JP7138003B2 - 工作機械の誤差同定方法及び誤差同定システム - Google Patents

工作機械の誤差同定方法及び誤差同定システム Download PDF

Info

Publication number
JP7138003B2
JP7138003B2 JP2018177766A JP2018177766A JP7138003B2 JP 7138003 B2 JP7138003 B2 JP 7138003B2 JP 2018177766 A JP2018177766 A JP 2018177766A JP 2018177766 A JP2018177766 A JP 2018177766A JP 7138003 B2 JP7138003 B2 JP 7138003B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
error
measurement
axis
rotation axis
difference value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018177766A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020049548A (ja
Inventor
康功 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okuma Corp
Original Assignee
Okuma Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okuma Corp filed Critical Okuma Corp
Priority to JP2018177766A priority Critical patent/JP7138003B2/ja
Publication of JP2020049548A publication Critical patent/JP2020049548A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7138003B2 publication Critical patent/JP7138003B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • A Measuring Device Byusing Mechanical Method (AREA)
  • Machine Tool Sensing Apparatuses (AREA)

Description

本発明は、工作物を保持するテーブルと工具を保持する主軸とが、並進軸と回転軸とによって相対移動する工作機械において、幾何誤差を計測・同定する方法に関するものである。
図1は、並進3軸と回転2軸を有する5軸制御マシニングセンタ(以下、「5軸機」という。)の模式図である。この5軸機は、工具を保持し回転させることが可能な主軸2と、工作物を保持し回転および傾斜可能なテーブル3とを有している。主軸2は、互いに直交する並進軸Z軸とX軸とにより、ベッド1に対して2自由度の並進運動が可能である。テーブル3は、クレードル4によりC軸周りで回転可能に支持されており、クレードル4は、ベッド1上でY軸方向へ移動可能なトラニオン5によりA軸周りで回転可能に支持されている。よって、テーブル3は、互いに直交する回転軸C軸とA軸とにより2自由度の回転運動と、Z軸とX軸とに直交する並進軸Y軸により1自由度の並進運動がベッド1に対して可能である。
各軸は、図2に示す位置検出器22により軸の位置を検出し、制御装置20は位置検出器22から取得した各軸の位置情報をもとにサーボモータ21を制御・駆動して、テーブル3に保持した工作物を主軸2に保持した工具により加工を行う。
この5軸機のような多軸工作機械は駆動軸数が多いため、駆動軸数が少ない機械に対し運動精度が悪化する傾向にある。その要因として、各軸間の誤差である幾何学的な誤差(以下、「幾何誤差」という。)がある。この幾何誤差を機械の製造・組立段階で小さくして高精度化を図るのは、コスト・技術的に困難な面があり、幾何誤差を補正して制御することにより、多軸工作機械の高精度化を図る技術が開発されている。
5軸機の幾何誤差を補正制御するためには、機械に内在する幾何誤差を計測して、同定する必要がある。機械の幾何誤差を計測・同定する方法として、特許文献1のような方法が提案されている。特許文献1に記載の方法は、主軸に位置計測センサであるタッチプローブを装着して、テーブルに計測ターゲットであるターゲット球を設置し、予め設定された計測条件に従って回転軸をある角度からある角度まで任意角度ピッチで割り出して、各割り出し角度でテーブルに固定したターゲット球の中心位置をタッチプローブにより計測し、得られた円弧軌跡を0次と、1次と、2次の円弧で近似して、その円弧の1次成分から回転軸に関する幾何誤差と、2次成分から並進軸の傾き誤差(幾何誤差)とを同定する方法である。
特開2011-38902号公報
特許文献1に記載の方法を用いて幾何誤差を計測・同定する場合、5軸機の基本精度である並進軸の真直度や位置決め精度、回転軸の位置決め精度が、前記位置の計測に影響し、その位置をもとに同定する幾何誤差も影響を受けるため、基本精度に大きな誤差が生じていないことが重要となる。
これらの基本精度は機械の製造・組立段階で調整されるが、回転軸に位置を保持するためのブレーキ機構がある場合、その影響により前記回転軸の割り出し指令位置に対して実際に割り出した際の位置にずれ(DIFFERENCE、以下「DIFF」と称する。)が生じやすくなる。回転軸にDIFFが生じると位置決め精度が低下するため、幾何誤差の計測・同定精度も低下してしまう。また、回転軸にかみ合い方式のクランプ機構、もしくは位置決め用のピンが設けられたクランプ機構がある場合、回転軸をクランプ機構によりクランプすると、回転軸の位置決め精度はクランプ機構の精度によって決まることとなる。クランプ機構の精度を幾何誤差の計測・同定精度に影響しないレベルに調整するのは困難であり、回転軸をクランプ機構によりクランプして幾何誤差の計測・同定を行うと、クランプ機構の精度に応じたDIFFが生じて幾何誤差の計測・同定精度が低下してしまうといった問題がある。
そこで、本発明は、DIFFの影響を受けることなく幾何誤差を計測・同定することができる誤差同定方法及び誤差同定システムを提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、工作物を保持するテーブルと、工具を保持する主軸とが、3軸以上の並進軸と1軸以上の回転軸とによって相対移動可能であり、前記軸の位置を検出する位置検出器により前記各軸の位置を検出して、前記各軸を制御・駆動する工作機械において、前記並進軸及び前記回転軸に関する幾何学的な誤差を同定する方法であって、
前記テーブルと前記主軸との何れか一方に計測ターゲットを設置し、他方に位置計測センサを装着し、前記回転軸を任意の位置に割り出して、前記計測ターゲットの3次元空間上の初期位置を前記位置計測センサで計測する初期位置計測ステップと、
前記回転軸を割り出した際の指令位置と、前記位置検出器により検出した位置との差分値を取得する第1差分値取得ステップと、
前記初期位置計測ステップで計測した前記計測ターゲットの初期位置から、前記第1差分値取得ステップで取得した前記回転軸の差分値の影響を除外する初期位置修正ステップと、
前記初期位置修正ステップで得られた前記計測ターゲットの修正位置をもとに、前記回転軸を複数の角度に割り出して前記計測ターゲットを複数の箇所に位置決めし、前記回転軸を割り出した際の指令位置と、前記位置検出器により検出した位置との差分値の取得を複数の位置に対して実施する第2差分値取得ステップと、
各位置決め位置で前記位置計測センサにより前記計測ターゲットの3次元空間上の位置を計測する誤差計測ステップと、
前記誤差計測ステップで計測した複数の前記計測ターゲットの位置から、前記第2差分値取得ステップで取得した前記回転軸の差分値の影響を除外して、複数の前記計測ターゲットの位置に対する修正位置をそれぞれ算出する誤差計測位置修正ステップと、
前記誤差計測位置修正ステップで得られた複数の修正位置の円弧軌跡に対して円弧近似を行う円弧近似ステップと、
前記円弧近似ステップから得られた円弧近似成分を用いて前記幾何学的な誤差の演算を行う誤差同定ステップと、を実施することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、前記初期位置修正ステップでは、
前記第1差分値取得ステップで取得した前記回転軸の差分値と、前記回転軸の中心位置から前記計測ターゲットの位置までの距離とから、前記回転軸の差分値による前記回転軸に対する接線方向誤差を算出する接線方向誤差算出ステップと、
前記回転軸の割り出し指令位置を用いて、前記接線方向誤差を並進軸方向誤差に変換する誤差変換ステップと、
前記初期位置計測ステップで計測した前記計測ターゲットの位置から、前記誤差変換ステップで変換した前記並進軸方向誤差を加算もしくは減算する接線誤差除外ステップと、を実施することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、前記誤差計測位置修正ステップでは、前記第2差分値取得ステップで取得した前記回転軸の差分値と、前記回転軸の中心位置から前記計測ターゲットの位置までの距離とから、前記回転軸の差分値による前記回転軸に対する接線方向誤差を算出する接線方向誤差算出ステップと、
前記回転軸の割り出し指令位置を用いて、前記接線方向誤差を並進軸方向誤差に変換する誤差変換ステップと、
前記誤差計測ステップで計測した前記計測ターゲットの位置から、前記誤差変換ステップで変換した前記並進軸方向誤差を加算もしくは減算する接線誤差除外ステップと、を前記誤差計測ステップで計測した複数の位置に対して実施することを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、工作機械の誤差同定システムであって、
工作物を保持するテーブルと、工具を保持する主軸とが、3軸以上の並進軸と、任意の位置で軸を保持可能なブレーキ機構及び/又はクランプ可能なクランプ機構を備えた1軸以上の回転軸とによって相対移動可能であり、前記軸の位置を検出する位置検出器により前記各軸の位置を検出して、前記各軸を制御・駆動する工作機械と、
前記テーブルと前記主軸との何れか一方に設置される計測ターゲットと、
他方に設置される位置計測センサとを含み、
請求項1乃至3の何れかに記載の工作機械の誤差同定方法を実施可能であることを特徴とする。
本発明によれば、幾何誤差を計測・同定するために行う計測ターゲットの位置の計測において、位置の計測とともに回転軸の差分値(DIFF)を同時に取得して、DIFFによる計測した位置への影響を除外する。さらに、DIFFの影響を除外した位置をもとに幾何誤差の同定を行うため、比較的DIFFが生じやすいブレーキ機構もしくはクランプ機構を備えた回転軸を有する工作機械においても、DIFFの影響を受けることなく幾何誤差を計測・同定することができる。
また、回転軸にブレーキ機構もしくはクランプ機構を備えていない工作機械であっても、何らかの要因で回転軸にDIFFが生じるような場合には、本発明を適用することで回転軸のDIFFの影響を受けることなく幾何誤差の計測・同定が可能となる。
5軸制御マシニングセンタの模式図である。 5軸制御マシニングセンタの制御装置の構成図である。 ターゲット球とタッチプローブの模式図である。 幾何誤差を計測・同定する方法のフローチャートである。 回転軸割り出し条件の例である。 C軸計測の計測位置の例である。 A軸計測の計測位置の例である。 回転軸のDIFFの影響を除外するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示した5軸機は、本発明の工作機械の一例であり、3つの並進軸(X軸、Y軸、Z軸)と、2つの回転軸(A軸、C軸)とを有している。また、並進軸および回転軸は、図2に示すように、それぞれサーボモータ21及び位置検出器22を備えており、制御装置20が入力手段23により軸移動指令を受けると、位置検出器22にて検出した軸位置情報をもとにサーボモータ21を制御・駆動させて各軸の位置決めを行う。また、回転軸は、任意の位置で軸を保持可能なブレーキ機構もしくはクランプ可能なクランプ機構を備えており、入力手段23により指令を受けることでこれらの機構によって軸を保持もしくは、クランプする。
なお、本発明に関わる工作機械は図1に示すマシニングセンタベースの多軸工作機によらず、旋盤ベースの多軸工作機械などであってもよい。また、回転軸に軸位置を保持するための機構を備えていなくとも本発明を適用することが可能である。
次に、幾何誤差について説明する。幾何誤差を隣り合う軸間の相対並進誤差3成分および相対回転誤差3成分の合計6成分(δx、δy、δz、α、β、γ)で定義する。
本例の5軸機の場合、各軸間と、C軸と工作物間と、Z軸と工具間とに前記6成分の幾何誤差がそれぞれ存在するため、合計36個の幾何誤差が存在する。ただし、36個のうち冗長な関係のものを除くと13個であり、幾何誤差が存在する軸間を工具側からの順番を添え字として表すと、13個の幾何誤差は、α、β、α、β、γ、δy、δz、β、γ、δx、δy、α、βとなる。これらは順に、工具-Y軸間直角度、工具-X軸間直角度、Y-Z軸間直角度、Z-X軸間直角度、X-Y軸間直角度、A軸中心位置Y方向誤差、A軸中心位置Z方向誤差、A-X軸間直角度、A-Y軸間直角度、C軸中心位置X方向誤差、C-A軸間オフセット誤差、A軸原点オフセット誤差、C-A軸間直角度である。
前記幾何誤差を計測・同定するためには、図3に示すように主軸2に位置計測センサとしてのタッチプローブ11を装着し、テーブル3に計測ターゲットとしてのターゲット球12を固定して誤差同定システムを構成する。また、回転軸A軸を0°(C軸とZ軸とが平行になるよう) に、回転軸C軸を任意位置に割り出しておく。
なお、主軸2にターゲット球12を、テーブル3にタッチプローブ11を固定してもよい。
タッチプローブ11の先端にはスタイラスが付いており、スタイラスが測定対象に接触するとその瞬間に信号を発信する。制御装置20は、接続された受信機24にてその信号を受信すると、その時点での各軸の位置を位置検出器22より取得して接触位置とし、記憶手段20aに記憶する。
次に、制御装置20による幾何誤差の計測・同定方法について、図4に示すフローチャートをもとに説明する。
まず、回転軸A軸を0°(C軸とZ軸とが平行になるよう)に、回転軸C軸を任意位置に割り出し、テーブル3に固定されたターゲット球12の直上に、タッチプローブ11のスタイラス先端が位置するよう位置決めする(S1)。また、回転軸A,C軸は後述する計測条件に従って、軸を保持もしくはクランプさせておく。
次に、ターゲット球12の外周にスタイラスを複数回接触させてターゲット球12の初期位置である設置中心位置(Xm,Ym,Zm)を計測するとともに、各回転軸の割り出し指令位置(Ac,Cc)と、各軸の位置検出器22により検出した位置(Am,Cm)との差分値であるDIFF(ΔA,ΔC)を取得する(S2:初期位置計測ステップ及び第1差分値取得ステップ)。
次に、計測したターゲット球12の初期位置から回転軸のDIFFの影響の除外を行う(S3:初期位置修正ステップ)。ここでは取得した回転軸のDIFFと、回転軸中心位置からターゲット球12の中心位置までの距離とから接線方向誤差の算出を行う。さらに、算出した接線方向誤差を回転軸の指令位置を用いて並進軸方向の誤差に変換し、計測したターゲット球12の初期位置より減算した修正中心位置(Xm",Ym",Zm")を算出する。詳細な方法については、後述する。
次に、S3で算出したターゲット球12の修正中心位置(Xm",Ym",Zm")と、記憶手段20aに予め記録された幾何誤差を計測するための回転軸割り出し条件などの計測条件をもとに、各回転軸の割り出し指令位置(Ac,Cc)や、各回転軸を指令位置に割り出した際のターゲット球12の中心指令位置(Xc,Yc,Zc)と、タッチプローブ11をターゲット球12の直上に位置決めするための位置を算出する(S4)。
ここで、記憶手段20aに予め記録させておく回転軸割り出し条件について、図5の一例をもとに説明する。幾何誤差を計測・同定するためには、A軸をある角度(例えば0°)に割り出して固定し、C軸を開始角度(例えば0°)から終了角度(例えば315°)まで任意角度(例えば45°)ピッチで割り出して各割り出し角度(例えば図6に示すn1~n8)でターゲット球12の中心位置を計測するC軸計測と、C軸をある角度(例えば-90°)に割り出して固定し、A軸を開始角度(例えば30°)から終了角度(例えば-90°)まで任意角度(例えば30°)ピッチで割り出して各割り出し角度(例えば図7に示すp1~p5)でターゲット球12の中心位置を計測するA軸計測と、を行う。回転軸割り出し条件は回転軸の開始や終了角度、角度ピッチなどである、
また、計測条件には前記回転軸割り出し条件のほかに、回転軸を割り出し条件に従って割り出した後、ブレーキ機構もしくはクランプ機構により回転軸を保持もしくはクランプするかどうかといった情報もあり、これも記憶手段20aに予め記録させておくこととなる。
次に、C軸計測を行う(S5)。ここでは図6に示すように回転軸をS4で算出した割り出し指令位置(Ac,Cc)に位置決めし、計測条件に従って回転軸を保持もしくはクランプする。このときの割り出し指令位置と位置検出器22により検出した位置(Am,Cm)との差分値であるDIFF(ΔA,ΔC)を取得する。さらに、S4で算出した位置決め位置にタッチプローブ11を位置決めして、ターゲット球12の外周にスタイラスを接触させて、ターゲット球12の中心位置(Xm,Ym,Zm)を算出する。このS4,5が第2差分値取得ステップ及び誤差計測ステップとなる。
次に、S3と同様の方法で計測した複数のターゲット球12の中心位置に対して回転軸DIFFの影響を除外した中心位置(Xm',Ym',Zm')の算出を行う(S6:誤差計測位置修正ステップ)。
次に、S6から得られた円弧軌跡に対して円弧近似を行う(S7:円弧近似ステップ)。
次に、A軸計測に対しても同様の計測(S8:第2差分値取得ステップ及び誤差計測ステップ)、回転軸DIFFの影響の除外(S9:誤差計測位置修正ステップ)、円弧近似(S10:円弧近似ステップ)を実施する。
次に、S7とS10とから得られた各円弧近似成分をもとに幾何誤差の算出を行う(S11:誤差同定ステップ)。
次に、S4で行う回転軸を指令位置に割り出した際のターゲット球12の中心指令位置の算出方法を説明する。
まず、回転軸A、C軸をAc、Ccの角度に割り出した際のターゲット球12の中心指令位置(Xc,Yc,Zc)は、以下の数1から算出することができる。
Figure 0007138003000001
ここで、x、yは、X/Y軸原点からC軸中心までのオフセットであり、y、zは、Y/Z軸原点からA軸中心までのオフセットである。また、Xm'、Ym'、Zm'は以下の数2から求めることができる。
Figure 0007138003000002
次に、図4のS3やS6、S9で行う回転軸DIFFの影響の除外について、図8に示すフローチャートをもとに説明する。
まず、回転軸中心位置からターゲット球12の中心位置までの距離Ra、Rcを以下の数3により算出する(S3-1)。
Figure 0007138003000003
次に、回転軸のDIFF(ΔA,ΔC)と、数3より算出した距離Ra、Rcとから、接線方向誤差Ta、Tcを以下の数4により算出する(S3-2:接線方向誤差算出ステップ)。
Figure 0007138003000004
次に、算出した接線方向誤差を、以下の数5により並進軸方向の誤差(ΔTx,ΔTy,ΔTz)に変換し(S3-3:誤差変換ステップ)、計測したターゲット球12の中心位置から並進軸方向の誤差を減算して回転軸DIFFの影響を除外する(S3-4:接線誤差除外ステップ)。
Figure 0007138003000005
なお、S3で行う回転軸DIFFの影響の除外を省略し、S6やS9において回転軸のDIFF(ΔA,ΔC)の代わりに、初期計測での回転軸DIFF(ΔA,ΔC)と各計測の回転軸DIFF(ΔA,ΔC)との差分値(ΔA',ΔC')を用いてもよい。また、この場合、S4で行う指令位置の算出には、S2で計測したターゲット球12の中心位置(Xm,Ym,Zm)を用いることとなる。
次に、S7で行うC軸計測の円弧近似について説明する。
まず、S6で算出したターゲット球12の中心位置(Xm',Ym',Zm')と、S4で算出したターゲット球12の中心指令位置との差分値(ΔX,ΔY,ΔZ)を算出する。
次に、以下の数6と数7とにより、軸方向成分と半径方向成分とを算出する。
Figure 0007138003000006
Figure 0007138003000007
次に、軸方向成分について、0次と1次の円弧である以下の数8で近似して、0次成分p1aと、1次余弦成分p1aと、1次正弦成分p1bとを得る。
Figure 0007138003000008
次に、半径方向成分について、0次と1次と2次の円弧である以下の数9で近似して0次成分r1aと、1次余弦成分r1aと、1次正弦成分r1bと、2次余弦成分r1aと、2次正弦成分r1bとを得る。
Figure 0007138003000009
次に、S10で行うA軸計測の円弧近似について説明する。
まず、S9で算出したターゲット球12の中心位置(Xm',Ym',Zm')と、S4で算出したターゲット球12の中心指令位置との差分値(ΔX,ΔY,ΔZ)を算出する。
次に、以下の数10と数11とにより、軸方向成分と半径方向成分とを算出する。
Figure 0007138003000010
Figure 0007138003000011
次に、軸方向成分について、0次と1次の円弧である以下の数12で近似して、0次成分p2aと、1次余弦成分p2aと、1次正弦成分p2bとを得る。
Figure 0007138003000012
次に、半径方向成分について、0次と1次と2次の円弧である以下の数13で近似して、0次成分r5aと、1次余弦成分r5aと、1次正弦成分r5bと、2次余弦成分r5aと、2次正弦成分r5bとを得る。
Figure 0007138003000013
次に、S10で行う幾何誤差の算出について説明する。ここでは得られた円弧近似成分をもとに、例えば特許文献1に記載の公知の式により幾何誤差の算出を行う。
このように、上記形態の誤差同定方法及び誤差同定システムによれば、幾何誤差を計測・同定するために行うターゲット球12の位置の計測において、位置の計測とともに回転軸のDIFFを同時に取得して、DIFFによる計測した位置への影響を除外する。さらに、DIFFの影響を除外した位置をもとに幾何誤差の同定を行うため、比較的DIFFが生じやすいブレーキ機構及び/又はクランプ機構を備えた回転軸を有する5軸機においても、DIFFの影響を受けることなく幾何誤差を計測・同定することができる。
また、回転軸にブレーキ機構もしくはクランプ機構を備えていない工作機械であっても、何らかの要因で回転軸にDIFFが生じるような場合には、本発明を適用することで回転軸のDIFFの影響を受けることなく幾何誤差の計測・同定が可能となる。
1・・ベッド、2・・主軸、3・・テーブル、4・・クレードル、5・・トラニオン、11・・タッチプローブ、12・・ターゲット球、20・・制御装置、20a・・記憶手段、21・・サーボモータ、22・・位置検出器、23・・入力手段、24・・受信機。

Claims (4)

  1. 工作物を保持するテーブルと、工具を保持する主軸とが、3軸以上の並進軸と1軸以上の回転軸とによって相対移動可能であり、前記軸の位置を検出する位置検出器により前記各軸の位置を検出して、前記各軸を制御・駆動する工作機械において、前記並進軸及び前記回転軸に関する幾何学的な誤差を同定する方法であって、
    前記テーブルと前記主軸との何れか一方に計測ターゲットを設置し、他方に位置計測センサを装着し、前記回転軸を任意の位置に割り出して、前記計測ターゲットの3次元空間上の初期位置を前記位置計測センサで計測する初期位置計測ステップと、
    前記回転軸を割り出した際の指令位置と、前記位置検出器により検出した位置との差分値を取得する第1差分値取得ステップと、
    前記初期位置計測ステップで計測した前記計測ターゲットの初期位置から、前記第1差分値取得ステップで取得した前記回転軸の差分値の影響を除外する初期位置修正ステップと、
    前記初期位置修正ステップで得られた前記計測ターゲットの修正位置をもとに、前記回転軸を複数の角度に割り出して前記計測ターゲットを複数の箇所に位置決めし、前記回転軸を割り出した際の指令位置と、前記位置検出器により検出した位置との差分値の取得を複数の位置に対して実施する第2差分値取得ステップと、
    各位置決め位置で前記位置計測センサにより前記計測ターゲットの3次元空間上の位置を計測する誤差計測ステップと、
    前記誤差計測ステップで計測した複数の前記計測ターゲットの位置から、前記第2差分値取得ステップで取得した前記回転軸の差分値の影響を除外して、複数の前記計測ターゲットの位置に対する修正位置をそれぞれ算出する誤差計測位置修正ステップと、
    前記誤差計測位置修正ステップで得られた複数の修正位置の円弧軌跡に対して円弧近似を行う円弧近似ステップと、
    前記円弧近似ステップから得られた円弧近似成分を用いて前記幾何学的な誤差の演算を行う誤差同定ステップと、
    を実施することを特徴とする工作機械の誤差同定方法。
  2. 前記初期位置修正ステップでは、
    前記第1差分値取得ステップで取得した前記回転軸の差分値と、前記回転軸の中心位置から前記計測ターゲットの位置までの距離とから、前記回転軸の差分値による前記回転軸に対する接線方向誤差を算出する接線方向誤差算出ステップと、
    前記回転軸の割り出し指令位置を用いて、前記接線方向誤差を並進軸方向誤差に変換する誤差変換ステップと、
    前記初期位置計測ステップで計測した前記計測ターゲットの位置から、前記誤差変換ステップで変換した前記並進軸方向誤差を加算もしくは減算する接線誤差除外ステップと、
    を実施することを特徴とする請求項1に記載の工作機械の誤差同定方法。
  3. 前記誤差計測位置修正ステップでは、
    前記第2差分値取得ステップで取得した前記回転軸の差分値と、前記回転軸の中心位置から前記計測ターゲットの位置までの距離とから、前記回転軸の差分値による前記回転軸に対する接線方向誤差を算出する接線方向誤差算出ステップと、
    前記回転軸の割り出し指令位置を用いて、前記接線方向誤差を並進軸方向誤差に変換する誤差変換ステップと、
    前記誤差計測ステップで計測した前記計測ターゲットの位置から、前記誤差変換ステップで変換した前記並進軸方向誤差を加算もしくは減算する接線誤差除外ステップと、を
    前記誤差計測ステップで計測した複数の位置に対して実施することを特徴とする請求項1又は2に記載の工作機械の誤差同定方法。
  4. 工作物を保持するテーブルと、工具を保持する主軸とが、3軸以上の並進軸と、任意の位置で軸を保持可能なブレーキ機構及び/又はクランプ可能なクランプ機構を備えた1軸以上の回転軸とによって相対移動可能であり、前記軸の位置を検出する位置検出器により前記各軸の位置を検出して、前記各軸を制御・駆動する工作機械と、
    前記テーブルと前記主軸との何れか一方に設置される計測ターゲットと、
    他方に設置される位置計測センサとを含み、
    請求項1乃至3の何れかに記載の工作機械の誤差同定方法を実施可能であることを特徴とする工作機械の誤差同定システム。
JP2018177766A 2018-09-21 2018-09-21 工作機械の誤差同定方法及び誤差同定システム Active JP7138003B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018177766A JP7138003B2 (ja) 2018-09-21 2018-09-21 工作機械の誤差同定方法及び誤差同定システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018177766A JP7138003B2 (ja) 2018-09-21 2018-09-21 工作機械の誤差同定方法及び誤差同定システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020049548A JP2020049548A (ja) 2020-04-02
JP7138003B2 true JP7138003B2 (ja) 2022-09-15

Family

ID=69994991

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018177766A Active JP7138003B2 (ja) 2018-09-21 2018-09-21 工作機械の誤差同定方法及び誤差同定システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7138003B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111906590B (zh) * 2020-06-15 2022-08-12 北京航天万鸿高科技有限公司 一种用于测量圆度误差和回转误差的自补偿三点法
CN113392553B (zh) * 2021-06-15 2022-10-11 上海理工大学 适用于三坐标测量机星型测头转动过程的碰撞检测方法
CN114812468B (zh) * 2022-06-27 2022-09-06 沈阳建筑大学 基于h型六点法的精密旋转轴系回转误差原位分离方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011038902A (ja) 2009-08-11 2011-02-24 Okuma Corp 機械の誤差同定方法およびプログラム
JP2012221000A (ja) 2011-04-04 2012-11-12 Okuma Corp 工作機械の補正値演算方法及びプログラム
US20130253871A1 (en) 2012-03-20 2013-09-26 Hurco Companies, Inc. Method for measuring a rotary axis of a machine tool system
JP2014048774A (ja) 2012-08-30 2014-03-17 Okuma Corp 数値制御装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011038902A (ja) 2009-08-11 2011-02-24 Okuma Corp 機械の誤差同定方法およびプログラム
JP2012221000A (ja) 2011-04-04 2012-11-12 Okuma Corp 工作機械の補正値演算方法及びプログラム
US20130253871A1 (en) 2012-03-20 2013-09-26 Hurco Companies, Inc. Method for measuring a rotary axis of a machine tool system
JP2014048774A (ja) 2012-08-30 2014-03-17 Okuma Corp 数値制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020049548A (ja) 2020-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10357863B2 (en) Error identification method of machine tool and error identification system of the same
JP7138003B2 (ja) 工作機械の誤差同定方法及び誤差同定システム
JP6538503B2 (ja) 工作機械の幾何誤差同定方法及び幾何誤差同定プログラム
CN101992407B (zh) 设备的误差辨识方法
JP6586112B2 (ja) 工作機械の誤差同定方法及び誤差同定システム
JP6466777B2 (ja) 工作機械における幾何誤差パラメータ同定方法、工作機械の制御方法及び制御装置
US20160116275A1 (en) Geometric-error identification system and geometric-error identification method
EP2290486A1 (en) Machine tool calibration method
JP6807599B2 (ja) 工作機械の誤差同定方法
US10359266B2 (en) Position measurement method of object in machine tool and position measurement system of the same
JP2016155185A (ja) 工作機械の誤差同定方法
JP2019053598A (ja) 工作機械の数値制御装置及び数値制御方法
JP2012030338A (ja) 多軸工作機械の幾何誤差の計測方法
JP6459638B2 (ja) 溝研削装置、溝の加工方法及び玉軸受の製造方法
US20230010557A1 (en) Error identification method for five-axis-control machine tool, non-transitory computer-readable storage medium, and five-axis-control machine tool
CN112775718A (zh) 机床的位置测量传感器的校正值测量方法和校正值测量系统
JP2019195869A (ja) 補正装置および補正方法
US10222193B2 (en) Method and apparatus for inspecting workpieces
US11243062B2 (en) Position measurement method and position measurement system of object in machine tool, and computer-readable recording medium
JP3880030B2 (ja) V溝形状測定方法及び装置
JP6506149B2 (ja) 工作機械の幾何誤差同定方法及び幾何誤差同定プログラム
EP3418682B1 (en) Measuring method using touch probe
CN115702061A (zh) 位置关系测定方法和加工装置
KR102508280B1 (ko) 틸팅 헤드용 회전중심 보정장치
JP7412297B2 (ja) 工作機械のタッチプローブの校正方法及び幾何誤差同定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210330

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220131

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220322

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220809

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220905

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7138003

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150