JP7135270B2 - エポキシ樹脂組成物、繊維強化複合材料および成形品 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、繊維強化複合材料および成形品 Download PDF

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Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物、繊維強化複合材料および成形品に関するものである。
エポキシ樹脂はその優れた機械的特性を活かし、塗料、接着剤、電気電子情報材料、先端複合材料などの産業分野に広く使用されている。特に炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などの強化繊維とマトリックス樹脂からなる繊維強化複合材料では、エポキシ樹脂が多用されている。
繊維強化複合材料の製造方法としては、プリプレグ法、ハンドレイアップ法、フィラメントワインディング法、プルトルージョン法、RTM(Resin Transfer Molding)法等の工法が適宜選択される。これらの工法のうち、液状樹脂を用いるフィラメントワインディング法、プルトルージョン法、RTM法は、圧力容器、電線、自動車などの産業用途への適用が特に活発化している。
一般にプリプレグ法により製造された繊維強化複合材料は、強化繊維の配置が精緻に制御されるため、優れた機械特性を示す。一方で近年の環境への関心の高まり、温室効果ガスの排出規制の動きを受け、プリプレグ以外の、液状樹脂を用いた繊維強化複合材料でも、さらなる高強度化が求められている。
特許文献1は、アクリルアミドやフタルイミドを用い、強化繊維との接着性を上げることで、ねじり強度に優れた繊維強化複合材料を与えるフィラメントワインディング向け樹脂を開示している。
特許文献2は、置換フェニルグリシジルエーテルを用いた、作業性と機械強度に優れた繊維強化複合材料を与えるRTM向け樹脂を開示している。
特許文献3は、単官能のエポキシ、特にグリシジルフタルイミドと3官能以上のエポキシ樹脂を用い、耐衝撃性と低温下での力学特性を向上させる樹脂組成物を開示している。
特許文献4は、単官能エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂、コアシェルポリマーを含み、弾性率と破壊靱性に優れるエポキシ樹脂組成物を開示している。
特許文献5は、ビフェニル骨格を有する1官能エポキシを含み、強度および伸びに優れる繊維強化複合材料を与えるプリプレグ用樹脂組成物を開示している。
特許文献6は、反応性希釈剤として単官能エポキシを用いる低粘度のエポキシ樹脂組成物を開示している。
特開2000-212254号公報 特開2005-120127号公報 特開2010-59225号公報 特開2011-46797号公報 特開2006-265458号公報 特表2009-521589号公報
しかしながら、特許文献1はねじり強度および圧縮強度は向上するものの、繊維強化複合材料の引張強度利用率は十分とはいえない。特許文献2は、低粘度で耐熱性を有する樹脂は開示されているものの、繊維強化複合材料の引張強度利用率は十分とはいえない。特許文献3においても、繊維強化複合材料の引張強度利用率は十分とはいえない。さらに、特許文献3で開示されている樹脂組成物はプリプレグ向けの粘度が高いものであり、液状樹脂を用いるプロセスには適用できない。さらに、特許文献3は熱可塑性粒子の配置を制御して性能を向上させるが、このような積層体独自の設計は、液状樹脂を用いるプロセス、特にプルトルージョン法やフィラメントワインディング法への適用は困難である。
さらに特許文献4は、耐衝撃性の向上には効果があるが引張強度利用率は十分といえなかった。特許文献5は、耐熱性に優れる繊維強化複合材料が得られるものの、引張強度利用率は十分とはいえない。特許文献6は低粘度の樹脂組成物を得られるものの、繊維強化複合材料の引張強度利用率は十分とはいえない。
さらに、特許文献5で開示されている樹脂組成物はプリプレグ向けの粘度が高いものであり、液状樹脂を用いるプロセスには適用できない。
一般に、不飽和ポリエステル樹脂やフェノール樹脂と比べて、エポキシ樹脂組成物は硬化収縮率が小さいため、硬化後の樹脂と金型内壁の摩擦が大きく、金型出口部分に樹脂スラッチが堆積し、引抜力の増加に伴う糸切れが発生し、成形品の機械特性や外観が低下するという問題がある。また、スラッチの堆積に伴い成形品表面に筋状のかすれが発生し、成形品の機械特性や外観が低下するという問題がある。
そこで、本発明は、成形に適する一定の硬化収縮率を有し、高い優れた引張強度利用率を有する繊維強化複合材料を与えるエポキシ樹脂組成物、それをマトリックス樹脂として用いた、優れた引張強度利用率を有する繊維強化複合材料および成形品を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記構成からなるエポキシ樹脂組成物を見いだし、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明のエポキシ樹脂組成物は、以下の構成からなる。
次の構成要素[A]~[C]を含むエポキシ樹脂組成物であって、構成要素[B]が、下記構成要素[b1]および/または下記構成要素[b2]と、構成要素[b1]および構成要素[b2]以外の2官能以上の芳香族エポキシ樹脂と、から構成されており、構成要素[C]が下記構成要素[c1]または下記構成要素[c2]であり、該エポキシ樹脂組成物を硬化させた硬化物の動的粘弾性評価におけるゴム状態弾性率が10MPa以下であり、かつ該硬化物の硬化収縮率が3.5~7.0%である、エポキシ樹脂組成物。
[A]tert-ブチル基、sec-ブチル基、イソプロピル基またはフェニル基で置換されたフェニルグリシジルエーテルである単官能エポキシ樹脂
[B]2官能以上の芳香族エポキシ樹脂
[b1]置換されていてもよいジグリシジルアニリン(ここで、置換基は、炭素数1~4のアルキル基、フェニル基、フェノキシ基から選ばれる基である。)
[b2]テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン
[C]硬化剤
[c1]酸無水物系硬化剤
[c2]脂肪族アミン系硬化剤。
また、本発明の繊維強化複合材料は、上記エポキシ樹脂組成物の硬化物と強化繊維とからなる。
さらに、本発明の成形品は、上記繊維強化複合材料からなる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、適切な硬化収縮率を有し、該エポキシ樹脂組成物をマトリックス樹脂として用いた、本発明の繊維強化複合材料および成形品は、優れた引張強度利用率を有する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、次の構成要素[A]~[C]を含むポキシ樹脂組成物であって、構成要素[B]が下記構成要素[b1]または下記構成要素[b2]であり、構成要素[C]が下記構成要素[c1]または下記構成要素[c2]であり、該エポキシ樹脂組成物を硬化させた硬化物の動的粘弾性評価におけるゴム状態弾性率が10MPa以下であり、かつ該硬化物の硬化収縮率が3.5~7.0%である。
[A]tert-ブチル基、sec-ブチル基、イソプロピル基またはフェニル基のいずれか一つで置換されたフェニルグリシジルエーテル
[B]2官能以上の芳香族エポキシ樹脂
[b1]置換されていてもよいジグリシジルアニリン
[b2]テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン
[C]硬化剤
[c1]酸無水物系硬化剤
[c2]脂肪族アミン系硬化剤。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記構成要素[A]~[C]を含む。
本発明の構成要素[A]であるtert-ブチル基、sec-ブチル基、イソプロピル基、またはフェニル基のいずれか一つで置換されたフェニルグリシジルエーテルは、適切な硬化収縮率を有し、優れた引張強度利用率を有する繊維強化複合材料を得るために必要な成分である。引張強度利用率は、繊維強化複合材料が、強化繊維の強度をどれだけ活用しているかの指標である。同じ種類と量の強化繊維を用いた繊維複合強化材料同士であっても、引張強度利用率が高い繊維強化複合材料の方が、高い引張強度を示す。かかるフェニルグリシジルエーテル、すなわち、エポキシ樹脂としては、例えば、o-フェニルフェノールグリシジルエーテル、p-フェニルフェノールグリシジルエーテル、p-tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、p-sec-ブチルフェニルグリシジルエーテル、p-イソプロピルフェニルグリシジルエーテル、などが挙げられる。
構成要素[B]は、芳香環を含む2官能以上のエポキシ樹脂であり、下記構成要素[b1]または下記構成要素[b2]である。
[b1]置換されていてもよいジグリシジルアニリン
[b2]テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン。
構成要素[b1]は、置換されていてもよいジグリシジルアニリンである。置換基としては、例えば、炭素数1~4のアルキル基、フェニル基、フェノキシ基などが挙げられる。炭素数1~4のアルキル基は、エポキシ樹脂の粘度上昇を抑えるため好ましい。かかるエポキシ樹脂としては、例えばジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、N,N-ジグリシジル-4-フェノキシアニリンなどが挙げられる。
構成要素[b2]は、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンである。
構成要素[C]は硬化剤であり、下記構成要素[c1]または下記構成要素[c2]である。
[c1]酸無水物系硬化剤
[c2]脂肪族アミン系硬化剤。
構成要素[c1]は酸無水物系硬化剤である。酸無水物系硬化剤とは、分子中に酸無水物基を1個以上有する化合物である。酸無水物系硬化剤としては、例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水マレイン酸、無水コハク酸などが挙げられる。
構成要素[c2]は脂肪族アミン系硬化剤である。脂肪族アミン系硬化剤とは、分子内に1級または2級のアミノ基を1個以上有する脂肪族化合物である。脂肪族アミン系硬化剤としては、例えば、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、N-アミノエチルピペラジン、4,4’-メチレンビスシクロヘキシルアミン、2,2’-ジメチル-4,4’-メチレンビスシクロヘキシルアミン、シクロヘキサンジアミン、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、アルキレングリコール構造を有する脂肪族ポリアミンなどが挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させた硬化物の動的粘弾性評価におけるゴム状態弾性率は10MPa以下である。ゴム状態弾性率を該範囲とすることで、得られる繊維強化複合材料が、優れた引張強度利用率を示す。なお、本発明において、繊維強化複合材料の引張強度は、引張強度利用率により評価する。ここで、ゴム状態弾性率とは、架橋密度と相関がある指標であり、一般的に架橋密度が低いほど、ゴム状態弾性率も低くなる。引張強度利用率は、繊維強化複合材料の引張強度/(強化繊維のストランド強度×繊維体積含有率)×100で示され、この数値が高いことは強化繊維の性能をより高く引き出していることを表し、軽量化効果が大きいといえる。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化収縮率は3.5~7.0%である。硬化収縮率を3.5%以上とすることで、引抜成形時の樹脂硬化物と金型との間の摩擦がおさえられ、引抜工程が安定するとともに、樹脂スラッチの発生が抑えられる。また、硬化収縮率を7.0%以下とすることで、エポキシ樹脂硬化物と強化繊維との間で発生する内部(収縮)応力を抑制でき、引張強度利用率に優れた繊維強化複合材料が得られる。ここで、硬化収縮率は、エポキシ樹脂組成物の未硬化物比重と硬化物比重をJIS K7112(1999)に従い、A法(水中置換法)、23℃にて測定し、(硬化物比重-未硬化物比重)÷硬化物比重×100の計算式を用いて算出する。
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化する条件は特に規定されず、硬化剤の特性に応じて適宜選択される。
一般的に熱硬化性樹脂は硬化時の架橋形成に伴い体積が収縮する。従って架橋密度が高いほど、硬化収縮率は大きくなると考えられる。一方で、架橋密度が高いほどゴム状態弾性率は高くなり、成形品の引張強度利用率が低下する。すなわち、一定の硬化収縮率と低いゴム状態弾性率を両立することは困難である。本発明のエポキシ樹脂組成物は、これらの両立を可能とし、硬化収縮率と引張強度利用率のバランスに優れる繊維強化複合材料を与える液状のエポキシ樹脂組成物となる。
本発明のエポキシ樹脂組成物が、低いゴム状態弾性率と硬化収縮率を両立する理由は定かではないが、構成要素[A]が有する立体障害の大きい置換基が構成要素[C]の硬化反応に干渉し、共有結合による架橋が少なくなり、架橋密度が低くなる一方で、構成要素[A]が有する立体障害の大きい置換基が自由体積を埋めることでネットワークの充填率が高まり、硬化収縮率が高くなったと推測している。また、エポキシ樹脂組成物の硬化物中で、構成要素[b1]の芳香環は、立体障害として構成要素[A]のtert-ブチル基やフェニル基などの置換基と干渉し、分子鎖の運動を制限する。その結果、共有結合に由来する架橋密度が低くなると同時に、バルキーな骨格がさらに自由体積を埋めることで、硬化収縮率がより高くなる。また、構成要素[b2]は、一般に架橋密度を上昇させる成分であるが、構成要素[A]と併用した場合、一部のエポキシ基が立体障害の影響を受けて未反応となり、これがさらなる立体障害となるため、構成要素[b1]と同様に、架橋密度が低い状態で、構成要素[A]が有する立体障害の大きい置換基が自由体積を埋めることで、高硬化収縮率となる。つまり、構成要素[A]、構成要素[b1]または構成要素[b2]、構成要素[C]の組み合わせにより硬化されたエポキシ樹脂硬化物は、低いゴム状態弾性率と高い硬化収縮率を両立できる。さらに、該エポキシ樹脂組成物をマトリックス樹脂として用いることで、優れた硬化収縮率と引張強度利用率のバランスを有する繊維強化複合材料を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、構成要素[A]を、全エポキシ樹脂100質量部中15~50質量部含むことが好ましい。構成要素[A]を当該範囲とすることで、より硬化収縮率と引張強度利用率のバランスに優れた繊維強化複合材料を与えるエポキシ樹脂組成物が得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、構成要素[A]に示される成分を2種類以上含むことが好ましい。異なる構造もしくは置換位置の立体障害が導入されることで、分子間の運動がより抑制される。
本発明のエポキシ樹脂組成物にはさらに、本発明の効果を損なわない範囲、特に粘度の許容される範囲において、構成要素[A]、構成要素[b1]および構成要素[b2]以外のエポキシ樹脂を含有することができる。構成要素[A]、構成要素[b1]および構成要素[b2]以外のエポキシ樹脂は、機械特性、耐熱性、耐衝撃性などのバランスや、粘度などのプロセス適合性を目的に応じて調節することができ、好適に用いられる。
構成要素[A]、構成要素[b1]および構成要素[b2]以外のエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を含むエポキシ樹脂、構成要素[A]以外のフェニルグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、エポキシ基を有する反応性希釈剤などが挙げられる。これらは単独で用いても、複数種を組み合わせても良い。
構成要素[b1]または構成要素[b2]は、構成要素[A]と組み合わせることで、得られる強化繊維複合材料が、より優れた硬化収縮率と引張強度利用率のバランスを示す。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、構成要素[B]が、構成要素[b1]と構成要素[b2]を同時に含むことが好ましい。液状樹脂としての作業性に優れ、より硬化収縮率と引張強度利用率のバランスに優れ、さらに耐熱性にも優れる繊維強化複合材料が得られるためである。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、構成要素[A]が、tert-ブチル基またはsec-ブチル基で置換されたフェニルグリシジルエーテルであることが好ましい。置換基であるtert-ブチル基またはsec-ブチル基が、エポキシネットワークと干渉しやすくなり、立体障害基としての効果が大きくなるため、より低ゴム状態弾性率の硬化物が得られやすくなり、より引張強度利用率に優れる繊維強化複合材料を得やすくなる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、構成要素[C]が、構成要素[c1]であることが好ましい。構成要素[c1]である酸無水物系硬化剤は、エポキシ樹脂組成物の低粘度化と樹脂の硬化物の耐熱性をバランス良く両立できるので好ましい。
酸無水物硬化剤は、例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルビシクロヘプタンジカルボン酸無水物、ビシクロヘプタンジカルボン酸無水物、無水マレイン酸、無水コハク酸などが挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、構成要素[c1]が、ノルボルネン骨格またはノルボルナン骨格を有する化合物を含むことが好ましい。本発明のエポキシ樹脂組成物において、ノルボルネン骨格またはノルボルナン骨格を有する酸無水物は、該骨格の立体障害性により分子鎖との干渉が大きくなり、硬化収縮率と引張強度利用率のバランスだけでなく、耐熱性にも優れるエポキシ樹脂組成物の硬化物が得られる観点から、好適に用いられる。ノルボルネン骨格またはノルボルナン骨格を有する酸無水物としては、具体的には、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルビシクロヘプタンジカルボン酸無水物、ビシクロヘプタンジカルボン酸無水物が挙げられる。
酸無水物を硬化剤として使用する場合は、一般に硬化促進剤を併用する。硬化促進剤としては、イミダゾール化合物、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(以下、DBUという)塩、3級アミン化合物、ルイス酸などが用いられる。これらの中でも、本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化促進剤として、イミダゾール化合物または3級アミン化合物を含むことが好ましい。かかる硬化促進剤は、反応性が高く生産性に優れるため、好ましく用いられる。イミダゾール化合物としては、2-エチル-4-メチルイミダゾールや1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾールなどが挙げられる。3級アミン化合物としては、ジメチルベンジルアミンやトリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどが挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、構成要素[C]が、構成要素[c2]であって、アミノ基を有する炭素原子に隣接する炭素原子が置換基を有する2,2’-ジメチル-4,4’-メチレンビスシクロヘキシルアミンを含むことが好ましい。本発明のエポキシ樹脂組成物において、アミノ基を有する炭素原子に隣接する炭素原子が置換基を有する2,2’-ジメチル-4,4’-メチレンビスシクロヘキシルアミンの適用は、構成要素[A]および構成要素[b1]または構成要素[b2]との組み合わせで、立体障害による分子鎖の拘束が大きくなり、硬化収縮率と引張強度利用率のバランスだけでなく、耐熱性にも優れる繊維強化複合材料が得られるため好ましい
構成要素[c2]である、これら脂肪族アミン系硬化剤は、単独または組み合わせて使用することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、構成要素[C]が、さらに構成要素[c2]として、アルキレングリコール構造を有する脂肪族ポリアミンを含むことが好ましい。アミノ基を有する炭素原子に隣接する炭素原子が置換基を有する2,2’-ジメチル-4,4’-メチレンビスシクロヘキシルアミンと、アルキレングリコール構造を有する脂肪族ポリアミンを併用することにより、エポキシ樹脂組成物の粘度および硬化物のゴム状態弾性率のバランスが向上しやすくなり、繊維強化複合材料の引張強度利用率を向上しやすくなるため好ましい。アルキレングリコール構造には、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンの共重合体などが挙げられる。中でも、末端にアミノ基を有する脂肪族ポリアミンが、エポキシ樹脂との反応性に優れ、エポキシ樹脂とのネットワークに取り込まれやすく、繊維強化複合材料の引張強度利用率を向上させるため、好適に用いられる。末端にアミノ基を有する脂肪族ポリアミンとしては、2-アミノプロピルエーテル構造、2-アミノエチルエーテル構造、または3-アミノプロピルエーテル構造を有する脂肪族ポリアミンが挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、構成要素[C]が、さらに構成要素[c2]としてイソホロンジアミンを含むことが好ましい。アミノ基を有する炭素原子に隣接する炭素原子が置換基を有する2,2’-ジメチル-4,4’-メチレンビスシクロヘキシルアミンに加え、イソホロンジアミンを加えることは、引張強度利用率に優れる繊維強化複合材料が得られることに加え、プロセス安定性が改善される。イソホロンジアミンを加えることで、樹脂バス中のアミンが空気中の二酸化炭素と塩を形成する現象(アミンブラッシュ)を抑え、プロセス安定性を改善するためである。
構成要素[c2]である、これらの脂肪族アミン系硬化剤は、単独または組み合わせて使用することができる。
構成要素[C]の総量は、エポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂成分のエポキシ基に対し、活性水素当量または酸無水物当量を0.6~1.2当量とすることが好ましい。この範囲とすることで、耐熱性と機械特性のバランスに優れた繊維強化複合材料を与える、樹脂硬化物を得られやすくなる。
本発明におけるゴム状態弾性率は、エポキシ樹脂組成物を硬化させた硬化物から、厚み2mm、幅12.7mm、長さ45mmの試験片を切り出し、粘弾性測定装置(ARES、ティー・エイ・インスツルメント社製)を用い、ねじり振動周波数1.0Hz、昇温速度5.0℃/分の条件下で、30~250℃の温度範囲でDMA測定を行い、ガラス転移温度およびゴム状態弾性率を読み取る。ガラス転移温度は、貯蔵弾性率G’曲線において、ガラス状態での接線と転移状態での接線との交点における温度である。また、ゴム状態弾性率は、ガラス転移温度を上回る温度領域で、貯蔵弾性率が平坦になった領域での貯蔵弾性率であり、ここではガラス転移温度から40℃上の温度での貯蔵弾性率とする。
また、エポキシ樹脂組成物を硬化した硬化物のガラス転移温度を95℃以上とすることが好ましく、繊維強化複合材料に発生するゆがみや、変形が原因となる力学特性の低下を抑制でき、耐環境性に優れた繊維強化複合材料が得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化する条件は特に規定されず、硬化剤の特性に応じて適宜選択される。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、プルトルージョン法やフィラメントワインディングなどの液状プロセスにより製造される繊維強化複合材料に好適に用いられる。該エポキシ樹脂組成物は強化繊維束への含浸性を向上させるため、液状である必要がある。具体的には、本発明のエポキシ樹脂組成物は、25℃における粘度が2000mPa・s以下であることが好ましい。粘度がこの範囲にあることで、樹脂バスに特段の加温機構を設けることや、有機溶剤などにより希釈することを必要とせず、エポキシ樹脂組成物を強化繊維束に含浸させることができる。
前記粘度は、200~1000mPa・sであることが好ましい。前記粘度をこの範囲とすることで、成形プロセス中の樹脂垂れを抑制し、エポキシ樹脂組成物の強化繊維束への含浸性をより向上することが出来る。
本発明における粘度、増粘倍率は、標準コーンローター(1°34’×R24)を装備したE型粘度計(東機産業(株)製、TVE-30H)を用い、JIS Z8803(1991)における「円すい-板形回転粘度計による粘度測定方法」に従い、測定温度25℃、回転速度50回転/分の条件下で測定する。初期粘度は、測定開始から5分後の粘度とする。なお、本発明において、単に粘度という場合、初期粘度を指す。また、25℃での90分後の粘度を初期粘度で除した値を増粘倍率とする。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、25℃における90分後の増粘倍率が4倍以下であることが好ましい。増粘倍率は、エポキシ樹脂組成物のポットライフの指標である。また、増粘倍率が該範囲であることで、プルトルージョン法やフィラメントワインディングにおいて、強化繊維がピックアップするエポキシ樹脂組成物の質量を安定性させることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明の効果を失わない範囲において、熱可塑性樹脂を含有することができる。熱可塑性樹脂としては、エポキシ樹脂に可溶な熱可塑性樹脂や、ゴム粒子および熱可塑性樹脂粒子等の有機粒子等を含有することができる。
エポキシ樹脂に可溶な熱可塑性樹脂としては、例えばポリビニルホルマールやポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール、フェノキシ樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルピロリドン、ポリスルホンを挙げることができる。
ゴム粒子としては、架橋ゴム粒子、および架橋ゴム粒子の表面に異種ポリマーをグラフト重合したコアシェルゴム粒子を挙げることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物の調製には、例えばプラネタリーミキサー、メカニカルスターラーといった機械を用いて混練しても良いし、ビーカーとスパチュラなどを用い、手で混ぜても良い。
本発明の繊維強化複合材料は、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物と強化繊維からなる。上記方法で調製された本発明のエポキシ樹脂組成物を、強化繊維と複合一体化した後、硬化させることにより、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物をマトリックス樹脂として含む繊維強化複合材料を得ることができる。
本発明に用いられる強化繊維は特に限定されるものではなく、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維などが用いられる。これらの繊維を2種以上混合して用いても構わない。この中で、軽量かつ高剛性な繊維強化複合材料が得られる炭素繊維を用いることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、プルトルージョン法、フィラメントワインディング法に好適に使用できる。プルトルージョン法は、強化繊維のロービングに樹脂を付着させ、金型を通過させながら樹脂を連続的に硬化させて成形品を得る成形法である。フィラメントワインディング法は、マンドレルまたはライナーに、強化繊維に樹脂を付着させながら巻きつけ、硬化させて成形品を得る成形法である。本発明のエポキシ樹脂組成物は、いずれの工法においても、調製後に樹脂バスに投入して用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いた繊維強化複合材料は、圧力容器、プロペラシャフト、ドライブシャフト、電線ケーブルコア材、自動車、船舶および鉄道車両などの移動体の構造体、ケーブル用途に好ましく用いられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、成形品、特にプルトルージョン法による引抜成形品の製造に、好適に用いられる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂組成物でありながら、適切な硬化収縮率を有するため、成形性に優れ、さらには成形品の機械特性や外観にも優れる引抜成形品が得られるため好ましい。
本発明の成形品は、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物と強化繊維からなる繊維強化複合材料からなる。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物と強化繊維からなる繊維強化複合材料および成形品は、一定の硬化収縮率を有しつつ、優れた引張強度利用率を有するため好ましい。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
本実施例で用いた構成要素は以下の通りである。
<使用した材料>
構成要素[A]
・“エピオール(登録商標)”TB(p-tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、日油(株)製)
・“デナコール(登録商標)”EX-146(p-tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、ナガセケムテックス(株)製)
・“エピオール(登録商標)”SB(p-sec-ブチルフェニルグリシジルエーテル、日油(株)製)
・OPP-G(o-フェニルフェノールグリシジルエーテル、三光(株)製)。
構成要素[B]
・GAN(N,N-ジグリシジルアニリン、日本化薬(株)製)
・GOT(N,N-ジグリシジルオルソトルイジン、日本化薬(株)製)
・Px-GAN(N,N‐ジグリシジル‐4‐フェノキシアニリン、東レ・ファインケミカル(株)製)
・“スミエポキシ(登録商標)”ELM434(N,N,N’,N’-テトラグリシジル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、住友化学(株)製)
・“オグソール(登録商標)”PG-100(フルオレン系エポキシ樹脂、大阪ガスケミカル(株)製)
・“ARALDITE(登録商標)”MY0500(トリグリシジル-p-アミノフェノール、ハンツマン・ジャパン(株)製)
・“TETRAD(登録商標)”-X(N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、三菱ガス化学(株)製)
・“jER(登録商標)”828(液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱化学(株)製)
・“jER(登録商標)”806(液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂、三菱化学(株)製)。
構成要素[C]
・“Baxxodur(登録商標)”EC201(イソホロンジアミン、BASFジャパン(株)製)
・XTA-801(1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ハンツマン・ジャパン(株)製)
・“Baxxodur(登録商標)”EC331(2,2’-ジメチル-4,4’-メチレンビスシクロヘキシルアミン、BASFジャパン(株)製)
・“JEFFAMINE(登録商標)”D-230(ポリプロピレングリコールジアミン、ハンツマン・ジャパン(株)製)
・HN-2200(メチルテトラヒドロ無水フタル酸、日立化成工業(株)製)
・“KAYAHARD(登録商標)”MCD(無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸と無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸の混合液(表中では、一般名の無水メチルナジック酸を記載)、日本化薬(株)製)。
構成要素[A]及び[B]以外のエポキシ樹脂
・“デナコール(登録商標)”EX-731(N-グリシジルフタルイミド、ナガセケムテックス(株)製)
・YED216(1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、油化シェルエポキシ(株)製)。
構成要素[c1]及び[c2]以外の硬化剤
・“jERキュア(登録商標)”W(ジエチルトルエンジアミン、三菱化学(株)製)
・3,3’DAS(3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、三井化学ファイン(株)製)
・セイカキュア-S(4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、セイカ(株)製)
・ジシアンジアミド(ジシアンジアミド、日本カーバイド(株)製)。
硬化促進剤
・“カオーライザー(登録商標)”No.20(N,N-ジメチルベンジルアミン、花王(株)製)
・“U-CAT(登録商標)”SA102(1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7の2-エチルヘキサン酸塩、サンアプロ(株)製)
・“OMICURE(登録商標)”94(3-フェニル-1,1-ジメチルウレア、PTIジャパン(株)製)。
<エポキシ樹脂組成物の調製方法>
ビーカー中に、構成要素[A]、構成要素[B]および必要に応じそれ以外のエポキシ樹脂を投入し、80℃の温度まで昇温させ30分加熱混練を行った。その後、混練を続けたまま30℃以下の温度まで降温させ、構成要素[C]および必要に応じそれ以外の硬化剤や硬化促進剤を加えて10分間撹拌させ、エポキシ樹脂組成物を得た。
各実施例および比較例の成分配合比について表1~3に示した。なお、以下では実施例7を参考例と読み替えるものとする。
<樹脂硬化物の作製方法>
上記<エポキシ樹脂組成物の調製方法>に従い調製したエポキシ樹脂組成物を真空中で脱泡した後、2mm厚の“テフロン(登録商標)”製スペーサーにより厚み2mmになるように設定したモールド中で硬化させ、厚さ2mmの板状の樹脂硬化物を得た。硬化条件は、使用する硬化剤に応じて以下のAまたはBを適用した。
・硬化条件A: 100℃で2時間硬化させた後、150℃で4時間硬化。
・硬化条件B: 80℃で2時間硬化させた後、110℃で4時間硬化。
<繊維強化複合材料の作製方法>
上記<エポキシ樹脂組成物の調製方法>に従い調製したエポキシ樹脂組成物を、一方向に引き揃えたシート状にした炭素繊維“トレカ(登録商標)”T700S-12K-50C(東レ(株)製、目付150g/m)に常温で含浸させ、エポキシ樹脂含浸炭素繊維シートを得た。得られたシートを繊維方向が同じになるよう8枚重ねた後、金属製スペーサーにより厚み1mmになるよう設定した金型に挟み、その金型を80℃または100℃に加熱したプレス機で2時間加熱硬化を実施した。その後、プレス機から金型を取り出し、さらに110℃または150℃に加熱したオーブンで4時間加熱硬化し、繊維強化複合材料を得た。なお、硬化温度は、使用する硬化剤に応じて以下のAまたはBを適用した。
・硬化条件A: 100℃で2時間硬化させた後、150℃で4時間硬化。
・硬化条件B: 80℃で2時間硬化させた後、110℃で4時間硬化。
<樹脂硬化物の動的粘弾性測定方法>
上記<樹脂硬化物の作製方法>により得られた樹脂硬化物から、幅12.7mm、長さ45mmの試験片を切り出し、粘弾性測定装置(ARES、ティー・エイ・インスツルメント社製)を用い、ねじり振動周波数1.0Hz、昇温速度5.0℃/分の条件下で、30~250℃の温度範囲でDMA測定を行い、ガラス転移温度およびゴム状態弾性率を読み取った。ガラス転移温度は、貯蔵弾性率G’曲線において、ガラス状態での接線と転移状態での接線との交点における温度とした。また、ゴム状態弾性率は、ガラス転移温度を上回る温度領域で、貯蔵弾性率が平坦になった領域での貯蔵弾性率であり、ここではガラス転移温度から40℃上の温度での貯蔵弾性率とした。
<エポキシ樹脂組成物の硬化収縮率評価方法>
エポキシ樹脂組成物の未硬化物比重と硬化物比重をJIS K7112(1999)に準拠し、A法(水中置換法)、23℃にて測定を行った。
エポキシ樹脂組成物の硬化収縮率は、(硬化物比重-未硬化物比重)÷硬化物比重×100の計算式を用いて算出した。
<繊維強化複合材料の引張強度測定>
上記<繊維強化複合材料の作製方法>に従い作製した繊維強化複合材料から、幅12.7mm、長さ229mmになるように切り出し、両端に1.2mm、長さ50mmのガラス繊維強化プラスチック製タブを接着した試験片を用い、ASTM D 3039に準拠して、インストロン万能試験機(インストロン社製)を用いてクロスヘッドスピード1.27mm/分で引張強度を測定した。サンプル数n=6で測定した値の平均値を引張強度とした。
引張強度利用率は、繊維強化複合材料の引張強度/(強化繊維のストランド強度×繊維体積含有率)×100により算出した。
なお、繊維体積含有率は、ASTM D 3171に準拠し、測定した値を用いた。
<引抜成形性の評価方法>
上記<エポキシ樹脂組成物の調製方法>に従い調製したエポキシ樹脂組成物と炭素繊維“トレカ(登録商標)”T700S-12K-50C(東レ(株)製、目付150g/m)を用いて、引抜成形装置の加熱成形金型を110℃または150℃に加温して連続成形を行った。引抜速度は0.5m/分とし、引抜成形開始から700m引き抜いた後の金型出口の樹脂付着量を官能評価にて、A、B、C、Dで評価した。Aは、金型出口に樹脂付着が殆どなし。Bは、金型出口に樹脂付着が若干ある。Cは、金型出口に樹脂付着はあるが、引抜速度や表面品位に変化なし。Dは、金型出口の樹脂付着量が多く、引抜速度の遅延や成形品表面に筋状のかすれが発生した。C以上であれば、引抜成形プロセスが可能である。なお、硬化温度は、使用する硬化剤に応じて選択した。
(実施例1)
構成要素[A]としてOPP-Gを60質量部、構成要素[B]として“スミエポキシ(登録商標)”ELM434(構成要素[b2])を15質量部、 “jER(登録商標)”806を25質量部、構成要素[C]として“KAYAHARD(登録商標)”MCD(構成要素[c1])を91.5質量部、硬化触媒として“U-CAT(登録商標)”SA102を4質量部用い、上記<エポキシ樹脂組成物の調製方法>に従ってエポキシ樹脂組成物を調製した。このエポキシ樹脂組成物の硬化収縮率は3.8%であった。
次に、該エポキシ樹脂組成物を上記方法で硬化して硬化物を作製し、動的粘弾性評価を行ったところ、ゴム状態弾性率は3.5MPaであり、硬化収縮率とゴム状態弾性率は良好であった。さらに、ガラス転移温度は92℃であり、耐熱性も良好であった。
得られたエポキシ樹脂組成物から、<繊維強化複合材料の作製方法>に従って繊維強化複合材料を作製し、繊維体積含有率が67%の繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料の引張強度を上記方法で測定し、引張強度利用率を算出したところ、84%であった。
また、<引抜成形性の評価方法>に従った評価では、金型出口に樹脂付着はあるが、引抜速度や表面品位に変化はなく、引抜成形性能は良好であった。
(実施例2~18)
樹脂組成をそれぞれ表1~2に示したように変更した以外は、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、および繊維強化複合材料を作製した。得られたエポキシ樹脂硬化物は、いずれも良好な硬化収縮率、ゴム状態弾性率を示した。得られた繊維強化複合材料の引張強度利用率および引抜成形性能も良好であった。
(比較例1)
樹脂組成を表3に示したように変更した以外は、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、および繊維強化複合材料を作製した。硬化収縮率が3.1%と低く不十分であり、ゴム状態弾性率が14.0MPaと高い値を示した。その結果、繊維強化複合材料の引張強度利用率は68%と、不十分であった。
また、<引抜成形性の評価方法>に従った評価では、引抜速度の遅延や成形品表面に筋状のかすれが発生し、引抜成形性能は不十分であった。
(比較例2)
樹脂組成を表3に示したように変更した以外は、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、および繊維強化複合材料を作製した。硬化収縮率が2.6%と低く不十分であり、ゴム状態弾性率が12.2MPaと高い値を示した。その結果、繊維強化複合材料の引張強度利用率は70%と、不十分であった。
また、<引抜成形性の評価方法>に従った評価では、引抜速度の著しい遅延や成形品表面に筋状のかすれが発生し、引抜成形性能は不十分であった。
(比較例3)
樹脂組成を表3に示したように変更した以外は、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、および繊維強化複合材料を作製した。ここで、構成要素[A]代わりに用いた“デナコール(登録商標)”EX-731は、単官能エポキシ樹脂である。硬化収縮率が3.2%と低く不十分であり、ゴム状態弾性率は12.0MPaと高い値を示した。その結果、繊維強化複合材料の引張強度利用率は72%と、不十分であった。
また、<引抜成形性の評価方法>に従った評価では、引抜速度の遅延や成形品表面に筋状のかすれが発生し、引抜成形性能は不十分であった。
(比較例4)
樹脂組成を表3に示したように変更した以外は、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、および繊維強化複合材料を作製した。硬化収縮率は4.7%と良好であったが、ゴム状態弾性率が14.1MPaと高い値を示した。その結果、繊維強化複合材料の引張強度利用率は69%と、不十分であった。
また、<引抜成形性の評価方法>に従った評価では、金型出口に樹脂付着は殆どなく、引抜成形性能は良好であった。
(比較例5)
樹脂組成を表3に示したように変更した以外は、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、および繊維強化複合材料を作製した。硬化収縮率は7.3%と高すぎ不十分であり、ゴム状態弾性率は16.5MPaと高い値を示した。その結果、繊維強化複合材料の引張強度利用率は67%と、不十分であった。
また、<引抜成形性の評価方法>に従った評価では、金型出口に樹脂付着は殆どなく、引抜成形性能は良好であった。
(比較例6)
樹脂組成を表3に示したように変更した以外は、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、および繊維強化複合材料を作製した。
硬化収縮率が3.3%と低く不十分であり、ゴム状態弾性率が12.5MPaと高い値を示した。その結果、繊維強化複合材料の引張強度利用率は71%と、不十分であった。
また、<引抜成形性の評価方法>に従った評価では、引抜速度の遅延や成形品表面に筋状のかすれが発生し、引抜成形性能は不十分であった。
(比較例7)
特許文献2(特開2005-120127号公報)の実施例1に記載の方法に従い、エポキシ樹脂組成物を作製した。得られた樹脂硬化物ゴム状態弾性率は25.0MPaと非常に高い値を示した(表4)。このエポキシ樹脂組成物は粘度が高く、上記<繊維強化複合材料の作製方法>では樹脂が繊維に含浸せず、繊維強化複合材料に多量のボイドが含まれた。そこで、エポキシ樹脂組成物を70℃に加温して含浸させ、エポキシ樹脂含浸炭素繊維シートを得た。以降は上記<繊維強化複合材料の作製方法>と同様にして、繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料の引張強度利用率は61%と、不十分であった。
(比較例8)
特許文献3(特開2010-59225号公報)の実施例14に記載の方法に従い、エポキシ樹脂組成物(ベース樹脂組成物)を作製した。硬化収縮率は7.2%と高すぎ不十分であり、ゴム状態弾性率は21.1MPaと高い値を示した(表4)。
このエポキシ樹脂組成物は非常に粘度が高く、上記<繊維強化複合材料の作製方法>に示した方法ではエポキシ樹脂含浸炭素繊維シートが作製できなかった。そこで、エポキシ樹脂組成物をアセトンに溶解し、液状とせしめた後に炭素繊維に含浸させ、その後減圧乾燥してアセトンを留去することで、エポキシ樹脂含浸炭素繊維シートを作製した。以降は上記<繊維強化複合材料の作製方法>と同様にして、繊維強化複合材料を得た。その結果、繊維強化複合材料の引張強度利用率は61%と、不十分であった。
また、<引抜成形性の評価方法>に従った評価では、エポキシ樹脂組成物の粘度が非常に高く、引抜成形を行うことができなかった。
(比較例9)
特許文献4(特開2011-46797号公報)の実施例13に記載の方法に従い、エポキシ樹脂組成物を作製した。これを硬化させて得られた樹脂硬化物のゴム状態弾性率は12.0MPaと高い値を示した(表4)。このエポキシ樹脂組成物は
非常に粘度が高かったため、比較例7と同様の方法でエポキシ樹脂含浸炭素繊維シートを作製した。以降は上記<繊維強化複合材料の作製方法>と同様にして、繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料の引張強度利用率は70%と、不十分であった。
(比較例10)
特許文献5(特開2006-265458号公報)の実施例3に記載の方法に従い、エポキシ樹脂組成物を作製した。これを硬化させて得られた樹脂硬化物のゴム状態弾性率は11.4MPaと高い値を示した(表4)。得られたエポキシ樹脂組成物を用いて、上記<繊維強化複合材料の作製方法>に従って、繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料の引張強度利用率は71%と、不十分であった。
(比較例11)
特許文献6(特表2009-521589号公報)の実施例1に記載の方法に従い、エポキシ樹脂組成物を作製した。これを硬化させて得られた樹脂硬化物のゴム状態弾性率は10.5MPaと高い値を示した(表4)。得られたエポキシ樹脂組成物を用いて、上記<繊維強化複合材料の作製方法>に従って、繊維強化複合材料を得た。得られた繊維強化複合材料の引張強度利用率は72%と、不十分であった。
Figure 0007135270000001
Figure 0007135270000002
Figure 0007135270000003
Figure 0007135270000004
本発明のエポキシ樹脂組成物は、優れた硬化収縮率と引張強度利用率を有する繊維強化複合材料、成形品および圧力容器を作製するためのマトリックス樹脂に好ましく用いられる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物および繊維強化複合材料は、一般産業用途に好ましく用いられる。

Claims (12)

  1. 次の構成要素[A]~[C]を含むエポキシ樹脂組成物であって、構成要素[B]が、下記構成要素[b1]および/または下記構成要素[b2]と、構成要素[b1]および構成要素[b2]以外の2官能以上の芳香族エポキシ樹脂と、から構成されており、構成要素[C]が下記構成要素[c1]または下記構成要素[c2]であり、該エポキシ樹脂組成物を硬化させた硬化物の動的粘弾性評価におけるゴム状態弾性率が10MPa以下であり、かつ硬化収縮率が3.5~7.0%である、エポキシ樹脂組成物。
    [A]tert-ブチル基、sec-ブチル基、イソプロピル基、またはフェニル基で置換されたフェニルグリシジルエーテルである単官能エポキシ樹脂
    [B]2官能以上の芳香族エポキシ樹脂
    [b1]置換されていてもよいジグリシジルアニリン(ここで、置換基は、炭素数1~4のアルキル基、フェニル基、フェノキシ基から選ばれる基である。)
    [b2]テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン
    [C]硬化剤
    [c1]酸無水物系硬化剤
    [c2]脂肪族アミン系硬化剤
  2. 構成要素[A]を、全エポキシ樹脂100質量部中15~50質量部含む、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 構成要素[B]が、構成要素[b1]と構成要素[b2]を同時に含む、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 構成要素[A]が、tert-ブチル基またはsec-ブチル基で置換されたフェニルグリシジルエーテルである、請求項1~3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 構成要素[A]に示される成分を2種類以上含む、請求項1~4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 構成要素[C]が、構成要素[c1]である、請求項1~5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 構成要素[c1]が、ノルボルネン骨格またはノルボルナン骨格を有する化合物を含む、請求項6に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 硬化促進剤として、イミダゾール化合物または3級アミン化合物を含む、請求項6または7に記載のエポキシ樹脂組成物。
  9. 25℃における粘度が2000mPa・s以下である、請求項1~のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  10. 25℃における90分後の増粘倍率が4倍以下である、請求項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  11. 請求項1~10のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物と強化繊維とからなる繊維強化複合材料。
  12. 請求項11に記載の繊維強化複合材料からなる成形品。
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