JP7136958B1 - 光測定器用光源装置および光スペクトラムアナライザ - Google Patents

光測定器用光源装置および光スペクトラムアナライザ Download PDF

Info

Publication number
JP7136958B1
JP7136958B1 JP2021049883A JP2021049883A JP7136958B1 JP 7136958 B1 JP7136958 B1 JP 7136958B1 JP 2021049883 A JP2021049883 A JP 2021049883A JP 2021049883 A JP2021049883 A JP 2021049883A JP 7136958 B1 JP7136958 B1 JP 7136958B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
light source
polarization
spectrum analyzer
optical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021049883A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022148268A (ja
Inventor
元洋 伴野
太一 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Anritsu Corp
Original Assignee
Anritsu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Anritsu Corp filed Critical Anritsu Corp
Priority to JP2021049883A priority Critical patent/JP7136958B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7136958B1 publication Critical patent/JP7136958B1/ja
Publication of JP2022148268A publication Critical patent/JP2022148268A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Spectrometry And Color Measurement (AREA)
  • Optical Couplings Of Light Guides (AREA)

Abstract

【課題】ローコストかつ安定的に偏光していない光を発生させて、光スペクトラムアナライザのレベル偏光依存性の補正を容易にすること。【解決手段】端面放射型発光ダイオード(ELED)11の出力にファイバ型デポラライザ20を接続して光測定器用光源装置25を構成し、無偏光で強度が大きく指向性を有する校正用の光を出射可能にする。対象光のコヒーレンス長よりも長く、長さの比率が1/2の2本の偏波保持ファイバを連結してファイバ型デポラライザ20を構成する。開放されたファイバ端面が不要になり、ファイバ端面での不要な光反射が生じないため、それに起因する誤差や故障の発生を回避できる。実際の測定環境において、光スペクトラムアナライザ10の分光部15におけるレベル偏光依存性の補正係数を算出するために利用できる。レーザダイオードを利用する場合と比べ安価になり波長校正にも使える。【選択図】図1

Description

本発明は、光測定器用光源装置および光スペクトラムアナライザに関し、特に光測定器を校正するための技術に関する。
例えば、光スペクトラムアナライザの構成例が特許文献1に示されている。また、自然放射増幅光(ASE:Amplified Spontaneous Emission)を出力する光源が特許文献2に示されている。また、レーザダイオード(LD)を用いた光源が特許文献3に示されている。
通常、光通信信号や光デバイスの発光のスペクトル特性を測定するための計測器として光スペクトラムアナライザ(OSA)が用いられる。また、OSAを用いて測定される光信号のパラメータのうち、レベルは信号雑音比(S/N)と直結し、ビット誤り率算出に欠かせないため、高確度計測が望まれるものの1つである。
OSA内部に設けられる主要な構成要素である分光部は、多くの光学部品からなり、これらの各部品に発生する歪み、くもり、キズによって、検出される光信号の強度が影響を受ける。したがって、OSAにおいて測定レベルの確度を保つためには、レベルが既知の光を用いて校正を行う必要がある。
また、現在多くのOSAで分光部に用いられている回折格子は、その回折効率が刻線方向と入射光の偏光方向のなす角度に依存して異なるため、測定されるレベルが偏光方向によって異なってしまう。したがって、高確度なレベル計測のためには、このような偏光依存性を補正する必要がある。この補正のために、偏波ダイバージェンス方式のように偏光成分を分離し、各々の強度を計測して補正係数を算出する方法が広く用いられる。
ところが、OSAの使用温度が変わると、熱膨張・収縮による部品の形状歪みによってこの補正係数が変化してしまう。そのため、OSAの使用環境に応じて補正係数を計測し、その上でレベル補正を行う必要がある。この補正係数を計測するには,すべての偏光方向に対して強度が一定である無偏光の光源を準備し、その光をOSAの分散光学系に入射させて、分離した偏光成分それぞれの強度を計測する必要がある。
特開2011-117871号公報 特開2010-50126号公報 特開2008-107096号公報
本発明の課題に関する理解を容易にするために、OSAを校正するために用いられる一般的な光源を含む光スペクトラムアナライザ100の構成例を図3に示す。
この光スペクトラムアナライザ100は、LD光源101、カプラ102、EDF(Erbium-doped fiber)103、光スイッチ(OSW)104、モニタ受光部105、分光部106、受光部107及び108を含んでいる。モニタ受光部105、受光部107及び108はそれぞれフォトダイオード(PD)で構成されている。
また、EDF103はその一端103aがカプラ102と接続され、他端103bが開放された状態になっている。
図3の光スペクトラムアナライザ100において、励起用のLD光源101より送出された光はカプラ102を通過後、EDF103に入力される。その状態で、EDF103の内部からASE光が発せられる。EDF103が出力するASE光のうち入力側へ伝搬する光は、カプラ102を通過し、光スイッチ104を経た後にモニタ受光部105へ導入される。
上記の状態でモニタ受光部105を用いて計測したASE光のレベル(光強度)と、分光部106を経た後に受光部107、108で計測される光のレベル(後述する)とを用いて、光スペクトラムアナライザ100における検出光レベルの絶対値を校正することができる。
光スイッチ104を切り替えることで、カプラ102から出力されるASE光を分光部106に導入することができる。分光部106はその内部で、入力光を偏光成分毎に分離した後で、偏光成分毎に回折格子で波長成分毎に分光した光を受光部107、108に与える。分光部106内の偏光については、例えば2つの直交する偏光成分毎に分離することが代表的である。
したがって、各受光部107及び108は、複数の偏光成分毎に、波長成分毎に分光された光の強度を計測できる。ここで、分光部106に入力されるASE光は無偏光であるので、分離された各偏光成分の強度は等しくなる。そのため、受光部107及び108で実測された強度比を用いて偏光成分ごとの感度を補正するための補正係数を算出できる。
続いて、光スイッチ104を切り替えて測定対象の外部入力光を分光部106の入力に導入し、分光部106の出力光を偏光成分毎に受光部107、108で計測すれば、外部入力光の強度を偏光成分毎に、分光した波長毎に計測できる。更に、計測後に上記補正係数を用いて補正することで、各波長において高確度での光強度が計測できる。
ここで光スペクトラムアナライザに求められる機能としては、測定対象の光の波長と、光の絶対強度との2つのパラメータを正確に検出できることが挙げられる。
例えば、リットマン型の分光部を用いた光スペクトラムアナライザの場合には、波長ごとに光を分散させるために、回折格子に入光する。そして、このような光スペクトラムアナライザで計測されるレベルの絶対値校正と偏光依存性補正を行うためには、参照光源からの光を偏波スクランブラなどによって偏光成分毎に分離し、それらを回折格子に入射して分離された波長成分毎の強度を正しく計測する必要がある。
更に、参照光源からの光は、どのような偏光成分に分離しても強度が変わらない無偏光でなくてはならない。同時に、雑音に影響されることなく受光部でレベル絶対値を計測するために、高強度かつ指向性を持つことが参照光源の光に求められる。
このような参照光源として、これまでは図3に示した光スペクトラムアナライザ100のように、EDF103をLD光源101の出力光で光励起して、EDF103から発生するASE光を用いていた。広帯域のASE光をアセチレン吸収セルやエタロンフィルタなどに透過させることで、広い波長範囲に亘って高精度に校正することが可能になるからである。
しかしながら、光スペクトラムアナライザの校正に利用可能な条件を満たすASE光を発生させるためのLD光源は非常に高価である。また、図3に示したようにEDF103の一端103bが開放されているので、その端面でLD光源101から励起光として入力された光の反射が起こり、その反射光がEDF103からカプラ102を経由してLD光源101側へ戻ることになる。この場合、戻った光の入力に起因して、LD光源101に故障が生じる可能性が懸念される。
更に、EDF103の端面で発生した上記の反射光がASE光に重畳した状態で、カプラ102、光スイッチ104を経由してモニタ受光部105、分光部106に入力されるので、光スペクトラムアナライザ100における光強度の計測に上記反射光の影響が現れ、レベルの補正値を狂わせる可能性がある。したがって、これまで参照光源として使用していた光源装置の場合には、光源の安定性やレベル補正係数の信頼性に難があり、構成が複雑で高価になるという課題があった。
一方、近年では上記のようなASE光と同様に高強度で指向性を持つ光源として,スーパールミネセントダイオード(SLD)、端面放射型発光ダイオード(ELED)がLD光源と比べて安価な価格で入手できる。
しかしながら、LD光源からの発光はほぼ完全に、SLDやELEDからの発光は、部分的に偏光が発生している。したがって、光スペクトラムアナライザを校正するための参照光源として、ASE光の代わりにLD光源、SLD又はELEDをそのまま使用したとしても、光スペクトラムアナライザのレベル偏光依存性を補正する目的で使用することはできない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ローコストかつ安定的に偏光していない光を発生させて、光スペクトラムアナライザのレベル偏光依存性の補正を容易にするために役立つ光測定器用光源装置および光スペクトラムアナライザを提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る光測定器用光源装置および光スペクトラムアナライザは、下記(1)~(6)を特徴としている。
(1) 所定の光測定器の校正に利用可能な光測定器用光源装置であって、
指向性を有する光を校正に利用可能な強度で発光することが可能な光源デバイスと、
前記光源デバイスが出射した光を入力して無偏光化された出力光を生成するデポラライザ部と、
を備える光測定器用光源装置。
(2) 前記光源デバイスが端面放射型発光ダイオードである、
上記(1)に記載の光測定器用光源装置。
(3) 前記デポラライザ部は、長さの比率が一定の2つの偏波保持ファイバを、互いにスロー軸を所定角度だけずらした状態で長手方向に連結して構成したファイバ型デポラライザを備える、
上記(1)又は(2)に記載の光測定器用光源装置。
(4) 指向性を有する光を校正に利用可能な強度で発光することが可能な光源デバイスと、
前記光源デバイスが出射した光を入力して無偏光化された出力光を生成するデポラライザ部と、
入力光をその偏光成分毎に分離すると共に、各偏光成分を波長毎に分光する分光部と、
前記分光部が分光した光の強度を偏光成分毎に検出する受光部と、
前記デポラライザ部の出力光を前記分光部に入力した状態で、前記受光部が検出した偏光成分毎の光強度を取得して、その結果を少なくとも前記分光部の特性の校正に反映する校正制御部と、
を備える光スペクトラムアナライザ。
(5) 前記光源デバイスが端面放射型発光ダイオードである、
上記(4)に記載の光スペクトラムアナライザ。
(6) 前記デポラライザ部は、長さの比率が一定の2つの偏波保持ファイバを、互いにスロー軸を所定角度だけずらした状態で長手方向に連結して構成したファイバ型デポラライザを備える、
上記(4)又は(5)に記載の光スペクトラムアナライザ。
上記(1)の構成の光測定器用光源装置によれば、指向性を有する光を光測定器の校正に利用可能な強度で出力することが可能である。しかも、デポラライザ部が入力光を無偏光化するので、偏光のある光を出射する比較的安価な光源でも光源デバイスとして利用できる。また、ASE光を必要とせず、EDFを使う場合のようにファイバ端面での光反射の影響が発生しないので、OSAのような光測定器を校正する際に算出する補正値の誤差を減らすことができる。
上記(2)の構成の光測定器用光源装置によれば、端面放射型発光ダイオードを利用することにより、指向性を有する光を校正に利用可能な強度でかつ簡易な構成で発光することができる。したがって、光源としてレーザダイオードなどを使用する場合と比べて安価な装置で校正ができる。また、レーザダイオードの場合は特定波長の光だけしか出力できないが、端面放射型発光ダイオードの場合は発光波長を調整でき、広帯域であるので、エタロンフィルタなどを透過させることで、レベルの校正だけでなく波長校正用の光源としても利用できる。
上記(3)の構成の光測定器用光源装置によれば、安価な部品である2つの偏波保持ファイバを利用して入射光を無偏光化する機能を実現できる。しかも、温度変化に伴って2つの偏波保持ファイバの長さが変動する場合でもその長さの比率は変化しないので、温度依存性を抑制できる。
上記(4)の構成の光スペクトラムアナライザによれば、回折格子を利用して波長ごとに光を分散させる分光部を採用している場合でも、無偏光状態の光をデポラライザ部から分光部に入力できるので、分光部内で分離される偏光成分ごとの強度を正しく計測可能である。したがって、この光スペクトラムアナライザで計測されるレベルの絶対値校正と偏光依存性補正を行うことができる。つまり、分光部内の各光学部品に発生する歪み、くもり、キズなどに起因して検出される光信号の強度に偏光依存性の影響が現れるのを補正して正しい光強度を計測できる。
上記(5)の構成の光スペクトラムアナライザによれば、端面放射型発光ダイオードを利用することにより、指向性を有する光を光スペクトラムアナライザの校正に利用可能な強度で発光することができる。したがって、光源としてレーザダイオードなどを使用する場合と比べて安価に校正ができる。また、レーザダイオードの場合は特定波長の光だけしか出力できないが、端面放射型発光ダイオードの場合は発光波長を調整できるので、レベルの校正だけでなく波長校正用の光源としても利用できる。
また、レーザダイオードに比べ端面放射型発光ダイオードはコヒーレンス長が短いため、後述の無偏光化方法で用いる偏波保持ファイバの長さを短くすることが可能であり、装置を小型化およびローコスト化する点において有益である。
上記(6)の構成の光スペクトラムアナライザによれば、安価な部品である2つの偏波保持ファイバを利用して入射光を無偏光化する機能を実現できる。しかも、温度変化に伴って2つの偏波保持ファイバの長さが変動する場合でもその長さの比率は変化しないので、温度依存性を抑制できる。
本発明の光測定器用光源装置および光スペクトラムアナライザは、ローコストかつ安定的に偏光していない光を発生させることが可能であり、光スペクトラムアナライザのレベル偏光依存性の補正を容易にするために効果的である。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係る光測定器用光源装置および光スペクトラムアナライザの構成例を示すブロック図である。 図2(a)はファイバ型デポラライザを示す正面図、図2(b)はファイバ型デポラライザの一部分を示す部分拡大図である。 図3は、一般的な構成の光スペクトラムアナライザを示すブロック図である。
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
<光測定器用光源装置および光スペクトラムアナライザの構成>
本発明の実施形態に係る光測定器用光源装置25および光スペクトラムアナライザ10の構成例を図1に示す。
図1に示すように、光スペクトラムアナライザ10は、測定対象の外部入力光を入力するための被測定光入力部13と、校正用の光を入力するための校正側入力部24とを備えている。
そして、光スペクトラムアナライザ10の校正側入力部24に、本実施形態の光測定器用光源装置25が接続されている。図1に示した光測定器用光源装置25は、端面放射型発光ダイオード(ELED:Edge Emitting LED)11、及びファイバ型デポラライザ20を有している。
端面放射型発光ダイオード11は、指向性を持つ光を発光できるので、光スペクトラムアナライザ10において光レベルを校正するための光源として利用できる。また、発光する光の波長が特定波長に限定されないので波長の校正にも利用可能である。但し、端面放射型発光ダイオード11が発光する光には部分的に偏光が発生しているので、端面放射型発光ダイオード11単独では偏光の影響を受ける光スペクトラムアナライザ10の校正に利用することは難しい。
そこで、図1に示すように、端面放射型発光ダイオード11の出力にファイバ型デポラライザ20が接続されている。偏光を有する端面放射型発光ダイオード11の出力光が、ファイバ型デポラライザ20を通過するように構成することで、ファイバ型デポラライザ20から無偏光化された光を出力することができる。
図1に示した光スペクトラムアナライザ10は、光測定器用光源装置25の他に光スイッチ(OSW)部12、モニタPD14、分光部15、受光部16、17、及び校正制御部18を備えている。
モニタPD14、受光部16、及び17はそれぞれフォトダイオード(PD)で構成されている。したがって、モニタPD14、受光部16、及び17は、それぞれが受光した入力光の光強度を表す電気信号を出力できる。
光スイッチ部12は、2系統の入力端12a、12bと、2系統の出力端12c、12dとを有している。そして、2系統の入力端12a、12bのうち選択した一方に入力される光を、2系統の出力端12c、12dのうち選択した一方から出力することができる。光スイッチ部12の選択状態は、校正制御部18の制御により必要に応じて切り替えることができる。
分光部15は、リットマン型の分光器を内蔵している。この分光器は、入射した光を回折格子に入射させることで波長毎に光を分散させることができ、選択した波長の光成分だけを出力光として受光部16、17に出力することができる。また、分光器の可動部を電気モータなどで駆動することにより、出力光の波長を掃引することができる。
したがって、被測定光を分光部15に入力した状態で、分光部15の波長を掃引しながら受光部16、17で受光レベルを測定することにより、被測定光の波長毎の強度分布、つまりスペクトルを計測することができる。
一方、光スペクトラムアナライザ10の分光部15は、多くの光学部品からなり、これらの各部品に発生する歪み、くもり、キズによって、検出される光信号の強度が影響を受ける。また、光スペクトラムアナライザ10の使用温度が変わると、熱膨張・収縮による部品の形状歪みによってこの補正係数が変化する。したがって、光スペクトラムアナライザ10において測定レベルの確度を保つためには、実際の使用環境において、レベルが既知の光を用いて校正を行う必要がある。
また、分光部15に用いられている回折格子は,その回折効率が刻線方向と入射光の偏光方向のなす角度に依存して異なるため、測定されるレベルが偏光方向によって異なってしまう。したがって、高確度なレベル計測のためには、このような偏光依存性を補正する必要がある。
上記のような補正を可能にするために、分光部15は、分光器に入射する前の光に含まれる複数の偏光成分を分離する機能を内蔵している。例えば、電場が入射面内で振動しているS偏光の光成分と、電場が入射面に垂直に振動しているP偏光の光成分とを分離する。分光部15内の分光器は、分離された偏光毎に入力光を分光する。
受光部16は、分離された一方の偏光成分(例えばS偏光)について、分光部15で分光された波長の光強度を検出することができる。また、受光部17は、分離された他方の偏光成分(例えばP偏光)について、分光部15で分光された波長の光強度を検出することができる。
校正制御部18は、主に分光部15内の物理的要因で発生する誤差を補正するための適切な補正係数を測定するために、以下のような処理を実行する。校正制御部18は、まず最初に全ての偏光方向に対して強度が一定である無偏光の光源として光測定器用光源装置25を用意して、その出力光を光スイッチ部12の入力として選択し測定対象とする。
校正制御部18は、光スイッチ部12の出力を出力端12c側に切り替えて光測定器用光源装置25からの入力光をモニタPD14に出力し、モニタPD14の受光強度LV1を測定する。
次に、校正制御部18は、光スイッチ部12の出力を出力端12d側に切り替えて光測定器用光源装置25からの入力光を分光部15に出力し、各受光部16、17で受光強度LV2、LV3を測定する。そして、受光強度LV1と、受光強度LV2、LV3とに基づいて光スペクトラムアナライザ10における受光強度の絶対値の補正係数を算出する。
更に、校正制御部18は偏光毎の受光強度LV2、LV3の比率に基づいて、偏光成分毎の感度を補正するための補正係数を算出する。つまり、校正する際の分光部15の入力光が無偏光であるため、偏光毎の受光強度LV2、LV3は本来は等しくなる。したがって、偏光毎の受光強度LV2、LV3の違いがなくなるように補正する。これにより、偏光依存性の光強度の誤差がなくなるように、実際の使用環境における光スペクトラムアナライザ10の特性が校正される。
校正が完了した後は、校正制御部18は、被測定光入力部13に入力される被測定光を測定対象にするために、光スイッチ部12を制御し、光スイッチ部12の入力として入力端12a側を選択する。
<ファイバ型デポラライザの構成>
図1に示したファイバ型デポラライザ20の具体的な構成例を図2(a)、図2(b)に示す。図2(b)は図2(a)における接続部23を拡大した部分拡大図である。
図2(a)に示したファイバ型デポラライザ20は、2本の偏波保持ファイバ21、及び22を接続部23でそれらの長手方向に接続して構成してある。偏波保持ファイバ21としては、例えばPANDA( Polarization-maintaining AND Absorption-reducing)ファイバが用いられる。
偏波保持ファイバは、光弾性効果や構造変化を利用してコアの縦横で実効屈折率が異なる複屈折率性を生じさせ、伝送する光の偏波面保持特性を高めた光ファイバである。一般的に用いられるシングルモードファイバにおいては、ファイバ断面内で直交した2つの偏波モードが存在する。また、コア・クラッドの各方向の屈折率が一定であれば偏波モードは変化しない。一方、屈折率に差が出るとファイバの中を伝わる光の速さが変わるので、縦方向に振動する光の偏波と横方向に振動する光の偏波とが干渉したり、信号波形が広がるような状況が発生する。偏波保持ファイバは、コア・クラッド断面の縦横で屈折率に明確な差を持たせることにより、縦と横の偏波が混ざり合わないように構成されている。
図2(a)の例では、2本の偏波保持ファイバ21、22におけるファイバ長L1、L2の比率L1/L2が1/2になるように予め長さを調整されている。また、図2(b)に示すように、2本の偏波保持ファイバ21、22は、その接続部23において、互いのファイバのスロー軸(Slow axis)が相対的に45度ずらした状態で接続されている。なお、接続部23における接続については、物理的な接続手段で接続してもよいし、融合させて接続してもよい。
但し、ファイバ型デポラライザ20を構成する偏波保持ファイバ21、22のファイバ長L1、L2については、無偏光化する光のコヒーレンス長以上にする必要がある。
本実施形態では、端面放射型発光ダイオード11が出力する光の仕様が以下に示す特性である場合を想定している。
中心波長: 1550[nm]
半値全幅: 40[mm]
コヒーレンス長:60[mm]
したがって、上記コヒーレンス長よりも大きくなるように、本実施形態では偏波保持ファイバ21のファイバ長L1を1[m]に定め、偏波保持ファイバ22のファイバ長L2を2[m]に定めてある。
上記の条件に従って構成したファイバ型デポラライザ20を作成して、その特性を実際に測定した。すなわち、偏光のある光がファイバ型デポラライザ20を通過する前の偏光度と、通過した後の偏光度とをそれぞれ測定した。その結果、通過前の偏光度が40[%]、通過後の偏光度が1[%]であった。つまり、上記のような構成のファイバ型デポラライザ20は、偏光のある光から無偏光化された光を生成するために必要な機能を十分に備えている。
したがって、図1に示したように、端面放射型発光ダイオード11の出力にファイバ型デポラライザ20を接続することにより、光スペクトラムアナライザ10における光強度の校正に利用可能な光測定器用光源装置25を実現できる。
なお、実際のELEDモジュールは、出力に光ファイバが繋がった状態で製品となっている場合が多い。したがって、実際の光測定器用光源装置25においては、端面放射型発光ダイオード11の出力の光ファイバの先に、図示しない所定の光コネクタを介してファイバ型デポラライザ20の一端20aを接続する。また、端面放射型発光ダイオード11の出力に光ファイバが繋がっていない場合には、所定の光学レンズを利用して、端面放射型発光ダイオード11の出力光をファイバ型デポラライザ20の一端20aに導入することが想定される。
なお、図3に示したEDF103の端部103bのような開放された端面は、図1の光測定器用光源装置25には存在しない。したがって、光ファイバの端面で発生する不要な反射光が光測定器用光源装置25から発生することはなく、この反射光に起因する誤差の発生や故障の発生も防止できる。
以上のように、本実施形態に係る光測定器用光源装置25においては、比較的安価に入手可能な端面放射型発光ダイオード11を光源として利用できる。また、複数の偏波保持ファイバ21、22を用いて作成可能なファイバ型デポラライザ20を端面放射型発光ダイオード11と組み合わせることで、光スペクトラムアナライザ10のレベル校正に利用可能な光源装置を非常に簡易な構成で実現できる。すなわち、無偏光、光強度、且つ指向性を有する光を光測定器用光源装置25から出力できる。更に、光測定器用光源装置25の場合は開放されたファイバ端面をなくすことができるので、反射光の発生を防止でき、光スペクトラムアナライザ10の安定性と信頼性を確保できる。
また、上述の光スペクトラムアナライザ10は、光測定器用光源装置25を校正用の光源として利用することにより、分光部15等の部位で発生する光強度の偏光依存性を補正することができる。また、端面放射型発光ダイオード11の場合には発光する波長が特定の波長だけに限定されないので、光スペクトラムアナライザ10における波長を校正する目的で光測定器用光源装置25を使用することも可能である。
なお、分光部15等における光強度の偏光依存性を補正することだけが目的であれば、図1中に示したモニタPD14の機能は不要である。
ここで、上述した本発明の実施形態に係る光測定器用光源装置および光スペクトラムアナライザの特徴をそれぞれ以下[1]~[6]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 所定の光測定器(光スペクトラムアナライザ10)の校正に利用可能な光測定器用光源装置(25)であって、
指向性を有する光を校正に利用可能な強度で発光することが可能な光源デバイス(端面放射型発光ダイオード11)と、
前記光源デバイスが出射した光を入力して無偏光化された出力光を生成するデポラライザ部(ファイバ型デポラライザ20)と、
を備える光測定器用光源装置。
[2] 前記光源デバイスが端面放射型発光ダイオード(11)である、
上記[1]に記載の光測定器用光源装置。
[3] 前記デポラライザ部(ファイバ型デポラライザ20)は、長さの比率が一定の2つの偏波保持ファイバ(21、22)を、互いにスロー軸を所定角度だけずらした状態で長手方向に連結して構成したファイバ型デポラライザ(20)を備える、
上記[1]又は[2]に記載の光測定器用光源装置。
[4] 指向性を有する光を校正に利用可能な強度で発光することが可能な光源デバイス(端面放射型発光ダイオード11)と、
前記光源デバイスが出射した光を入力して無偏光化された出力光を生成するデポラライザ部(ファイバ型デポラライザ20)と、
入力光をその偏光成分毎に分離すると共に、各偏光成分を波長毎に分光する分光部(15)と、
前記分光部が分光した光の強度を偏光成分毎に検出する受光部(16、17)と、
前記デポラライザ部の出力光を前記分光部に入力した状態で、前記受光部が検出した偏光成分毎の光強度を取得して、その結果を少なくとも前記分光部の特性の校正に反映する校正制御部(18)と、
を備える光スペクトラムアナライザ(10)。
[5] 前記光源デバイスが端面放射型発光ダイオード(11)である、
上記[4]に記載の光スペクトラムアナライザ(10)。
[6] 前記デポラライザ部は、長さの比率が一定の2つの偏波保持ファイバ(21、22)を、互いにスロー軸を所定角度だけずらした状態で長手方向に連結して構成したファイバ型デポラライザ(20)を備える、
上記[4]又は[5]に記載の光スペクトラムアナライザ(10)。
10 光スペクトラムアナライザ
11 端面放射型発光ダイオード
12 光スイッチ部
13 被測定光入力部
14 モニタPD
15 分光部
16,17 受光部
18 校正制御部
20 ファイバ型デポラライザ
21,22 偏波保持ファイバ
23 接続部
24 校正側入力部
25 光測定器用光源装置
L1,L2 ファイバ長
100 光スペクトラムアナライザ
101 LD光源
102 カプラ
103 EDF
104 光スイッチ
105 モニタ受光部
106 分光部
107,108 受光部

Claims (1)

  1. 端面放射型発光ダイオード(11)と、
    長さの比率が一定の2つの偏波保持ファイバ(21、22)を、互いにスロー軸を所定角度だけずらした状態で長手方向に連結して構成され、前記端面放射型発光ダイオードが出射した光を入力して無偏光化された出力光を生成するファイバ型デポラライザ部(20)と、
    入力光をその偏光成分毎に分離すると共に、各偏光成分を波長毎に回折格子で分光する分光部(15)と、
    前記分光部が分光した光の強度を偏光成分毎に検出する受光部(16、17)と、
    前記デポラライザ部の出力光を前記分光部に入力した状態で、前記受光部が検出した偏光成分毎の光強度を取得して、その結果を少なくとも前記分光部の特性の校正に反映する校正制御部(18)と、
    を備える光スペクトラムアナライザ(10)
JP2021049883A 2021-03-24 2021-03-24 光測定器用光源装置および光スペクトラムアナライザ Active JP7136958B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021049883A JP7136958B1 (ja) 2021-03-24 2021-03-24 光測定器用光源装置および光スペクトラムアナライザ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021049883A JP7136958B1 (ja) 2021-03-24 2021-03-24 光測定器用光源装置および光スペクトラムアナライザ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7136958B1 true JP7136958B1 (ja) 2022-09-13
JP2022148268A JP2022148268A (ja) 2022-10-06

Family

ID=83271704

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021049883A Active JP7136958B1 (ja) 2021-03-24 2021-03-24 光測定器用光源装置および光スペクトラムアナライザ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7136958B1 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0772011A (ja) * 1993-06-21 1995-03-17 Fujitsu Ltd 散乱光測定装置及び散乱光測定方法
JPH10267756A (ja) * 1997-03-28 1998-10-09 Hoya Corp 光スペクトラムアナライザ
JP2002168690A (ja) * 2000-12-04 2002-06-14 Yokogawa Electric Corp 光強度の測定装置及び測定方法
JP2002543381A (ja) * 1999-04-22 2002-12-17 ケーエルエー−テンカー コーポレイション 自己較正機能を備える表面特性解析用システム
JP2006138734A (ja) * 2004-11-12 2006-06-01 Yokogawa Electric Corp 光スペクトラムアナライザ

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0772011A (ja) * 1993-06-21 1995-03-17 Fujitsu Ltd 散乱光測定装置及び散乱光測定方法
JPH10267756A (ja) * 1997-03-28 1998-10-09 Hoya Corp 光スペクトラムアナライザ
JP2002543381A (ja) * 1999-04-22 2002-12-17 ケーエルエー−テンカー コーポレイション 自己較正機能を備える表面特性解析用システム
JP2002168690A (ja) * 2000-12-04 2002-06-14 Yokogawa Electric Corp 光強度の測定装置及び測定方法
JP2006138734A (ja) * 2004-11-12 2006-06-01 Yokogawa Electric Corp 光スペクトラムアナライザ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022148268A (ja) 2022-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6567480B2 (ja) ブリルアン散乱によって温度および/または歪を空間分解測定するための装置および方法
US9810521B2 (en) Displacement detection apparatus
US8154715B2 (en) Method for monitoring and measuring optical properties of device in polarization maintaining fibers by using reference fiber bragg grating and fiber components manufactured thereby
JP6018429B2 (ja) 光ファイバの解析装置および光ファイバの解析方法
JP7136958B1 (ja) 光測定器用光源装置および光スペクトラムアナライザ
US20030072514A1 (en) Multiplexed fiber laser sensor system
JP2023133433A (ja) 変位検出装置
WO2022191201A1 (ja) 物理量測定装置
JP4373842B2 (ja) Fbgセンシングシステム
JP2007178258A (ja) 光スペクトラムアナライザおよびこれを用いた光ファイバセンサシステム
CN102959374B (zh) 光纤双折射温度计和用于制造其的方法
US6909506B2 (en) Stokes parameter measurement device and method
JP2010016270A (ja) 波長掃引光源
JP4802916B2 (ja) 双方向光モジュールおよびこれを用いた光パルス試験器
JP2005062138A (ja) Fbgセンシングシステム
JP2015055595A (ja) 電磁界センサおよび電磁界センシング方法
JP2005003594A (ja) 光ファイバグレーティングの反射波長測定方法及び物理量測定方法
US12031886B2 (en) Sensor assembly for measuring at least a first torsion of a rotor blade of a wind turbine generator system
JP2004525367A (ja) 測定の分散効果を検出する方法及び装置
KR100317140B1 (ko) 파장분할다중 광통신에서 광신호의 파장과 광 세기와 광 신호대 잡음비를 측정하는 장치
JPH0953999A (ja) 光式外力検知装置
KR100343070B1 (ko) 파장 분할 다중 시스템에서 실시간으로 채널별 광 신호의파장을 측정하는 시스템 및 방법
KR100292809B1 (ko) 파장 분할 다중된 광신호의 파장과 광 세기와 광신호 대 잡음비를 측정하는 장치
Stolze et al. Optical all-loss test solution
JP2002131181A (ja) 受光素子の損失測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210709

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220614

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220729

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220816

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220901

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7136958

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150