JP2023006463A - シングルキャリアmimo送信装置及びシングルキャリアmimo受信装置 - Google Patents

シングルキャリアmimo送信装置及びシングルキャリアmimo受信装置 Download PDF

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Yoshifumi Matsusaki
史弥 山岸
Fumiya Yamagishi
智拓 島▲崎▼
Tomohiro Shimazaki
政明 小島
Masaaki Kojima
孝之 中川
Takayuki Nakagawa
直彦 居相
Naohiko Iso
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Abstract

【課題】SC-FDE方式を用いたMIMO伝送を行う際に、伝送効率を向上させる。【解決手段】送信装置1のパイロット信号挿入部15-1は、パイロット信号のシンボル数が2の累乗であり(A)、MIMO検出範囲シンボル数SSが2の累乗であり、aをMIMOブロック番号シンボル数、bをデータシンボル数、cをパイロット信号シンボル数、dをMIMO送信数として、SS=(a+b)×d+c×(2×d-1)であり(B)、検出対象ブロックの1番目のブロックに含まれる2つの連続するパイロット信号が同じである(c)の条件を満たすように、ブロックに予め設定されたパイロット信号を挿入する。これにより、1番目のブロックに含まれる2つの連続するパイロット信号のうち後ろのパイロット信号がCPを兼ねることとなる。【選択図】図2

Description

本発明は、放送または通信等の無線伝送システムで使用可能なシングルキャリアMIMO(Multiple Input Multiple Output)送信装置及びシングルキャリアMIMO受信装置に関し、特に、周波数領域にてチャネル等化を行うMIMO SC-FDE(Single Carrier-Frequency Domain Equalization)方式における伝送効率の改善に関するものである。
従来、放送または通信等の固定伝送の無線伝送システムでは、一つの搬送波を用いるシングルキャリア方式が広く用いられている。一方で、移動環境での無線伝送システムでは、周波数領域でのチャネル等化をシンボル単位に行うことで高速なチャネル変動に追従可能な、複数の搬送波を用いるマルチキャリアのOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式が一般的に用いられている。
OFDM方式は移動伝送に適しているが、シングルキャリア方式と比較して、一般に送信信号のピーク電力と平均電力の比であるPAPR(Peak to Average Power Ratio)が大きいため、電力増幅器の非線形歪に弱く、電力増幅器の動作点を線形性の高い領域で使用する必要がある。そのため、理想的な線形利得に対し、1dB利得が低下した点の出力レベル(P1dB)からの出力バックオフを大きくとって運用することが多く、電力効率が低くなるという課題がある。
近年、シングルキャリア方式の中でも、周波数領域にてチャネル等化(伝搬路で生じた振幅及び位相の変化を元に戻す処理)を行うSC-FDE方式が提案されている(例えば非特許文献1及び特許文献1を参照)。
SC-FDE方式では、周波数領域でのチャネル推定及びチャネル等化を一定数の連続したシンボル単位(ブロック単位)で行うことにより、移動伝送における高速なチャネル変動に追従することができる。そのため、SC-FDE方式は、従来の時間領域でチャネル等化を行うシングルキャリア方式よりも移動伝送に適した方式である。
一般的にSC-FDE方式では、OFDM方式と同じように、ガードインターバル(GI)を設けることにより、マルチパス環境におけるブロック間干渉を防ぐことができる。SC-FDE方式を適用する受信装置は、ブロックの先頭を検出するブロック同期を行い、チャネル推定用のパイロット信号であるユニークワード(UW)(送信装置及び受信装置において既知の固定パターンの信号)及びデータを抽出する。そして、受信装置は、フーリエ変換により当該UW及びデータを周波数領域に変換してチャネル推定及びチャネル等化の処理を行う。その後、受信装置は、逆フーリエ変換によりデータを時間領域の信号に戻して、シンボル判定等の処理を行う。
このSC-FDE方式は、OFDM方式よりも一般的にPAPRが小さいことから、電力増幅器の出力バックオフを小さくすることが可能であり、電力増幅器の高効率な運用が可能となり、移動伝送における電力増幅器の小型化も可能となる。
さらに、複数のアンテナを用いて多くの情報を高速に無線伝送するMIMOに対応したMIMO SC-FDE方式が提案されている(例えば特許文献2を参照)。MIMOでは、送信数(多重数)に応じた複数の信号が送信され、それらの信号が互いに混ざり合った状態で受信が行われる。
したがって、受信装置において、受信信号から元の送信信号を検出するためのMIMO検出(周波数領域のMIMOチャネル推定及び等化)が必要である。複数の送信信号を区別するために、複数のブロックに渡ってUWの位置関係が異なるようにアレンジがなされ、送信系統間で送信信号が直交するように工夫がなされている。
図10は、従来技術におけるMIMO SC-FDE方式のヌル構造のシンボルブロック構成を示す図であり、送信数が2の場合を示している。送信信号x1は、送信装置における第1の送信系統から送信される信号を示しており、送信信号x2は、第2の送信系統から送信される信号を示している。
送信信号x1,x2は、MIMO奇数ブロック及びMIMO偶数ブロック2つのブロックを単位として構成される。送信数が2の場合は、これらの2つのブロックを単位として、受信装置においてMIMO検出が行われる。
送信信号x1,x2の各ブロックは、2つの連続するUWまたはヌルデータ、データの後ろ部分がCP(Cyclic Prefix:サイクリックプレフィックス)として挿入されたGI、MIMOブロック番号及びデータにより構成される。
UW及びヌルデータは、チャネル推定に用いるパイロット信号である。UWは、送受信間で既知の固定パターンからなり、時間領域及び周波数領域にて振幅が一定のZadoff-Chu系列といった周期的自己相関特性に優れたCAZAC(Constant Amplitude Zero Auto-Correlation)系列等が用いられる。CPは、データの後ろ部分をコピーした情報である。
MIMOブロック番号は、受信装置が正しくMIMO検出を行うために、複数ブロックのそれぞれがどこから始まるのかを識別するための情報である。MIMOブロック番号により、1番目のMIMO奇数ブロックと2番目のMIMO偶数ブロックとが、MIMOの信号分離が行われる前に識別される。
MIMO奇数ブロックには、1に対応する値を差動変調したシンボル系列がMIMOブロック番号として設定され、MIMO偶数ブロックには、2に対応する値を差動変調したシンボル系列がMIMOブロック番号として設定される。差動変調としては、例えばDBPSK(Differential Binary Phase Shift Keying)、DQPSK(Differential Quadrature Phase Shift Keying)等の遅延検波が可能な方式が用いられる。
MIMOブロック番号は、前述の差動変調方式を用いて生成され、等化対象のシンボル系列内に配置される。これにより、UWの位置関係の識別精度及び伝送効率を向上させることができる(例えば特許文献3を参照)。
図11は、従来技術におけるMIMO SC-FDE方式のWH構造のシンボルブロック構成を示す図であり、図10と同様に、送信数が2の場合を示している。
送信信号x1,x2の各ブロックは、2つの連続するUWまたは-UW、データの後ろ部分がCPとして挿入されたGI、MIMOブロック番号及びデータにより構成される。図10に示したシンボルブロックとこのシンボルブロックとを比較すると、両シンボルブロックは、GI、MIMOブロック番号及びデータを含む点で同一であるが、図11のシンボルブロックでは、2つの連続するUWまたは-UWを含む点で、2つの連続するUWまたはヌルデータを含む図10のシンボルブロックと相違する。
図10に示したとおり、連続した2つのブロックにおいて、UW及びヌルデータが2つの送信系統で互い違いに設定されるように、アレンジされている。また、図11に示すとおり、連続した2つのブロックのうち一方のブロックにおいて、UWが2つの送信系統で設定され、他方のブロックにおいて、UWが一方の送信系統で設定され、かつ-UWが他方の送信系統で設定されるように、アレンジされている。
これにより、MIMO SC-FDE方式では、前述の特許文献1のSC-FDE方式を用いるSISO(Single Input Single Output)(SISO SC-FDE方式)よりも、伝送レートを向上させることができる。
特許第5624527号公報 特許第6612106号公報 特開2019-140590号公報
D.Falconer, et al.,"Frequency domain equalization for single-carrier broadband wireless systems",IEEE Commun. Mag., Vol.40, pp.58-66, April 2002.
しかしながら、前述の特許文献2のMIMO SC-FDE方式では、等化対象の信号に対してCPが個別に付加されているのに対し、前述の特許文献1のSISO SC-FDE方式では、CPが付加されていない。
そのため、MIMO SC-FDE方式は、SISO SC-FDE方式に比べ、送信信号に対するデータの割合(データ効率)が低い。MIMO SC-FDE方式では、伝送効率を向上させることが所望されていた。
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、SC-FDE方式を用いたMIMO伝送を行う際に、伝送効率を向上させることが可能なシングルキャリアMIMO送信装置及びシングルキャリアMIMO受信装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1のシングルキャリアMIMO送信装置は、複数の送信アンテナを備え、前記複数の送信アンテナに対応する複数の送信系統のそれぞれについて、MIMO SC-FDE方式のブロックを生成し、送信系統毎の前記ブロックの変調波を、前記送信アンテナを介して送信するシングルキャリアMIMO送信装置において、送信対象のデータの符号化ビット系列に対して、前記複数の送信系統に振分けを行う系統間振分け部と、前記系統間振分け部により振分けられた前記送信対象のデータの符号化ビット系列に対して、所定の変調方式によりマッピングを行い、マッピング後のビット系列を出力する送信系統毎のマッピング部と、前記マッピング部により出力された前記マッピング後のビット系列に対して、MIMOブロック番号を所定位置に挿入し、前記MIMOブロック番号が挿入されたシンボル系列を出力する送信系統毎のMIMOブロック番号挿入部と、前記MIMOブロック番号挿入部により出力された前記MIMOブロック番号が挿入されたシンボル系列に対して、送信系統間で直交関係となる2つの連続するパイロット信号を所定位置に挿入し、前記2つの連続するパイロット信号、前記MIMOブロック番号及び前記送信対象のデータからなる前記ブロックを単位として、送信系統の数と同数の前記ブロックからなる検出対象ブロックのシンボル系列を生成する送信系統毎のパイロット信号挿入部と、を備え、前記MIMOブロック番号のシンボル数をMIMOブロック番号シンボル数aとし、前記送信対象のデータのシンボル数をデータシンボル数bとし、前記パイロット信号のシンボル数をパイロット信号シンボル数cとし、前記複数の送信アンテナの数をMIMO送信数dとし、周波数領域にて等化が行われるMIMO検出範囲のシンボル数をMIMO検出範囲シンボル数SSとし、前記MIMO検出範囲を、前記検出対象ブロックにおける1番目のブロックに含まれる前記MIMOブロック番号から、当該検出対象ブロックの次の検出対象ブロックにおける1番目のブロックに含まれる先頭のパイロット信号までの範囲として、前記パイロット信号挿入部が、前記パイロット信号シンボル数cが2の累乗であり(A)、前記MIMO検出範囲シンボル数SSが2の累乗であって、数式:SS=(a+b)×d+c×(2×d-1)にて表され(B)、及び、前記検出対象ブロックにおける1番目のブロックに含まれる前記2つの連続するパイロット信号が同じである(C)のそれぞれの条件を満たすように、前記パイロット信号を所定位置に挿入し、前記検出対象ブロックのシンボル系列を生成する、ことを特徴とする。
さらに、請求項2のシングルキャリアMIMO受信装置は、単数または複数の受信アンテナを備え、シングルキャリアMIMO送信装置に備えた複数の送信アンテナから送信された変調波を、前記単数または複数の受信アンテナを介して対応する単数または複数の受信系統にて受信し、MIMO SC-FDE方式のブロックが多重された受信信号に含まれる受信パイロット信号に基づいてMIMOチャネルを推定し、周波数領域にて等化を行うシングルキャリアMIMO受信装置において、前記ブロックは、2つの連続するパイロット信号、MIMOブロック番号及びデータから構成されており、前記MIMOブロック番号のシンボル数をMIMOブロック番号シンボル数aとし、前記データのシンボル数をデータシンボル数bとし、前記パイロット信号のシンボル数をパイロット信号シンボル数cとし、前記複数の送信アンテナの数をMIMO送信数dとし、周波数領域にて等化が行われるMIMO検出範囲のシンボル数をMIMO検出範囲シンボル数SSとし、前記MIMO送信数dと同数の前記ブロックから検出対象ブロックが構成されるとし、前記MIMO検出範囲を、前記検出対象ブロックにおける1番目のブロックに含まれる前記MIMOブロック番号から、当該検出対象ブロックの次の検出対象ブロックにおける1番目のブロックに含まれる先頭のパイロット信号までの範囲とし、前記パイロット信号シンボル数cが2の累乗であり(A)、前記MIMO検出範囲シンボル数SSが2の累乗であって、数式:SS=(a+b)×d+c×(2×d-1)にて表され(B)、及び、前記検出対象ブロックにおける1番目のブロックに含まれる前記2つの連続するパイロット信号が同じである(C)として、前記パイロット信号をフーリエ変換し、前記MIMOチャネルを推定し、予め設定された前記MIMO検出範囲シンボル数SSと一致するように、前記MIMOチャネルのアップサンプリングを行い、アップサンプリング後のMIMOチャネルを出力する受信系統毎のMIMOチャネル推定部と、予め設定された前記MIMO検出範囲シンボル数SSに対応する前記MIMO検出範囲をフーリエ変換し、周波数領域の信号を出力する受信系統毎のフーリエ変換部と、前記MIMOチャネル推定部により出力された前記アップサンプリング後のMIMOチャネル、及び前記フーリエ変換部により出力された前記周波数領域の信号をそれぞれ入力し、予め設定された前記MIMO検出範囲シンボル数SSに対応する前記アップサンプリング後のMIMOチャネル及び前記周波数領域の信号を用いて、周波数領域にてMIMOチャネル等化を行う周波数領域MIMOチャネル等化部と、を備えたことを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、SC-FDE方式を用いたMIMO伝送を行う際に、伝送効率を向上させることができる。
本発明の実施形態によるシングルキャリアMIMO送信装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態におけるMIMO SC-FDE方式のヌル構造のシンボルブロック構成を示す図である。 本発明の実施形態におけるMIMO SC-FDE方式のWH構造のシンボルブロック構成を示す図である。 本発明の実施形態によるシングルキャリアMIMO受信装置の概略構成を示すブロック図である。 受信処理部の概略構成を示すブロック図である。 ヌル構造のシンボルブロック構成におけるチャネル推定の概要を説明する図である。 WH構造のシンボルブロック構成におけるチャネル推定の概要を説明する図である。 従来技術及び本発明の実施形態におけるヌル構造のシンボルブロック構成を比較する図である。 従来技術及び本発明の実施形態におけるWH構造のシンボルブロック構成を比較する図である。 従来技術におけるMIMO SC-FDE方式のヌル構造のシンボルブロック構成を示す図である。 従来技術におけるMIMO SC-FDE方式のWH構造のシンボルブロック構成を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。本発明のシングルキャリアMIMO送信装置は、送信対象のデータの符号化ビット系列に対してMIMO振分けを行い、送信系統間のパイロット信号の配置が直交関係となるようにブロックを構成する際に、パイロット信号が後述する(A)及び(C)の条件を満たし、かつMIMO検出範囲が後述する(B)の条件を満たすようにブロックを構成する、ことを特徴とする。
また、本発明のシングルキャリアMIMO受信装置は、受信信号に含まれるパイロット信号の直交関係を利用してMIMOチャネルを推定し、後述する(B)の条件を満たすMIMO検出範囲に対してMIMO検出を行う、ことを特徴とする。
これにより、送信信号の各ブロックにおいて、UWをCPとして利用することができ、データの後ろ部分をCPとして挿入する必要がないため、データ効率を従来技術よりも向上させることができる。したがって、SC-FDE方式を用いたMIMO伝送を行う際に、伝送効率を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について、送信数及び受信数をそれぞれ2とした2送信及び2受信のMIMO SC-FDE方式の例を挙げて説明するが、送信数及び受信数を増やすことが可能である。
〔シングルキャリアMIMO送信装置〕
まず、本発明の実施形態によるシングルキャリアMIMO送信装置について説明する。図1は、本発明の実施形態によるシングルキャリアMIMO送信装置の概略構成を示すブロック図である。
この送信装置(シングルキャリアMIMO送信装置)1は、後述する図4に示す受信装置にて周波数領域でのMIMO検出が可能な信号を生成し、複数のアンテナ(送信アンテナ20-1,20-2)を用いて情報を無線伝送するシングルキャリア方式の伝送装置として構成される。
この送信装置1は、送信前処理部10、系統間振分け部11、内インタリーブ部12-1,12-2、マッピング部13-1,13-2、MIMOブロック番号挿入部14-1,14-2、パイロット信号挿入部15-1,15-2、帯域制限フィルタ部16-1,16-2、デジタル直交変調部17-1,17-2、DA変換部18-1,18-2、送信高周波部19-1,19-2及び送信アンテナ20-1,20-2を備えている。
送信前処理部10は、伝送すべき情報ビット系列(送信対象のデータ)に対して、エネルギー拡散処理、誤り訂正符号化処理及びインタリーブ処理等の前処理を行い、符号化ビット系列を生成し、符号化ビット系列を系統間振分け部11に出力する。この前処理は、任意のエネルギー拡散処理、誤り訂正符号化処理及びインタリーブ処理等を適用することができる。
系統間振分け部11は、送信前処理部10から符号化ビット系列を入力し、符号化ビット系列に対して、2つの送信系統にビットの振分けを行い、ビット振分け後の符号化ビット系列を内インタリーブ部12-1,12-2に出力する。このビット振分けは、送信数に応じて行われ、受信側の逆振分けと対応していれば、任意のパターンで振分けることができる。
以下、第1の送信系統の内インタリーブ部12-1、マッピング部13-1、MIMOブロック番号挿入部14-1、パイロット信号挿入部15-1、帯域制限フィルタ部16-1、デジタル直交変調部17-1、DA変換部18-1、送信高周波部19-1及び送信アンテナ20-1について説明するが、第2の送信系統の内インタリーブ部12-2、マッピング部13-2、MIMOブロック番号挿入部14-2、パイロット信号挿入部15-2、帯域制限フィルタ部16-2、デジタル直交変調部17-2、DA変換部18-2、送信高周波部19-2及び送信アンテナ20-2についても同様である。
内インタリーブ部12-1は、系統間振分け部11からビット振分け後の符号化ビット系列を入力し、ビット振分け後の符号化ビット系列に対して、ビットインタリーブ及び時間インタリーブ等の内インタリーブ処理を行う。そして、内インタリーブ部12-1は、内インタリーブ後の符号化ビット系列をマッピング部13-1に出力する。
マッピング部13-1は、内インタリーブ部12-1から内インタリーブ後の符号化ビット系列を入力し、内インタリーブ処理後の符号化ビット系列に対して、QPSK、16QAM、16APSK等の所定の変調方式でマッピングを行う。そして、マッピング部13-1は、マッピング後のビット系列をMIMOブロック番号挿入部14-1に出力する。
MIMOブロック番号挿入部14-1は、マッピング部13-1からマッピング後のビット系列を入力し、マッピング後のビット系列に対して、MIMOブロック番号(MIMOブロック番号シンボル)を所定位置に挿入する。そして、MIMOブロック番号挿入部14-1は、MIMOブロック番号が挿入されたシンボル系列をパイロット信号挿入部15-1に出力する。
ここで、MIMOブロック番号挿入部14-1は、マッピング後のビット系列に対してMIMOブロック番号を識別するための値を配置すべく、MIMOブロック番号を識別する値を、変調処理にてMIMOブロック番号シンボルとして生成する。具体的には、MIMOブロック番号挿入部14-1は、MIMOブロック番号を識別する値を、DBPSKまたはDQPSK等の差動変調方式によって変調し、MIMOブロック番号シンボルを生成する。
MIMOブロック番号の一例としては、送信数が2の場合、0,1である。また、送信数が4の場合、00,01,10,11である。尚、MIMOブロック番号挿入部14-1は、MIMOブロック番号に対して、誤り訂正符号または誤り検出が可能となる符号化処理を行うようにしてもよい。
パイロット信号挿入部15-1は、MIMOブロック番号挿入部14-1からMIMOブロック番号が挿入されたシンボル系列を入力する。そして、パイロット信号挿入部15-1は、MIMOブロック番号が挿入されたシンボル系列に対して、例えば後述する図2に示すヌル構造のブロック構成、または後述する図3に示すWH構造のブロック構成となるように、送信系統間で直交関係となる所定のパイロット信号を所定の位置に挿入する。
パイロット信号挿入部15-1は、パイロット信号が挿入されたシンボル系列を、MIMO SC-FDEブロックのシンボル系列として生成し、これを帯域制限フィルタ部16-1に出力する。
ここで、所定のパイロット信号とは、以下の(A)、(B)及び(C)の条件を満たすように、予め設定されたパイロット信号である。
(A)パイロット信号のシンボル数(パイロット信号シンボル数c)は2の累乗である。
(B)周波数領域にてMIMOチャネル等化が行われるMIMO検出範囲シンボル数(等化対象のシンボル数)SSは2の累乗であり、以下の式にて表される。
[数1]
SS=(a+b)×d+c×(2×d-1) ・・・(1)
aをMIMOブロック番号シンボル数、bをデータシンボル数、cをパイロット信号シンボル数、dをMIMO送信数(送信アンテナの数、送信系統の数)とする。
ここで、MIMO SC-FDEブロックは、2つの連続するパイロット信号系列、MIMOブロック番号シンボル系列及びデータシンボル系列から構成され、検出対象ブロック(後述する図2及び図3のα)は、MIMO送信数dと同数のMIMO SC-FDEブロックから構成されるものとする。つまり、パイロット信号挿入部15-1は、MIMO SC-FDEブロックを単位とした検出対象ブロックを生成する。
MIMO検出範囲は、検出対象ブロックにおける1番目のブロックに含まれるMIMOブロック番号から、当該検出対象ブロックの次の検出対象ブロックにおける1番目のブロックに含まれる先頭のパイロット信号までの範囲である。つまり、MIMO検出範囲は、MIMOブロック番号シンボル系列、データシンボル系列、パイロット信号系列、パイロット信号系列、MIMOブロック番号シンボル系列、データシンボル系列、・・・、MIMOブロック番号シンボル系列、データシンボル系列及びパイロット信号系列である。
(C)検出対象ブロックにおける1番目のブロックに含まれる2つの連続するパイロット信号が同じである。例えば後述する図2(1)及び(2)並びに図3(1)及び(2)においては、1番目のブロックには、2つの連続するUWが含まれている。
前述の(A)の条件を満たすことにより、パイロット信号をフーリエ変換の対象とすることができ、MIMOチャネルを推定することができる。また、前述の(B)の条件を満たすことにより、MIMO検出範囲の信号をフーリエ変換及び逆フーリエ変換の対象とすることができ、MIMOチャネル等化を行うことができると共に、データを復号することができる。
また、前述の(C)の条件を満たすことにより、1番目のブロックにおける2つの連続するUWのうち後ろ(2番目)のUWがCPを兼ねるため、CPをブロックに挿入する必要がない。これにより、伝送効率を改善できると共に、CPを取り扱う必要がないため、処理負荷を低減することができる。
図2は、本発明の実施形態におけるMIMO SC-FDE方式のヌル構造のシンボルブロック構成を示す図であり、図3は、本発明の実施形態におけるMIMO SC-FDE方式のWH構造のシンボルブロック構成を示す図である。
パイロット信号は、図2及び図3に示すように、UW、ヌルデータ、UWにマイナスを乗算することで反転した-UWにより構成される。UWは、図10及び図11にて説明したとおり、時間領域及び周波数領域にて振幅が一定のZadoff-Chu系列といった周期的自己相関特性に優れたCAZAC系列等が用いられる。
図2(1)及び図3(1)は、送信数が2の場合を示し、図2(2)及び図3(2)は、送信数が4の場合を示している。例えば送信信号x1,x2,x3,x4は、送信装置1における第1、第2、第3及び第4の送信系統から送信されるそれぞれの信号を示している。
図2(1)及び図3(1)を参照して、送信信号x1,x2は、MIMO奇数ブロックである1番目のブロック、及びMIMO偶数ブロックである2番目のブロックからなる2つのブロックを単位として構成される。これらの2つのブロックは検出対象ブロックαであり、これを単位として、受信側においてMIMO検出が行われる。
送信信号x1,x2の1番目のブロックは、2つの連続するUW、MIMOブロック番号、及びデータ(DATA1t0,DATA2t0)により構成される。
送信信号x1の2番目のブロックは、2つの連続するUW、MIMOブロック番号、及びデータ(DATA1t1)により構成される。また、図2(1)において、送信信号x2の2番目のブロックは、2つの連続するUWと同じシンボル数のヌルデータ、MIMOブロック番号、及びデータ(DATA2t1)により構成される。図3(1)において、送信信号x2の2番目のブロックは、2つの連続する-UW、MIMOブロック番号、及びデータ(DATA2t1)により構成される。
図2(2)及び図3(2)を参照して、送信信号x1,x2,x3,x4は、第1番目から第4番目までの4つのブロックを単位として構成される。これらの4つのブロックは検出対象ブロックαであり、これを単位として、受信側においてMIMO検出が行われる。
送信信号x1,x2,x3,x4の第1番目のブロックは、2つの連続するUW、MIMOブロック番号、及びデータ(DATA1t0,DATA2t0,DATA3t0,DATA4t0)により構成される。
図2(2)において、送信信号x1,x3の2番目のブロックは、2つの連続するUW、MIMOブロック番号、及びデータ(DATA1t1,DATA3t1)により構成される。また、送信信号x2,x4の2番目のブロックは、2つの連続するUWと同じシンボル数のヌルデータ、MIMOブロック番号、及びデータ(DATA2t1,DATA4t1)により構成される。図3(2)では、ヌルデータの代わりに-UWが用いられる。
送信信号x1,x2の3番目のブロックは、2つの連続するUW、MIMOブロック番号、及びデータ(DATA1t2,DATA2t2)により構成される。また、送信信号x3,x4の3番目のブロックは、2つの連続するUWと同じシンボル数のヌルデータ、MIMOブロック番号、及びデータ(DATA3t2,DATA4t2)により構成される。図3(2)では、ヌルデータの代わりに-UWが用いられる。
送信信号x1,x4の4番目のブロックは、2つの連続するUW、MIMOブロック番号、及びデータ(DATA1t3,DATA4t3)により構成される。また、送信信号x2,x3の4番目のブロックは、2つの連続するUWと同じシンボル数のヌルデータ、MIMOブロック番号、及びデータ(DATA2t3,DATA3t3)により構成される。図3(2)では、ヌルデータの代わりに-UWが用いられる。
それぞれの送信系統について、1番目の検出対象ブロックに含まれる1番目のブロックにおける2つの連続するUWのうち後ろ(2番目)のUWは、2番目の検出対象ブロックに含まれる1番目のブロックにおける2つの連続するUWのうち最初(1番目)のUWと同じであり、MIMO検出範囲におけるCPを兼ねている。つまり、それぞれの送信系統について、1番目のブロックには2つの連続するUWが含まれており、2つの連続するUWのうち後ろのUWは、MIMO検出範囲の後ろの部分がCPとして挿入されたGIであるといえる。
これにより、それぞれの送信系統において、MIMO検出範囲の後ろの部分をCPとして挿入する必要がないため、伝送効率を改善できると共に、処理負荷を低減することができる。
図2(1)及び図3(1)において、前述の(A)、(B)及び(C)の条件から、MIMO送信数d=2であり、MIMOブロック番号シンボル数a=2及びパイロット信号シンボル数c=28=256とすると、データシンボル数b=1662となり、MIMO検出範囲は、212=4096となる。
また、図2(2)及び図3(2)において、前述の(A)及び(B)の条件から、MIMO送信数d=4であり、MIMOブロック番号シンボル数a=2及びパイロット信号シンボル数c=28=256とすると、データシンボル数b=1598となり、MIMO検出範囲は、213=8192となる。
尚、パイロット信号シンボル数cは、実際には、遅延波が到達する最大遅延時間に応じて設定される、OFDM方式におけるGI長に相当するシンボル数である。パイロット信号のシンボル長は、シンボル数及びシンボルレートから求められるものであり、最大遅延時間を越えないように設定される。
図1に戻って、帯域制限フィルタ部16-1は、パイロット信号挿入部15-1からMIMO SC-FDEブロックのシンボル系列を入力する。そして、帯域制限フィルタ部16-1は、MIMO SC-FDEブロックのシンボル系列に対して、2倍のアップサンプリングを行い、帯域制限フィルタ処理による波形整形を行う。帯域制限フィルタ部16-1は、波形整形後のMIMO SC-FDEブロックのシンボル系列をデジタル直交変調部17-1に出力する。帯域制限フィルタとしては、一般的にルートロールオフフィルタが用いられる。
デジタル直交変調部17-1は、帯域制限フィルタ部16-1から波形整形後のMIMO SC-FDEブロックのシンボル系列を入力する。そして、デジタル直交変調部17-1は、波形整形後のMIMO SC-FDEブロックのシンボル系列に対して、デジタル直交変調処理を行う。
また、デジタル直交変調部17-1は、DA変換部18-1におけるデジタル/アナログ変換によるアパーチャ効果を補正するためのアパーチャ補正を行う。デジタル直交変調部17-1は、直交変調後の信号をDA変換部18-1に出力する。
DA変換部18-1は、デジタル直交変調部17-1から直交変調後の信号を入力し、直交変調後の信号であるデジタル信号をアナログ信号に変換し、アナログ信号を送信高周波部19-1に出力する。
送信高周波部19-1は、DA変換部18-1からアナログ信号を入力し、アナログ信号の周波数を無線周波数に変換し、電力増幅器にて規定の電力になるように増幅し、送信アンテナ20-1から変調波を送信する。
以上のように、本発明の実施形態の送信装置1によれば、パイロット信号挿入部15-1は、シンボル系列に対して、例えば図2または図3に示したブロック構成となるように、前述の(A)、(B)及び(C)の条件を満たす予め設定されたパイロット信号を挿入し、MIMO SC-FDEブロックを生成する。
そして、送信装置1から、前述の(A)、(B)及び(C)の条件を満たすパイロット信号を含む変調波が送信される。
図8は、従来技術及び本発明の実施形態におけるヌル構造のシンボルブロック構成を比較する図であり、図9は、従来技術及び本発明の実施形態におけるWH構造のシンボルブロック構成を比較する図である。図8(1)は、図10に示した従来技術と同じシンボルブロック構成であり、図9(1)は、図11に示した従来技術と同じシンボルブロック構成を示している。図8(2)及び図9(2)は、本発明の実施形態のシンボルブロック構成を示している。
図8(1)及び(2)並びに図9(1)及び(2)から、従来技術では、MIMO SC-FDEブロックにCPが挿入されているのに対し、本発明の実施形態では、UWがCPを兼ねており、MIMO SC-FDEブロックにCPが挿入されていないことがわかる。
このように、本発明の実施形態では、1番目のブロックにおける2つの連続するUWのうち後ろ(2番目)のUWが、CPを兼ねるため、従来技術におけるCPをMIMO SC-FDEブロックに挿入する必要がない。
つまり、それぞれの送信系統において、MIMO検出範囲の後ろの部分をCPとして挿入する必要がないため、伝送効率を改善できると共に、処理負荷を低減することができる。
したがって、SC-FDE方式を用いたMIMO伝送を行う際に、有効なデータの割合が全送信信号に対して増えるため、同一のシンボルレートで比較した場合に、従来技術よりも伝送レートを高くすることができ、伝送効率を向上させることができる。
〔シングルキャリアMIMO受信装置〕
次に、本発明の実施形態によるシングルキャリアMIMO受信装置について説明する。図4は、本発明の実施形態によるシングルキャリアMIMO受信装置の概略構成を示すブロック図である。
この受信装置(シングルキャリアMIMO受信装置)2は、図1に示した送信装置1の複数の送信アンテナ20-1,20-2から伝送された変調波を、複数のアンテナ(受信アンテナ30-1,30-2)で受信し、MIMO検出(周波数領域のMIMOチャネル推定及び等化)を行う。
受信装置2は、受信アンテナ30-1,30-2、受信処理部40-1,40-2、MIMOブロック番号検出部41-1,41-2、MIMOブロック番号比較部42-1,42-2、雑音電力検出部43-1,43-2、MIMOチャネル推定部44-1,44-2、フーリエ変換部45-1,45-2、周波数領域MIMOチャネル等化部46、逆フーリエ変換部47-1,47-2、シンボル判定/尤度計算部48-1,48-2、等化後MIMOブロック番号復号部49-1,49-2、等化後MIMOブロック番号判定部50、内デインタリーブ部51-1,51-2及び復号部52を備えている。
以下、第1の受信系統の受信アンテナ30-1、受信処理部40-1、MIMOブロック番号検出部41-1、MIMOブロック番号比較部42-1、雑音電力検出部43-1、MIMOチャネル推定部44-1、フーリエ変換部45-1、逆フーリエ変換部47-1、シンボル判定/尤度計算部48-1、等化後MIMOブロック番号復号部49-1及び内デインタリーブ部51-1について説明するが、第2の受信系統の受信アンテナ30-2、受信処理部40-2、MIMOブロック番号検出部41-2、MIMOブロック番号比較部42-2、雑音電力検出部43-2、MIMOチャネル推定部44-2、フーリエ変換部45-2、逆フーリエ変換部47-2、シンボル判定/尤度計算部48-2、等化後MIMOブロック番号復号部49-2及び内デインタリーブ部51-2についても同様である。
図5は、受信処理部40-1の概略構成を示すブロック図である。この受信処理部40-1は、受信高周波部60、AD変換部61、デジタル直交復調部62、帯域制限フィルタ部63及びブロック同期部64を備えている。尚、受信処理部40-2の構成も、図5に示すものと同様である。
受信高周波部60は、受信アンテナ30-1を介して受信した無線周波数の信号を、低位相雑音増幅器で所望の電力へ増幅し、その後、無線周波数を中間周波数に変換する。そして、受信高周波部60は、中間周波数の信号をAD変換部61に出力する。
AD変換部61は、受信高周波部60から中間周波数の信号を入力し、中間周波数の信号であるアナログ信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号をデジタル直交復調部62に出力する。
デジタル直交復調部62は、AD変換部61からデジタル信号を入力し、デジタル信号に対して、自動周波数制御を行い、周波数ずれを補正しながら、直交復調した複素ベースバンド信号を生成する。そして、デジタル直交復調部62は、周波数補正後の複素ベースバンド信号を帯域制限フィルタ部63に出力する。
帯域制限フィルタ部63は、デジタル直交復調部62から周波数補正後の複素ベースバンド信号を入力し、周波数補正後の複素ベースバンド信号に対して、フィルタ処理による帯域制限を行う。そして、帯域制限フィルタ部63は、帯域制限後の複素ベースバンド信号をブロック同期部64に出力する。帯域制限フィルタとしては、一般的にルートロールオフフィルタが用いられる。
ブロック同期部64は、帯域制限フィルタ部63から帯域制限後の複素ベースバンド信号を入力し、帯域制限後の複素ベースバンド信号に対して、UWの部分のIQ信号を基準としてMIMO SC-FDEブロックの同期タイミングを検出する。そして、ブロック同期部64は、同期タイミングが検出されたMIMO SC-FDEブロックをMIMOブロック番号検出部41-1に出力する。
図4に戻って、MIMOブロック番号検出部41-1は、受信処理部40-1のブロック同期部64から同期タイミングが検出されたMIMO SC-FDEブロックを入力する。そして、MIMOブロック番号検出部41-1は、MIMO SC-FDEブロックに対して、ブロック同期部64により検出された同期タイミングの位置(同期位置)を基準に、遅延検波により差動復調することでMIMOブロック番号を検出する。
MIMOブロック番号検出部41-1は、MIMOブロック番号をMIMOブロック番号比較部42-1及びMIMOチャネル推定部44-1に出力する。また、MIMOブロック番号検出部41-1は、MIMO SC-FDEブロックを雑音電力検出部43-1、MIMOチャネル推定部44-1及びフーリエ変換部45-1に出力する。
MIMOブロック番号比較部42-1は、MIMOブロック番号検出部41-1からMIMOブロック番号を入力すると共に、後述する等化後MIMOブロック番号判定部50から等化後MIMOブロック番号を入力する。そして、MIMOブロック番号比較部42-1は、MIMOブロック番号と等化後MIMOブロック番号とを比較する。
MIMOブロック番号比較部42-1は、比較結果により、MIMOブロック番号と等化後MIMOブロック番号とが一致していると判定した場合、一致を示す比較結果及びMIMOブロック番号をMIMOチャネル推定部44-1に出力する。一方、MIMOブロック番号比較部42-1は、MIMOブロック番号と等化後MIMOブロック番号とが異なると判定した場合、異なることを示す比較結果及び等化後MIMOブロック番号をMIMOチャネル推定部44-1に出力する。
これにより、MIMOブロック番号と等化後MIMOブロック番号とが異なる場合、後述する周波数領域MIMOチャネル等化部46にて等化後MIMOブロック番号判定部50から入力した等化後MIMOブロック番号を基準にMIMO検出が行われるように、MIMOチャネル推定部44-1が制御される。
雑音電力検出部43-1は、MIMOブロック番号検出部41-1からMIMO SC-FDEブロックを入力し、MIMO SC-FDEブロックを用いて、受信信号の雑音電力n1を測定し、雑音電力n1を周波数領域MIMOチャネル等化部46に出力する。
MIMOチャネル推定部44-1は、MIMOブロック番号検出部41-1からMIMO SC-FDEブロック及びMIMOブロック番号を入力すると共に、MIMOブロック番号比較部42-1から比較結果及びMIMOブロック番号または等化後MIMOブロック番号を入力する。
MIMOチャネル推定部44-1は、MIMO SC-FDEブロックに対し、ブロック同期部64により検出された同期タイミングの位置を基準に、比較結果に応じたMIMOブロック番号または等化後MIMOブロック番号に応じて、一連のMIMO SC-FDEブロックに含まれる時間領域のパイロット信号を抽出してフーリエ変換を行い、MIMOチャネルを推定する。
MIMOチャネル推定部44-1は、MIMOチャネルを推定後、後段の周波数領域MIMOチャネル等化部46にて周波数領域等化を行うシンボル数(予め設定されたMIMO検出範囲シンボル数SS)と一致するように、MIMOチャネルのアップサンプリングを行う。そして、MIMOチャネル推定部44-1は、アップサンプリング後のMIMOチャネル(例えば送信数が2の場合、チャネル応答h11,h12)を周波数領域MIMOチャネル等化部46に出力する。アップサンプリング後のMIMOチャネルは、周波数領域等化を行うシンボル数(予め設定されたMIMO検出範囲シンボル数SS)に対応したMIMOチャネルとなる。
ここで、周波数領域等化を行うシンボル数は、前述の(B)の条件における前記式(1)のMIMO検出範囲シンボル数SSである。例えば送信数が2の場合、MIMOブロック番号シンボル数a=2及びパイロット信号シンボル数c=28=256とすると、MIMO検出範囲シンボル数SS=212=4096である。
MIMOチャネル推定部44-1は、例えば図2(1)及び図3(1)に示した送信数が2の場合、第1の受信系統の受信信号y1(受信アンテナ30-1の受信系統の信号)において、2箇所の時間領域のパイロット信号(1番目のブロックのパイロット信号及び2番目のブロックのパイロット信号)に対しフーリエ変換を行い、チャネル応答h11,h12を推定する。
送信数が2の場合のMIMOチャネルHは、以下の式で表される。
[数2]
Figure 2023006463000002
図6は、ヌル構造のシンボルブロック構成におけるチャネル推定の概要を説明する図であり、図2(1)に対応している。受信信号y1は、前述のとおり、受信アンテナ30-1の受信系統の信号であり、受信信号y2は、受信アンテナ30-2の受信系統の信号である。後述する図7においても同様である。
MIMOチャネル推定部44-1は、受信信号y1から、FFTウィンドウオフセット分シフトした位置を基準にして、1番目のブロックの受信パイロット信号h11UWt+h12UWt、及び2番目のブロックの受信パイロット信号h11UWtを抽出する。UWtは、時間領域のパイロット信号であることを示す。
そして、MIMOチャネル推定部44-1は、抽出した受信パイロット信号h11UWt+h12UWtをフーリエ変換すると共に、受信パイロット信号h11UWtをフーリエ変換する。MIMOチャネル推定部44-1は、前者の結果から後者の結果を減算し、その結果をパイロット信号UWtのフーリエ変換結果UWfで除算することで、チャネル応答h12を推定する。また、MIMOチャネル推定部44-1は、後者の結果をパイロット信号UWtのフーリエ変換結果UWfで除算することで、チャネル応答h11を推定する。
同様に、MIMOチャネル推定部44-2は、受信信号y2から、FFTウィンドウオフセット分シフトした位置を基準にして、1番目のブロックの受信パイロット信号h21UWt+h22UWt、及び2番目のブロックの受信パイロット信号h21UWtを抽出する。
そして、MIMOチャネル推定部44-2は、抽出した受信パイロット信号h21UWt+h22UWtをフーリエ変換すると共に、受信パイロット信号h21UWtをフーリエ変換する。MIMOチャネル推定部44-2は、前者の結果から後者の結果を減算し、その結果をパイロット信号UWtのフーリエ変換結果UWfで除算することで、チャネル応答h22を推定する。また、MIMOチャネル推定部44-2は、後者の結果をパイロット信号UWtのフーリエ変換結果UWfで除算することで、チャネル応答h21を推定する。
図7は、WH構造のシンボルブロック構成におけるチャネル推定の概要を説明する図であり、図3(1)に対応している。
MIMOチャネル推定部44-1は、受信信号y1から、FFTウィンドウオフセット分シフトした位置を基準にして、1番目のブロックの受信パイロット信号h11UWt+h12UWt、及び2番目の受信パイロット信号h11UWt-h12UWtを抽出する。
そして、MIMOチャネル推定部44-1は、抽出した受信パイロット信号h11UWt+h12UWtをフーリエ変換すると共に、受信パイロット信号h11UWt-h12UWtをフーリエ変換する。MIMOチャネル推定部44-1は、前者の結果と後者の結果を加算し、その結果を、パイロット信号UWtのフーリエ変換結果UWfを2倍した値で除算することで、チャネル応答h11を推定する。また、MIMOチャネル推定部44-1は、フーリエ変換の前者の結果から後者の結果を減算し、その結果を、パイロット信号UWtのフーリエ変換結果UWfを2倍した値で除算することで、チャネル応答h12を推定する。
同様に、MIMOチャネル推定部44-2は、受信信号y2から、FFTウィンドウオフセット分シフトした位置を基準にして、1番目のブロックの受信パイロット信号h21UWt+h22UWt、及び2番目の受信パイロット信号h21UWt-h22UWtを抽出する。
MIMOチャネル推定部44-2は、抽出した受信パイロット信号h21UWt+h22UWtをフーリエ変換すると共に、受信パイロット信号h21UWt-h22UWtをフーリエ変換する。MIMOチャネル推定部44-2は、前者の結果と後者の結果を加算し、その結果を、パイロット信号UWtのフーリエ変換結果UWfを2倍した値で除算することで、チャネル応答h21を推定する。また、MIMOチャネル推定部44-2は、フーリエ変換の前者の結果から後者の結果を減算し、その結果を、パイロット信号UWtのフーリエ変換結果UWfを2倍した値で除算することで、チャネル応答h22を推定する。
尚、MIMOチャネル推定部44-1,44-2は、フーリエ変換を行った後に、加算処理及び減算処理を行うようにしたが、加算処理及び減算処理を行った後に、フーリエ変換を行うようにしてもよい。
図4に戻って、フーリエ変換部45-1は、MIMOブロック番号検出部41-1からMIMO SC-FDEブロックを入力する。そして、フーリエ変換部45-1は、一連のMIMO SC-FDEブロックに含まれる、後段の周波数領域MIMOチャネル等化部46にて周波数領域等化を行うシンボル数(予め設定されたMIMO検出範囲シンボル数SS)に対応する時間領域のMIMOブロック番号シンボル系列、データシンボル系列、パイロット信号系列、パイロット信号系列、MIMOブロック番号シンボル系列、データシンボル系列、・・・、MIMOブロック番号シンボル系列、データシンボル系列及びパイロット信号系列を抽出し、これらのシンボル系列を周波数領域にフーリエ変換する。
フーリエ変換部45-1は、周波数領域の信号(例えば送信数が2の場合、周波数領域の信号r1(f))を周波数領域MIMOチャネル等化部46に出力する。
ここで、周波数領域等化を行うシンボル数は、前述の(B)の条件における前記式(1)のMIMO検出範囲シンボル数SSである。
フーリエ変換部45-1は、例えば図2(1)及び図3(1)に示した送信数が2の場合、第1の受信系統の受信信号y1において、周波数領域等化を行うシンボル数であるMIMO検出範囲シンボル数SS=4096に対応する時間領域のMIMOブロック番号シンボル系列、データシンボル系列、パイロット信号系列、パイロット信号系列、MIMOブロック番号シンボル系列、データシンボル系列及びパイロット信号系列を単位として、周波数領域にフーリエ変換する。
ここで、例えば送信数が2の場合、雑音電力検出部43-2は雑音電力n2を、MIMOチャネル推定部44-2はチャネル応答h21,h22を、フーリエ変換部45-2は周波数領域の信号r2(f)を、それぞれ周波数領域MIMOチャネル等化部46に出力する。
周波数領域MIMOチャネル等化部46は、例えば送信数が2の場合、雑音電力検出部43-1から雑音電力n1を入力すると共に、MIMOチャネル推定部44-1からチャネル応答h11,h12を入力し、さらにフーリエ変換部45-1から周波数領域の信号r1(f)を入力する。また、周波数領域MIMOチャネル等化部46は、雑音電力検出部43-2から雑音電力n2を入力すると共に、MIMOチャネル推定部44-2からチャネル応答h21,h22を入力し、さらにフーリエ変換部45-2から周波数領域の信号r2(f)を入力する。
周波数領域MIMOチャネル等化部46は、雑音電力n1,n2、チャネル応答h11,h12,h21,h22及び周波数領域の信号r1(f),r2(f)に基づいて、周波数領域の信号r1(f),r2(f)に混ざり合った送信信号x1,x2を、ゼロフォーシング(ZF)基準または最小平均二乗誤差(MMSE)基準等を用いて等化(分離)する。
すなわち、周波数領域MIMOチャネル等化部46は、周波数領域等化を行うシンボル数(予め設定されたMIMO検出範囲シンボル数SS)に対応するMIMOチャネルH、並びに周波数領域等化を行うシンボル数(予め設定されたMIMO検出範囲シンボル数SS)に対応する周波数領域のMIMOブロック番号シンボル系列、データシンボル系列、パイロット信号系列、パイロット信号系列、MIMOブロック番号シンボル系列、データシンボル系列、・・・、MIMOブロック番号シンボル系列、データシンボル系列及びパイロット信号系列(及び雑音電力)を用いて、混ざり合った送信信号x1,x2を等化する。
周波数領域MIMOチャネル等化部46は、送信信号x1に対応する等化後の周波数領域の信号x1^(f)を逆フーリエ変換部47-1に出力すると共に、送信信号x2に対応する等化後の周波数領域の信号x2^(f)を逆フーリエ変換部47-2に出力する。
例えばゼロフォーシング基準を用いる場合、周波数領域MIMOチャネル等化部46は、MIMOチャネルH(チャネル応答h11,h12,h21,h22)及び周波数領域の信号r(f)(r1(f),r2(f))に基づいて、以下の式にてMIMOチャネル等化を行い、等化後の周波数領域の信号x^(f)(x1^(f),x2^(f))を求める。
[数3]
Figure 2023006463000003
また、最小平均二乗誤差基準を用いる場合、周波数領域MIMOチャネル等化部46は、雑音電力σ2、MIMOチャネルH(チャネル応答h11,h12,h21,h22)及び周波数領域の信号r(f)(r1(f),r2(f))に基づいて、以下の式にてMIMOチャネル等化を行い、等化後の周波数領域の信号x^(f)(x1^(f),x2^(f))を求める。雑音電力σ2は、雑音電力n1,n2に基づいて算出される。
[数4]
Figure 2023006463000004
ここで、周波数領域の信号r(f)は、以下の式にて表される。
[数5]
Figure 2023006463000005
また、等化後の周波数領域の信号x^(f)は、以下の式にて表される。
[数6]
Figure 2023006463000006
送信数をNt、受信数をNr、Nr次単位行列をINrとする。
逆フーリエ変換部47-1は、周波数領域MIMOチャネル等化部46から、送信信号x1に対応する等化後の周波数領域の信号x1^(f)を入力し、等化後の周波数領域の信号x1^(f)を時間領域に変換し、送信信号x1に対応する時間領域の信号をシンボル判定/尤度計算部48-1に出力する。
送信信号x1に対応する等化後の周波数領域の信号は、周波数領域等化が行われたシンボル数(予め設定されたMIMO検出範囲シンボル数SS)に対応する周波数領域のMIMOブロック番号シンボル系列、データシンボル系列、パイロット信号系列、パイロット信号系列、MIMOブロック番号シンボル系列、データシンボル系列、・・・、MIMOブロック番号シンボル系列、データシンボル系列及びパイロット信号系列である。
また、送信信号x1に対応する時間領域の信号は、周波数領域等化が行われたシンボル数(予め設定されたMIMO検出範囲シンボル数SS)に対応する時間領域のMIMOブロック番号シンボル系列、データシンボル系列、パイロット信号系列、パイロット信号系列、MIMOブロック番号シンボル系列、データシンボル系列、・・・、MIMOブロック番号シンボル系列、データシンボル系列及びパイロット信号系列である。
シンボル判定/尤度計算部48-1は、逆フーリエ変換部47-1から送信信号x1に対応する時間領域の信号を入力し、時間領域の信号から、MIMOブロック番号シンボル系列及びデータシンボル系列を抽出し、これらの系列に対してデマッピング及び尤度計算を行う。
シンボル判定/尤度計算部48-1は、MIMOブロック番号シンボル系列に対応する送信信号x1のメトリック系列を等化後MIMOブロック番号復号部49-1に出力する。また、シンボル判定/尤度計算部48-1は、データシンボル系列を構成する情報ビット系列(誤り訂正の符号化が施されているデータ)に対応した送信信号x1のメトリック系列を内デインタリーブ部51-1に出力する。メトリック系列は、硬判定後のビット系列、尤度、量子化された尤度等を用いることができる。
等化後MIMOブロック番号復号部49-1は、シンボル判定/尤度計算部48-1からMIMOブロック番号シンボル系列に対応した送信信号x1のメトリック系列を入力し、当該メトリック系列から、MIMOブロック番号に相当する値を抽出し、これを送信信号x1に対応する等化後MIMOブロック番号として等化後MIMOブロック番号判定部50に出力する。
等化後MIMOブロック番号判定部50は、等化後MIMOブロック番号復号部49-1から送信信号x1に対応する等化後MIMOブロック番号を入力すると共に、等化後MIMOブロック番号復号部49-2から送信信号x2に対応する等化後MIMOブロック番号を入力する。
等化後MIMOブロック番号判定部50は、これらの等化後MIMOブロック番号を比較し、これらの等化後MIMOブロック番号が一致している場合、等化後MIMOブロック番号をMIMOブロック番号比較部42-1,42-2に出力する。一方、等化後MIMOブロック番号判定部50は、これらの等化後MIMOブロック番号が一致していない場合、ブロック番号の同期位置を前後させた上で、MIMOブロック番号検出部41-1,41-2等におけるMIMOブロック番号検出以降の処理をやり直させる。
ここで、MIMOブロック番号比較部42-1,42-2において、MIMOブロック番号検出部41-1,41-2から入力されたMIMOブロック番号と、等化後MIMOブロック番号判定部50から入力された等化後MIMOブロック番号とが不一致であるものとする。この場合のMIMOチャネル推定部44-1,44-2により推定されるMIMOチャネルについて説明する。
MIMOブロック番号と等化後MIMOブロック番号が不一致である場合には、MIMOチャネル推定部44-1,44-2により推定されるMIMOチャネルHは、各要素が入れ替わるか、または反転することとなる。
図6に示したヌル構造の場合、チャネル応答h11の推定精度が劣化し、チャネル応答h12の値の正負が逆転すると共に、チャネル応答h21の推定精度が劣化し、チャネル応答h22の値の正負が逆転する。そのため、MIMOブロック番号と等化後MIMOブロック番号が不一致である場合、MIMOチャネル推定部44-1,44-2は、それぞれチャネル応答h12の値とチャネル応答h22の値にマイナスを乗算する等して、チャネル応答h12の値とチャネル応答h22の値の正負を逆転させる。さらに、減算の方向を後方から前方に逆転して処理することで、チャネル応答h11とh21の値が出力されるようになる。これにより、正常なMIMOチャネルの推定が可能になる。
また、図7に示したWH構造の場合、チャネル応答h12,h22の値の正負が逆転する。そのため、MIMOブロック番号と等化後MIMOブロック番号が不一致である場合、MIMOチャネル推定部44-1,44-2は、それぞれチャネル応答h12,h22の推定時に除算するUWとして、UWにマイナスを乗算したものを用いて推定するか、または得られたチャネル応答h12,h22の値にマイナスを乗算する等して、チャネル応答h12,h22の正負を逆転させる。これにより、正常なMIMOチャネルの推定が可能になる。
尚、MIMOブロック番号検出部41-1,41-2は、正常なMIMOブロック番号を検出するように、当該検出処理を1ブロック中断して再開するようにしてもよい。
内デインタリーブ部51-1は、シンボル判定/尤度計算部48-1からデータシンボル系列を構成する情報ビット系列に対応した送信信号x1のメトリック系列を入力し、当該メトリック系列に対して、図1に示した内インタリーブ部12-1の逆処理を行い、内デインタリーブ後の送信信号x1のメトリック系列を復号部52に出力する。
復号部52は、内デインタリーブ部51-1から内デインタリーブ後の送信信号x1のメトリック系列を入力すると共に、内デインタリーブ部51-2から内デインタリーブ後の送信信号x2のメトリック系列を入力する。そして、復号部52は、これらのメトリック系列に対して、図1に示した系統間振分け部11に対応する形で、1つの系列へ戻す処理を行う。そして、復号部52は、図1に示した送信前処理部10に対応するデインタリーブ処理、誤り訂正復号処理及びエネルギー逆拡散処理等を行い、これらの処理後のメトリック系列を復号し、元の情報ビット系列を出力する。
以上のように、本発明の実施形態の受信装置2によれば、図1に示した送信装置1から送信された変調波を受信する。MIMOチャネル推定部44-1,44-2は、MIMOチャネルを推定後、周波数領域等化を行うシンボル数(前述の(B)の条件における予め設定されたMIMO検出範囲シンボル数SS)と一致するように、MIMOチャネルのアップサンプリングを行う。
フーリエ変換部45-1,45-2は、周波数領域等化を行うシンボル数(前述の(B)の条件における予め設定されたMIMO検出範囲シンボル数SS)に対応する時間領域のMIMOブロック番号シンボル系列、データシンボル系列等を周波数領域にフーリエ変換する。
周波数領域MIMOチャネル等化部46は、MIMOチャネルH、並びに周波数領域等化を行うシンボル数(前述の(B)の条件における予め設定されたMIMO検出範囲シンボル数SS)に対応する周波数領域のMIMOブロック番号シンボル系列、データシンボル系列等(及び雑音電力)を用いて、混ざり合った送信信号x1,x2を等化する。
逆フーリエ変換部47-1,47-2は、周波数領域等化が行われたシンボル数(予め設定されたMIMO検出範囲シンボル数SS)に対応する周波数領域のMIMOブロック番号シンボル系列、データシンボル系列等の信号を時間領域に逆フーリエ変換する。
ここで、パイロット信号シンボル数cが2の累乗であるため、パイロット信号をフーリエ変換することができる。また、MIMO検出範囲シンボル数SSが2の累乗であるため、MIMO検出範囲をフーリエ変換及び逆フーリエ変換することができる。
さらに、MIMO検出範囲が前方にずれる、または遅延波が存在する場合であっても、図8(2)及び図9(2)に示したとおり、1番目のブロックにおける2つの連続するUWのうち後ろ(2番目)のUWがCPを兼ねるため、これらの影響を受けることがない。つまり、MIMOチャネルを精度高く推定すると共に、MIMOチャネル等化を精度高く行うことができる。
したがって、SC-FDE方式を用いたMIMO伝送を行う際に、有効なデータの割合が全送信信号に対して増えるため、同一のシンボルレートで比較した場合に、従来技術よりも伝送レートを高くすることができ、伝送効率を向上させることができる。
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば前記実施形態では、送信数として2,4の例を挙げて説明したが、送信数は、2,4以外の複数であってもよい。また、前記実施形態では、受信数として2の例を挙げて説明したが、受信数は単数であってもよいし、2以外の複数であってもよい。
また、前記実施形態では、ヌル構造及びWH構造のシンボルブロック構成の例を挙げて説明したが、シンボルブロック構成は、ヌル構造及びWH構造以外であってもよい。
また、図2(1)において、ヌルデータのパイロット信号が送信信号x2に挿入されるようにしたが、送信信号x1に挿入されるようにしてもよい。図3(1)に示した-UWのパイロット信号についても同様である。図2(2)及び図3(2)に示したヌルデータ及び-UWのパイロット信号も、送信系統間にてパイロット信号が直交している限り、送信信号x1に挿入されるようにしてもよい。
本発明の実施形態の送信装置1及び受信装置2は、SC-FDE方式を用いたMIMO伝送を行う放送または通信等の無線伝送システムに有用である。
1 送信装置(シングルキャリアMIMO送信装置)
2 受信装置(シングルキャリアMIMO受信装置)
10 送信前処理部
11 系統間振分け部
12 内インタリーブ部
13 マッピング部
14 MIMOブロック番号挿入部
15 パイロット信号挿入部
16,63 帯域制限フィルタ部
17 デジタル直交変調部
18 DA変換部
19 送信高周波部
20 送信アンテナ
30 受信アンテナ
40 受信処理部
41 MIMOブロック番号検出部
42 MIMOブロック番号比較部
43 雑音電力検出部
44 MIMOチャネル推定部
45 フーリエ変換部
46 周波数領域MIMOチャネル等化部
47 逆フーリエ変換部
48 シンボル判定/尤度計算部
49 等化後MIMOブロック番号復号部
50 等化後MIMOブロック番号判定部
51 内デインタリーブ部
52 復号部
60 受信高周波部
61 AD変換部
62 デジタル直交復調部
64 ブロック同期部
a MIMOブロック番号シンボル数
b データシンボル数
c パイロット信号シンボル数
d MIMO送信数
SS MIMO検出範囲シンボル数

Claims (2)

  1. 複数の送信アンテナを備え、前記複数の送信アンテナに対応する複数の送信系統のそれぞれについて、MIMO SC-FDE方式のブロックを生成し、送信系統毎の前記ブロックの変調波を、前記送信アンテナを介して送信するシングルキャリアMIMO送信装置において、
    送信対象のデータの符号化ビット系列に対して、前記複数の送信系統に振分けを行う系統間振分け部と、
    前記系統間振分け部により振分けられた前記送信対象のデータの符号化ビット系列に対して、所定の変調方式によりマッピングを行い、マッピング後のビット系列を出力する送信系統毎のマッピング部と、
    前記マッピング部により出力された前記マッピング後のビット系列に対して、MIMOブロック番号を所定位置に挿入し、前記MIMOブロック番号が挿入されたシンボル系列を出力する送信系統毎のMIMOブロック番号挿入部と、
    前記MIMOブロック番号挿入部により出力された前記MIMOブロック番号が挿入されたシンボル系列に対して、送信系統間で直交関係となる2つの連続するパイロット信号を所定位置に挿入し、前記2つの連続するパイロット信号、前記MIMOブロック番号及び前記送信対象のデータからなる前記ブロックを単位として、送信系統の数と同数の前記ブロックからなる検出対象ブロックのシンボル系列を生成する送信系統毎のパイロット信号挿入部と、を備え、
    前記MIMOブロック番号のシンボル数をMIMOブロック番号シンボル数aとし、前記送信対象のデータのシンボル数をデータシンボル数bとし、前記パイロット信号のシンボル数をパイロット信号シンボル数cとし、前記複数の送信アンテナの数をMIMO送信数dとし、周波数領域にて等化が行われるMIMO検出範囲のシンボル数をMIMO検出範囲シンボル数SSとし、
    前記MIMO検出範囲を、前記検出対象ブロックにおける1番目のブロックに含まれる前記MIMOブロック番号から、当該検出対象ブロックの次の検出対象ブロックにおける1番目のブロックに含まれる先頭のパイロット信号までの範囲として、
    前記パイロット信号挿入部は、
    前記パイロット信号シンボル数cが2の累乗であり(A)、前記MIMO検出範囲シンボル数SSが2の累乗であって、数式:SS=(a+b)×d+c×(2×d-1)にて表され(B)、及び、前記検出対象ブロックにおける1番目のブロックに含まれる前記2つの連続するパイロット信号が同じである(C)のそれぞれの条件を満たすように、前記パイロット信号を所定位置に挿入し、前記検出対象ブロックのシンボル系列を生成する、ことを特徴とするシングルキャリアMIMO送信装置。
  2. 単数または複数の受信アンテナを備え、シングルキャリアMIMO送信装置に備えた複数の送信アンテナから送信された変調波を、前記単数または複数の受信アンテナを介して対応する単数または複数の受信系統にて受信し、MIMO SC-FDE方式のブロックが多重された受信信号に含まれる受信パイロット信号に基づいてMIMOチャネルを推定し、周波数領域にて等化を行うシングルキャリアMIMO受信装置において、
    前記ブロックは、2つの連続するパイロット信号、MIMOブロック番号及びデータから構成されており、
    前記MIMOブロック番号のシンボル数をMIMOブロック番号シンボル数aとし、前記データのシンボル数をデータシンボル数bとし、前記パイロット信号のシンボル数をパイロット信号シンボル数cとし、前記複数の送信アンテナの数をMIMO送信数dとし、周波数領域にて等化が行われるMIMO検出範囲のシンボル数をMIMO検出範囲シンボル数SSとし、
    前記MIMO送信数dと同数の前記ブロックから検出対象ブロックが構成されるとし、前記MIMO検出範囲を、前記検出対象ブロックにおける1番目のブロックに含まれる前記MIMOブロック番号から、当該検出対象ブロックの次の検出対象ブロックにおける1番目のブロックに含まれる先頭のパイロット信号までの範囲とし、
    前記パイロット信号シンボル数cが2の累乗であり(A)、前記MIMO検出範囲シンボル数SSが2の累乗であって、数式:SS=(a+b)×d+c×(2×d-1)にて表され(B)、及び、前記検出対象ブロックにおける1番目のブロックに含まれる前記2つの連続するパイロット信号が同じである(C)として、
    前記パイロット信号をフーリエ変換し、前記MIMOチャネルを推定し、予め設定された前記MIMO検出範囲シンボル数SSと一致するように、前記MIMOチャネルのアップサンプリングを行い、アップサンプリング後のMIMOチャネルを出力する受信系統毎のMIMOチャネル推定部と、
    予め設定された前記MIMO検出範囲シンボル数SSに対応する前記MIMO検出範囲をフーリエ変換し、周波数領域の信号を出力する受信系統毎のフーリエ変換部と、
    前記MIMOチャネル推定部により出力された前記アップサンプリング後のMIMOチャネル、及び前記フーリエ変換部により出力された前記周波数領域の信号をそれぞれ入力し、予め設定された前記MIMO検出範囲シンボル数SSに対応する前記アップサンプリング後のMIMOチャネル及び前記周波数領域の信号を用いて、周波数領域にてMIMOチャネル等化を行う周波数領域MIMOチャネル等化部と、
    を備えたことを特徴とするシングルキャリアMIMO受信装置。
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