以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。本発明のシングルキャリアMIMO送信装置は、MIMOブロック番号を、受信側で遅延検波が可能な差動変調方式にて変調し、等化対象のシンボル系列内に配置することを特徴とする。これにより、受信側は、MIMOブロック番号を等化することなく、精度高く検出することができ、等化前のMIMOブロック番号及び等化後のMIMOブロック番号を比較することで、MIMOブロック番号の識別精度を向上させることができる。
また、本発明のシングルキャリアMIMO受信装置(後述する実施例1に対応)は、遅延検波によりMIMOブロック番号を検出し、検出したMIMOブロック番号を基準としてMIMO検出を行う。シングルキャリアMIMO受信装置は、等化後のシンボルからMIMOブロック番号を復調し、検出したMIMOブロック番号と復調したMIMOブロック番号とを比較する。
そして、シングルキャリアMIMO受信装置は、両MIMOブロック番号が一致している場合、検出したMIMOブロック番号を基準としてMIMO検出を行う。一方、シングルキャリアMIMO受信装置は、両MIMOブロック番号が一致していない場合、検出したMIMOブロック番号以外のMIMOブロック番号を基準としてMIMO検出を行う。
また、本発明のシングルキャリアMIMO受信装置(後述する実施例2に対応)は、MIMOブロック番号を検出することなく、MIMOブロック番号を設定し、設定したMIMOブロック番号を基準としてMIMO検出を行う。シングルキャリアMIMO受信装置は、等化後のシンボルからMIMOブロック番号を復調し、設定したMIMOブロック番号と復調したMIMOブロック番号とを比較する。そして、シングルキャリアMIMO受信装置は、前述と同様に、比較結果に応じたMIMOブロック番号を基準としたMIMO検出を行う。
これにより、遅延検波により取得したMIMOブロック番号または設定したMIMOブロック番号と等化後のMIMOブロック番号とを比較し、正確なMIMOブロック番号を判断するようにしたから、MIMOブロック番号の識別精度を向上させることができる。また、MIMOブロック番号は、差動変調方式にて変調され、そのシンボル数が最小限で済むから、MIMOブロック番号の識別精度を向上させるためにそのシンボルを長く配置する必要のある従来技術に比べ、伝送効率を向上させることができる。
〔MIMO SC-FDEシステム〕
まず、本発明の実施形態による送信装置及び受信装置を含むMIMO SC-FDEシステムについて説明する。図1は、MIMO SC-FDEシステムの全体構成を示す概略図である。このMIMO SC-FDEシステム5は、送信系統数(送信アンテナ数)2及び受信系統数(受信アンテナ数)2の2×2MIMO SC-FDE方式を適用したシステムである。MIMO SC-FDEシステム5は、2本の送信アンテナ3-1,3-2を備えた送信装置(シングルキャリアMIMO送信装置)1、及び2本の受信アンテナ4-1,4-2を備えた受信装置(シングルキャリアMIMO受信装置)2により構成される。
送信装置1の送信アンテナ3-1から送信される信号を送信信号x1、送信アンテナ3-2から送信される信号を送信信号x2とする。送信装置1から送信アンテナ3-1,3-2、伝送路及び受信装置2の受信アンテナ4-1を介して受信した信号を受信信号y1、送信装置1から送信アンテナ3-1,3-2、伝送路及び受信装置2の受信アンテナ4-2を介して受信した信号を受信信号y2とする。
送信装置1と受信装置2との間の伝送路において、送信アンテナ3-1と受信アンテナ4-1との間のチャネル応答をh11、送信アンテナ3-2と受信アンテナ4-1との間のチャネル応答をh12、送信アンテナ3-1と受信アンテナ4-2との間のチャネル応答をh21、送信アンテナ3-2と受信アンテナ4-2との間のチャネル応答をh22とする。
受信装置2により推定されるMIMOチャネルHは、以下の式にて表される。
送信装置1は、送信対象のデータを入力し、送信前処理を行い、信号を2つの送信系統に振分ける。そして、送信装置1は、各送信系統において、所定のキャリア変調方式によるマッピング後のデータに、差動変調したMIMOブロック番号を含むTMCCを挿入し、パイロット信号を挿入する。送信装置1は、高周波処理後の送信信号x1,x2の変調波を、送信アンテナ3-1,3-2を介してそれぞれ送信する。送信装置1の詳細については後述する。
送信アンテナ3-1から送信された送信信号x1、及び送信アンテナ3-2から送信された送信信号x2は、伝送路の空間で多重される。
受信装置2は、送信装置1から送信された送信信号x1,x2の多重信号の変調波を、受信アンテナ4-1,4-2を介してそれぞれ受信し、受信信号y1,y2に対して高周波処理、ブロック同期処理等を行う。そして、受信装置2は、ブロック同期後の信号から、遅延検波によりMIMOブロック番号を検出し(後述する実施例1)、またはMIMOブロック番号を設定する(後述する実施例2)。受信装置2は、検出または設定したMIMOブロック番号を基準として、MIMO検出を行い、等化後のシンボルからMIMOブロック番号を復調する。
受信装置2は、検出または設定したMIMOブロック番号と復調したMIMOブロック番号とを比較し、一致している場合、検出または設定したMIMOブロック番号を基準としてMIMO検出を行う。一方、受信装置2は、両MIMOブロック番号が一致していない場合、復調したMIMOブロック番号を基準としてMIMO検出を行う。
〔送信装置1〕
次に、図1に示した送信装置1について詳細に説明する。図2は、本発明の実施形態による送信装置1の概略構成を示すブロック図である。この送信装置1は、受信装置2が周波数領域にてMIMO検出を行うことができるように、送信対象のデータにMIMO変調を施して送信信号を生成する。そして、送信装置1は、送信信号の変調波をシングルキャリアにより、2本の送信アンテナ3-1,3-2を介して無線伝送するシングルキャリア方式を用いた装置である。尚、本例の送信系統数は2であるが、本発明の送信系統数は複数の場合に適用がある。
送信装置1は、送信前処理部10、系統間振分け部11、内インタリーブ部12-1,12-2、マッピング部13-1,13-2、TMCC挿入部14-1,14-2、CP処理部15-1,15-2、パイロット信号挿入部16-1,16-2、帯域制限フィルタ部17-1,17-2、デジタル直交変調部18-1,18-2、DA(デジタル/アナログ)変換部19-1,19-2、送信高周波部20-1,20-2及び送信アンテナ3-1,3-2を備えている。
送信前処理部10は、送信対象のデータである情報ビット系列を入力し、エネルギー拡散処理、誤り訂正処理、インタリーブ処理等の前処理を行い、符号化ビット系列を生成する。そして、送信前処理部10は、符号化ビット系列を系統間振分け部11に出力する。
この前処理は、任意のエネルギー拡散処理、誤り訂正符号化処理、インタリーブ処理等を適用することができる。
系統間振分け部11は、送信前処理部10から符号化ビット系列を入力し、符号化ビット系列に対して、ビットの振分けを行う。本例では、符号化ビット系列が2つの送信系統に振分けられる。そして、系統間振分け部11は、振分けた符号化ビット系列を内インタリーブ部12-1,12-2にそれぞれ出力する。
このビット振分けは、送信系統数に応じて行われ、受信装置2における後述する復号部52による逆振分け処理と対応しており、任意のパターンで行うことができる。
内インタリーブ部12-1は、系統間振分け部11から振分けられた符号化ビット系列を入力し、振分けられた符号化ビット系列に対して、ビットインタリーブ、時間インタリーブ等の内インタリーブ処理を行う。そして、内インタリーブ部12-1は、内インタリーブ処理後の符号化ビット系列をマッピング部13-1に出力する。内インタリーブ部12-2は、内インタリーブ部12-1と同様の処理を行い、内インタリーブ処理後の符号化ビット系列をマッピング部13-2に出力する。
マッピング部13-1は、内インタリーブ部12-1から内インタリーブ処理後の符号化ビット系列を入力し、内インタリーブ処理後の符号化ビット系列に対して、QPSK、16QAM、16APSK等の所定のキャリア変調方式によりマッピングを行う。マッピング部13-1は、マッピング後ビット系列をTMCC挿入部14-1に出力する。マッピング部13-2は、マッピング部13-1と同様の処理を行う。
TMCC挿入部14-1は、マッピング部13-1からマッピング後ビット系列を入力すると共に、MIMOブロック番号等のTMCC(伝送制御情報)を入力する。MIMOブロック番号は、後述する図4及び図5に示すように、TMCCの一部に配置された状態で入力される。そして、TMCC挿入部14-1は、MIMOブロック番号等のTMCCを、DBPSK(Differential Binary Phase Shift Keying:差動2位相偏移変調)またはDQPSK(Differential Quadrature Phase Shift Keying:差動4位相偏移変調)等の差動変調方式により変調する。これらの差動変調方式は、遅延検波が可能な方式である。
TMCC挿入部14-1は、マッピング後ビット系列に対して、変調後のTMCCを所定位置に挿入し、TMCC挿入後の信号をCP処理部15-1に出力する。TMCC挿入部14-2は、TMCC挿入部14-1と同様の処理を行う。
図3は、TMCC挿入部14-1の概略構成を示すブロック図である。このTMCC挿入部14-1は、挿入部30及び差動変調部31を備えている。TMCC挿入部14-2についても同様である。
差動変調部31は、MIMOブロック番号等のTMCCを入力し、MIMOブロック番号等のTMCCを所定の差動変調方式により変調し、TMCC変調信号を生成する。そして、差動変調部31は、TMCC変調信号を挿入部30に出力する。
挿入部30は、マッピング部13-1からマッピング後ビット系列を入力すると共に、差動変調部31からTMCC変調信号を入力する。そして、挿入部30は、マッピング後ビット系列に対して、TMCC変調信号を所定位置に挿入し、TMCC挿入後の信号をCP処理部15-1に出力する。
例えば、図2に示すように、送信系統数が2、すなわち多重数が2の場合、MIMOブロック番号は、1ビット長で表される「0」または「1」である。また、送信系統数が4、すなわち多重数が4の場合、MIMOブロック番号は、2ビット長で表される「00」「01」「10」または「11」である。
図4は、TMCCの第1例の構成を示す図である。図4(1)は、送信系統数2及び受信系統数2の2×2MIMO SC-FDE方式におけるTMCCの第1例を示す図である。このTMCCは、データ変調方式、データ内符号、フレーム番号、ブロック番号(フレーム内のブロック番号)、MIMOブロック番号等により構成される。
データ変調方式、データ内符号、フレーム番号、ブロック番号及びMIMOブロック番号は、第0ビット~第2ビット(b0~b2)、第3ビット~第5ビット(b3~b5)、第6ビット~第8ビット(b6~b8)、第9ビット~第18ビット(b9~b18)、及び第19ビット(b19)にそれぞれ配置される。データ変調方式、データ内符号、フレーム番号及びブロック番号の割り当ては、図4(1)に示すとおりである。
MIMOブロック番号の割り当てが「0」の場合、1ブロック目を示し、「1」の場合、2ブロック目を示す。
図4(2)は、送信系統数4及び受信系統数4の4×4MIMO SC-FDE方式におけるTMCCの第1例を示す図である。このTMCCは、図4(1)と同様に、データ変調方式、データ内符号、フレーム番号、ブロック番号、MIMOブロック番号等により構成される。データ変調方式、データ内符号、フレーム番号及びブロック番号のビット配置及び割り当ては、図4(1)と同様である。
MIMOブロック番号は、第19ビット~第20ビット(b19~b20)に配置される。MIMOブロック番号の割り当てが「00」の場合、1ブロック目を示し、「01」の場合、2ブロック目を示し、「10」の場合、3ブロック目を示し、「11」の場合、4ブロック目を示す。
図5は、TMCCの第2例の構成を示す図である。図5(1)は、送信系統数2及び受信系統数2の2×2MIMO SC-FDE方式におけるTMCCの第2例を示す図である。このTMCCは、図4(1)と同様に、データ変調方式、データ内符号、フレーム番号、ブロック番号、MIMOブロック番号等により構成される。データ変調方式、データ内符号、フレーム番号及びブロック番号のビット配置及び割り当ては、図4(1)と同様である。
MIMOブロック番号は、第19ビット~第21ビット(b19~b21)に配置される。MIMOブロック番号の割り当てが「000」の場合、1ブロック目を示し、「111」の場合、2ブロック目を示す。
図5(1)に示した第2例では、MIMOブロック番号のビット数が3であり、図4(1)に示した第1例ではビット数が1であるから、図5(1)の方が図4(1)よりもビット数が多い。したがって、図5(1)に示した第2例の方が図4(1)に示した第1例よりも、受信側においてMIMOブロック番号の識別精度を向上させることができる。
図5(2)は、送信系統数4及び受信系統数4の4×4MIMO SC-FDE方式におけるTMCCの第2例を示す図である。このTMCCは、図4(1)と同様に、データ変調方式、データ内符号、フレーム番号、ブロック番号、MIMOブロック番号等により構成される。データ変調方式、データ内符号、フレーム番号及びブロック番号のビット配置及び割り当ては、図4(1)と同様である。
MIMOブロック番号は、第19ビット~第24ビット(b19~b24)に配置される。MIMOブロック番号の割り当てが「000000」の場合、1ブロック目を示し、「010101」の場合、2ブロック目を示し、「101010」の場合、3ブロック目を示し、「111111」の場合、4ブロック目を示す。
図5(2)に示した第2例では、MIMOブロック番号のビット数が6であり、図4(2)に示した第1例ではビット数が2であるから、図5(2)の方が図4(2)よりもビット数が多い。したがって、図5(2)に示した第2例の方が図4(2)に示した第1例よりも、受信側においてMIMOブロック番号の識別精度を向上させることができる。
尚、図4(1)及び図5(1)は、送信系統数2及び受信系統数2の2×2MIMO SC-FDE方式の場合を示しているが、受信系統数が2を超える場合、例えば送信系統数2及び受信系統数4の2×4MIMO SC-FDE方式の場合も同様である。また、図4(2)及び図5(2)は、送信系統数4及び受信系統数4の4×4MIMO SC-FDE方式の場合を示しているが、受信系統数が4を超える場合、例えば送信系統数4及び受信系統数8の4×8MIMO SC-FDE方式の場合も同様である。
図2に戻って、CP処理部15-1は、TMCC挿入部14-1からTMCC挿入後の信号を入力し、TMCC挿入後の信号におけるデータシンボルのうち後方の所定長のシンボルをCPとして、CPをデータシンボルの前方のGIとして挿入する。
CP処理部15-1は、CP挿入後の信号をパイロット信号挿入部16-1に出力する。CP処理部15-2は、CP処理部15-1と同様の処理を行う。
パイロット信号挿入部16-1は、CP処理部15-1からCP挿入後の信号を入力し、CP挿入後の信号に対して所定のパイロット信号を挿入し、後述する図6または図7に示す構造の信号を生成する。所定のパイロット信号は、UW、ヌルデータ等である。パイロット信号挿入部16-1は、パイロット信号挿入後の信号を帯域制限フィルタ部17-1に出力する。
パイロット信号挿入部16-2は、パイロット信号挿入部16-1と同様の処理を行う。この場合、パイロット信号挿入部16-1,16-2は、前記式(1)のMIMOチャネルHを推定するために、後述する図6または図7のとおり、2ブロックにおいて互いに異なる(直交する)パイロット信号を挿入する。
帯域制限フィルタ部17-1は、パイロット信号挿入部16-1からパイロット信号挿入後の信号を入力し、パイロット信号挿入後の信号のシンボル系列に対して、2倍のアップサンプリングを行い、フィルタ処理による帯域制限を行い、波形整形を行う。帯域制限フィルタ部17-1としては、一般的にルートロールオフフィルタが用いられる。
帯域制限フィルタ部17-1は、帯域制限後のシンボル系列をデジタル直交変調部18-1に出力する。帯域制限フィルタ部17-2は、帯域制限フィルタ部17-1と同様の処理を行う。
デジタル直交変調部18-1は、帯域制限フィルタ部17-1から帯域制限後のシンボル系列を入力し、帯域制限後のシンボル系列に対して、ベースバンドの複素信号により直交変調を行う。また、デジタル直交変調部18-1は、後段のDA変換部19-1におけるデジタル/アナログ変換によるアパーチャ効果を補正するために、アパーチャ補正を行う。
デジタル直交変調部18-1は、直交変調後の信号をDA変換部19-1に出力する。デジタル直交変調部18-2は、デジタル直交変調部18-1と同様の処理を行う。
DA変換部19-1は、デジタル直交変調部18-1から直交変調後の信号を入力し、直交変調後の信号であるデジタル信号をアナログ信号に変換する。DA変換部19-1は、アナログ信号を送信高周波部20-1に出力する。DA変換部19-2は、DA変換部19-1と同様の処理を行う。
送信高周波部20-1は、DA変換部19-1からアナログ信号を入力し、アナログ信号の周波数を無線周波数に変換し、図示しない電力増幅器を用いて所定の電力となるように、無線周波数信号の電力を増幅する。そして、送信高周波部20-1は、増幅後の無線周波数信号を送信信号x1の変調波として、送信アンテナ3-1を介して送信する。
送信高周波部20-2は、送信高周波部20-1と同様の処理を行い、送信信号x2の変調波を、送信アンテナ3-2を介して送信する。
〔ヌル構造のMIMOブロック〕
図6は、本発明の実施形態におけるヌル構造のMIMOブロックの構成を説明する図である。送信信号x1は、図2に示した送信装置1の送信アンテナ3-1から送信される信号を示しており、送信信号x2は、送信アンテナ3-2から送信される信号を示している。
送信信号x1,x2は、奇数ブロックであるMIMOブロック番号0のブロック、及び偶数ブロックであるMIMOブロック番号1のブロックからなる2つのブロックを単位として構成される。これらの2つのブロックを単位として、受信装置2においてMIMO検出が行われる。
送信信号x1,x2の各ブロックは、2つの連続するUWまたはヌルデータ、CPが挿入されたGI、TMCC及びデータにより構成される。UW及びヌルデータは、チャネル応答を推定するためのパイロット信号である。UWは、図16と同様に、CAZAC系列等が用いられる。CPは、データの後ろ部分をコピーした情報である。TMCC及びデータは、受信装置2において等化対象の信号である。TMCCには、差動変調されたMIMOブロック番号が含まれる。
MIMOブロック番号は、前述のとおり、受信装置2が正しくMIMO検出を行うために、ブロックがどこから始まるのかを識別するための情報である。より詳細には、受信装置2がMIMO検出を行うために必要な複数のMIMOブロックをMIMO検出用複数ブロックとした場合に、それぞれのMIMOブロックを識別するための情報である。
図6の例では、第1ブロックにMIMOブロック番号0が割り当てられ、第2ブロックにMIMOブロック番号1が割り当てられ、これらの複数ブロックの始まりは、MIMOブロック番号0のブロックとなる。つまり、前述のMIMO検出用複数ブロックは、MIMOブロック番号0,1のMIMOブロックである。
図2に示した送信装置1のTMCC挿入部14-1は、送信信号x1の第1ブロックについて、MIMOブロック番号0等のTMCCを差動変調方式により変調する。そして、TMCC挿入部14-1は、マッピング部13-1から入力したマッピング後ビット系列に対して、MIMOブロック番号0等を含む変調信号を所定位置に挿入し、TMCC挿入後の信号を生成する。
TMCC挿入部14-2は、送信信号x2の第1ブロックについて、TMCC挿入部14-1と同様の処理を行い、MIMOブロック番号0等を含む変調信号を所定位置に挿入したTMCC挿入後の信号を生成する。
パイロット信号挿入部16-1は、送信信号x1の第1ブロックについて、2つの連続するUWを設定し、CP処理部15-1から入力したCP挿入後の信号に対して、GIの前の位置に2つの連続するUWであるパイロット信号を挿入する。
パイロット信号挿入部16-2は、送信信号x2の第1ブロックについて、パイロット信号挿入部16-1により設定される2つの連続するUWに対応して、ヌルデータを設定する。そして、パイロット信号挿入部16-2は、CP処理部15-2から入力したCP挿入後の信号に対して、GIの前の位置にヌルデータであるパイロット信号を挿入する。
そして、TMCC挿入部14-1は、送信信号x1の第2ブロックについて、MIMOブロック番号1等のデータを差動変調方式により変調する。TMCC挿入部14-1は、MIMOブロック番号1等を含む変調信号を所定位置に挿入したTMCC挿入後の信号を生成する。
TMCC挿入部14-2は、送信信号x2の第2ブロックについて、TMCC挿入部14-1と同様の処理を行い、MIMOブロック番号1等を含む変調信号を所定位置に挿入したTMCC挿入後の信号を生成する。
パイロット信号挿入部16-1は、送信信号x1の第2ブロックについて、ヌルデータを設定する。そして、パイロット信号挿入部16-1は、CP挿入後の信号に対して、GIの前の位置にヌルデータであるパイロット信号を挿入する。
パイロット信号挿入部16-2は、送信信号x2の第2ブロックについて、パイロット信号挿入部16-1により設定されるヌルデータに対応して、2つの連続するUWを設定する。そして、パイロット信号挿入部16-2は、CP挿入後の信号に対して、GIの前の位置に2つの連続するUWであるパイロット信号を挿入する。
このように、送信信号x1,x2は、図6に示したとおり、送信信号x1のUWと送信信号x2のUWとが時分割の状態で順番に送信される。
そして、受信装置2は、第1ブロックの受信UWに対しFFTを行い、受信UWのFFT結果に基づいて、送信信号x1に対するチャネル応答h11,h21を推定する。また、受信装置2は、第2ブロックの受信UWに対しFFTを行い、受信UWのFFT結果に基づいて、送信信号x2に対するチャネル応答h12,h22を推定する。
これにより、UW及びヌルデータを用いて、前記式(1)のMIMOチャネルHを推定することができる。
〔WH(Walsh-Hadamard:ウォルシュ-アダマール)構造のMIMOブロック〕
図7は、本発明の実施形態におけるWH構造のMIMOブロックの構成を説明する図である。前述のとおり、送信信号x1,x2は、それぞれ図2に示した送信装置1の送信アンテナ3-1,3-2から送信される信号を示している。
送信信号x1,x2は、奇数ブロックであるMIMOブロック番号0のブロック、及び偶数ブロックであるMIMOブロック番号1のブロックからなる2つのブロックを単位として構成される。これらの2つのブロックを単位として、受信装置2においてMIMO検出が行われる。
送信信号x1,x2の各ブロックは、2つの連続するUWまたは当該UWにマイナスを乗算して反転したUW、CPが挿入されたGI、TMCC及びデータにより構成される。TMCC及びデータは、受信装置2において等化対象の信号である。
図6と同様に、TMCC挿入部14-1は、送信信号x1の第1ブロックについて、MIMOブロック番号0等を含む変調信号を所定位置に挿入したTMCC挿入後の信号を生成する。また、TMCC挿入部14-2は、送信信号x2の第1ブロックについて、MIMOブロック番号0等を含む変調信号を所定位置に挿入したTMCC挿入後の信号を生成する。
パイロット信号挿入部16-1は、送信信号x1の第1ブロックについて、2つの連続するUWを設定し、CP挿入後の信号に対して、2つの連続するUWであるパイロット信号を挿入する。パイロット信号挿入部16-2は、送信信号x2の第1ブロックについて、パイロット信号挿入部16-1と同様に、2つの連続するUWを設定し、CP挿入後の信号に対して、2つの連続するUWであるパイロット信号を挿入する。
そして、図6と同様に、TMCC挿入部14-1は、送信信号x1の第2ブロックについて、MIMOブロック番号1等を含む変調信号を所定位置に挿入したTMCC挿入後の信号を生成する。また、TMCC挿入部14-2は、送信信号x2の第2ブロックについて、MIMOブロック番号1等を含む変調信号を所定位置に挿入したTMCC挿入後の信号を生成する。
パイロット信号挿入部16-1は、送信信号x1の第2ブロックについて、第1ブロックと同様に、CP挿入後の信号に対して、2つの連続するUWであるパイロット信号を挿入する。パイロット信号挿入部16-2は、送信信号x2の第2ブロックについて、UWにマイナスを乗算して反転したUWを設定し、CP挿入後の信号に対して、2つの連続する反転したUWであるパイロット信号を挿入する。
このように、図7に示したとおり、送信信号x1のUWは、第1ブロック及び第2ブロックで同じとなり、送信信号x2のUWは、第1ブロック及び第2ブロック間で反転する。つまり、送信信号x1,x2は、第1ブロックでは同じUWが送信され、第2ブロックでは、UW及び反転したUWが送信される。
そして、受信装置2は、受信アンテナ4-1の受信系統において、第1ブロックの受信UW(受信した送信信号x1,x2の多重信号(受信信号y1)における第1ブロックのUW)をFFTしたものと第2ブロックの受信UWをFFTしたものを加算する。そして、受信装置2は、受信UWの加算結果に基づいて、送信信号x1に対するチャネル応答h11,h21を推定する。尚、FFTと加算は処理を入れ替えてもよく、第1ブロックの受信UW(受信した送信信号x1,x2の多重信号(受信信号y1)における第1ブロックのUW)と第2ブロックの受信UWとの和(加算結果)に対しFFTした結果を用いることが可能である。
同様に、受信装置2は、受信アンテナ4-2の受信系統において、第1ブロックの受信UW(受信した送信信号x1,x2の多重信号(受信信号y2)における第1ブロックのUW)をFFTしたものと第2ブロックの受信UWをFFTしたものを減算する。そして、受信装置2は、受信UWの減算結果に基づいて、送信信号x2に対するチャネル応答h12,h22を推定する。尚、FFTと減算は処理を入れ替えてもよく、第1ブロックの受信UW(受信した送信信号x1,x2の多重信号(受信信号y2)における第1ブロックのUW)と第2ブロックの受信UWとの差(減算結果)に対しFFTした結果を用いることが可能である。
これにより、UW及び反転したUWを用いて、前記式(1)のMIMOチャネルHを推定することができる。
以上のように、本発明の実施形態の送信装置1によれば、TMCC挿入部14-1,14-2は、MIMOブロック番号等のTMCCを差動変調し、差動変調後のTMCCを、マッピング後のデータの所定位置(等化対象のシンボル系列内)に挿入する。
これにより、MIMOブロック番号は、等化対象のシンボル系列内に配置されたTMCCの一部として送信される。そして、受信装置2は、MIMOブロック番号を等化する前に検出することができ、等化前のMIMOブロック番号と等化後のMIMOブロック番号とを比較することで、MIMOブロック番号の識別精度を向上させることができる。
また、従来は、MIMOブロック番号の識別精度を向上させるために、MIMOブロック番号のシンボルを長めに配置する必要があった。本発明の実施形態の送信装置1では、MIMOブロック番号のシンボルを長めに配置する必要はなく、シンボル数は最小限で済むため、従来よりも伝送レートを高くすることができる。また、従来は、MIMOブロック番号の識別精度を向上させるために、受信装置2において精度の高いブロック同期を行う必要があったが、このようなブロック同期は不要となる。
つまり、MIMO SC-FDE方式において、受信側にて精度の高いブロック同期を行うことなく、かつ送信側にてMIMOブロック番号のシンボルを長めに配置することなく、MIMOブロック番号の識別精度を向上させることが可能となる。
〔受信装置2〕
次に、図1に示した受信装置2について詳細に説明する。本発明の第1の実施形態(実施例1)による受信装置2は、遅延検波によりMIMOブロック番号を検出し、検出したMIMOブロック番号と復調したMIMOブロック番号とを比較する。そして、受信装置2は、両MIMOブロック番号が一致している場合、検出したMIMOブロック番号を基準としてMIMO検出を行い、一致していない場合、検出したMIMOブロック番号以外のMIMOブロック番号(本例の場合、復調したMIMOブロック番号)を基準としてMIMO検出を行う。
また、本発明の第2の実施形態(実施例2)による受信装置2は、MIMOブロック番号を設定し、設定したMIMOブロック番号と復調したMIMOブロック番号とを比較する。そして、受信装置2は、両MIMOブロック番号が一致している場合、設定したMIMOブロック番号を基準としてMIMO検出を行い、一致していない場合、設定したMIMOブロック番号以外のMIMOブロック番号(本例の場合、復調したMIMOブロック番号)を基準としてMIMO検出を行う。
〔実施例1〕
まず、実施例1の受信装置2について説明する。前述のとおり、実施例1の受信装置2は、遅延検波によりMIMOブロック番号を検出し、検出したMIMOブロック番号と復調したMIMOブロック番号とを比較し、一致している場合は検出したMIMOブロック番号を基準とし、一致していない場合は復調したMIMOブロック番号を基準としてMIMO検出を行う。
図8は、本発明の実施例1による受信装置2の概略構成を示すブロック図である。この受信装置2は、送信装置1から2本の送信アンテナ3-1,3-2を介して送信された変調波を、2本の受信アンテナ4-1,4-2を介して受信し、MIMO検出を行うシングルキャリア方式の装置である。
受信装置2は、受信アンテナ4-1,4-2、受信処理部40-1,40-2、MIMOブロック番号検出部41-1,41-2、MIMOブロック番号比較部42-1,42-2、雑音電力検出部43-1,43-2、MIMOチャネル推定部44-1,44-2、フーリエ変換部45-1,45-2、周波数領域MIMOチャネル等化部46、逆フーリエ変換部47-1,47-2、シンボル判定/尤度計算部48-1,48-2、TMCC復号部49-1,49-2、等化後MIMOブロック番号判定部50、内デインタリーブ部51-1,51-2及び復号部52を備えている。尚、本例の受信系統数は2であるが、本発明の受信系統数は単数または複数の場合に適用がある。
受信処理部40-1は、送信装置1から送信された送信信号x1,x2の多重信号の変調波を、受信アンテナ4-1を介して受信し、受信信号y1として入力する。そして、受信処理部40-1は、後述する受信処理を行い、受信処理後の信号(同期処理後の信号)をMIMOブロック番号検出部41-1に出力する。
受信処理部40-2は、送信装置1から送信された送信信号x1,x2の多重信号の変調波を、受信アンテナ4-2を介して受信し、受信信号y2として入力し、受信処理部40-1と同様の処理を行う。そして、受信処理部40-2は、受信処理後の信号をMIMOブロック番号検出部41-2に出力する。
図9は、受信処理部40-1の概略構成を示すブロック図である。この受信処理部40-1は、受信高周波部60、AD(アナログ/デジタル)変換部61、デジタル直交復調部62、帯域制限フィルタ部63及びブロック同期部64を備えている。受信処理部40-2についても同様である。
受信高周波部60は、受信信号y1を入力し、受信信号y1である無線周波数の信号を、図示しない低位相雑音増幅器を用いて所望の電力へ増幅し、無線周波数を中間周波数に変換する。そして、受信高周波部60は、中間周波数信号をAD変換部61に出力する。
AD変換部61は、受信高周波部60から中間周波数信号を入力し、中間周波数信号であるアナログ信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号をデジタル直交復調部62に出力する。
デジタル直交復調部62は、AD変換部61からデジタル信号を入力し、デジタル信号に対して、自動周波数制御を行い、周波数ずれを補正しながら直交復調し、複素ベースバンド信号を生成する。そして、デジタル直交復調部62は、複素ベースバンド信号を帯域制限フィルタ部63に出力する。
帯域制限フィルタ部63は、デジタル直交復調部62から複素ベースバンド信号を入力し、複素ベースバンド信号に対して、フィルタ処理による帯域制限を行い、帯域制限後の複素ベースバンド信号をブロック同期部64に出力する。帯域制限フィルタ部63としては、一般的にルートロールオフフィルタが用いられる。
ブロック同期部64は、帯域制限フィルタ部63から帯域制限後の複素ベースバンド信号を入力し、帯域制限後の複素ベースバンド信号に対して、UWの部分のIQ信号を基準としてブロックの先頭を特定するための同期位置を検出する。そして、ブロック同期部64は、同期処理後の信号(ブロック毎の信号)をMIMOブロック番号検出部41-1に出力する。
図8に戻って、MIMOブロック番号検出部41-1は、受信処理部40-1から同期処理後の信号を入力し、受信処理部40-1のブロック同期部64により検出された同期位置を基準にして、同期処理後の信号からTMCCを抽出する。そして、MIMOブロック番号検出部41-1は、TMCCを遅延検波により差動復調し、MIMOブロック番号を検出する。
MIMOブロック番号検出部41-1は、検出したMIMOブロック番号を検出MIMOブロック番号KBとしてMIMOブロック番号比較部42-1及びMIMOチャネル推定部44-1に出力する。MIMOブロック番号検出部41-1は、入力した同期処理後の信号を雑音電力検出部43-1、MIMOチャネル推定部44-1及びフーリエ変換部45-1に出力する。
MIMOブロック番号検出部41-2は、受信処理部40-2から同期処理後の信号を入力し、MIMOブロック番号検出部41-1と同様の処理を行う。そして、MIMOブロック番号検出部41-2は、検出MIMOブロック番号KBをMIMOブロック番号比較部42-2及びMIMOチャネル推定部44-2に出力する。MIMOブロック番号検出部41-2は、入力した同期処理後の信号を雑音電力検出部43-2、MIMOチャネル推定部44-2及びフーリエ変換部45-2に出力する。
MIMOブロック番号比較部42-1は、MIMOブロック番号検出部41-1から検出MIMOブロック番号KBを入力する。また、MIMOブロック番号比較部42-1は、等化後MIMOブロック番号判定部50から、MIMOブロック番号検出部41-1から入力した検出MIMOブロック番号KBに対応する復調MIMOブロック番号FBを入力する。
検出MIMOブロック番号KBに対応する復調MIMOブロック番号FBとは、周波数領域MIMOチャネル等化部46~TMCC復号部49-1により、当該検出MIMOブロック番号KBが等化され復号された番号をいう。つまり、復調MIMOブロック番号FBは、等化後のシンボルから復調されたMIMOブロック番号である。後述するように、復調MIMOブロック番号FBは、等化後の送信信号x1から復調されたMIMOブロック番号と、等化後の送信信号x2から復調されたMIMOブロック番号とが一致する場合に、等化後MIMOブロック番号判定部50から出力される。
MIMOブロック番号比較部42-1は、検出MIMOブロック番号KBと復調MIMOブロック番号FBとを比較し、一致していると判定した場合、一致を示す比較結果及び復調MIMOブロック番号FBをMIMOチャネル推定部44-1に出力する。
一方、MIMOブロック番号比較部42-1は、不一致であると判定した場合、不一致を示す比較結果及び復調MIMOブロック番号FBをMIMOチャネル推定部44-1に出力する。これにより、MIMOチャネル推定部44-1において、MIMOチャネルHは、検出MIMOブロック番号KBの代わりに、復調MIMOブロック番号FBを基準として推定される。
MIMOブロック番号比較部42-2は、MIMOブロック番号検出部41-2から検出MIMOブロック番号KBを入力すると共に、等化後MIMOブロック番号判定部50から検出MIMOブロック番号KBに対応する復調MIMOブロック番号FBを入力し、MIMOブロック番号比較部42-1と同様の処理を行う。そして、MIMOブロック番号比較部42-2は、比較結果及び復調MIMOブロック番号FBをMIMOチャネル推定部44-2に出力する。
雑音電力検出部43-1は、MIMOブロック番号検出部41-1から同期処理後の信号を入力し、既知の処理にて同期処理後の信号である受信信号の雑音電力n1を測定する。そして、雑音電力検出部43-1は、雑音電力n1を周波数領域MIMOチャネル等化部46に出力する。
雑音電力検出部43-2は、MIMOブロック番号検出部41-2から同期処理後の信号を入力し、雑音電力検出部43-1と同様の処理を行い、雑音電力n2を周波数領域MIMOチャネル等化部46に出力する。
MIMOチャネル推定部44-1は、MIMOブロック番号検出部41-1から同期処理後の信号であるブロックの信号及び検出MIMOブロック番号を入力する。また、MIMOチャネル推定部44-1は、MIMOブロック番号比較部42-1から比較結果及び復調MIMOブロック番号FBを入力する。
MIMOチャネル推定部44-1は、入力したブロックの信号のうち、入力した検出MIMOブロック番号KBに対応する(検出MIMOブロック番号KBのブロックに存在する)2箇所のパイロット信号を抽出する。また、MIMOチャネル推定部44-1は、1つ前に入力したブロックの信号から、2箇所の受信パイロット信号を抽出する。
MIMOチャネル推定部44-1は、抽出した4箇所のパイロット信号に対してフーリエ変換を行う。そして、MIMOチャネル推定部44-1は、検出MIMOブロック番号KBを基準として、4箇所のパイロット信号のそれぞれがMIMO奇数ブロックの信号であるか、またはMIMO偶数ブロックの信号であるかを判断し、前記式(1)のMIMOチャネルHのうちチャネル応答h11,h12を推定する。
MIMOチャネル推定部44-2は、MIMOブロック番号検出部41-2からブロックの信号及び検出MIMOブロック番号KBを入力すると共に、MIMOブロック番号比較部42-2から比較結果及び復調MIMOブロック番号FBを入力する。そして、MIMOチャネル推定部44-2は、MIMOチャネル推定部44-1と同様の処理を行い、前記式(1)のMIMOチャネルHのうちチャネル応答h21,h22を推定する。
図10は、ヌル構造のMIMOブロックの構成におけるチャネル推定の概要を説明する図である。受信信号y1は、受信アンテナ4-1の受信系統の信号であり、受信信号y2は、受信アンテナ4-2の受信系統の信号である。
MIMOチャネル推定部44-1は、受信信号y1から、FFTウィンドウオフセット分シフトした位置を基準にして、MIMOブロック番号に対応する2箇所の受信パイロット信号h11UWt,h11UWt、及び1つ手前のMIMOブロック番号に対応する2箇所の受信パイロット信号h12UWt,h12UWtを抽出する。UWtは、時間領域のパイロット信号であることを示す。
そして、MIMOチャネル推定部44-1は、抽出した受信パイロット信号h11UWt,h11UWtをフーリエ変換し、その結果を、パイロット信号UWtのフーリエ変換結果UWfで除算することで、チャネル応答h11を推定する。また、MIMOチャネル推定部44-1は、抽出した受信パイロット信号h12UWt,h12UWtをフーリエ変換し、その結果をパイロット信号UWtのフーリエ変換結果UWfで除算することで、チャネル応答h12を推定する。
MIMOチャネル推定部44-2は、MIMOチャネル推定部44-1と同様の処理を行い、抽出した受信パイロット信号h21UWt,h21UWtをフーリエ変換し、その結果をパイロット信号UWtのフーリエ変換結果UWfで除算することで、チャネル応答h21を推定する。また、MIMOチャネル推定部44-2は、抽出した受信パイロット信号h22UWt,h22UWtをフーリエ変換し、その結果をパイロット信号UWtのフーリエ変換結果UWfで除算することで、チャネル応答h22を推定する。
尚、受信信号y1において、左側のMIMOブロック番号に対応する受信パイロット信号と右側(その手前)のMIMOブロック番号に対応する受信パイロット信号との間のCP,TMCC,データの信号は、チャネル応答h11にCP1,TMCC1,データ1を乗算した結果と、チャネル応答h12にCP2,TMCC2,データ2を乗算した結果とを加算した信号である。CP1,TMCC1,データ1は、送信信号x1に含まれる信号であり、CP2,TMCC2,データ2は、送信信号x2に含まれる信号である。後述する図11においても同様である。
また、受信信号y2において、左側のMIMOブロック番号に対応する受信パイロット信号と右側(その手前の)MIMOブロック番号に対応する受信パイロット信号との間のCP,TMCC,データの信号は、チャネル応答h21にCP1,TMCC1,データ1を乗算した結果と、チャネル応答h22にCP2,TMCC2,データ2を乗算した結果とを加算した信号である。後述する図11においても同様である。
図11は、WH構造のMIMOブロックの構成におけるチャネル推定の概要を説明する図である。受信信号y1は、受信アンテナ4-1の受信系統の信号であり、受信信号y2は、受信アンテナ4-2の受信系統の信号である。
MIMOチャネル推定部44-1は、受信信号y1から、FFTウィンドウオフセット分シフトした位置を基準にして、MIMOブロック番号に対応する2箇所の受信パイロット信号h11UWt+h12UWt,h11UWt+h12UWt、及び1つ手前のMIMOブロック番号に対応する2箇所の受信パイロット信号h11UWt-h12UWt,h11UWt-h12UWtを抽出する。
そして、MIMOチャネル推定部44-1は、抽出した受信パイロット信号h11UWt+h12UWt,h11UWt+h12UWtをフーリエ変換すると共に、受信パイロット信号h11UWt-h12UWt,h11UWt-h12UWtをフーリエ変換する。MIMOチャネル推定部44-1は、前者の結果と後者の結果を加算し、その結果を、パイロット信号UWtのフーリエ変換結果UWfを2倍した値で除算することで、チャネル応答h11を推定する。また、MIMOチャネル推定部44-1は、フーリエ変換の前者の結果から後者の結果を減算し、その結果を、パイロット信号UWtのフーリエ変換結果UWfを2倍した値で除算することで、チャネル応答h12を推定する。
MIMOチャネル推定部44-2は、MIMOチャネル推定部44-1と同様の処理を行い、抽出した受信パイロット信号h21UWt+h22UWt,h21UWt+h22UWtをフーリエ変換すると共に、受信パイロット信号h21UWt-h22UWt,h21UWt-h22UWtをフーリエ変換する。MIMOチャネル推定部44-2は、前者の結果と後者の結果を加算し、その結果を、パイロット信号UWtのフーリエ変換結果UWfを2倍した値で除算することで、チャネル応答h21を推定する。また、MIMOチャネル推定部44-2は、フーリエ変換の前者の結果から後者の結果を減算し、その結果を、パイロット信号UWtのフーリエ変換結果UWfを2倍した値で除算することで、チャネル応答h22を推定する。
尚、MIMOチャネル推定部44-1,44-2は、フーリエ変換を行った後に、加算処理及び減算処理を行うようにしたが、加算処理及び減算処理を行った後に、フーリエ変換を行うようにしてもよい。
図8に戻って、MIMOチャネル推定部44-1は、チャネル応答h11,h12を推定した後、MIMOブロック番号比較部42-1から入力した比較結果が一致を示している場合(または初期処理のため比較結果を入力していない場合)、MIMOブロック番号検出部41-1から入力した検出MIMOブロック番号KBは正しいと判断する。そして、MIMOチャネル推定部44-1は、推定したチャネル応答h11,h12に対し、周波数領域等化を行うシンボル数と一致するように、アップサンプリングを行う。MIMOチャネル推定部44-1は、アップサンプリング後のチャネル応答h11,h12を周波数領域MIMOチャネル等化部46に出力する。
一方、MIMOチャネル推定部44-1は、比較結果が不一致を示している場合、MIMOブロック番号検出部41-1から入力した検出MIMOブロック番号KBは正しくないと判断する。
MIMOチャネル推定部44-1は、パイロット信号がUW及びヌルデータからなるヌル構造のMIMOブロックの場合(図6及び図10の場合)、推定したチャネル応答h11,h12に対して、その値である要素を入れ替えることで、新たなチャネル応答h11,h12を求める。
また、MIMOチャネル推定部44-1は、パイロット信号がUW及び-UWからなるWH構造のMIMOブロックの場合(図7及び図11の場合)、推定したチャネル応答h12の要素に対しマイナスを乗算し、正負の符号を反転させる。この場合、MIMOチャネル推定部44-1は、UWtにマイナスを乗算し、マイナスを乗算したUWtを用いてチャネル応答h12を改めて推定するようにしてもよい。これにより、正常なチャネル応答h11,h12が得られる。そして、MIMOチャネル推定部44-1は、チャネル応答h11,h12に対しアップサンプリングを行い、アップサンプリング後のチャネル応答h11,h12を周波数領域MIMOチャネル等化部46に出力する。
MIMOチャネル推定部44-2は、MIMOブロック番号比較部42-2から入力した比較結果が一致を示している場合(または初期処理のため比較結果を入力していない場合)、MIMOブロック番号検出部41-2から入力した検出MIMOブロック番号KBは正しいと判断する。そして、MIMOチャネル推定部44-2は、推定したチャネル応答h21,h22に対しアップサンプリングを行い、アップサンプリング後のチャネル応答h21,h22を周波数領域MIMOチャネル等化部46に出力する。
一方、MIMOチャネル推定部44-2は、比較結果が不一致を示している場合、MIMOブロック番号検出部41-2から入力した検出MIMOブロック番号KBは正しくないと判断する。
MIMOチャネル推定部44-2は、パイロット信号がUW及びヌルデータからなるヌル構造のMIMOブロックの場合(図6及び図10の場合)、推定したチャネル応答h21,h22に対して、その値である要素を入れ替えることで、新たなチャネル応答h21,h22を求める。
また、MIMOチャネル推定部44-2は、パイロット信号がUW及び-UWからなるWH構造のMIMOブロックの場合(図7及び図11の場合)、推定したチャネル応答h22の要素に対しマイナスを乗算し、正負の符号を反転させる。この場合、MIMOチャネル推定部44-2は、UWtにマイナスを乗算し、マイナスを乗算したUWtを用いてチャネル応答h22を新たに推定するようにしてもよい。これにより、正常なチャネル応答h21,h22が得られる。そして、MIMOチャネル推定部44-2は、チャネル応答h21,h22に対しアップサンプリングを行い、アップサンプリング後のチャネル応答h21,h22を周波数領域MIMOチャネル等化部46に出力する。
尚、MIMOチャネル推定部44-1,44-2は、前述のとおり、比較結果が不一致を示している場合、推定済みのチャネル応答h11,h12,h21,h22を修正するようにした。これに対し、MIMOチャネル推定部44-1,44-2は、検出MIMOブロック番号KBの代わりに、MIMOブロック番号比較部42-1,42-2から比較結果と共に入力した復調MIMOブロック番号FBを基準として、4箇所のパイロット信号のそれぞれがMIMO奇数ブロックの信号であるか、またはMIMO偶数ブロックの信号であるかを判断し、チャネル応答h11,h12,h21,h22を推定するようにしてもよい。
図8に戻って、フーリエ変換部45-1は、MIMOブロック番号検出部41-1から同期処理後の信号を入力し、同期処理後の信号からTMCC及びデータを抽出する。そして、フーリエ変換部45-1は、TMCC及びデータをフーリエ変換して周波数領域の信号r1(f)を生成し、周波数領域の信号r1(f)を周波数領域MIMOチャネル等化部46に出力する。
フーリエ変換部45-2は、MIMOブロック番号検出部41-2から同期処理後の信号を入力し、フーリエ変換部45-1と同様の処理を行い、周波数領域の信号r2(f)を周波数領域MIMOチャネル等化部46に出力する。
周波数領域MIMOチャネル等化部46は、雑音電力検出部43-1から雑音電力n1を入力すると共に、MIMOチャネル推定部44-1からチャネル応答h11,h12を入力し、さらにフーリエ変換部45-1から周波数領域の信号r1(f)を入力する。また、周波数領域MIMOチャネル等化部46は、雑音電力検出部43-2から雑音電力n2を入力すると共に、MIMOチャネル推定部44-2からチャネル応答h21,h22を入力し、さらにフーリエ変換部45-2から周波数領域の信号r2(f)を入力する。
周波数領域MIMOチャネル等化部46は、雑音電力n1,n2、チャネル応答h11,h12,h21,h22及び周波数領域の信号r1(f),r2(f)に基づいて、周波数領域の信号r1(f),r2(f)に混ざり合った送信信号x1,x2を、ゼロフォーシング(ZF)基準または最小平均二乗誤差(MMSE)基準等を用いて等化(分離)する。
例えばゼロフォーシング基準を用いる場合、周波数領域MIMOチャネル等化部46は、MIMOチャネルH(チャネル応答h
11,h
12,h
21,h
22)及び周波数領域の信号r(f)(r
1(f),r
2(f))に基づいて、以下の式にてMIMOチャネル等化を行い、等化後の周波数領域の信号x^(f)(x
1(f),x
2(f))を求める。
また、最小平均二乗誤差基準を用いる場合、周波数領域MIMOチャネル等化部46は、雑音電力σ
2、MIMOチャネルH(チャネル応答h
11,h
12,h
21,h
22)及び周波数領域の信号r(f)(r
1(f),r
2(f))に基づいて、以下の式にてMIMOチャネル等化を行い、等化後の周波数領域の信号x^(f)(x
1^(f),x
2^(f))を求める。雑音電力σ
2は、雑音電力n
1,n
2に基づいて算出される。
ここで、周波数領域の信号r(f)は、以下の式にて表される。
また、等化後の周波数領域の信号x^(f)は、以下の式にて表される。
また、送信系統数をNtとし、受信系統数をNrとし、Nr次単位行列をI
Nrとする。
周波数領域MIMOチャネル等化部46は、等化後の周波数領域の信号x1^(f)を逆フーリエ変換部47-1に出力すると共に、等化後の周波数領域の信号x2^(f)を逆フーリエ変換部47-2に出力する。等化後の周波数領域の信号x1^(f),x2^(f)は、TMCC及びデータからなる。
逆フーリエ変換部47-1は、周波数領域MIMOチャネル等化部46から等化後の周波数領域の信号x1^(f)を入力し、等化後の周波数領域の信号x1^(f)を逆フーリエ変換して時間領域の信号を生成し、時間領域の信号をシンボル判定/尤度計算部48-1に出力する。
逆フーリエ変換部47-2は、周波数領域MIMOチャネル等化部46から等化後の周波数領域の信号x2^(f)を入力し、逆フーリエ変換部47-1と同様の処理を行い、時間領域の信号をシンボル判定/尤度計算部48-2に出力する。
シンボル判定/尤度計算部48-1は、逆フーリエ変換部47-1から時間領域の信号を入力し、時間領域の信号からTMCC及びデータを抽出する。そして、シンボル判定/尤度計算部48-1は、TMCC及びデータのシンボル判定を行う。または、シンボル判定/尤度計算部48-1は、TMCC及びデータに対してデマッピング及び尤度計算を行い、TMCCを構成する情報ビット系列に対応したメトリック及びデータシンボルを構成する情報ビット系列(誤り訂正符号化が施されているデータ)に対応したメトリック系列を生成する。メトリック系列としては、硬判定後の情報ビット系列、尤度、量子化された尤度等が用いられる。シンボル判定/尤度計算部48-1は、シンボル判定結果またはメトリック系列をTMCC復号部49-1に出力する。
シンボル判定/尤度計算部48-2は、逆フーリエ変換部47-2から時間領域の信号を入力し、シンボル判定/尤度計算部48-1と同様の処理を行い、シンボル判定結果またはメトリック系列をTMCC復号部49-2に出力する。
TMCC復号部49-1は、シンボル判定/尤度計算部48-1からシンボル判定結果またはメトリック系列を入力する。そして、TMCC復号部49-1は、シンボル判定結果またはメトリック系列からTMCCに記載された情報ビット系列を抽出し、情報ビット系列を復号してMIMOブロック番号を得る。
このTMCCは、周波数領域にて等化され抽出された情報であり、MIMOブロック番号は、TMCCから復号されたデータである。これにより、TMCCは、時間領域で等化された場合に比べ、より正しい位置から抽出されることとなる。したがって、精度の高いMIMOブロック番号を得ることができる。
TMCC復号部49-1は、MIMOブロック番号を等化後MIMOブロック番号判定部50に出力する。また、TMCC復号部49-1は、シンボル判定結果またはメトリック系列からTMCCの部分を削除し、データに対応するシンボル判定結果またはメトリック系列を内デインタリーブ部51-1に出力する。
TMCC復号部49-2は、シンボル判定/尤度計算部48-2からシンボル判定結果またはメトリック系列を入力し、TMCC復号部49-1と同様の処理を行う。そして、TMCC復号部49-2は、MIMOブロック番号を等化後MIMOブロック番号判定部50に出力し、データに対応するシンボル判定結果またはメトリック系列を内デインタリーブ部51-2に出力する。
等化後MIMOブロック番号判定部50は、TMCC復号部49-1,49-2からMIMOブロック番号をそれぞれ入力し、両MIMOブロック番号を比較する。
等化後MIMOブロック番号判定部50は、両MIMOブロック番号が一致していると判定した場合、一致したMIMOブロック番号を復調MIMOブロック番号FBとしてMIMOブロック番号比較部42-1,42-2に出力する。これにより、MIMOブロック番号比較部42-1,42-2にて、検出MIMOブロック番号KBと復調MIMOブロック番号FBとが比較され、MIMOチャネル推定部44-1,44-2にて、比較結果に応じてMIMOチャネルHが推定される。
一方、等化後MIMOブロック番号判定部50は、両MIMOブロック番号が不一致であると判定した場合、復調MIMOブロック番号FBを出力しない。
内デインタリーブ部51-1は、TMCC復号部49-1からデータに対応するシンボル判定結果またはメトリック系列を入力し、図2に示した送信装置1の内インタリーブ部12-1の逆処理、すなわち内デインタリーブ処理を行う。そして、内デインタリーブ部51-1は、内デインタリーブ処理後のシンボル判定結果またはメトリック系列を復号部52に出力する。
内デインタリーブ部51-2は、TMCC復号部49-2からデータに対応するシンボル判定結果またはメトリック系列を入力し、内デインタリーブ部51-1と同様の処理を行う。そして、内デインタリーブ部51-2は、内デインタリーブ処理後のシンボル判定結果またはメトリック系列を復号部52に出力する。
復号部52は、内デインタリーブ部51-1,51-2から内デインタリーブ処理後のシンボル判定結果またはメトリック系列をそれぞれ入力する。そして、復号部52は、内デインタリーブ処理後のシンボル判定結果またはメトリック系列に対し、図2に示した送信装置1の系統間振分け部11に対応する処理を行い1つの系列に戻す。復号部52は、送信装置1の送信前処理部10に対応したデインタリーブ処理、誤り訂正復号処理及びエネルギー逆拡散処理等を行うことで、シンボル判定結果またはメトリック系列を復号し、元のデータに復元して出力する。
次に、図8に示したMIMOブロック番号検出部41-1、MIMOブロック番号比較部42-1及びMIMOチャネル推定部44-1の処理について説明する。図12は、実施例1の受信装置2におけるMIMOブロック番号の比較等を行う構成及び信号を説明する図であり、図13は、その処理例を示すフローチャートである。尚、図12及び図13は、受信アンテナ4-1の受信系統の構成等を示している。受信アンテナ4-2の受信系統の構成等については、受信アンテナ4-1の受信系統と同様であるから、その説明を省略する。
MIMOブロック番号検出部41-1は、受信処理部40-1から入力した同期処理後の信号からTMCCを抽出し、TMCCを遅延検波により差動復調し、MIMOブロック番号を検出する(ステップS1301)。
MIMOブロック番号検出部41-1は、検出したMIMOブロック番号を検出MIMOブロック番号KBとし、検出MIMOブロック番号KBをMIMOブロック番号比較部42-1に出力する。また、MIMOブロック番号検出部41-1は、同期処理後の信号及び検出MIMOブロック番号KBをMIMOチャネル推定部44-1に出力する。
MIMOチャネル推定部44-1は、MIMOブロック番号検出部41-1から同期処理後の信号及び検出MIMOブロック番号KBを入力すると共に、MIMOブロック番号比較部42-1から比較結果及び復調MIMOブロック番号FBを入力する。
MIMOチャネル推定部44-1は、検出MIMOブロック番号KB=0,1に対応する受信パイロット信号に基づいて、チャネル応答h11,h12を推定する(ステップS1302)。
MIMOチャネル推定部44-1は、比較結果が一致を示しているか、または不一致を示しているかを判定する(ステップS1303)。そして、MIMOチャネル推定部44-1は、ステップS1303において、比較結果が一致を示していると判定した場合(ステップS1303:一致)、ステップS1305へ移行する。
一方、MIMOチャネル推定部44-1は、ステップS1303において、比較結果が不一致を示していると判定した場合(ステップS1303:不一致)、ステップS1302にて推定したチャネル応答h11,h12を修正する(ステップS1304)。
MIMOチャネル推定部44-1は、例えば、推定したチャネル応答h11,h12に対して要素を入れ替えたり、またはチャネル応答h12の正負の符号を反転させたりすることで、新たなチャネル応答h11,h12を求める。
周波数領域MIMOチャネル等化部46、逆フーリエ変換部47-1及びシンボル判定/尤度計算部48-1は、ステップS1303(一致)またはステップS1304から移行して、等化処理等を行う(ステップS1305)。そして、TMCC復号部49-1は、シンボル判定/尤度計算部48-1から入力したシンボル判定結果またはメトリック系列からTMCCに記載された情報ビット系列を抽出し、情報ビット系列を復号してMIMOブロック番号を得る(ステップS1306)。
等化後MIMOブロック番号判定部50は、TMCC復号部49-1により復号されたMIMOブロック番号と、TMCC復号部49-2により復号されたMIMOブロック番号とが一致した場合、当該MIMOブロック番号を復調MIMOブロック番号FBとしてMIMOブロック番号比較部42-1に出力する。
MIMOブロック番号比較部42-1は、MIMOブロック番号検出部41-1により検出された検出MIMOブロック番号KBと、等化後MIMOブロック番号判定部50により出力された復調MIMOブロック番号FBとを比較する(ステップS1307)。
MIMOブロック番号比較部42-1は、検出MIMOブロック番号KBと復調MIMOブロック番号FBとが一致する場合(ステップS1307:Y)、一致を示す比較結果を生成する(ステップS1308)。そして、MIMOブロック番号比較部42-1は、一致を示す比較結果及び復調MIMOブロック番号FBをMIMOチャネル推定部44-1に出力する。
一方、MIMOブロック番号比較部42-1は、検出MIMOブロック番号KBと復調MIMOブロック番号FBとが不一致である場合(ステップS1307:N)、不一致を示す比較結果を生成する(ステップS1309)。そして、MIMOブロック番号比較部42-1は、不一致を示す比較結果及び復調MIMOブロック番号FBをMIMOチャネル推定部44-1に出力する。
受信装置2は、ステップS1308またはステップS1309から移行して、処理が終了するまでの間(ステップS1310)、ステップS1301~ステップS1309の処理を繰り返す。
以上のように、実施例1の受信装置2によれば、MIMOブロック番号検出部41-1,41-2は、受信信号y1,y2の同期処理後の信号からTMCCを抽出し、TMCCを遅延検波により差動復調し、MIMOブロック番号(検出MIMOブロック番号KB)をそれぞれ検出する。
等化後MIMOブロック番号判定部50は、受信信号y1の系統における等化後の信号から復号したMIMOブロック番号と、受信信号y2の系統における等化後の信号から復号したMIMOブロック番号とを比較し、一致している場合のMIMOブロック番号を復調MIMOブロック番号FBとする。
MIMOブロック番号比較部42-1,42-2は、検出MIMOブロック番号KBと復調MIMOブロック番号FBとを比較し、一致または不一致を示す比較結果を生成する。
MIMOチャネル推定部44-1,44-2は、検出MIMOブロック番号KB=0,1に対応する受信パイロット信号に基づいて、チャネル応答h11,h12,h21,h22を推定する。そして、MIMOチャネル推定部44-1,44-2は、MIMOブロック番号比較部42-1,42-2により生成された比較結果が一致を示している場合、推定したチャネル応答h11,h12,h21,h22を出力する。一方、MIMOチャネル推定部44-1,42-2は、比較結果が不一致を示している場合、推定したチャネル応答h11,h12,h21,h22を修正し、修正後のチャネル応答h11,h12,h21,h22を出力する。
これにより、MIMOブロック番号は受信信号y1,y2を等化することなく検出され、遅延検波により検出されたMIMOブロック番号(検出MIMOブロック番号KB)と等化後のMIMOブロック番号(復調MIMOブロック番号FB)とが比較され、正確なMIMOブロック番号が特定されるから、MIMOブロック番号の識別精度を向上させることができる。
また、従来は、MIMOブロック番号の識別精度を向上させるために、MIMOブロック番号のシンボルは長めに配置されている必要があった。受信装置2では、MIMOブロック番号のシンボルは長めに配置されている必要はなく、シンボル数は最小限で済むため、従来よりも伝送レートを高くすることができる。また、従来は、MIMOブロック番号の識別精度を向上させるために、受信装置2において精度の高いブロック同期を行う必要があったが、このようなブロック同期は不要となる。
つまり、MIMO SC-FDE方式において、受信側にて精度の高いブロック同期を行うことなく、かつ送信側にてMIMOブロック番号のシンボルを長めに配置することなく、MIMOブロック番号の識別精度を向上させることが可能となる。
〔実施例2〕
次に、実施例2の受信装置2について説明する。前述のとおり、実施例2の受信装置2は、MIMOブロック番号を設定し、設定したMIMOブロック番号と復調したMIMOブロック番号とを比較する。そして、受信装置2は、両MIMOブロック番号が一致している場合、設定したMIMOブロック番号を基準としてMIMO検出を行い、一致していない場合、復調したMIMOブロック番号を基準としてMIMO検出を行う。
これは、ジッタが含まれる受信信号y1,y2に対してブロック同期処理が行われる場合に有効である。受信装置2は、MIMO検出処理の前にMIMOブロック番号の検出は行わない。
実施例2の受信装置2は、図8に示した構成において、MIMOブロック番号検出部41-1,41-2の代わりにMIMOブロック番号設定部71-1,71-2、MIMOブロック番号比較部42-1,42-2の代わりにMIMOブロック番号比較部72-1,72-2、及びMIMOチャネル推定部44-1,44-2の代わりにMIMOチャネル推定部74-1,74-2を備えている。
図14は、実施例2の受信装置2におけるMIMOブロック番号の比較等を行う構成及び信号を説明する図であり、図15は、その処理例を示すフローチャートである。尚、図14及び図15は、受信信号y1の系統の構成等を示している。尚、図14及び図15は、受信アンテナ4-1の受信系統の構成等を示している。受信アンテナ4-2の受信系統の構成等については、受信アンテナ4-1の受信系統と同様であるから、その説明を省略する。
MIMOブロック番号設定部71-1は、受信処理部40-1から同期処理後の信号を入力すると共に、MIMOブロック番号比較部72-1から比較結果を入力する。MIMOブロック番号設定部71-1は、入力した同期処理後の信号である1MIMOブロックの信号に対して、MIMOブロック番号を設定し、これを設定MIMOブロック番号SBとする(ステップS1501)。
具体的には、MIMOブロック番号設定部71-1は、最初の1MIMOブロックの信号に対してMIMOブロック番号0を設定し、次の1MIMOブロックの信号に対してMIMOブロック番号1を設定する。MIMOブロック番号設定部71-1は、以後、1MIMOブロックの信号毎に、MIMOブロック番号0,1を交互に設定する。
MIMOブロック番号設定部71-1は、比較結果が一致を示しているか、または不一致を示しているかを判定する(ステップS1502)。MIMOブロック番号設定部71-1は、ステップS1502において、比較結果が一致を示していると判定した場合(ステップS1502:一致)、ステップS1504へ移行する。
一方、MIMOブロック番号設定部71-1は、比較結果が不一致を示していると判定した場合(ステップS1502:不一致)、ステップS1501にて設定した設定MIMOブロック番号SBを修正し(ステップS1503)、ステップS1504へ移行する。
例えば、MIMOブロック番号設定部71-1は、設定MIMOブロック番号SB=0のとき、設定MIMOブロック番号SB=1に修正し、設定MIMOブロック番号SB=1のとき、設定MIMOブロック番号SB=0に修正する。
MIMOブロック番号設定部71-1は、同期処理後の信号及び設定MIMOブロック番号SBをMIMOチャネル推定部74-1に出力する。また、MIMOブロック番号設定部71-1は、設定MIMOブロック番号SBをMIMOブロック番号比較部72-1に出力する。
MIMOチャネル推定部74-1は、ステップS1502(一致)またはステップS1503から移行して、MIMOブロック番号設定部71-1から同期処理後の信号及び設定MIMOブロック番号SBを入力する。そして、MIMOチャネル推定部74-1は、設定MIMOブロック番号SB=0,1に対応する受信パイロット信号に基づいて、チャネル応答h11,h12を推定する(ステップS1504)。
周波数領域MIMOチャネル等化部46、逆フーリエ変換部47-1及びシンボル判定/尤度計算部48-1は、等化処理等を行う(ステップS1505)。そして、TMCC復号部49-1は、シンボル判定/尤度計算部48-1から入力したシンボル判定結果またはメトリック系列からTMCCに記載された情報ビット系列を抽出し、情報ビット系列を復号し、MIMOブロック番号を得る(ステップS1506)。
等化後MIMOブロック番号判定部50は、TMCC復号部49-1により復号されたブロック番号と、TMCC復号部49-2にて復号されたブロック番号とが一致した場合、当該ブロック番号を復調MIMOブロック番号FBとしてMIMOブロック番号比較部72-1に出力する。
MIMOブロック番号比較部72-1は、MIMOブロック番号設定部71-1により設定された設定MIMOブロック番号SBと、等化後MIMOブロック番号判定部50により出力された復調MIMOブロック番号FBとを比較する(ステップS1507)。
MIMOブロック番号比較部72-1は、設定MIMOブロック番号SBと復調MIMOブロック番号FBとが一致する場合(ステップS1507:Y)、一致を示す比較結果を生成する(ステップS1508)。そして、MIMOブロック番号比較部72-1は、一致を示す比較結果をMIMOブロック番号設定部71-1に出力する。
一方、MIMOブロック番号比較部72-1は、設定MIMOブロック番号SBと復調MIMOブロック番号FBとが不一致である場合(ステップS1507:N)、不一致を示す比較結果を生成する(ステップS1509)。そして、MIMOブロック番号比較部72-1は、不一致を示す比較結果をMIMOブロック番号設定部71-1に出力する。これにより、比較結果が不一致を示している場合、後述するステップS1510を経てステップS1503において、ステップS1501にて設定された設定MIMOブロック番号SBが修正される。
そして、受信装置2は、処理が終了するまでの間(ステップS1510)、ステップS1501~ステップS1509の処理を繰り返す。
以上のように、実施例2の受信装置2によれば、MIMOブロック番号設定部71-1,71-2は、受信信号y1,y2の同期処理後の信号(1MIMOブロックの信号)に対してMIMOブロック番号(設定MIMOブロック番号SB)を設定する。
MIMOブロック番号比較部72-1,72-2は、設定MIMOブロック番号SBと復調MIMOブロック番号FBとを比較し、一致または不一致を示す比較結果を生成する。
MIMOブロック番号設定部71-1は、比較結果が一致を示している場合、設定した設定MIMOブロック番号SBをそのまま出力する。一方、MIMOブロック番号設定部71-1は、比較結果が不一致を示している場合、設定MIMOブロック番号SBを修正し、修正後の設定MIMOブロック番号SBを出力する。
MIMOチャネル推定部74-1,74-2は、MIMOブロック番号設定部71-1,71-2により出力された設定MIMOブロック番号SB=0,1に対応する受信パイロット信号に基づいて、チャネル応答h11,h12,h21,h22を推定し、推定したチャネル応答h11,h12,h21,h22を出力する。
これにより、同期処理後の信号に関係なく、MIMOブロック番号は所定値に設定され、設定されたMIMOブロック番号(設定MIMOブロック番号SB)と等化後のMIMOブロック番号(復調MIMOブロック番号FB)とが比較され、正確なMIMOブロック番号が特定されるから、MIMOブロック番号の識別精度を向上させることができる。
また、従来は、MIMOブロック番号の識別精度を向上させるために、MIMOブロック番号のシンボルは長めに配置されている必要があった。受信装置2では、MIMOブロック番号のシンボルは長めに配置されている必要はなく、シンボル数は最小限で済むため、従来よりも伝送レートを高くすることができる。また、従来は、MIMOブロック番号の識別精度を向上させるために、受信装置2において精度の高いブロック同期を行う必要があったが、このようなブロック同期は不要となる。
つまり、MIMO SC-FDE方式において、受信側にて精度の高いブロック同期を行うことなく、かつ送信側にてMIMOブロック番号のシンボルを長めに配置することなく、MIMOブロック番号の識別精度を向上させることが可能となる。
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、受信装置2は、TMCC復号部49-1により復号されたMIMOブロック番号と、TMCC復号部49-2により復号されたMIMOブロック番号とが不一致である場合、受信信号y1または受信信号y2の同期位置を補正し、補正後の同期位置を基準にして、MIMOブロック番号を検出または設定するようにしてもよい。
具体的には、受信装置2の等化後MIMOブロック番号判定部50は、両MIMOブロック番号が一致であると判定した場合、一致を示す判定結果を、受信処理部40-1のブロック同期部64及び受信処理部40-2のブロック同期部64のいずれかに出力する。一方、等化後MIMOブロック番号判定部50は、両MIMOブロック番号が不一致であると判定した場合、不一致を示す判定結果を、受信処理部40-1のブロック同期部64及び受信処理部40-2のブロック同期部64に出力する。
ブロック同期部64は、等化後MIMOブロック番号判定部50から判定結果を入力し、判定結果が一致を示している場合、帯域制限フィルタ部63から入力した帯域制限後の複素ベースバンド信号に対して同期位置を検出し、これを同期処理後の信号として出力する。
一方、ブロック同期部64は、判定結果が不一致を示している場合、検出した同期位置(補正後は補正後の同期位置)を、予め設定された時間分(所定位置分、例えば1MIMOブロック分)だけ前または後にシフトさせることで補正し、補正後の同期位置を基準とした同期処理後の信号を出力する。この場合、受信処理部40-1のブロック同期部64及び受信処理部40-2のブロック同期部64のうちの一方が、同期位置の補正を行って補正後の同期位置を基準とした同期処理後の信号を出力し、他方が、同期位置の補正を行うことなく、同期処理後の信号を出力する。
これにより、MIMOブロック番号検出部41-1またはMIMOブロック番号設定部71-1により、補正後の同期位置を基準としてMIMOブロック番号が検出または設定される。したがって、同期処理後の信号に対して正しいMIMOブロック番号を検出または設定することができ、結果として、MIMOブロック番号の識別精度を向上させることができる。
また、前記実施形態では、MIMOブロック番号比較部42-1,42-2は、等化後MIMOブロック番号判定部50から復調MIMOブロック番号FBを入力し、検出MIMOブロック番号KBと復調MIMOブロック番号FBとを比較し、比較結果を生成するようにした。
これに対し、MIMOブロック番号比較部42-1,42-2は、TMCC復号部49-1,49-2のいずれか一方から復号されたMIMOブロック番号を復調MIMOブロック番号として入力し、検出MIMOブロック番号KBと復調MIMOブロック番号FBとを比較し、比較結果を生成するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、実施例1において、MIMOブロック番号比較部42-1,42-2により生成された比較結果が不一致を示している場合、MIMOチャネル推定部44-1,44-2は、チャネル応答h11,h12,h21,h22を修正するようにした。また、実施例2において、MIMOブロック番号比較部72-1,72-2により生成された比較結果が不一致を示している場合、MIMOブロック番号設定部71-1,71-2は、設定MIMOブロック番号SBを修正するようにした。
これに対し、実施例1において、MIMOチャネル推定部44-1,44-2が前述の修正処理を行うことなく、MIMOブロック番号検出部41-1,41-2は、MIMOブロックの処理を1MIMOブロック分中断し、処理を再開するようにしてもよい。具体的には、MIMOブロック番号検出部41-1,41-2は、MIMOブロック番号比較部42-1,42-2から比較結果を入力し、比較結果が一致を示していると判定した場合、実施例1の処理を行う。
一方、MIMOブロック番号検出部41-1,41-2は、比較結果が不一致を示していると判定した場合、そのときの検出MIMOブロック番号KB及び同期処理後の信号を出力することなく破棄する。そして、MIMOブロック番号検出部41-1,41-2は、次のMIMOブロックの処理を再開し、検出MIMOブロック番号KB及び同期処理後の信号を出力する。
この場合、MIMOチャネル推定部44-1,44-2は、処理の開始等の初期処理において、実施例1のとおり、MIMOブロック番号検出部41-1,41-2から入力した検出MIMOブロック番号KBを基準としてチャネル応答h11,h12,h21,h22を推定する。
そして、MIMOチャネル推定部44-1,44-2は、初期処理の後の処理において、MIMOブロック番号検出部41-1,41-2から入力した検出MIMOブロック番号KBを用いることなく、MIMOブロック番号検出部41-1,41-2から同期処理後の信号を入力する毎に、初期処理の最後に入力した検出MIMOブロック番号KBに続いて、基準となるMIMOブロック番号=0,1を順番に決定し、これを基準としてチャネル応答h11,h12,h21,h22を推定する。
ここで、初期処理の後の状態において、MIMOブロック番号検出部41-1,41-2にて比較結果が不一致を示していることを判定した場合、MIMOチャネル推定部44-1,44-2は、MIMOブロック番号検出部41-1,41-2からそのときの同期処理後の信号(及び検出MIMOブロック番号KB)を入力することはなく、次の同期処理後の信号(及び検出MIMOブロック番号KB)を入力する。このとき、MIMOチャネル推定部44-1,44-2は、比較結果が不一致のときの同期処理後の信号を入力しないから、基準となるMIMOブロック番号を新たに決定することなく維持し、次の同期処理後の信号を入力することで、基準となるMIMOブロック番号を新たに決定する。これにより、正しいMIMOブロック番号が決定される。
このように、MIMOブロック番号検出部41-1,41-2は、MIMOチャネル推定部44-1,44-2にて正常なMIMOブロック番号を基準としたチャネル応答h11,h12,h21,h22が推定されるように、MIMOブロックの処理を1MIMOブロック分中断する。
同様に、実施例2において、MIMOブロック番号設定部71-1,71-2は、前述の修正処理を行うことなく、MIMOブロックの処理を1MIMOブロック分中断し、処理を再開するようにしてもよい。具体的には、MIMOブロック番号設定部71-1,71-2は、MIMOブロック番号比較部42-1,42-2から入力した比較結果が一致を示していると判定した場合、実施例2の処理を行う。
一方、MIMOブロック番号設定部71-1,71-1は、比較結果が不一致を示していると判定した場合、そのときの設定MIMOブロック番号SB及び同期処理後の信号を出力することなく破棄する。そして、MIMOブロック番号設定部71-1,71-2は、次のMIMOブロックの処理を再開し、設定MIMOブロック番号SB及び同期処理後の信号を出力する。
この場合、MIMOチャネル推定部74-1,74-2は、前述のMIMOチャネル推定部44-1,44-2の初期処理及び初期処理の後の処理と同様の処理を行い、基準となるMIMOブロック番号を決定し、これを基準としてチャネル応答h11,h12,h21,h22を推定する。
ここで、初期処理の後の状態において、MIMOブロック番号設定部71-1,71-2にて比較結果が不一致を示していることを判定した場合、MIMOチャネル推定部74-1,74-2は、MIMOブロック番号設定部71-1,71-2からそのときの同期処理後の信号(及び設定MIMOブロック番号SB)を入力することはなく、次の同期処理後の信号(及び設定MIMOブロック番号SB)を入力する。このとき、MIMOチャネル推定部74-1,74-2は、比較結果が不一致のときの同期処理後の信号を入力しないから、基準となるMIMOブロック番号を新たに決定することなく維持し、次の同期処理後の信号を入力することで、基準となるMIMOブロック番号を新たに決定する。これにより、正しいMIMOブロック番号が決定される。
このように、MIMOブロック番号設定部71-1,71-2は、MIMOチャネル推定部74-1,74-2にて正常なMIMOブロック番号を基準としたチャネル応答h11,h12,h21,h22が推定されるように、MIMOブロックの処理を1MIMOブロック分中断する。
また、図1、図2及び図8に示した本発明の実施形態は、送信アンテナ3-1,3-2の本数である送信系統数が2、受信アンテナ4-1,4-2の本数である受信系統数が2である2×2MIMO SC-FDE方式を用いた例である。本発明は、2×2MIMO SC-FDE方式に適用があるだけでなく、その他のSC-MIMO方式にも適用がある。要するに、本発明は、複数の送信アンテナ及び単数または複数の受信アンテナに対応したMIMO SC-FDE方式に適用がある。