JP7129566B2 - 部品装着機 - Google Patents

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Description

本発明は、部品装着機に関するものである。
部品装着機は、基板に部品を装着する装着処理を実行する。上記の装着処理において、部品を採取する採取動作と部品を基板に装着する装着動作とが含まれるPPサイクル(ピックアンドプレースサイクル)が繰り返し実行される。所定のPPサイクルにおいて採取エラーが発生した場合には、部品装着機は、採取エラーに係る部品の装着動作をスキップする。そして、部品装着機は、例えば次回以降のPPサイクルにおいて、先にスキップした装着位置への装着を再試行するリカバリ処理を実行する(特許文献1を参照)。
特開2010-10496号公報
ところで、複数のPPサイクルにおける装着位置と装着順序は、例えば装着処理の効率化や高精度化が図られるように予め設定されている。そのため、リカバリ処理を実行するタイミングは、装着処理の効率等に影響するため特に重要である。また、装着処理には、種々の基板製品の生産に対応するために種々の態様が適用され得る。例えば、同一のPPサイクルに同一種類の部品の装着動作が含まれている場合には、その何れかの装着動作がスキップされると、以降の同一種類の部品の装着動作に影響することがある。
本明細書は、リカバリ処理が必要となった実行中のPPサイクルにおいて、即時にリカバリ処理を実行することにより基板製品の生産の効率化を図ることができる部品装着機を提供することを目的とする。
本明細書は、採取した部品を保持する複数の保持部材と、複数の前記保持部材のそれぞれに保持された前記部品の保持状態の認識処理を実行する状態認識部と、前記部品の装着位置および装着順序を示す制御プログラム、並びに前記認識処理の結果に基づいて、前記部品の採取動作および装着動作が含まれるピックアンドプレースサイクル(以下、「PPサイクル」)を繰り返し実行する制御装置と、を備え、複数の前記保持部材には、複数回に亘り実行される前記PPサイクルのうち少なくとも1回の前記PPサイクルにおいて同一種類の前記部品の採取動作および装着動作がそれぞれ割り当てられ、前記制御装置は、前記認識処理の結果に基づいて所定の前記保持部材に割り当てられた装着動作が実行不能であると判定した場合に、当該装着動作をスキップ動作とするとともに、前記スキップ動作と同一の前記PPサイクルにおける採取動作により同一種類の前記部品を採取した他の前記保持部材の一つに割り当てられた装着動作の前記装着位置を前記スキップ動作の前記装着位置に変更する変更処理を実行する、部品装着機を開示する。
このような構成によると、一部の装着動作が実行不能となってリカバリ処理が必要となった実行中のPPサイクルにおいて、装着位置の変更処理が実行される。これにより、次回以降のPPサイクルが実行される前に、即時にリカバリ処理が実行される。よって、同一種類の部品を複数装着する所定のPPサイクルにおいて、スキップ動作の装着位置への装着が優先される。複数の装着位置に対する装着順序が所要時間により影響する種類の基板製品の生産においては、当該生産の効率化を図ることができる。
実施形態における部品装着機の構成を示す模式図である。 複数の吸着ノズルを円環状に保持する装着ヘッドを上方から見た模式図である。 複数の吸着ノズルを直線状に保持する装着ヘッドを上方から見た模式図である。 複数の吸着ノズルをマトリックス状に保持する装着ヘッドを上方から見た模式図である。 図1における基板を拡大して示す平面図である。 部品装着機1による装着処理を示すフローチャートである。 第一変更処理の実行の前後における装着位置と使用される保持部材との関係を示す説明図である。 第二変更処理の実行の前後における装着位置と使用される保持部材との関係を示す説明図である。 第一補完処理の実行の前後における装着位置と使用される保持部材との関係を示す説明図である。 第二補完処理の実行の前後における装着位置と使用される保持部材との関係を示す説明図である。 生産処理を示すフローチャートである。 実施形態の変形態様における部品装着機の構成を示す模式図である。
1.部品装着機の概要
以下、部品装着機を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。部品装着機は、例えば他の部品装着機を含む複数種類の対基板作業機とともに、基板製品を生産する生産ラインを構成する。上記の生産ラインを構成する対基板作業機には、印刷機や検査装置、リフロー炉などが含まれる。さらに、生産ラインには、例えば生産する基板製品の種別などに応じて、その構成を適宜追加、変更され得る。具体的には、生産ラインには、搬送される基板を一時的に保持するバッファ装置や基板供給装置や基板反転装置、各種検査装置、シールド装着装置、モールド形成装置、接着剤塗布装置、紫外線照射装置などの対基板作業機が適宜設置され得る。
2.部品装着機1の構成
部品装着機1は、基板90に部品を装着する装着処理を実行する。部品装着機1は、図1に示すように、基板搬送装置10、部品供給装置20、部品移載装置30、部品カメラ41、基板カメラ42、および制御装置50を備える。基板搬送装置10は、ベルトコンベアおよび位置決め装置などにより構成される。基板搬送装置10は、基板90を搬送方向へと順次搬送するとともに、基板90を機内の所定位置に位置決めする。基板搬送装置10は、装着処理が終了した後に、基板90を部品装着機1の機外に搬出する。
部品供給装置20は、基板90に装着される部品を供給する。部品供給装置20は、複数のスロット21にセットされたフィーダ22を備える。フィーダ22は、多数の部品が収納されたキャリアテープを送り移動させて、部品を採取可能に供給する。また、部品供給装置20は、例えば比較的大型の部品を、パレット24に載置されたトレイ25上に並べた状態で供給する。部品供給装置20の収納装置23は、複数のパレット24を収納し、装着処理に応じて所定のパレット24を引き出して部品を供給する。
部品移載装置30は、部品供給装置20により供給された部品を、基板搬送装置10により機内に搬入された基板90上の所定の装着位置まで移載する。部品移載装置30のヘッド駆動装置31は、直動機構により移動台32を水平方向(X方向およびY方向)に移動させる。移動台32には、図示しないクランプ部材により装着ヘッド33が交換可能に固定されている。装着ヘッド33は、回転可能に且つ昇降可能に複数の吸着ノズル34を支持する。
吸着ノズル34は、採取した部品を保持する保持部材である。吸着ノズル34は、供給される負圧エアにより、フィーダ22により供給される部品を吸着する。保持部材としては、部品を把持することにより保持するチャックなどが採用され得る。ここで、上記の装着ヘッド33には、例えば図2A-図2Cに示すように、種々のタイプが採用され得る。図2Aの装着ヘッド33は、鉛直軸(Z軸)に平行なR軸周りに回転可能に設けられたロータリヘッド35を有する。ロータリヘッド35には、複数の保持部材(本実施形態において8本の吸着ノズル34)が周方向に等間隔で配置される。
装着ヘッド33は、複数の吸着ノズル34を直線状または円環状に保持し、ロータリヘッド35を回転して吸着ノズル34を1以上の昇降位置に割り出す。そして、装着ヘッド33は、昇降装置36の駆動により吸着ノズル34を昇降させる。図2Bおよび図2Cの装着ヘッド3は、所定位置に複数の保持部材(本実施形態において8本の吸着ノズル34)を直線状に、またはマトリックス状に配列される。装着ヘッド33は、独立して駆動可能な昇降装置36の駆動により吸着ノズル34を昇降させる。
部品カメラ41、および基板カメラ42は、CMOSなどの撮像素子を有するデジタル式の撮像装置である。部品カメラ41、および基板カメラ42は、制御信号に基づいて撮像を行い、当該撮像により取得した画像データを送出する。部品カメラ41は、装着ヘッド33の吸着ノズル34に保持された部品を下方から撮像可能に構成される。基板カメラ42は、基板90を上方から撮像可能に構成される。
制御装置50は、主として、CPUや各種メモリ、制御回路により構成される。制御装置50は、基板90に部品を装着する装着処理を制御する。制御装置50は、記憶装置51を備える。記憶装置51は、ハードディスク装置などの光学ドライブ装置、またはフラッシュメモリなどにより構成される。記憶装置51には、装着処理の制御に用いられる制御プログラムRcなどの各種データが記憶される。制御プログラムRcは、装着処理において基板90に装着される部品の装着位置および装着順序を示す。
ここで、装着処理には、部品供給装置20により供給された部品を複数の吸着ノズル34により採取する採取動作と、採取した部品を基板90における所定の装着位置に装着する装着動作とが含まれるピックアンドプレースサイクル(以下、「PPサイクル」と称する)を複数回に亘って繰り返す処理が含まれる。制御装置50は、装着処理において、各種センサから出力される情報や画像処理の結果、制御プログラムRcなどに基づき、部品移載装置30の動作を制御する。これにより、装着ヘッド33に支持された複数の吸着ノズル34の位置および角度が制御される。
制御装置50は、状態認識部52を備える。状態認識部52は、複数の保持部材(吸着ノズル34)のそれぞれに保持された部品の保持状態の認識処理を実行する。具体的には、状態認識部52は、PPサイクルにおける採取動作の後であり且つ装着動作の前に、部品カメラ41の撮像により取得された画像データを画像処理し、装着ヘッド33の基準位置に対する各部品の位置および角度を認識する。なお、状態認識部52は、部品カメラ41の他に、例えば装着ヘッド33に一体的に設けられるヘッドカメラユニットなどが部品を側方、下方、または上方から撮像して取得された画像データを画像処理するようにしてもよい。
状態認識部52による認識処理の結果によると、装着ヘッド33の基準位置に対する部品の位置および角度の他に、採取動作により部品が正常に採取されたか否かも判定することができる。例えば、制御装置50は、複数の吸着ノズル34のうち所定の吸着ノズル34が部品を採取できなかった場合(部品を認識できなかった場合)や、採取した部品が正常でない場合(部品の一部の欠損、変形、または部品が裏返しの状態の場合)などに、今回のPPサイクルにおいて所定の吸着ノズル34に割り当てられた装着動作が実行不能であると判定する。
制御装置50は、リカバリ制御部53を備える。リカバリ制御部53は、装着処理の実行中に種々のエラーが発生した場合に、装着処理を継続できるようにエラーに対応したリカバリ処理を適宜実行する。上記のリカバリ処理には、実行不能となった装着動作を、今回のPPサイクルと次回のPPサイクルとの間に再度試行したり、全てのPPサイクルが終了するか実行不能となった装着動作の数が所定数に達したところで集約して再度試行したりすることが考えられる。
ここで、基板製品の種類によっては、一枚の基板に同一種類の部品を複数装着する装着処理が実行されることがある。上記のような装着処理には、例えば後述する多面取り基板における複数の単位基板のそれぞれに同一種類の部品を装着する場合や、LED部品などを直線状や曲線状に並べて装着する場合などが含まれる。このような装着処理において、複数の吸着ノズル34には、複数回に亘り実行されるPPサイクルのうち少なくとも1回のPPサイクルにおいて同一種類の部品の採取動作および装着動作がそれぞれ割り当てられる。
本実施形態では、上記のような部品種が同一である複数の部品の装着動作を試行するPPサイクルにおいて採取エラーが発生した場合に適用可能なリカバリ処理の態様を例示する。なお、上記のリカバリ処理が適用されるPPサイクルには、同一種類の部品の装着動作が2以上含まれていればよく、一部に異なる種類の部品の装着動作が含まれていてもよい。また、例えば採取した部品が正常でないなどの採取エラーが発生した場合には、当該部品の廃棄といった採取エラーに対応した対処が適宜実行され得る。
本実施形態において、リカバリ制御部53は、認識処理の結果に基づいて所定の吸着ノズル34に割り当てられた装着動作が実行不能であると判定した場合に、当該装着動作をスキップ動作とする。さらに、リカバリ制御部53は、スキップ動作と同一のPPサイクルにおける採取動作により同一種類の部品を採取した他の吸着ノズル34の一つに割り当てられた装着動作の装着位置をスキップ動作の装着位置に変更する変更処理を実行する。
つまり、リカバリ制御部53は、従来ではスキップ動作について別のPPサイクルにおいて再度の装着動作を試行するところ、採取エラーが発生したPPサイクルに同一種類の部品の採取動作が含まれていることを利用したリカバリ処理を実行する。即ち、リカバリ制御部53は、採取エラーが発生した今回のPPサイクルにおける装着位置のうち所定の装着位置への装着動作を優先する。なお、優先される装着位置は、任意に設定することが可能であり、例えば制御プログラムRcにより指定される装着順序が早いものほど優先度が高くなるように設定してもよい。
さらに、リカバリ制御部53は、上記のような装着位置の変更処理を実行した場合に、変更された装着位置に対する装着動作を行うべく補完処理を実行する。補完処理は、例えば次回以降のPPサイクルの装着位置を変更したり、追加の補完PPサイクルを適宜のタイミングで実行したりする態様を採用し得る。リカバリ処理における変更処理および補完処理の詳細については、部品装着機1による装着処理において説明する。
3.多面取り基板の構成
ここで、本実施形態における基板90は、図3に示すように、複数の単位基板91(本実施形態においては、30枚の単位基板91)により構成される多面取り基板としてもよい。多面取り基板である基板90は、複数の単位基板91ごとにPPサイクルの実行により種々の部品81を装着され、その後に分割されて個々の基板製品となる。本実施形態において、装着処理には、同一種類の複数の部品81を複数の単位基板91に亘って装着するPPサイクルが少なくとも1回含まれるものとする。
また、基板90は、図3に示すように、識別コード92および2つの基準マーク93を有する。識別コード92は、基板90に固有の識別符号(ID)を示す。識別コード92としては、バーコードや二次元コードなどを適用し得る。本実施形態において、識別コード92には、線幅および線同士の間隔が異なる複数の棒線を平行に配置して構成されるバーコードが採用されている。制御装置50は、基板カメラ42により識別コード92を撮像して取得された画像データに基づいて、基板90のIDを読み取る。
制御装置50は、例えば基板90のIDと各種情報とが予め関連付けられたデータに基づいて、基板90の種別や生産する基板製品の種別、実行する装着処理の種別などを決定する。また、識別コード92が生産する基板製品の種別を示す情報を含むようにしてもよよ。2つの基準マーク93のそれぞれは、基板90の基準位置を示す。制御装置50は、基板カメラ42により基準マーク93を撮像して取得された画像データに基づいて基準マーク93を認識する。そして、制御装置50は、認識された基準マーク93の位置に基づいて、基板搬送装置10により位置決めされた基板90の基準位置を認識する。
4.部品装着機1による装着処理
部品装着機1による装着処理について図4-図10を参照して説明する。なお、ここでは、基板90が多面取り基板である装着処理を例示する。さらに、本実施形態の部品装着機1の構成において、1回のPPサイクルとは、複数の吸着ノズル34の少なくとも2以上による一連の採取動作が開始されてから一連の装着動作が終了するまでの動作であるものとする。
多面取り基板を対象とした装着処理には、制御プログラムRcにより指定される全ての装着位置への部品の装着を要求されるものと、装着実態に応じて必要数量または生産可能な数量だけ装着するものがある。具体的には、多面取り基板である1枚の基板90の全ての単位基板91に対して部品を装着するのではなく、必要数量または生産可能な数量に応じた単位基板91にのみ部品を装着することがある。これにより、上記のような装着処理の実行後には、部品を装着されなかった単位基板91が発生する。部品を装着されなかった単位基板91は、基板90の分割の後に廃棄などされる。
上記の「装着実態」には、例えば多面取り基板である1枚の基板90に対して現在のトレイ25上に供給された部品の数量だけ装着を試行することが含まれる。具体的には、例えば30枚の単位基板91に対してトレイ25上に21個の部品が供給されている場合には、制御装置50は、8個の吸着ノズル34を用いて3回のPPサイクルを実行する。このとき、制御装置50は、制御プログラムRcに30箇所の装着位置が指定されているか否かに関わらず、22個目以降の部品が供給されていないことから以降の採取動作および装着動作の実行を省略する。また、装着処理の実行中に部品の不良などが発見されると、トレイ25による供給数量よりも少量の単位基板91にのみ部品が装着される状態になり得る。
以下では、上記のような装着実態に応じて部品を装着する装着処理を例示する。つまり、制御装置50は、トレイ25上に供給された部品の数量だけ装着を試行する。なお、制御装置50は、現在のトレイ25上に供給された部品の種別、残数、および位置を認識している。これにより、制御装置50は、今回の装着処理の対象となる基板90に対して試行するPPサイクルの最大数や、それぞれのPPサイクルにおいて試行する装着動作の最大数を予め把握することができる。
先ず、部品装着機1の基板搬送装置10は、図4に示すように、基板90の搬入処理を実行する(S11)。これにより、機内に基板90が搬入されるとともに、機内の所定位置に位置決めされる。次に、制御装置50は、PPサイクルを実行する(S20)。PPサイクルにおいて、制御装置50は、複数の吸着ノズル34を用いて部品を採取する採取動作を繰り返し実行する(S21)。ここでは、複数の単位基板91のそれぞれに同一種類の部品を装着するために、複数の吸着ノズル34が同一種類の部品をトレイ25から採取する。なお、この採取動作(S21)では、後述する補完処理の設定がなされている場合には、当該補完処理の態様に準じた動作を行う。
続いて、状態認識部52は、複数の吸着ノズル34にそれぞれ保持された部品の保持状態の認識処理を実行する(S22)。詳細には、制御装置50は、装着ヘッド33を部品カメラ41の上方に移動させ、部品カメラ41に撮像指令を送出する。状態認識部52は、部品カメラ41の撮像により取得された画像データを画像処理して、複数の吸着ノズル34のそれぞれに保持された部品の姿勢(位置および角度)を認識する。
リカバリ制御部53は、認識処理(S22)の結果に基づいて、リカバリ処理の実行が必要か否かを判定する(S23)。詳細には、リカバリ制御部53は、複数の吸着ノズル34のうち部品の吸着を試行した1以上の吸着ノズル34のそれぞれが部品を適正に保持しているかを、認識処理(S22)の結果から判定する。具体的には、リカバリ制御部53は、所定の吸着ノズル34が部品を採取していない場合、採取した部品が鉛直軸に対して傾斜している場合、部品が裏返した状態で保持されている場合などに、当該所定の吸着ノズル34による装着動作が実行不能であると判定する。
リカバリ制御部53は、所定の吸着ノズル34に割り当てられた装着動作が実行不能であり、リカバリ処理の実行が必要と判定した場合に(S23:Yes)、当該装着動作をスキップ動作とする(S24)。詳細には、例えば、図5に示すように、8個の吸着ノズル34のうち第二および第五の吸着ノズル34による装着動作が実行不能である場合に、リカバリ制御部53は、それぞれの吸着ノズル34に割り当てられた装着位置P12,P15への装着動作をスキップ動作とする。
続いて、リカバリ制御部53は、同一のPPサイクルにおける装着動作に関する変更処理を実行する(S25)。上記の変更処理は、PPサイクルにおける複数の装着動作の少なくとも一つがスキップ動作とされた場合に、同一種類の部品を採取した他の吸着ノズル34の一つに割り当てられた装着動作の装着位置をスキップ動作の装着位置に変更する処理である。これにより、リカバリ制御部53は、例えば採取エラーが発生したPPサイクルにおいて即時にリカバリ処理を実行する。
上記の変更処理には、例えば下記の2種類の態様が採用され得る。第一変更処理は、図5に示すように、同一のPPサイクルにおいてスキップ動作よりも後に実行予定である装着動作の装着位置(P13,P14,P16,・・)を、それぞれの直前に実行予定である同一種類の部品の装着動作の装着位置にそれぞれ変更する。ここで、図中の○内の数値は、第一から第八までの吸着ノズル34の番号を示し、同図の上から下に向かう順番で装着動作が実行されるものとする(図6において同じ)。
また、第一変更処理は、同一のPPサイクルに含まれるスキップ動作の分だけ繰り返される。結果として、2以上のスキップ動作が含まれる場合には、2回目以降のスキップ動作よりも後に実行予定である装着動作の装着位置(P16-P18)は、2以上前に実行予定であった装着動作の装着位置(P14-P16)にそれぞれ変更される。上記のような第一変更処理は、制御プログラムRcにより指定される装着順序が早い装着位置に優先的に部品が装着されるようにするタイプである。
第二変更処理は、図6に示すように、同一のPPサイクルにおいてスキップ動作よりも後に実行予定である装着動作のうち最後に実行予定である同一種類の部品の装着動作の装着位置(P17,P18)および装着順序をスキップ動作の装着位置(P12,P15)および装着順序に変更する変更処理を実行する。なお、同一のPPサイクルに2以上のスキップ動作が含まれる場合に、上記の「最後に実行予定」は、上記のように末尾から2回分の装着動作の実行予定に相当する。上記のような第二変更処理は、制御プログラムRcにより指定される装着順序が維持されることを優先して部品が装着されるようにするタイプである。
ここで、第一変更処理および第二変更処理によると、制御プログラムRcに基づいて部品を装着される単位基板91が連続である場合には、スキップ動作が発生したとしても部品を装着される単位基板91を連続させることができる。また、第一変更処理は、同一のPPサイクルにおいて装着動作に用いられる吸着ノズル34の順序を維持することができる。よって、第一変更処理は、ロータリヘッド35を有する装着ヘッド33(図2Aを参照)のように複数の吸着ノズル34を昇降位置に順次割り出す構成に適用されると特に有用である。
また、第二変更処理は、装着位置の変更数を最小にすることができる。これにより、例えば最適化された制御プログラムRcによって指定されるそれぞれの吸着ノズル34ごとの装着動作をなるべく維持させることができる。よって、第二変更処理は、複数の吸着ノズル34を直線状に配列された装着ヘッド33(図2Bを参照)のように複数の吸着ノズル34を独立して昇降可能な構成に適用されると特に有用である。
なお、第二変更処理では、装着位置および装着順序の両方を変更する構成としたが、例えば装着位置のみ変更し、装着順序については変更しない態様を採用してもよい。つまり、リカバリ制御部53は、スキップ動作と関係のない第一、第三、第四、および第六の吸着ノズル34を用いて、装着位置(P11,P13,P14,P16)への装着動作を先に行う。そして、リカバリ制御部53は、第七および第八の吸着ノズル34を用いて、変更対象である装着位置(P12,P15)への装着動作を後から行う。
上記のように変更処理(S25)は、装着ヘッド33の機械構成や1回のPPサイクルにおける装着位置に応じて、何れの態様を適用するかによって生産効率が変動し得る。そこで、リカバリ制御部53は、第一変更処理および第二変更処理をそれぞれ適用したPPサイクルの所要時間が短くなる変更処理を選択して実行してもよい。このような構成によると、リカバリ処理(装着位置の変更処理)の実行に伴う生産効率の低下を抑制できる。
ここで、リカバリ制御部53は、変更処理を実行した場合には、今回のPPサイクルにおいて実行予定であったが、装着位置の変更に伴って部品を装着されなかった装着位置(上記の例における装着位置P17,P18)について、後に補完処理が必要であると設定する。続いて、制御装置50は、変更処理(S25)が実行された後に、またはリカバリ処理の実行が不要と判定された場合に(S23:No)、複数の吸着ノズル34を用いて部品を装着する装着動作を繰り返し実行する(S26)。なお、この装着動作(S26)では、後述する補完処理の設定がなされている場合には、当該補完処理の態様に準じた動作を行う。
続いて、リカバリ制御部53は、補完処理の設定が必要であるか否かを判定する(S27)。詳細には、リカバリ制御部53は、今回の装着処理において変更処理(S25)が実行された場合には、補完処理の設定が必要であると判定する(S27:Yes)。補完処理とは、以前のPPサイクルにおいて装着位置の変更に伴って部品を装着されなかった装着位置に部品を装着する処理である。補完処理の設定(S28)では、以降のPPサイクルにおいて実行する補完処理の態様を設定する。上記の補完処理には、例えば下記の2種類の態様が採用され得る。
第一補完処理は、図7に示すように、所定のPPサイクルにおいて装着位置の変更処理(S25)を実行した場合に、以降に実行予定のPPサイクルにおいてスキップ動作と同一種類の部品の装着動作の装着位置を、それぞれの直前に実行予定である同一種類の部品の装着動作の装着位置にそれぞれ変更する。具体的には、第N回のPPサイクルにおいて2つのスキップ動作が発生し、装着位置の変更によって装着位置P17,P18が補完対象となったとする。なお、装着位置P17,P18には、部品種Aを装着することが指定されているものとする。
この場合に、第N+1回のPPサイクルにおいてスキップ動作と同一種類(部品種A)の部品の装着動作の装着位置(図7の装着位置P22-P26)を、それぞれ直前に実行予定である同一種類の部品の装着動作の装着位置(図7の装着位置P17,P18,P22-P24)に変更する。さらに、リカバリ制御部53は、補完処理を実行した場合には、今回の第N+1回のPPサイクルにおいて実行予定であったが、装着位置の変更に伴って部品を装着されなかった装着位置(上記の例における装着位置P25,P26)について、後に補完処理が必要であると設定する。
なお、第N+1回のPPサイクルにおいてスキップ動作と異なる種類(部品種B,C)の部品の装着動作の装着位置および装着順序は変更されない。第N+2回以降のPPサイクルでは、上記と同様に同一種類(部品種A)に関する装着位置がそれぞれ変更される。また、リカバリ制御部53は、最終のPPサイクルにおいて、スキップ動作の数に応じた採取動作および装着動作(図7の装着位置Pe-1,Peへの装着動作)を追加してもよいし、トレイ25上の部品の残数が0であれば当該採取動作および装着動作を省略してもよい。
第二補完処理は、図8に示すように、所定のPPサイクルにおいて装着位置の変更処理(S25)を実行した場合に、以降に実行予定のPPサイクルの前に、所定のPPサイクルに含まれたスキップ動作の数の部品の採取動作および装着位置の変更に伴って未装着となった装着位置への装着動作を実行する。具体的には、第N回のPPサイクルにおいて2つのスキップ動作が発生し、装着位置の変更によって装着位置P17,P18が補完対象となったとする。
この場合に、実行予定の第N+1回のPPサイクルの前に、第N回のPPサイクルに含まれたスキップ動作の数の部品の採取動作(部品種Aの採取動作)、および装着位置の変更に伴って未装着となった装着位置P17,P18への装着動作を実行する。これにより、第N+1回以降のPPサイクルは、新たなスキップ動作が発生しない限りは、制御プログラムRcにより指示された装着動作となる。
ここで、第一補完処理によると、新たなPPサイクルを追加することなく補完することが可能であり、またスキップ動作が発生したPPサイクル以降のPPサイクルにおいて装着動作に用いられる吸着ノズル34の順序を維持することができる。よって、装着ヘッド33がロータリヘッド35を有する構成の場合に、生産効率の低下を特に抑制することができる。また、第二補完処理によると、スキップ動作が発生したPPサイクル以降のPPサイクルに対する変更処理および補完処理の影響を防止できる。これにより、これにより、例えば最適化された制御プログラムRcに基づく制御を維持させることができる。
ここで、装着ヘッド33の機械構成や複数のPPサイクルにおける吸着ノズル34の位置に応じて何れの態様を設定するかによって、生産効率などが変動し得る。そこで、リカバリ制御部53は、第一補完処理や第二補完処理の各種態様を生産効率や品質の観点から切り換えて適宜選択してもよい。ここで、装着位置の変更処理が実行された所定のPPサイクルより後に実行予定の1以上のPPサイクルを予定PPサイクル群Gcとする(図7および図8を参照)。次に、リカバリ制御部53は、第一補完処理および第二補完処理を予定PPサイクル群Gcに別個に適用した場合の予定PPサイクル群Gcの所要時間が短くなる補完処理を選択して実行する。
このような構成によると、リカバリ処理(装着位置の変更処理)の補完処理の実行に伴う生産効率の低下を抑制できる。また、リカバリ制御部53は、補完処理を開始した後に再度のスキップ動作が発生した場合には、改めて各種態様を切り換えてもよい。例えば、1回の装着処理におけるスキップ動作の発生数が所定値以下の場合には、新たなPPサイクルを追加することなく補完可能な第一補完処理を選択し、後のスキップ動作の増加に伴い新たなPPサイクルを追加する第二補完処理を選択するようにしてもよい。
上記のようにリカバリ制御部53が補完処理を設定すると(S28)、以降のPPサイクルにおける採取動作(S21)や装着動作(S26)に補完処理の設定内容が反映される。具体的には、例えば第一補完処理が選択されると以降のPPサイクルにおける装着位置が適宜変更され、例えば第二補完処理が選択されると実行予定の次のPPサイクルの前に追加のPPサイクルが挿入される。なお、追加のPPサイクルでも通常のPPサイクルと同様に保持状態の認識処理(S22)やリカバリ処理の要否判定(S23)、さらなる補完処理の要否判定(S27)が実行される。
制御装置50は、制御プログラムRcおよび装着実態に基づいて、全てのPPサイクルが終了したか否かを判定する(S12)。全てのPPサイクルが終了していない場合には(S12:No)、制御装置50は、PPサイクル(S20)を繰り返し実行する。全てのPPサイクルが終了した場合に(S12:Yes)、制御装置50は、基板90の搬出処理を実行する(S13)。基板90の搬出処理において、基板搬送装置10は、位置決めされていた基板90をアンクランプするとともに、部品装着機1の機外に基板90を搬出する。
上記のような装着処理によると、一部の装着動作が実行不能となってリカバリ処理が必要となった実行中のPPサイクルにおいて、装着位置の変更処理(S25)が実行される。これにより、次回以降のPPサイクルが実行される前に、即時にリカバリ処理が実行される。よって、同一種類の部品を複数装着する所定のPPサイクルにおいて、スキップ動作の装着位置への装着が優先される。複数の装着位置に対する装着順序が所要時間により影響する種類の基板製品の生産においては、当該生産の効率化を図ることができる。
5.多面取り基板を用いた生産処理
部品装着機1による装着処理を含む多面取り基板を用いた生産処理について図3および図9を参照して説明する。具体的には、生産ラインにおいて、図9に示すように、先ず印刷機により基板90の上面にはんだが印刷される(S11)。次に、1以上の部品装着機1により装着処理を実行される(S12)。これにより、基板90の上面には多数の部品が装着される。なお、上記の装着処理(S12)では、必要に応じてリカバリ処理が実行され得る。
ここで、所定の装着実態に基づいて装着処理が実行されると、複数の単位基板91のうち一部にのみ部品が装着されることがある。このような場合に、基板90は、装着処理(S12)の実行後に、マーキング処理を実行される(S13)。マーキング処理は、例えば部品が未装着の単位基板91にインクを塗布することにより、当該単位基板91を視認可能にするものである。これにより、部品装着機1より下流側において別の部品装着機1による装着処理や、検査装置による検査処理が部品未装着の単位基板91に対して実行されることを防止できる。
また、マーキング処理は、多面取り基板である基板90において部品が装着された複数の単位基板91が占める領域と、部品が未装着である複数の単位基板91が占める領域とが区分可能であれば、図3に示すように各領域を区分する区分ライン95を付してもよい。これにより、マーキング処理は、部品を装着された単位基板91と、部品が未装着の単位基板91とを視認可能に区分する。なお、マーキング処理は、部品装着機1または他の対基板作業機が備える機能により実行される。
続いて、基板90は、リフロー炉によりリフロー処理を実行される(S14)。これにより、基板90は、加熱によりはんだを溶融されてはんだ付けされた状態とされる。そして、基板90は、装着処理(S12)、マーキング処理(S13)、およびリフロー処理(S14)の実行後に、表面を樹脂材料によりコーティングするモールド処理を実行され(S15)。上記のモールド処理は、例えばモールド型の内部に基板90に収容し、溶解した樹脂を充填することによりモールド成形する処理である。
最後に、多面取り基板である基板90は、分割処理を実行される(S16)。これにより、複数の単位基板91が個々の基板製品とされる。なお、分割処理では、マーキング処理(S13)によりマークを付された部品未装着の単位基板91と、部品が正常に装着されて基板製品となり得る単位基板91とを仕分けされる。
上記のような生産処理の装着処理(S12)において、例えば採取エラーの発生によりスキップ動作が発生した場合に、上記のようなリカバリ処理が適宜実行されることにより、基板90には、制御プログラムRcにより指令される装着順序の一部がスキップされることなく部品が装着される。このように基板90において複数の部品が連続的に配置され、製品化できない単位基板91が不連続で発生することが防止される。
これにより、マーキング処理では製品化可能な単位基板91が連続する領域と、製品化できない単位基板91が連続で発生する領域とに大別するように、例えば区分ライン95を付すことができる。よって、マーキング処理が簡易となり、生産性を向上できる。製品化可能な単位基板91と製品化できない単位基板91が大別されるため、分割処理(S16)およびその後の仕分け処理の簡易化を図ることができる。
ところで、スキップ動作の発生により部品を装着されなかった単位基板91に対してリカバリ処理が実行されないと、当該単位基板91には周囲の単位基板91よりも装着されている部品数が少なくなる。このような製品化できない単位基板91が不連続で存在すると、モールド処理(S15)において基板90の表面に塗布された樹脂材料が均一とならず、コーティングの品質を低下させる要因となる。これに対して、上記のような構成によって製品化可能な単位基板91と製品化できない単位基板91が大別されると、連続する製品化可能な複数の単位基板91に樹脂材料を好適に塗布することが可能となり、モールド処理の品質を向上できる。
6.実施形態の変形態様
6-1.部品装着機1の構成
実施形態において、部品装着機1は、1つの装着ヘッド33を備える構成とした。これに対して、部品装着機1は、互いに独立して動作可能な複数の装着ヘッド33を備える構成としてもよい。具体的には、図10に示すように、部品装着機101は、互いに独立して1以上の吸着ノズル34を水平方向にそれぞれ移動させる第一装着ヘッド137および第二装着ヘッド138を備える。
第一装着ヘッド137および第二装着ヘッド138は、部品装着機1の機内において互いの可動範囲が重複するように構成され、1枚の基板90に対して装着動作を実行することができる。第一装着ヘッド137は、装着処理に用いられる複数の吸着ノズル34のうち一部(例えば、8本中4本)を支持する。第二装着ヘッド138は、複数の吸着ノズル34のうち残りの一部(例えば、8本中4本)を支持する。
そして、装着処理において、第一装着ヘッド137は、例えば第二装着ヘッド138を用いた基板90に対する部品の装着動作が実行されている期間において、部品の採取処理に用いられるとともに部品の保持状態の認識処理を実行される。そして、第二装着ヘッド138は、採取した部品についての装着動作を終了した後に、部品を採取するために基板90の上方から部品供給装置20の上方へと移動する。
このように複数の装着ヘッド(第一装着ヘッド137、第二装着ヘッド138)を用いた装着処理では、例えば第一装着ヘッド137と第二装着ヘッド138が交互の部品の採取動作と装着動作とを繰り返す。従って、本実施形態において、1回のPPサイクルとは、第一装着ヘッド137を用いた採取動作が開始されてから第一装着ヘッド137を用いた装着動作に並行して実行される第二装着ヘッド138を用いた採取動作および装着動作が終了するまでの動作であるものとする。
上記のような構成による装着処理において、例えば第一装着ヘッド137を用いた採取動作を行った後に、部品の保持状態の認識処理で採取エラーが発生したとする。このような場合において、制御装置50は、採取エラーに係る装着動作をスキップ動作とする。このとき、第一装着ヘッド137が複数の吸着ノズル34を支持し、且つ採取エラーに係る部品と同一種類の部品を他の吸着ノズル34が採取している場合には、制御装置50は、実施形態にて例示したように同一のPPサイクルで他の吸着ノズル34を用いたリカバリ処理を実行してもよい。
さらに、上記のような状況において、制御装置50は、第一装着ヘッド137を用いた装着動作に並行して、第二装着ヘッド138を用いて上記の採取エラーに係る部品を採取するように設定し、同一のPPサイクルにおいて第二装着ヘッド138を用いたリカバリ処理を実行してもよい。このとき、第二装着ヘッド138を用いた装着動作に係る装着位置を変更する変更処理が実行され、さらに以降のPPサイクルにおいて補完処理が適宜実行される。上記の変更処理および補完処理には、実施形態にて例示した態様を適用することができる。
6-2.リカバリ処理について
実施形態において、装着位置の変更処理では制御プログラムRcにより指令される装着順序が先の装着位置が優先するものとした。これに対して、装着位置の変更処理は、種々の事項を優先するようにしてもよい。例えば、基板90が実施形態と同様に多面取り基板である場合に、製品化可能な単位基板91が基板90の搬送方向の上流側や下流側、部品装着機1の前側や後側の領域で連続となることが優先されるように、装着位置を変更してもよい。
6-3.その他
実施形態において、基板製品の生産処理ではマーキング処理やモールド処理が含まれるものとした。マーキング処理は、複数の部品装着機1の間に設置される装置において実行される他、部品装着機1の機内において実行されることもある。また、マーキング処理やモールド処理は、基板製品の生産処理に含まれないこともある。
実施形態において、基板製品の生産に用いられる基板90は、複数の単位基板91により構成される多面取り基板であるものとした。これに対して、基板90は、多面取り基板以外の汎用的な基板であってもよい。このような構成において、複数回に亘ってPPサイクルが実行され、且つ同一のPPサイクルにおいて同一種類の部品が複数装着される場合には、実施形態において例示したようにリカバリ処理を実行する装着処理を適用することができる。このような構成において実施形態と同様の効果を奏する。
1:部品装着機、 30:部品移載装置、 33:装着ヘッド、 137:第一装着ヘッド、 138:第二装着ヘッド、 34:吸着ノズル、 50:制御装置、 51:記憶装置、 52:状態認識部、 53:リカバリ制御部、 81:部品、 90:基板(多面取り基板)、 91:単位基板、 92:識別コード、 93:基準マーク、 95:区分ライン、 Rc:制御プログラム、 Gc:予定PPサイクル群

Claims (13)

  1. 採取した部品を保持する複数の保持部材と、
    複数の前記保持部材のそれぞれに保持された前記部品の保持状態の認識処理を実行する状態認識部と、
    前記部品の装着位置および装着順序を示す制御プログラム、並びに前記認識処理の結果に基づいて、前記部品の採取動作および装着動作が含まれるピックアンドプレースサイクル(以下、「PPサイクル」)を繰り返し実行する制御装置と、を備え、
    複数の前記保持部材には、複数回に亘り実行される前記PPサイクルのうち少なくとも1回の前記PPサイクルにおいて同一種類の前記部品の採取動作および装着動作がそれぞれ割り当てられ、
    前記制御装置は、前記認識処理の結果に基づいて所定の前記保持部材に割り当てられた装着動作が実行不能であると判定した場合に、当該装着動作をスキップ動作とするとともに、前記スキップ動作と同一の前記PPサイクルにおける採取動作により同一種類の前記部品を採取した他の前記保持部材の一つに割り当てられた装着動作の前記装着位置を前記スキップ動作の前記装着位置に変更する変更処理を実行する、部品装着機。
  2. 前記制御装置は、前記PPサイクルにおいて実行予定である複数回に亘る装着動作のうち装着順序が先の装着動作の前記装着位置に優先して前記部品が装着されるように前記装着位置の前記変更処理を実行する、請求項1に記載の部品装着機。
  3. 前記制御装置は、同一の前記PPサイクルにおいて前記スキップ動作よりも後に実行予定である装着動作の前記装着位置を、それぞれの直前に実行予定である同一種類の前記部品の装着動作の前記装着位置にそれぞれ変更する前記変更処理を実行する、請求項2に記載の部品装着機。
  4. 前記制御装置は、同一の前記PPサイクルにおいて前記スキップ動作よりも後に実行予定である装着動作のうち最後に実行予定である同一種類の前記部品の装着動作の前記装着位置および前記装着順序を前記スキップ動作の前記装着位置および前記装着順序に変更する前記変更処理を実行する、請求項2に記載の部品装着機。
  5. 同一の前記PPサイクルにおいて前記スキップ動作よりも後に実行予定である装着動作の前記装着位置を、それぞれの直前に実行予定である同一種類の前記部品の装着動作の前記装着位置にそれぞれ変更する前記変更処理を第一変更処理とし、
    同一の前記PPサイクルにおいて前記スキップ動作よりも後に実行予定である装着動作のうち最後に実行予定である同一種類の前記部品の装着動作の前記装着位置および前記装着順序を前記スキップ動作の前記装着位置および前記装着順序に変更する前記変更処理を第二変更処理とし、
    前記制御装置は、前記第一変更処理および前記第二変更処理を前記PPサイクルに別個に適用した場合のそれぞれの前記PPサイクルの所要時間が短くなる前記変更処理を選択して実行する、請求項2に記載の部品装着機。
  6. 前記制御装置は、所定の前記PPサイクルにおいて前記装着位置の前記変更処理を実行した場合に、以降に実行予定の前記PPサイクルにおいて前記スキップ動作と同一種類の前記部品の装着動作の前記装着位置を、それぞれの直前に実行予定である同一種類の前記部品の装着動作の前記装着位置にそれぞれ変更する補完処理を実行する、請求項1-5の何れか一項に記載の部品装着機。
  7. 前記制御装置は、所定の前記PPサイクルにおいて前記装着位置の前記変更処理を実行した場合に、以降に実行予定の前記PPサイクルの前に、所定の前記PPサイクルに含まれたスキップ動作の数の前記部品の採取動作および前記装着位置の変更に伴って未装着となった前記装着位置への装着動作を含む補完処理を実行する、請求項1-5の何れか一項に記載の部品装着機。
  8. 前記装着位置の前記変更処理が実行された所定の前記PPサイクルの以降に実行予定の前記PPサイクルにおいて前記スキップ動作と同一種類の前記部品の装着動作の前記装着位置を、それぞれの直前に実行予定である同一種類の前記部品の装着動作の前記装着位置にそれぞれ変更する補完処理を第一補完処理とし、
    前記装着位置の前記変更処理が実行された所定の前記PPサイクルの以降に実行予定の前記PPサイクルの前に、所定の前記PPサイクルに含まれたスキップ動作の数の前記部品の採取動作および前記装着位置の変更に伴って未装着となった前記装着位置への装着動作を含む補完処理を第二補完処理とし、
    前記装着位置の前記変更処理が実行された所定の前記PPサイクルより後に実行予定の1以上の前記PPサイクルを予定PPサイクル群とし、
    前記制御装置は、前記第一補完処理および前記第二補完処理を前記予定PPサイクル群に別個に適用した場合の前記予定PPサイクル群の所要時間が短くなる前記補完処理を選択して実行する、請求項1-5の何れか一項に記載の部品装着機。
  9. 前記部品を装着される基板は、複数の単位基板により構成され、複数の前記単位基板ごとに前記PPサイクルの実行により同一種類の前記部品を装着された後に分割される多面取り基板である、請求項1-8の何れか一項に記載の部品装着機。
  10. 前記制御装置は、複数の前記単位基板のうち一部の前記単位基板に前記部品を装着するように複数回に亘る前記PPサイクルを繰り返す装着処理を実行し、
    前記多面取り基板は、前記装着処理の実行後に、前記部品を装着された前記単位基板と前記部品が未装着の前記単位基板とを視認可能に区分するマーキング処理を実行された後に分割される、請求項9に記載の部品装着機。
  11. 前記制御装置は、複数の前記単位基板のうち一部の前記単位基板に前記部品を装着するように複数回に亘る前記PPサイクルを繰り返す装着処理を実行し、
    前記多面取り基板は、前記装着処理の実行後に、表面を樹脂材料によりコーティングするモールド処理を実行された後に分割される、請求項9または10に記載の部品装着機。
  12. 前記部品装着機は、複数の前記保持部材をそれぞれ支持し、複数の前記保持部材を一体的に水平方向に移動させる装着ヘッドをさらに備え、
    1回の前記PPサイクルとは、複数の前記保持部材の少なくとも2以上による一連の採取動作が開始されてから一連の装着動作が終了するまでの動作である、請求項1-11の何れか一項に記載の部品装着機。
  13. 前記部品装着機は、複数の前記保持部材の一部をそれぞれ支持し、互いに独立して前記保持部材を水平方向に移動させる第一装着ヘッドおよび第二装着ヘッドをさらに備え、
    1回の前記PPサイクルとは、前記第一装着ヘッドを用いた採取動作が開始されてから第一装着ヘッドを用いた装着動作に並行して実行される前記第二装着ヘッドを用いた採取動作および装着動作が終了するまでの動作である、請求項1-11の何れか一項に記載の部品装着機。
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