JP7140102B2 - 摩擦材組成物、摩擦材および摩擦部材 - Google Patents

摩擦材組成物、摩擦材および摩擦部材 Download PDF

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Description

本発明は、摩擦材組成物、摩擦材および摩擦部材に関する。
一般に自動車等が搭載するブレーキとしては、主にディスクブレーキとドラムブレーキの2つに大きく分けられる。ディスクブレーキは、走行中に車輪と一体になって回転するディスクロータをブレーキパッドで挟み、その際に発生する摩擦力によって制動力を発生させるものである。また、ドラムブレーキは、例えば、車輪の内側に設置されたドラムの内部にブレーキライニング(ブレーキシューとも称される。)が装着され、それを内側から外側へ圧着させることで制動力を発揮するものである。
ディスクブレーキのブレーキパッドおよびドラムブレーキのブレーキライニングには摩擦材が設けられ、該摩擦材が、ディスクロータ、ドラム等の対面材と摩擦し、自動車等の運動エネルギーを熱エネルギーに変換することにより制動を行う。
ブレーキパッドおよびブレーキライニングに使用される摩擦材の材料は、(1)繊維基材としてスチール繊維を摩擦材組成物全量に対して30質量%以上60質量%未満含有する、セミメタリック材、(2)繊維基材の一部にスチール繊維を含み、且つ、該スチール繊維を摩擦材組成物全量に対し30質量%未満含有する、ロースチール材、(3)繊維基材としてスチール繊維およびステンレス繊維等のスチール系繊維をほとんど含まないNAO(Non-Asbestos-Organic)材とに分類される。このうち、NAO材は、摩擦係数の安定性に優れ、不快なノイズおよび振動等が少なく低騒音性に優れることから、欧州以外の、例えば日本、北米、南米、アジア等の主要地域で、該NAO材を用いて形成される摩擦材が広く採用されている。
ところで、運動エネルギーから熱エネルギーへの変換に伴い、一部が振動エネルギーへと変換される場合が生じることがある。この場合、振動エネルギーがブレーキの際の振動または鳴きを発生させるため、自動車等の使用者に不快感を与えることとなり、摩擦材の商品性が著しく低下する。このため、摩擦材には、高い摩擦係数および該摩擦係数の安定性ならびに耐摩耗性が求められるだけでなく、鳴きおよび振動等が発生し難いことも要求される。
一般的な摩擦材には、結合材、繊維基材、金属粉、無機充填材および有機充填材等が含まれ、前記特性を発現させるために、それぞれ1種または2種以上を組み合わせたものが含まれる。繊維基材としては、有機繊維、無機繊維、金属繊維等が用いられているが、特に、耐摩耗性、熱履歴を受けた後の摩擦係数の安定性、摩擦材の強度、および耐クラック性を向上させるために、金属繊維として銅繊維および銅合金の繊維等、銅の含有量の多い繊維が使用されている。例えば、特許文献1は、銅繊維の含有量が10~30重量%であり、且つ摩擦調整材の一部にカシュー樹脂を特定量使用した摩擦材を開示しており、該文献の比較例1等では、銅繊維の含有量が10重量%を下回ると、摩擦係数の安定性が低下し、耐摩耗性が低下し、さらに異音が発生し易くなることを示している。つまり、カシュー樹脂を含有する摩擦材では、摩擦係数の安定性、耐摩耗性、および異音発生抑制の観点から、銅を10~30重量%含有する必要があることが示されている。
しかし、これら銅または銅合金を含有する摩擦材は、制動により発生する摩耗粉に銅を多量に含むため、それが河川、湖および海洋等の汚染の原因となることが示唆されており、米国、特にカリフォルニア、ワシントンを中心として、摩擦材における銅成分の使用量を制限する法律が施行されている。そのため、米国をはじめ、諸外国にて使用し得る摩擦材とするには、銅を含有しないか、または銅の含有量を大幅に低減する必要があり、特許文献1にて提案されている銅を含有する摩擦材は、現在では商業的価値が乏しくなっている。
そこで、銅または銅合金等を含まずとも、摩擦係数、耐摩耗性および耐ロータ摩耗性が良好な摩擦材を提供することを目的として、酸化マグネシウムと黒鉛を摩擦材中に45~80体積%含有し、酸化マグネシウムと黒鉛の比を1/1~4/1とする方法が提案されている(特許文献2参照)。
また、このような銅の使用量を制限する動きの中、特許文献3では、銅を含有しない組成における強度および耐摩耗性を改善する手法として、複数の凸形状を有するチタン酸カリウムと生体溶解性無機繊維とを含有させた摩擦材が提案されている。
特開平06-017030号公報 特開2002-138273号公報 特開2013-076058号公報
例えば自動車の使用環境は、温暖な地域から寒冷な地域まで様々であり、自動車部品としては、このような使用環境の変化があっても等しい特性を発揮することが求められる。自動車の制動に用いられる摩擦材についても同様であるが、有機充填材、無機充填材および繊維基材を結合材で結合した摩擦材においては、寒冷地で放置すると、有機充填材および結合材が硬くなり、寒冷環境での放置後に動作させると、摩擦係数の急激な変動を生じたり、鳴き(いわゆる低温鳴き)が発生したりすることがある。
最近では、坂道発進補助等、自動制御による利便性の向上、パーキングブレーキレバーのスイッチ化による車内空間の有効活用等のメリットから、電動パーキングブレーキ(EPB)が急速に普及している。車両の静止時に摩擦界面で発生した錆によって摩擦材が摩擦対面材と固着すると、車両の発車時に固着した摩擦材と摩擦対面材が剥離する際に、異音が発生したり、摩擦材の表面剥離(錆剥離)が生じたりし易いため、該EPB用のブレーキパッドには低錆固着性が求められる。
このような状況の下、特許文献2および3に記載の摩擦材では、寒冷環境下に放置後の摩擦係数の安定性、耐摩耗性および低錆固着性に優れ、且つ鳴き(特に低温鳴き)が抑制された摩擦材を得ることは困難である。また、前述のように、銅を含有しないか、または銅の含有量を低減した摩擦材は、そもそも、摩擦係数の安定性および耐摩耗性が低くなり、且つ異音が発生し易くなる傾向にあり、さらには錆固着性も低下する傾向となる。そのため、寒冷環境下に放置後の摩擦係数の安定性、耐摩耗性および低錆固着性に優れ、且つ鳴き(特に低温鳴き)が抑制された摩擦材を、銅を含有させることなく得るのは困難であった。
そこで、本発明の課題は、銅を含有しないか、または銅を含んでいても該銅の含有率は銅元素として0.5質量%未満である摩擦材において、寒冷環境下に放置後の摩擦係数の安定性、耐摩耗性および低錆固着性に優れ、且つ鳴き(特に低温鳴き)が抑制された摩擦材を与えることができる摩擦材組成物を提供すること、ならびに該摩擦材組成物を成形してなる摩擦材、および該摩擦材を用いた摩擦部材を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、銅を含有しないか、または銅の含有量が銅元素として0.5質量%未満であっても、シリコーン樹脂が付着したカシューパーティクルを有機充填材として含有する摩擦材組成物であれば上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、係る知見に基づいて完成したものである。
本発明は下記[1]~[8]に関する。
[1]有機充填材、無機充填材、繊維基材および結合材を含有する摩擦材組成物であって、
該摩擦材組成物は、銅を含まないか、または銅を含んでいても該銅の含有率は銅元素として0.5質量%未満であり、
且つ、前記有機充填材として、シリコーン樹脂が付着したカシューパーティクルを含有する摩擦材組成物。
[2]前記シリコーン樹脂が付着したカシューパーティクルにおいて、シリコーン樹脂の付着率が0.5~45質量%である、上記[1]に記載の摩擦材組成物。
[3]前記シリコーン樹脂が付着したカシューパーティクルにおいて、シリコーン樹脂の付着率が7~30質量%である、上記[1]または[2]に記載の摩擦材組成物。
[4]前記シリコーン樹脂が付着したカシューパーティクルの含有量が、摩擦材組成物100質量部に対して0.5~15質量部である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の摩擦材組成物。
[5]銅を含まない、上記[1]~[4]のいずれかに記載の摩擦材組成物。
[6]上記[1]~[5]のいずれかに記載の摩擦材組成物を成形してなる摩擦材。
[7]上記[6]に記載の摩擦材が裏金上に配置された摩擦部材。
[8]上記[6]に記載の摩擦材が中間層を介して裏金上に配置された摩擦部材。
銅を含有しないか、または銅の含有量が銅元素として0.5質量%未満である摩擦材において、寒冷環境下に放置後の摩擦係数の安定性、耐摩耗性および低錆固着性に優れ、且つ鳴き(特に低温鳴き)が抑制された摩擦材を与えることができる摩擦材組成物、ならびに該摩擦材組成物を成形してなる摩擦材、および該摩擦材を用いた摩擦部材を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。但し、以下の実施形態において、その構成要素は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値およびその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
また、本明細書において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値および最大値として含まれる。本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、1つの数値範囲で記載された上限値または下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値または下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値または下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。さらに、本明細書において、摩擦材組成物中の各成分の含有率は、各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、摩擦材組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率を意味する。
[摩擦材組成物]
本発明は、有機充填材、無機充填材、繊維基材および結合材を含有する摩擦材組成物であって、
該摩擦材組成物は、銅を含まないか、または銅を含んでいても該銅の含有率は銅元素として0.5質量%未満であり、
且つ、前記有機充填材として、シリコーン樹脂が付着したカシューパーティクルを含有する摩擦材組成物である。
本発明の摩擦材組成物においては銅を含有しないことが好ましいが、銅を含む場合には、摩擦材組成物における銅の含有率を銅元素として0.5質量%未満とすることにより、環境中に摩耗粉として放出されても、河川等の汚染を引き起こさないものとすることができる。なお、銅の含有率は、繊維状や粉末状等の銅、銅合金および銅化合物に含まれる銅元素(Cu)の、全摩擦材組成物中における含有率を示す。
なお、本発明の摩擦材組成物は、NAO(Non-Asbestos-Organic)材に分類されるものであり、いわゆるノンアスベスト摩擦材組成物(アスベストを含有しない摩擦材組成物、または含有する場合であってもアスベストの含有量が極微量の摩擦材組成物)である。本発明の摩擦材組成物中、アスベストの含有量は0.2質量%以下であり、実質的に0質量%である。
まず、本発明者らは、寒冷環境下に自動車を放置した後に動作させた場合に生じる摩擦材の摩擦係数の急激な変化および低温鳴きの原因について、鋭意検討を重ね、次のように推察した。制動時にディスクロータ表面に摩擦材組成物が移着して形成されるトランスファーフィルムとディスクロータ表面の界面に錆が発生し、そして前記トランスファーフィルム中に分散する摩擦材またはディスクロータの摩耗粉に由来する鉄分等に錆が発生し、寒冷環境下に放置後に制動を行うと、ディスクロータ表面とトランスファーフィルムの界面に発生した錆から破断が生じてトランスファーフィルムが脱落することが原因ではないかと推察した。すなわち、銅を多量に含む従来の摩擦材においては、トランスファーフィルムに銅が多量に含有されるため、トランスファーフィルム中の銅によりディスクロータ表面が被覆されること、およびトランスファーフィルム中の鉄分も銅に被覆されることから、寒冷環境下で放置してもディスクロータ表面とトランスファーフィルムの界面に錆が発生し難い。しかし、銅を含まないか、または銅を含んでいても該銅の含有率が0.5質量%未満と微量の場合は、トランスファーフィルムの主成分が、チタン酸塩、結合材および有機充填材の分解生成物となるが、トランスファーフィルム中に分散する摩擦材の鉄分が錆び易く、また、トランスファーフィルムの薄い部分でディスクロータ表面に錆が発生しやすいため、錆により上記のトランスファーフィルムの脱落が生じるのであろうと推察する。
そこで、本発明者らは、かかる錆の発生を抑制する方法について鋭意検討を続けた結果、シリコーン樹脂が付着したカシューパーティクルを有機充填材として含有させることによってトランスファーフィルムの撥水性が高まり、その結果、寒冷環境下に放置した後であっても、ディスクロータの表面とトランスファーフィルムの界面に錆が発生することを抑制できた。その上、電動パーキングブレーキ(EPB)として使用した際の錆固着についても抑制できることが判明し、本発明に至った。
なお、本発明では、SAE J2521に準拠した試験において、75dB以上の音について「鳴き」と定義する。
以下、摩擦材組成物の各成分について順に説明する。
(有機充填材)
本発明の摩擦材組成物は、有機充填材として、シリコーン樹脂が付着したカシューパーティクルを含有する。本発明の摩擦材組成物は、シリコーン樹脂が付着したカシューパーティクルと共に、その他の有機充填材(シリコーン樹脂が付着していないカシューパーティクルを含む。)を含有していてもよい。但し、銅を含有しないか、または銅の含有量が銅元素として0.5質量%未満である摩擦材において、寒冷環境下に放置後の摩擦係数の安定性、耐摩耗性および低錆固着性を良好とする観点および鳴き(特に低温鳴き)を抑制する観点(以下、単に、本発明の効果の観点と称する。)からは、シリコーン樹脂が付着したカシューパーティクルの含有量が、カシューパーティクル総量に対して好ましくは40質量%以上、より好ましくは55質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上、最も好ましくは実質的に100質量%となるようにすることがよい。
有機充填材は、摩擦材の音振性および耐摩耗性等を向上させるための摩擦調整剤としての機能を発現し得るものである。ここで、本発明において、該有機充填材は繊維形状のもの(例えば後述の有機繊維)を含まない。
特に本発明においては、有機充填材としてシリコーン樹脂が付着したカシューパーティクルを含有することにより、銅を含有しないか、または銅の含有量が銅元素として0.5質量%未満である摩擦材において、寒冷環境下に放置後の摩擦係数の安定性、耐摩耗性および低錆固着性に優れ、且つ鳴き(特に低温鳴き)が抑制されるという効果が得られる。
摩擦材組成物が含有する有機充填材としては、カシューパーティクルのほか、ゴム成分、メラミンダスト等が挙げられる。ゴム成分としては、天然ゴム、合成ゴムが挙げられ。合成ゴムとしては、例えば、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、アクリルゴム、イソプレンゴム、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、タイヤトレッドゴムの粉砕粉等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、柔軟性および製造コストのバランスの観点から、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)が好ましい。
また、有機充填材としては、カシューパーティクルとゴム成分とを併用してもよいし、カシューパーティクルをゴム成分で被覆したものを用いてもよい。
有機充填材は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<シリコーン樹脂が付着したカシューパーティクル>
カシューパーティクルは、カシューナッツシェルオイルを硬化させたものを粉砕して得られ、一般的に、カシューダストと称されることもある。
カシューパーティクルは、一般的に、硬化反応に使用する硬化剤の種類に応じて、茶系、茶黒系、黒系等に分類される。カシューパーティクルは、分子量等を調整することで、耐熱性および音振性、さらに相手材であるロータへの被膜形成性等を制御し易くすることが可能である。カシューパーティクルとしては、市販品を使用することができ、市販品としては、例えば、茶系としては、カシュー株式会社製のH-101、東北化工株式会社製のFF1043等が挙げられる。茶黒系としては、カシュー株式会社製のH-9047、東北化工株式会社製のFF1058、パーマーインターナショナル社製の6010等が挙げられる。黒系としては、カシュー株式会社製のH-201、東北化工株式会社製のFF1080、FF1090、パーマーインターナショナル社製の6025等が挙げられる。
カシューパーティクルは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明では、シリコーン樹脂が付着したカシューパーティクルを用いる。かかるカシューパーティクルを用いることによって本発明の効果が得られるメカニズムについて、次のように推察する。まず、シリコーン樹脂は、撥水性を有すると共に、分解温度が高いために耐熱性が高いという特性を有する。シリコーン樹脂をカシューパーティクルに付着させることで、摩擦材におけるカシューパーティクルとシリコーン樹脂の存在位置を近くすることができる。制動時の摩擦熱によって熱分解したカシューパーティクルがディスクロータ表面に移着し、展延してトランスファーフィルムを形成する際に、熱分解したカシューパーティクルと共にシリコーン樹脂がディスクロータ表面に移着して展延することで、撥水性を有するシリコーン樹脂が、熱分解することなく、トランスファーフィルム中に略均一に分散し、トランスファーフィルムに撥水性が付与される。このため、錆の発生が効率的に抑制される。その結果、銅を含有しないか、または銅の含有量が銅元素として0.5質量%未満である摩擦材であるにも関わらず、寒冷環境下に放置後の摩擦係数の安定性、耐摩耗性および低錆固着性に優れ、さらに鳴き(特に低温鳴き)が抑制されるものと推察する。
なお、シリコーン樹脂が付着したカシューパーティクルは、カシューパーティクルを前記ゴム成分で被覆したものにシリコーン樹脂をさらに付着させたものであってもよい。
シリコーン樹脂が付着したカシューパーティクルを用いる手法は、摩擦材中に水酸化カルシウムを含有させて摩擦材のpHを上げて錆の発生の抑制を行なう手法と異なり、摩擦材中に含有させることのあるアラミド繊維の分解が生じるものではないことから、摩擦材の強度低下および耐摩耗性の低下が生じないという利点を有する。
上記効果を得るためには、摩擦材中のシリコーン樹脂の存在位置とカシューパーティクルの存在位置が近ければ近いほど好ましく、実質的に同じ位置に存在していることがより好ましい。このことから、シリコーン樹脂が付着したカシューパーティクルの態様としては、カシューパーティクルがシリコーン樹脂で「被覆」されている態様が好ましい。カシューパーティクルの表面が完全にシリコーン樹脂で被覆されて露出してない状態とすることが好ましいが、一部被覆が不完全であってもよい。
カシューパーティクルに付着するシリコーン樹脂としては、一般的なシリコーン樹脂を使用することができる。カシューパーティクルの被覆し易さの観点からは、シリコーン樹脂としては、動粘度が5,000~100,000cS程度の液状タイプであることが、作業性が良好となり好ましい。同様の観点から、シリコーン樹脂の動粘度は、より好ましくは7,000~50,000、さらに好ましくは7,000~30,000、特に好ましくは7,000~20,000、最も好ましくは8,000~15,000である。シリコーン樹脂としては、例えば、東レ・ダウコーニング株式会社製のSH200 FLUIDシリーズ、例えばSH200 FLUID 10,000CS等が挙げられる。
シリコーン樹脂をカシューパーティクルに付着する方法に特に制限はなく、例えば、加圧式ニーダー等を用いて、カシューパーティクルとシリコーン樹脂を混錬することでシリコーン樹脂を被覆することができる。また、シリコーン樹脂で被覆したカシューパーティクルの市販品をそのまま使用してすることもできる。シリコーン樹脂で被覆したカシューパーティクルの市販品としては、例えば、東北化工株式会社製のFF5290、CD337、カシュー株式会社製のH9594、パーマーインターナショナル社製のPH0001等が挙げられる。
前記シリコーン樹脂が付着したカシューパーティクルにおいて、シリコーン樹脂の付着率は、好ましくは0.5~45質量%、より好ましくは0.5~30質量%、さらに好ましくは3~25質量%、特に好ましくは7~25質量%、最も好ましくは7~20質量%であり、7~30質量%である態様も好ましい。カシューパーティクルにおけるシリコーン樹脂の付着率を上記範囲とすることで、本発明の効果が十分に発現すると共に、摩擦材組成物中のカシューパーティクルの偏析および音振性の低下を防げる傾向にある。
前記シリコーン樹脂が付着したカシューパーティクルの含有量は、摩擦材組成物100質量部に対して、好ましくは0.5~15質量部、より好ましくは2~10質量部であることがより好ましく、3~8質量部がさらに好ましい。0.5質量部以上とすることで、摩擦材とロータ表面の撥水性を改善して本発明の効果が十分に得られ、さらに摩擦材に適度な柔軟性を付与することができるため、音振性を改善できる傾向にある。15質量部以下とすることで、耐熱性および耐クラック性の低下を防げる傾向にある。
本発明の摩擦材組成物中における有機充填材の合計含有量は、摩擦材組成物100質量部に対して、好ましくは2~20質量部、より好ましくは3~15質量部、さらに好ましくは4~12質量部、特に好ましくは7~10質量部である。有機充填材の合計含有量を上記範囲とすることで、摩擦材が硬くなって鳴きなどの音振性能が悪化することを避けることができ、また、耐熱性の悪化および熱履歴による強度低下を避けることができる傾向にある。
なお、本発明の摩擦材組成物が、カシューダスト(但し、シリコーン樹脂が付着したものと付着していないものの両方を含む。)とゴム成分とを共に含有する場合、該カシューダストと該ゴム成分との含有質量比(カシューダスト/ゴム成分)は、柔軟性及び耐熱性の観点から、1/4~10/1であることが好ましく、1/3~9/1であることがより好ましく、1/2~8/1であることがさらに好ましく、1/2~5/1であることが最も好ましい。
(無機充填材)
無機充填材は、摩擦材の耐熱性、耐摩耗性、摩擦係数の安定性等の悪化を避けるための摩擦調整材としての機能を発現し得るものである。ここで、本発明においては、該無機充填材は繊維形状のもの(例えば後述の無機繊維)を含まない。
該無機充填材としては、摩擦材に通常用いられる無機充填材であれば特に制限はない。無機充填材としては、例えば、三流化アンチモン、硫化スズ、二硫化モリブデン、流化ビスマス、硫化亜鉛等の金属硫化物;チタン酸カリウム、チタン酸リチウムカリウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸マグネシウムカリウム等のチタン酸塩;マイカ、黒鉛、コークス、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ドロマイト、コークス、マイカ、バーミキュライト、硫酸カルシウム、粒状チタン酸カリウム、板状チタン酸カリウム、タルク、クレー、ゼオライト、ケイ酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、ムライト、クロマイト、酸化チタン、酸化マグネシウム、シリカ、四酸化三鉄、酸化亜鉛、ガーネット、α-アルミナ、γ-アルミナ、炭化珪素;鉄粉末、鋳鉄粉末、アルミニウム粉末、ニッケル粉末、スズ粉末、亜鉛粉末、および前記金属のうちの少なくとも1つの金属を含有する合金粉末等の金属粉末などが挙げられる。これらの中でも、金属硫化物、チタン酸塩、マイカ、黒鉛、水酸化カルシウム、硫酸バリウム、酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、金属硫化物、チタン酸塩、マイカ、黒鉛、水酸化カルシウム、硫酸バリウムおよび酸化ジルコニウムを併用することも好ましい。
無機充填材は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、上記無機充填材のうち、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムおよび酸化亜鉛は、摩擦材の錆発生の抑制の観点から好ましい。ただし、水酸化カルシウムは摩擦材のpHを増加させ、アラミド繊維が分解し易くなる傾向があるため、使用する際にはpHが高くなり過ぎないように使用量に注意することが好ましく、例えば、無機充填材として水酸化カルシウムを含有する場合、水酸化カルシウムの含有量は、摩擦材組成物100質量部に対して、好ましくは0.5~10質量部、より好ましくは1~8質量部、さらに好ましくは2~6質量部である。
本発明の摩擦材組成物中における、無機充填材の含有量は、摩擦材組成物100質量部に対して、好ましくは30~80質量部、より好ましくは40~78質量部、さらに好ましくは50~75質量部、特に好ましくは60~75質量部である。無機充填材の含有量を上記範囲とすることで、耐熱性の悪化を避けることができる傾向にある。
(繊維基材)
繊維基材は、摩擦材において補強作用を示すものである。繊維基材としては、無機繊維、有機繊維等が挙げられる。
繊維基材は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、無機繊維と有機繊維とを併用することが好ましい。
前記無機繊維としては、金属繊維、鉱物繊維、炭素繊維、セラミック繊維、生分解性セラミック繊維、ガラス繊維、ロックウール、チタン酸カリウム繊維、シリケート繊維、耐炎化繊維、珪酸カルシウム繊維等が挙げられる。前記珪酸カルシウム繊維としては、繊維状のウォラストナイト、繊維状のゾノライト等が挙げられる。
無機繊維は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。無機繊維としては、金属繊維、鉱物繊維が好ましく、鉱物繊維がより好ましい。
前記金属繊維としては、アルミニウム、鉄、亜鉛、錫、チタン、ニッケル、マグネシウム等の金属単体または合金形態の繊維、鋳鉄等の金属を主成分とする繊維などが挙げられる。合金形態の繊維(合金繊維)としては、鉄合金繊維、アルミニウム合金繊維等が挙げられる。金属繊維は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
耐クラック性および耐摩耗性の向上の観点からは、一般的には、銅繊維または銅合金繊維が好まれるが、銅または銅合金の繊維を含有させる場合、前述の通り環境汚染の問題を有するため、本発明では、該摩擦材組成物中における銅の含有量は、銅元素として0.5質量%未満とし、好ましくは0.3質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、さらに好ましくは実質的に銅を含まない態様である。なお、銅合金繊維としては、銅繊維、黄銅繊維、青銅繊維等が挙げられる。
前記鉱物繊維は、スラグウール等の高炉スラグ、バサルトファイバー等の玄武岩、その他の天然岩石等を主成分として溶融紡糸した人造無機繊維である。鉱物繊維としては、例えば、SiO、Al、CaO、MgO、FeO、NaO等を含有する鉱物繊維、またはこれら化合物を1種または2種以上含有する鉱物繊維等が挙げられる。鉱物繊維としては、アルミニウム元素を含む鉱物繊維が好ましく、Alを含有する鉱物繊維がより好ましく、AlとSiOとを含有する鉱物繊維がさらに好ましい。
摩擦材組成物中に含まれる鉱物繊維の平均繊維長が大きくなるほど、接着強度が低下する傾向にある。そのため、鉱物繊維の平均繊維長は、好ましくは500μm以下、より好ましくは100~400μm、さらに好ましくは120~340μmである。ここで、該平均繊維長は、摩擦材組成物原料として用いる鉱物繊維を無作為に50個選択し、光学顕微鏡で繊維長を測定し、それから求められる平均値を示す。
また、鉱物繊維の平均繊維径(直径)には特に制限はないが、通常、1~20μmであり、2~15μmであってもよい。
鉱物繊維は、人体有害性の観点から、生体溶解性であることが好ましい。ここでいう生体溶解性の鉱物繊維とは、人体内に取り込まれた場合でも短時間で一部分解され体外に排出される特徴を有する鉱物繊維である。具体的には、化学組成が、アルカリ酸化物およびアルカリ土類酸化物の総量(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびバリウムの酸化物の総量)が18質量%以上で、且つ呼吸による短期バイオ永続試験で、20μm以上の繊維の質量半減期が40日以内または腹膜内試験で過度の発癌性の証拠がないかまたは長期呼吸試験で関連の病原性や腫瘍発生がないことを満たす繊維を示す(EU指令97/69/ECのNota Q(発癌性適用除外))。このような生体分解性鉱物繊維としては、SiO-Al-CaO-MgO-FeO(-KO-NaO)系繊維等が挙げられ、SiO、Al、CaO、MgO、FeO、KOおよびNaO等から選択される少なくとも2種を任意の組み合わせで含有する鉱物繊維が挙げられる。市販品としては、LAPINUS FIBERS B.V製のRoxulシリーズ等が挙げられる。「Roxul」は、SiO、Al、CaO、MgO、FeO等が含まれ、さらにKOおよびNaOからなる群から選択される少なくとも1つが含まれることもある。
前記炭素繊維としては、耐炎化繊維、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、活性炭繊維等が挙げられる。炭素繊維は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記有機繊維としては、麻、木綿、アラミド繊維、セルロース繊維、アクリル繊維、フェノール樹脂繊維(架橋構造を有する)等が挙げられる。有機繊維は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。有機繊維としては、耐熱性の観点から、アラミド繊維が好ましい。また、有機繊維は、摩擦材の強度向上の観点から、フィブリル化されたものであってもよく、フィブリル化アラミド繊維を用いることも好ましい。
本発明の摩擦材組成物における繊維基材の含有量は、摩擦材組成物100質量部に対して、好ましくは5~40質量部であることが好ましく、5~20質量部であることがより好ましく、5~15質量部であることがさらに好ましい。繊維基材の含有量を上記範囲とすることで、摩擦材としての最適な気孔率が得られ、鳴き防止ができ、適正な材料強度が得られ、耐摩耗性を向上し、さらに成形性を向上させることができる傾向にある。
(結合材)
結合材は、摩擦材組成物に含まれる有機充填材、無機充填材および繊維基材等を結合して一体化し、所定の形状と強度を与える機能を有する。本発明の摩擦材組成物に含まれる結合材に特に制限はないが、摩擦材の結合材として一般的に用いられる熱硬化性樹脂を用いることができる。
該熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。ここで、変性フェノール樹脂としては、アクリル変性フェノール樹脂、シリコーン変性フェノール樹脂、カシュー変性フェノール樹脂、エポキシ変性フェノール樹脂およびアルキルベンゼン変性フェノール樹脂等が挙げられる。特に、良好な耐熱性、成形性および摩擦係数を与えることから、フェノール樹脂、アクリル変性フェノール樹脂、シリコーン変性フェノール樹脂、アルキルベンゼン変性フェノール樹脂を用いることが好ましい。
熱硬化性樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の摩擦材組成物中における結合材の含有量は、摩擦材組成物100質量部に対して、好ましくは5~20質量部、より好ましくは5~14質量部、5~10質量部であることがさらに好ましい。結合材の含有量を上記範囲とすることで、摩擦材の強度低下をより抑制でき、また、摩擦材の気孔率が減少し、摩擦材が硬くなって振動減衰性が低下することによる鳴き等の音振性悪化をより抑制できる。
(その他の材料)
本発明の摩擦材組成物は、前記の有機充填材、無機充填材、繊維基材および結合材以外に、必要に応じてその他の材料を配合することができる。
その他の材料としては、例えば、耐摩耗性の観点から、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系ポリマーなどの有機添加剤を配合することができる。
本発明の摩擦材組成物が上記その他の材料を含有する場合、その含有量としては、有機充填材、無機充填材、繊維基材および結合材の総量100質量部に対して、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下であり、その他の材料を含有していなくてもよい。
[摩擦材]
本発明の摩擦材は、前記摩擦材組成物を成形してなるものであり、より具体的には、前記摩擦材組成物を熱成形および熱硬化して得られたものであり、有機充填材、無機充填材および繊維基材を結合材で結合した摩擦材であって、銅を含まないか、または銅の含有率が銅元素として0.5質量%未満である。本発明の摩擦材は、自動車等のディスクブレーキパッドの摩擦材、自動車等のブレーキライニングの摩擦材として使用することができる。また本発明の摩擦材組成物を目的形状に成形、加工、貼り付け等の工程を施すことにより、クラッチフェーシング、電磁ブレーキ、保持ブレーキ等の摩擦材としても使用することができる。
本発明の摩擦材は、寒冷環境下に放置後の摩擦係数の安定性、耐摩耗性および低錆固着性に優れ、且つ鳴き(特に低温鳴き)が抑制されるという効果を有しており、特に自動車用の摩擦材として好適である。
本発明の摩擦材は、本発明の摩擦材組成物を一般的に使用されている方法で成形して製造することができ、好ましくは加熱加圧成形して製造される。詳細には、本発明の摩擦材組成物をレーディゲミキサー、加圧ニーダー、アイリッヒミキサー等の混合機を用いて混合し、得られた混合物を成形金型にて予備成形し、次いで、得られた予備成形物を例えば成形温度140~160℃、成形圧力15~50MPaの条件で4~10分間で成形し、得られた成形物を例えば180~250℃で2~10時間熱処理することで摩擦材を製造する。また、必要に応じて、塗装、スコーチ処理、研磨処理を行ってもよい。
[摩擦部材]
さらに本発明は、前記摩擦材を用いることにより、該摩擦材を摩擦面となるように形成した摩擦部材を提供する。具体的には、本発明の摩擦部材としては、(1)摩擦材のみから構成される摩擦部材、(2)前記摩擦材が裏金上に配置された摩擦部材、および(3)前記摩擦材が、プライマー層および接着層等の中間層を介して裏金上に配置された摩擦部材などが挙げられる。
上記裏金は、摩擦部材の機械的強度の向上のために、通常、摩擦部材として用いるものであり、材質としては、金属又は繊維強化プラスチック等を用いることができる。裏金としては、例えば、鉄、ステンレス、無機繊維強化プラスチック、炭素繊維強化プラスチック等が挙げられる。プライマー層及び接着層としては、通常、ブレーキシュー等の摩擦部材に用いられるものであればよい。
本発明の摩擦材組成物および摩擦材は、寒冷環境下に放置後の摩擦係数の安定性、耐摩耗性および低錆固着性に優れ、且つ鳴き(特に低温鳴き)が抑制されるため、摩擦部材の「上張り材」として有用であり、さらに摩擦材として高い耐クラック性を有するため、摩擦部材の「下張り材」として成形して用いることもできる。
ここで、「上張り材」とは、摩擦部材の摩擦面となる摩擦材であり、「下張り材」とは、摩擦部材の摩擦面となる摩擦材と裏金との間に介在する、摩擦材と裏金との接着部付近の剪断強度、耐クラック性向上を目的とした層のことである。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら制限を受けるものではない。
実施例および比較例の各摩擦材試料について、以下の評価方法に従って評価を行った。
[評価方法]
(1)寒冷環境下に放置後の摩擦係数の安定性の評価
摩擦係数は、自動車技術会規格「JASO C406」に基づく効力試験に準拠して測定したが、さらに寒冷環境下に放置する前と放置した後における摩擦係数の安定性を評価するため、第2効力試験終了後に、下記表1に示す条件の制動試験を実施した。
Figure 0007140102000001
摩擦係数の安定性は、寒冷環境下に放置する前および放置した後の、それぞれ5制動で得られた摩擦係数の平均値の変化率(=放置後の平均効力/放置前の平均効力)から算出し、下記評価基準に従って評価した。
A:変化率100%±5%以内であり、極めて良好。
B:変化率100%±10%以内であり、良好。
C:変化率100%±11%以上であり、不適。
(2)耐摩耗性の評価
耐摩耗性は、自動車技術会規格「JASO C427」に準拠して測定し、ブレーキ温度100℃及び300℃の制動1,000回相当の摩擦材の摩耗量(単位:mm)を測定した。
(3)錆固着性の評価
JIS D4414(さび固着試験方法)に準拠して錆固着試験を行い、錆固着力を下記基準に従って評価した。錆固着力の評価がAであると、錆固着性に最も優れており、Bがそれに次ぐ。
A:錆固着力50N未満であり、極めて良好。
B:錆固着力50N以上かつ100N未満であり、良好。
C:錆固着力100N以上であり、不適。
また、上記錆固着試験後、摩擦材の表面が剥離してロータ表面に転移しているかどうかを確認し、錆剥離として評価し、錆剥離が生じていないものをa、錆剥離が生じているものをbとして評価し、及第点はaとした。錆剥離の評価がaであると、錆固着性に優れる。
(4)鳴き性能の評価
鳴き性能の評価は、SAE J2521(Disc brake Dynamometer Squeal Noise Matrix)に準拠して試験を実施し、下記評価基準に従って評価した。なお、本試験では、75dB以上の音を鳴きと定義した。
A:鳴き発生率が5%未満であり、鳴き性能が極めて良好であり、低温鳴きも低減されている。
B:鳴き発生率が5%以上かつ10%未満であり、鳴き性能は良好である。
C:鳴き発生率が10%以上であり、低温鳴きも抑制できていない。
なお、前記JASO C406準拠による摩擦係数の安定性の評価、JASO C427準拠による耐摩耗性の測定、SAE J2521準拠による鳴き性能の評価はいずれも、ダイナモメータを用い、イナーシャ75kgf・mで評価を行った。また、ベンチレーテッドディスクロータ(株式会社キリウ製、材質FC190)、一般的なピンスライド式のコレットタイプのキャリパを用いて実施した。
[ディスクブレーキパッドの作製]
ディスクブレーキパッドの作製にあたり、下記の摩擦材組成物の成分を用意した。表2および3中に記載の各成分は、以下のものと同じである。
(結合材)
・フェノール樹脂:日立化成株式会社製(商品名:PR-1950W)
(有機充填)
・カシューパーティクル:東北化工株式会社製(商品名:FF5290:シリコーン付着量5質量%)
・カシューパーティクル:東北化工株式会社製(商品名:CD337:シリコーン付着量10質量%)
・カシューパーティクル:サンプルA(FF1058をSH200で被覆処理:シリコーン付着量1質量%)
・カシューパーティクル:サンプルB(FF1058をSH200で被覆処理:シリコーン付着量29質量%)
・カシューパーティクル:サンプルC(FF1058をSH200で被覆処理:シリコーン付着量35質量%)
・カシューパーティクル:東北化工株式会社製(商品名:FF1058:シリコーン付着量0質量%)
・液状シリコーン樹脂:東レ・ダウコーニング株式会製(商品名:SH200 FLUID 10,000 CS)
・NBR粉:バイエル社製(商品名:Baymod NXL 38.20、平均粒子径70μm)
(無機充填剤)
・硫酸バリウム:竹原化学工業株式会社製(商品名:W-10)
・マイカ:イメリス スペシャリティーズ ジャパン株式会社製(商品名:Suzorite 200-S)
・黒鉛:TIMCAL社製(商品名:KS15)
・硫化スズ:TRIBOTECC社製(商品名:Stannolube)
・三硫化アンチモン:TRIBOTECC社製(商品名:DBPC 2004)
・チタン酸カリウム:東邦マテリアル株式会社製(商品名:TOFIX-S)
・酸化ジルコニウム:第一希元素化学工業株式会社製(商品名:BR-QZ)
・水酸化カルシウム:秩父石灰工業株式会社製(商品名:SA149)
(繊維基材)
・アラミド繊維(有機繊維):東レ・デュポン株式会社製(商品名:ケブラー1F538)、フィブリル化アラミド繊維
・鉄繊維(金属繊維):GMT社製(商品名:♯0)
・銅繊維(金属繊維):Sunny Metal社製(商品名:SCA-1070)
・鉱物繊維(無機繊維):LAPINUS FIBERS B.V社製(商品名:RB220ELS Roxul 1000)、平均繊維長230±50μm
[実施例1~9、参考例1および比較例1~2]
表2または3に記載のとおりの使用量(単位:質量部)にて各成分を混合することによって摩擦材組成物を得た。この摩擦材組成物をレーディゲミキサー(株式会社マツボー製、商品名:レーディゲミキサーM20)で混合し、得られた混合物を成形プレス「50トンプレス」(王子機械工業株式会社製)で予備成形し、得られた予備成形物を成形温度145℃、成形圧力30MPaの条件で5分間成形プレス(三起精工株式会社製)を用いて裏金と共に加熱加圧成形し、得られた成形品を200℃で5時間熱処理し、ロータリー研磨機を用いて研磨し、520℃で5分間のスコーチ処理を行って、摩擦材と裏金とを有するディスクブレーキパッド(摩擦材の厚さ11mm、摩擦材投影面積52cm)を得た。得られたディスクブレーキパッドの摩擦材につき、前記評価方法に従って各評価を行った。結果を表2および表3に併記した。
Figure 0007140102000002
Figure 0007140102000003
参考例1の摩擦材は、銅を10質量%含有する従来の摩擦材である。これに対して、実施例1~9の摩擦材は、銅を含有しないにも関わらず、参考例1の摩擦材と同等以上の特性を示している。
一方、銅を含有しない摩擦材であるが、シリコーン樹脂が付着したカシューパーティクルを含有しない比較例1および比較例2の摩擦材は、摩擦係数が安定せず、低温鳴きが発生し、さらに錆固着が生じている。これらの結果から、シリコーン樹脂が付着したカシューパーティクルを含有する摩擦材は、銅を含有せずとも、寒冷環境下に放置後の摩擦係数の安定性、耐摩耗性および低錆固着性に優れ、且つ鳴き(特に低温鳴き)が抑制されることが確認された。
本発明の摩擦材組成物および摩擦材は、制動時に生成する摩耗粉中に銅を含有しない、または含有したとしても極微量であることから環境汚染が少なく、寒冷環境下に放置した後であっても摩擦係数の安定性が維持され、且つ鳴き(特に低温鳴き)が抑制されたものとなり、電動パーキングブレーキ(EPB)として使用した際にも錆固着が抑制されたものであるから、温暖な地域から寒冷な地域まで幅広い環境に対応でき、自動車用摩擦材として好適なものである。

Claims (8)

  1. 有機充填材、無機充填材、繊維基材および結合材を含有する摩擦材組成物であって、
    該摩擦材組成物は、銅を含まないか、または銅を含んでいても該銅の含有率は銅元素として0.5質量%未満であり、
    且つ、前記有機充填材として、シリコーン樹脂が付着したカシューパーティクルを含有する摩擦材組成物。
  2. 前記シリコーン樹脂が付着したカシューパーティクルにおいて、シリコーン樹脂の付着率が0.5~45質量%である、請求項1に記載の摩擦材組成物。
  3. 前記シリコーン樹脂が付着したカシューパーティクルにおいて、シリコーン樹脂の付着率が25~45質量%である、請求項1または2に記載の摩擦材組成物。
  4. 前記シリコーン樹脂が付着したカシューパーティクルの含有量が、摩擦材組成物100質量部に対して0.5~15質量部である、請求項1~3のいずれか1項に記載の摩擦材組成物。
  5. 銅を含まない、請求項1~のいずれか1項に記載の摩擦材組成物。
  6. 請求項1~のいずれか1項に記載の摩擦材組成物を成形してなる摩擦材。
  7. 請求項に記載の摩擦材が裏金上に配置された摩擦部材。
  8. 請求項に記載の摩擦材が中間層を介して裏金上に配置された摩擦部材。
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