JP7132342B2 - 低融点樹脂を含む発泡体およびこれを含む成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、低融点樹脂を含む発泡体およびこれを含む成形体に関する。
プラスチック発泡成形体は、軽量性、緩衝性、断熱性、成形性、エネルギー節減などの有利な特性によって産業全般にわたって多様に用いられている。ポリスチレン、ポリオレフィンまたはポリ塩化ビニルのような高分子は、非結晶性であり、溶融点度が高くて、同時に、温度変化による粘度変化が少ないため、発泡が容易な特性を有していて、断熱材、構造材、緩衝材および包装容器などに多様に使用されている。しかしながら、上述した高分子は、火災に脆弱であり、環境ホルモンが放出され、物理的特性が低いという短所がある。
最近、環境に優しい発泡成形体の開発が活発に行われており、代表的な素材としてポリエステル発泡体が挙げられる。ポリエステルは、機械的特性に優れ、耐熱性および耐化学性などに優れているという長所があるが、結晶性樹脂として溶融し押出発泡して成形するのに困難がある。これに対し、技術の発達に伴い、ポリエステルも溶融押出時に発泡工程を通じて発泡成形体の製造が可能になった。例えば、ポリエステルに架橋剤を添加して押出発泡することによって、発泡成形体を製造することができる。
しかしながら、ポリエステル発泡体は、発泡倍率を高めるのに限界があり、使用用途が制限的であるという短所がある。したがって、前記ポリエステルの物理的性能に優れた長所を維持しつつ、発泡倍率が向上した発泡体の開発が要求されている。
本発明の目的は、加工性に優れ、物理的に優れた発泡体およびこれを含む成形体を提供することにある。
本発明は、上述した目的を達成するために、ポリエステル樹脂発泡体を含むコア部と;前記コア部を取り囲む構造であり、融点が150~250℃であるか、または軟化点が100~150℃であるポリエステル樹脂を含むシース部と;を含む発泡体を提供する。
また、本発明は、前記発泡体を含む成形体を提供する。
本発明による発泡体は、コア部および前記コア部を取り囲むシース部を含み、特に前記シース部は、低融点ポリエステル樹脂から形成されているので、強度および耐久性などの物性が低下することなく、優れた加工性を具現することができるという利点がある。
図1は、本発明による単位構造の断面を示す図である。
図2は、本発明による成形体の断面を示す図である。
本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な実施例を有することができるところ、特定の実施例を図面に例示し、詳細な説明に詳細に説明しようとする。
しかしながら、これは、本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されなければならない。
本発明において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないものと理解されなければならない。
したがって、本明細書に記載された実施例に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施例に過ぎないものであり、本発明の技術的思想を全部代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替できる多様な均等物と変形例がありえる。
本発明において、「単位構造」は、ビーズ発泡用発泡体を意味するものであり、より詳細には、ポリエステル樹脂発泡体を含むコア部と、前記コア部を取り囲む構造のポリエステル樹脂を含むシース部とを含む単位構造である。
一方、「成形体」は、発泡体が反復される構造を有するものであって、前記単位構造が反復される断面構造を有しうる。ただし、前記シース部を形成するポリエステル樹脂が相互間に部分融着された形態でありうる。
また、「融点」とは、固状の樹脂が液状に溶け始める温度を意味する。特に、「低融点樹脂」という表現は、相対的な意味で解釈され得るものであって、本発明では、融点が150~250℃であるか、または軟化点が100~150℃程度である、低い融点(または軟化点)を有する樹脂を意味する。
なお、本発明において「重合体」とは、単量体または重合可能な反応性基を含有する化合物の重合反応を通じて得られるオリゴマー(oligomer)および/または高分子(polymer)を意味する。
ひいては、本発明において「セル」とは、高分子内発泡により膨張した微細構造を意味する。
これと共に、本発明において「重量部」とは、各成分間の重量比を意味し、「モル部」とは、各成分間のモル(mol)分率を意味する。
図1は、本発明による単位構造の断面を示す図であり、図2は、本発明による発泡体の断面を示す図である。以下、図1および図2を参照して、本発明による発泡体を詳細に説明することとする。
本発明は、低融点樹脂を含む発泡体に関する。本発明による発泡体は、コア部110および前記コア部110を取り囲むシース部120からなる単位構造100を含み、特に、前記シース部120は、低融点ポリエステル樹脂から形成されているので、強度および耐久性などの物性が低下することなく、優れた加工性を具現することができる利点がある。
一つの実施例において、本発明による発泡体は、コア部110およびシース部120を含む単位構造100が反復される構造を含む。
具体的に、前記単位構造100は、コア-シース構造であり、前記コア部110は、ポリエステル樹脂発泡体100を含み、前記シース部120は、前記コア部110を取り囲む構造であって、融点が150~250℃であるか、または軟化点が100~150℃であるポリエステル樹脂から形成された構造である。
特に、前記発泡体が高融点のコア部110と低融点のシース部110を含み、成形体の成形時に、強度および耐久性などの物性が低下することなく、優れた加工性を具現することができる利点がある。
本発明において、「低融点」乃至「高融点」という表現は、相対的な意味で解釈され得る。本発明において、前記コア部110は、高融点のポリエステル樹脂発泡体から形成され得、前記シース部120は、融点が150~250℃であるか、または軟化点が100~150℃であるポリエステル樹脂から形成され得る。前記シース部120を成すポリエステル樹脂は、相対的な意味において低融点ポリエステル樹脂とも称することができる。
まず、単位構造100のコア部110は、ポリエステル樹脂発泡体を含むことができ、ポリエステル樹脂発泡体は、生分解性を有し、ポリエステルの物性を維持することができ、軟質特性および発泡成形加工性に優れていたら、大きく限定されない。
今まで主に使用されたポリエステル樹脂は、テレフタル酸と1,4-ブタンジオールの縮合重合反応により生産される高分子量の芳香族ポリエステル樹脂である。ここで、高分子量ポリエステルは、極限粘度[η]が0.8(dL/g)以上である高分子を意味する。しかしながら、前記芳香族ポリエステル樹脂は、高い分子量、熱的安定性、引張強度などの物性に優れているが、廃棄後に自然生態系内で分解されず、長期間残っていて、深刻な環境汚染問題を引き起こしている。
一方、脂肪族ポリエステルが生分解性を有しているという点は、すでに知られている。しかしながら、既存の脂肪族ポリエステルは、主鎖の柔軟な構造と低い結晶性に起因して溶融点が低く、溶融時に熱安定性が低いため、熱分解されやすく、溶融流れ指数が高くて、成形加工が容易でないと共に、引張強度や引裂強度などの物性が不良で、用途が制限される問題点があった。前記脂肪族ポリエステルは、例えば、ポリグリコライド、ポリカプロラクトン、ポリラクチドおよびポリブチレンスクシネートなどを含むことができる。
前記ポリエステルの種類を具体的に例示すると、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate、PET)、ポリスチレン(PS)、ポリブチレンテレフタレート(Polybutylene Terephthalate、PBT)、ポリ乳酸(Poly Lactic acid、PLA)、ポリグリコール酸(Polyglycolic acid、PGA)、ポリプロピレン(Polypropylene、PP)、ポリエチレン(Polyethylene、PE)、ポリエチレンアジペート(Polyethylene adipate、PEA)、ポリヒドロキシアルカノエート(Polyhydroxyalkanoate、PHA)、ポリトリメチレンテレフタレート(Polytrimethylene terephthalate、PTT)およびポリエチレンナフタレン(Polyethylene naphthalate、PEN)よりなる群から選ばれた一つ以上でありうる。具体的に、本発明では、ポリエチレンテレフタレート(PET)が使用され得る。
一方、前記コア部110のポリエステル樹脂発泡体は、高融点ポリエステル樹脂発泡体であり得、その融点が240℃以上でありうる。具体的に、融点は、240~300℃、240~280℃、240~260℃、241~255℃または245~255℃でありうる。
すなわち、本発明の単位構造100は、高融点ポリエステル樹脂発泡体のコア部110と、前記コア部110を取り囲む低融点ポリエステル樹脂のシース部120とからなり得る。特に、本発明による発泡体は、成形後にシース部120を成している低融点のポリエステル樹脂が溶融されて、相互間の樹脂が部分融着された形態を成すことができ、成形時に低融点樹脂による融着により形態を維持することができ、高融点樹脂により発泡セルの形態を維持することができる。
本発明によるコア部110は、発泡体であり、円形、楕円形または多角形の断面を有する球形(ビーズ)、円筒形、多面体などから構成され得る。
シース部120は、発泡体ではない。シース部120は、コア部110を完全に全体的にまたは部分的に取り囲むことができる。シース部120は、コア部110と対応する形状を有するか、異なる形状を有しうる。
単位構造100内でコア部110およびシース部120の体積比率は、10:90~90:10、20:80~80:20、30:70~70:30、40:60~60:40、45:55~55:45または50:50でありうる。
以下では、本発明によるシース部120を形成するポリエステル樹脂についてより具体的に説明する。
前記シース部120は、下記化学式1および化学式2で示す反復単位を含むポリエステル樹脂である場合を含む。
Figure 0007132342000001
Figure 0007132342000002
前記化学式1および化学式2で、
mおよびnは、ポリエステル樹脂に含有された反復単位のモル分率を示し、
m+n=1を基準としてnは、0.05~0.5、0.05~0.4、0.1~0.4、0.15~0.35または0.2~0.3であり得、mは、0.5~0.95、0.6~0.95、0.6~0.9、0.65~0.85または0.7~0.8でありうる。
前記シース部120のポリエステル樹脂は、低融点ポリエステル樹脂であることを特徴とする。前記低融点ポリエステル樹脂は、化学式1および2で示す反復単位を含む構造を有しうる。前記化学式1で示す反復単位は、ポリエチレンテレフタレート(PET)の反復単位を示し、化学式2で示す反復単位は、ポリエチレンテレフタレート(PET)反復単位を含むポリエステル樹脂の引裂特性を改善する機能を行う。具体的に、前記化学式2で示す反復単位は、テレフタレートに結合されたプロピレン鎖にメチル基(-CH)を側鎖として含み、重合された樹脂の主鎖が回転しうるように空間を確保することによって、主鎖の自由度の増加および樹脂の結晶性の低下を誘導して、融点(Tm)を低減することができる。これは、従来、結晶性ポリエステル樹脂の融点(Tm)を低減するために、非対称芳香族環を含有するイソフタル酸(isophthalic acid、IPA)を使用する場合と同じ効果を示すことができる。
この際、前記低融点ポリエステル樹脂は、エステル反復単位を含む化学式1の反復単位と共に、樹脂の融点(Tm)を低下させる化学式2の反復単位を主な反復単位として含むことができる。具体的に、本発明の低融点ポリエステル樹脂は、全体樹脂のモル分率を1にした場合、化学式1および2で示す反復単位を0.5~1で含むことができ、具体的には、0.55~1、0.6~1、0.7~1、0.8~1、0.5~0.9、0.5~0.85、0.5~0.7、または0.6~0.95で含むことができる。
また、低融点ポリエステル樹脂に含まれた化学式2で示す反復単位の量(n)は、化学式1で示す反復単位を含む総分率が1である場合(m+n=1)、0.05~0.5であり得、具体的には、0.05~0.4、0.1~0.4、0.15~0.35、または0.2~0.3でありうる。
なお、前記低融点ポリエステル樹脂の融点(Tm)は、150℃~250℃であるか、融点が存在しなくてもよい。具体的に、前記融点(Tm)は、150℃~250℃、160℃~240℃、170℃~230℃、180℃~220℃、190℃~210℃、195℃~200℃、150℃~170℃、155℃~165℃であるか、存在しなくてもよい。
これと共に、前記低融点ポリエステル樹脂の軟化点は、100℃~150℃であり得、具体的には、100℃~130℃、118℃~128℃、120℃~125℃、121℃~124℃、124℃~128℃、または119℃~126℃でありうる。
ひいては、前記低融点ポリエステル樹脂は、50℃以上のガラス転移温度(Tg)を有しうる。具体的に、前記ガラス転移温度は、50℃~80℃であり得、より具体的に61℃~69℃、60℃~65℃、63℃~67℃、61℃~63℃、63℃~65℃、65℃~67℃、または62℃~67℃でありうる。
また、前記低融点ポリエステル樹脂は、0.5dl/g~0.75dl/gの固有粘度(I.V)を有しうる。具体的に、前記固有粘度(I.V)は、0.6dl/g~0.65dl/g、0.65dl/g~0.70dl/g、0.64dl/g~0.69dl/g、0.65dl/g~0.68dl/g、0.67dl/g~0.75dl/g、0.69dl/g~0.72dl/g、0.7dl/g~0.75dl/g、または0.63dl/g~0.67dl/gでありうる。
本発明による低融点ポリエステル樹脂は、化学式2で示す反復単位を含み、融点(Tm)、軟化点およびガラス転移温度(Tg)を前記範囲に調節することができ、前記範囲に物性が調節された樹脂は、優れた接着性を示すことができる。
一方、前記シース部120を形成する低融点ポリエステル樹脂は、化学式1および2で示す反復単位と共に、下記化学式3で示す反復単位をさらに含むことができる。
Figure 0007132342000003
前記化学式3で、
Xは、2-メチルプロピレン基、エチレン基またはオキシジエチレン基であり、
rは、低融点ポリエステル樹脂に含有された反復単位のモル分率であって、0.3以下である(m+n+r=1を基準とする)。
具体的に、前記化学式3でrは、0~0.3、0.25以下、0.2以下、0.15以下または0.1以下でありうる。
前記化学式3で示す反復単位を共に使用することによって、低融点の具現と共に、重合時に発生する副産物、例えば重合度2~3の環状化合物の含量を顕著に減少させることができる。
一例として、本発明による低融点ポリエステル樹脂は、重合度2~3の環状化合物の含量が顕著に減少して、全体樹脂重量を基準として1重量%で含むことができ、具体的には、全体樹脂重量を基準として0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、または0.2重量%以下で含むか、前記環状化合物を含まなくてもよい。
なお、本発明による発泡体は、平均坪量が300~3,000g/mの範囲でありうる。具体的に前記坪量は、350~2,500g/m、380~2,000g/m、400~1,500g/m、430~1,000g/m、450~950g/m、480~900g/m、500~850g/m、530~800g/mあるいは550~750g/mの範囲でありうる。
本発明による発泡体の坪量が前記範囲を満たすことによって、軽量性を満たすと同時に、向上した屈曲強度および屈曲弾性率を具現することができ、これにより、建築用資材または自動車用資材で作業時に運搬および施工が容易であるという効果がある。
本発明による発泡体の密度(成形前の密度)は、20~500kg/mでありうる。具体的に、前記発泡体の密度は、20~500kg/m、50~450kg/m、80~400kg/m、110~350kg/m、130~300kg/m、160~250kg/m、190~200kg/m、50~150kg/mまたは80~120kg/mでありうる。本発明による発泡体の密度は、前記範囲を有することによって、薄い厚さを満たすと共に、向上した圧縮強度を具現することができる。
本発明による発泡体の成形後の密度は、180℃および30秒の成形条件で100kg/m以下、10~100kg/m、20~90kg/mまたは30~80kg/mでありうる。また、発泡体の成形後の密度は、180℃および20秒の成形条件で80kg/m以下、10~80kg/m、20~70kg/mまたは30~60kg/mでありうる。
一例として、本発明によるコア部110に含まれるポリエステル発泡体は、90%以上のセルが閉鎖セル(DIN ISO4590)でありうる。上限は、100%、99%、98%、97%、96%または95%でありうる。
一方、発泡体の平均セルサイズは、110~450μm、130~430μm、150~410μm、180~400μm、200~380μm、220~360μm、あるいは250~350μmを有しうる。発泡シートの平均セルサイズが前記範囲である場合、成形体の成形性が向上することができる。
一例として、本発明による発泡体は、ビーズ発泡成形体でありうる。具体的に、発泡方法の種類には、大きく、押出発泡とビーズ発泡がある。前記押出発泡は、樹脂を加熱して溶融させ、前記樹脂溶融物を連続的に押出および発泡させることによって、工程を単純化することができ、大量生産が可能な発泡方法である。
反面、ビーズ発泡は、ビーズを加熱して1次発泡させ、これを適当な時間熟成させた後、板状および筒状などの金型に満たし、再び加熱して、2次発泡により融着および成形して製品を作る方法である。より具体的に、本発明による発泡体は、ビーズ発泡成形することによって、複雑な3D構造の製品を成形することができ、成形時に温度と時間を低減することによって、工程費用の削減が可能であり、コア部とシース部の樹脂の相溶性に優れていて、形態維持力に優れているという利点がある。
具体的に、例えば、包装容器成形体を製造するために、まず、ビーズを製造する。ビーズは、コア部形成用高融点樹脂がシース部形成用低融点樹脂で取り囲まれるように、共押出発泡方式による発泡を通じて製造することができる。コア部形成用高融点樹脂は、発泡剤を含み、シース部形成用低融点樹脂は、発泡剤を含まない。次に、多数のビーズを包装容器形の金型に満たし、再び加熱して、発泡により融着および成形して、製品を作ることができる。2次発泡と成形は、同時に行われる。
発泡時の成形温度は、150℃~250℃、150℃~230℃、150℃~210℃、150℃~190℃、150℃~180℃、170℃~190℃または175℃~185℃でありうる。成形時間は、1~60秒、3~50秒、5~40秒、10~35秒、15~30秒または20~30秒でありうる。
一例として、本発明による発泡体は、親水化機能、防水機能、難燃機能または紫外線遮断機能を有することができ、界面活性剤、紫外線遮断剤、親水化剤、難燃剤、熱安定剤、防水剤、セルサイズ拡大剤、赤外線減衰剤、可塑剤、防火化学薬品、顔料、弾性ポリマー、押出補助剤、酸化防止剤、充填剤、空転防止剤およびUV吸収剤よりなる群から選ばれる一つ以上の機能性添加剤をさらに含むことができる。具体的に、本発明の発泡体は、鎖延長添加剤、充填剤、熱安定剤および発泡剤を含むことができる。
前記鎖延長添加剤は、特に限定しないが、本発明では、例えばピロメリット酸二無水物(PMDA)が使用され得る。
前記充填剤の例としては、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、炭酸水素ナトリウム、ガラスビーズなどの無機化合物と;ポリテトラフルオロエチレン、アゾジカーボンアミドなどの有機化合物と;炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物と;窒素などの不活性ガスなどが挙げられる。このような充填剤は、樹脂発泡体の機能性付与、価格節減などの役割をすることができる。具体的に、本発明では、タルク(Talc)が使用され得る。
前記熱安定剤は、有機リンまたは無機リン化合物でありうる。前記有機リンまたは無機リン化合物は、例えばリン酸およびその有機エステル、亜リン酸およびその有機エステルでありうる。例えば、前記熱安定剤は、商業的に入手可能な物質であって、リン酸、アルキルホスフェートまたはアリールホスフェートでありうる。具体的に、本発明において熱安定剤は、トリフェニルホスフェートでありうるが、これに制限されるものではなく、前記樹脂発泡体の熱的安定性を向上させることができるものであれば、通常の範囲内で制限なしに使用可能である。
前記発泡剤の例としては、N、CO、フレオンなどのガスと;ブタン、ペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、メチルクロリドなどの物理的発泡剤と;アゾジカーボンアミド(azodicarbonamide)系化合物、P,P’-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)[P,P’-oxy bis(benzene sulfonyl hydrazide)]系化合物、N、N’-ジニトロソペンタメチレンテトラアミン(N,N’-dinitroso pentamethylene tetramine)系化合物などの化学的発泡剤があり、具体的に、本発明では、COが使用され得る。
前記界面活性剤は、特に限定されず、アニオン系界面活性剤(例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩など)、非イオン系界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミドなど)、陽イオン系および両性イオン系界面活性剤(例えば、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルベタイン、アミンオキシドなど)および水溶性高分子または保護コロイド(例えば、ゼラチン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール部分けん化物など)などを含むことができる。
また、防水剤は、特に限定されず、例えば、シリコン系、エポキシ系、シアノアクリル酸系、ポリビニルアクリレート系、エチレンビニルアセテート系、アクリレート系、ポリクロロプレン系、ポリウレタン樹脂とポリエステル樹脂の混合体系、ポリオールとポリウレタン樹脂の混合体系、アクリルポリマーとポリウレタン樹脂の混合体系、ポリイミド系およびシアノアクリレートとウレタンの混合体系などの混合物を含むことができる。
また、紫外線遮断剤は、特に限定されず、例えば、有機系または無機系紫外線遮断剤であり得、前記有機系紫外線遮断剤の例としては、p-アミノ安息香酸誘導体、ベンジリデンカンファー誘導体、ケイ皮酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体およびこれらの混合物が挙げられ、前記無機系紫外線遮断剤の例としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マンガン、二酸化ジルコニウム、二酸化セリウムおよびこれらの混合物を含むことができる。
また、本発明は、上述した発泡体を含む成形体10を提供する。
前記成形体10は、発泡体のコア110およびシース部120を含む単位構造が反復される断面形状を有し、隣接するシース部120を形成するポリエステル樹脂は、相互間に部分融着された形態でありうる。
具体的に、成形体10は、前記単位構造100が反復される断面構造を有するものであって、配列構造は、特に制限されないが、例えば、単位構造100のシース部120を形成するポリエステル樹脂は、前記ポリエステル樹脂相互間に部分融着された形態でありうる。樹脂相互間に部分融着された形態は、熱および/または圧力を加える熱成形および/またはビーズ発泡過程で形成され得る。本発明によるシース部120は、融点が低いポリエステル樹脂である低融点樹脂を含むことによって、低温成形を通じて前記ポリエステル樹脂相互間に部分融着された形態を形成することができる。
以下、本発明を実施例および実験例によりさらに詳細に説明する。
ただし、下記実施例および実験例は、本発明を例示するものに過ぎず、本発明の内容が下記実施例および実験例に限定されるものではない。
参考例
コア部形成用高融点PET樹脂(発泡剤を含む)とシース部形成用低融点PET樹脂(発泡剤を含まない)を共押出発泡して、発泡ビーズを製造した。製造された多数の発泡ビーズを包装容器形状の金型に充填して、発泡体を製造した。
この際、高融点PET樹脂の融点は、250℃であり、低融点PET樹脂の融点は、160℃であり、2次発泡時の成形温度は、180℃であった。なお、コア部とシース部の体積比率は、50:50(%)であった(表1参照)。
実施例2
コア部とシース部の体積比率を80:20(%)に変更したことを除いて、実施例1と同じ方法で容器を製造した。
比較例1
低融点PET樹脂を使用することなく、融点が250℃である高融点PET樹脂のみを利用したことを除いて、実施例1と同じ方法で容器を成形した。
比較例2
高融点PET樹脂を使用することなく、融点が160℃である低融点PET樹脂のみを利用したことを除いて、実施例1と同じ方法で容器を成形した。
実験例
実施例と比較例の素材、成形条件および物性を下記表1に示した。
Figure 0007132342000004
表1を参照すると、実施例1および2で製造した包装容器は、低い成形温度で成形することができ、成形時間も低減しつつ、成形性に優れた製品を生産することができた。なお、成形時に発生する製品密度の増加を防止することができた。
比較例1は、比較的高い温度(240℃)で成形することができ、成形時間も長く、成形後の製品密度が増加した。一方、比較例2は、低い温度で短時間に成形することができたが、密度が増加し、成形時に破断されて、成形性が良くなかった。

Claims (6)

  1. 融点240℃以上の高融点ポリエチレンテレフタレート樹脂発泡体を含むコア部と;
    コア部を全体的に取り囲み、融点が150℃以上240℃未満であるか、または軟化点が100~150℃である低融点ポリエチレンテレフタレート樹脂非発泡体を含むシース部と;を含み、
    コア部およびシース部の合計体積100%を基準として、コア部の体積は60~90%であり、シース部の体積は10~40%である、発泡ビーズ。
  2. シース部の低融点ポリエチレンテレフタレート樹脂は、下記化学式1および化学式2で示す反復単位を含む、請求項1に記載の発泡ビーズ:
    Figure 0007132342000005
    Figure 0007132342000006
    化学式1および化学式2で、
    mおよびnは、低融点ポリエチレンテレフタレート樹脂に含有された反復単位のモル分率を示し、
    m+n=1を基準として、nは、0.05~0.5であり、mは、0.5~0.95である。
  3. シース部の低融点ポリエチレンテレフタレート樹脂は、下記化学式3で示す反復単位をさらに含む、請求項2に記載の発泡ビーズ:
    Figure 0007132342000007
    化学式3で、
    Xは、2-メチルプロピレン基、エチレン基またはオキシジエチレン基であり、
    rは、低融点ポリエチレンテレフタレート樹脂に含有された反復単位モル分率であって、m+n+r=1を基準として、0.3以下である。
  4. 発泡ビーズの平均密度は、20~500kg/mである、請求項1に記載の発泡ビーズ。
  5. 請求項1に規定の発泡ビーズを含む成形体。
  6. 発泡ビーズのコア部およびシース部を含む単位構造が反復される断面形状を有し、
    隣接したシース部は、低融点ポリエチレンテレフタレート樹脂相互間に部分融着された形態を有する、請求項5に記載の成形体。
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