JP7130358B2 - 金属弾性素子およびそれを用いたダイヤフラム - Google Patents

金属弾性素子およびそれを用いたダイヤフラム Download PDF

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Description

本発明は、二相ステンレス鋼を用いた金属弾性素子およびそれを用いたダイヤフラムに関する。
流体を扱う産業では圧力が重要な管理項目のひとつとであり、圧力変動をモニタリングする金属弾性素子を備えたセンサーの安定性は該当する産業を支える必須な技術的要素である。当該弾性素子のセンシング精度を失する要因は接液部位の腐食とされてきた。金属弾性素子の受圧面は種々の液性を有する流体あるいは配管の洗浄剤にさらされて腐食により減肉し、塑性変形してしまうと考えられてきた。
そのため本発明者らは、当該弾性素子の品質を向上するには、耐食性の向上が必須と考え、素材として耐食性が優れる二相ステンレス鋼を適用することで金属弾性素子の耐食性の課題を解決してきている。(特許文献1、2参照)
しかし、耐食性の改善により長期的な安定性が向上したものの、測定対象の流体から受ける水撃作用による急激な圧力増加により、素子の弾性変形能を上回る応力が発生すると、金属弾性素子は0点へ復元しない場合がある。当該金属弾性素子にとって除圧後の0点への復元はセンサー素子として必須な機能であり、突発的な圧力変動後も正確にセンシングする必要がある。水撃作用は配管内の流体の慣性で起こる現象であり、弁の閉鎖やポンプの停止時など日常的な作業に起因する一般的な現象である。よって、安定したセンシングを可能とし、品質の更なる向上のためには金属弾性素子において水撃対策が重要である。
金属弾性素子の復元性は除荷後の形状が元に戻る復元力の大きさと関係があると考えられる。材料の一般的な特性として、弾性領域が大きい材料ほど負荷を弾性エネルギーとして蓄える能力が高い。また、耐力が高い材料ほど、変形モードが弾性変形から塑性変形へ移行する応力レベルが高く、弾性領域が相対的に拡大する。
すなわち、センサー用金属弾性素子の課題解決のシナリオとして、「材料の耐力あるいは強度を高めるならば、弾性変形能が向上して0点への復元性が改善する。」ということが材料科学の知見から導かれる。しかし、これまでのところ上述の問題は解決に至っておらず、マクロな素材強度と金属弾性素子の復元性とに明瞭な関係性が見出されていないのが実情である。
特開2015-059247号公報 特開2014-141726号公報
従来の知見による「耐力が高い材料ほど、復元性が増す。」という推論に対し、本発明者らは以下に示すような実験結果を得ており、金属弾性素子の根本的な品質の向上には至っていなかった。
(1)圧力負荷時の金属弾性素子に発生する最大応力のシミュレーション値に対し、十分な耐力を有する二相ステンレス鋼を素材とした金属弾性素子を用いたとしても、当該金属弾性素子は期待された復元性を示さない。
(2)金属弾性素子において、材料強度の偏差は引張試験機の精度と同等レベルで再現性が認められるが、材料強度の増大に伴い、復元性の偏差が大きくなる傾向にある。
本発明は、以上説明のような従来の実情に鑑みなされたものであり、流体の圧力変動のセンシングなどに好適な金属弾性素子であって、急激な圧力変動を受けた場合であっても良好な復元性を発揮する金属弾性素子とそれを用いたダイヤフラムの提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の金属弾性素子は、Cr:24質量%以上26質量%以下、Mo:2.5質量%以上3.5質量%以下、Ni:5.5質量%以上7.5質量%以下、C:0.03質量%以下、N:0.06質量%超0.08質量%未満、残部Feおよび不可避不純物の組成を有する二相ステンレス鋼からなる金属弾性素子であって、厚さ方向と平行に<111>γと<110>αが配向した繊維集合組織を有し、0.2%耐力が1400~1750MPaであり、耐力に対し52~80%の試験荷重を負荷した後、除荷後の残留変位が0.7μm以下であることを特徴とする
本発明において、耐力に対し52~80%の試験荷重を負荷した後、除荷後の残留変位が0.7μm以下とされたことが好ましい。
本発明のダイヤフラムは、先のいずれかに記載の金属弾性素子からなる。
本発明によれば、Cr、Mo、Ni、C、Nを個々に規定量含み、厚さ方向と平行に<111>γと<110>αが配向した繊維集合組織を有する二相ステンレス鋼からなる高い耐力と優れた耐食性を有する金属弾性素子を提供できる。また、圧力負荷時に作用すると想定できる最大応力に対し優れた復元性を有し、しかもその復元性の偏差が小さく、復元性の製品バラツキを少なくすることができる金属弾性素子を提供することができる。本発明のダイヤフラムであるならば、高い耐力と優れた耐食性を有し復元性に優れ、復元性の製品バラツキの少ないダイヤフラムを提供できる。

本発明に係る金属弾性素子を適用したダイヤフラムの第1実施形態を示す概略断面図。 本発明に係る金属弾性素子を適用したダイヤフラムを備えた加圧センサーの一実施形態を示す概略断面図。 本発明に係る金属弾性素子を適用したダイヤフラムを備えたダイヤフラムバルブの一実施形態を示す概略断面図。 本発明に係る金属弾性素子を適用したダイヤフラムを備えた加圧センサーの他の実施形態を示すもので、図4(A)は横断面図、図4(B)は平面図。 複数の金属弾性素子試料を用いて測定した残留変位を示すグラフ。
以下に本発明に係る二相ステンレス鋼の金属弾性素子からなるダイヤフラムの一実施形態および該ダイヤフラムを備えた加圧センサーの一実施形態について説明する。
本実施形態のダイヤフラム1は、中央部が上部側へ膨出された曲率半径を有する部分球殻形状(ドーム形状)のドーム部2と、このドーム部2の周縁に境界部3を介し連続的に形成された鍔部4を備えてなる構造を1つの形態として採用できる。この形態のダイヤフラム1は、図示略のケーシング等に収容されて配管などに取り付けられ、配管の内部を流れる流体の圧力を受けて変形し、流体圧の計測などに使用される。このようなダイヤフラムを圧力センサーに適用した一例を図2に示す。
また、前記ダイヤフラムは、図示略のケーシング等に収容されてケーシング内部の流路を開閉するダイヤフラムバルブなどに使用される。ダイヤフラムをダイヤフラムバルブに適用した一例を図3に示す。また、ダイヤフラム上に絶縁層を介してひずみゲージを形成することで、圧力センサーとして利用することができる。ひずみゲージを備えた圧力センサーにダイヤフラムを適用した一例を図4に示す。
ダイヤフラムの適用例はこれらに限らず種々の形態を考えられるが、いずれにおいてもこれらのダイヤフラムは後に詳述する二相ステンレス鋼からなり、高強度化を達成でき、耐食性に優れ、平滑な表面状態(鏡面)を得ることができる特徴を有している。
ダイヤフラム1を構成する二相ステンレス鋼として、Cr:24質量%以上26質量%以下、Mo:2.5質量%以上3.5質量%以下、Ni:5.5質量%以上7.5質量%以下、C:0.03質量%以下、N:0.06質量%超0.08質量%未満、残部Feおよび不可避不純物の組成を有する二相ステンレス鋼を採用できる。また、上述の組成比に加え、二相ステンレス鋼には、他の添加元素として、Mn:2.0質量%以下を添加することもでき、更に、Si:1.0質量%以下が含まれていても良い。
ダイヤフラム1を形成する二相ステンレス鋼は、オーステナイト相(γ相)とフェライト相(α相)の比率が近い範囲の二相組織を呈し、上述の組成比を有する。ただし、オーステナイト相とフェライト相の比率について同率である必要はなく、二相が共存した組織であればよい。各成分の限定理由について以下に説明する。
Cr(クロム):Crは大気腐食からの保護に必要な安定した不動態皮膜を形成するために必要であり、二相ステンレス鋼として20質量%以上が必要であるが、本実施形態のダイヤフラム1において必要な耐食性と強度などを達成するためには24質量%以上26質量%以下程度必要である。
Mo(モリブデン):MoはCrが二相ステンレス鋼に耐孔食性を付与することを補助する。上述の範囲のCrを含有する二相ステンレス鋼に対しMoを2.5質量%以上3.5質量%以下程度含有させることで孔食や隙間腐食への耐性をCrのみ含有する場合よりも向上させることができる。
N(窒素):Nは、二相ステンレス鋼の耐孔食性と耐隙間腐食性を高める。また、Nは二相ステンレス鋼の強度向上に寄与し、有効な固溶体強化元素である。Nは、靭性の向上にも寄与するので、0.06質量%超0.08質量%未満程度含有することが好ましい。特に、N含有量が少ない場合は二相ステンレス鋼中のフェライト相の割合が多くなることにより、強度や耐食性が低下する。上述の範囲内であっても、0.07質量%以上0.08質量%未満の範囲がより望ましい。
Ni(ニッケル):Niはステンレス鋼の結晶構造を体心立方(フェライト)から面心立方(オーステナイト)への変化を促進し、オーステナイト相の安定化に寄与し、加工性を確保するためにも必要である。このため、Niは、5.5質量%以上7.5質量%以下程度含有することが好ましい。
C(炭素):炭素は脆さの原因となるカーバイドの生成を抑制するため低い含有量であることが好ましい。このため、C含有量を0.03質量%以下とする。また、CはCrと結合した状態で組織内に存在すると粒界から腐食される原因となるため、C量は低いことが好ましい。
前記二相ステンレス鋼には、他の添加元素として、Si:1.0質量%以下、Mn:2.0質量%以下が含まれていても良い。また、その他の不可避不純物は0.5質量%程度含んでいても良い。不可避不純物として、P、S、Alなどを例示することができる。
上述した組成比の二相ステンレス鋼について、上述の組成の合金溶湯から不活性ガス中で溶製し、鋳片から鍛造や熱間圧延、冷間圧延、スウェージ加工などの常法を用いて目的の形状、円盤状やドーム形状に加工してダイヤフラムを得ることができる。
本実施形態の目的を達成するために、冷間加工、例えば、冷間スウェージ加工により、減面率50%以上、あるいは、減面率80%以上の加工を施し、その後、必要に応じて焼鈍したものを用いることができる。
なお、ダイヤフラムを上述の組成比の二相ステンレス鋼によって製造し、後述するようにダイヤフラムの厚さ方向に<110>α+<111>γを配向させた繊維集合組織とするためには、冷間スウェージ加工のような棒材を引き延ばす加工方法を前提とし、引き延ばした棒材を輪切りとしてから目的の円盤形状やドーム形状等のダイヤフラムに加工する製造方法を採用することが好ましい。
このような製造方法によれば、ダイヤフラムの厚さ方向に目的の配向性を持たせた繊維集合組織を得やすい特徴を有する。
上述の組成の二相ステンレス鋼に対し、300~500℃で時効熱処理を施すこともできる。この時効処理を施すことで、二相ステンレス鋼を時効硬化させ、0.2%耐力で1400MPa~1750MPa程度の高耐力を示す耐食性に優れた二相ステンレス鋼を得ることもできる。なお、上述の加工によりダイヤフラム形状に加工してから時効熱処理するならば、0.2%耐力で1400MPa~1750MPaの高耐力を示す耐食性に優れたダイヤフラムを得ることができる。
二相ステンレス鋼の時効硬化については、本発明者が先に見出した現象である。また、上述の組成比の二相ステンレス鋼に対し500℃を超える温度、例えば650℃で熱処理して時効すると、耐力や引張強度は向上するものの、破断伸びが得られず、引張試験において弾性変形終了直後に脆性破壊を呈する。更に、熱処理温度が200℃程度と低い場合は時効硬化する割合が低く、減面率の条件によっては室温での硬さより低下する。
このため、熱処理温度は300~500℃の範囲が好ましく、350~500℃の範囲がより好ましい。上述の時効熱処理が有効に作用することで、1500MPa以上の二相ステンレス鋼となる。
以上説明の方法で得られた二相ステンレス鋼からなるダイヤフラム1である場合、ダイヤフラム1の厚さ方向に平行に<111>γ+<110>αの繊維集合組織が配向していることが望ましい。
厚さ方向に平行に<111>γ+<110>αの繊維集合組織が配向している二相ステンレス鋼からなるダイヤフラム1であるならば、上述の優れた耐力と優れた耐食性を示すと同時に、耐力より低い低応力範囲で発生する可能性のあるγ相内の微小なすべり変形を抑制できる。
このことから、ダイヤフラム1において加圧後の残留変位を小さくすることができ、バラツキの少ないダイヤフラム1を提供できる。
なお、上述の二相ステンレス鋼であるならば、例えば、得られる耐力範囲1400~1750MPaとして、耐力に対し52~80%(52%以上80%以下)の試験荷重を負荷した後、除荷後の残留変位を1.3μm以下とすることができる。試験荷重については、前述の範囲内であっても、耐力1400MPaの二相ステンレス鋼であれば、65~80%の範囲が望ましく、耐力1500MPaの二相ステンレス鋼であれば、61~74%の範囲が望ましく、耐力1750MPaの二相ステンレス鋼であれば、52~64%の範囲が望ましい。即ち、試験荷重として、耐力が1400~1750MPaの二相ステンレス鋼の場合に52~80%の範囲を選択できる。
なお、上述の範囲はいずれも下限と上限を含む範囲を意味する。本明細書において上限値と下限値を~で結んで表示する場合は特に表記しない限り、上限と下限を含む範囲を意味する。このため、例えば、1400~1750MPaは1400MPa以上1750MPa以下の範囲を意味する。
これらの範囲において、試験荷重を負荷した場合、除荷後の残留変位を0.7μm以下とした二相ステンレス鋼を提供できる。
図2は上述の二相ステンレス鋼からなるダイヤフラムを圧力センサーに適用した一実施形態の構造を示す。
図2に示す圧力センサー10は、圧力測定の対象流体を導入する導入路を備えたキャップ部材5とキャップ部材5の内部に一体化されたダイヤフラム6を備えている。このダイヤフラム6は、薄肉の受圧部6Aとその外周縁を囲むように延設された筒部6Bと該筒部6Bの外周に形成された鍔部6Cとからなり、筒部6Bの内部空間が圧力室6Dとされている。
キャップ部材5は、開口部5aを有したカップ状で、開口部5aの外周側にフランジ部5bを有し、開口部5aの内周がダイヤフラム6の鍔部6Cと接合されている。キャップ部材5は、例えば、金属あるいは金属と樹脂との複合材などから構成されている。キャップ部材5の内部にはキャップ部材5とダイヤフラム6とで仕切られるように基準圧力室8が形成されている。キャップ部材5には基準ガスを導入する導入口(図示略)が形成され、この導入口から基準ガスが導入され、基準圧力室8の内圧が制御される。
図2に示すように圧力センサー10が測定対象物の流路11を形成する配管12の周壁に形成した開口部12aの周囲に取り付けられ、ダイヤフラム6の圧力室6Dに配管12内の流体が導入されると、受圧部6Aが流体の圧力を受けて変形できるようになっている。
ダイヤフラム6の受圧部6Aにおいて基準圧力室8側は平滑面、例えば鏡面に加工され、シリコン酸化膜などの絶縁膜13とブリッジ回路15が形成されている。ブリッジ回路15は図示略の4つの歪ゲージにより構成され、各歪ゲージにはコネクタ用配線16a、16b、16c、16dなどの配線16が接続されている。
基準圧力室8に基準ガスを導入して圧力室6Dに配管12の流体圧が印加されるとダイヤフラム6の受圧部6Aが変形し、この変形により4つの歪ゲージの抵抗が変化するのでブリッジ回路15により抵抗変化を計測することができ、この計測結果を演算することにより圧力室6Dの圧力を検出することができる。しかし、受圧部6Aは薄肉であり、流体の圧力を直に受けるので、ダイヤフラム6の受圧部6Aを構成する金属材料は強度が高く、耐食性に優れていることが必要とされる。
また、配管12が食品医薬品の分野などの配管の場合、配管12の衛生管理維持のため、非酸化性の酸性洗浄液が用いられる場合がある。このような配管の腐食を防ぐために、カソード防食法を適用し、配管12に特定の電位を付加して防食対策を講じる場合、圧力センサー10と配管12に電源17が接続される。この電源17のアース側(陰極側)が配管12に接続され、陽極側が圧力センサー10のキャップ部材5に接続され、これらの間に電位差が付加される。
このように電位差が生じると、配管12そのものをカソード防食することはできるものの、条件によってはダイヤフラム6がアノード側に分極される結果、ダイヤフラム6の薄肉の受圧部6Aが優先的に腐食される傾向となる。以上のような場合においてもダイヤフラム6の受圧部6Aは良好な耐食性を示す必要がある。
以上説明のように高強度が要望され、カソード防食法が適用される腐食環境下においても優れた耐食性を要求されるダイヤフラム6の受圧部6Aを構成する金属材料は、上述した組成を有し、高強度かつ高耐食性であって復元性の良好な二相ステンレス鋼からなることが好ましい。また、二相ステンレス鋼は析出強化型の合金とは異なり、表面を鏡面などのように平滑に研磨した場合であっても、部分的に優先研磨されるおそれがなく、均一に研磨できるので、研磨により鏡面などの平滑面を確実に得ることができる。平滑面を得やすいことは、二相ステンレス鋼からダイヤフラム6の受圧部6Aを構成し、受圧部6Aの研磨した一面にひずみゲージなどの回路を構成する場合、ひずみゲージを正確に形成できるので、圧力検知精度の高い圧力センサーを得る場合に有利となる。
また、上述の時効効果処理を施した二相ステンレス鋼からなり、時効熱処理したダイヤフラム6であるならば、0.2%耐力を1300~1700MPaの範囲の優れた強度とすることができ、配管12内の流体から高い圧力を受けた場合であってもダイヤフラム6が塑性変形することなく弾性変形する領域が広いので広い圧力範囲で高精度な圧力検知性能を維持できる。
図3は本発明に係るダイヤフラムをダイヤフラムバルブに適用した形態を示すもので、この形態のダイヤフラムバルブ20は、内部に第1流路21と第2流路22とが形成された平板状の本体23と、本体23上に設置されたダイヤフラム26と、前記本体23とともにダイヤフラム26を挟み付けている蓋体25を備えてなる。本体23の内部には、本体23の一方の側面23aから本体23の上面23bの中央部に達する第1流路21と、本体23の他方の面23cから本体23の上面23bの中央部近くに達する第2流路22が形成されている。本体23において一方の側面23aに第1流路21が開口された部分が流入口27とされ、本体23において他方の側面23cに第2流路22が開口された部分が流出口28Aとされている。
本体23の上面中央側において第1流路21が連通した部分に周段部28が形成され、この周段部28に弁座29が取り付けられている。ダイヤフラム26は先に説明したダイヤフラム1と同等の二相ステンレス鋼からなり、前述したダイヤフラム1と同様にドーム部26Aと境界部26Bと鍔部26Cからなる円盤ドーム状に形成されている。
このダイヤフラム26はドーム部26Aの膨出側を上にして本体23の上面23bとの間に圧力室26aを構成するように本体23と蓋体25の間に挟持されている。
また、蓋体25の上面中央部にステム24を挿通するための貫通孔25aが形成され、ステム24がダイヤフラム26の上面中央部に接するように配置されている。
以上構成のダイヤフラムバルブ20は、ステム24を下降させてダイヤフラム26のドーム部26Aを図3の2点鎖線に示すように下向きに変形させて弁座29に押し付けることで第1流路21と第2流路22との連通を遮断し、ステム24を上昇させてダイヤフラム26のドーム部26Aを弁座29から引き離すことで第1流路21と第2流路22を連通させることができる。
ダイヤフラムバルブ20はステム24の上下移動に応じて第1流路21と第2流路22の連通と遮断を切り替えできるバルブとして使用できる。
以上構成のダイヤフラムバルブ20においても、ダイヤフラム26を上述の二相ステンレス鋼から構成しているので、強度が高く、耐食性に優れ、0点復帰性に優れたダイヤフラム26を備えることで、優れたダイヤフラムバルブ20を提供できる効果がある。
図4は本発明に係るダイヤフラムを圧力センサーに適用した形態を示すもので、この形態の圧力センサー30は、上述の二相ステンレス鋼からなる薄肉の受圧部36Aを筒部36Bの一端側に有するダイヤフラム36を備え、受圧部36Aの上面側に絶縁層31を介し4つの感圧抵抗膜32とこれらの感圧抵抗膜32に接続された6本の配線層とから構成されている。6本の配線層のうち、2つの配線層33の一側端部は2つの感圧抵抗膜32に接続され、これら2つの配線層33の他側端部には端子接続層35が形成されている。また、残り4本の配線層34の一側端部にそれぞれ1つの感圧抵抗膜32が接続され、これら配線層34の他端側に端子接続層37が形成されている。これらの端子接続層35、37に測定器を接続することで4つの感圧抵抗膜32を備えるブリッジ回路を構成することができ、このブリッジ回路を利用して受圧部36Aに付加された圧力を各感圧抵抗膜32の抵抗変化から算出することができる。
以上説明した構成の圧力センサー30においても、上述の実施形態の圧力センサー10と同様、上述の二相ステンレス鋼からなるダイヤフラム36を備えているので、受圧部36Aの強度が高く、高い圧力に耐えることができ、また、配管等にカソード防食法を採用したとしても耐食性に優れたダイヤフラム36とすることができ、計測精度が高く耐食性に優れ、0点復帰性に優れた圧力センサー30を提供できる効果がある。
以上説明したように上述の実施形態では上述の二相ステンレス鋼からなるダイヤフラムを図1~図4に具体構造を示す各ダイヤフラムに適用した例について説明したが、本発明は図1~図4に示す各構成のダイヤフラムのみに適用される技術ではなく、多種多用な用途のダイヤフラム一般に広く適用できるのは勿論である。
また、上述のように強度に優れ、耐食性が良好であり、0点復帰性を良好とした二相ステンレス鋼からなる金属弾性素子は、センサー用途以外の薄板材一般に広く適用できることは勿論、細線などに適用することも可能である。
また、図1~図4に示す実施形態では図面を見易くするためにダイヤフラム各部の縮尺や形状を適宜調整して描いているので、本発明に係るダイヤフラムが図示した形状に拘束されないのは勿論である。
以下の表1に示す組成の丸棒サンプル(φ50mm)を、実施例1、比較例1の原料として用いた。
Figure 0007130358000001
この丸棒サンプルを不活性ガス雰囲気に調整した溶解炉に収容して溶解し、以下の表2に示す組成のインゴット(実施例1、比較例1)を溶製した。
Figure 0007130358000002
上述のインゴットを鍛造して1050℃で焼鈍後に水冷し、固溶化処理を施した。
この水冷後の鍛造材に冷間加工を施し、φ14mmの丸棒サンプルを得た。
次に、この丸棒サンプルを厚さ5mmに輪切りした後、断面に鏡面研磨を行った。
実施例1と比較例1の試料についてそれぞれ<110>αと<111>γの配向度を求めた結果を以下の表3に示す。以下の表3では実施例1、比較例1のN含有量(質量%)と配向度の関係として示した。
これらの配向度は、これらのサンプルから平底の皿形のダイヤフラム(全体外径13mm、薄肉部内径5mm、薄肉部厚さ0.16~0.18mm)を切削加工により切り出し、皿形ダイヤフラムの底面を研磨して観察面とし、それぞれの極点図を求めて算出した。皿形ダイヤフラムの底面は棒状サンプルの中心軸と直交する面であり、この面を観察面とした。
なお、N含有量0.20質量%のダイヤフラム試料を上述の実施例1の製造手順と同等の製造手順で作製し、<110>αと<111>γの配向度を求めた結果を表3に併せて示す。この試料の組成比は、質量%でCr:24.8%、Mo:2.76%、Ni:6.9%、N:0.20%、Mn:0.63%、S:0.001%、C:0.001%、残部Fe及び不可避不純物である。
Figure 0007130358000003
表3に示すようにN:0.07質量%の実施例1においてα相の<110>の配向度、γ相の<111>の配向度がいずれにおいても比較例1、他の例より大きくなっていることが判る。この観察面で配向度が大きくなるということは、α相とγ相のそれぞれの容易すべり面(110)、(111)と荷重軸とが垂直の関係になることを意味する。これらのすべり面と荷重軸とが垂直の関係から外れると、応力が付加されて生じるすべり変形(塑性変形)により残留変位を生じ易くなる。これに対し、これらの面と荷重軸とが垂直の関係にあるN:0.07質量%の試料は、すべり変形が起こり難くなり、残留変位の発生が抑制される。
表3に示す配向度から、いずれの試料もγ相(オーステナイト相)は棒状試料長手方向と平行に<111>が配向していることがわかった。また、いずれの試料もα相(フェライト相)が棒状試料の長手方向に平行に<110>配向していることがわかった。
このことから、皿形ダイヤフラムの底面の厚さ方向と平行に<111>γ+<110>αを配向させた繊維集合組織が形成されていることが明らかとなった。
次に、先に示した実施例1と比較例1の試料について、これらの試料を350℃で2時間、真空中で熱処理後に徐冷し、この徐冷後のサンプルについてダイヤモンド懸濁液を用いて研磨機で粗研磨した。粗研磨後の各サンプルについて7MPaの負荷を加えた後、除荷後の残留変位を計測した結果を図5に示す。ここでの残留変位とは、サンプル中心位置での除荷後の厚さ方向の変位を示す。
また、実施例1の試料の耐力は1500MPa以上であるが、粗研磨後のサンプルの応力集中部に発生する応力は有限要素法により計算すると919~1120MPa相当となる。なお、このように応力範囲が生じるのは、試料作成時のバラツキにより試料のサイズが多少バラツキを生じるとして、そのバラツキを製造時の寸法規格の最大値と最小値の範囲に納まると仮定したために生じる範囲である。従って、各例の試料には耐力の61%~75%に相当する負荷が作用していることとなる。
なお、本発明で用いる組成の二相ステンレス鋼は、1400~1750MPaの範囲の耐力を示す。上述の有限要素法による計算とバラツキを加味した寸法規格の最大値と最小値を耐力1400MPaの二相ステンレス鋼で見積もると、試料には耐力の65~80%に相当する負荷が作用していることとなる。また、上述の有限要素法による計算とバラツキを加味した寸法規格の最大値と最小値を耐力1750MPaの二相ステンレス鋼で見積もると、試料には耐力の52~64%に相当する負荷が作用していることとなる。
このため、1400~1750MPaの範囲の耐力を示す二相ステンレス鋼の試料においては、52~80%の範囲の負荷が作用することとなる。
図5は、残留変位を求めた試験結果について試料個数(サンプル数)の個数分布を示す棒グラフであり、棒グラフ上のI型のバーはバラツキの範囲を示している。図5において示す実施例1のサンプル数は20であり、比較例1のサンプル数は22である。
図5に示す残留変位の結果からわかるように、比較例1のサンプルでは残留変位が0.7~1.9μmの範囲の大きなバラツキを生じるのに対し、実施例1のサンプルでは残留変位の値が0.3~0.7μmの小さい範囲に収まり、残留変位が小さくバラツキも少ないことが判明した。
このことから、本発明に係る組成及び繊維集合組織の構造を有する二相ステンレス鋼からなる金属弾性素子においては、残留変位を0.3~0.7μmの小さい範囲に収めることができることがわかった。
また、金属弾性素子を構成する二相ステンレス鋼の金属組織の違いが残留変位の平均値とバラツキに影響を及ぼしていることがわかる。実施例1の結果では残留変位の平均値が0.5μmであり、標準偏差が0.20μm、比較例1の結果では残留変位の平均値が1.3μmであり、標準偏差が0.55μmであった。
次に、N含有量が二相ステンレス鋼の強度に及ぼす影響を把握するため、質量%でCr:24.7%、Mo:2.83%、Ni:6.93%、N:0.055%、Mn:0.63%、S:<0.001%、C:0.017%の組成の比較例インゴットを用意した。
この比較例インゴットを鍛造して1050℃で焼鈍後に水冷し、固溶化処理を施し、水冷後の鍛造材に冷間加工を施し、φ14mmの丸棒サンプルを得た。
この比較例の丸棒サンプルからJISZ2241に準拠する試験片を作製し、引張試験を行った。また、先の実施例1に相当するインゴットから同様の試験片を作製し、引張試験を行った。
これら引張試験の結果、実施例1の試料の引張強度は1514MPaであったが、比較例試料の引張強度は1410MPaであり、引張強度が約7%低下した。
この比較から、本実施例に係る組成比の二相ステンレス鋼にあっては、引張強度確保のためにNを0.06質量%超含有させることが必要であり、より好ましくは、0.07質量%以上のNを含有させることが必要であるとわかった。
1…ダイヤフラム、2…ドーム部、3…境界部、4…鍔部、6…ダイヤフラム、6A…受圧部、6B…筒部、6C…鍔部、6D…圧力室、10…圧力センサー、11…流路、12…配管、12a…開口部、20…ダイヤフラムバルブ、21…第1流路、22…第2流路、24…ステム、25…蓋体、26…ダイヤフラム、30…圧力センサー、31…絶縁層、32…感圧抵抗膜、33、34…配線層、36…ダイヤフラム、36A…受圧部。

Claims (2)

  1. Cr:24質量%以上26質量%以下、Mo:2.5質量%以上3.5質量%以下、Ni:5.5質量%以上7.5質量%以下、C:0.03質量%以下、N:0.06質量%超0.08質量%未満、残部Feおよび不可避不純物の組成を有する二相ステンレス鋼からなる金属弾性素子であって、厚さ方向と平行に<111>γと<110>αが配向した繊維集合組織を有し、0.2%耐力が1400~1750MPaであり、耐力に対し52~80%の試験荷重を負荷した後、除荷後の残留変位が0.7μm以下であることを特徴とする金属弾性素子。
  2. 請求項1に記載の金属弾性素子からなるダイヤフラム。
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