JP7138465B2 - 筆記具用リフィールおよびこれを用いた筆記具 - Google Patents

筆記具用リフィールおよびこれを用いた筆記具 Download PDF

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Description

この発明は、筆記具用リフィールおよびこれを用いた筆記具に関する。
ボールペン筆記具等に用いられる筆記具用リフィールは、一般にインク収容管の一端部(前端部)に筆記チップとしてのボールペンチップが、圧入嵌合されて取り付けられている。
そして、インク収容管には、成形の容易性とインク量の視認性を確保するために、透明もしくは半透明の樹脂素材、例えばポリプロピレンが用いられている。
図16は、従来のボールペンリフィールの一例を断面図で示したものであり、この図17に示す例は、円筒状に成形されたインク収容管1の前端部に、継手部材3を介してボールペンチップ2を取り付けた構成を示している。また、インク収容管1の外周面は面一の円筒状に形成されており、継手部材3を嵌合させるインク収容管1の前端部の内径と、インク収容部を構成するインク収容管1の軸方向中央部の内径とは、ほぼ同一寸法となるストレート状に構成されている。このような外周面と内周面がストレート状のインク収容管を用いたボールペンリフィールは、例えば特許文献1に開示されている。
ところで、前記したボールペンリフィールにおいては、複数のボールペンリフィールを軸筒内に収容した際、インク収容管の径が単数のボールペンリフィールを収容した軸筒のインク収容管の径より細くなる傾向にあり、その状態で筆記した場合、特許文献1に示された一般的にインク流出量が多い熱変色性インクを用いた場合、筆記の際に筆跡のカスレやインクが薄い現象となり快適な筆記感を得ることができない。
また、同様に軸筒の外径を細くした特許文献2に開示された筆記具においても、軸筒の外径に揃ってインク収容管の外径を細くした筆記具リフィールを採用するため、同様の問題が発生する。
国際公開WO2008/105227号パンフレット 国際公開WO2014/003101号パンフレット
そこで、この発明は、筆記の感触に違和感が生ずることなく、快適な筆記が継続できるようにした筆記具用リフィールおよび筆記具を提供することを課題とするものである。
前記した課題を解決するためになされたこの発明に係る筆記具用リフィールは、樹脂素材により直線状にして円筒状に形成されたインク収容管と、前記インク収容管の内部には熱変色性インクを収容し、前記インク収容管の端部に取り付けられた筆記チップとを備えた筆記具用リフィールであって、前記筆記チップのボール径をG〔mm〕、100mあたりのインク収容管の消費長さをL〔mm〕とした時、〔L/G〕の値が、250未満であることを特徴とする。
また、インク収容管の端部には、内周面に向かって肉厚状に形成され、その中央部に軸方向に貫通する開口孔が施された圧入部が形成されると共に、前記圧入部に前記筆記チップもしくは筆記チップを支持する中継部材が圧入されて取り付けられた構成を採用することができる。
そして、一つの好ましい形態においては、前記インク収容管の端部内周面に、筆記チップを支持した継手部材が取り付けられ、前記継手部材内にインクの逆流防止機構が備えられる。加えて、前記インク収容管の組成成分に、プロピレンホモポリマーを含むことが望ましい。また、実質的にホルムアルデヒドを含まない樹脂素材で形成されることが好適である。具体的には、対象物をVDA275試験方法に従って測定したポリアルデヒド固形分の全重量を基準にして500ppm未満の遊離のホルムアルデヒドしか含まないことを示す。ホルムアルデヒドを含む材料としては、ポリアセタール等のアセタール系樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂及びメラミン樹脂などが該当する。
また、インク収容管の端部の圧入部の肉厚は0.5~0.7mm、好ましくは0.55~0.65mm、圧入部の軸方向長さが1~6mm、好ましくは2.5~4.5mmであることが望ましい。
一方、この発明に係る筆記具用リフィールは、その複数本を軸筒内に収容し、前記軸筒の先端口より前記筆記具用リフィールの筆記チップが択一的に繰り出されるように構成した筆記具に対して好適に利用することができる。
また、この発明に係る筆記具用リフィールを軸筒内に収容した筆記具においては、筆記具用リフィールにおける筆記チップもしくは筆記チップを支持する中継部材とインク収容管との接続部分の嵌合力が、前記インク収容管と軸筒側との接続部分の嵌合力よりも高く設定されていることが望ましい。
さらに、複数本の筆記具用リフィールが軸筒内に収容された筆記具においては、各筆記具用リフィールのインク収容管の外径と全長が同一に設定されると共に、前記インク収容管の肉厚を異ならせることで、互いの筆記具用リフィールの筆記距離が、1.5~2.5倍の範囲に設定されていることが望ましい。
この発明に係る筆記具用リフィールおよび筆記具によると、インク収容管は樹脂素材により直線状にして円筒状に形成され、インク収容管の端部には筆記チップもしくは筆記チップを支持する中継部材が圧入されて取り付けられる。
そして、前記筆記チップのボール径をG〔mm〕、100mあたりのインク収容管の消費長さをL〔mm〕とした時、〔L/G〕の値が、250未満であることにより、連続筆記によるインクの流出量(消費量)が大きい場合であっても、インク収容管内のインクの移動速度は適正に抑制されてインクが追従するので、筆跡が薄くなったり、筆記にカスレが生じにくい筆記性能を発揮することができ、最適な筆記が継続できるようにした筆記具用リフィールおよび筆記具を提供することが可能となる。
この発明に係る筆記具用リフィールをボールペンリフィールに採用した第1実施例の中央断面図である。 図1に示すボールペンチップ部分の拡大断面図である。 図1に示すインク収容管の単体構成を拡大して示した中央断面図である。 同じくインク収容管における継手部材の圧入部の拡大断面図である。 ボールペンリフィールの第2実施例を示した外観図である。 図5に示すボールペンリフィールの中央断面図である。 図7に示すインク収容管の単体構成を拡大して示した中央断面図である。 ボールペンリフィールの第3実施例を示した外観図である。 図8に示すボールペンリフィールの中央断面図である。 図8に示すボールペンリフィールの継手部材の部分拡大断面図である。 継手部材を構成する継手受け座の単体構成を拡大した斜視図である。 同じく継手受け座の中央断面図である。 この発明に係る筆記具用リフィールを複式筆記具に用いた例を示す外観図である。 図13に示す複式筆記具の中央断面図である。 複式筆記具に備えられるスライダーとボールペンリフィールの組み合わせ構成を拡大して示した外観図である。 従来の筆記具用リフィールの一例を示した中央断面図である。
この発明に係る筆記具用リフィールについて、ボールペンリフィールを例にした図に示す実施の形態に基づいて説明する。
図1~図4は、ボールペンリフィールの第1の実施形態を示すものであり、樹脂素材により円筒状に形成されたインク収容管1の一端部(前端部)には、図1および図2に示すようにボールペンチップ2を装着した継手部材3が圧入されることで取り付けられている。そして、インク収容管1内にはインク4が収容され、インク4の後端部には、インクの消耗と共にインク面に接触して追従するグリース状またはゲル状のフォロア5が配設されている。なお図1および図2は、ボールペンチップ2がポリプロピレン等の合成樹脂等からなる筒状のキャップ6で覆われた状態を示している。なお、キャップ6は後述にて説明する熱変色性インクを摩擦熱によって容易に変色させることができる摩擦体としても使用することができる。
この実施の形態におけるインク収容管1には、プロピレンホモポリマーを含む樹脂素材が用いられており、この樹脂素材を含むインク収容管1によると、筆記圧による応力に対する変形度合いを少なくすることができ、また収容されたインクの視認性を十分に確保することが可能である。また、実質的にホルムアルデヒドを含まない樹脂素材で形成されることが好適である。具体的には、対象物をVDA275試験方法に従って測定したポリアルデヒド固形分の全重量を基準にして500ppm未満の遊離のホルムアルデヒドしか含まないことを示す。ホルムアルデヒドを含む材料としては、ポリアセタール等のアセタール系樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂及びメラミン樹脂などが該当する。
さらにはインク溶剤の透過性や水分の吸湿性に対して、一定の耐透過性、耐吸湿性を有しており、したがってインクの保管性に優れ、また筆記チップ2もしくは中継部材3が圧入される後述する圧入部において、その圧入の応力に耐え得るボールペンリフィールを提供することが可能となる。
ボールペンチップ2および継手部材3を拡大して示した図2に示すように、ビスマス(Bi)を含むフェライト系ステンレス材を使用しているボールペンチップ2の先端部には、周知の筆記ボール7が装着されており、この実施の形態においては、ボールペンチップ2の内部空間内にスプリング8が装着されている。そして、スプリング8の先端部分は、真っ直ぐな棒状に形成されて押し棒8aを構成し、この押し棒8aによって筆記ボール7を先端方向に押圧している。さらに、ボールペンチップ2の先端側の内面は筆記ボール7の外周曲面と略同じ曲率のシール面が形成され、インク溶剤の揮発を抑制する構造となっている。
また、筆記ボール7は、表面の算術平均高さSaが0.06μm以下とすることで、筆記ボール7の回転に伴うボールペンチップ2内部の摩耗を抑えることができる。表面の算術平均高さSaは、ISO25178に規定され、Taylor Hobson社製 Talysurf CCI Liteを用い、ボール表面の測定範囲50μm×50μm、測定倍率100倍、ガウシアンフィルタ25μmで測定した値である。
なお、ボールペンチップ2の後端部の一部は内向きにかしめられており、このかしめ部分により前記スプリング8の後端部を係止している。
また、ボールペンチップ2を嵌合して支持する継手部材3内には、インクの逆流防止機構として機能する逆流防止ボール9が収容されている。この逆流防止ボール9は、ボールペンチップ2が上向きとなるように保管した場合に、ボールペンチップ2の先端から空気が流入して、インク収容管1内のインク4が、収容管1内において後退するのを防止するように作用する。
前記インク収容管1は軸方向に沿って外周面がほぼ面一の円筒状に形成されており、図3に両端部を拡大して示したように、このインク収容管1の両端部には内周面に向かって肉厚状になされた圧入部1aがそれぞれインク収容管1と一体に形成されている。
この圧入部1aは、肉厚状になされた中央部に軸方向に沿って貫通して施された開口孔により構成されており、一方の肉厚状の圧入部1aを利用して継手部材3が圧入され、この継手部材3を介してボールペンチップ2が、インク収容管1の前端部に取り付けられている。
この例に示すボールペンリフィールによると、インク収容管1の端部に形成された前記圧入部1aは、内周面に向かって肉厚状に形成されているので、継手部材3の取り付け部分の機械的な強度を十分に確保することができる。したがって、図16に示した従来例に比較して、圧入部1aを除いたインク収容管1については、その管厚を相対的に薄くすることが可能となる。これにより、インク収容管1の外径寸法を拡張することなく、必要なインク貯留量を確保することが可能となる。
図4は、継手部材3が取り付けられるインク収容管1の圧入部1aについて、各部の好ましい寸法、および各部相互の関係について示している。
D(インク収容管外径):2.5~6.1mm、好ましくは2.9~3.2mm
t(収容管の肉厚) :0.25mm以上、好ましくは0.3~0.6mm
a(圧入部の肉厚) :0.5~0.7mm、好ましくは0.55~0.65mm
b(圧入部の長さ) :1~6mm、好ましくは2.5~4.5mm
c(圧入接触長) :1~6mm、好ましくは2.5~4.5mm
a×b(D-a) :1~12、好ましくは3~8、1未満は筆記チップとの十分な嵌合力が得られず、12以上は筆記チップの取り付けに必要な圧入力が大きくなり嵌合できない虞がある。
なお、インク収容管1の外径(D)については、その外形寸法が大きいほど、インク貯留量を確保することができるものの、従来の筆記具との違いを感じることなく利用できるインク収容管1の外径寸法(D)の範囲は、6.1mm以下とすることが望ましい。
また、インク収容管1の前記圧入部1aを除いた部分の肉厚(t)については、これが0.6mmより大きい場合には、前記したインク収容管1の外径寸法(D)の望ましい範囲において、必要なインク貯留量が確保できないこと、および筆記速度が早い場合に、筆記にカスレが発生するという問題が生ずることから、前記した数値の範囲とすることが好ましい。
ここで、前述したチップのボール径をG〔mm〕、筆記開始から100m筆記した際のインク収容管内のインク消費長さをL〔mm〕とした時、〔L/G〕の値が、250未満である根拠ついては、JIS S 6061に準拠した筆記条件(筆記角度60°)において、インクの消費長さを測定した。なお、筆記距離が100mに満たなかった場合は、筆記距離を短くして100m換算にして測定を行う。
Figure 0007138465000001
筆記具用リフィールとしてはビスマス(Bi)を含むステンレス製チップ(超硬合金ボール)及び該収容管と該チップを連結する継手からなるリフィールに下記熱変色性インクを充填し、インク後端に鉱油を主成分とするインク追従体を装填し、ボールペンを作製した。
熱変色性インクは、以下のインク組成物とした。
熱変色性マイクロカプセル色材(平均粒子径2μm、青色):23重量%
アミン類(トリエタノールアミン):0.1%
増粘剤(キサンタンガム):0.3%
防錆剤(ベンゾトリアゾール):0.3%
防腐剤(ベンゾイソチアゾリン):0.3%
潤滑剤(リン酸エステル):0.3%
溶剤(グリセリン):10%
水(精製水):65.7%
表1に示すインク消費長さL〔mm〕は、比較例1~2、実施例1~2について、それぞれ10本のサンプルを作成して、その平均値を求めたものとなる。
また、筆記描線の濃さ及びカスレのA又はBは、次に示す基準にしたがうものとなる。〔L/G2〕が250未満であれは、筆記への影響は見られないことが検証されている。
B:筆記は可能だが描線が薄い(カスレの発生したサンプルもある)
A:快適に筆記可能
この発明に係る筆記具用リフィールにおいては、前記したインク収容管1に収容されるインクは、熱変色性インクである。熱変色性インクとは、常温(例えば25℃)で所定の色彩(第1色)を維持し、所定温度(例えば65℃)まで昇温させると別の色彩(第2色)へと変化し、その後、所定温度(例えば-10℃)まで冷却させると、再び元の色彩(第1色)へと復帰する性質を有するインクを言う。一般的には第2色を無色とし、第1色(例えば赤)で筆記した描線を昇温させて無色とする構成でもよい。従って、描線が筆記された紙面等に対して摩擦体によって擦過して摩擦熱を生じさせ、それによって描線を無色に変化させる。なお、当然のことながら第2色は、無色以外の有色でもよい。
熱変色性インクについて、具体的に説明すると、熱変色性マイクロカプセル顔料を含有し、前記熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径が、0.2~3μmであることを特徴とするものであり、ボールペン、マーキングペン等の筆記具用インク組成物として用いることができる。
本発明の熱変色性マイクロカプセル顔料の含有量は、筆記具用インク組成物の用途などにより変動するものであり、一概には設定できるものでないが、例えば、インク組成物全量に対して、熱変色マイクロカプセル顔料が、5~30質量%とすることが望ましい。この含有量が上記範囲の下限(5質量%)未満であると、一般的に、着色力、発色性が不十分となることがあり、一方、含有量が30質量%を超えると、一般的に、インクの流動性が悪くなることがある。
本発明の筆記具用インク組成物において、上記熱変色性マイクロカプセル顔料の他、残部として溶媒である水(水道水、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水等)の他、各筆記具用(ボールペン用、マーキングペン用等)の用途に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、水溶性有機溶剤、増粘剤、潤滑剤、防錆剤、防腐剤もしくは防菌剤などを適宜含有することができる。
用いることができる水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、3-ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類や、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、単独或いは混合して使用することができる。
用いることができる増粘剤としては、例えば、合成高分子、セルロースおよび多糖類からなる群から選ばれた少なくとも一種が望ましい。具体的には、アラビアガム、トラガカントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、キサンタンガム、ウェランガム、サクシノグリカン、ダイユータンガム、デキストラン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプングリコール酸及びその塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸及びその塩、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレシオキサイド、酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの共重合体、架橋型アクリル酸重合体及びその塩、非架橋型アクリル酸重合体及びその塩、スチレンアクリル酸共重合体及びその塩などが挙げられる。
潤滑剤としては、顔料の表面処理剤にも用いられる多価アルコールの脂肪酸エステル、糖の高級脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル、アルキル燐酸エステルなどのノニオン系や、高級脂肪酸アミドのアルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩などのアニオン系、ポリアルキレングリコールの誘導体やフッ素系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられる。また、防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロへキシルアンモニウムナイトライト、サポニン類など、防腐剤もしくは防菌剤としては、フェノール、ナトリウムオマジン、安息香酸ナトリウム、ベンズイミダゾール系化合物などが挙げられる。
この筆記具用インク組成物を製造するには、従来から知られている方法が採用可能であり、例えば、上記熱変色性マイクロカプセル顔料の他、上記水性における各成分を所定量配合し、ホモミキサー、もしくはディスパー等の攪拌機により攪拌混合することによって得られる。更に必要に応じて、ろ過や遠心分離によってインク組成物中の粗大粒子を除去してもよい。
本発明に用いる熱変色性色材となる熱変色性マイクロカプセル顔料としては、摩擦熱等の熱により変色するもの、例えば、有色から無色、有色から有色、無色から有色などとなる機能を有するものであれば、特に限定されず、種々のものを用いることができ、少なくともロイコ色素、顕色剤、変色温度調整剤を含む熱変色性組成物を、マイクロカプセル化したものが挙げられる。
用いることができるロイコ色素としては、電子供与性染料で、発色剤としての機能するものであれば、特に限定されものではない。具体的には、発色特性に優れるインクを得る点から、トリフェニルメタン系、スピロピラン系、フルオラン系、ジフェニルメタン系、ローダミンラクタム系、インドリルフタリド系、ロイコオーラミン系等従来公知のものが、単独(1種)で又は2種以上を混合して(以下、単に「少なくとも1種」という)用いることができる。
具体的には、6-(ジメチルアミノ)-3,3-ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1(3H)-イソベンゾフラノン、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド、3-(4-ジエチルアミノフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)フタリド、3-(4-ジエチルアミノ-2-エトキシフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド、1,3-ジメチル-6-ジエチルアミノフルオラン、2-クロロ-3-メチル-6-ジメチルアミノフルオラン、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-キシリジノフルオラン、2-(2-クロロアニリノ)-6-ジブチルアミノフルオラン、3,6-ジメトキシフルオラン、3,6-ジ-n-ブトキシフルオラン、1,2-ベンツ-6-ジエチルアミノフルオラン、1,2-ベンツ-6-ジブチルアミノフルオラン、1,2-ベンツ-6-エチルイソアミルアミノフルオラン、2-メチル-6-(N-p-トリル-N-エチルアミノ)フルオラン、2-(N-フェニル-N--メチルアミノ)-6-(N-p-トリル-N-エチルアミノ)フルオラン、2-(3’-トリフルオロメチルアニリノ)-6-ジエチルアミノフルオラン、3-クロロ-6-シクロヘキシルアミノフルオラン、2-メチル-6-シクロヘキシルアミノフルオラン、3-ジ(n-ブチル)アミノ-6-メトキシ-7-アニリノフルオラン、3,6-ビス(ジフェニルアミノ)フルオラン、メチル-3’,6’-ビスジフェニルアミノフルオラン、クロロ-3’,6’-ビスジフェニルアミノフルオラン、3-メトキシ-4-ドデコキシスチリノキノリン、などが挙げられ、これらは、少なくとも1種用いることができる。
これらのロイコ染料は、ラクトン骨格、ピリジン骨格、キナゾリン骨格、ビスキナゾリン骨格等を有するものであり、これらの骨格(環)が開環することで発色を発現するものである。
好ましくは、熱により有色から無色となるロイコ色素の使用が望ましい。
用いることができる顕色剤は、上記ロイコ色素を発色させる能力を有する成分となるものであり、例えば、フェノール樹脂系化合物、サリチル酸系金属塩化物、サリチル酸樹脂系金属塩化合物、固体酸系化合物等が挙げられる。
用いることができる顕色剤としては、具体的には、o-クレゾール、ターシャリーブチルカテコール、ノニルフェノール、n-オクチルフェノール、n-ドデシルフェノール、n-ステアリルフェノール、p-クロロフェノール、p-ブロモフェノール、o-フェニルフェノール、ヘキサフルオロビスフェノール、p-ヒドロキシ安息香酸n-ブチル、p-ヒドロキシ安息香酸n-オクチル、レゾルシン、没食子酸ドデシル、2,2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4-ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,1-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、1-フェニル-1,1-ビス( 4'-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブタン、1,1-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)-2-メチルプロパン、1,1-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)n-ヘキサン、1,1-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)n-ヘプタン、1,1-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)n-オクタン、1,1-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)n-ノナン、1,1-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)n-デカン、1,1-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)n-ドデカン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、2,2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)-4-メチルペンタン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)n-ヘプタン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)n-ノナンなどの少なくとも1種が挙げられる。
用いる顕色剤の使用量は、所望される色彩濃度に応じて任意に選択すればよく、特に限定されるものではないが、通常、前記したロイコ色素1質量部に対して、0.1~100質量部程度の範囲内で選択するのが好適である。
用いることができる変色温度調整剤は、前記ロイコ色素と顕色剤の呈色において変色温度をコントロールする物質である。
用いることができる変色温度調整剤は、従来公知のものが使用可能である。具体的には、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、酸アミド類、アゾメチン類、脂肪酸類、炭化水素類などが挙げられる。
例えば、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジカプリレート(C7H15)、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジラウレート(C11H23)、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジミリステート(C13H27)、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルエタンジミリステート(C13H27)、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジパルミテート(C15H30)、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジベヘネート(C21H43)、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルエチルヘキシリデンジミリステート(C13H27)等の少なくとも1種が挙げられる。
この変色温度調整剤の使用量は、所望されるヒステリシス幅及び発色時の色彩濃度等に応じて適宜選択すればよく、特に限定されるものではないが、通常、ロイコ色素1質量部に対して、1~100質量部程度の範囲内で使用するのが好ましい。
本発明の熱変色性マイクロカプセル顔料は、少なくとも上記ロイコ色素、顕色剤、変色温度調整剤を含む熱変色性組成物を、平均粒子径が0.2~3μmとなるように、マイクロカプセル化することにより製造することができる。
マイクロカプセル化法としては、例えば、界面重合法、界面重縮合法、insitu重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライニング法などを挙げることができ、用途に応じて適宜選択することができる。
例えば、水溶液からの相分離法では、ロイコ色素、顕色剤、変色温度調整剤を加熱溶融後、乳化剤溶液に投入し、加熱攪拌して油滴状に分散させ、次いで、カプセル膜剤として、樹脂原料などを使用、例えば、アミノ樹脂溶液、具体的には、メチロールメラミン水溶液、尿素溶液、ベンゾグアナミン溶液などの各液を徐々に投入し、引き続き反応させて調製後、この分散液を濾過することにより目的の熱変色性のマイクロカプセル顔料を製造することができる。
これらのロイコ色素、顕色剤、変色温度調整剤の含有量は、用いるロイコ色素、顕色剤、変色温度調整剤の種類、マイクロカプセル化法などにより変動するが、当該色素1に対して、質量比で顕色剤0.1~100、変色温度調整剤1~100である。また、カプセル膜剤は、カプセル内容物に対して、質量比で0.1~1である。
本発明に用いる熱変色性マイクロカプセル顔料は、上記ロイコ色素、顕色剤及び変色温度調整剤の種類、量などを好適に組み合わせることにより、各色の発色温度(例えば、0℃以上で発色)、消色温度(例えば、50℃以上で消色)を好適な温度に設定することができ、好ましくは、摩擦熱等の熱により有色から無色となる熱変色性マイクロカプセル顔料の使用が望ましい。
本発明に用いる熱変色性マイクロカプセル顔料では、描線濃度、保存安定性、筆記性の更なる向上の点から、壁膜がウレタン樹脂、エポキシ樹脂、あるいはアミノ樹脂で形成されることが好ましい。ウレタン樹脂としては、例えば、イソシアネートとポリオールとの化合物が挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂とアミンの化合物が挙げられる。アミノ樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などで形成されること、更に好ましくは、製造性、保存安定性、筆記性の点から、メラミン樹脂で形成されることが望ましい。
マイクロカプセル色材の壁膜の厚さは、必要とする壁膜の強度や描線濃度に応じて適宜決められる。
なお、壁膜がアミノ樹脂で形成するためには、各マイクロカプセル化法を用いる際に、好適なアミノ樹脂原料(メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等)、並びに、分散剤、保護コロイドなどを選択する。
本発明に用いる熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径は、着色性、発色性、易消色性、安定性、インク中での流動性の点、並びに、筆記性への悪影響を抑制、後述する光変色性マイクロカプセル顔料との相用性などの点から、好ましくは、0.2~3μm、更に好ましくは、0.2~2.3μmであるものが望ましい。なお、本発明(実施例等含む)で規定する「平均粒子径」は、粒度分析計〔マイクロトラックHRA9320-X100(日機装社製)〕にて、平均粒子径を測定した値である。
この平均粒子径が0.2μm未満であると、十分な描線濃度が得られず、一方、3μmを越えると、筆記性の劣化や熱変色性マイクロカプセル顔料の分散安定性の低下が発生し、好ましくない。
なお、上記平均粒子径の範囲(0.2~3μm)となるマイクロカプセル顔料は、マイクロカプセル化法により変動するが、水溶液からの相分離法などでは、マイクロカプセル顔料を製造する際の攪拌条件を好適に組み合わせることにより調製することができる。
また、熱変色性マイクロカプセル顔料の処方の一例として、ロイコ色素として、メチル-3’,6’-ビスジフェニルアミノフルオラン1部、顕色剤として、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン2部、及び変色性温度調整剤として、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジカプリレート24部を100℃に加熱溶融して、均質な組成物27部を得た。
上記で得た組成物27部の均一な熱溶液にカプセル膜剤として、イソシアネート10部及びポリオール10部を加えて攪拌混合した。次いで、保護コロイドとして12%ポリビニルアルコール水溶液60部を用いて、25℃で乳化して分散液を調製した。次いで、5%の多価アミン5部を用いて、80℃で60分間処理してマイクロカプセルを得た。
以上の手順により得たマイクロカプセル化した水分散体をスプレードライすることでパウダー状にして熱変色性マイクロカプセル顔料を製造した。
図5~図7は、この発明に係る筆記具用リフィール(ボールペンリフィール)の第2の実施形態を示したものである。なお、図5~図7に示すボールペンリフィールは、インク収容管1の前端部に中継部材を介することなく、ボールペンチップ2が直接圧入されて取り付けられる。
この第2の実施形態におけるインク収容管1も前記したプロピレンホモポリマーを含む樹脂素材により円筒状に形成されており、図7に拡大して示すようにインク収容管1の両端部には、内周面に向かって肉厚状になされ、軸方向に貫通する開口孔による圧入部1aがそれぞれ形成されている。
加えて、この第2の実施形態においては、ボールペンチップ2が取り付けられるインク収容管1の前端部における圧入部1aには、さらにインク収容管1の中央部側に、圧入部1aを構成する開口孔よりも小径の軸孔1cが施された当接部1bが形成されている。
この当接部1bは、図7に示すようにボールペンチップ2を圧入した時、ボールペンチップ2の後端部が当接することで、ストッパーとしての位置決めの機能を果たすものとなる。したがって、インク収容管1の前記した構成によると、ボールペンチップ2の外周面に、インク収容管1の端部と当接する位置決め用の段部を形成する必要がない。
なお、図5~図7に示した第2の実施形態に係るボールペンリフィールについても、第1の実施形態と同様な物性を有するインクが用いられると共に、前記した表1に実施例1~実施例2として示した条件を備えたものが選定される。
これにより、第1の実施形態と同様の作用効果を奏する筆記具用リフィールを提供することが可能となる。
図8~図12は、この発明に係る筆記具用リフィール(ボールペンリフィール)の第3の実施形態を示したものである。なお、図8~図12に示すボールペンリフィールは、インク収容管の肉厚を薄くすることで、必要なインク貯留量を確保すると共に、インク収容管と継手部材との間で十分な結合作用を確保することができる筆記具用リフィールを提供しようとするものである。
前記したプロピレンホモポリマーを含む樹脂素材により円筒状に形成されたインク収容管1の一端部(前端部)には、継手部材3が圧入されて取り付けられると共に、金属素材や樹脂素材で形成されたボールペンチップ2が継手部材3を介して取り付けられている。 そして、この実施の形態に係るボールペンリフィールは、図16に示した従来のボールペンリフィールに比較して、肉厚の薄いインク収容管1が用いられている。したがって、この実施の形態によると、インク収容管1の外径寸法を拡張することなく、十分なインクの貯留量を確保することができる。
一方、前記した継手部材3は、図10に一部を拡大して示したように、ボールペンチップ2の後端部が圧入されることで、ボールペンチップ2を取り付けた第1継手3aと、この第1継手3aの後半部における径が縮小された縮径部11の外側に、圧入により取り付けられた継手受け座3bより構成されている。
すなわち、前記継手受け座3bには、前記第1継手3aの縮径部11が圧入されることで取り付けられる軸孔12を備えることで、外観がほぼ円筒状となるように構成されている。なお、以下においては前記継手受け座3bを、第2継手3bと称呼する。
前記継手部材3は、第1継手3aと第2継手3bによる二つの部材により構成されており、したがって前記第1継手3aは例えば樹脂素材により形成し、前記第2継手3bは金属素材により形成することができる。
例えばステンレスなど鉛成分、水銀成分、カドミウム成分、六価クロム成分を含めた総量が0以上1000ppm(ug/g)以下の金属素材により形成された第2継手3bの単体構成が、図11および図12が示されている。この第2継手3bにおけるインク収容管1への挿入側には、その外周面に環状に突出するエッジ部13が形成されている。このエッジ部13は、前記した筆記チップ2の先端部側に向かって外径を除々に拡大するテーパ状の傾斜面13aと、前記傾斜面13aに続いて外径を縮小する立下がり面13bとにより構成されている。
この場合、前記エッジ部13の軸方向の切断面における前記テーパ状の傾斜面13aと、前記立下がり面13bとの交差角度は、鋭角(90度未満)に設定されていることが望ましい。一例として、図12に断面図で示すテーパ状の傾斜面13aにおける軸線に対する傾斜角度は20度にされており、また前記立下がり面13bは軸方向に直交する面と平行となるように形成されている。
したがって、この実施の形態におけるエッジ部13における前記したテーパ状の傾斜面13aと、前記した立下がり面13bとの交差角度θは、70度に設定されている。
前記第2継手3bには、前記したエッジ部13に続いて、ボールペンチップ2側に向かって段状に外径を太くする第1円筒面14、第2円筒面15、および円環状の鍔部16が形成されている。そして、前記円環状の鍔部16の周面は、図10に示すようにインク収容管1および第1継手3aの外径寸法とほぼ同一となるように設定されている。
すなわち、段状に外径を太くする第1円筒面14と、第2円筒面15は、前記したインク収容管1の接続部として機能することになる。
前記インク収容管1の前端部に、ボールペンチップ2と継手部材3との結合体を圧入する場合には、インク収容管1の前端部内面が、第2継手3bに形成されたエッジ部13を乗り越えるようにして装着される。
この場合、前記エッジ部13にはインク収容管1に向かってテーパ状の傾斜面13aが形成されているので、インク収容管1の可撓性を生かして、比較的容易にインク収容管1の前端部に継手部材3を装着することができる。
このようにして、インク収容管1の前端部に、ボールペンチップ2と継手部材3との結合体を圧入した図11に示す状態においては、前記継手部材3(特に第2継手3b)は、インク収容管1よりも高硬度の素材、例えばステンレス等の金属素材またはアルミ等の非鉄金属素材等の鉛成分、水銀成分、カドミウム成分、六価クロム成分を含めた総量が0以上1000ppm(ug/g)以下の素材により形成されているので、継手部材3に形成されたエッジ部13が、樹脂素材により形成されたインク収容管1の内面に食い込むようにして当接する。これにより、継手部材3はインク収容管1との間で十分な嵌合作用を得ることができる。
しかも、エッジ部13を構成する前記した立下がり面13bが、ボールペンチップ側に向かって形成されているので、この立下がり面13bがインク収容管1の内周面に効果的に係止して、継手部材3がインク収容管1から抜け出るのを阻止するように作用する。
これにより、インク収容管1から筆記チップ2が脱落するのを確実に阻止することができる筆記具用リフィールを提供することができる。
この第3の実施形態においては、インク収容管1の前端部に継手部材3を介して筆記チップとしてのボールペンチップ2を取り付けた例を示したが、この発明は継手部材を介さずに筆記チップを直接インク収容管の前端部に取り付ける構成にも採用することができる。この場合においては、筆記チップの後部外周面に前記したエッジ部13を形成することによって、同様の作用効果を得ることができる。
また、第3の実施形態においては、第1継手3aと第2継手3bとが別部材により構成されているが、第1継手3aと第2継手3bとを一体にして継手部材3とした形態も採用することができる。
なお、図8~図12に示した第3の実施形態に係るボールペンリフィールについても、第1の実施形態と同様な物性を有するインクが用いられると共に、前記した表1に実施例1~実施例2として示した条件を備えたものが選定される。
これにより、第1の実施形態と同様の作用効果を奏する筆記具用リフィールを提供することが可能となる。
図13~図15は、この発明に係る筆記具用リフィール(ボールペンリフィール)を複式多色ボールペンに用いた例を示しており、図示例においては、ボールペンリフィールとして、例えば図1に示したものが使用されている。
この複式多色ボールペンは、前軸21および後軸22により外郭が構成されており、前記前軸21は、その先端部が円錐形状に縮径して、先端口23が開口されている。そして、前記先端口23よりボールペンリフィールの筆記チップ(ボールペンチップ)2が択一的に繰り出されるように構成されている。
前記後軸22の後端部には、それぞれ軸方向に沿って複数本(この例においては4本)のガイドスリット24が形成されている。各ガイドスリット24には、スライダー25に形成された操作部25aが、前記後軸の外側に突出して、それぞれ軸方向に摺動可能に配置されている。そして、ガイドスリット24が形成された後軸22内には、内筒部材27が収容されており、この内筒部材27には前記スライダー25を前進状態に係止する係止面27a等が形成されている。
また、前記内筒部材27の後端部は若干細径に形成されて、前記後軸22の後端部より突出しており、この内筒部材27の突出部分を覆うようにして、クリップ28を一体に形成したキャップ部材29が嵌合されて取り付けられている。
図15に示すようにスライダー25の前端部が、インク収容管1の後端部に形成された肉厚状の圧入部1a(図3参照)に装着されて取り付けられており、それぞれのインク収容管1とスライダー25を取り巻くようにしてリターンスプリング(図示せず。)が配置されている。これにより、各インク収容管1とスライダー25は、複式多色ボールペンの軸方向の後方に向かって付勢された状態で配置されている。
この状態で、いずれかのスライダー25を、前記操作部25aを利用して前進移動させると、このスライダー25の前記操作部25aは、前記内筒部材27に形成された溝部に沿って前進移動して軸芯方向に落ち込む。これにより、スライダー25の後端係止部25bが、前記内筒部材27に形成された係止面27aに係止される。この時、前記スライダー25に取り付けられたリフィールは、それ自身の可撓性により適度に湾曲し、その先端部のボールペンチップ2が、先端口23から突出した状態で保持される。
またこの状態で、他の第2のスライダー25を前進移動させると、この第2のスライダー25に形成された係止解除カム25cが、すでに前進状態で係止されている第1のスライダー25の被押圧突起25bに当接し、第1のスライダー25の後端係止部25bを外側に押し出す。これにより、第1のスライダー25の係止状態が解除される。
この結果、第1のスライダー25は前記したリターンスプリングの作用により後退し、第2のスライダー25の後端係止部25bが、内筒部材27に形成された係止面27aに係止され、先端口23から繰り出されるボールペンチップ2の交換を行うことができる。
一方、この種の筆記具においては、ボールペンリフィールの交換にあたっては、後軸22から前軸21を取り外した状態で、軸筒側のスライダー25に嵌合されて取り付けられているインク収容管1の後端部を引き抜くようにしてリフィールを取り外す操作が行われる。この場合、利用者はリフィール先端のボールペンチップ2を摘んで、軸筒側のスライダー25からインク収容管1を引き抜く操作を行うことが度々行われる。
そこで、筆記チップ2もしくは筆記チップを支持する中継部材3とインク収容管1との接続部分の嵌合力が、軸筒側のスライダー25とインク収容管1との接続部分の嵌合力よりも高く設定されていることが望ましい。
これにより、筆記チップ2もしくは筆記チップを支持する中継部材3とインク収容管1との接続部分における結合が外れて、不用意にインクが漏れ出る問題を回避することができ、インク収容管1を軸筒側のスライダー25から確実に引き抜くことができる。また、キャップ部材29又は先端口23をエラストマー又はゴムで形成又はキャップ部材29の後端の端部又は先端口23の先端の端部にスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等のエラストマー又はゴムを装着することで簡便な熱変色性筆記具を用いることができる。
図13~図15に示した複式多色ボールペンにおいては、例えば黒、赤、青などの異なる色のインクを個別に収容した筆記具用リフィール(ボールペンリフィール)が、軸筒内に収容される。この場合、一般に黒インクの利用頻度が高く、他の2色のインクの利用頻度は比較的低い。
そこで、各筆記具用リフィールのインク収容管1として、外径と全長がそれぞれ同一に設定されたものを用いると共に、利用頻度が高い黒インクを収容するインク収容管の肉厚を薄く設定することで、黒インクの筆記距離を長く設定することができる。
なお、ここで述べる黒インクとは、ISO27668に準拠し、筆記角度60°、筆記力1N、速度4.5m/sの条件で紙面上に筆記した描線において、光の波長が380nm以上780nm以下の全領域において吸収があり、積分球型分光測色計の正反射光成分を含まない測色方式でD50光源環境を用いて測色し、CIE表色系において明度Lが25以下を示すものである。
すなわち、各色インクの利用頻度に応じて、インク収容管の肉厚を適宜設定することで、各色のボールペンリフィールの交換サイクル(インク切れの時期)を、合わせることが可能となる。この場合、各色のボールペンリフィールのうち、最も利用頻度の低い色のボールペンリフィール(例えば、赤色のリフィール)の筆記距離を“1”とした場合、最も利用頻度の高い前記した黒インクリフィールの筆記距離を1.5~2.5倍の範囲で異ならせることで、それぞれのボールペンリフィールのインク切れの時期をある程度合わせることが可能となる。
これにより、各色のボールペンリフィールのインクを多量に残すことなく、一度に無駄なくボールペンリフィールを交換することができる。
以上の説明においては、実施の形態としてボールペンリフィールを挙げているが、この発明はボールペンチップ以外の他の筆記チップを備えた筆記具用リフィールにも利用することができ、前記と同様の作用効果を得ることができる。
1 インク収容管
1a 圧入部
1b 当接部
1c 軸孔
2 筆記チップ(ボールペンチップ)
3 継手部材
3a 第1継手
3b 第2継手(継手受け座)
4 インク
5 フォロア
6 キャップ
7 筆記ボール
8 スプリング
9 逆流防止機構(逆流防止ボール)
11 縮径部
12 軸孔
13 エッジ部
13a テーパ状傾斜面
13b 立下がり面
14 第1円筒面
15 第2円筒面
16 鍔部
21 前軸
22 後軸
23 先端口
24 ガイドスリット
25 スライダー
27 内筒部材
28 クリップ
29 キャップ部材

Claims (2)

  1. 樹脂素材により直線状にして円筒状に形成されたインク収容管と、前記インク収容管の内部には熱変色性インクを収容し、前記インク収容管の端部に取り付けられた筆記チップとを備えた筆記具用リフィールであって、
    前記筆記チップのボール径をG〔mm〕、100mあたりのインク収容管の消費長さをL〔mm〕とした時、〔L/G〕の値が、250未満であると共に、前記インク収容管は、軸方向に沿って外周面がほぼ面一の円筒状とし、かつ端部には内周面に向かって肉厚状に形成され、その中央部に軸方向に貫通する開口孔が施された圧入部が形成されると共に、前記圧入部に前記筆記チップもしくは筆記チップを支持する中継部材が圧入されて取り付けられていることを特徴とする筆記具用リフィール。
  2. 請求項に記載の筆記具用リフィールが軸筒内に収容された筆記具であって、
    複数本の筆記具用リフィールが軸筒内に収容され、各筆記具用リフィールのインク収容管の外径と全長が同一に設定されると共に、黒インクのインク収容管の肉厚を他のインクと異ならせることで、黒インクの筆記具用リフィールの筆記距離を、他のインクの1.5~2.5倍の範囲に設定したことを特徴とする筆記具


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