JP7134913B2 - 作業装置及びこの作業装置を備えた作業機 - Google Patents

作業装置及びこの作業装置を備えた作業機 Download PDF

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本発明は、例えば、散布装置等の作業装置及びこの作業装置を備えた作業機に関する。
従来、特許文献1に開示された散布装置が知られている。
特許文献1に開示された散布装置は、トラクタから供給される電力によって電動機を回転させることにより駆動される。
特開2003-153623号公報
しかしながら、上記特許文献1の開示技術では、電動機に発生する回生動力の処理については考慮されていない。例えば、トラクタから供給されるエンジンの動力と、トラクタから供給される電力により回転する電動機からの動力と、を組み合わせて利用する動力伝達機構を有する作業装置の場合、作業装置の負荷状態によっては、電動機に負のトルクが加わる場合がある。この場合、電動機に回生動力(回生電力)が発生するため、この回生動力を消費しなければ、作業装置が所望の出力(回転数等)を得ることができなくなる虞がある。
かかる問題を解決するための方法として、作業装置に回生動力を消費するための回生抵抗を設け、電動機が回生状態のときには回生抵抗を有効とし、電動機が力行状態のときには回生抵抗を無効とすることが考えられる。しかし、電動機の実所要動力(実負荷)の変動が激しい場合、回生状態と力行状態とが頻繁に入れ替わることがある。この場合、回生抵抗の有効と無効とを切り換える切換部(リレー等)が頻繁に切り換わるため、切換部の耐久回数を短期間で超えてしまい、電動機に発生する回生動力を適切に処理(消費)することができなくなる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、電動機の実所要動力(実負荷)の変動が激しい場合であっても、電動機に発生する回生動力を適切に処理(消費)することができる作業装置の提供を目的とする。
本発明の一態様に係る作業装置は、原動機を備えた走行車両に連結されて農作業を行う作業装置であって、回転体の回転によって農作業を行う作業部と、電力により駆動する電動機と、前記電動機の駆動により生じる動力と前記原動機からの動力とが入力され、且つ入力された動力を前記作業部に伝達する動力伝達機構と、前記電動機に発生した回生動力を消費する回生抵抗と、前記電動機と前記回生抵抗との接続状態と遮断状態とを切り換える切換部と、前記電動機の駆動及び前記切換部の切り換え動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、当該制御部から指令される前記回転体の指令回転数が作業を停止する作業停止回転数となり、且つ、前記回転体の実回転数が前記作業停止回転数となったときに、前記切換部を前記遮断状態とする。
好ましくは、前記電動機は、複数の電動機を含み、前記作業部は、複数の回転体を含み、前記制御部は、前記複数の回転体の指令回転数がいずれも前記作業停止回転数となり、且つ、前記複数の回転体の実回転数がいずれも前記作業停止回転数となったときに、前記切換部を前記遮断状態とする。
好ましくは、前記駆動源は、エンジンであって、前記エンジンの動力はPTO軸を介して前記動力伝達機構に入力される。
好ましくは、前記作業停止回転数は0rpmである。
好ましくは、前記作業装置は、圃場に肥料を散布する肥料散布装置、圃場に薬剤を散布する薬剤散布装置、圃場に種を播く播種装置、刈り取った作物を集めて成形する成形装置のいずれかである。
本発明の一態様に係る作業機は、原動機を備えた走行車両と、前記走行車両に連結された作業装置と、を備えた作業機であって、前記作業装置は、上記いずれかの作業装置である。
上記作業装置及び作業機によれば、電動機の実所要動力(実負荷)の変動が激しい場合であっても電動機に発生する回生動力を適切に処理(消費)することができる。具体的には、電動機に力行動力が発生した状態で切換部が接続状態に切り換わることが防止されるため、切換部の不必要な切り換え動作を無くすことができる。そのため、切換部の寿命を延ばすことができ、長期間にわたって回生動力を適切に処理(消費)することができる。
作業機の全体構成を示す側面図である。 作業機の後部を示す平面図である。 作業機の動力伝達系を示す図である。 散布装置の背面図である。 散布装置を連結したトラクタの後部を示す側面図である。 トラクタの後部に発電機ユニットを装着した状態を示す斜視図である。 ミッションケース後部に発電機ユニットを装着した状態を示す斜視図である。 ミッションケースに発電機ユニットを装着する方法を示す分解斜視図である。 発電機ユニットの斜視図である。 発電機ユニットの背面図である。 発電機ユニットの正面図である。 発電機ユニットの平面図である。 発電機ユニットの底面図である。 発電機ユニットの分解斜視図である。 伝達ユニットの縦断面図である。 取付フレームにカバー部材を取り付ける方法を示す分解斜視図である。 動力伝達機構を含む駆動部の構成を示す図である。 回生動力処理部を備えた作業機を示す図である。 回生動力処理部の構成を示す図である。 駆動部の駆動パターンの一例(パターン1)を示した表である。 駆動部の駆動パターンの一例(パターン2)を示した表である。 駆動部の駆動パターンの一例(パターン3)を示した表である。 駆動部の駆動パターンの一例(パターン4)を示した表である。 パターン3の表に動力に関する項目を追加した表である。 作業装置が散布装置である場合における回転体の回転数と実所要動力の振れ幅との関係を模式的に示したグラフである。 第1モータの実回転数、第2モータ232の実回転数、回転体(第1回転体、第2回転体)の指令回転数及び実回転数、第1モータの実所要動力と第2モータの実所要動力との合算値、切換部の状態の関係の一例を示すグラフである。 指令回転数R1、受信回転数R2、補正回転数R3の関係を示す図である。 指令回転数R1、受信回転数R2、補正回転数R3の経時的な変化を模式的に示したグラフである。 図28の一部を拡大した図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
先ず、本発明に係る作業機1について説明する。
図1は作業機1の全体の側面図を示しており、図2は作業機1の後部の平面図を示している。
作業機1は、走行車両2と作業装置3とを備えている。
走行車両2は、作業装置3を牽引しながら走行する車両である。本実施形態の場合、走行車両2はトラクタであるため、以下、走行車両2をトラクタ2として説明する。但し、走行車両2は、トラクタに限定されず、コンバインや田植機等の農業車両であっても、建設車両等であってもよい。また、走行車両2は、ピックアップトラックであってもよい。
作業装置3は、圃場等に対する作業(農作業)を行う装置である。作業装置3は、走行車両2により牽引されるインプルメントやアタッチメント等である。但し、作業装置3は、走行車両2により牽引されることなく独立して走行可能なものであってもよい。
先ず、トラクタ(走行車両)2の全体構成について説明する。
トラクタ2は、車体4と、走行装置5と、連結装置6と、を備えている。本発明の実施形態において、車体4に搭載された運転席7に着座した運転者の前側(図1の左側)を前方、運転者の後側(図1の右側)を後方、運転者の左側(図1の手前側)を左方、運転者の右側(図1の奥側)を右方として説明する。また、前後方向K1(図1参照)に直交する方向である水平方向K2(図2参照)を車両幅方向として説明する。
車体4は、車体フレーム8と、クラッチハウジング9と、ミッションケース10とを有している。車体フレーム8は、車体4の前後方向に延びている。車体フレーム8には、原動機11が搭載されている。本実施形態の場合、原動機11は内燃機関である。詳しくは、原動機11はエンジンであり、より詳しくはディーゼルエンジンである。以下、原動機11がエンジン11であるとして説明する。
エンジン11は、車体フレーム8に搭載されて車体4の前部に配置されている。クラッチハウジング6は、エンジン11の後部に連設されており、クラッチを収容している。ミッションケース10は、クラッチハウジング6の後部に連結されて後方に延びている。ミッションケース10は、後述する変速装置13や後輪デフ装置14等を収容している。
走行装置5は、車体4の前部に設けられた前輪5Fと、車体4の後部に設けられた後輪5Rとを有している。前輪5Fは、車体フレーム8に支持されている。後輪5Rは、後輪デフ装置14の出力軸に支持されている。走行装置5は、本実施形態の場合はタイヤ型であるが、クローラ型であってもよい。
連結装置6は、トラクタ2の後部に作業装置3を連結するための装置である。本実施形態の場合、連結装置6は3点リンク機構を含んでいる。本実施形態における連結装置6の具体的構成については後述する。但し、連結装置6の構成は、作業装置3を走行車両2の後部に連結可能な構成であれば特に限定されない。例えば、走行車両2がピックアップトラックの場合、連結装置6は3点リンク機構以外の機構によって作業装置3を連結する。
作業装置3は、例えば、肥料や薬剤等の散布物(粉粒体等)を散布する散布装置、耕耘する耕耘装置、収穫を行う収穫装置、牧草等の刈取を行う刈取装置、牧草等の拡散を行う拡散装置、牧草等の集草を行う集草装置、牧草等の成形を行う成形装置等である。なお、図1,図2では、作業装置3として散布装置を取り付けた例を示している。
走行車両2は、当該走行車両2に搭載された電装品等を制御する制御部であるECU(Electric Control Unit)を備えている。このECU(以下、「車両側ECU」という)は、CPUやEEPROM等を備えるマイクロプロセッサ等により構成されている。車両側ECUと電装品等とはCAN(Controller Area Network)等の回線を介して通信可能に接続されている。
トラクタ2は、当該トラクタ2を駆動するエンジン11からの動力を、作業装置等に伝達するためのPTO軸19を備えている。PTO軸19は、ミッションケース10から後方に向けて突出している。
図3は、作業機1の動力伝達系を示している。
図3に示すように、変速装置13は、主軸(推進軸)13aと、主変速部13bと、副変速部13cと、シャトル部13dと、PTO動力伝達部13eと、を備えている。推進軸13aは、変速装置13のハウジングケースに回転自在に支持されている。推進軸13aには、エンジン11のクランク軸からの動力が伝達される。主変速部13bは、複数のギア及び当該ギアの接続を変更するシフタを有している。主変速部13bは、複数のギアの接続(噛合)をシフタで適宜変更することによって、推進軸13aから入力された回転速度を変更して出力する(変速する)。
副変速部13cは、主変速部13bと同様に、複数のギア及び当該ギアの接続を変更するシフタを有している。副変速部13cは、複数のギアの接続(噛合)をシフタで適宜変更することによって、主変速部13bから入力された回転速度を変更して出力する(変速する)。
シャトル部13dは、シャトル軸16と前後進切替部17とを有している。シャトル軸16には、副変速部13cから出力された動力がギア等を介して伝達される。シャトル軸16には、後輪デフ装置14が設けられている。後輪デフ装置14には、後輪5Rを支持する後車軸が回転自在に支持されている。前後進切換部17は、例えば、油圧クラッチや電動クラッチ等のクラッチで構成され、当該クラッチの入切によってシャトル軸16の回転方向、即ち、トラクタ2の前進及び後進を切り換える。
PTO動力伝達部13eは、PTOクラッチ18とPTO軸19とを有している。PTO軸19は、回転自在に支持され、推進軸13aからの動力が伝達可能である。PTO軸19は、PTO推進軸19aとPTO出力軸19bとを有している。PTO推進軸19aは、PTO変速部20を介してPTO出力軸19bに接続されている。但し、PTO推進軸19aは、PTO変速部20を介さずにPTO出力軸19bに接続されていてもよい。
PTO変速部20は、PTO変速レバー等の操作部によって、PTO推進軸19aの回転速度を変更してPTO出力軸19bに伝達することができる。PTO変速部20は、例えば、制御部(車両側ECU)からの制御信号に基づいて操作部を操作可能な電磁ソレノイドや電動モータ等の変速アクチュエータを備えている。
PTOクラッチ18は、推進軸13aの動力をPTO軸19に伝達する接続状態と、推進軸13aの動力をPTO軸19に伝達しない切断状態とに切換可能なクラッチである。具体的には、PTOクラッチ18は、推進軸13aとPTO推進軸19aとの間に設けられている。PTOクラッチ18は、油圧クラッチや電動クラッチ等で構成され、当該クラッチの入切によって、推進軸13aの動力(エンジン11の動力)をPTO軸19に伝達する状態と、推進軸13aの動力をPTO軸19に伝達しない状態とを切り換えることができる。
PTO出力軸19bの中途部には、動力分岐部21が設けられている。動力分岐部21は、PTO出力軸19bに伝達された回転動力を、PTO出力軸19bと接続された入力軸24から出力する第1経路21aと、発電機15に伝達する第2経路21bとに分岐する。動力分岐部21は、後述する伝達機構25(図15参照)から構成されている。本実施形態の場合、伝達機構25は、歯車を含む伝達機構である。但し、動力分岐部21を構成する伝達機構25は、歯車を含む伝達機構には限定されず、他の伝達機構(例えば、プーリとベルトを含む機構、スプロケットとチェーンを含む機構等)であってもよい。
第2経路21bに設けられた発電機15は、インバータ22を介してモータ23と接続されている。モータ23は、電動モータ(電動機)であり、発電機15からの動力(電力)によって駆動(回転)する。インバータ22は、モータ23の回転速度(回転数)を変更する変速装置として機能する。発電機15からの動力によって駆動するモータ23の数は、1つであっても2つ以上であってもよい。本実施形態の場合、発電機15からの動力によって駆動するモータ23の数は2つである。以下、2つのモータ23を、それぞれ第1モータ231、第2モータ232という。第1モータ231及び第2モータ232については、後ほど詳しく説明する。
<発電機ユニット>
次に、発電機15を含む発電機ユニット12について説明する。
図5、図6に示すように、発電機ユニット12は、トラクタ(走行車両)2に装着される。より詳しくは、図7、図8に示すように、発電機ユニット12は、ミッションケース10の後部に装着される。
図9~図15に示すように、発電機ユニット12は、発電機15、入力軸24、伝達機構25、取付フレーム26、コネクタ27を備えている。以下、発電機ユニット12について説明するが、発電機ユニット12に関する方向は、発電機ユニット12をトラクタ2の後部に装着した状態(図5、図6参照)を基準とする。具体的には、図9の矢印A方向を前方、矢印B方向を後方、矢印C方向を左方、矢印D方向を右方という。また、矢印A方向と矢印B方向とを合わせて上下方向、矢印C方向と矢印D方向とを合わせて車両幅方向という。
発電機15は、本実施形態の場合、オルタネータである。但し、発電機15は、モータジェネレータであってもよい。発電機15は、交流発電したものを整流して直流電力を出力する。但し、発電機15は、交流電力を出力するものであってもよい。発電機15の出力電圧は、75Vより低く(75V未満)とすることもできる。低電圧指令(LVD:Low Voltage Directive)(2014/35/EU)では、直流75V~1500Vの電圧範囲で使用する電気機器に対して、本規定に適合した安全性が要求されるが、発電機15の出力電圧を75Vより低くすることで、LVDで定められた電圧範囲よりも低く、より安全な電圧範囲で使用することができる。
また、発電機15は、出力電圧が60V以下であることが好ましい。出力電圧が60V以下の発電機15を使用することによって、絶縁対策を必要としない。また、安全性に優れており、消費電力を削減することもできる。さらに、発電機15を小型化、軽量化することもできる。
さらに、発電機15の出力電圧は、48V以下とすることもできる。発電機15の出力電圧を48V以下とすることにより、自動車の電動化技術を適用することができる。また、農作業に使用される様々な種類の作業装置3に対して電力を供給して駆動させることができる。
発電機15の出力電力は、好ましくは20kW以下であり、例えば、1kW~20kW、5kW~20kW等の範囲に設定される。
入力軸24は、エンジン11からの動力が入力される軸である。図15に示すように、入力軸24は、一端側に第1接続部24aを有している。第1接続部24aには、PTO軸19(PTO出力軸19b)が接続される。本実施形態の場合、第1接続部24aに形成された内歯スプラインに対して、PTO出力軸19bに形成された外歯スプラインが嵌合される。これにより、エンジン11からの動力は、PTO出力軸19bを介して第1接続部24aから入力軸24に入力される。入力軸24の他端側には、第2接続部24bが設けられている。第2接続部24は、作業装置3に接続可能である。本実施形態の場合、第2接続部24bは、入力軸24の外周に形成された外歯スプラインである。これにより、入力軸24に入力された動力を作業装置3に伝達することができる。
PTO出力軸19bは、トラクタ2に当初から(発電機ユニット12を装着する前から)備えられている既設の軸を使用してもよいが、発電機ユニット12を装着する際に既設の軸を新たなPTO出力軸19bに交換してもよい。具体的には、発電機ユニット12を装着する際に、トラクタ2に既設のPTO出力軸19bをミッションケース10から取り外し、長さが異なる新たなPTO出力軸19bをミッションケース10に取り付けてもよい。例えば、既設のPTO出力軸19bを長さが短い新たなPTO出力軸19bに交換することにより、発電機ユニット12をトラクタ2に接近させて装着することが可能となる。
伝達機構25は、入力軸24に入力された動力を発電機15に伝達する機構である。図15に示すように、伝達機構25は、第1歯車251、第2歯車252、第3歯車253、第4歯車254、中間軸255、出力軸256を有している。第1歯車251は、入力軸24の中途部(第1接続部24aと第2接続部24bとの間)に装着されている。第1歯車251は、入力軸24と同一軸心上に配置されており、入力軸24と一体的に回転する。第2歯車252及び第3歯車253は、中間軸255に装着されている。中間軸255は、入力軸24と平行に且つ入力軸24の上方に配置されている。第2歯車252及び第3歯車253は、中間軸255の軸方向に並んで且つ中間軸255と同一軸心上に配置されており、中間軸255と一体的に回転する。第2歯車252は、第1歯車251と噛み合っている。第3歯車253は、第4歯車254と噛み合っている。第4歯車254は、出力軸256に装着されている。出力軸256は、中間軸255と平行に且つ中間軸255の上方に配置されている。第4歯車254は、出力軸256と同一軸心上に配置されており、出力軸256と一体的に回転する。
第1歯車251、第2歯車252、第3歯車253、第4歯車254、中間軸255は、ハウジング28に収容されている。ハウジング28の内部には、第1軸受29A、第2軸受29B、第3軸受29Cが配置されている。第1軸受29Aは、入力軸24を回転可能に支持している。第2軸受29Bは、中間軸255を回転可能に支持している。第3軸受29Cは、出力軸256を回転可能に支持している。図10~図15に示すように、ハウジング28は、外形が扁平な略直方体状であって、第1壁部28aと、第2壁部28bと、周壁部28cと、を有している。
図15に示すように、第1壁部28aは、入力軸24の一端側(前側)に配置されている。第2壁部28bは、入力軸24の他端側(後側)に配置されている。第2壁部28bは、第1壁部28aと対向している。周壁部28cは、第1壁部28aの周囲と第2壁部28bの周囲とを接続している。図10に示すように、周壁部28cは、上壁部28c1と、下壁部28c2と、左壁部28c3と、右壁部28c4と、を有している。上壁部28c1には、給油口28dが設けられている。図10、図14に示すように、左壁部28c3には、第1突出部28eが設けられている。第1突出部28eは、板状であって左壁部28cから左方に突出している。第1突出部28eは、上下方向に間隔をあけて複数(2つ)設けられている。右壁部28c4には、第2突出部28fが設けられている。第2突出部28fは、板状であって右壁部28c4から右方に突出している。第2突出部28fは、上下方向に間隔をあけて複数(2つ)設けられている。第1突出部28eには、第1貫通孔28gが形成されている。第2突出部28fには、第2貫通孔28hが形成されている。
図15に示すように、入力軸24は、ハウジング28を貫通している。入力軸24の第1接続部24aは、ハウジング28の第1壁部28aから前方に突出している。入力軸24の第2接続部24bは、ハウジング28の第2壁部28bから後方に突出している。出力軸256は、一端部(後端部)がハウジング28から後方に突出しており、当該突出した部分に発電機15の入力軸15aが接続される。これにより、発電機15は、入力軸24の上方に配置される。
発電機15は、ハウジング28の第2壁部28bに対してボルト(図示略)により取り付けられている。これにより、発電機15、入力軸24、伝達機構25、ハウジング28は、一体化されている。以下の説明において、一体化されている発電機15、入力軸24、伝達機構25、ハウジング28をまとめて「伝達ユニット45」という。
エンジン11からの回転動力は、PTO出力軸19bを介して第1接続部24aから入力軸24に入力される。入力軸24に入力された回転動力は、2つに分岐して伝達される。分岐された回転動力の一方は、入力軸24の第2接続部24bから出力される。分岐された回転動力の他方は、入力軸24に装着された第1歯車251から第2歯車252、第3歯車253、第4歯車256を介して出力軸256から出力されて、出力軸256から発電機15に伝達される。
このように、エンジン11からの回転動力は、伝達機構25を介して発電機15に伝達され、発電機15が駆動される。伝達機構25は変速機構(増速機構)としても機能する。そのため、PTO出力軸19bの回転数に比べて出力軸256の回転数が増加する。また、エンジン11からの回転動力は、出力軸256からの出力とは別に、入力軸24の第2接続部24bからも出力される。
図14等に示すように、伝達ユニット45は、取付フレーム26に取り付けられる。取付フレーム26は、装着部33、取付部34、連繋部35を有している。本実施形態の場合、取付フレーム26は、ヒッチ部を備えた梯子状のフレーム(ラダーヒッチフレーム)である。但し、取付フレーム26は、ラダーヒッチフレームに限定されない。
装着部33は、トラクタ2に対して装着される部分である。装着部33は、第1装着部331と第2装着部332とを含む。第1装着部331は、取付フレーム26の左部に配置されている。第2装着部332は、取付フレーム26の右部に配置されている。第1装着部331は、トラクタ2の幅方向(車両幅方向)の一方側(左側)に装着される。第2装着部332は、トラクタ2の幅方向の他方側(右側)に装着される。
図10~図14に示すように、第1装着部331は、第1前板331aと第1側板331bとを有している。第1前板331aは、上下方向に延びる細長い板(帯状板)である。第1前板331aは、一方の面が前方(トラクタ2側)を向き、他方の面が後方(作業装置3側)を向いて配置される。第1前板331aには、上下方向に間隔をあけて複数の第1装着孔331cが形成されている。第1側板331bは、第1前板331aから後方に延設されている。第1側板331bは、一方の面(外面)が左方を向き、他方の面(内面)が右方を向いて配置される。第1側板331bには、上下方向に間隔をあけて、複数の第1ねじ孔331dが形成されている。第1側板331bの上部には、下方に向けて切り欠かれた第1切欠部331eが形成されている。
図10~図14に示すように、第2装着部332は、第2前板332aと第2側板332bとを有している。第2前板332aは、上下方向に延びる細長い板(帯状板)である。第2前板332aは、一方の面が前方を向き、他方の面が後方を向いて配置されている。第2前板332aには、上下方向に間隔をあけて複数の第2装着孔332cが形成されている。第2側板332bは、第2前板332aから後方に延設されている。第2側板332bは、一方の面(外面)が左方を向き、他方の面(内面)が左方を向いて配置されている。第2側板332bの他方の面(内面)は、第1側板331bの他方の面(内面)と対向している。第2側板332bには、上下方向に間隔をあけて、複数の第2ねじ孔332d(図16参照)が形成されている。第2側板332bの上部には、下方に向けて切り欠かれた第2切欠部332eが形成されている。
取付部34は、伝達機構25を含む伝達ユニット45が取り付けられる部分である。取付部34は、第1取付部341と第2取付部342とを含む。
第1取付部341は、第1側板331bの内面から右方(第2側板332b側)に向けて延設されている。第1取付部341は、板状であって、一方の面が前方を向き、他方の面が後方を向いている。第1取付部341は、第1装着部331の第1前板331aの後方に配置されている。第1取付部341の一方の面(前面)は、第1前板331aの他方の面(後面)と対向している。第1取付部341は、上下方向に間隔をあけて複数(2つ)設けられている。第1取付部341には、第1取付孔341aが形成されている。
第2取付部342は、第2側板332bの内面から左方(第1側板331b側)に向けて延設されている。第2取付部342は、板状であって、一方の面が前方を向き、他方の面が後方を向いている。第2取付部342は、第2装着部332の第2前板332aの後方に配置されている。第2取付部342の一方の面(前面)は、第2前板332aの他方の面(後面)と対向している。第2取付部342は、上下方向に間隔をあけて複数(2つ)設けられている。第2取付部342には、第2取付孔342aが形成されている。
連繋部35は、車両幅方向に延びており、第1装着部331と第2装着部332とを繋いでいる。具体的には、連繋部35は、第1側板331bの内面と第2側板332bの内面とを繋いでいる。連繋部35は、第1連繋部351と第2連繋部352とを含む。第1連繋部351は、装着部33の後方であって且つ取付部34の前方に設けられている。第1連繋部351は、第1側板331bと第2側板332bとを繋ぐと共に、第1前板331aと第2前板332aとを繋いでいる。第2連繋部352は、第1連繋部351の下方において車両幅方向に延びている。第2連繋部352は、第1側板331bの下部と第2側板332bの下部とを繋いでいる。第2連繋部352には、ドローバ(牽引ヒッチ)等を取り付けることができる。
第1連繋部351には、油タンク36が取り付けられている。油タンク36は、ハウジング28内に供給される油を貯留している。図12に示すように、油タンク36は、伝達ユニット45を取付フレーム26に取り付けた状態において、ハウジング28の給油口28dの前方近傍に位置する。
図12、図14等に示すように、取付フレーム26には、コネクタ37(以下、「第1出力コネクタ37」という)が取り付けられている。第1出力コネクタ37と発電機15とは、導電ケーブル(図示略)により接続されている。これにより、発電機15から出力される電力は、導電ケーブルを介して第1出力コネクタ37へと導かれる。第1出力コネクタ37は、発電機15から出力される電力を作業装置3に供給するためのケーブル(以下、「電力供給ケーブル」という)を接続可能である。電力供給ケーブルを第1出力コネクタ37に接続することにより、発電機15から出力される電力を第1出力コネクタ37から電力供給ケーブルを介して出力することができる。図6に第1出力コネクタ37に電力供給ケーブル95Aを接続した状態を示している。電力供給ケーブル95Aについては後程さらに説明する。
第1出力コネクタ37は、第1装着部331と第2装着部332との間に配置されている。言い換えれば、第1出力コネクタ37は、装着部33の外面よりも内側(外面から突出しない位置)に配置されている。具体的には、第1出力コネクタ37は、第1側板331bと第2側板332bとの間に配置されている。本実施形態の場合、第1出力コネクタ37は第2側板332bの内面に取り付けられている。但し、第1出力コネクタ37は、他の位置、例えば、第1側板331bの内面や第1連繋部351等に取り付けてもよい。
第1出力コネクタ37は、第2側板332bの内面の上部に取り付けられることにより、発電機ユニット12の上部に配置されている。第1出力コネクタ37は、電力供給ケーブルが接続される接続部37aが上方を向いて配置されている。これにより、第1出力コネクタ37の接続部37aに対して、電力供給ケーブルを上方から容易に接続して配策することができる。接続部37aは、不使用時には蓋体(図示略)により塞がれる。
図9、図16等に示すように、取付フレーム26には、カバー部材38が取り付けられている。カバー部材38は、一方側板38aと、他方側板38bと、上板38cと、を有している。一方側板38aと他方側板38bと上板38cとは、1枚の板(金属板等)により一体的に形成されている。一方側板38a及び他方側板38bは、一方の面が左方を向き、他方の面が右方を向いて配置される。一方側板38aの他方の面(内面)と他方側板38bの一方の面(内面)とは対向している。上板38cは、一方側板38aの上部と他方側板38bの上部とを連結している。一方側板38aには、上下方向に間隔をあけて複数(2つ)の第1孔38dが形成されている。他方側板38bには、上下方向に間隔をあけて複数(2つ)の第2孔38eが形成されている。
取付フレーム26に対するカバー部材38の取り付けは、第1側板331bと一方側板38aを重ねてボルトで締結し、第2側板332bと他方側板38bを重ねてボルトで締結することにより行われる。より詳しくは、図16の一点鎖線L1に示すように、第1孔38dと第1ねじ孔331dとを重合し、第2孔38eと第2ねじ孔332dとを重合し、第1孔38dと第2孔38eにそれぞれボルト(図示略)を挿通し、当該ボルトを第1ねじ孔331dと第2ねじ孔332dにそれぞれ螺合する。これにより、図9に示すように、カバー部材38が取付フレーム26に取り付けられる。
カバー部材38は、取付フレーム26に取り付けられた状態において、取付フレーム26から後方に突出する。また、カバー部材38は、取付フレーム26に取り付けられた状態において、発電機15の周囲を覆う。具体的には、一方側板38aは、発電機15の一側方(左方)を覆う。他方側板38bは、発電機15の他側方(右方)を覆う。上板38cは、発電機15の上方を覆う。つまり、カバー部材38は、発電機15の周囲を3つの方向(左方、右方、上方)から覆う。また、カバー部材38は、ハウジング28から突出した出力軸24の周囲も3方向(左方、右方、上方)から覆う。これにより、作業者等が、発電機15や出力軸24等へ意図せずに接触することを防ぐことができる。尚、カバー部材38は、前後方向においては、発電機15の一部のみを覆うものでもよい。図12等に示すように、本実施形態の場合、カバー部材38は、前後方向において、発電機15の前部を上記3方向から覆っているが、後部は覆っていない。但し、カバー部材38は、前後方向において、ハウジング28から突出した出力軸24の全部(全長)を上記3方向から覆うものとされる。
また、図10に示すように、カバー部材38が取付フレーム26に取り付けられた状態において、第1出力コネクタ37は上板38cよりも下方に配置される。また、図12に示すように、第1出力コネクタ37は、前後方向において、カバー部材38と第2装着部332の第2前板332aとの間に配置される。これらの構成により、第1出力コネクタ37に対する物体や作業者の意図しない接触を防止することができる。
図10~図13に示すように、発電機ユニット12は、筐体39に収容された制御部30(以下、「第1制御部30」という)を備えている。第1制御部30は、電子・電気部品(CPU、記憶装置等)等から構成されたコンピュータであり、具体的にはECUである。本実施形態の場合、第1制御部30は、発電機ユニット12に備えられているが、トラクタ2に備えられていてもよいし、トラクタ2と発電機ユニット12の両方に備えられていてもよい。第1制御部30は、車両側ECUからの制御信号に基づいて発電機15からの出力を制御する。本実施形態の場合、第1制御部30と車両側ECUとは別々に設けられているが、車両側ECUが第1制御部30の機能を有するものであってもよい。また、第1制御部30は、車両側ECUからの制御信号に依らずに、発電機15からの出力を制御してもよい。
第1制御部30は、発電機15から第1出力コネクタ37への電力の出力を制御する。具体的には、第1制御部30は、発電機15から第1出力コネクタ37への電力の出力のオンオフを制御する。また、第1制御部30は、発電機15から第1出力コネクタ37への電力の出力の増減を制御してもよい。
第1制御部30は、筐体39に収容されて取付フレーム26に取り付けられている。具体的には、第1制御部30を収容する筐体39は、第2装着部332の第2側板332bに取り付けられている。尚、本実施形態の場合、筐体39は、第2側板332bの外面に取り付けられているが、第1側板331bの外面に取り付けてもよい。また、筐体39は、第2側板332bの内面又は第1側板331bの内面、或いは連繋部35に取り付けてもよい。この場合、第1制御部30は、第1装着部331と第2装着部332との間に配置される。
図14に示すように、発電機ユニット12は、取付フレーム26に伝達ユニット45を取り付けることにより構成される。取付フレーム26に対する伝達ユニット45の取り付けは、第1取付部341と第1突出部28eを重ねて締結具で締結し、第2取付部342と第2突出部28fを重ねて締結具で締結することにより行われる。具体的には、図14の一点鎖線L2に示すように、第1貫通孔28gと第1取付孔341aとを重合し、第2貫通孔28hと第2取付孔342aとを重合し、重合された各孔にボルト(図示略)を挿通してナット(図示略)を螺合する。これにより、図10等に示すように取付フレーム26に伝達ユニット45が取り付けられる。
図10等に示すように、取付フレーム26に伝達ユニット45を取り付けた状態において、伝達ユニット45は第1側板331bと第2側板332bとの間に配置される。また、発電機15及び入力軸24は、第1装着部331と第2装着部332との間に配置される。
図7、図8等に示すように、発電機ユニット12は、トラクタ2に装着される。具体的には、発電機ユニット12は、トラクタ2のミッションケース10の後部に装着される。ミッションケース10に対する発電機ユニット12の装着は、図8の一点鎖線L3に示すように、取付フレーム26に形成された第1装着孔331c及び第2装着孔332cをミッションケース10の後面に形成されたねじ孔10aと重合して、ボルト(図示略)を第1装着孔331c及び第2装着孔332cに挿通してねじ孔10aに螺合する。これにより、取付フレーム26がミッションケース10の後面に装着され、発電機ユニット12がトラクタ2に装着される。尚、図8では、第1装着孔331c及び第2装着孔332cとねじ孔10aとの重合を表す一点鎖線L3は一部のみ(見える部分のみ)を示している。第1装着孔331c及び第2装着孔332cとねじ孔10aとの重合箇所の数は、第1装着孔331c及び第2装着孔332cの合計数と一致する。本実施形態の場合、重合箇所は合計10箇所(第1装着部331側が5箇所、第2装着部332側が5箇所)となる。
図8の一点鎖線L4に示すように、ミッションケース10から突出しているPTO軸19(PTO出力軸19b)と、発電機ユニット12の入力軸24とは、同一直線上に配置される。これにより、発電機ユニット12をミッションケース10に装着した状態において、ミッションケース10から突出しているPTO軸19(PTO出力軸19b)は、発電機ユニット12の入力軸24の第1接続部24aに接続される(図15参照)。
発電機ユニット12は、取付フレーム26とミッションケース10とを締結するボルトを着脱することによって、ミッションケース10に対して容易に着脱することができる。発電機ユニット12をミッションケース10に対して着脱することによって、発電機15をミッションケース10に対して着脱することができる。従って、発電機15を備えていないトラクタ2に対しても、必要に応じて発電機15を容易に装着することができる。発電機ユニット12をトラクタ2に装着することにより、トラクタ2から作業装置3のモータ23に電力を供給してモータ23を駆動することができる。
次に、発電機ユニット12をミッションケース10に装着した状態における、発電機ユニット12と連結装置6との位置関係等について説明する。
図7に示すように、連結装置6は、ミッションケース10の後部に接続されている。連結装置6は、リフトアーム6A、3点リンク機構6B、シフトシリンダ6Cを有している。
リフトアーム6Aは、第1リフトアーム6ALと第2リフトアーム6ARとを含む。第1リフトアーム6ALは、車両幅方向の一方(左方)に配置されている。第2リフトアーム6ARは、車両幅方向の他方(右方)に配置されている。第1リフトアーム6AL及び第2リフトアーム6ARは、前端部がミッションケース10の上部に支持された横軸6Dに枢支されており、後方に向けて延びている。
3点リンク機構6Bは、トップリンク6B1、ロアリンク6B2、リフトロッド6B3を有している。トップリンク6B1は、第1リフトアーム6ALと第2リフトアーム6ARとの間に配置され、前端部がミッションケース10の上部に設けられた第1枢支部10bに枢支されている。ロアリンク6B2は、第1ロアリンク6B2Lと第2ロアリンク6B2Rとを含む。第1ロアリンク6B2L及び第2ロアリンク6B2Rの前端部は、ミッションケース10の左下部と右下部に設けられた第2枢支部10cに枢支されている。リフトロッド6B3は、第1リフトロッド6B3Lと第2リフトロッド6B3Rとを含む。第1リフトロッド6B3Lは、上端部が第1リフトアーム6ALの後端部に接続されており、下端部が第1ロアリンク6B2Lの長さ方向の中途部に接続されている。第2リフトロッド6B3Rは、上端部が第2リフトアーム6ARの後端部に接続されており、下端部が第2ロアリンク6B2Rの長さ方向の中途部に接続されている。
トップリンク6B1の後端部とロアリンク6B2の後端部には、作業装置3を連結可能なジョイントが設けられている。トップリンク6B1の後端部とロアリンク6B2の後端部に作業装置3を連結することにより、作業装置3はトラクタ2の後部に昇降可能に連結される。
リフトシリンダ6Cは、油圧シリンダである。リフトシリンダ6Cは、第1リフトシリンダ6CLと第2リフトシリンダ6CRとを含む。第1リフトシリンダ6CLは、一端部が第1リフトアーム6ALに接続され、他端部がミッションケース10の左下部に接続されている。第2リフトシリンダ6CRは、一端部が第2リフトアーム6ARに接続され、他端部がミッションケース10の右下部に接続されている。リフトシリンダ6Cの駆動によって、第1リフトアーム6ALと第2リフトアーム6ARは、横軸6D回りに回動して上下方向に揺動する。第1リフトシリンダ6CL及び第2リフトシリンダ6CRには、電磁制御弁が接続されている。電磁制御弁は、制御部(車両側ECU)からの制御信号に基づいて第1リフトシリンダ6CL及び第2リフトシリンダ6CRを駆動(伸縮)することができる。
リフトシリンダ6Cを駆動することによって、作業装置3の高さの調整と、車両幅方向の傾き(右部の高さと左部の高さの差)の調整を行うことができる。高さの調整の際には、第1リフトシリンダ6CLと第2リフトシリンダ6CRの両方を同様に駆動する。傾きの調整の際には、第1リフトシリンダ6CLと第2リフトシリンダ6CRのいずれか一方を駆動する。具体的には、作業装置3の高さが低い側に配置されたリフトシリンダを伸長するか、高さが高い側に配置されたリフトシリンダを短縮するように駆動する。
発電機ユニット12は、車両幅方向において、第1リフトアーム6ALと第2リフトアーム6ARとの間に配置されている。また、発電機ユニット12は、車両幅方向において、第1リフトロッド6B3Lと第2リフトロッド6B3Rとの間に配置されている。また、発電機ユニット12は、車両幅方向において、第1ロアリンク6B2Lと第2ロアリンク6B2Rとの間に配置されている。別の言い方をすれば、発電機ユニット12の第1装着部331は、第1リフトアーム6AL、第1リフトロッド6B3L、第1ロアリンク6B2Lの右方(車両幅方向の内方)に配置されている。第2装着部332は、第2リフトアーム6AR、第2リフトロッド6B3R、第2ロアリンク6B2Rの左方(車両幅方向の内方)に配置されている。これにより、発電機ユニット12と、リフトアーム6A、リフトロッド6B3、ロアリンク6B2との干渉を回避することができる。
また、発電機ユニット12は、トップリンク6B1の前端部を枢支する第1枢支部26よりも下方に配置されている。これにより、トップリンク6B1の揺動部分が、発電機ユニット12に干渉することを回避できる。また、発電機15の上方は、カバー部材38の上板38cにより覆われている。上板38cは、トップリンク6B1の前端部を枢支する第1枢支部26の下方において、発電機ユニット12の上方を覆っている。これにより、発電機15とトップリンク6B1との干渉を回避することができる。
<作業装置>
次に、作業装置3について説明する。
作業装置3は、農作業を行う装置である。言い換えれば、作業装置3は、圃場に対して作業を行う装置である。作業装置3は、発電機ユニット12が装着されたトラクタ2から供給される電力により駆動する。作業装置3は、60V以下の低電圧で作動可能なものが好適に使用される。また、作業装置3は、48V以下の低電圧で作動可能なものであってもよい。具体的には、作業装置3としては、圃場に散布物を散布する散布装置、圃場に種を播く播種装置、刈り取った作物(牧草等)を集めて成形する成形装置(ベーラ)等が好適に使用される。散布装置としては、圃場に肥料を散布する肥料散布装置(スプレッダ)や、圃場に薬剤(薬液)を散布する薬剤散布装置(スプレーヤ)等が使用される。播種装置としては、例えば、種子を条播きするドリルシーダ等のシーダや、一定間隔で種を播くプランタ等が使用される。本実施形態の場合、作業装置3は散布装置であるため、以下、作業装置3が散布装置3であるとして説明をする。
図1、図2に示すように、散布装置3は、収容部31と散布部32とを備えている。
収容部31は、圃場に散布される散布物(肥料、農薬等)を収容する。
収容部31は、略逆角錐形のホッパから構成されている。ホッパは、第1ホッパ31Aと第2ホッパ31Bとを含む。第1ホッパ31Aは、車両幅方向の一方側(左側)に配置されている。第2ホッパ31Bは、車両幅方向の他方側(右側)に配置されている。但し、ホッパの数は限定されない。収容部31は、上端部に散布物の投入口を有し、下端部に散布物を取り出す取出口を有している。取出口の数は限定されないが、本実施形態の場合、後述する回転体(ディスク)40の数に応じて設定されている。具体的には、回転体40の数が2つであり、取出口の数も2つである。尚、回転体40の数が2つであり、取出口の数が1つであってもよい。
散布部32は、作業装置3の作業部であって、回転することにより農作業(肥料や薬剤等の散布物の散布)を行う。散布部32は、収容部31に収容された散布物を散布する。図1、図4に示すように、散布部32は、収容部31の下方に設けられている。散布部32は、少なくとも2つ以上の散布部を含んでいる。少なくとも2つ以上の散布部は、全ての散布部の散布方向が異なることが好ましいが、散布方向が同じ散布部を含んでいてもよい。
図2に示すように、散布部32は、第1散布部321と第2散布部322とを含む。即ち、本実施形態の場合、散布部32の数は2つである。但し、散布部32の数は、2つには限定されず、3つ以上であってもよく、1つであってもよい。散布部32の数と回転体40の数は同じである。第1散布部321と第2散布部322とは、車両幅方向に並んで設けられている。以下、2つの散布部(第1散布部321、第2散布部322)について説明する。
第1散布部321は、車両幅方向の一方側(左側)に配置されている。第2散布部322は、車両幅方向の他方側(右側)に配置されている。図2、図4に示すように、第1散布部321は、第1回転体410と第1シャッタ装置411とを有している。
第1回転体410は、円板状であって、縦方向(上下方向)に延びる中心軸40a回りに回転する。第1回転体410の上面には、複数の回転翼(羽根部材)40bが取り付けられている。回転翼40bは、第1回転体410と共に中心軸40a回りに回転する。複数の回転翼40bは、周方向に間隔をあけて配置されており、中心軸40aの近傍から径外方向に向けて延びている。第1回転体410は、中心軸40a回りに回転することによって、第1取出口71から落下してきた散布物を、回転翼40bに当てて外方(径外方向)に向けて放射状に飛散させる。
第1シャッタ装置411は、シャッタと電動モータ(図示略)とを有している。シャッタは、収容部31の一方の取出口(第1取出口)311に取り付けられており、移動することによって第1取出口311の面積(開度)を変更することができる。電動モータは、ステッピングモータ等であり、シャッタと連結されている。第1シャッタ装置411は、電動モータの駆動によりシャッタを移動させることによって、第1取出口311の開度を変更する。これにより、第1散布部321による散布物の散布量が調整される。
第2散布部322は、第2回転体420と第2シャッタ装置421とを有している。第2回転体420の構成は、第1回転体410と同様であるため、説明を省略する。第2シャッタ装置421の構成は、シャッタが収容部31の他方の取出口(第2取出口)312に取り付けられていること以外は、第1シャッタ装置411と同じである。第2シャッタ装置421は、第2取出口312の開度を変更することにより、第2散布部322による散布物の散布量を調整することができる。
図2に示すように、第1回転体410と第2回転体420とは、車両幅方向に並んで設けられている。図2に示すように、第1回転体410と第2回転体420とは、互いに異なる方向に回転する。本実施形態の場合、図2中の黒矢印で示すように、平面視において、第1回転体410が時計回り方向に回転し、第2回転体420が反時計回り方向に回転する。
第1回転体410は、収容部31の第1取出口311の下方に配置されている。第1取出口311から落下してきた散布物は、回転する第1回転体410によって散布される。第2回転体420は、収容部31の第2取出口312の下方に配置されている。第2取出口312から落下してきた散布物は、回転する第2回転体420によって散布される。
本実施形態の場合、第1散布部321と第2散布部322の散布方向はそれぞれ異なっている。第1散布部321の散布方向は、車両幅方向の一方及び後方である。第2散布部322の散布方向は、車両幅方向の他方及び後方である。図2の白抜き矢印に示すように、本実施形態の場合、第1散布部321の主な散布方向は左方及び左後方、第2散布部322の主な散布方向は右方及び右後方である。尚、白抜き矢印で示した方向は、主たる散布方向であり、実際には白抜き矢印で示した方向を含む扇形状に拡がって散布される。
<動力伝達機構>
図1、図2、図4に示すように、散布装置3は、動力伝達機構50を備えている。動力伝達機構50は、モータ23の駆動により生じる動力とエンジン11から供給される動力とが入力され、且つ入力された動力を散布部(作業部)32に伝達する。具体的には、動力伝達機構50は、モータ23からの動力とPTO軸19からの動力を第1回転体410及び第2回転体420に伝達可能な機構である。
以下、図17に基づいて動力伝達機構50について説明する。但し、図17に示す動力伝達機構50は一例であって、動力伝達機構50の構成を限定するものではない。
図17は、動力伝達機構50を含む駆動部49の構成を示している。駆動部49は、第1駆動源48Aと、第3駆動源48Cと、動力伝達機構50と、を有している。駆動部49は、散布装置3に備えられており、散布部32を駆動する。
散布部32は、駆動部49に含まれる駆動源(第1駆動源48A、第3駆動源48C)と、トラクタ2に備えられた別の駆動源(第2駆動源48B)からの動力により駆動される。
第1駆動源48Aと第3駆動源48Cは、散布装置3の駆動部49に含まれる変速可能な駆動源である。本実施形態の場合、第1駆動源48Aと第3駆動源48Cは、それぞれ発電機15からの動力によって駆動する第1モータ231と第2モータ232である。第2駆動源48Bは、トラクタ2に備えられたエンジン11である。
動力伝達機構50は、第1駆動源48Aからの動力及び第2駆動源48Bからの動力を散布部32の回転体(第1回転体410、第2回転体420)に伝達可能である。詳しくは、動力伝達機構50は、第1駆動源48Aの動力を第1回転体410と第2回転体420に伝達可能であり、第2駆動源48Bの動力を第1回転体410と第2回転体420に伝達可能である。第3駆動源48Cは、主として、第1回転体410及び第2回転体420の回転速度を変更するために使用される駆動源である。
動力伝達機構50は、入力伝達部51と第1遊星歯車機構52とを有している。
入力伝達部51は、第1駆動源48A(第1モータ231)から入力される動力と、第2駆動源48B(エンジン11)から入力される動力とを、第1遊星歯車機構52に伝達する。入力伝達部51は、第1入力歯車53、第2入力歯車54、第3入力歯車55、第4入力歯車56、第1軸57、第2軸58、第3軸59を有している。第1入力歯車53は、第1モータ231の出力軸と接続されており、第1モータ231の駆動により回転する。第2入力歯車54は、第1入力歯車53と噛み合っており、第1入力歯車53の回転に伴って回転する。第2入力歯車54の中心には、第1軸57の一端側が接続されている。第3入力歯車55の中心には、第2軸58の一端側が接続されている。第2軸58の他端側は、接続具(ユニバーサルジョイント等)を介して入力軸24の第2接続部24b(図15参照)と接続されている。エンジン11からの回転動力は、PTO出力軸19bを介して入力軸24に入力される。入力軸24に入力された回転動力は、図15に示した伝達機構25を介して2つの経路に分岐されて伝達される。分岐された回転動力は、一方が発電機15に伝達され、他方が入力軸24の第2接続部24bから第2軸58に伝達される。
第4入力歯車56は、第3入力歯車55と噛み合っており、第3入力歯車55の回転に伴って回転する。第4入力歯車56には、第3軸59の一端側が接続されている。
第1遊星歯車機構52は、第1太陽歯車60と、第1遊星歯車61と、第1遊星キャリア62と、第1内歯車63と、を有している。第1太陽歯車60は、第1遊星歯車61と噛み合っている。第1遊星歯車61は、第1遊星キャリア62により回転可能に支持されており、第1太陽歯車60の周囲を回転(公転)可能である。第1遊星キャリア62は、第1遊星歯車61の回転(公転)に伴って回転する。第1内歯車63は、第1遊星歯車61と噛み合っている。第1遊星歯車61には、第3軸59の他端側が接続されている。これにより、第4入力歯車56の回転に伴って第1遊星歯車61が第1太陽歯車60の周囲を回転(公転)し、第1遊星歯車61の回転に伴って第1内歯車63が回転する。
第1遊星歯車機構52には、第1遊星歯車機構52から動力を出力する出力伝達軸64が接続されている。出力伝達軸64の一端側は、第1内歯車63の中心に接続されている。出力伝達軸64の他端側は、後述する分離伝達部65と接続されている。これにより、第1遊星歯車機構52から出力伝達軸64に出力された動力は、分離伝達部65に伝達される。
分離伝達部65は、出力伝達軸64から出力された動力を一方と他方に分離して伝達する。分離伝達部65は、第1伝達歯車66と、第2伝達歯車67と、一方伝達軸68と、他方伝達軸69と、を有している。第1伝達歯車66の中心には、出力伝達軸64の他端側が接続されている。第2伝達歯車67は、第1伝達歯車66と噛み合っている。分離伝達部65を構成する歯車(第1伝達歯車66、第2伝達歯車67)は、いずれも傘歯車である。第1伝達歯車66の回転軸の方向は、第2伝達歯車67の回転軸の方向と交差(直交)している。
第2伝達歯車67には、一方伝達軸68の一端側及び他方伝達軸69の一端側がそれぞれ接続されている。一方伝達軸68と他方伝達軸69とは、第2伝達歯車67の中心から互いに反対側に向けて延びている。これにより、出力伝達軸64から出力された動力は、分離伝達部65において、第2伝達歯車67から一方伝達軸68(一方)と他方伝達軸69(他方)とに分離して伝達される。
一方伝達軸68は、第1動力伝達部70と接続されている。
第1動力伝達部70は、分離伝達部65から一方(一方伝達軸68)に伝達された動力を、第1回転体410に伝達する。第1動力伝達部70は、変速部71と、伝達軸72と、第3伝達歯車73と、第4伝達歯車74と、を有している。
変速部71は、第3駆動源48C(第2モータ232)を含む。変速部71は、第3駆動源48Cの変速に応じて第1回転体410又は第2回転体420の回転速度を変更する。変速部71は、第2遊星歯車機構75と駆動歯車76とを有している。
第2遊星歯車機構75は、第2太陽歯車77と、第2遊星歯車78と、第2遊星キャリア79と、第2内歯車80と、を有している。
第2太陽歯車77は、第2遊星歯車78と噛み合っている。第2太陽歯車77は、分離伝達部65と接続されている。具体的には、第2太陽歯車77の中心に、一方伝達軸68の他端側が接続されている。第2遊星歯車78は、第2太陽歯車77と噛み合っている。第2遊星歯車78は、第2遊星キャリア79により回転可能に支持されており、第2太陽歯車77の周囲を回転(公転)可能である。第2遊星キャリア79は、第2遊星歯車78の回転(公転)に伴って回転する。
第2内歯車80は、内周面に形成された内歯と、外周面に形成された外歯と、を有している。内歯は、第2遊星歯車78と噛み合っている。外歯は、中継歯車81と噛み合っている。中継歯車81は、第3駆動源48Cからの動力により回転する駆動歯車76と噛み合っている。
第2遊星キャリア79には、伝達軸72の一端側が接続されている。伝達軸72の他端側は、第3伝達歯車73の中心に接続されている。第4伝達歯車74は、第3伝達歯車73に噛み合っている。第4伝達歯車74の回転軸の方向は、第3伝達歯車73の回転軸の方向と交差(直交)している。第4伝達歯車74の中心は、第1回転体410の中心軸と接続されている。これにより、第4伝達歯車74の回転の動力は、第1回転体410に伝達される。
第2太陽歯車77は、分離伝達部65を介して第2回転体420に動力を伝達可能である。第2遊星歯車78は、第2遊星キャリア79及び伝達軸72を介して第1回転体410に動力を伝達可能である。
尚、第2太陽歯車77の中心に伝達軸72の一端側を接続し、伝達軸72の他端側を第3伝達歯車73の中心に接続し、第2遊星キャリア79に一方伝達軸68の他端側を接続し、一方伝達軸68の一端側を第2伝達歯車67に接続してもよい。この場合、第2遊星歯車78は第2遊星キャリア79及び分離伝達部65を介して第2回転体420に動力を伝達可能であり、第2太陽歯車77は伝達軸72を介して第1回転体410に動力を伝達可能である。
他方伝達軸69は、第2動力伝達部82と接続されている。
第2動力伝達部82は、分離伝達部65から他方(他方伝達軸69)に伝達された動力を、第2回転体420に伝達可能である。
第2動力伝達部82は、第5伝達歯車83と第6伝達歯車84とを有している。第2動力伝達部82を構成する歯車(第5伝達歯車83、第6伝達歯車84)は、いずれも傘歯車である。
第5伝達歯車83の中心には、他方伝達軸69の他端側が接続されている。第6伝達歯車84は、第5伝達歯車83に噛み合っている。第6伝達歯車84の回転軸の方向は、第5伝達歯車83の回転軸の方向と交差(直交)している。第6伝達歯車84の中心は、第2回転体420の中心軸と接続されている。
上記第1遊星歯車機構52において、第3軸59と接続された第1遊星キャリア62は、エンジン11からの動力がPTO軸19を介して入力される第1入力部である。また、第1軸57と接続された第1太陽歯車60は、モータ23の駆動により生じる動力が入力される第2入力部である。また、上記動力伝達機構50において、出力伝達軸64、分離伝達部65、第1動力伝達部70、第2動力伝達部82は、第1遊星歯車機構52から散布部(作業部)32に対して動力を出力する出力部である。
以下、駆動部49の作用(動作)について説明する。
第1駆動源48A(第1モータ231)からの動力は、入力伝達部51を介して第1遊星歯車機構52に入力される。第2駆動源48B(エンジン11)からの動力は、PTO出力軸19b、入力軸24、第2軸58、入力伝達部51を介して第1遊星歯車機構52に入力される。
第1遊星歯車機構52に入力された動力は、出力伝達軸64から出力されて分離伝達部65に伝達される。分離伝達部65は、出力伝達軸64から出力された動力を一方(一方伝達軸68)と他方(他方伝達軸69)に分離して伝達する。つまり、分離伝達部65は、第1駆動源48Aからの動力及び第2駆動源48Bからの動力を、一方と他方に分離して伝達する。
分離伝達部65から一方(一方伝達軸68)に伝達された動力は、第1動力伝達部70を介して第1回転体410に伝達される。分離伝達部65から他方(他方伝達軸69)に伝達された動力は、第2動力伝達部82を介して第2回転体420に伝達される。
従って、第1駆動源48A(第1モータ231)からの動力によって、第1回転体410と第2回転体420を回転させることができる。また、第2駆動源48B(エンジン11)からの動力によって、第1回転体410と第2回転体420を回転させることもできる。つまり、第1駆動源48Aと第2駆動源48Bのいずれかの動力を使用して第1回転体410と第2回転体420を回転させることができる。また、第1駆動源48Aと第2駆動源48Bの両方の動力を使用して第1回転体410と第2回転体420を回転させることもできる。加えて、第1駆動源48Aは変速可能であるため、第1駆動源48Aを変速することによって、第1回転体410と第2回転体420の回転速度を変更することができる。
さらに、駆動部49は、動力伝達機構50が変速部71を有しているため、第1回転体410の回転速度と第2回転体420の回転速度とを異ならせることができる。
以下、変速部71の作用について説明する。
変速部71の第3駆動源48C(第2モータ232)を駆動すると、当該第3駆動源48Cからの動力は、駆動歯車76と中継歯車81を介して第2内歯車80の外歯に伝達される。そのため、第3駆動源48Cを駆動すると、第2内歯車80が回転する。第2内歯車80の回転は、当該第2内歯車80の内歯を介して第2遊星歯車78に伝達され、第2遊星歯車78が回転する。第2遊星歯車78の回転に伴って第2遊星キャリア79が回転し、当該回転の動力は、伝達軸72、第3伝達歯車73、第4伝達歯車74を介して第1回転体410に伝達される。
このように、第3駆動源48Cを含む変速部71からの動力は、第1回転体410に伝達される。そのため、第3駆動源48Cの変速に応じて第1回転体410の回転速度を変更することができる。これによって、第1回転体410の回転速度と第2回転体420の回転速度とを異ならせることができる。
また、変速部71を第2動力伝達部82に設け、第3駆動源48Cからの動力を当該第2動力伝達部82の変速部71(第2内歯車80の外歯)に伝達する構成としてもよい。この構成を採用した場合、第3駆動源48Cの変速に応じて第2回転体420の回転速度を変更することができる。この構成によっても、第1回転体410の回転速度と第2回転体420の回転速度とを異ならせることができる。
上記駆動部49の変更例として、第1動力伝達部70又は第2動力伝達部82に切換部を設けることができる。切換部は、例えば、操作レバー等により切り換え可能なクラッチ等から構成される。好ましくは、切換部は、電動クラッチから構成されるが、機械式クラッチから構成してもよい。第1動力伝達部70に切換部を設ける場合、当該切換部は、例えば一方伝達軸68の中途部に設けられる。第2動力伝達部82に切換部を設ける場合、当該切換部は、例えば他方伝達軸69の中途部に設けられる。
第1動力伝達部70に設ける切換部は、分離伝達部65から一方(一方伝達軸68)に伝達された動力を、第1回転体410に伝達する第1状態と、第1回転体410に伝達しない第2状態と、に切り換え可能である。第2動力伝達部82に設ける切換部は、分離伝達部65から他方(他方伝達軸69)に伝達された動力を、第2回転体420に伝達する第1状態と、第2回転体420に伝達しない第2状態と、に切り換え可能である。
第1動力伝達部70又は第2動力伝達部82に上記切換部を設けることにより、PTO軸19の回転を停止することなく、第1回転体410と第2回転体420のいずれか一方の回転を停止することができる。
<回生動力処理部>
図18、図19に示すように、散布装置(作業装置)3は、モータ23に発生した回生動力(回転電力)を処理(消費)するための回生動力処理部89を有している。回生動力処理部89により回生動力が処理されるモータ23は、第1モータ231であってもよいし、第2モータ232であってもよいし、第1モータ231と第2モータ232の両方であってもよい。
回生動力処理部89は、モータ23、インバータ22、動力伝達機構50、処理回路90を有している。処理回路90は、回生抵抗(レジスター)91、切換部92、制御部93(以下、「第2制御部93」という)、及び、電気信号を伝達可能な配線94を有している。
モータ23は、第1出力コネクタ37に接続された電力供給ケーブル95Aとインバータ22を介して接続されており、発電機15からインバータ22を介して電力(直流電力)を受けて駆動する。モータ23は、交流モータ(三相交流モータ)である。インバータ22は、発電機15から出力された電力(直流電力)を受けて変換して交流電圧をモータ23に出力する。但し、発電機15が交流電力を出力し、当該交流電力を受けたインバータ22がモータ23に交流電圧を出力する構成としてもよい。インバータ22は、モータ23の駆動(速度等)を制御する。動力伝達機構50は、例えば図17に示した構成を備えており、モータ23の駆動により生じる動力とエンジン11から供給される動力(PTO軸19からの動力)とが入力され、且つ入力された動力を散布部(作業部)32に伝達する。
回生抵抗91は、モータ23に発生した回生動力を消費する。回生抵抗91は、回生動力(回生電力)を熱に変換して消費する機器である。回生抵抗91としては、例えば、セメント抵抗器やホーロー抵抗器等が使用されるが、これらに限定はされない。回生抵抗91は、定格消費電力が回生動力(回生電力)の最大値よりも大きいものが使用される。但し、回生抵抗91の定格消費電力は、回生動力の最大値に近い値(最大値を大きく超えない値)であることが好ましい。
切換部92は、モータ23と回生抵抗91との接続状態と遮断状態とを切り換える。詳しくは、切換部92は、モータ23に電力を供給する電力供給ケーブル95A(第1配線941)と回生抵抗91との接続状態と遮断状態とを切り換える。切換部92は、本実施形態の場合、リレー(継電器)から構成されている。但し、切換部92は、リレーには限定されず、例えばスイッチング素子(ECU)等であってもよい。
第2制御部93は、モータ23の駆動を制御する。また、第2制御部93は、切換部92の切り換え動作を制御する。第2制御部93により実行されるモータ23の駆動の制御には、インバータ22へのモータ23の回転数(トルク)の指令及びモータ23の回転数(トルク)のモニタ(監視)が含まれる。第2制御部93は、筐体に収容された電子・電気部品(CPU、記憶装置等)等から構成されたコンピュータであって、具体的にはECUである。第2制御部93は、ISOBUSを介して車両側ECUと接続されている。第2制御部93は、車両側ECUからの制御信号に基づいて、モータ23の駆動及び切換部92の切り換え動作を制御する。
本実施形態の場合、第2制御部93は、インバータ22とは別に散布装置3に設けられているが、インバータ22が第2制御部93の機能を有するものとしてもよい。また、車両側ECUが第2制御部93の機能を有するものとしてもよい。また、第1制御部30が第2制御部93の機能を有するものとしてもよい。また、第2制御部93は、車両側ECUからの制御信号に依らずに、モータ23の駆動及び切換部92の切り換え動作を制御してもよい。
配線94は、第1配線941、第2配線942、第3配線943、第4配線944、第5配線945、第6配線946、第7配線947を含む。第1配線941は、インバータ22と第1出力コネクタ37とを接続している。第1配線941は、上述した電力供給ケーブル95Aから構成されており、プラス側の配線とマイナス側の配線とを含む。第1配線941は、インバータ22に接続され且つインバータ22を介してモータ23に電力を供給する電力供給回路を構成している。以下、第1配線941を「電力供給回路941」という場合がある。第2配線942は、一端側が第1配線941の一方(プラス側)の配線の中途部に接続され、他端側が回生抵抗91の一端部に接続されている。第3配線943は、一端側が回生抵抗91の他端部に接続され、他端側が切換部(リレー)92の一方の接点に接続されている。第4配線944は、一端側が切換部92の他方の接点に接続され、他端側が第1配線941の他方(マイナス側)の配線の中途部に接続されている。第5配線945は、切換部92の一方の接点と他方の接点とを接続又は遮断するスイッチと、第2制御部93とを接続している。第6配線946は、第2制御部93とインバータ22とを接続しており、例えばCAN(Controller Area Network)等から構成される。第7配線947は、インバータ22とモータ23とを接続している。
第2制御部93からの制御信号は、第5配線945を介して切換部92に送信される。これにより、切換部92の接続状態と遮断状態とを切り換えることができる。また、第2制御部93からの制御信号は、第6配線946を介してインバータ22に送信される。これにより、インバータ22を介してモータ23の駆動を制御することができる。
上述した通り、動力伝達機構50は、モータ23の駆動により生じる動力とエンジン11から供給される動力(PTO軸19からの動力)とが入力され、且つ入力された動力を散布部(作業部)32に伝達する。ここで、散布部32の負荷の状態(例えば、第1回転体410又は第2回転体420の回転数)によっては、モータ23に負のトルクが加わり、回生動力(回生電力)が発生する。モータ23に回生動力が発生した場合、回生動力を消費しなければ所望の回転出力が得られなくなる。特に、PTO軸19(PTO出力軸19b)の回転数を一定とし、モータ23の回転数の変更によって第1回転体410又は第2回転体420の回転数を変更する場合、モータ23に回生動力(回生電力)が発生することがある。回生動力処理部89は、この発生した回生動力を処理(消費)する。
但し、散布部(作業部)32は、エンジン11から供給される動力(PTO軸19からの動力)を使用せずに、モータ23の駆動により生じる動力のみにより駆動されるものであってもよい。この場合、動力伝達機構50は、モータ23の駆動により生じる動力のみが入力され、且つこの入力された動力を散布部(作業部)32に伝達する機構となる。
以下、回生動力処理部89による回生動力の処理方法(処理動作)について説明する。
第2制御部93は、回生動力が発生するときに切換部92を接続状態に切り換え、回生動力が消滅したときに切換部92を遮断状態に切り換える。詳しくは、第2制御部93は、回生動力が発生する直前の出力回転(モータ23の出力回転数)において切換部92を接続状態に切り換え、回生動力が発生した直後の出力回転において切換部92を接続状態に切り換える。
切換部92が接続状態に切り換えられると、モータ23に発生した回生動力(回生電力)による電流は、インバータ22、第4配線944、切換部92を通って回生抵抗91へと流れる。回生抵抗91は、発熱することにより電力を消費する。これにより、モータ23に発生した回生動力が消費されるため、所望の回転出力を得ることができる。一方、回生動力が消滅したときには、切換部92は遮断状態に切り換えられるため、モータ23側から回生抵抗91への電流の流れは生じない。
散布装置(作業装置)3は、上述した回生動力処理部89を有することにより、モータ23で発生した回生動力を処理(消費)することができる。そのため、発電機15として、モータジェネレータでなくオルタネータを使用した場合であっても、回生動力を処理(消費)することができる。発電機15として、モータジェネレータを使用した場合、モータジェネレータが発電することによって回生動力を処理することができる。
本実施形態の場合、モータ23は、複数のモータ(第1モータ231と第2モータ232)を含んでいる。この場合、第2制御部93は、複数のモータのうちの少なくとも1つ(第1モータ231と第2モータ232の少なくとも一方)に回生動力が発生するときに、切換部92を接続状態に切り換える制御を行う構成(以下、「第1構成」という)を採用することができる。
また、第2制御部93は、複数のモータの全て(第1モータ231と第2モータ232の両方)に回生動力が発生するときに、切換部92を接続状態に切り換える制御を行う構成(以下、「第2構成」という)を採用することもできる。
また、第2制御部93は、複数のモータの全て(第1モータ231と第2モータ232の両方)に回生動力が発生するとき(以下、「第1条件」という)、及び、複数のモータのうち一のモータ(例えば、第1モータ231)に回生動力が発生し且つ他のモータ(例えば、第2モータ232)に力行動力が発生し、且つ一のモータに生じた回生動力が他のモータに生じた力行動力を上回るとき(以下、「第2条件」という)に、切換部92を接続状態に切り換える制御を行う構成(以下、「第3構成」という)を採用することもできる。即ち、第2制御部93は、第1条件を満たした場合と第2条件を満たした場合の両方の場合において、切換部92を接続状態に切り換える制御を行う。つまり、第3構成は、複数のモータ(第1モータ231と第2モータ232)の実所要動力の合算値が負のときに切換部92を接続状態に切り換え、複数のモータの実所要動力の合算値が正のときに切換部92を遮断状態に切り換える制御を行う構成である。
また、第2制御部93は、複数のモータのうちの少なくとも1つ(第1モータ231と第2モータ232の少なくとも一方)に逆回転の指令を送信するときに、切換部92を接続状態に切り換える制御を行う構成(以下、「第4構成」という)を採用することもできる。
以下、上述した回生動力処理部89による回生動力の処理方法(処理動作)について、具体例を挙げて説明する。具体例は、作業装置が図17に示す駆動部49を有する散布装置3であって、駆動部49が以下の条件(以下、「設定条件」という)を満たしている場合の例である。
・ωM1:ωA1=42:104=1:2.476
・ωM2:ωC2=77:120=1:1.558
・ωPTO:ωS1=59:58=1:0.983
・ωC1:ωA2=18:14=1:0.778
・ωA2:ωB2=41:12=1:0.293
・ωS2:ωB1=14:27=1:1.929
・ZC1/ZA1=63/27=2.333
・ZC2/ZA2=96/48=2.0
但し、ωM1:第1モータ231の回転速度、ωM2:第2モータ232の回転速度、ωA1:第1太陽歯車60(第2入力歯車54)の回転速度、ωA2:第2太陽歯車77(第2伝達歯車67)の回転速度、ωB1:第1回転体410の回転速度、ωB2:第2回転体420の回転速度、ωS1:第1遊星キャリア62(第4入力歯車56)の回転速度、ωS2:第2遊星キャリア79(伝達軸72)の回転速度、ωC1:第1内歯車63(第1伝達歯車66)の回転速度、ωC2:第2内歯車80の回転速度、ωPTO:PTO出力軸19bの回転速度(入力軸24の回転速度)、ZA1:第2入力歯車54の歯数、ZA2:第2太陽歯車77の歯数、ZC1:第1内歯車63の歯数、ZC2:第2内歯車80の歯数(内歯)である。尚、回転速度は、いずれも角速度又は回転数(rpm)である。
ωM1:ωA1、ωM2:ωC2、ωPTO:ωS1、ωC1:ωA2、ωA2:ωB2、ωS2:ωB1の値は、いずれも駆動部49(動力伝達機構50)を構成する歯車の歯数比によって求めることができる。
図20~図23は、駆動部49の駆動パターンの例を示した表である。以下、図20に示した駆動パターンを「パターン1」、図21に示した駆動パターンを「パターン2」、図22に示した駆動パターンを「パターン3」、図23に示した駆動パターンを「パターン4」という。各表に示した数値は、回転数(rpm)である。また、全ての駆動パターンにおいて、PTO出力軸19bの回転数は1000(rpm)に固定されている。
第2制御部93は、車両側ECUから送信される第1回転体410と第2回転体420の目標回転数の指令値に応じて、指令信号を送信して第1モータ231及び第2モータ232に設定すべき回転数(以下、「指令回転数」という)を指令する。尚、第2制御部93は、車両側ECUから送信される指令値に依らずに第2制御部93自体に入力された指令値に応じて指令信号を送信してもよい。
図20~図23に示す表において、B1は第1回転体410、B2は第2回転体420、M1は第1モータ231、M2は第2モータ232を示す。上段の数値は、第1回転体410と第2回転体420の目標回転数である。下段の数値は、当該目標回転数を得るための第1モータ231と第2モータ232の回転数(指令回転数)である。第1モータ231と第2モータ232の回転数の数値のうち、黒三角印が付された数値は逆回転を示し、黒三角印が付されていない数値は正回転を示す。
遊星歯車機構(第1遊星歯車機構52、第2遊星歯車機構75)は、1つの軸のトルク方向が定まれば、他の軸のトルク方向も定まる。散布装置3の場合、回転体(第1回転体410、第2回転体420)のトルク方向は常に一定であるため、遊星歯車機構を介してモータ軸に加わるトルク方向は一定となる。トルク方向が一定のままで、モータ23の回転方向が正方向と逆方向に切り替わると、回転方向の切り替わりと同時に力行状態と回生状態とが切り替わる。図20~図23に示す駆動パターンでは、モータ23が逆回転する条件(黒三角印が付された条件)で回生動力が発生する。
各駆動パターンにおける、第1モータ231と第2モータ232の回生動力の発生の有無の状態を類型化すると、(A)第1モータ231、第2モータ232のいずれにも発生しない、(B)第1モータ231のみに発生する、(C)第2モータ232のみに発生する、(D)第1モータ231と第2モータ232の両方に発生する、の4つの状態がある。
第2制御部93は、上述した第1~第4構成のいずれかに基づいて、切換部92を接続状態に切り換える制御を行う。具体的には、第1構成に基づく場合、(B)状態、(C)状態、(D)状態のときに、切換部92を接続状態に切り換える制御を行う。第2構成に基づく場合、(D)状態のときに、切換部92を接続状態に切り換える制御を行う。第3構成に基づく場合、(B)状態、(C)状態、(D)状態のいずれかの状態であって、且つ、一方のモータ(例えば、第1モータ231)に生じた回生動力が他のモータ(例えば、第2モータ232)に生じた力行動力を上回るときに、切換部92を接続状態に切り換える制御を行う。第4構成に基づく場合、(B)状態、(C)状態、(D)状態のいずれかの状態とするために、逆回転とすべきモータ(第1モータ231と第2モータ232の少なくとも一方)に対して逆回転の指令を送信するとき、切換部92を接続状態に切り換える制御を行う。
次に、第2制御部93が第3構成に基づいて制御を行う場合について、具体例を挙げて説明する。図24は、パターン3(図22)の表に動力に関する項目を追加している。図24の下段(MOTOR POWERの項)には、第1モータ231、第2モータ232、第1回転体410、第2回転体420の回転数と各モータ及び各回転体のトルクから算出した、第1モータ231に発生する動力(M1)、第2モータ232に発生する動力(M2)、第1モータ231に発生する動力と第2モータ232に発生する動力の合算値(Σ)を夫々示している。
先ず、図24の表の最も左側の条件(B1:200、B2:500)について説明する。この条件では、回生動力が第2モータ232のみに発生する。つまり、上記(C)状態に相当する。また、この条件では、第1モータ231の力行動力(989W)が第2モータ232の回生動力(777W)を上回る。従って、第3構成に基づく制御における、切換部92を接続状態に切り換えるための第1条件と第2条件のいずれも満たさない。そのため、第2制御部93は、切換部92を接続状態に切り換える制御を行わない。つまり、この条件では、モータ23は、回生抵抗91に接続されない。
次に、図24の表の左から2番目の条件(B1:300、B2:400)について説明する。この条件では、回生動力が第2モータ232のみに発生する。つまり、上記(C)状態に相当する。また、この条件では、第2モータ232の回生動力(1025W)が第1モータ231の力行動力(527W)を上回る。従って、第3構成に基づく制御における、切換部92を接続状態に切り換えるための第2条件を満たす。そのため、第2制御部93は、切換部92を接続状態に切り換える制御を行う。つまり、この条件では、モータ23は、回生抵抗91に接続され、モータ23に生じた回生動力は回生抵抗91により消費される。
次に、図24の表の左から3番目の条件(B1:400、B2:300)について説明する。この条件では、回生動力が第1モータ231と第2モータ232の両方に発生する。具体的には、第1モータ231には151Wの回生動力が発生し、第2モータ232には693Wの回生動力が発生する。そのため、上記(D)状態に相当する。従って、第3構成に基づく制御における、切換部92を接続状態に切り換えるための第1条件を満たす。そのため、第2制御部93は、切換部92を接続状態に切り換える制御を行う。つまり、この条件では、モータ23は回生抵抗91に接続され、モータ23に生じた回生動力は回生抵抗91により消費される。
最後に、図24の表の最も右側の条件(B1:500、B2:200)について説明する。この条件では、回生動力が第1モータ231のみに発生する。つまり、上記(B)状態に相当する。また、この条件では、第1モータ231の回生動力(1045W)が第2モータ232の力行動力(218W)を上回る。従って、第3構成に基づく制御における、切換部92を接続状態に切り換えるための第2条件を満たす。そのため、第2制御部93は、切換部92を接続状態に切り換える制御を行う。つまり、この条件では、モータ23は回生抵抗91に接続され、モータ23に生じた回生動力は回生抵抗91により消費される。
尚、上記第3構成に基づく制御は、「第1モータ231に発生する動力と第2モータ232に発生する動力を合算したときに、合算した動力が回生動力となる場合に、第2制御部93が切換部92を接続状態に切り換える制御を行う」と言うこともできる。この場合、図24に関する説明は、以下のように言い換えることができる。
図24の表の最も左側の条件(B1:200、B2:500)では、第1モータ231に発生する動力と第2モータ232に発生する動力を合算すると、力行動力(211W)となり、回生動力は発生しない。そのため、第2制御部93は、切換部92を接続状態に切り換える制御を行わない。
図24の表の左から2番目の条件(B1:300、B2:400)では、第1モータ231に発生する動力と第2モータ232に発生する動力を合算すると、回生動力(497W)となる。そのため、第2制御部93は、切換部92を接続状態に切り換える制御を行う。
図24の表の左から3番目の条件(B1:400、B2:300)では、第1モータ231に発生する動力と第2モータ232に発生する動力を合算すると、回生動力(844W)となる。そのため、第2制御部93は、切換部92を接続状態に切り換える制御を行う。
図24の表の最も右側の条件(B1:500、B2:200)では、第1モータ231に発生する動力と第2モータ232に発生する動力を合算すると、回生動力(828W)となる。そのため、第2制御部93は、切換部92を接続状態に切り換える制御を行う。
尚、上述した具体例は、あくまでも特定の条件に基づいた一例であって、回生動力処理部89による回生動力の処理方法(処理動作)は、上述した具体例には何ら限定されない。例えば、第2制御部23による切換部92の切り換えのタイミングは、モータ23(第1モータ231、第2モータ232)の実トルクと実回転数から所要動力を算出して合算することにより決定することができる。
尚、上述した具体例は、あくまでも特定の条件に基づいた一例であって、回生動力処理部89による回生動力の処理方法(処理動作)は、上述した具体例には何ら限定されない。例えば、第2制御部93による切換部92の切り換えのタイミングは、モータ23(第1モータ231、第2モータ232)の実トルクと実回転数から所要動力(実所要動力)を算出して合算することにより決定することができる。モータ23の実トルクは、インバータ22からモータ23に出力される電流値から算出することができる。モータ23の実回転数は、モータ23に付設された回転数センサ等の検出器により検出することができる。
具体的には、第2制御部93による切換部92の切り換えのタイミングは、第1モータ231の実トルクと実回転数から算出した所要動力(実所要動力)と、第2モータ232の実トルクと実回転数から算出した所要動力(実所要動力)とを合算した合算値に基づいて決定する。例えば、上記第3構成の場合、第2制御部93は、複数のモータの実所要動力の合算値が負のときに切換部92を接続状態に切り換え、複数のモータ(第1モータ231、第2モータ232)の実所要動力の合算値が正のときに切換部92を遮断状態に切り換える制御を行う。つまり、第2制御部93による切換部92の切り換えは、実所要動力の合算値0Wを閾値として行われる。
しかし、このような制御を行うと、モータ23の実所要動力(実負荷)の変動が激しく、実所要動力の正負が頻繁に変化(反転)する場合、第2制御部93による切換部92の切り換えが頻繁に行われることとなる。そうすると、リレー等から構成される切換部92の切り換え回数が短期間で耐久回数を超えてしまう虞がある。
そこで、モータの実所要動力(実負荷)が変動しても第2制御部93による切換部92の切り換えが頻繁に(無駄に)行われることを防止するための対策が必要となる。以下、この切換部92の保護対策について説明する。以下の説明では、第1~第3の3つの保護対策について説明する。これら3つの保護対策は全てを採用することが好ましいが、3つの対策のうちの任意の1つ又は2つの対策のみを採用してもよい。
<切換部の保護対策(1)>
先ず、切換部92の第1の保護対策として採用される構成について説明する。
図25は、作業装置が散布装置3である場合における回転体40の回転数RV(rpm)とモータ23の所要動力の振れ幅WD(W)との関係を模式的に示したグラフである。図25に示すように、回転体40の回転数が増加すると実所要動力の振れ幅が小さくなり、回転体40の回転数が減少すると実所要動力の振れ幅が大きくなる。つまり、実所要動力の振れ幅は、回転体40の回転数が第1回転数RV1であるときは第1振れ幅WD1となり、回転体40の回転数が第1回転数RV1よりも低い第2回転数RV2であるときは第1振れ幅よりも大きい第2振れ幅WD2となる。
回転体40が高回転数で回転するとき、モータ23の実所要動力は、振れ幅が小さい安定した状態となり、力行状態を維持する。これに対して、回転体40が低回転数で回転するとき、モータ23の実所要動力は、振れ幅が大きくなり、回生状態と力行状態とが交替しながら変動する場合がある。例えば、図25において、矢印E1が回生状態側、矢印E2が力行状態側であるとすると、回転数RV3の近傍の回転数領域(低回転数領域)では、回生状態と力行状態とが交替しながら実所要動力が変動する可能性がある。そのため、何ら対策を採らないと、切換部92が接続状態と遮断状態とに頻繁に切り換わる虞がある。
そこで、第2制御部93は、モータ23の実所要動力が0Wを超える正値である第1閾値以上のときに切換部92を遮断状態とする。具体的には、第2制御部93は、複数のモータ23(第1モータ231、第2モータ232)の実所要動力の合算値が0Wを超える正値である第1閾値以上のときに切換部92を遮断状態とする。第1閾値は、回転体40の回転数により定まる実所要動力の振れ幅に基づいて設定される。実所要動力の振れ幅は、複数のモータ(第1モータ231、第2モータ232)の実所要動力の合算値の振れ幅である。
第2制御部93が0Wを超える正値である第1閾値以上のときに切換部92を遮断状態とすることにより、切換部92が接続状態から遮断状態に切り換わる実所要動力の閾値が0Wから正値側(モータ23が力行状態となる側)にオフセットされる(ずらされる)。そのため、モータ23の実所要動力が回生状態と力行状態とが交替しながら変動する領域(低回転数領域)において、切換部92は遮断状態とならずに接続状態を維持する。これによって、切換部92が接続状態と遮断状態とに頻繁に切り換わることを防止できる。
また、第2制御部93は、回転体40の回転数が第1回転数RV1であるときは、実所要動力の第1振れ幅WD1に基づいて第1閾値を設定する。また、第2制御部93は、回転体40の回転数が第1回転数RV1よりも低い第2回転数RV2であるときは、第1振れ幅WD1よりも大きい実所要動力の第2振れ幅WD2に基づいて第1閾値を設定する。このように、回転体40の回転数の変化に対応して第1閾値を設定することにより、切換部92が接続状態と遮断状態とに頻繁に切り換わることをより確実に防止できる。
また、第2制御部93は、モータ23の実所要動力が第1閾値よりも低い第2閾値以下のときに切換部92を接続状態とする。具体的には、第2制御部93は、複数のモータ23(第1モータ231、第2モータ232)の実所要動力の合算値が第1閾値よりも低い第2閾値以下のときに切換部92を接続状態とする。
第2制御部93は、モータ23の実所要動力(第1モータ231と第2モータ232の実所要動力の合算値)が第1閾値以上となった場合、常に回生抵抗91を無効とする(切換部92を遮断状態とする)。また、第2制御部93は、モータ23の実所要動力(第1モータ231と第2モータ232の実所要動力の合算値)が第2閾値以下となった場合、常に回生抵抗91を有効とする(切換部92を接続状態とする)。従って、第1閾値は回生抵抗が常に無効となる閾値(無効閾値)であり、第2閾値は回生抵抗が常に有効となる閾値(有効閾値)である。
第1閾値は、実所要動力の振れ幅に安全率を乗じた値と第2閾値との和の値に設定される。つまり、第1閾値は下記算出式(A)に基づいて設定される。
第1閾値=第2閾値+(実所要動力の振れ幅×安全率)・・・(A)
第1閾値の設定に用いる実所要動力の振れ幅は、回転体40の定常回転数における実所要動力の振れ幅である。定常回転数は、回転体40が作業を行うときの定常状態の回転数である。作業装置が散布装置3である場合、第1閾値の設定に用いる実所要動力の振れ幅は、回転体40が散布物の散布を行うときの定常状態の回転数(定常回転数)における実所要動力の振れ幅である。
回転体40の定常回転数は、モータ23の実所要動力(第1モータ231と第2モータ232の実所要動力の合算値)が回生状態と力行状態とが交替しながら変動する回転数(低回転数)に設定することが好ましい。第1閾値の設定に用いる回転体40の定常回転数を、回生状態と力行状態とが交替しながら変動する低回転数に設定することによって、低回転数領域において切換部92が頻繁に切り換わることをより確実に防ぐことができる。
第2閾値は、0W未満の負値又は0Wを超える正値に設定する。
第2閾値を0W未満の負値に設定する理由は、以下の通りである。
モータ23に発生した回生動力は、第1配線(電力供給回路)941の抵抗による損失や発電機15の内部の損失等によって一定量消費される。そのため、これらの損失分を考慮して第2閾値を0W未満の負値に設定する。この場合、第2閾値は、例えば-200W程度に設定される。
第2閾値を0Wを超える正値に設定する理由は、以下の通りである。
リレー等から構成される切換部92は、接続状態と遮断状態との切り換えのために一定の動作時間を要する。そのため、切換部92の動作時間(遅れ)を考慮して第2閾値を0Wを超える正値に設定する。この場合、第2閾値は、切換部92の性能(動作時間)に依存して設定され、例えば+200W程度に設定される。切換部92の性能が良い(動作時間が短い)場合には、第2閾値の正値は小さく(0Wに近く)設定される。
第2閾値は予め第2制御部93に入力され、第2制御部93は入力された第2閾値を使用して上記算出式(A)により第1閾値を算出する。
上記算出式(A)において、安全率は、1を超える値(例えば、2~3)に設定される。
上記算出式(A)において、第2閾値が-100W、実所要動力の振れ幅が500W、安全率が2であるとすると、第1閾値(W)は以下の通りに900Wと算出される。
-100W+(500W×2)=900W
この場合、第2制御部93は、モータ23の実所要動力が900W(第1閾値)以上のときに切換部92を遮断状態とする。また、第2制御部93は、モータ23の実所要動力が-100W(第2閾値)以下のときに切換部92を接続状態とする。
第2制御部93は、モータ23の実所要動力(第1モータ231と第2モータ232の実所要動力の合算値)が、一旦第1閾値(例えば、900W)以上となって回生抵抗91を無効(切換部92を遮断状態)とした後、モータ23の実所要動力が第1閾値を下回っても引き続き回生抵抗91を無効とし、モータ23の実所要動力が第2閾値(例えば、-100W)以下となったときに回生抵抗91を有効(切換部92を接続状態)とする。第2制御部93は、その後、モータ23の実所要動力が第1閾値以上となったとき、回生抵抗91を無効とする。つまり、第2制御部93による回生抵抗の有効/無効の切り換えの挙動がヒステリシスをもつことになる。これにより、切換部92が接続状態と遮断状態とに頻繁に切り換わることを防止できる。
上述した第1の保護対策の構成によって、モータ23の実所要動力の変動が激しく実所要動力の正負が頻繁に変化(反転)する場合であっても、切換部92の切り換えが頻繁に行われることがなく、リレー等から構成される切換部92の切り換え回数が短期間で耐久回数を超えてしまうことが防がれる。
<切換部の保護対策(2)>
次に、切換部92の第2の保護対策として採用される構成について説明する。
回転体40(第1回転体410、第2回転体420)の回転数が0rpmとなったとき、理論上は、モータ23(第1モータ231、第2モータ232)に回生動力が発生する。これは、動力伝達機構50にはPTO軸19から動力が入ってくるため、回転体40の回転数を0rpmとするためには、モータ23をPTO軸19から伝達される回転駆動力の方向と逆方向に回転させる必要があるためである。
しかしながら、回転体40(第1回転体410、第2回転体420)の回転数が0rpmとなったときであっても、実際には、第1配線(電力供給回路)941の抵抗による動力損失や発電機15の内部の動力損失等に起因して、モータ23に力行動力が発生する。モータ23に力行動力が発生した状態で切換部92が接続状態に切り換わると、回生抵抗91が過剰に発熱するリスクがある。
そこで、このリスクを回避する為に、第2制御部93は、当該第2制御部93から指令される回転体40の指令回転数が作業を停止する作業停止回転数となり、且つ、回転体40の実回転数が作業停止回転数となったときに、切換部92を遮断状態とする。言い換えれば、第2制御部93は、モータ23に対する指令回転数が回転体40の回転数を作業停止回転数とするための回転数(以下、「停止指令回転数」という)となり、且つ、モータ23の実回転数が回転体40の回転数を作業停止回転数とするための実回転数(以下、「実停止回転数」という)となったときに、切換部92を遮断状態とする。
具体的には、第2制御部93は、複数の回転体(第1回転体410、第2回転体420)の指令回転数がいずれも作業停止回転数となり、且つ、複数の回転体(第1回転体410、第2回転体420)の実回転数がいずれも作業停止回転数となったときに、切換部92を遮断状態とする。言い換えれば、第2制御部93は、第1モータ231及び第2モータ232に対する指令回転数が第1回転体410及び第2回転体420の回転数を作業停止回転数とするための停止指令回転数となり、且つ、第1モータ231及び第2モータ232の実回転数が第1回転体410及び第2回転体420の回転数を作業停止回転数とするための実停止回転数となったときに、切換部92を遮断状態とする。
作業停止回転数は、作業を停止する(作業ができない)回転数であって、0rpm或いは0rpmに近い低回転数に設定される。作業装置が散布装置3である場合、作業停止回転数は、散布を停止する散布停止回転数である。以下、作業停止回転数が散布停止回転数であるとして説明する。回転体40の散布停止回転数は、散布物の散布が停止される(散布ができない)回転数であって、0rpm或いは0rpmに近い低回転数に設定される。
回転体40の指令回転数は、車両側ECUから第2制御部93に送信される或いは第2制御部93自体に入力される回転体40の目標回転数の指令値である。第2制御部93は、この指令値(回転体の指令回転数)に基づく指令信号をインバータ22に送信し、インバータ22を介して第1モータ231及び第2モータ232に設定すべき回転数(モータに対する指令回転数)を指令する。
回転体40の散布停止回転数(作業停止回転数)が0rpmに設定された場合、モータ23の停止指令回転数は、回転体40の回転数を0rpmとするための指令回転数となる。例えば、作業装置が図17に示す駆動部49を有する散布装置3である場合、第1回転体410及び第2回転体420の回転数を0rpmとするためのモータの指令回転数(停止指令回転数)は、第1モータ231は負の回転数(逆回転)となり、第2モータ232は0rpmとなる。
第2制御部93は、実所要動力の合算値が正値であるか負値であるかに関わらず、モータ23(第1モータ231、第2モータ232)に対する指令回転数が停止指令回転数となり、且つ、モータ23(第1モータ231、第2モータ232)の実回転数が実停止回転数となったときに、切換部92を遮断状態とする。これによって、回転体40が作業停止回転数(散布停止回転数)になってモータ23に力行動力が発生している状態で、切換部92が接続状態に切り換わることが防止できる。そのため、回生抵抗91が過剰に発熱するリスクを回避することができる。また、切換部92の不必要な切り換え動作を無くすことができるため、切換部92の寿命を延ばすことができる。
図26は、第1モータ231の実回転数M1、第2モータ232の実回転数M2、回転体40(第1回転体410、第2回転体420)の指令回転数D0及び実回転数D1、第1モータ231の実所要動力と第2モータ232の実所要動力との合算値P1、切換部92の状態(遮断状態OFF又は接続状態ON)の関係の一例を示すグラフである。
図26のグラフの左側の縦軸は回転数(rpm)、右側の縦軸は動力(W)、横軸は時間(秒)を示す。但し、左側の縦軸は、指令回転数D0と実回転数D1に適用される。実回転数M1及び実回転数M2は、右側の縦軸の0値を回転数0rpm、0値より上方を正回転の回転数、0値より下方を負の回転数として適用する。
以下、図26に示すグラフについて説明する。
初期状態T1において、回転体40(第1回転体410、第2回転体420)は第1回転数(580rpm)で回転している。つまり、初期状態T1における実回転数D1は、第1回転数(580rpm)である。指令回転数D0は、実回転数D1と一致している。第1モータ231の実回転数M1及び第2モータ232の実回転数M2はいずれも正値であり、第1モータ231及び第2モータ232は正回転している。第1モータ231と第2モータ232の実所要動力の合算値P1は正値であり、モータ23は力行状態にある。切換部92は遮断状態(OFF)となっている。
時間T2において、第2制御部93は、回転体40(第1回転体410、第2回転体420)の回転数を第2回転数(156rpm)に減速する指令をインバータ22に送信している。第2回転数は、散布物を散布可能な最低回転数である。時間T2から時間T3の間の期間(以下、「第1期間TR1)という)において、回転体40(第1回転体410、第2回転体420)の指令回転数D0は第1回転数から第2回転数に減少し、これに伴って実回転数D1は第1回転数から第2回転数に減少している。第1期間TR1において、第1モータ231の実回転数M1は正値から負値へと変化し、第1モータ231と第2モータ232の実所要動力の合算値P1は正値から負値に変化している。これにより、モータ23は力行状態から回生状態に変化し、切換部92は遮断状態(OFF)から接続状態(ON)に変化している。
時間T3において、回転体40(第1回転体410、第2回転体420)の実回転数D1が第2回転数に到達し、時間T3から時間T4の間の期間(以下、「第2期間TR2)という)において実回転数D1は第2回転数に維持されている。第2期間TR2において、第1モータ231の実回転数M1及び第2モータ232の実回転数M2は一定であり、第1モータ231と第2モータ232の実所要動力の合算値P1は負値となっている。モータ23は回生状態が継続しており、切換部92は接続状態(ON)を維持している。
時間T4において、第2制御部93は、回転体40(第1回転体410、第2回転体420)の回転数を第3回転数(散布停止回転数)に減速する指令をインバータ22に送信している。このとき、モータ23に対する指令回転数は、回転体40を第3回転数(散布停止回転数)とするための停止指令回転数となっている。時間T4から時間T5の間の期間(以下、「第3期間TR3)という)において、回転体40(第1回転体410、第2回転体420)の指令回転数D0は第2回転数から第3回転数に減少し、これに伴って実回転数D1は第2回転数から第3回転数に減少している。尚、図26の場合、第3回転数は0rpmである。第3期間TR3において、第1モータ231の実回転数M1は負値が増加し、第2モータ232の実回転数M2は正値が0rmに向けて減少している。第1モータ231と第2モータ232の実所要動力の合算値P1は負値が減少している。モータは回生状態が継続しており、切換部92は接続状態(ON)を維持している。
尚、時間T4において、回転体40に対する散布物(肥料等)の供給が停止されている。これにより、第3期間TR3において実所要動力の合算値P1の負値が急激に減少している。
時間T5において、回転体40(第1回転体410、第2回転体420)の実回転数D1は第3回転数(散布停止回転数)に到達し、時間T5以降の期間(以下、「第4期間TR4)という)では第3回転数に維持されている。第4期間TR4において、第1モータ231の実回転数M1及び第2モータ232の実回転数M2は一定である。第1モータ231と第2モータ232の実所要動力の合算値P1は正値となっており、モータ23は力行状態にある。切換部92は、接続状態(ON)から遮断状態(OFF)に切り換わっている。
第4期間TR4では、モータ23に対する指令回転数R1は、回転体40の回転数(実回転数D0)を散布停止回転数とするための停止指令回転数となっている。また、モータ23の実回転数M1,M2は、回転体40の回転数(実回転数D0)を散布停止回転数とするための実停止回転数となっている。図26の場合、散布停止回転数は0rpmである。また、停止指令回転数及び実停止回転数は、第1モータ231が負回転数(-1300rpm程度)、第2モータ232が0rpmである。
図26の場合、第2制御部93は、当該第2制御部93から指令される回転体(第1回転体410、第2回転体420)の指令回転数D0が作業停止回転数(散布停止回転数)となり、且つ、回転体(第1回転体410、第2回転体420)の実回転数D1が作業停止回転数となったとき(時間T5)に、切換部92を遮断状態OFFとしている。
言い換えれば、第2制御部93は、モータ23(第1モータ231、第2モータ232)に対する指令回転数が回転体40の回転数を散布停止回転数とするための停止指令回転数となり、且つ、モータ23(第1モータ231、第2モータ232)の実回転数M1,M2が回転体40の回転数を散布停止回転数とするための実停止回転数となったとき(時間T5)に、切換部92を遮断状態としている。
第4期間TR4では、回転体40(第1回転体410、第2回転体420)の実回転数D1が0rpmとなっているにも関わらず、第1モータ231と第2モータ232の実所要動力の合算値P1は正値となっている。つまり、モータ23に力行動力が発生している。そのため、切換部92が接続状態に切り換わると回生抵抗91が過剰に発熱するリスクがあるが、第4期間TR4において切換部92を遮断状態(OFF)とすることによって、このリスクが回避されている。
また、第4期間TR4において、第1モータ231と第2モータ232の実所要動力の合算値P1が0値の近傍で変動することにより正負が頻繁に切り換わる可能性があるが、第4期間TR4において切換部92を遮断状態(OFF)とすることによって、切換部92の不必要な切り換え動作を無くすことができる。そのため、切換部92の寿命を延ばすことが可能となり、長期間にわたって回生動力を適切に処理(消費)することができる。
<切換部の保護対策(3)>
次に、切換部92の第3の保護対策として採用される構成について説明する。
回転体40(第1回転体410、第2回転体420)の回転数が変化している最中(例えば、図26の第1期間TR1,第3期間TR3)は、モータ23の実所要動力が激しく変動する。そのため、第2切換部93による実所要動力の計算(算出)が変動に追従できず、第2制御部93による切換部92の切り換えが正確に行われない或いは無駄に行われるリスクがある。
そこで、このリスクを回避する為に、第2制御部93は、当該第2制御部93から指令される回転体40の指令回転数が変化中であって、且つ、回転体40の実回転数が指令回転数を含む所定回転数範囲に達していない場合、切換部92を接続状態とする。
具体的には、第2制御部93は、複数の回転体(第1回転体410、第2回転体420)の少なくともいずれか1つの回転体(対象回転体)の指令回転数が変化中であって、且つ、前記少なくともいずれか1つの回転体(前記対象回転体)の実回転数が指令回転数を含む所定回転数範囲に達していない場合、切換部92を接続状態とする。
所定回転数範囲は、例えば、指令回転数よりも小さい回転数から指令回転数よりも大きい回転数までの範囲に設定することができる。具体的には、例えば、回転体40の指令回転数の±数%(例えば、±5%)に設定することができる。但し、指令回転数を含む所定回転数範囲は、所定回転数と同じ(所定回転数±0%)に設定してもよい。
回転体40の指令回転数は、作業停止回転数に設定される。作業装置が散布装置3である場合、回転体40の指令回転数は、散布停止回転数(例えば、0rpm)に設定される。
上記したように、第2制御部93が、回転体40の指令回転数が変化中であって、且つ、回転体40の実回転数が指令回転数を含む所定回転数範囲に達していない場合、切換部92を接続状態とすることによって、モータ23の実所要動力が激しく変動する期間では接続状態が維持されて切換部92の切り換えが行われない。そのため、切換部92の切り換えが正確に行われなかったり、無駄に行われたりするリスクを回避できる。つまり、切換部92の切換部の不必要な切り換え動作を無くすことができる。そのため、切換部92の寿命を延ばすことができ、長期間にわたって回生動力を適切に処理(消費)することができる。
例えば、図26に示すグラフでは、第1期間TR1及び第3期間TR3は、回転体40の指令回転数D0が減速側に変化中であって、且つ、回転体40の実回転数D1が指令回転数(156rpm、0rpm)を含む所定回転数範囲に達していない場合に相当する。そのため、第2制御部93は、第2期間TR2と第3期間TR3において、切換部92を接続状態ONとする。
第1期間TR1と第3期間TR3は、モータ23の実所要動力の合算値P1が激しく変動する期間である。特に、第3期間TR3では、合算値P1が僅かに正値となる(モータが力行状態となる)期間があるが、切換部92は接続状態ONを維持して切り換えが行われない。これによって、切換部92の切り換えが正確に行われなかったり、無駄に行われたりするリスクを回避できる。
但し、回転体40の指令回転数が変化中であって、且つ、回転体40の実回転数が指令回転数を含む所定回転数範囲に達していない場合であっても、モータ23が明らかに力行状態にあるときには、切換部92を接続状態とする必要はない。例えば、モータ23が高速で回転しているときや増速しているときは、モータ23は力行状態にあることが多いため、切換部92は遮断状態とすることが好ましい。
そのため、好ましくは、第2制御部93は、回転体40の指令回転数が減速側に変化中であって、且つ、回転体40の実回転数が所定回転数範囲に達していない場合、切換部92を接続状態とする。具体的には、第2制御部93は、複数の回転体(第1回転体410、第2回転体420)の少なくともいずれか1つの回転体(対象回転体)の指令回転数が減速側に変化中であって、且つ、前記少なくともいずれか1つの回転体(前記対象回転体)の実回転数が指令回転数を含む所定回転数範囲に達していない場合、切換部92を接続状態とする。
より好ましくは、第2制御部93は、回転体40の指令回転数が作業停止回転数に向けて減速側に変化中であって、且つ、回転体40の実回転数が作業停止回転数に達していない場合、切換部92を接続状態とする。具体的には、第2制御部93は、複数の回転体(第1回転体410、第2回転体420)の少なくともいずれか1つの回転体(対象回転体)の指令回転数が作業停止回転数に向けて減速側に変化中であって、且つ、前記少なくともいずれか1つの回転体(前記対象回転体)の実回転数が作業停止回転数に達していない場合、切換部92を接続状態とする。
また、モータ23の実所要電力が大きくなって発電機15の定格出力値に対する余裕がなくなった場合も、切換部92を遮断状態とすることが好ましい。そのため、好ましくは、第2制御部93は、モータ23の実所要電力(第1モータ231の実所要動力と第2モータ232の実所要動力の合算値)が発電機15の定格出力値の所定割合以上となった場合、切換部92を遮断状態とする。所定割合は、例えば、発電機15の定格出力値の半分、或いは、3分の1に設定される。
<インバータのシャットダウン防止>
図19に基づいてインバータのシャットダウン防止のための制御を説明する。
インバータ22は、負荷電圧が所定電圧を超えたときに出力を遮断する保護装置を含んでいる。保護装置は、モータ23が減速又は停止したとき、モータ23で発生する回生動力(回生電力)によってインバータ22の負荷電圧が上昇して所定電圧を超えたとき、インバータ22の出力を遮断することによってインバータ22を保護する。つまり、インバータ22は、負荷電圧が所定電圧を超えたときに出力を遮断するフェイルセーフ機能を有している。以下、前記所定電圧を「フェイルセーフ機能閾値電圧」ともいう。
電力供給回路941の電圧が所定の閾値電圧(以下、「回路閾値電圧」ともいう)を超えたときに、第2制御部93による切換部92の接続状態への切り換えのタイミングが遅れると、回生抵抗91に流れることができずに行き場を失った回生エネルギーによって電力供給回路941の電圧が急上昇し、インバータ22の保護装置が作動し(フェイルセーフ機能が作動し)、インバータ22の出力が遮断される(インバータ22がシャットダウンする)。
そこで、切換部92の接続状態への切り換えのタイミング遅れに起因するインバータ22のシャットダウンを防ぐために、第2制御部93は、インバータ22に接続され且つインバータ22を介してモータ23に電力を供給する電力供給回路941の電圧が閾値電圧(回路閾値電圧)を超えたときに切換部92を接続状態に切り換える。
これにより、電力供給回路941の電圧が回路閾値電圧を超えたとき、電力供給回路941を流れる電流は第2配線942を介して回生抵抗91へと流れる。そのため、第2制御部93による切換部92の接続状態への切り換えのタイミングが遅れても、インバータ22の保護装置が作動することが防がれ、インバータ22の出力が遮断されることがない。
回路閾値電圧は、電力供給回路941の定格電圧とフェイルセーフ機能閾値電圧との間に設定される。回路閾値電圧は、例えば、電力供給回路941の定格電圧とフェイルセーフ機能閾値電圧の中間値、或いは中間値以上の電圧に設定される。例えば、電力供給回路941の定格電圧が56V、フェイルセーフ機能閾値電圧が69Vの場合、回路閾値電圧は63V程度に設定される。
<回転体の回転数検出>
次に、図17、図19を用いて回転体40(第1回転体410、第2回転体420)の回転数(実回転数)を検出するための構成について説明する。回転体40の回転数(実回転数)は、回転体40の回転軸40aに回転センサ等の回転検出器を設けることにより検出してもよいが、下記の構成によって検出することが好ましい。
第2制御部93は、モータ23の回転数及びPTO軸19の回転数に基づいて回転体40(第1回転体410、第2回転体420)の回転数を算出する。詳しくは、第2制御部93は、PTO軸19の回転数及び第1モータ231の回転数に基づいて第1回転体410の回転数を算出し、PTO軸19の回転数と第1モータ231の回転数と第2モータ232の回転数に基づいて第2回転体420の回転数を算出する。
第2制御部93は、車両側ECUからISOBUSを介してPTO軸19の回転数を取得する。第2制御部93は、インバータ22から第6配線(CAN)946を介してモータ23(第1モータ231、第2モータ232)の回転数を取得する。
第2制御部93は、取得したPTO軸19の回転数、モータ23(第1モータ231、第2モータ232)の回転数に基づいて、回転体40(第1回転体410、第2回転体420)の回転数を算出する。
具体的には、例えば、作業装置が図17に示す駆動部49を有する散布装置3であって、駆動部49が上記設定条件を満たしている場合、第2制御部93は、以下の式(2)に基づいて第2回転体420の回転数ωB2を算出し、式(1)に基づいて第1回転体410の回転数ωB1を算出する。尚、式(1)(2)において、ωPTOはPTO軸19の回転数、ωM1は第1モータ231の回転数、ωM2は第2モータ232の回転数である。
<式(2)>
ωB2=((1+(63/27)×ωPTO×(58/59)-ωM1/(42×104))/(63/27)/(18×14)/(41×12)
<式(1)>
ωB1=(ωB2×(41/12)+(96/48)×ωM2×(120/77))/(1+(96/48))×(27/14)
上記式(1)(2)中に含まれる数値は、いずれも駆動部49(動力伝達機構50)を構成する歯車の歯数である。駆動部49(動力伝達機構50)を構成する歯車の歯数はいずれも既知である。そのため、第2制御部93は、PTO軸19の回転数及びモータ23(第1モータ231、第2モータ232)の回転数に基づいて、回転体40(第1回転体410、第2回転体420)の回転数を算出することができる。
これにより、回転体40の回転数を回転軸40aに回転センサ等の回転検出器を設けることなく検出することができる。そのため、回転検出器,及び回転検出器により検出されたデータの処理装置が不要となり、回転体40の回転数を検出するための装置構成(システム)を簡素化することができる。
次に、上述した回転体40の回転数の算出に用いられるモータ23の回転数の算出方法について説明する。
第2制御部93は、当該第2制御部93からモータ23の回転数を制御するためにインバータ22に送信する指令回転数と、モータ23に付設された回転数センサ等の検出器140(図27参照)で検出され且つインバータ22から受信する回転数(以下、「受信回転数」という)とに基づいて、回転体40(第1回転体410、第2回転体420)の回転数を算出する。以下、この第2制御部93により算出される回転体40(第1回転体410、第2回転体420)の回転数を「補正回転数」という。
図27に示すように、モータ23の回転数を制御するための指令回転数R1は、第2制御部93から第6配線(CAN)946を介してインバータ22に送信される(ステップ1:矢印ST1参照)。指令回転数R1は、モータ23の回転数を設定(変更)するために第2制御部93がインバータ22に送信する指令信号に含まれる。インバータ22は、第2制御部93から送信された指令回転数R1に基づいてモータ23の回転数を制御する(ステップ2:矢印ST2参照)。これによりモータ23の実回転数が変化し、検出器140はモータ23の実回転数を検出してインバータ22へと送信する(ステップ3:矢印ST3参照)。インバータ22は、検出器140から送信されたモータ23の回転数の値をモニタ値として第6配線946を介して第2制御部93に送信する(ステップ4:矢印ST4参照)。第2制御部93は、インバータ22から送信された回転数を受信し、この受信した回転数(受信回転数)R2と指令回転数R1に基づいて補正回転数R3を算出する。
ここで、第2制御部93から第6配線946を介してインバータ22に送信される信号(矢印ST1参照)及びインバータ22から第6配線946を介して第2制御部93に送信される信号(矢印ST4参照)は、所定の時間間隔で間欠的に行われる。第2制御部93からインバータ22に送信される信号の送信間隔(以下、「第1送信間隔」という)は、例えば10ms毎である。また、インバータ22から第2制御部93に送信される信号の送信間隔(以下、「第2送信間隔」という)は、第1送信間隔よりも長く、例えば250ms毎である。また、インバータ22が検出器140から送信されてきた回転数の情報を処理して第2制御部93に送信するためには若干の時間を要する。これらのことにより、第2制御部93がインバータ22に対して指令回転数R1を送信する時期と、第2制御部93がインバータ22から受信回転数R2を受信する時期との間にはライムラグ(時間差)が生じる。
そのため、第2制御部93からの指令に基づいてモータ23の回転数が変化(増加又は減少)している場合、指令回転数R1及び受信回転数R2と実際のモータ23の回転数(実回転数)との間に誤差(ずれ)が生じる。具体的には、モータ23の回転数が減少している場合、指令回転数R1は実際のモータ23の実回転数よりも小さくなり、受信回転数R2はモータ23の実回転数よりも大きくなる。モータ23の回転数が増加している場合、指令回転数R1は実際のモータ23の実回転数よりも大きくなり、受信回転数R2はモータ23の実回転数よりも小さくなる。
そこで、第2制御部93は、指令回転数のみ又は受信回転数のみに基づくのではなく、指令回転数と受信回転数とに基づいて回転体40の回転数を算出する。詳しくは、第2制御部93は、回転体40の回転数を指令回転数と受信回転数との間の値として算出する。具体的には、第2制御部93は、指令回転数R1と受信回転数R2とに基づき、回転体40の回転数(補正回転数)R3を以下の関係式により算出する。
R3=R1×α+R2×β
但し、α+β=1、0<α<1、0<β<1
例えば、α=β=0.5に設定することにより、回転体40の回転数(補正回転数R3)を指令回転数R1と受信回転数R2との中間値として算出することができる。この場合、R3=(R1+R2)/2となる。また、α=βと設定する代わりに、α<βと設定してもよいし、α>βと設定してもよい。
図28は、指令回転数R1、受信回転数R2、補正回転数R3の経時的な変化を模式的に示したグラフである。グラフの横軸tは時間(ms)、縦軸Rは回転数(rpm)である。図28のグラフは、第2制御部93からの指令に基づいてモータ23の回転数が増加している場合であって、上記関係式でα=β=0.5に設定した場合を示している。図29は、図28の一部を拡大したものである。t1は第1送信間隔、t2は第2送信間隔であり、t1<t2である。
図28に示すように、指令回転数R1の変化(増加)と受信回転数R2の変化(増加)とは同期せず、受信回転数R2の変化は指令回転数R1の変化に対して遅れる。図28において、tg0、tg1、tg2、tg3は、第2制御部93がインバータ22から受信回転数R2を受信する時間(タイミング)を示している。第2制御部93は、指令回転数R1と受信回転数R2とに基づいて、補正回転数R3を第1送信間隔t1で算出してインバータ22に送信する。
次に、図29を参照しながら、補正回転数R3の具体的な算出方法について説明する。ここでは、時間tg0と時間tg1との間にある時間ta及びtbにおける第2制御部93の補正回転数R3の算出方法について説明する。
第2制御部93は、時間taにおいて指令回転数R1aと受信回転数R2aとの中間値R3aを補正回転数R3aとして算出し、時間tbにおいて指令回転数R1bと受信回転数R2bとの中間値R3bを補正回転数R3として算出する。ここで、指令回転数R1bは指令回転数R1aに対して増加するが、受信回転数R2bは受信回転数R2aに対して変化しない。これは、第2制御部93は、時間tbにおいて時間taからの指令回転数R1の増加を認識しているが、受信回転数R2の増加を認識(受信)していないためである。第2制御部93が時間ta,tbにて認識している受信回転数R2は時間tg0で受信した受信回転数R2Xである。そのため、第2制御部93は、受信回転数R2a,Rb2として受信回転数R2Xを使用する。つまり、第2制御部93は、時間tg0と時間tg1との間の時期において、時間tg0に受信した受信回転数R2Xを受信回転数R2として使用する。
時間tg0から第2送信間隔t2後の時間tg1において、第2制御部93は、時間tbからの指令回転数R1の増加を認識するとともに、時間tg0からの受信回転数R2の増加を認識(受信)する。そのため、第2制御部93は、時間tg1において、指令回転数R1bから増加した指令回転数R1cを指令回転数R1として使用し、受信回転数R2X(=R2a,R2b)から増加した受信回転数R2cを受信回転数R2として使用し、指令回転数R1cと受信回転数R2cとの中間値R3cを補正回転数R3として算出する。
上述したように、第2制御部93は、指令回転数R1と受信回転数R2とに基づき、回転体40の回転数(補正回転数)R3を算出する。詳しくは、第2制御部93は、回転体40の回転数(補正回転数)R3を指令回転数R1と受信回転数R2との間の値として算出する。これにより、指令回転数のみ又は受信回転数のみに基づいて回転体40の回転数を算出した場合に生じる実回転数との誤差(ずれ)を小さくすることができ、回転体40の回転数を精度良く算出することが可能となる。
<効果>
上述した実施形態の作業装置及び作業機によれば、以下に述べる効果を奏することができる。
上述した実施形態の作業装置3は、原動機11を備えた走行車両2に連結されて農作業を行う作業装置であって、回転体40の回転によって農作業を行う作業部32と、電力により駆動する電動機(モータ)23と、電動機23の駆動により生じる動力と原動機11からの動力が入力され、且つ入力された動力を作業部32に伝達する動力伝達機構50と、電動機23に発生した回生動力を消費する回生抵抗91と、電動機23と回生抵抗91との接続状態と遮断状態とを切り換える切換部92と、切換部92の切り換え動作を制御する制御部(第2制御部)93と、を備え、制御部93は、電動機23の実所要動力が0Wを超える正値であって且つ回転体40の回転数により定まる実所要動力の振れ幅に基づいて設定される第1閾値以上のときに切換部92を遮断状態とする。
この構成によれば、切換部92が接続状態から遮断状態に切り換わる電動機23の実所要動力の閾値が0Wから正値側(モータが力行状態となる側)にオフセットされる。そのため、電動機23の実所要動力が回生状態と力行状態とが交替しながら変動する領域(低回転数領域)では切換部が遮断状態とならずに接続状態を維持する。これによって、切換部92が接続状態と遮断状態とに頻繁に切り換わることを防止できる。その結果、電動機23の実所要動力(実負荷)の変動が激しい場合であっても電動機23に発生する回生動力を適切に処理(消費)することができる。
また、制御部(第2制御部)93は、回転体40の回転数が第1回転数であるときは、実所要動力の第1振れ幅に基づいて第1閾値を設定し、回転体40の回転数が第1回転数よりも低い第2回転数であるときは、第1振れ幅よりも大きい実所要動力の第2振れ幅に基づいて第1閾値を設定する。
この構成によれば、実所要動力の振れ幅は回転体40の回転数の増減によって変化するため、回転体40の回転数の増減に対応して第1閾値を設定することによって、切換部92が接続状態と遮断状態とに頻繁に切り換わることをより確実に防止できる。
また、制御部(第2制御部)93は、電動機23の実所要動力が第1閾値よりも低い第2閾値以下のときに切換部92を接続状態とする。
この構成によれば、第2制御部93は、電動機23の実所要動力が、第1閾値以上にあるとき切換部92を常に遮断状態とし、第2閾値以下にあるとき切換部92を常に接続状態とすることができる。
また、第2閾値は0W未満の負値に設定することができる。
この構成によれば、電動機23に発生した回生動力が、配線抵抗による損失や発電機15の内部の損失等によって一定量消費された場合であっても、切換部92の切り換えを適切なタイミングで行うことができる。
また、第2閾値は0Wを超える正値に設定することができる。
この構成によれば、切換部92の動作時間に遅れがあっても、切換部92の切り換えを適切なタイミングで行うことができる。
また、第1閾値は、実所要動力の振れ幅に安全率を乗じた値と第2閾値との和の値に設定される。
この構成によれば、第1閾値が安全率を考慮した値に設定されることによって、切換部92の切り換えを適切なタイミングで行うことができる。
また、第1閾値の設定に用いる実所要動力の振れ幅は、回転体40が作業を行うときの定常状態の定常回転数における実所要動力の振れ幅であって、定常回転数は、電動機23の実所要動力が回生状態と力行状態とが交替しながら変動する回転数である。
この構成によれば、第1閾値の設定に用いる回転体40の定常回転数が、回生状態と力行状態とが交替しながら変動する低回転数に設定されることによって、低回転数領域において切換部92が頻繁に切り換わることをより確実に防ぐことができる。
また、制御部(第2制御部)93は、実所要動力が第1閾値以上となったときに切換部92を遮断状態とした後、実所要動力が第1閾値を下回っても引き続き遮断状態を維持し、その後、実所要動力が第2閾値以下となったときに切換部92を接続状態とし、さらにその後、実所要動力が第1閾値以上となったときに切換部92を遮断状態とする.
この構成によれば、第2制御部93による回生抵抗の有効/無効の切り換えの挙動がヒステリシスをもつことになる。これにより、切換部92が接続状態と遮断状態とに頻繁に切り換わることを防止できる。
また、電動機23は複数の電動機を含み、制御部(第2制御部)93は、複数の電動機の実所要動力の合算値が0Wを超える正値である第1閾値以上のときに切換部92を遮断状態とし、合算値が第1閾値よりも低い第2閾値以下のときに切換部92を接続状態とする。
この構成によれば、複数の電動機23を含む作業装置3において、切換部92が接続状態と遮断状態とに頻繁に切り換わることを防止できる。その結果、電動機23の実所要動力(実負荷)の変動が激しい場合であっても電動機23に発生する回生動力を適切に処理(消費)することができる。
また、作業装置3は、原動機11を備えた走行車両2に連結されて農作業を行う作業装置であって、回転体40の回転によって農作業を行う作業部32と、電力により駆動する電動機23と、電動機23の駆動により生じる動力と原動機11からの動力とが入力され、且つ入力された動力を作業部32に伝達する動力伝達機構50と、電動機23に発生した回生動力を消費する回生抵抗91と、電動機23と回生抵抗91との接続状態と遮断状態とを切り換える切換部92と、電動機23の駆動及び切換部92の切り換え動作を制御する制御部(第2制御部)93と、を備え、制御部93は、当該制御部93から指令される回転体40の指令回転数が作業を停止する作業停止回転数となり、且つ、回転体40の実回転数が作業停止回転数となったときに、切換部92を遮断状態とする。
この構成によれば、電動機23の実所要動力(実負荷)の変動が激しい場合であっても電動機23に発生する回生動力を適切に処理(消費)することができる。具体的には、電動機23に力行動力が発生した状態で切換部92が接続状態に切り換わることが防止されるため、切換部92の不必要な切り換え動作を無くすことができる。そのため、切換部92の寿命を延ばすことができ、長期間にわたって回生動力を適切に処理(消費)することができる。
また、電動機23は複数の電動機を含み、作業部32は複数の回転体40を含み、制御部93は、複数の回転体40の指令回転数がいずれも作業停止回転数となり、且つ、複数の回転体40の実回転数がいずれも作業停止回転数となったときに、切換部92を遮断状態とする。
この構成によれば、複数の電動機23及び回転体40を含む作業装置3において、切換部92が接続状態と遮断状態とに頻繁に切り換わることを防止できる。その結果、電動機23の実所要動力(実負荷)の変動が激しい場合であっても電動機23に発生する回生動力を適切に処理(消費)することができる。
また、原動機11はエンジンであって、エンジン11の動力はPTO軸19を介して動力伝達機構50に入力される。
この構成によれば、エンジン11からPTO軸19を介して伝達される動力と、電動機23からの動力とによって駆動する作業装置3において、電動機23の実所要動力(実負荷)の変動が激しい場合であっても電動機23に発生する回生動力を適切に処理(消費)することができる。
また、作業停止回転数は0rpmである。
この構成によれば、制御部93は、当該制御部93から指令される回転体40の指令回転数が0rpmとなり、且つ、回転体40の実回転数が0rpmとなったときに、切換部92を遮断状態とすることができる。
また、作業装置3は、原動機11を備えた走行車両2に連結されて農作業を行う作業装置であって、回転体40の回転によって農作業を行う作業部32と、電力により駆動する電動機23と、電動機23の駆動により生じる動力と原動機11からの動力とが入力され、且つ入力された動力を作業部32に伝達する動力伝達機構50と、電動機23に発生した回生動力を消費する回生抵抗91と、電動機23と回生抵抗91との接続状態と遮断状態とを切り換える切換部92と、電動機23の駆動及び切換部92の切り換え動作を制御する制御部(第2制御部)93と、を備え、制御部93は、当該制御部93から指令される回転体40の指令回転数が変化中であって、且つ、回転体40の実回転数が指令回転数を含む所定回転数範囲に達していない場合、切換部92を接続状態とする。
この構成によれば、電動機23の実所要動力(実負荷)の変動が激しい場合であっても電動機23に発生する回生動力を適切に処理(消費)することができる。具体的には、回転体40の指令回転数が変化中であって、且つ、回転体40の実回転数が指令回転数を含む所定回転数範囲に達していない場合、切換部92が接続状態となるため、電動機23の実所要動力が激しく変動する期間においては、切換部92の切り換えが行われずに接続状態が維持される。そのため、切換部92の不必要な切り換え動作を無くすことができ、切換部92の寿命を延ばすことが可能となって、長期間にわたって回生動力を適切に処理(消費)することができる。
また、電動機23に電力を供給する発電機15を備え、制御部93は、電動機23の実所要電力が発電機15の定格出力値の半分以上となった場合、切換部92を遮断状態とする。
この構成によれば、モータ23の実所要電力が大きくなって発電機15の定格出力値に対する余裕がなくなった場合に、切換部92を遮断状態とすることができる。
また、制御部93は、回転体40の指令回転数が減速側に変化中であって、且つ、回転体40の実回転数が所定回転数範囲に達していない場合、切換部92を接続状態とする。
この構成によれば、モータ23が増速しているとき等、モータ23が力行状態にあるときに切換部92が接続状態となることを防止することができる。
また、制御部93は、回転体40の指令回転数が回転体による作業が停止される作業停止回転数に向けて減速側に変化中であって、且つ、回転体40の実回転数が作業停止回転数に達していない場合、切換部92を接続状態とする。
この構成によれば、モータ23が力行状態にあるときに切換部92が接続状態となることを、より確実に防止することができる。
また、電動機23は複数の電動機を含み、作業部32は複数の回転体40を含み、制御部93は、複数の回転体40の少なくともいずれか1つの回転体(対象回転体)の指令回転数が変化中であって、且つ、前記少なくともいずれか1つの回転体(前記対象回転体)の実回転数が所定回転数範囲に達していない場合、切換部92を接続状態とする。
この構成によれば、複数の電動機23と複数の回転体40を備えた作業装置3において、切換部92の不必要な切り換え動作を無くすことができ、切換部92の寿命を延ばすことが可能となって、長期間にわたって回生動力を適切に処理(消費)することができる。
また、制御部93は、複数の回転体40の少なくともいずれか1つの回転体(対象回転体)の指令回転数が減速側に変化中であって、且つ、前記少なくともいずれか1つの回転体(前記対象回転体)の実回転数が所定回転数範囲に達していない場合、切換部92を接続状態とする。
この構成によれば、複数の電動機23と複数の回転体40を備えた作業装置3において、モータ23が力行状態にあるときに切換部92が接続状態となることを防止できる。
また、制御部93は、複数の回転体の少なくともいずれか1つの回転体(対象回転体)の指令回転数が回転体40による作業が停止される作業停止回転数に向けて減速側に変化中であって、且つ、前記少なくともいずれか1つの回転体(前記対象回転体)の実回転数が作業停止回転数に達していない場合、切換部92を接続状態とする。
この構成によれば、複数の電動機23と複数の回転体40を備えた作業装置3において、モータ23が力行状態にあるときに切換部92が接続状態となることを、より確実に防止することができる。
また、作業装置3は、圃場に肥料を散布する肥料散布装置、圃場に薬剤を散布する薬剤散布装置、圃場に種を播く播種装置、刈り取った作物を集めて成形する成形装置のいずれかである。
この構成によれば、作業装置3が肥料散布装置、薬剤散布装置、播種装置、成形装置のいずれかである場合において、電動機23の実所要動力(実負荷)の変動が激しい場合であっても電動機23に発生する回生動力を適切に処理(消費)することができる。
作業機1は、原動機11を備えた走行車両2と、走行車両2に連結された作業装置3と、を備えた作業機であって、作業装置3は上記作業装置である。
この構成によれば、電動機23の実所要動力(実負荷)の変動が激しい場合であっても電動機23に発生する回生動力を適切に処理(消費)することができる作業装置3を備えた作業機1を提供することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 作業機
2 走行車両
3 作業装置
11 原動機(エンジン)
19 PTO軸
23 電動機(モータ)
231 第1モータ
232 第2モータ
32 作業部(散布部)
40 回転体
410 第1回転体
420 第2回転体
50 動力伝達機構
91 回生抵抗
92 切換部
93 制御部(第2制御部)

Claims (6)

  1. 原動機を備えた走行車両に連結されて農作業を行う作業装置であって、
    回転体の回転によって農作業を行う作業部と、
    電力により駆動する電動機と、
    前記電動機の駆動により生じる動力と前記原動機からの動力とが入力され、且つ入力された動力を前記作業部に伝達する動力伝達機構と、
    前記電動機に発生した回生動力を消費する回生抵抗と、
    前記電動機と前記回生抵抗との接続状態と遮断状態とを切り換える切換部と、
    前記電動機の駆動及び前記切換部の切り換え動作を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、当該制御部から指令される前記回転体の指令回転数が作業を停止する作業停止回転数となり、且つ、前記回転体の実回転数が前記作業停止回転数となったときに、前記切換部を前記遮断状態とする作業装置。
  2. 前記電動機は、複数の電動機を含み、
    前記作業部は、複数の回転体を含み、
    前記制御部は、前記複数の回転体の指令回転数がいずれも前記作業停止回転数となり、且つ、前記複数の回転体の実回転数がいずれも前記作業停止回転数となったときに、前記切換部を前記遮断状態とする請求項1に記載の作業装置。
  3. 前記原動機は、エンジンであって、
    前記エンジンの動力はPTO軸を介して前記動力伝達機構に入力される請求項1又は2に記載の作業装置。
  4. 前記作業停止回転数は0rpmである請求項1~3のいずれか1項に記載の作業装置。
  5. 前記作業装置は、圃場に肥料を散布する肥料散布装置、圃場に薬剤を散布する薬剤散布装置、圃場に種を播く播種装置、刈り取った作物を集めて成形する成形装置のいずれかである請求項1~4のいずれか1項に記載の作業装置。
  6. 原動機を備えた走行車両と、
    前記走行車両に連結された作業装置と、
    を備えた作業機であって、
    前記作業装置は、請求項1~5のいずれか1項に記載の作業装置である作業機。
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