<遊技機の構造>
図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、図2は前扉を開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。なお、以下の説明において、上、下、左又は右の方向は、特に断らない限り、スロットマシンに対向している遊技者から見た方向を指すものとする。
図1及び図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、スロットマシン筐体120と、このスロットマシン筐体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前扉130は、それぞれ独立に開閉可能な上扉130Uと下扉130Lとを備えている。
前記前扉130の前面の右上隅には、ゲーム表示部131を設けている。遊技者はゲーム表示部131を通してリールユニット203の3つのリールを見ることができる。
上扉130Uの中央には液晶パネルLCD1を設け、下扉130Lにはほぼその全面にわたって液晶パネルLCD2を設けている。
下扉130Lの上面の右側に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の左側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133を設けている。メダル投入口132の右側には、7セグメントLEDからなるメイン表示器55を設けている。メイン表示器55は、入賞に係る図柄の組み合わせが有効ラインに沿って表示されたときに遊技者に対して払い出されるメダルの枚数(払出枚数)を表示する払出表示部と、遊技機内に貯留されているメダルの枚数(クレジット枚数)を表示するクレジット表示部とを含む。
下扉130Lの上面の左側にはゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設け、スタートスイッチ134とメダル投入口132の間に、3つのリールのそれぞれに対応して3つのストップスイッチ140を設けている。
下扉130Lの上面左端には精算スイッチ138を設けている。精算スイッチ138は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口よりメダル受皿に排出するためのスイッチである。精算スイッチ138の右側にはベットスイッチBETM、精算スイッチ138の下側にはワンベットスイッチBET1を設けている。ベットスイッチBETM及びワンベットスイッチBET1は、いずれも電子的に貯留されたメダルの個数(クレジット数)から所定の個数を減じてメダルの投入に代えることが可能なスイッチである。ベットスイッチBETMは、一回の操作で所定の上限個数(通常3枚)までメダルの投入に代えることが可能なマックスベット(MAX BET)スイッチである。ワンベットスイッチBET1は、1枚をベットするスイッチである。ベットスイッチBETM及びワンベットスイッチBET1の両方を備えることで、遊技者は、最大規定枚数の3枚をベットするか、最小の1枚をベットするかを容易に選択することができる。
下扉130Lの上面の中央、すなわち、ストップスイッチ140の上、ベットスイッチBETMとメダル投入口132の間には、操作部としてのスイッチ(十字キーユニット)SWを設けている。スイッチSWは、例えばカーソルを上下左右に動かすカーソルキー(スイッチ)や操作の確定ボタン・キャンセルボタンなどを含む。
スロットマシン100の左右端にはそれぞれ電飾DRU、DRL、DLU、DLLを設けている。すなわち、上扉130Uの左端に電飾DLUを設け、右端に電飾DRUを設けるとともに、下扉130Lの左端に電飾DLLを設け、右端に電飾DRLを設けている。電飾DRU、DRL、DLU、DLLは、それぞれその内部に発光装置(LED)を備えている。
スロットマシン筐体120の内部には、図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを下扉130Lの前面下部に設けた払出し口に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に多数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン筐体120の内部には、上扉130Uを閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個のリールからなるリールユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つのリール(第1リール~第3リール)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回転リールの図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の左側には電源部205を設けている。
図2に示すように、下扉130Lの背面にはメダル(コイン)セレクタ1が、下扉130L上面のメダル投入口132の下部に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
また、メダルセレクタ1の下側には、図2に示すように、その下部側を覆って下扉130L下部の払出し口に連通する導出路136を設けている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口から遊技者に返却される。
スロットマシン筐体120の内部、リールユニット203の下側にはメイン基板10が取り付けられている。メイン基板10には、遊技に関する内部設定(例えば、複数の抽選テーブルのどれを使用するか)を行うための設定変更スイッチSSWを設けている。上扉130Uの背面中央下部にはサブ基板20が取り付けられている。
スロットマシン筐体120の内部の左上隅には低音スピーカSPLを設けるとともに、下扉130Lの下部には標準的な音域をカバーする2つのスピーカSPL、SPRを設けている。
下扉130Lの背面上部、裏面から見てメダルセレクタ1の右側には、中継基板300を設けている。中継基板300は、メイン基板10とスタートスイッチ134などのスイッチ類やメイン表示器55などの間の接続を中継する基板である。中継基板300において、メイン基板10からの配線がスイッチや表示器などのユニットごとに分配される。
図3はスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。図3では示していないが、スロットマシンは商用電源(AC100V)から直流電源(+5Vなど)を発生するための電源部(図2の電源部205)を備える。
スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。メイン基板10やサブ基板を含む基板は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、これら基板を取り外す際に痕跡が残るように封印処理が施されている。具体的には、メイン基板10はカシメによりケースに一体となり取り付けられるとともに、メイン基板10全体を覆う一体のケースによりカバーされている。サブ基板20も同様にケースと一体となりカバーされている。
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、回胴の回転・停止やメダルの払い出しなどの処理(遊技処理)を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
サブ基板20は、メイン基板10からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンド信号に応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。サブ基板20は、演出に用いる乱数を発生する手段を備えている。
以下、メイン基板とサブ基板について詳しく説明する。
<メイン基板>
メイン基板10には、スタートスイッチ134、ストップスイッチ140、精算スイッチ138、ベットスイッチBETM、ワンベットスイッチBET1、リール(回胴)ユニット203、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(これらは前述のホッパ装置121を構成する)並びにメイン表示器55が接続されている。これらスイッチ類及びセンサ類と表示器類は、ホッパ装置121を除き、中継基板300を経由してメイン基板10に接続されている。
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2、リール(回胴)ユニット203が接続されている。また、その内部に設定変更スイッチSSWを備えている(メイン基板10の外部に設けられることもある)。
メイン基板10は、その内部に以下の構成(機能)を含んでいる。すなわち、投入受付手段1050、乱数発生手段1100、内部抽選手段1200、回胴制御手段1300、入賞判定手段1400、払出制御手段1500、リプレイ処理手段1600、エラー処理部1700、コマンド送信部10CGである。これらについては後に説明を加える。
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2を設けている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に取り付けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
リールユニット203は、3つの回胴40a~40c(第1回胴~第3回胴)と、これらをそれぞれ回転させるステッピングモータ155a~155cと、それらの位置をそれぞれ検出する回胴位置検出器(インデックスセンサ)159a~159cとを備える(なお、ステッピングモータ155a~155cを単にモータ155あるいはモータと記すことがある)。
回胴制御手段1300は、回胴40a~40cそれぞれが1回転する毎にインデックスセンサ159で検出される基準位置信号に基づいて、回胴40の基準位置(図示しないインデックスによって特定されるコマ)からの回転角度を求める(ステップモータの回転軸の回転ステップ数をカウントする)ことによって、現在の回胴40の回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、回胴40の基準位置からの回転角度を求めることにより、ストップスイッチ140の作動時における回胴40の位置を得ることができる。
なお、以下の説明において、任意のひとつ又は複数の回胴を示すときは符号40を使用し、3つの回胴をそれぞれ区別して示すときは符号40a~40cを使用することにする。
ホッパ駆動部80は、ホッパ81の図示しない回転ディスクを回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
投入受付部(投入受付手段)1050は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1回胴~第3回胴の回転開始操作を許可する処理を行う。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1回胴~第3回胴の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定してもよく、通常状態およびボーナス成立状態及びボーナス状態では規定投入数を3枚(最大の規定投入枚数)に設定する。なお、通常状態及びボーナス状態ではメダル投入枚数は1枚や2枚であっても遊技可能である。
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETMが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。ワンベットスイッチBET1が押下されると、メダル1枚分を投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。スタートスイッチ134が押下され各回胴の回転が開始した時点(遊技開始時点)から3つのストップスイッチ140が押下され各回胴の回転が停止した時点(入賞した場合はメダル払い出しが完了した時点)(遊技終了時点)の間であって、メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10は、メダルの投入を受け付ける状態か否かに応じて、ベットスイッチ(BETMとBETM)の有効/無効を制御する。また、前記遊技終了時点から前記遊技開始時点までの間でベットスイッチは有効となるが、これ以外の期間においては(押下が許可されていないときは)、ベットスイッチを押下しても、それは無視される。
メイン基板10は、乱数発生手段1100を内蔵する。乱数発生手段1100は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段1200は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、メイン基板10のメモリ(図示せず)に記憶されている抽選テーブル(図示せず)を選択する抽選テーブル選択処理、乱数発生手段1100から得た乱数の当選を判定する乱数判定処理、当選の判定結果で大当たりなどに当選したときにその旨のフラグを設定する抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0~65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
抽選テーブル選択処理により、抽選の内容は所定の範囲内で設定可能(当選の確率を高くしたり低くしたりできる)であり、遊技機が設置されるホールなどにおいて店側により設定作業が行われる。この設定作業で使用するスイッチが設定変更スイッチSSWである。
通常の遊技機は、BB,RB、小役等の抽選確率の異なる複数(例えば6つ)の抽選テーブルを予め備える。遊技機の抽選では、それら複数の抽選テーブルの中から1つが設定され、この設定された抽選テーブルに基づいて抽選による当たり/ハズレの判定がなされる。複数の抽選テーブルのうちどれを使用するかに関する設定を変更することを、設定の変更(以下、「設定変更」と記す)と称している。
従来、例えばスロットマシンのような遊技機では、設定値(通常1~6)を変更する場合、遊技機の扉を開け、メイン基板10に設けられた設定変更スイッチSSWのキースイッチに設定変更キーを挿入して当該キースイッチをオンにした状態で遊技機の電源を投入して設定変更可能な状態にし、設定変更スイッチSSWの設定変更ボタン(押ボタン)を1回押下するごとに、7セグメント表示器などに表示される設定値がインクリメントされて1~6までの値を循環的に変化させ、所望する設定値が表示器に表示されたところでスタートスイッチを操作することで、所望する設定値を確定させている。
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
回胴制御手段1300は、遊技者がスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1回胴~第3回胴をステッピングモータにより回転駆動して、第1回胴~第3回胴の回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中の回胴にそれぞれ対応する3つのストップスイッチ140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1回胴~第3回胴を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
また、回胴制御手段1300は、3つのストップスイッチ140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップスイッチ140を押下することにより、その回胴停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1回胴~第3回胴の各回胴を停止させる制御を行う。
すなわち、回胴制御手段1300は、3つのストップスイッチ140の各ボタンが押下される毎に、第1回胴~第3回胴のうち押下されたボタンに対応する回胴の停止位置を決定して、決定された停止位置で回胴を停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップスイッチの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1回胴~第3回胴の停止位置を決定し、決定された停止位置で第1回胴~第3回胴を停止させる制御を行う。
ここで停止制御テーブルでは、ストップスイッチ140の作動時点における第1回胴~第3回胴の位置(押下検出位置)と、第1回胴~第3回胴の実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。滑りコマ数とは、回胴停止時にゲーム表示部から視認できる特定の図柄を基準位置としたときのストップスイッチ140の操作から対応する回胴の回転停止までの間に当該基準位置を通過する図柄の数をいう。回胴制御手段1300は、各ストップスイッチ140の操作から190ms以内という条件下で各回胴を停止させるため、滑りコマ数は0以上4以下の範囲内となっている(ただし、80回転/分、図柄数=21個の条件において)。抽選フラグの設定状態に応じて、第1回胴~第3回胴の停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
前述のように、回胴制御手段1300は、回胴が1回転する毎にインデックスセンサ159で検出される基準位置信号に基づいて、回胴の基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在の回胴の回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップスイッチ140の作動時における回胴の位置を、回胴の基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
回胴制御手段1300は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とを回胴を停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)回胴を停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)回胴を停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップスイッチ140の押下タイミング、押下順序、既に停止している回胴の停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各回胴の停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1回胴~第3回胴を停止させる制御を行っている。
本実施形態の遊技機では、第1回胴~第3回胴が、ストップスイッチ140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップスイッチに対応する回転中の回胴を停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各回胴の停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップスイッチ140の押下時点から各回胴が停止するまでに要するコマ数が0コマ~4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
入賞判定手段1400は、第1回胴~第3回胴の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1回胴~第3回胴の全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
入賞判定手段1400は、その判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットが増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
払出制御手段1500は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。この際に、ホッパ81に内蔵される図示しないモータに電流が流れることになる。
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段1600は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
リプレイ処理手段1600は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある。例えば、ストップスイッチ140の操作によって回胴を停止させた際に所定の出目が表示されるとリプレイの当選確率が変動する。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/2に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。
エラー処理部1700は、図示しない扉開閉検知センサ、メダルセンサS1及びS2及びメダル検出部82の出力に基づき遊技機のエラー判定を行い、エラーと判定したときにその旨を報知するとともに、遊技機を所定の状態(例えば、操作を受け付けない状態)にする。
リールユニット203は、3つの回胴40a~40cを備えるが、3つの回胴40a~40cそれぞれにひとつづつステッピングモータ155a~155cが取り付けられている。ステッピングモータ155は、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。回転軸を指定された角度で停止させることが可能なことから、スロットマシンの回胴の回転駆動に使用されている。複数の巻線がひとつの相を構成する。相の数として、例えば、2つ(二相)、4つ(4相)、5つ(5相)のものもある。
スロットマシンの回胴40a~40cの駆動に関して、例えば、4相の基本ステップ角度1.43度のステッピングモータを使用し、パルスの出力方法として一-二相励磁を採用している。
10CGは、サブ基板20へ送るコマンドを送信するコマンド送信部である。このコマンドには、当選役の情報に関するコマンド、メダル投入枚数やクレジット枚数(貯留枚数)の情報に関するコマンドなどがある。コマンド送信部10CGは、具体的には、メイン基板10に搭載されたROMに予め書き込まれたプログラムをCPUが実行することで実現される。コマンド送信については、後に説明を加える。
<サブ基板>
サブ基板20には、液晶パネルLCD1及びLCD2、LED202B、202U及び202L、スピーカSP、スピーカSPL及びSPR、低音スピーカSPL、ソレノイドSN、モータMU及びML、センサSENU及びSENL、スイッチSWが接続されている。LED202B、202L、202Uは、データを取得し保持するラッチと電飾であるLEDを内蔵している(LEDは基板の外部に設けられることもある)。これらの構成要素は、サブ基板20により制御されるものであり、映像、光、音響、可動体の動作により演出を行う出力装置、あるいは、可動体の動作を検知するための入力装置または遊技者による操作を受け付ける入力装置である。
図示は省略しているが、機種固有ブロックBB及び下扉ブロックBLには、液晶パネルLCD2を制御するためのビデオコントローラ(VDC)、スピーカSP、スピーカSPL及びSPRを駆動して音響を発生させるためのサウンドコントローラ、ソレノイドSN、モータMU及びMLを駆動するための駆動回路(図示しない)を内蔵している。
図示しないサウンドコントローラは互いに独立して左チャンネルと右チャンネルの信号を出力することができ、遊技者から見て左右に配置されたスピーカSPL及びSPRを通じてステレオ音響を発生させることができる。
上述した液晶パネルなどの構成要素は、低音スピーカSPLを除き、スロットマシン筐体120に内蔵される機種固有ブロックBB、上扉130Uに対応して設けられる上扉ブロックBU、下扉130Lに対応して設けられる下扉ブロックBLの3つのいずれかに区別されて設けられる。
図3の例では、機種固有ブロックBBはソレノイドSN、スピーカSP及びLED202Bを含み、上扉ブロックBUは、液晶パネルLCD1、LED202U、モータMU及びこれによる可動体の動作を検知するセンサSENUを含み、下扉ブロックBLは、液晶パネルLCD2、スピーカSP、LED202L、モータML、モータMLによる可動体の動作を検知するセンサSENL、カーソルキーなどのスイッチSWを含む。なお、液晶パネルLCD2全体がモータMLにより若干前後に移動可能に構成され、液晶パネルLCD2が前に出た状態で遊技者がこれを押すという操作が可能な場合がある。この場合、下扉ブロックBLのスイッチSWは液晶パネルLCD2の押下を検知するスイッチを含む。
<メイン基板からサブ基板へのコマンド伝送>
サブ基板20はメイン基板10からコマンドをうけ、これに従って演出等の処理を行う。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
サブ基板20は、メイン基板10からのコマンドに従い、例えば、予め定められた画面を液晶パネルLCD1、LCD2に表示させるためのコマンド(表示コマンド、描画コマンド)を発生させる。例えば、アニメーションなどにより演出を行う際には、多数のコマンドを連続的に次々と送信する。
図3において、20CRは、メイン基板10から受けたコマンドを受信するコマンド受信部である。コマンド受信部20CRは、具体的には、サブ基板20に搭載されたROMに予め書き込まれたプログラムをCPUが実行することで実現される。
コマンド受信部20CRは、メイン基板10から受けたコマンドを受信する。例えば、シリアルデータとして受けたコマンドを直列-並列変換器(シフトレジスタ)に入力し、一定のデータ(例えば8ビット)ごとに出力する。この出力されたデータがコマンドとしてサブ基板20のCPUに渡され、解釈・実行される。
次に、メイン基板10における遊技処理について図4を参照して説明を加える。
一般的に、遊技機において、メダルの投入(クレジットの投入)に始まり、払い出しが終了するまで(又はクレジット数の増加が終了するまで)が一遊技である。一遊技が終了するまでは次回の遊技に進めないという決まりがある。
先ず、規定枚数のメダルが投入されることでスタートスイッチ134が有効になり、図4の処理が開始される。
ステップS1において、スタートスイッチ134が操作されることにより、スタートスイッチ134がONとなる。そして、次のステップS2に進む。
ステップS2において、メイン基板10により抽選処理が行われる。そして、次のステップS3に進む。
ステップS3において、第1リール~第3リールの回転が開始する。そして、次のステップS4に進む。
ステップS4において、ストップスイッチ140が操作されることにより、ストップスイッチ140がONとなる。そして、次のステップS5に進む。
ステップS5において、第1リール~第3リールのうち押下されたストップスイッチ140に対応するリールについて回転停止処理が行われる。そして、次のステップS6に進む。
ステップS6において、三個のリールに対応するストップスイッチ140の操作が行われたか否かが判定される。そして、三個のリールに対応する3つのストップスイッチ140すべての操作が行われたと判定された場合、次のステップS7に進む。
ステップS7において、抽選フラグ成立中に当該抽選フラグに対応する図柄組合せが有効入賞ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞が確定したか否かが判定される。そして、入賞が確定したと判定された場合、次のステップS8に進む。なお、入賞が確定しなかったときは、抽選フラグが成立していてもメダルの払い出しは行われない。
ステップS8において、入賞判定ライン上に揃った図柄組合せに相当するメダルが払い出される。
メダルの投入からステップS8の実行完了までが、一遊技である。ステップS8の待機処理が終了すると、処理はフローチャートの最初に戻る。言い換えれば、次の遊技が可能な状態になる(次遊技へ移行する)。
上述の遊技機は、上扉ブロックBU、下扉ブロックBLのように複数のブロックに分離され、それぞれ独立に組み込みあるいは取り外しできるようになっている(分離筐体)。一部のブロック、例えば、下扉ブロックBLを組み込んでいない状態での製造、出荷、設置が行われることもある。
図5(a)及び(b)は、発明の実施の形態に係る音響発生系統のブロック図である。図5(a)及び(b)は、図3から一部を抜き出して模式的に表示したものである。以下、この図に基づき説明を加える。なお、スピーカSPL及びSPRを駆動して音響を発生させるためのサウンドコントローラは下扉ブロックBLに設けられていると前述したが、図5(a)及び(b)のサウンドコントローラSCは下扉ブロックBL以外にも、サブ基板20に設けられることもある(音響データ記憶部SMEMも同様)。あるいは、サウンドコントローラSCの一部の処理を行う機能がサブ基板20に設けられ、他の処理を行う機能が下扉ブロックBLに設けられることもある(音響データ記憶部SMEMも同様)。本発明の実施の形態は、それら全てについて適用することができる。
図5(a)及び(b)はいずれも本発明の実施の形態を示すものである。図5(a)は、音響データ記憶部SMEMに通常音響データDANと特殊音響データDASを予め記憶している場合を示す。この場合、通常音響データDANと特殊音響データDASでサウンドコントローラSCの処理は変わらない。これに対し、図5(b)は第1契機と第2契機でサウンドコントローラSCの処理が変わる場合を示す。この場合、音響データ記憶部SMEMは、通常及び特殊の両方に使用される共通音響データDACを予め記憶している。本発明の実施の形態は、いずれの構成にも適用することができる。
図5(a)の構成について説明を加える。
音響データ記憶部SMEMは、遊技の進行に応じて予め定められた第1契機で発生される効果音(例えば「ピュイ」)の特殊音響データDASと、他の契機である第2契機で発生される効果音(第1契機で発生される効果音とは異なる)の通常音響データDANとをそれぞれ予め記憶している。特殊音響と通常音響については後述する。
第1契機及び第2契機は特殊音響を発生するか通常音響を発生するかを選択するためのものであり、特に限定されない。第1契機及び/又は第2契機は、例えば、遊技機に対する操作(スタートスイッチ134やストップスイッチ140の押下)、内部抽選手段1200による内部抽選の結果、入賞判定手段1400による入賞判定の結果などに基づくものである。例えばスタートスイッチ134を押下し、その結果、ハズレ以外の特定の抽選結果が得られたときを第1契機とし、それとは異なる抽選結果が得られたときは第2契機とする。入賞判定の結果についても同様である。
あるいは、第1契機及び/又は第2契機は、例えば、「打順ベル」などのように押下すべきストップスイッチ140の位置に対応させている(アシスト機能を備える)ものでもよい。例えば、当選役抽選で当選した役が「打順ベル」の時、打順ナビを液晶表示装置やサウンド、ランプ等の演出デバイスを使って表現する。もし、打順ナビが「1・2・3」であるときは停止操作に合わせて「左」「中」「右」等の音響を再生するが、当該音響を再生するときに、「左」であれば定位を左側に寄せ(筐体中央の位置でボイスが左に100%、中右は0%)、あるいは左寄り(聞こえるバランスが左から60%、30%,10%など)にすることで左を強く強調するようにしてもよい。つまり、「打順ベル」などのように位置を示唆する際の音響について、当該位置に応じて左右(あるいは上下)の一方から聞こえる量を多くするように構成することもできる。
特殊音響とは、遠くで鳴っているように聴こえる音といった、空間における距離感を強調でき、通常音響と比較して違和感を強く持たせることのできる音響のことである。通常音響とは、そのような処理のなされていない音響であり、例えば定位(複数のスピーカを利用して、それらの間の音源の疑似的な位置)が変化しない音響、あるいはモノラル音響である。特殊音響は、通常音響に所定の処理を行うことにより生成される。この処理については後述する。
サウンドコントローラSCは、音響データ記憶部SMEMの音響データに基づき音響を生成(再生)する処理装置である。通常音響データDAN及び/又は特殊音響データDASに対してサウンドコントローラSCの音響再生部SCCにより共通の処理を行うことにより通常音響及び/又は特殊音響を生成する(処理は共通であるが音響データが異なるので異なる音響が生成される)。ここで行われる処理は公知なので説明は省略する。サウンドコントローラSCはステレオ音響信号を出力し、スピーカSPLとスピーカSPRをそれぞれ独立に鳴らすことができる。音響発生契機に係る信号あるいはコマンドを受けて、サウンドコントローラSCは音響を生成する。すなわち、音響発生契機の内容を解析し、第1契機であれば特殊音響データDASに基づき特殊音響を生成し、第2契機であれば通常音響データDANに基づき通常音響を生成する。音響再生部SCCの処理内容は、特殊音響と通常音響のいずれについても同様のものである。他の契機であればそれに対応する所定の音響を生成する。
特殊音響は空間における距離感を強調した音響なので、遊技者は、第1契機における効果音(例えば「ピュイ」)を、第2契機における効果音と容易に区別することができる。この結果、遊技者は「今回は何か違うな」と気付いて期待を高めるなど興趣を盛り上げることができる。
図5(b)の構成は、図5(a)とは異なり、音響データ記憶部SMEMは、効果音について特殊/通常いずれにも使用される共通音響データDACを記憶し、サウンドコントローラSCは、共通音響データDACに基づき第1契機における効果音である特殊音響を生成して発生する特殊音響再生部SC1と、同じく第2契機における効果音である通常音響を生成して発生する通常音響再生部SC2とを備える(音響データは同じであるが、施される処理が異なる)。
図5(b)の構成は、図5(a)とは異なるが、発生される特殊音響及び通常音響は、図5(a)の場合と同じものである。
サウンドコントローラSCは、音響データ記憶部SMEMの音響データ(共通音響データDAC)に基づき音響を生成(再生)する処理装置である。ここで行われる処理は公知なので説明は省略する。サウンドコントローラSCはステレオ音響信号を出力し、スピーカSPLとスピーカSPRをそれぞれ独立に鳴らすことができる。音響発生契機に係る信号あるいはコマンドを受けて、サウンドコントローラSCは音響を生成する。すなわち、音響発生契機の内容を解析し、第1契機であれば共通音響データDACに対して特殊音響再生部SC1により所定の処理(詳細は後述)を行うことにより特殊音響を生成し、第2契機であれば同じく通常音響再生部SC2により異なる処理を行うことにより通常音響を生成する。他の契機であればそれに対応する所定の音響を生成する。
特殊音響は空間における距離感を強調した音響なので、遊技者は、第1契機における効果音(例えば「ピュイ」)を、第2契機における効果音と容易に区別することができ、この点は図5(a)の場合と同様である。このように図5(b)の構成は同じ効果を奏する。
特殊音響を再生するための処理について、図6を参照して説明を加える。
図6は、遊技者に違和感を持たせることのできる音響(特殊音響)を生成する処理フローチャートである。なお、この処理は、図5(b)では特殊音響再生部SC1が行い、図5(a)では、音響再生部SCCが行う(特殊音響データDASは例えば音響データ処理装置(パソコンなど)により予め生成されたデータである)。
S20:効果音(音響)を音節に分ける。効果音が「ピュイ」であれば、これを「ピュ」と「イ」に分ける。ここで、「ピュ」を第1音節、「イ」を第2音節とする。
S21:第1音節「ピュ」に薄く残響効果をかける(「音響効果」として「残響効果」を例にとり説明を加える)。これにより定位を左(あるいは右)に設定する。これにより、第1音節「ピュ」は、遊技者にとって左(あるいは右)奥から聴こえるようになる。
S22:第2音節「イ」に深く残響効果をかけ、定位を右(あるいは左)に設定する。これにより、第2音節「イ」は、遊技者にとって右(あるいは左)奥から聴こえるようになる。残響効果の違いから、第2音節「イ」は第1音節「ピュ」よりもさらに奥から聴こえるようになる。
残響は音源が発信を停止した後も音が響いて聞こえる現象である。残響効果を生じさせる処理として、エコー、ディレイ、リバーブがある。
エコー、ディレイは、反響(音波(源)が物体に衝突し跳ね返ってくる現象)を疑似再現した効果である。現象としての「やまびこ」、「こだま」に相当する。壁など物体の性質により音波は変化する場合があるが、衝突された物体は振動することで同じ音波を発生する。エコー、ディレイを生じさせる処理として、音源を再生したあと、間隔を空けて(遅らせて)再び同じ音源を複数回再生しつつ、段々と音量を下げ(上げ)る、といったことが行われる。聴き手から見れば、段々と下げることで遠くに離れるように、上げることで近づいてくるようになる。エコーとディレイはほぼ同じものであるが、上記の間隔が短いものをディレイと言い、間隔が長いものをエコーと言うことが多いが、以下の説明では両者は区別しないで扱う。
リバーブは、残響を疑似再現した効果である。残響は、四方が囲まれた空間内で、音源からの直接音と、直接音として最短距離で届いた後、空間内を連続して反射して届く間接音(=反射音)との集合である。エコー、ディレイとは違い、1音1音は区別でき ない程短い。リバーブを生じさせる処理として、音量と残響時間、空間の大きさを設定して音源を1回再生する。この1回の再生に対して直接音と反射音をシミュレートし、それらを合成することが行われる。残響時間は空間の大きさに対して比例する。
エコー、ディレイ、リバーブを生じさせる処理は公知なので、それらの説明は省略する。これらによる残響効果を音響に加える際に、その程度を調整することができる。この程度のことを、以下では「深く」「薄く」と表現することにする。「薄く」残響効果を加えることを「第1音響効果」、「深く」残響効果を加えることを「第2音響効果」と記すこともある。
エコー、ディレイに関して「深く」「薄く」に関し、音量が大きく、継続時間が長いこと(音量を下げ(上げ)する時間が長い)が「深く」に相当し、音量が小さく、継続時間が短いことが「薄く」に相当する。エコー、ディレイに関して「第1音響効果」は音量が小さく、継続時間が短く、「第2音響効果」は音量が大きく、継続時間が長い。
リバーブに関して「深く」「薄く」に関し、音量が大きく、継続時間が長いことが「深く」に相当し、音量が小さく、継続時間が短いことが「薄く」に相当する。リバーブを生じさせる処理において音量と残響時間、空間の大きさを設定するが、音量が大きく、残響時間が長く、空間が狭いことが「深く」に相当し、音量が小さく、残響時間が短く、空間が広いことが「薄く」に相当する。リバーブに関して「第1音響効果」は音量が小さく、残響時間が短く、空間が広く、「第2音響効果」は音量が大きく、残響時間が長く、空間が狭い。
例えば、第1音節「ピュ」を再生した後に(一部重畳することもある)、再度「ピュ」を再生するがその音量が比較的小さく、繰り返しの回数も少ないのであれば「薄く」に相当し、第2音節「イ」については、再度「ピュ」を再生するがその音量が比較的大きく、繰り返しの回数も多いのであれば「深く」に相当する。「深く」「薄く」は感覚的な用語であるが音響の効果を施す程度の表現として理解しやすいと思えるので、本明細書ではこれらの表現を使用する。それらの物理的な意味は上述したとおりである。
定位の設定については、一般には音量を調整することで行われるが、発明の実施の形態では、第1音節「ピュ」について、スピーカSPLとSPRで発生する音響の位相をずらすことにより行う。例えば、同じ信号に基づきスピーカSPLとSPRから同時に(同じタイミングで)音響を発生させた場合、定位はスピーカSPLとSPRの中間になる。このとき両スピーカの音響に位相差はない。これに対し、スピーカSPLの音響をスピーカSPRよりも早いタイミングで発生させた場合(あるいはスピーカSPRの音響発生を遅らせた場合)、定位はスピーカSPLに近づいた位置となる(聴き手は音響が早く到達した方向に音源があると認識する)。言い換えれば、位相差とはスピーカSPLとSPR間の遅延時間である。スピーカSPRの音響発生をスピーカSPLよりも遅延させると、定位はスピーカSPLに近づく。遅延時間を大きくすれば定位はスピーカSPLにより近づいていく。
具体的には、左に定位させる場合は右側のスピーカSPRで発生する音響の位相を遅らせる。右に定位させるときはその反対にする。後述の図8、図11、図13、図15では、位相差=(左スピーカの位相)-(右スピーカの位相)と定義し、この位相差に応じて定位が変化する様子をタイミングチャートとして表示している。図8等においては、左に定位させる場合は右側のスピーカSPRで発生する音響の位相を遅らせることは、位相差=(左スピーカの位相)-(右スピーカの位相)がプラス(+)になるように設定することに対応し、右に定位させるときはその反対にすることは、同じく位相差がマイナス(-)になるように設定することに対応する。位相の調整は、音響データの読み出しタイミングをスピーカSPLとSPRとで異ならせることで行う。あるいは、音響データに予め遅延用のデータ(ブランクデータなど)を書き込むようにし、そのデータの数を異ならせることで行うようにしてもよい。
S23:この結果、単なる効果音「ピュイ」が遠くで鳴っているように聞こえる。薄く/深くといったリバーブ(残響効果)のかけ具合で前後の距離感(広がり具合)を調整するとともに、定位を左から右へ(あるいは右から左へ)移動させることで、通常音響よりも遠くで鳴っているように聴かせることができる。
図6の処理により生成した特殊音響によれば、遠くで鳴っているように聴こえる音といった、空間における距離感を強調でき、違和感を強く持たせることのできる音響を発生可能である。例えば、遊技者は、図7(平面図)に示すように効果音「ピュイ」の音源が左手前から右奥に向かって移動する、すなわち第1音節「ピュ」が左手前、第2音節「イ」が右奥にあるように感じるようになる。
図6の処理について、図8及び図9を参照して説明を加える。
S20において、効果音「ピュイ」を「ピュ」と「イ」に分ける。その結果、図8(a)のように時刻(又は時間)を示す符号tで分けられたとする。ここで、「ピュ」を第1音節、「イ」を第2音節とする。効果音は音響データとして所定のフォーマットで用意されている。
S21において、第1音節「ピュ」に薄く残響効果をかける。図8(b)のように時刻t0からtまで薄く残響効果をかける。同時に、図8(c)のように時刻t0からtまで定位を左に設定する。本発明の実施の形態では位相差により定位を設定しているので、図8(d)に示すように(位相差)=(左スピーカの位相)-(右スピーカの位相)を正(+)とすることで定位を左に設定している。
S22において、第2音節「イ」に深く残響効果をかける。図8(b)のように時刻tからt1まで深く残響効果をかける。同時に、図8(c)のように時刻tからt1まで定位を右に設定する。本発明の実施の形態では位相差により定位を設定しているので、図8(d)に示すように(位相差)=(左スピーカの位相)-(右スピーカの位相)を負(-)とすることで定位を左に設定している。
図8は残響効果の程度及び定位の設定を時刻tにおいて切り替えていたが、これに限らず、図9に示すように連続的あるいは段階的に変化させるようにしてもよい。その程度は音響データを作成し実際に再生することを繰り返し、最適なものを見つけるというやり方が考えられる。
図9においては、「ピュイ」を時刻t0からt1にかけて発生させるときに、同じ期間において残響を「薄く」から「深く」に直線的に変化させ(図9(b))、同じく定位を左から右に直線的に変化させている(図9(c))。図9(d)に示すように位相差を正(+)から負(-)に直線的に変化させている。この例では時刻tにおいて音響は筐体正面(中央)から聞こえることになる。
図9は変化が直線の例を示したがこれに限定されず、曲線的な変化も可能である(図11,図13、図15においても同様)。また、図8と図9を組み合わせて、例えば時刻tで残響及び定位が図8のように急に変化するが、他の部分では直線的に変化するようにしてもよい(図11,図13、図15においても同様)。
他の例について説明を加える。
図10は、遊技者にとって、効果音「ピュイ」の音源が左手前から右手前に向かって移動しつつ、中央において最も遠くなり、その後、右手前に戻ってくるように感じる例を示す。すなわち第1音節「ピュ」が左手前から中央奥へ、第2音節「イ」が中央奥から右手前にあるように感じるようになる。図10の場合も、空間における距離感を強調でき、違和感を強く持たせることのできる音響を発生可能である。
図10に示す効果は、図11のような処理を施すことで実現することができる。
図11においては、「ピュイ」を時刻t0からt1にかけて発生させるときに、時刻t0からtの期間において残響を「薄く」から「深く」に直線的に変化させ(図11(b))、時刻tからt1の期間において残響を「深く」から「薄く」に直線的に変化させている(図11(b))。定位と位相差については、図9と同じである。
図12は、遊技者にとって、効果音「ピュイ」の音源が左奥から右奥に向かって移動し、中央において最も近くなるように感じる例を示す。すなわち第1音節「ピュ」が左奥から中央手前へ、第2音節「イ」が中央手前から右奥にあるように感じるようになる。図12の場合も、空間における距離感を強調でき、違和感を強く持たせることのできる音響を発生可能である。
図12に示す効果は、図13のような処理を施すことで実現することができる。
図13においては、「ピュイ」を時刻t0からt1にかけて発生させるときに、時刻t0からtの期間において残響を「深く」から「薄く」に直線的に変化させ(図13(b))、時刻tからt1の期間において残響を「薄く」から「深く」に直線的に変化させている(図13(b))。定位と位相差については、図9と同じである。
図14は、遊技者にとって、効果音「ピュイ」の音源が手前から奥に向かって移動しているように感じる例を示す。すなわち第1音節「ピュ」が手前にあり、第2音節「イ」が右奥にあるように感じるようになる。手前から奥に向かう移動の経路として途中左側に寄り道するもの(符号α)、中央のまま真っ直ぐ後退するもの(符号β)、途中右側に寄り道するもの(符号γ)があり得る。いずれの場合も、空間における距離感を強調でき、違和感を強く持たせることのできる音響を発生可能である。
図14に示す効果は、図15のような処理を施すことで実現することができる。
図15においては、「ピュイ」を時刻t0からt1にかけて発生させるときに、時刻t0からt1の期間において残響を「薄く」から「深く」に直線的に変化させる(図15(b))。このとき、位相差を図15(d)の符号α、β、γのように変化させ、図15(c)のように定位を変化させる。
以上の説明においては、スピーカが左右に配置された場合を例に挙げたが、これ以外にもスピーカが上下に配置された場合についても本発明の実施の形態は適用できる。この場合、定位は上下に変化するが、左右の場合と同様に遠くで鳴っているように聴こえる音といった、空間における距離感を強調でき、通常音響と比較して違和感を強く持たせることのできる。また、スピーカが上下左右に設けられている場合には、左右と上下について距離感を強調でき、さらに多様な表現を提供することができる。
<パチンコ機への適用>
以上の説明においてスロットマシンを例に取り説明を加えたが、この発明の実施の形態はパチンコ機のような他の遊技機についても適用できる。
パチンコ機(弾球遊技機)について図16、図17及び図18を参照して簡単に説明を加える。パチンコ機は、主要部材として外枠50、本体部材51、開口枠扉52を備える。開口枠扉52は、その開口部にガラス製又は樹脂製からなる透明板部材が設けられ、開口部周辺に電飾(図示なし)、スピーカ52b、球受皿53などが取り付けられている。
遊技盤10Bは、本体部材51の空間部に臨むように、本体部材51に所定の固定部材を用いて着脱自在に装着されている。遊技盤10Bの盤面11は、誘導レール12と、誘導レール12で区画された略円形の遊技領域を落下した遊技球を外部へ導く排出口(アウト口)13を備える矩形の盤面である。排出口13の内部にはアウト球センサ13Sが設けられている(図17)。
図17に示すように、盤面11は、演出用表示ランプやLCD(液晶表示装置)などの可変表示部をひとつ又は複数有する可変表示装置(センター役物)30a、スルーチャッカー30b、普通入賞装置(図示なし)、始動入賞口を有するスタートチャッカー(始動入賞装置)30d、大入賞口を有するアタッカー30c、30eを備える。30b、30c、30d、30eの内部には球通過検出器20b、20c、20d、20eが設けられている。
盤面11には、入賞装置30、図示しない釘や風車などの障害物とともに、興趣を高めるための様々なデザインの装飾部材が設けられている。
図18は本発明の実施の形態に係る遊技機の機能ブロック図である。
主制御装置(メイン基板)101及び副制御装置(サブ基板)200は、図示しないが、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、以下に説明するように動作する。
100は、遊技に係る処理を行う主制御装置である。主制御装置101は、電気的な遊技制御の処理を行い主要な処理情報を生成する。主制御装置101は、遊技領域を移動(流下)して入賞装置30b~30dを通過した入賞球をそれぞれ検出する球通過検出器20b~20dの信号を入力とし、入賞装置30b~30dの入賞球通過に応じた抽選・判定を行う。
1110は、スタートチャッカー(始動入賞口)30dを遊技球が通過したこと(正確にはその内部に設けられたセンサ20dで検知されたこと)が検出されたことに基づいて乱数を取得する乱数取得部である。乱数取得部1110は、カウンタを含むハード乱数発生器1120及びプログラムにより動作するソフト乱数発生器1130のいずれか又は両方を備える。
1210は、乱数取得部1110により取得された乱数にもとづいて、特別図柄表示装置119に図柄を変動表示させる図柄変動制御部である。
1310は、特別遊技制御部である。特別遊技制御部1310は、乱数取得部1110により取得された乱数が当選乱数(大当たり)であることを条件に、特別図柄表示装置119に予め設定された賞態様を構成する図柄を停止表示させた後、遊技者に有利な特別遊技を行わせる。
1410は、確率変動遊技制御部である。確率変動遊技制御部1410は、特別遊技制御部1310による特別遊技の終了後、乱数取得部1110により当選乱数を取得する可能性を増加させる確率変動遊技を行わせる。変動表示した図柄は、所定時間後に乱数取得部1110により取得された乱数に基づきはずれ又は大当たりの図柄で停止表示する。
1510は、特別図柄表示装置119に図柄を変動表示させている間に遊技球がスタートチャッカー(始動入賞装置)30dを通過した場合に、所定個数を限度としてその遊技球が通過したことに基づき抽出された乱数を記憶し、図柄の変動表示が終了した後に記憶した乱数に基づき図柄の変動表示を行うことを可能にする保留処理部である。
1610は、先読み処理部である。先読み処理部1610は、各保留球について、それらが大当りに係るものであるか否かを判定する。始動入賞の乱数抽出のタイミングで保留球の記憶内容である乱数を仮判定し(先読みし)、その結果を副制御装置200へ送っている。
110aは、遊技利益として入賞装置30c~30eと普通入賞装置(図示なし)の遊技球入賞に応じた及び/又はこれによる抽選・判定の結果に応じた所定数の遊技球を払出すための払出制御装置である。
110bは、払出制御装置110aを制御するための払出制御基板である。
141は、遊技者から視認できるように遊技機の盤面に設けられた状態表示装置である。状態表示装置141は、ラウンド数を表示するラウンド数表示部150と保留数を表示する保留数表示部160を含む。保留数表示部160は、遊技盤に配置され、図柄の変動表示中に保留球を表示するものである。
119は、状態表示装置141に設けられた表示装置(例えば7セグメント表示器など)である特別図柄表示装置である。
130は、状態表示装置141に設けられた表示装置(例えば7セグメント表示器など)である普通図柄表示装置である。
200は、主制御装置101にて生成した処理情報を得ることにより、可動体の駆動、光の点滅・音響の発生などの演出を含む所定の出力態様処理をさせる制御を行う副制御装置である。
2100は、画像表示装置210を制御して演出に係る画像、遊技状態に係る画像、現在の遊技状態の表示や、エラー表示、保留表示等を行う演出図柄制御部である。なお、特別図柄表示装置119の変動中は、特別図柄表示装置119に同期して変動表示から変動停止を行う。
2200は、遊技盤10Bに設けられた可動体220を制御する役物駆動部である。
2300は、遊技盤10B、可変表示装置30aあるいは遊技機筐体などに設けられたランプ・電飾230などを点灯制御するためのランプ制御部である。
2400は、音発生装置240を制御する音制御部である。
2500は、先読み処理部1610からの判定結果に基づき先読み関する演出を行う先読み演出処理部である。例えば、画像表示装置210の当たりに相当する保留球に対応する表示(保留球表示の発光色など)を他のものと異ならせることにより、当該保留球が当たりの可能性が高いことを示唆する、あるいは当たりであることを報知する。
2600は、リアルタイムクロック2700の出力(時刻信号)に基づき主制御装置101の遊技状態とは関係のない演出である特定演出に関する処理を行う特定演出処理部である。例えば、毎正時あるいは予め定められた時刻に、遊技状態とは独立して所定の楽曲が流されるとともに、そのビデオ映像が画像表示装置210に表示される。
2700は、時刻信号を出力するリアルタイムクロックである。
210は、液晶表示装置(LCD)などの画像表示装置である。
220は、可動体である。可動体220は、例えば、通常状態とこれと異なる状態の2つを相互に行き来するものである。可動体とは、例えば、平板状、円柱状、円盤状、凹凸を有する歯車状、等のものである。なお、図示しないが可動体220を駆動するための動力部を備える。
画像表示装置210及び可動体220は、可変表示装置(センター役物)30aに設けられている。
230は、発光素子を含むランプ・電飾である。
240は、音発生装置である。音発生装置240は、スピーカ52bと、副制御装置200の音制御部2400からの信号に基づきスピーカ52bの駆動信号を生成するサウンドプロセッサ(図示せず)を含んでいる。
発明の実施の形態に係る音響発生手法(図6及び図7)は、例えば、図18の音制御部2400、音発生装置240について適用することができる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。