材料成形部品であり、ループ状に形成されたループ部を備え、該ループ部の一部に他の部分よりも弱い力で切断可能な脆弱部を有するループ部材と、
を有する。
本発明の第1の観点に係る内視鏡用牽引クリップは、ループ部の一部に他の部分よりも弱い力で切断可能な脆弱部を有するため、後述するクリップ装置等を用いて該ループ部を該脆弱部の部分でより弱い力で容易に切断することができる。
本発明の第1の観点に係る内視鏡用牽引クリップにおいて、前記ループ部の一部を他の部分よりも細く形成して前記脆弱部とすることができる。
本発明の第2の観点に係る内視鏡用牽引クリップは、
その先端側に向かって略V字状に開脚する一対のアーム部、および該アーム部の基端側の連結部にスライド可能に外嵌されたリング状であり、シースおよび該シースに対して進退自在に配置され、該連結部に係脱可能に係合する係合部材を有するクリップ装置を用いて、該連結部に該係合部材が係合された状態で該係合部材を該シースの先端から引き込むことにより、該シースの先端部で押されてスライドして、該アーム部を閉脚させる締め付けリングを備えるクリップ本体と、
前記クリップ本体の一部に直接にまたは接続部材を介して取り付けられる熱可塑性高分子材料成形部品であり、前記クリップ装置の前記係合部材がその一部に係合可能なループ状に形成されたループ部を備え、前記クリップ装置を用いて、前記係合部材を該ループ部の一部に係合させた状態で該係合部材を前記シースの先端から引き込むことにより、切断されるように構成されたループ部材と、
を有する。
本発明の第2の観点に係る内視鏡用牽引クリップによれば、クリップ装置を用いて、ループ部材の一部を切断することができるため、ループ部材を切断するために別途切断器具を準備する必要がなく、処置に要するコストを低減することができる。
本発明の第3の観点に係る内視鏡用牽引クリップは、
その先端側に向かって略V字状に開脚する一対のアーム部、および該アーム部の基端側の連結部にスライド可能に外嵌されたリング状であり、インナーシースおよび該インナーシースに対して進退自在に配置され、該連結部に係脱可能に係合する係合部材、および該インナーシースがスライド可能に挿通されたアウターシースを有するクリップ装置を用いて、該連結部に該係合部材が係合された状態で該係合部材を該インナーシースの先端から引き込むことにより、該インナーシースの先端部で押されてスライドして、該アーム部を閉脚させる締め付けリングを備えるクリップ本体と、
前記クリップ本体の一部に直接にまたは接続部材を介して取り付けられる熱可塑性高分子材料成形部品であり、前記クリップ装置の前記係合部材がその一部に係合可能なループ状に形成されたループ部を備え、前記クリップ装置を用いて、前記クリップ本体と実質的に同じ構成の切断用クリップの連結部に該係合部材を係合させて該切断用クリップを該インナーシースの先端に連結し、該切断用クリップの一対のアーム部を閉脚させて該ループ部の一部を把持させた状態で該切断用クリップを該アウターシースの先端から引き込むことにより、切断されるように構成されたループ部材と、
を有する。
本発明の第3の観点に係る内視鏡用牽引クリップによれば、切断用クリップを連結したクリップ装置を用いて、ループ部材の一部を切断することができるため、ループ部材を切断するために別途切断器具を準備する必要がなく、処置に要するコストを低減することができる。また、切断用クリップは切断後に容易に交換することができるので、切断作業を同じクリップ装置を用いて繰り返し実施する場合に、その都度、新しい切断用クリップを用いることができる。
本発明の第2および第3の観点に係る内視鏡用牽引クリップにおいて、前記クリップ装置としては、前記係合部材が、前記シースの先端から押し出されることにより略V字状に開脚し、該シース内(または該インナーシース内)に引き込まれることにより閉脚する連結フックを有するものを用いることができる。このようなクリップ装置を用いることにより、ループ部材を該連結フックを閉脚させて把持することにより、該ループ部材と連結フックとが係合できるため、係合させるための操作(作業)が容易となり、ループ部材の切断を容易に行うことができる。
図1Aは、本発明の実施形態の内視鏡用牽引クリップのクリップ本体のアーム部が開脚した状態における全体構成を示す図である。 図1Bは、図1Aの牽引クリップを構成するクリップ本体の向きを変えて示す図である。 図1Cは、図1Aの牽引クリップのクリップ本体のアーム部が閉脚した状態を示す図である。 図2Aは、図1Aの牽引クリップのコイルバネを示す図である。 図2Bは、図2Aのコイルバネをループ部材装着側から見た図である。 図3Aは、図1Aの牽引クリップのループ部材の平面図である。 図3Bは、図3Aのループ部材の正面図である。 図4Aは、図3Aのループ部材の変形例を示す平面図である。 図4Bは、図3Aのループ部材の他の変形例を示す平面図である。 図4Cは、図3Aのループ部材のさらに他の変形例を示す平面図である。 図4Dは、図4Cのループ部材の正面図である。 図5Aは、本発明の実施形態のクリップ装置の外観を示す図である。 図5Bは、図5AのVb-Vb線に沿った断面図である。 図5Cは、図5Aのクリップ装置の連結フックおよびその近傍の構成を示す斜視図である。 図6Aは、図1Aの牽引クリップをクリップ装置の先端から突出させた状態を示す図である。 図6Bは、図1Aの牽引クリップをクリップ装置の先端に収納した状態を示す図である。 図7Aは、図1Aの牽引クリップを用いて病変部の一部を切開している途中の状態を模式的に示す図である。 図7Bは、図7Aの続きの病変部の切開が完了し、ループ部材を切断するためにクリップ装置の先端を近接させた状態を模式的に示す図である。 図8Aは、図1Aの牽引クリップのループ部材を切断する工程を示す図であり、クリップ装置の先端をループ部材の近傍に配置して、連結フックを突出させた状態を示す図である。 図8Bは、図8Aの続きの工程を示す図であり、ループ部材の一部を連結フックで把持して、連結フックをシースの先端から引き込んで、ループ部材をインナーシースの遠位端に当接させた状態を示す図である。 図8Cは、図8Bの続きの工程を示す図であり、連結フックをインナーシースの先端からさらに引き込んで、インナーシースの先端と連結フックとによりループ部材に生じる力により、ループ部材を切断した状態を示す図である。 図9Aは、図3Aのループ部材の別の変形例を示す平面図である。 図9Bは、図9Aのループ部材の正面図である。 図9Cは、図9Aのループ部材の側面図である。 図9Dは、図9AのIXd-IXd線に沿った断面図である。 図9Eは、図9AのIXe-IXe線に沿った断面図である。 図10Aは、図1Aの牽引クリップのループ部材を切断する別の工程を示す図であり、クリップ装置に連結した切断用クリップをループ部材の近傍に配置した状態を示す図である。 図10Bは、図10Aの続きの工程を示す図であり、締め付けリングをスライドさせて、ループ部材の一部を切断用クリップで把持した状態を示す図である。 図10Cは、図10Bの続きの工程を示す図であり、ループ部材にアウターシースの先端を当接させた状態で、切断用クリップをアウターシースの先端から引き込んで、アウターシースの先端と切断用クリップとによりループ部材に生じる力により、ループ部材を切断した状態を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を具体的に説明する。図1Aおよび図1Bに示されているように、本実施形態に係る内視鏡用牽引クリップ1は、クリップ本体2、コイルバネ3およびループ部材4を概略備えて構成されており、クリップ本体2とループ部材4とを接続する接続部材として、コイルバネ3を用いるバネ付きクリップである。
ただし、コイルバネ3は、接続部材の一例であって、接続部材としては、ゴム、その他の弾性部材、あるいは弾性を有しない部材を用いてもよい。また、接続部材を省略して、これを介さずに、ループ部材4をクリップ本体2に直接に接続する(取り付ける)ようにしてもよい。
クリップ本体2は、連結板部(連結部)21、一対のアーム板部(アーム部)22および締め付けリング24を備えている。連結板部21は、略U字形状に折り曲げられた形状を有し、U字形状の各端部にそれぞれ連続して、その先端側に向かって略V字状に開脚するようにアーム板部22が一体的に形成されている。
締め付けリング24は、アーム板部22の基端側の連結板部21にスライド可能に外嵌されたリング状に形成された部材である。締め付けリング24は、インナーシース(シース)52およびインナーシース52に対して進退自在に配置され、該連結板部21に着脱可能(係脱可能)に連結(係合)される連結フック(係合部材)51を有するクリップ装置(図5A~図5C参照、詳細後述)を用いて、スライドされる部材である。締め付けリング24は、連結板部21に連結フック51が連結された状態で、連結フック51をインナーシース52の先端部から引き込むことにより、インナーシース52の先端部で押されてスライドして、アーム板部22を閉脚させる。
各アーム板部22の先端部には、爪部23が一体的に形成されている。爪部23は、アーム板部22の先端において、内側(すなわち、閉じ方向)を指向して折り曲げられることにより、形成されている。各爪部23は、その先端の中間部分に凹陥する切欠部(不図示)を有している。
クリップ本体2を構成する連結板部21と、一対のアーム板部22と、一対の爪部23とは、一枚の薄く細長い板材を折り曲げ成形することにより形成されている。クリップ本体2を構成する板材の板厚は、特に限定されないが、好ましくは0.10~0.30mmである。板材としては、弾性を有する板材が好ましく、たとえばステンレス鋼が用いられる。
アーム板部22は、図1Bに示されているように、それぞれ、基端部22aと、把持部22bとを有している。各アーム板部22の把持部22bには、それぞれ貫通部22cが形成されている。これらの貫通部22cは、アーム板部22(把持部22b)の所望の強度を損なうこと無く形成されている。これらの貫通部22cの一方は、詳細は後述するが、コイルバネ3をクリップ本体2に連結するためにも用いられる。
連結板部21には、締め付けリング24がスライド可能に嵌め込まれている。締め付けリング24は、略円筒状のリング部材から構成されている。ただし、締め付けリング24は、線材をコイル状に巻回してなるスプリングで構成されてもよい。締め付けリング24は、その内側の案内孔に、連結板部21が挿通され、連結板部21の外周とアーム板部22の基端部22aの外周との間を軸方向に移動(スライド)可能に装着(外嵌)されている。
締め付けリング24が、図1Aまたは図1Bに示されているように、後方寄り(連結板部21)に配置された状態では、アーム板部22は自己の弾性により開いた(開脚した)状態になっており、必要に応じて、図1Cに示されるように、締め付けリング24を先端寄りの位置(基端部22a)に移動(スライド)させることにより、アーム板部22を閉じた(閉脚した)状態にすることができる。
コイルバネ3は、ステンレス鋼等の金属素線を巻回して形成された引張コイルバネである。コイルバネ3は、図2Aおよび図2Bに示されているように、金属素線を巻回してなる本体部31の一端にクリップ本体2に連結するためのクリップ用フック部32を、本体部31の他端にループ部材4を装着(取り付ける)ための直線状のループ部材用フック部33を有している。クリップ用フック部32は、略円筒状に巻回された金属素線(本体部31)の一端の略1周分(1周分以上であってもよい)に相当する部分を、本体部31の軸線に直交する面に対して略90度に折り曲げることにより形成されている。なお、クリップ用フック部32を別途作製して巻回された金属素線の一端に溶接固定するようにしてもよい。
ループ部材用フック部33は、本体部31の他端の一部を略D字を描くように内側に折り曲げて、直線状に成形することにより形成されている。該直線状に成形されたループ部材用フック部33の先端33aは、後述するループ部材4を連結した際に、該ループ部材4の抜けを防止する観点から、図2Bに示されているように、巻回された金属素線(本体部31)にまで至るようにすることが好ましい。ただし、ループ部材4を連結した後に接着等により固定する場合には、該直線状に成形された直線部の先端は、巻回された金属素線(本体部31)に至っていなくてもよい。
図3Aおよび図3Bに示されるように、ループ部材4は、クリップ本体2の一部にコイルバネ(接続部材)3を介して取り付けられる熱可塑性高分子材料成形部品(本実施形態では、熱可塑性高分子材料の射出成型品)からなり、クリップ装置5の連結フック(係合部材)51がその一部に連結可能(係合可能)なループ状(無端状)に形成されたループ部41、およびコイルバネ3に接続するためのアダプタ部42を備えている。ループ部41の形状は、本実施形態では、全周に渡って一様な断面形状(略円形)を有する、平面視において略円環形状である。
ループ部41は、後述するクリップ装置5のアウターシース54の先端部に収納し得る程度の可撓性を有するとともに、クリップ装置5を用いて、連結フック(係合部材)51を該ループ部41の一部に連結(係合)させた状態で該連結フック51をインナーシース52の先端部から引き込むことにより、該インナーシース52の先端と該連結フック51とにより生じる剪断力によって切断されるように構成されている。
より具体的には、ループ部41は、アウターシース54の内部に収納し得る程度の可撓性と、インナーシース52の先端と連結フック51とにより生じる剪断力によって切断され得る程度の脆性(脆さ)とを両立的に有するように、アウターシース54の先端部の内径、インナーシース52の先端部の内径、連結フック51の構成等との関係において、形状(ループ形状、断面形状)、寸法(ループの径、断面の径)、素材、成形方法、成形条件(成型温度、圧力等)等が設定されている。
アダプタ部42は、本実施形態では、ループ部41と一体的に形成された略矩形板状の部位であり、板面に略垂直な方向に貫通するバネ用貫通孔42aが形成されている。このバネ用貫通孔42aは、コイルバネ3のループ部材用フック部(直線部)33が嵌入可能な略円形の孔である。バネ用貫通孔42aの内径はコイルバネ3のループ部材用フック部(直線部)33の外径と同等かまたは僅かに大きい値に設定されている。
本実施形態では、アダプタ部42は、ループ部41とともに一体的に射出成型することによって形成しているが、アダプタ部42をループ部とは独立したアダプタ部材として、これをループ部41に接合するようにしてもよい。この場合において、当該アダプタ部材としては、アダプタ部42のような略矩形板状のものに限られず、コイルバネ3とループ部41とを連結する機能が実現できれば、他の形状、構成のものであってもよい。
ループ部材4のコイルバネ3に対する連結は、コイルバネ3のループ部材用フック部(直線部)33を必要に応じて外側(先端部33aが本体部31の端部から離間する方向)に弾性変形させつつ、アダプタ部42のバネ用貫通穴42aを貫通するように嵌入(挿通)させた状態で、アダプタ部42の開放端側がコイルバネ3(本体部31)の内側に位置するように挿入・配置して、アダプタ用フック部33の弾性変形を解除する。これにより、ループ部材4は、コイルバネ3に連結される(取り付けられる)。このように、アダプタ部42をコイルバネ3に連結するための作業は容易であるとともに、アダプタ部42がコイルバネ3から脱落してしまうことも防止される。なお、アダプタ部42がコイルバネ3から脱落することをより確実に防止するため、ループ部材用フック部33とアダプタ部42bのバネ用貫通孔42aとの接触部分を接着するようにしてもよい。
ループ部材4の素材としては、熱可塑性高分子材料が用いられ、具体的にはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂やポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーを例示することができる。ループ部41の直径(外側の直径)はφ2~6mm程度、ループ部41の断面の直径は0.2~0.5mm程度とすることができる。バネ用貫通孔42aの直径は0.1~0.3mm程度とすることができる。
上述したような内視鏡用牽引クリップ1は、クリップ装置5の先端部(遠位端部)に装着・収納され、クリップ装置5のシース部を、内視鏡のルーメン内に挿入して、処置すべき生体組織まで導かれる。ここで、クリップ装置の一例について、図5Aおよび図5Bを参照して説明する。
クリップ装置5は、連結フック51、インナーシース52、駆動ワイヤ53、アウターシース54、補強コイル55、スライダ56、ベース部57、および操作部58を概略備えて構成されている。
チューブ状のアウターシース54には、同じくチューブ状のインナーシース52が挿通されており、インナーシース52には駆動ワイヤ53が挿通されている。インナーシース52はアウターシース54内で摺動(スライド)可能となっており、駆動ワイヤ53はインナーシース52内で摺動(スライド)可能となっている。
アウターシース54は可撓性を有する中空チューブからなり、本実施形態ではコイルチューブを用いている。コイルチューブとしては、金属(ステンレス鋼)等からなる長尺平板を螺旋状に巻回してなる平線コイルチューブを用いることができる。ただし、丸線コイルチューブ又は内面平コイルチューブを用いてもよい。アウターシース54の先端部の内径は、2~3mm程度である。
インナーシース52は可撓性を有する中空チューブからなり、本実施形態ではワイヤチューブを用いている。ワイヤチューブは、たとえば金属(ステンレス鋼)等からなる複数本のワイヤ(ケーブル)を中空となるように螺旋状に撚ってなる中空撚り線からなるチューブである。なお、インナーシース52としては、主としてワイヤチューブを用い、その先端側の一部のみをコイルチューブとしたものを用いてもよい。インナーシース52の先端部の内径は、1.5~2.5mm程度である。
駆動ワイヤ53は可撓性を有するワイヤからなり、本実施形態ではワイヤロープを用いている。ワイヤロープは、たとえば金属(ステンレス鋼)等からなる複数本のワイヤ(ケーブル)を螺旋状にねじってなる撚り線からなるロープである。ただし、駆動ワイヤ53としては、インナーシース52と同様なワイヤチューブを用いてもよい。
クリップ装置5のシース先端に配置される連結フック51は、図5Cに示されているように、その先端に向かって略V字状に配置された弾性体からなる一対のアーム部51a,51aを有し、インナーシース52との協働によって、開脚(開いた)状態と閉脚(閉じた)状態の二つの状態をとり得るようになっている。連結フック51のアーム部51a,51aの先端部には、内側(互いに相対する側)に折り曲げられることにより爪部51b,51bが形成されており、クリップ本体2の連結部21を把持して連結できるようになっている。
連結フック51の基端部は、一対のアーム部51a,51aの基端部に連続して略U字状に形成されたU字状部51cとなっている。爪部51b,51bを含むアーム部51a,51aおよびU字状部51cは弾性体からなる一つの細長い板材を適宜に折り曲げる(塑性変形させる)ことにより形成することができる。特に限定されないが、連結フック51を構成する板材の板厚は0.20~0.24mm程度であり、幅は0.6mm程度である。板材としては、たとえばステンレス鋼が用いられる。
インナーシース52内にスライド可能に挿入された駆動ワイヤ53の先端(遠位端)には、略円環状に形成された円環部材53aがレーザ溶接等により一体的に溶接固定されている。円環部材53aの外径は1.2mm程度、内径は0.8~1.0mm程度である。
連結フック51は、円環部材53aに挿通され、U字状部51cが円環部材53aに遊嵌されるように配置されることにより、駆動ワイヤ53の遠位端に首振り可能に取り付けられる。連結フック51を、このような円環部材53aおよび該円環部材53aに遊嵌されるU字状部51cを介して駆動ワイヤ53の先端に取り付けることにより、連結フック51は、図5Cにおいて矢印a1方向に自在に回動することができるようになっている。
図5Aおよび図5Bに戻り、アウターシース54の基端(近位端)側近傍は補強コイル55に挿入されて該補強コイル55に一体的に固定されている。補強コイル55はスライダ56に一体的に固定されており、スライダ56の内側にベース部57の遠位端側の部分が挿入配置されている。スライダ56は、ベース部57に対して、先端(遠位端)側に移動した位置と基端部(近位端)側に移動した2つの位置との間で位置決め可能にスライドし得るようになっている。
ベース部57には、操作部58がスライド可能に保持されており、ベース部57にはインナーシース52が固定されている。駆動ワイヤ53の基端は操作部58に固定されている。
操作部58をベース部57に対して先端側(遠位端側)にスライドさせると、インナーシース52が駆動ワイヤ53に対して引き込まれて、駆動ワイヤ53の先端の連結フック51がインナーシース52の先端から突出して、自己の弾性により開脚する。操作部58をベース部57に対して基端側(近位端側)にスライドさせると、駆動ワイヤ53がインナーシース52に対して引き込まれて、駆動ワイヤ53の先端の連結フック51がインナーシース52内に入り込みつつ、徐々に閉脚し、インナーシース52内に埋没することにより、完全に閉脚するようになっている。
スライダ56をベース部57に対して基端側の位置にスライドすると、インナーシース52をアウターシース54の先端から突出させることができ、反対に、スライダ56をベース部57に対して先端側の位置にスライドすると、インナーシース52の先端をアウターシース54内に収納(埋没)させることができるようになっている。
次に、上述した内視鏡用牽引クリップ1の使用方法について説明する。クリップ本体2において、連結板部21の外周で基端部22aの近くに締め付けリング24が外嵌された状態では、断面U字状の連結板部21には連結孔25が形成される(図1A、図6A参照)。この連結孔25に、図5Aの連結フック51を係合させ、連結フック51をインナーシース52の内部に引き込むことで、連結フック51が閉脚し、内視鏡用牽引クリップ1のクリップ本体2がインナーシース52の先端に取り付けられる(図6A参照)。
この状態で、内視鏡用牽引クリップ1(クリップ本体2、コイルバネ3およびループ部材4)が連結されたインナーシース52の先端部をアウターシース54内に引き込み、図6Bに示されているように、内視鏡用牽引クリップ1(クリップ本体2、コイルバネ3およびループ部材4)の全体をアウターシース54の遠位端部の内側に収納する。この状態では、クリップ本体2の締め付けリング24は連結板部21に位置したままであり、アーム板部22はアウターシース54の内壁の作用によって閉脚している。また、ループ部材4のループ部41は、アウターシース54の内壁の作用によって、弾性的に変形した状態で、該アウターシース54内に収納される。
不図示の内視鏡を用いて、内視鏡用牽引クリップ1が装着されたクリップ装置5のシース部の先端部を、切開(剥離)処置を行うべき生体組織の近傍に位置させる。次いで、アウターシース54を基端側にスライドさせることにより、内視鏡用牽引クリップ1をアウターシース54の遠位端から突出させる。これにより、図6Aに示されているように、アーム板部22が自己の弾性により開脚した状態となるとともに、ループ部材4のループ部41が自己の弾性により元の形状に戻る。
アーム板部22が開脚した状態で、たとえば、図7Aに示されているように、粘膜(生体組織)の切除(剥離)すべき部位(病変部)Xの近傍に位置させる。次いで、インナーシース52を駆動ワイヤ53に対して先端側にスライドさせることにより、締め付けリング24がアーム板部22の先端側にスライドする。その結果、アーム板部22が徐々に閉脚し(互いに近づき)、病変部Xを挟んで一方の側の粘膜と他方の側の粘膜とが手繰り寄せられる。
インナーシース52を駆動ワイヤ53に対して先端側にさらにスライドさせることにより、締め付けリング24がアーム板部22の把持部22b側に移動し(図1C参照)、内視鏡用牽引クリップ1(クリップ本体2)による病変部Xの把持が完了する。この状態で、インナーシース52を駆動ワイヤ53に対して基端側にスライドさせることにより、連結フック51がインナーシース52の遠位端から押し出されて開脚し、内視鏡用牽引クリップ1(クリップ本体2)の連結フック51による把持(係合)が解除され、内視鏡用牽引クリップ1(クリップ本体2)の病変部Xに対するクリッピングが完了する。
次に、一旦内視鏡からクリップ装置5を抜き去ってから、別途用意された他のクリップ(通常のクリップ)7を、クリップ装置5(またはクリップ装置5と同様の構成を備える別途用意されたクリップ装置)の先端部に装着し、通常のクリップ7が装着されたクリップ装置5のシース部の先端部を、病変部Xに対向(対峙)する適宜な部位(対向部位)Yの近傍まで搬送する。なお、通常のクリップ7としては、図1A~図1Cに示した内視鏡用牽引クリップ1からコイルバネ3およびループ部材4を取り外したクリップ本体2と同様の構成のクリップを用いることができる。
次いで、通常のクリップ7の一対のアーム板部の一方でループ部材4のループ部41を掬い上げ(ループ部41の一部を一対のアーム板部の間の部分に位置させて)、コイルバネ3を引き延ばしつつ、上述のクリップ本体2による病変部Xの把持と同様に、通常のクリップ7を対向部位Yにクリッピングする。これにより、コイルバネ3の弾性力(張力)によって病変部Xが牽引される(つり上げられる)。この状態にした後、内視鏡を介して内視鏡用電気メス8を挿入して、その電気メス8を用いて病変部Xの外周を切開する。病変部Xは切開により剥離された部分からコイルバネ3の弾性力(張力)によってつり上げられるので、病変部Xの切開により剥離された部分が視界を遮ったり、手技の邪魔になったりすることなく、病変部Xの全周を容易かつ確実に切開することができる。
次に、図7Bに示されるように、病変部Xの切除が完了して、内視鏡用電気メス8を内視鏡から抜き去った後に、クリップが装着(連結)されていない状態のクリップ装置5(またはクリップ装置5と同様の構成を備える別途用意されたクリップ装置)の先端部を、牽引中のループ部材4のループ部41の近傍に位置させ、連結フック51をインナーシース52の先端から突出させて開脚させる。この状態で、図8Aに示されるように、ループ部41の適宜な一部を把持し得るようにその位置を微調整する。
次いで、駆動ワイヤ53に対してインナーシース52を先端側に押し出して、連結フック51を閉脚させて、図8Bに示されるように、ループ部41の適宜な一部を連結フック51で把持して、ループ部41をインナーシース52の先端に当接させた状態とする。その後、図8Cに示されるように、インナーシース52に対して駆動ワイヤ53を基端側にスライドさせて引き込むことにより、ループ部41の当該適宜な一部が、インナーシース52の先端と連結フック51とにより生じる剪断力によって切断される。なお、ループ部41の切断後、病変部Xは牽引クリップ1とともにクリップ装置5の連結フック51または内視鏡用把持鉗子等により把持して体外に摘出することができる。
上述した実施形態に係る内視鏡用牽引クリップ1のループ部材4(ループ部41)は、クリップ本体2の一対のアーム板部22,22を閉脚させるために締め付けリング24をスライドさせるクリップ装置5を用いて切断することができるため、ループ部材4を切断するための切断器具を別途準備する必要がなく、処置に要するコストを低減することができる。また、上述した実施形態に係る内視鏡用牽引クリップ1のループ部材4は、ループ部41とアダプタ部42とを一体的に有しているため、特許文献2に記載のようなアダプタ部材を別途用いる必要がなく、その構成が簡略である。
上述した実施形態では、ループ部材4のループ部41の外形は、平面視で略円形であるものとしたが、これに限られず、楕円形、長円形、多角形(たとえば、菱形)、あるいはこれらの一部を切り取って2以上組み合わせてループ状としたものであってもよい。たとえば、図4Aに示されるように、半円形(円弧形状)の部分41aと半菱形(V字形状)の部分41bとで構成されたループ形状としてもよい。
また、アダプタ部42のループ部41に対する位置は、本実施形態では、ループ部41が略円形であるため、どこでもよいが、ループ部41を楕円等の偏平な形状とした場合には、長軸方向の一方に設けることが好ましい。ループ部41を半円形(または半楕円形)の部分41aと半菱形(V字形状)の部分41bとで構成されたループ形状とした場合には、アダプタ部42は、V字の部分41bの頂点部分に設けることが好ましい。
さらに、ループ部41の断面形状は、本実施形態では、略円形としているが、これに限られず、楕円形、長円形、または多角形としてもよい。
また、上述した実施形態では、ループ部材4のループ部41は、その全周に渡って一様な略円形の断面を有しているものとしたが、たとえば図4Bに示されるように、ループ部材4のループ部41の一部を他の部分よりも細径として、当該一部が他の部分よりも弱い力で切断可能となるような脆弱部(細径部41c)を設けてもよい。このような脆弱部をクリップ装置5で切断することにより、その切断をより弱い力で容易に行うことができる。
なお、同図では、脆弱部としての細径部41cは、連結フック51によるアプローチのし易さを考慮して、アダプタ部42が3時の位置となるように設定した状態で、12時と6時の位置の2か所としたが、これらと異なる位置としてもよく、その数も1つでも、3つ以上でもよい。また、ループ部41に設ける脆弱部としては、細径とすることに限定されず、その断面形状は変更することなく、内部の組成を変更することにより、その一部が他の部分よりも弱い力で切断可能となるような脆弱部としてもよい。たとえば、射出成型時に、脆弱部としたい部分で溶融材料が両側から流れ込んで接合させるようにすると、その接合部分(境界部分)を脆弱にし得るので、そのような方法で、当該脆弱部を形成してもよい。
また、上述した実施形態では、ループ部材4のループ部41は、その全周に渡って一様な径(線径)を有するものとしたが、たとえば図4Cおよび図4Dに示されるように、ループ部材4のループ部41の一部を他の部分よりも太径とした太径部41dを設けてもよい。ループ部41の一部を太径部41dとすることにより、クリップ装置5でループ部41(太径部41d以外の部分)を切断する際に、太径部41dが存在することによって、ループ部41全体がクリップ装置5のインナーシース52に引き込まれてしまって、ループ部41を切断するのに十分な剪断力をループ部41に及ぼせなくなる事象を防止することができる。
なお、同図では、太径部41dは、連結フック51によるループ部41(太径部41d以外の部分)へのアプローチのし易さを考慮して、アダプタ部42の近傍側にループ部41の半周分より少し短い程度の長さに設けたが、これと異なる位置や長さに形成してもよい。また、太径部41dとそれ以外のループ部41との境界では、ループ部41の径がテーパ状に変化するようにしたが、たとえば段差状に径が変化するようにしてもよい。
また、図4Bではループ部41のアダプタ部42から離間した2箇所に脆弱部41c,41cを設けたものを示したが、図9A~図9Eに示すように、アダプタ部42に近接した2箇所に脆弱部41eを設けてもよい。これらのように脆弱部を2箇所に設けることにより、切断時に切断し易い方を選択することができるため、切断作業の容易化を図ることができる。ただし、ループ部41が強度的に不十分となるおそれがあったり、牽引の作業時等において、ループ部41が通されたクリップ(図7Aの通常のクリップ7参照)のアーム部が脆弱部41cに引っ掛かり、作業の支障となるおそれがあったりする場合には、脆弱部41eを1箇所とすることにより、これらの問題を少なくすることができる。
なお、図9A~図9Eに示した変形例では、ループ部41は、ループ部41の一部をクリップ装置5の連結フック51で把持して、インナーシース52内に容易に引き込める程度の可撓性を有するように、インナーシース52の先端部の内径等との関係において、形状(ループ形状、断面形状)、寸法(ループの径、断面の径)、素材、成形方法、成形条件(成型温度、圧力等)等が設定されている。また、図9A~図9Eに示した変形例では、アダプタ部42がループ部41の内側に突出する突起部42bを有している。この突起部42bは、ループ部41の一部をクリップ装置5の連結フック51で把持して、インナーシース52内に引き込んだ際に、突起部42bを含むアダプタ部42がインナーシース52の先端部に引っ掛かって容易にはインナーシース52内に引き込まれないように、インナーシース52の先端部の内径等との関係において、寸法、剛性等が設定されている。図9A~図9Eに示した変形例では、ループ部41の一部をクリップ装置5の連結フック51で把持して、インナーシース52に対して駆動ワイヤ53を基端側にスライドさせて引き込むことにより、ループ部41の略全体がインナーシース52内に引き込まれて、アダプタ部42のみがインナーシース52の先端部に引っ掛かる。そして、さらにループ部41に引き込む方向の力をかけることにより、ループ部41に引張力がかかって、脆弱部41eにおいてループ部41が切断される。
また、上述した実施形態では、ループ部41をクリップ装置5の連結フック51で把持してインナーシース52の先端から引き込むことによって、ループ部41にインナーシース52と連結フック51とにより切断力を作用させて切断するようにしている。しかし、クリップ装置5でループ部41の切断を繰り返し実施すると、連結フック51のアーム部41にヘタリ(塑性変形)が生じる場合があり、切断に必要な十分な把持力を発揮できなくなる場合があり得る。
この問題に対処するため、図10A~図10Cに示すように、上述したクリップ装置5に切断用クリップ9を連結し、該切断用クリップ9の一対のアーム部92,92を閉脚させてループ部41の一部(ループ部41が脆弱部を有する場合には該脆弱部が好ましい)を把持させた状態で、切断用クリップ9をアウターシース54の先端から引き込むことにより、アウターシース54の先端と切断用クリップ9とにより生じる力によって切断するようにするとよい。なお、切断用クリップ9としては、図1A~図1Cに示した内視鏡用牽引クリップ1からコイルバネ3およびループ部材4を取り外したクリップ本体2と同様の構成のクリップ(止血クリップ等として一般的に用いられている通常のクリップ)を用いることができる。
すなわち、図10Aに示されるように、連結フック51の一対のアーム部51a,51aで切断用クリップ9の連結部91を把持してインナーシース52の先端に該切断用クリップ9を連結した状態で、開脚している切断用クリップ9がループ部41の適宜な一部を把持し得るようにその位置を微調整する。次いで、駆動ワイヤ53に対してインナーシース52を先端側に押し出して、締め付けリング94を先端側にスライドさせて切断用クリップ9の一対のアーム部92,92を閉脚させて、図10Bに示されるように、ループ部41の適宜な一部を切断用クリップ9で把持させた状態(クリッピングした状態)とする。その後、図10Cに示されるように、インナーシース52に対してアウターシース54を先端側にスライドさせて、アウターシース54の先端をループ部41に当接させた状態とする。次いで、アウターシース54に対してインナーシース52を駆動ワイヤ53とともに基端側にスライドさせて、切断用クリップ9をアウターシース54内に引き込むことにより、ループ部41の当該適宜な一部が、アウターシース54の先端と切断用クリップ9とにより生じる力によって切断される。
次の切断(別の牽引クリップのループ部の切断)を行う場合には、切断用クリップ9は新たなものに交換して行えばよいので、図8A~図8Cのように、連結フック51で切断する場合と比較して、切断を繰り返してもヘタリの問題が生じることがなく、常に切断を適切に行うことができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上述した実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
1…内視鏡用牽引クリップ
2…クリップ本体
21…連結板部(連結部)
22…アーム板部(アーム部)
22a…基端部
22b…把持部
23…爪部
24…締め付けリング
25…連結孔
3…コイルバネ(接続部材)
31…本体部
32…クリップ用フック部
33…ループ部材用フック部
4…ループ部材
41…ループ部
42…アダプタ部
42a…バネ用貫通孔
41c…細径部(脆弱部)
41d…太径部
41e…脆弱部
5…クリップ装置
51…連結フック
52…インナーシース
53…駆動ワイヤ
54…アウターシース
7…通常のクリップ
8…内視鏡用電気メス
9…切断用クリップ
X…病変部
Y…対向部位

Claims (6)

  1. 略V字状に開脚する一対のアーム部、および該アーム部の基端側の連結部にスライド可能に外嵌されたリング状の締め付けリングを備えるクリップ本体と、
    前記クリップ本体の一部に直接にまたは接続部材を介して取り付けられる熱可塑性高分子材料成形部品であり、ループ状に形成されたループ部を備え、該ループ部の一部に他の部分よりも弱い力で切断可能な脆弱部を有するループ部材と、
    を有する内視鏡用牽引クリップ。
  2. 前記ループ部の一部を他の部分よりも細く形成して前記脆弱部とした請求項1に記載の内視鏡用牽引クリップ。
  3. その先端側に向かって略V字状に開脚する一対のアーム部、および該アーム部の基端側の連結部にスライド可能に外嵌されたリング状であり、シースおよび該シースに対して進退自在に配置され、該連結部に係脱可能に係合する係合部材を有するクリップ装置を用いて、該連結部に該係合部材が係合された状態で該係合部材を該シースの先端から引き込むことにより、該シースの先端部で押されてスライドして、該アーム部を閉脚させる締め付けリングを備えるクリップ本体と、
    前記クリップ本体の一部に直接にまたは接続部材を介して取り付けられる熱可塑性高分子材料成形部品であり、前記クリップ装置の前記係合部材がその一部に係合可能なループ状に形成されたループ部を備え、前記クリップ装置を用いて、前記係合部材を該ループ部の一部に係合させた状態で該係合部材を前記シースの先端から引き込むことにより、切断されるように構成されたループ部材と、
    を有する内視鏡用牽引クリップ。
  4. 前記係合部材は、前記シースの先端から押し出されることにより略V字状に開脚し、該シース内に引き込まれることにより閉脚する連結フックを有する請求項3に記載の内視鏡用牽引クリップ。
  5. その先端側に向かって略V字状に開脚する一対のアーム部、および該アーム部の基端側の連結部にスライド可能に外嵌されたリング状であり、インナーシースおよび該インナーシースに対して進退自在に配置され、該連結部に係脱可能に係合する係合部材、および該インナーシースがスライド可能に挿通されたアウターシースを有するクリップ装置を用いて、該連結部に該係合部材が係合された状態で該係合部材を該インナーシースの先端から引き込むことにより、該インナーシースの先端部で押されてスライドして、該アーム部を閉脚させる締め付けリングを備えるクリップ本体と、
    前記クリップ本体の一部に直接にまたは接続部材を介して取り付けられる熱可塑性高分子材料成形部品であり、前記クリップ装置の前記係合部材がその一部に係合可能なループ状に形成されたループ部を備え、前記クリップ装置を用いて、前記クリップ本体と実質的に同じ構成の切断用クリップの連結部に該係合部材を係合させて該切断用クリップを該インナーシースの先端に連結し、該切断用クリップの一対のアーム部を閉脚させて該ループ部の一部を把持させた状態で該切断用クリップを該アウターシースの先端から引き込むことにより、切断されるように構成されたループ部材と、
    を有する内視鏡用牽引クリップ。
  6. 前記係合部材は、前記インナーシースの先端から押し出されることにより略V字状に開脚し、該インナーシース内に引き込まれることにより閉脚する連結フックを有する請求項5に記載の内視鏡用牽引クリップ。
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