JP7138326B2 - 水栓 - Google Patents
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水栓本体2の下部には、水栓本体2とシンク等の天板(図示せず)とを固定する構造を隠すためのカバーリング6aが設けられている。
また、レバーハンドル5と他の部分とはネジ等によって取り付けられ、この取り付け箇所は、水や埃から保護するためにレバーカバー6bによって覆われていた(図1参照)。
水や埃その他の汚れの進入を防止するために、水栓本体2とシンク等の天板との取り付け、取り外し作業の時を除いて、この作業孔15は化粧キャップ7によって塞がれていた。
また、レバーカバー6bは、レバーハンドル5と一体に形成されているか、またはレバーハンドル5と別体に形成されてレバーハンドル5に組み付けられる。
レバーカバー6bの正面または側面には、ドライバー等の工具やネジを差し入れてレバーハンドル5と他の部分との取り付けおよび取り外しを行うための作業孔25が開口していた。
水や埃その他の汚れの進入を防止するために、レバーハンドル5と他の部分との取り付け、取り外し作業の時を除いて、この作業孔25は化粧キャップ17によって塞がれていた。
作業孔も、外表意匠部が嵌合する外孔と、嵌合凸部が嵌合する内孔との段差形状に形成されていた。
この外表意匠部に絵柄が塗装されている場合には、化粧キャップを正しい回転位置に取り付けることが必要であった。
しかし、嵌合凸部の中心は円板状の外表意匠部の中心に一致していたため、化粧キャップをカバーリングおよびレバーカバーに取り付ける際には、外表意匠部の形状や模様を慎重に確認しながら回転させて正しい回転位置に合わせる必要があり、手間がかかっていた。
これを防止するためには、どの回転位置で取り付けられても意匠を損なわないように外表意匠部を均一なデザインとしなければならなかった。
このように、従来の水栓では、取り付け時の作業性が煩雑になるか、カバーリング、レバーカバーおよび化粧キャップの意匠が制限されてしまうという問題があった。
カバーリングおよびレバーカバーの円筒の曲率半径が小さい場合には、特にこの問題は顕著になっていた。
第1の発明は、水栓本体と、工具を差し込むためにこの水栓本体の外表面に設けられた作業孔を着脱可能に閉鎖する化粧キャップとからなる水栓において、上記化粧キャップは、上記水栓本体の外側へ露出する外表意匠部と、この外表意匠部より細く外表意匠部から軸方向に延びる嵌合凸部とを有し、上記作業孔は、上記外表意匠部が嵌合する外孔と、上記嵌合凸部が嵌合する内孔とからなり、上記外表意匠部が2箇所以上の回転位置で上記外孔に合致させることができる形状であり、且つ、そのうち1箇所の回転位置でのみ上記嵌合凸部が上記内孔に嵌合可能であることを特徴とする。
図1に示すように、水栓1は、台所のシンクや洗面所に設置される。
水栓1の水栓本体2は、先端に吐出口4を有するとともに、吐出口4までの経路中に流路を開閉したり流量を調整したりする弁機構(図示せず)を設けて、上方にレバーハンドル5を取り付けている。
本明細書では、水栓本体2から見て吐出口4の方向を前方といい、吐出口4から見て水栓本体2の方向を後方という。また、鉛直方向を上下方向という。
レバーハンドル5と水栓本体2の他の部分との取り付け箇所は、有蓋円筒形状のレバーカバー6bによって覆われ、悪戯が防止されるとともに外観が良好に保たれている。
したがって、カバーリング6aおよびレバーカバー6bの周面は、平板状の縦断面を有するとともに、円弧状に湾曲した水平断面を有する。
図3に示すように、作業孔15は、外側の大径円状の外孔15aと、内側の小径円状の内孔15bとに分かれ、両者が段差によってつながれている。
この作業孔15は、工具で作業する時を除いて、化粧キャップ7を装着することにより塞がれ、水や埃その他の汚れの進入を防止する。
レバーハンドル5を水栓本体2に取り付けるネジの取り付け位置、および作業孔15は、水栓本体2に対してどの方向に設けてもよいが、レバーハンドル5が作業の邪魔になる水栓本体2の正面を避けて設けることが好ましい。
作業孔15の内孔15bは、後述する化粧キャップ7の嵌合凸部7bを回転させるために、円形孔としている。
外表意匠部7aは外孔15aに嵌合する径に形成され、嵌合凸部7bも内孔15bに嵌合する径に形成される。
外表意匠部7aは、図4(b)に示すように上下方向には平坦な断面形状に形成されているが、図4(c)に示すように、左右方向にはレバーカバーの側周面と同じ曲率で湾曲した断面形状に形成されている。
金属の中では、耐食性に優れる真鍮、SUS(ステンレス)を用いるのがより好ましい。
この中では、外観が良い真鍮を用いるのが好ましい。
また、樹脂は金属よりも安価で生産性に優れる。
樹脂の中では、成形が容易な熱可塑性樹脂を用いるのがより好ましい。
熱可塑性樹脂の中でも、成形容易性に優れるPP(ポリプロピレン)、ABS(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂)、POM(ポリアセタール)を用いるのがよい。
また、見栄えをよくするためメッキ処理を施しやすいABS(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、変性PPE(変性ポリフェニレンエーテル)、変性PPO(変性ポリフェニレンオキシド)、PA6(6ナイロン)、PA66(66ナイロン)を用いるのがよい。
外孔15aおよび外表意匠部7aの平面形状は、2箇所以上の回転位置で両者を合致させることができる形状であればよく、本発明の実施形態のような円形のほかに、正多角形などにすることもできる。
また、図3に示すように、内孔15bは、外孔15aの中心から上方にずれた位置に形成されている。
このため、外表意匠部7aが外孔15aに合致し、且つ、嵌合凸部7bが内孔15bに嵌合するのは、1箇所の正しい回転位置のみである。
嵌合凸部と内孔との取付構造は、Oリング16のほかに、爪状部材や凹凸による取付構造でもよいが、耐久性や施工性に優れるOリング16が好ましい。
他方、意匠性を保つためにはAを15mm以下にするのが好ましく、12mm以下にするのがより好ましく、9mm以下にするのが特に好ましい。
他方、Bを大きくしすぎるとAも比例的に大きくなり、意匠性が低下するため、Bを7mm以下とするのが好ましく、6mm以下とするのがより好ましく、5mm以下とするのが特に好ましい。
他方、Cを大きくし過ぎるとAも比例的に大きくなり、意匠性が低下するため、Cを2.5mm以下とするのが好ましく、2mm以下にするのがより好ましい。
この隙間が外表意匠部7aの下端に形成されることにより、上方から視認されにくく美観が良好になるとともに、上方から埃やゴミが入り込みにくくなる。
また、この隙間が嵌合凸部7bから最も遠い位置に形成されていることにより、隙間を設けるためのスペースを確保しやすいとともに、比較的小さな力で化粧キャップ7を作業孔15から取り外すことができる
外表意匠部7aと外孔15aとは、外表意匠部7aの湾曲形状とカバーリング6aの円筒形状とが面一になる回転位置が2か所存在する。
しかし、嵌合凸部7bの回転中心が外表意匠部7aの中心から径方向にずれていることにより、嵌合凸部7bを内孔15bに進入させ、外表意匠部7aが外孔15aに合致するように嵌合させるだけで、容易に正しい回転位置に取り付けることができる。
このため、本発明の実施形態のように外表意匠部7aおよびカバーリング6aが2つ以上の互いに異なる断面形状を有する場合でも、容易に外表意匠部7aの湾曲とカバーリング6aの湾曲とが面一にし、美観を向上させることができる。また、外表意匠部の表面に絵柄などが塗装されている場合にも、正しい向きに配置することができる。
この隙間が外表意匠部の下端に形成されることにより、上方から視認されにくく美観が良好になるとともに、上方から埃やゴミが入り込みにくくなる。
また、この隙間が嵌合凸部から最も遠い位置に形成されていることにより、比較的小さな力で化粧キャップ7を取り外すことができる。
例えば、上記の実施形態では、作業孔15,25および化粧キャップ7,17はカバーリング6aおよびレバーカバー6bに取り付けられているが、化粧キャップを設ける場所はそれに限られず、水栓本体2の外表面のどの場所に設けてもよい。
2 水栓本体
4 吐出口
5 レバーハンドル
6a カバーリング
6b レバーカバー
7 化粧キャップ
7a 外表意匠部
7b 嵌合凸部
15 作業孔
15a 外孔
15b 内孔
16 Oリング
17 化粧キャップ
25 作業孔
Claims (7)
- 水栓本体と、工具を差し込むためにこの水栓本体の外表面に設けられた作業孔を着脱可能に閉鎖する化粧キャップとからなる水栓において、
上記化粧キャップは、上記水栓本体の外側へ露出する外表意匠部と、この外表意匠部より細く外表意匠部から軸方向に延びる嵌合凸部とを有し、
上記作業孔は、上記外表意匠部が嵌合する外孔と、上記嵌合凸部が嵌合する内孔とからなり、
上記嵌合凸部は1つであり、
上記化粧キャップは、上記嵌合凸部を上記内孔に進入させた状態で回転することができ、この回転における1箇所の回転位置のみで上記外表意匠部が上記外孔に合致して嵌合することができ、この回転における他の回転位置では上記外表意匠部が上記外孔に対してずれており、
上記外表意匠部が2箇所以上の回転位置で上記外孔に合致させることができる形状であり、且つ、
そのうち1箇所の回転位置でのみ上記嵌合凸部が上記内孔に嵌合可能であることを特徴とする水栓。 - 上記外表意匠部は、回転方向に沿って少なくとも2つ以上の互いに異なる断面形状を有することを特徴とする請求項1記載の水栓。
- 上記作業孔に上記化粧キャップを取り付けたとき、上記外表意匠部が上記水栓本体の外表面と面一になることを特徴とする請求項1または2記載の水栓。
- 上記水栓本体の上記作業孔において、上記内孔が上記外孔の中心の真上に形成されていることを特徴とする請求項1記載の水栓。
- 上記作業孔に上記化粧キャップを取り付けたとき、上記外表意匠部の下端と上記外孔の縁との間に化粧キャップ取り外し作業用の間隙が形成されることを特徴とする請求項4記載の水栓。
- 上記嵌合凸部の回転中心が上記外表意匠部の中心から径方向にずれている請求項1から5のいずれか1項に記載の水栓。
- 上記嵌合凸部を上記内孔に進入させた状態で、上記外表意匠部が自重により回転して自然に上記外孔に合致する回転位置に配置されうるように構成されている請求項1から6のいずれか1項に記載の水栓。
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