JP7127089B2 - 荷電粒子線装置及び設定支援方法 - Google Patents

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Description

本開示は、荷電粒子線装置及び設定支援方法に関し、特に、照射条件の設定を支援する技術に関する。
荷電粒子線装置として、走査電子顕微鏡、電子線マイクロアナライザー、イオンビーム照射装置、等が知られている。以下においては、それらの装置を代表して走査電子顕微鏡について説明する。
走査電子顕微鏡は、荷電粒子線である電子線(電子ビーム)を試料に対して照射し、試料から放出される二次電子、反射電子、特性X線等を検出する装置である。電子線の二次元走査により得られた一連の検出信号に基づいて試料の表面又は表層を表す画像が形成される。試料から出た特性X線の分析により、試料の定性解析及び定量解析が実行される。
走査電子顕微鏡による試料の測定においては、試料を構成する元素によって試料内における電子侵入範囲(電子線侵入範囲、電子散乱範囲)が変化し、また、電子線の加速電圧によって試料内における電子侵入範囲が変化する。これと同様に、試料を構成する元素や電子線の加速電圧によって、試料内において反射電子が発生する範囲、及び、試料内において特性X線が発生する範囲が変化する。
走査電子顕微鏡においては、ユーザーによる数値の指定により、加速電圧等の照射条件が設定される。従来において、照射条件の設定時に、設定作業を支援する模式図等は表示されていない。なお、試料中の電子侵入範囲又は信号発生範囲を推定するシミュレーション装置も知られている。そのような装置は、測定装置ではなく、単体で機能するものであり、そのような装置と荷電粒子線装置の連携は図られていない。
特許文献1及び特許文献2には、試料内でのX線発生領域の計算、及び、X線発生領域に基づく加速電圧の決定、が記載されている。特許文献3には、元素分布マップ上に特性X線発生領域を重畳して表示することが記載されている。しかし、それらの特許文献には、ユーザーによる照射条件の設定時に、その設定を支援する画像を提供することは記載されていない。なお、本願明細書において、照射条件の設定の概念には、照射条件の確認及び変更が含まれる。
特開2004-163135号公報 特開2006-275756号公報 特開2002- 62270号公報
本開示の目的は、荷電粒子線装置において、ユーザーによる照射条件の設定を支援することにある。あるいは、本開示の目的は、荷電粒子線装置において、試料内で生じる物理現象の範囲をイメージしながら、照射条件の設定を行えるようにすることにある。
本開示に係る荷電粒子線装置は、試料情報及び照射条件に基づいて、荷電粒子線を試料に照射した場合に当該試料内で生じる物理現象の範囲の大きさを演算する演算部と、前記物理現象の範囲を示す平面図と前記物理現象の範囲の大きさを示す数値情報とを有する参照像を生成する生成部と、前記照射条件を設定する際に前記参照像を表示する表示器と、を含むことを特徴とする。
本開示に係る設定支援方法は、荷電粒子線を試料に照射した場合に当該試料内で生じる物理現象の範囲の大きさを演算する工程と、前記物理現象の範囲を示す平面図と前記物理現象の範囲の大きさを示す数値情報とを有する参照像を生成する工程と、前記参照像を表示する工程と、を含むことを特徴とする。
本開示によれば、荷電粒子線装置において、ユーザーによる照射条件の設定を支援できる。あるいは、本開示によれば、試料内で生じる物理現象の範囲をイメージしながら、照射条件の設定を行える。
実施形態に係る走査電子顕微鏡を示す概念図である。 UI(ユーザーインターフェイス)部の構成例を示す図である。 元素テーブルの一例を示す図である。 GUI画像を示す図である。 試料傾斜状態での平面図を示す図である。 試料傾斜に伴う中心点シフトを説明するための図である。 傾斜前の平面図及び傾斜後の平面図を示す図である。 他のGUI画像を示す図である。 変形例(傾斜前)を示す図である。 変形例(傾斜後)を示す図である。 平面図の転記を示す図である。 スケールバーと共に表示される平面図を示す図である。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
(1)実施形態の概要
実施形態に係る荷電粒子線装置は、演算部、生成部、及び、表示器を有する。演算部は、試料情報及び照射条件に基づいて、荷電粒子線を試料に照射した場合に当該試料内で生じる物理現象の範囲の大きさを演算する。生成部は、参照像を生成する。参照像は、物理現象の範囲を示す平面図と物理現象の範囲の大きさを示す数値情報とを有する。照射条件を設定する際に、表示器に参照像が表示される。
上記構成によれば、参照像に含まれる平面図及び数値情報の参照により、試料内で生じる物理現象の範囲をイメージしながら、照射条件を設定することが可能となる。参照像が目安に過ぎないものであっても、参照像の提供によれば、ユーザーを支援できる。特に、荷電粒子線又は荷電粒子線装置についての知識の乏しいユーザーを支援できる。
実施形態においては、参照像を含むグラフィカルユーザーインターフェイス画像がユーザーに提供され、その画像を通じて照射条件の確認、変更等が行われる。試料情報は、試料の組成を特定する情報であり、具体的には元素情報である。照射条件は、荷電粒子線の照射条件であり、その具体例として、加速電圧、及び、試料傾斜角度、が挙げられる。参照像の生成時には、少なくとも加速電圧が考慮される。荷電粒子線は、実施形態において、電子線である。その場合、物理現象の例として、電子侵入範囲(電子散乱範囲)、特性X線発生範囲、反射電子発生範囲、等が挙げられる。平面図は表示オブジェクトであり、典型的には、平面図は1又は複数の表示要素(例えば図形)により構成される。数値情報は、典型的には、1又は複数の数値により構成される。各範囲の大きさが、数値と共に又は数値に代えて、グラフ等の可変表示要素によって表現されてもよい。
実施形態において、演算部は、物理現象の範囲の大きさとして、荷電粒子線の侵入範囲の大きさ、及び、荷電粒子線の照射により生じる信号の発生範囲の大きさを演算する。この構成によれば、侵入範囲及び発生範囲の参照及び/又はそれらの対比により、照射条件をより適切に設定し得る。
実施形態において、平面図には、荷電粒子線の侵入範囲を示す第1図形、及び、信号の発生範囲を示す第2図形が含まれる。数値情報には、荷電粒子線の侵入範囲の大きさを示す第1数値、及び、信号の発生範囲の大きさを示す第2数値が含まれる。第1図形及び第2図形は、実施形態において、多重円のように表示される。
実施形態において、平面図は、試料の表面と並行な面に相当する。生成部は、荷電粒子線に対する試料の傾斜角度に応じて、各図形の中心点を相対的にシフトさせる。実施形態において、試料は、平坦な形態を有する。実施形態において、平面図は、試料の傾斜角度にかかわらず、試料の表面に対して並行である。試料の傾斜角度が0°の場合、試料の表面が荷電粒子線の中心軸(照射軸)に対して直交し、平面図も照射軸に対して直交する。複数の物理現象の範囲をそれぞれ球モデルで表現した場合、複数の物理現象の範囲の中心点は、照射軸上に並び、平面図においてそれらの中心点は一致する。一方、試料が傾斜すると、試料に対して照射軸が斜めに入射し、照射軸上の複数の中心点は、平面図上において、照射軸に対応する線上で分散する。このため、上記構成においては、試料の傾斜角度に応じて、各図形の中心点を相対的にシフトさせている。
実施形態において、平面図は、荷電粒子線に対して直交する面に相当する。荷電粒子線に対する試料の傾斜角度にかかわらず、第1図形の中心点と第2図形の中心点が一致する。平面図が荷電粒子線の中心軸(照射軸)に対して直交する面である場合、試料が傾斜しても複数の物理現象の範囲の中心点は平面図上において原点に位置したままとなる。このため、上記構成においては、各図形の中心点を相互に一致させている。
実施形態において、平面図を有する参照像は第1参照像である。生成部は、更に、物理現象の範囲を示す断面図を有する第2参照像を生成する。表示器に第1参照像及び第2参照像が表示される。この構成によれば、平面図及び断面図の観察を通じて、物理現象の範囲の三次元形態をイメージすることが可能となる。断面図上において、各物理現象の範囲が液滴状の図形で表現されてもよい。各物理現象の範囲が円、楕円、壺形状、等で表現されてもよい。
実施形態に係る荷電粒子線装置は、試料画像形成部、及び、表示処理部を含む。試料画像形成部は、試料に対して荷電粒子線を走査することにより得られた一連の検出信号に基づいて試料画像を形成する。表示処理部は、試料画像上又はその近傍に、スケーリングされた平面図を表示する。この構成によれば、試料画像の観察時に、物理現象の範囲の大きさを認識することが可能となる。
実施形態に係る設定支援方法は、第1工程、第2工程、及び、第3工程を含む。第1工程では、荷電粒子線を試料に照射した場合に当該試料内で生じる物理現象の範囲の大きさが演算される。第2工程では、物理現象の範囲を示す平面図と物理現象の範囲の大きさを示す数値情報とを有する参照像が生成される。第3工程では、参照像が表示される。
上記設定支援方法は、ソフトウエアの機能により実現され得る。その場合、上記設定支援方法を実行するプログラムが、ネットワーク又は可搬型記憶媒体を介して、荷電粒子線装置、情報処理装置、等に対してインストールされる。
(2)実施形態の詳細
図1には、実施形態に係る荷電粒子線装置が示されている。荷電粒子線装置は、具体的には、走査電子顕微鏡10である。走査電子顕微鏡10は、図示された構成例において、測定部12及び情報処理部14に大別される。情報処理部14は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)により構成される。情報処理部14には、表示器16及び入力器18が接続されている。
後述するように、表示器16に表示された画像19を通じて、試料情報及び照射条件が入力され、また、表示器16には、試料に対して電子線を照射した場合において試料内で生じる複数の物理現象が模式的に表示される。
測定部12は、鏡筒20及び本体21有する。本体21の内部が試料室22である。鏡筒20内には、電子線源、集束レンズ、偏向走査レンズ、対物レンズ等が設けられている。それらによって電子ビームつまり電子線23が生成される。試料室22内には、試料ステージ24が設けられ、試料ステージ24によって試料25が保持されている。具体的には、試料ステージ24に対して、試料25を保持した試料ホルダが取り付けられている。試料ステージ24は、試料25を上下左右方向に移動させるXYZ機構、試料25を回転させる回転機構、及び、試料25を傾斜させるチルト機構、を備えている。試料傾斜角度はチルト角とも称される。
試料25は、平坦な形態を有し、例えば、平板状又は円板状の形態を有する。試料25が他の形態を有していてもよい。チルト角0°において、試料25の表面が電子線の中心軸(照射軸)に対して直交する。試料25が複雑な形態を有する場合、チルト角0°において、照射軸に対して直交する仮想的な面を試料25の表面とみなし得る。
図示の構成例において、試料25の周囲には、二次電子検出器26、反射電子検出器27、及び、特性X線分光器28が設けられている。それらは模式的に表現されている。試料25に対して電子線23を照射すると、試料25から二次電子及び反射電子が放出され、また試料25から特性X線が放出される。二次電子検出器26により、試料25から放出された二次電子が検出される。反射電子検出器27により、試料25から放出された反射電子が検出される。特性X線分光器28により、試料25から放出された特性X線が検出される。
特性X線分光器28は、例えば、エネルギー分散型特性X線分光器である。それに代えて、又はそれと共に、波長分散型特性X線分光器が設けられてもよい。以上に挙げた検出器以外の検出器が設けられてもよい。通常、試料25に対して電子線23が二次元走査される。二次電子検出器26、反射電子検出器27及び特性X線分光器28から出力された複数の検出信号が情報処理部14へ送られている。
情報処理部14は、情報処理を実行するプロセッサ、データ及びプログラムを格納するメモリ、等を有している。図1においては、情報処理部14により発揮される代表的な複数の機能が複数のブロックにより表現されている。具体的には、情報処理部14は、制御部30、試料画像形成部32、分析部34、UI(ユーザーインターフェイス)部36、等として機能する。
制御部30は、測定部12内の個々の機器の動作を制御する。制御部30によって、ユーザー指定された照射条件を実現する複数の動作パラメータが決定される。照射条件には、電子線23の加速電圧及び試料のチルト角が含まれる。電子線23の加速電圧は、試料25から見て、電子線23の入射電圧と言い得る。
試料画像形成部32は、電子線23の二次元走査によって得られた一連の検出信号(例えば、一連の二次電子検出信号又は一連の反射電子検出信号)に基づいて、試料25の表面又は表層を表す二次元画像を形成する。分析部34は、特性X線分光器28から出力された検出信号に基づいて、試料25の定性分析及び定量分析を実行する。具体的には、分析部34は、試料を構成する複数の元素、及び、元素ごとの濃度を分析する機能を備えている。
UI部36は、ユーザーに提供するグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)画像を生成し、GUI画像を通じてユーザーが入力する情報を受け付ける。UI部36は、参照像生成器38を備えている。
参照像生成器38は、参照像を生成するモジュールである。参照像には、後に詳述するように、試料内で生じる複数の物理現象の範囲を示す平面図、及び、試料内で生じる複数の物理現象の範囲の大きさを示す数値情報が含まれる。具体的には、平面図には、複数の物理現象の範囲を示す複数の図形が含まれ、数値情報には、複数の物理現象の範囲の大きさを示す複数の数値が含まれる。
実施形態において、複数の図形のサイズ(具体的には直径)は、複数の物理現象の範囲の大きさによらずに、一定である。複数の物理現象の範囲の大きさは、数値情報を構成する複数の数値によってユーザーに通知される。もちろん、複数の図形のサイズを、複数の物理現象の範囲の大きさによって変動させてもよい。
参照像は、GUI画像の要部を構成する。物理現象として、電子侵入(電子散乱)、及び、信号発生が挙げられる。信号発生として、反射電子の発生、及び、特性X線の発生が挙げられる。平面図は、試料25の表面に対して並行な面に相当する。チルト角0°において、平面図は照射軸に対して直交し、チルト角α°において、平面図は照射軸に対してα°傾斜する。
参照像又はそれを含むGUI画像は、ユーザーによる照射条件の設定を支援するための補助的画像である。ユーザーは、GUI画像の観察を通じて、複数の物理現象の範囲をイメージ又は認識しながら、GUI画像を通じて加速電圧等の照射条件を確認又は変更し得る。以上のように、UI部36は、演算手段、生成手段、及び、受付手段として機能する。更に、実施形態に係るUI部36は、試料画像上にスケーリングされた平面図を重畳表示し、又は、試料画像の近傍にスケーリングされた平面図を表示する表示処理手段として機能する。その場合、試料画像と共に表示される平面図は、試料画像と同様、チルト角によらずに、照射軸に対して直交する。
図1に示す構成例では、情報処理部14がUI部36を有していたが、UI部36を他の情報処理部に含めてもよい。例えば、制御部30を含む第1情報処理部、及び、UI部36を含む第2情報処理部を設け、それらを相互に連携させてもよい。
表示器16は、液晶表示器、有機EL表示デバイス、等により構成される。入力器18は、キーボード、ポインティングデバイス、等により構成される。表示器16及び入力器18として、タッチパネル付き表示器が設けられてもよい。
図2には、UI部36の構成例が示されている。図2に示されている複数のブロックは、元素テーブル46を除いて、いずれも、ソフトウエアにより実現される機能を示している。受付部40は、加速電圧E、チルト角T、及び、試料情報Sを受け付けるモジュールである。試料情報Sは、試料を構成する1又は複数の元素を特定する情報である。試料が複数の元素により構成される場合、試料情報Sに、個々の元素の濃度(比率)を特定する情報が含まれ得る。試料情報Sが各元素の元素情報により構成されてもよい。
以下に説明する具体例においては、説明簡略化のため、試料25が単一の元素により構成されているものとする。なお、試料25が複数の元素により構成される場合、試料25がいずれかの代表元素により構成されているとみなしてもよいし、試料25を構成する複数の元素の濃度に基づいて試料25について平均質量、平均密度及び平均原子番号を計算し、それらを試料25の元素情報として取り扱ってもよい。
符号42で示すように、受付部40は、ユーザーの操作に従って、制御部から、そこに設定されている加速電圧E及びチルト角Tを取得する取得部として機能し、また、分析部から、試料情報Sを取得する取得部として機能する。受付部40は、符号58及び符号44で示すように、GUI画像を通じてユーザーにより入力された加速電圧E、チルト角T、及び、試料情報Sを受け付ける機能を有する。
受付部40は、ユーザー操作に従って、受け付けられた照射条件を制御部へ転送し、これにより、その照射条件を制御部に適用する転送部としても機能する(符号66を参照)。転送される照射条件は、加速電圧E及びチルト角Tである。
受付部40から元素テーブル46へ、試料情報S、具体的には試料25を構成する元素を特定する情報が与えられている。元素テーブル46は元素データベースを構成するものである。元素テーブル46から、試料25を構成する元素の元素情報が出力される。元素情報には、質量A、原子番号Z、密度ρ、及び、最低励起エネルギーEcが含まれる。最低励起エネルギーEcは、特性X線を生じさせる最低のエネルギーに相当する。
電子侵入範囲演算器48は、加速電圧Eに基づいて、電子侵入範囲(電子散乱範囲)の深さ方向の大きさとして、電子侵入深さDPEを演算する。電子侵入深さDPEは、電子侵入範囲の深さ方向の最大値である。また、電子侵入範囲演算器48は、電子侵入範囲について、深さ方向に直交する方向(試料表面方向)の大きさとして、電子侵入範囲の幅DPEφを演算する。実施形態においては、平面図を生成する上で、電子侵入範囲は球モデルによって表現される。電子侵入範囲の幅DPEφは、電子侵入深さDPEと同一である。電子侵入深さDPE及び電子侵入範囲の幅DPEφは、いずれも直径に相当する。電子侵入深さDPE及び電子侵入範囲の幅DPEφを求めるための計算式については後に説明する。
反射電子発生範囲演算器50は、実施形態において、反射電子発生範囲の深さ方向の大きさとして、反射電子発生深さDBSEを演算する。具体的には、反射電子発生深さDBSEは、後に説明するように、電子侵入深さDPEに基づいて計算される。また、反射電子発生範囲演算器50は、反射電子発生範囲の試料表面方向の大きさとして、反射電子発生範囲の幅DBSEφを演算する。実施形態においては、平面図を生成する上で、反射電子発生範囲は球モデルによって表現される。反射電子発生範囲の幅DBSEφは、反射電子発生深さDBSEと同一である。反射電子発生深さDBSE及び反射電子発生範囲の幅DBSEφは、いずれも直径に相当する。必要であれば、それらの演算の際に、元素テーブル46から出力される元素情報が参照されてもよい。反射電子発生深さDBSE及び反射電子発生範囲の幅DBSEφを求めるための計算式については後に説明する。
特性X線発生範囲演算器52は、実施形態において、特性X線発生範囲の深さ方向の大きさとして、特性X線発生深さDを演算する。また、特性X線発生範囲演算器52は、特性X線発生範囲の試料表面方向の大きさとして、特性X線発生範囲の幅DXφを演算する。実施形態においては、平面図を生成する上で、特性X線発生範囲は球モデルによって表現される。特性X線発生範囲の幅DXφは、特性X線発生深さDと同一である。特性X線発生深さD及び特性X線発生範囲の幅DXφは、いずれも直径に相当する。特性X線発生深さD及び特性X線発生範囲の幅DXφを演算する際に、元素テーブル46から出力される最低励起エネルギーEcが参照される。特性X線発生深さD及び特性X線発生範囲の幅DXφを求めるための計算式については後に説明する。
1つの元素から複数の特性X線が生じ得る場合、その内で代表特性X線について発生深さD等が演算されてもよいし、複数の特性X線のすべてについて複数の発生深さD等が演算されてもよい。加速電圧に従って、計算対象とする代表特性X線を自動的に決定するためのテーブルを用意してもよい。上記の電子侵入深さDPE、反射電子発生深さDBSE、及び、特性X線発生深さDを演算する際に、チルト角Tが考慮されてもよい。
画像生成器54は、GUI画像を生成するモジュールであり、それには参照像生成器38が含まれる。参照像生成器38に対しては、電子侵入範囲の幅DPEφ(又は電子侵入深さDPE)、反射電子発生範囲の幅DBSEφ(又は反射電子発生深さDBSE)、特性X線発生範囲の幅さDXφ(又は特性X線発生深さD)、加速電圧E、チルト角T、試料情報S、等が与えられている。参照画像中の数値情報を構成する複数の数値は、電子侵入範囲の幅DPEφ、反射電子散乱範囲の幅DBSEφ、及び、特性X線発生範囲の幅DXφによって構成される。数値情報を構成する複数の数値が、電子侵入深さDPE、反射電子発生深さDBSE、及び、特性X線発生深さDによって構成されてもよい。符号56は、表示器に対して出力する信号を示している。符号58は、入力器からの信号を示している。
加速電圧演算器60は、必要に応じて、特性X線発生深さD(又は特性X線発生範囲の幅DXφ)から加速電圧Eを逆算するモジュールである。その逆算に際しては、試料情報S、及び、その他の情報が参照される。逆算された加速電圧Eが受付部40に送られている(符号62を参照)。これにより、各値が再計算される。逆算された加速電圧Eが、必要に応じて、制御部へ送られる(符号64を参照)。これにより加速電圧Eが制御部に対して適用され、つまり加速電圧Eが有効化される。
図2に示す構成例において、GUI画像上における加速電圧等の照射条件の入力とは別に、制御部に対する照射条件の入力を求めてもよい。これは、ユーザーによる照射条件の設定をより慎重に行わせるための安全策である。その場合でも、GUI画像が照射条件の設定を支援する画像であることに変わりはない。もっとも、そのような再入力は煩雑であるので、実施形態においては、入力された照射条件を有効化する適用ボタンが用意されている。これについては後述する。
なお、従来同様、照射条件を設定するための設定画像(但し参照像を有しない)を通じて、照射条件の新規設定、照射条件の確認、及び、照射条件の変更を行える。そのような設定画像は、図1に示した制御部により生成される。例えば、電子線又は走査電子顕微鏡についての知識及び経験が豊富なユーザーにおいては、GUI画像の表示を経由せずに、設定画像上において照射条件を設定し得る。
図3には、元素テーブルの構成例が示されている。元素テーブル46は、不揮発メモリ上に構築される。元素テーブル46は、複数の元素に対応する複数のレコード70を有する。各レコードは、元素72に関する元素情報を含み、元素情報は複数の物理情報からなる。複数の物理情報には、原子番号74、質量76、密度78、最低励起エネルギー80、等が含まれる。上記のように、個々の元素ごとに、複数の特性X線に対応する複数の最低励起エネルギー80が登録され得る。
以下、電子侵入深さDPE、電子侵入範囲の幅DPEφ、反射電子発生深さDBSE、反射電子散乱範囲の幅DBSEφ、特性X線発生深さD、及び、特性X線発生範囲の幅DXφの計算方法について説明する。以下においては、説明簡略化のため、試料が単一の元素により構成されていることを前提とする。
電子侵入深さDPEは、公知の以下の(1)式によって計算される。
Figure 0007127089000001
上記(1)式において、Aは元素(原子)の質量を示しており、Eは加速電圧を示しており、ρは元素の密度を示しており、Zは原子番号を示している。質量A、密度ρ、及び、原子番号Zは、元素テーブルから特定される。
電子侵入範囲の幅DPEφは、以下の(2)式で示すように、電子侵入深さDPEと同一であるとみなされる。
Figure 0007127089000002
反射電子発生深さDBSEは、以下の(3)式によって計算される。すなわち、反射電子発生深さDBSEは、電子侵入深さDPEの半分であるとして、電子侵入深さDPEから直ちに計算され得る。
Figure 0007127089000003
反射電子発生範囲の幅DBSEφは、以下の(4)式で示すように、反射電子発生深さDBSEと同一であるとみなされる。
Figure 0007127089000004
特性X線発生深さDは、公知の以下の(5)式によって計算される。Ecは、特定の電子軌道についての最低励起エネルギーである。
Figure 0007127089000005
特性X線発生範囲の幅DXφは、以下の(6)式で示すように、特性X線発生深さDと同一であるとみなされる。
Figure 0007127089000006
特性X線発生深さDから、上記(5)式を変形した以下の(7)式に基づいて、加速電圧Eを逆算し得る。
Figure 0007127089000007
上記(7)式において、特性X線発生深さDに代えて特性X線発生範囲の幅DXφを用いてもよい。
試料表面からそれに対して垂直な方向の距離が深さであるとの定義を採用する場合、試料傾斜を考慮して上記の各深さが計算される。その場合、以下の(8)式に示される補正係数kaが用いられる。
Figure 0007127089000008
すなわち、補正前の電子侵入深さDPE、補正前の反射電子発生深さDBSE、及び、補正前の特性X線発生深さDのそれぞれに対して上記補正係数kaを乗算することにより、補正後の電子侵入深さDPE、補正後の反射電子発生深さDBSE、及び、補正後の特性X線発生深さDが求められる。もっとも、電子侵入範囲の幅DPEφ、反射電子散乱範囲の幅DBSEφ、及び、特性X線発生範囲の幅DXφは、試料傾斜に依存せず、補正演算は不要である。補正係数kaについては後に説明する。
図4には、試料の断面が示されている。試料表面がFで示されている。Zはチルト角0°の場合における照射軸を示している。Z1はチルト角T°の場合における照射軸を示している。なお、実際には電子線に対して試料が傾斜するが、図4においては試料に対して電子線を傾斜させている。ここでは、電子侵入範囲が球であるとみなされている。図4には示されていないが、他の範囲も球であるとみなされる。
チルト角0°の場合における電子侵入範囲が円Qで示されている。電子侵入深さDPEは円Qの直径に相当する。円Qの中心点Oは照射軸Z上にある。中心点Oの深さはDPE/2である。
試料が傾斜すると(図4では照射軸が傾斜すると)、照射点Pに接した状態を維持しながら、円Qが回転する。チルト角T°における電子侵入範囲が円Q1で示されている。円Q1の中心点O1は、傾斜後の照射軸Z1上にある。中心点Oから中心点O1までの水平方向の移動量(シフト量)は(DPE/2)×sinTで表せる。そこから以下の補正係数kbが導かれる。
Figure 0007127089000009
電子侵入深さDPE、反射電子発生深さDBSE、及び、特性X線発生深さDに対して補正係数kbを乗算することにより、傾斜後における電子侵入範囲の中心点のシフト量、反射電子発生範囲の中心点のシフト量、及び、特性X線発生範囲の中心点のシフト量が求まる。
チルト角0°の場合、それらの中心点は照射軸Z上に並び、試料表面Fと並行関係にある平面図上において、それらの中心点は一致する。チルト角T°の場合、それらの中心点は照射軸Z1上に並び、試料表面Fと並行関係にある平面図上において、それらの中心点は所定のライン上で分散する。但し、球モデルを採用したため、試料が傾斜しても、電子侵入範囲の幅DPEφ、反射電子発生範囲の幅DBSEφ、及び、特性X線発生範囲の幅DXφは、それぞれ一定である。
図4において、平面図は、照射軸Zに並行な観察方向200から投影を行って得られる像である(第1の定義)。照射軸Z1に並行な観察方向202から投影を行って得られる像が平面図であるとの他の定義(第2の定義)を採用することも可能である。この場合、試料が傾斜しても中心点のシフトは生じない。GUI画像に含まれる平面図を生成する場合、第1の定義が採用される。試料画像上に重畳表示される又はその近傍に表示される平面図を生成する場合、第2の定義が採用される。
なお、試料表面に対して直交する方向における試料表面からの距離が深さであるとの定義を採用した場合、試料の傾斜に伴って各中心点の深さは小さくなる。例えば、電子侵入範囲の中心点の深さは、傾斜を考慮すると、(DPE/2)×cosTで表される。傾斜状態における電子侵入深さは、(DPE/2)×cosTに対して、半径に相当するDPE/2を加算することにより求められる。そのような考え方に基づいて、(8)式で示した補正係数kaが導かれる。
図5には、GUI画像82の一例が示されている。GUI画像82には、入力部84、及び、第1実施例に係る参照像86が含まれる。参照像86には、平面図87及び数値情報88が含まれる。
入力部84は、複数の入力欄89,90,92を有している。具体的には、入力欄89を利用して加速電圧が入力される。入力欄90を利用して試料を構成している元素が指定される。その際に周期律表を表示しその中から元素が指定されてもよい。入力欄92を利用してチルト角が指定される。
取得ボタン94を操作すると、制御部に設定されている加速電圧が取得され、その加速電圧が入力欄89に反映される。適用ボタン96を操作すると、入力欄89に表示されている加速電圧が制御部へ転送され、制御部にその加速電圧が適用され、つまりその加速電圧が有効化される。取得ボタン98を操作すると、分析部から、試料を構成する元素を特定する情報が取得される。その情報が入力欄90に反映される。分析部から複数の元素及びそれらの濃度が取得されてもよい。取得ボタン100を操作すると、制御部に設定されているチルト角が取得され、その値が入力欄92に反映される。適用ボタン102を操作すると、入力欄に表示されているチルト角が制御部へ転用され、そのチルト角が制御部に適用される。
平面図87は模式図であり、それには複数の図形104,106,108が含まれる。各図形104,106,108は具体的には円である。複数の図形104,106,108により多重円が構成されている。図示された平面図87は、チルト角0°を前提として生成されたものである。
具体的には、図形104は、試料内の電子侵入範囲を示しており、図形106は試料内のX線特性発生範囲を示しており、図形108は試料内の反射電子発生範囲を示している。それぞれの図形104,106,108は、投影像に相当し又は水平断面に相当する。図形104,106,108に対して重畳順位付けを行ってそれらを着色してもよい。実施形態において、各図形104,106,108は、各範囲の形態を凡そ表現するものであり、それらのサイズは、各範囲の大きさが変化しても、変動しない。もちろん、各範囲の大きさの変化に応じて、各図形104,106,108のサイズを変化させてもよい。
数値情報88は、複数の数値110,112,114により構成される。数値110は、電子侵入範囲の大きさを示しており、具体的には、電子侵入範囲の幅DPEφを示している。それに代えて又はそれと共に、電子侵入深さDPEが表示されてもよい。数値110の近傍にあるラベルは電子侵入範囲であることを示している。
数値112は、特性X線発生範囲の大きさを示しており、具体的には、特性X線発生範囲の幅DXφを示している。それに代えて又はそれと共に、特性X線発生深さDが表示されてもよい。数値112の近傍にあるラベルは特性X線発生範囲であることを示している。数値114は、反射電子発生範囲の大きさを示しており、具体的には、反射電子発生範囲の幅DBSEφを示している。それに代えて又はそれと共に、反射電子発生深さDBSEが表示されてもよい。数値114の近傍にあるラベルは特性X線発生範囲であることを示している。
以上のように、参照像86には、平面図87及び数値情報88が含まれるので、参照像86の観察を通じて、試料内に生じる電子侵入範囲、特性X線発生範囲及び散乱電子発生範囲をイメージでき、それに加えて、各範囲の大きさを定量的に認識することが可能となる。よって、ユーザーによる照射条件の設定を支援することが可能となる。実施形態によれば、既に設定されている照射条件に基づいて参照像を生成し、過去の照射条件の適切さを事後的に確認することも可能である。また、GUI画像を通じて適切な照射条件を見出せた場合、適用ボタン96,102を利用してその照射条件を制御部に速やかに設定することもできる。
第1実施例に係る参照像86において、平面図に対して二次電子発生範囲を示す図形を加えてもよく、また、数値情報88に対して二次電子発生範囲の大きさを示す数値を加えてもよい。数値表示に代えてグラフ表示を採用してもよい。範囲の大きさの変化に対して色相の変化を対応付け、各範囲の大きさに対応する色相で各範囲を示す図形を塗り潰すようにしてもよい。
図6には、試料傾斜状態で表示されるGUI画像82が示されている。入力欄92Aを利用して、チルト角が指定されている。参照像86Aには平面図87A及び数値情報88Aが含まれ、チルト角の指定に応じて、それらの内容が変化している。複数の図形104A,106A,108Aの中心点は水平方向に相対的にシフトしている。この結果、多重円の重心が偏移している。この平面図87Aは、上記の第1の定義に従うものである。数値情報88Aを構成する各数値110A,112A,114Aは、試料傾斜があっても、維持される。
図7には、試料傾斜前の平面図120と試料傾斜後の平面図120Aが示されている。平面図120において、図形122,124,126の中心点は原点128に一致している。平面図120Aにおいて、図形122A,124A,126Aの中心点A,B,Cは、原点128Aからシフトし、分散している。照射軸に対応するラインx上に、各中心点A,B,Cが並んでいる。チルト角の増大に応じて各シフト量a,b,cが増大する。
図8には、GUI画像の他の例が示されている。GUI画像130には、入力部132、第1参照像134及び第2参照像135が含まれる。第1参照像134は、平面図136及び数値情報137を有している。第2参照像135は、断面図138及び数値情報139を有している。平面図136には、3つの範囲(電子侵入範囲、特性X線発生範囲、反射電子発生範囲)を示す3つの図形140,141,142が含まれる。数値情報137には、3つの範囲の幅を示す3つの数値144,146,148が含まれる。
断面図138には、3つの範囲を示す図形154,156,158が含まれる。それらは液滴形状を有している。図形154,156,158を円、楕円、壺形状、等で表現してもよい。図形152は試料表面を示すラインである。図形150は電子線を示す三角形である。数値情報には、3つの範囲の深さ方向の大きさを示す3つの数値160,162,164が含まれる。
試料が傾斜すると、平面図136において多重円が偏心し、断面図138において図形152が傾斜し、各図形154,156,158において試料表面よりも上側に相当する部分が消去(マスク)される。数値160,162,164として、補正後の数値が表示される。
図8に示したGUI画像によれば、各範囲の三次元形態をイメージし易く、また各範囲の三次元サイズを把握し易くなる。よって、照射条件の設定がより容易となる。
図9及び図10には変形例が示されている。図9において、断面図138Aの下側に平面図136Aが表示されている。図10に示されるように、チルト角に応じて断面図138Bに対して平面図136Bが回転運動する。その際、チルト角T°に応じて平面図136Bの回転角が定まる。Fは試料表面を示しており、それよりも上側の図形は消去されている。平面図136Bにおいては多重円が偏心している。
図11に示されるように、GUI画像172に含まれる平面図174が試料画像170上に転記(コピー)されてもよい。その際において、平面図174のスケールを試料画像170のスケールに合わせるスケーリング176が実施されてもよい。試料が傾斜している場合、試料の傾斜を考慮しない平面図を試料画像170上に転記するのが望ましい。すなわち、図4に示したように、試料画像の観察方向202に平面図の観察方向を合わせるのが望ましい。上記の転記のための操作を求めることなく、最初から試料画像上に平面図が表示されてもよい。図11に示す構成によれば、試料画像上において、電子侵入範囲の大きさ、特性X線発生範囲の大きさ、及び、反射電子発生範囲の大きさを認識することが可能となる。
図12に示されるように、試料画像178に隣接してスケールバー180が表示される場合、そのスケールバー180と一緒に参照像182が表示されてよい。その際には上記のスケーリングが実施される。スケールバー180の近傍にはスケール情報180aが表示されている。参照像182には、平面図182a及び数値182bが含まれる。数値182bは、例えば、電子侵入範囲の幅を示すものである。
試料画像178の倍率が第1閾値以下になった場合、スケールバー184の隣に表示される平面図186の形態を単なる点又は小円(つまり最小サイズ図形)としてもよい。試料画像178の倍率が第2閾値以上になった場合、スケールバー188の隣に表示される平面図190の形態を大きな矩形(最大サイズ図形)としてもよい。それらの場合、適正なスケーリングが実施できていないことをハイライトや着色等によってユーザーに報知してもよい。
以上において示した計算式やモデルは一例であり、他の計算式やモデルを利用してもよい。いずれにしても、電子侵入深さ、反射電子発生深さ、及び、特性X線発生深さといった物理現象の範囲を大まかに示す目安をユーザーに提供すれば、それらの情報がまったく得られない場合に比べて、ユーザーの利便性を向上でき、あるいは、ユーザーによる照射条件設定を支援することが可能となる。上記実施形態においては、走査電子顕微鏡について説明したが、上記で説明した事項が他の荷電粒子線装置に適用されてもよい。
10 走査電子顕微鏡、12 測定部、14 情報処理部、16 表示器、18 入力器、22 試料室、24 試料ステージ、25 試料、36 UI部、38 参照像生成器、40 受付部、46 元素テーブル、48 電子侵入範囲演算器、50 反射電子発生範囲演算器、52 特性X線発生範囲演算器、54 画像生成器、60 加速電圧演算器、82 GUI画像、84 入力部、86 参照像、87 平面図、88 数値情報。

Claims (8)

  1. 試料情報及び照射条件に基づいて、荷電粒子線を試料に照射した場合に当該試料内で生じる物理現象の範囲の大きさを演算する演算部と、
    前記物理現象の範囲を示す平面図と前記物理現象の範囲の大きさを示す数値情報とを有する参照像を生成する生成部と、
    前記照射条件を設定する際に前記参照像を表示する表示器と、
    を含み、
    前記演算部は、前記物理現象の範囲の大きさとして、前記荷電粒子線の侵入範囲の大きさ、及び、前記荷電粒子線の照射により生じる信号の発生範囲の大きさを演算する、
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 請求項1記載の荷電粒子線装置において、
    前記表示器は、前記参照像を含む画像であってユーザーが入力する情報を受け付けるためのグラフィカルユーザーインターフェイス画像を表示する、
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項記載の荷電粒子線装置において、
    前記平面図には、前記荷電粒子線の侵入範囲を示す第1図形、及び、前記信号の発生範囲を示す第2図形が含まれ、
    前記数値情報には、前記荷電粒子線の侵入範囲の大きさを示す第1数値、及び、前記信号の発生範囲の大きさを示す第2数値が含まれる、
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項3記載の荷電粒子線装置において、
    前記平面図は、前記試料の表面と並行な面に相当し、
    前記生成部は、前記荷電粒子線に対する前記試料の傾斜角度に応じて、前記各図形の中心点を相対的にシフトさせる、
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 請求項3記載の荷電粒子線装置において、
    前記平面図は、前記荷電粒子線に対して直交する面に相当し、
    前記荷電粒子線に対する前記試料の傾斜角度にかかわらず、前記第1図形の中心点と前記第2図形の中心点とが一致する、
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  6. 試料情報及び照射条件に基づいて、荷電粒子線を試料に照射した場合に当該試料内で生じる物理現象の範囲の大きさを演算する演算部と、
    前記物理現象の範囲を示す平面図と前記物理現象の範囲の大きさを示す数値情報とを有する参照像を生成する生成部と、
    前記照射条件を設定する際に前記参照像を表示する表示器と、
    を含み、
    前記参照像は第1参照像であり、
    前記生成部は、前記物理現象の範囲を示す断面図を有する第2参照像を生成し、
    前記表示器に前記第1参照像及び前記第2参照像が表示される、
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  7. 請求項1記載の荷電粒子線装置において、
    前記試料に対して前記荷電粒子線を走査することにより得られた一連の検出信号に基づいて試料画像を形成する試料画像形成部と、
    前記試料画像上又はその近傍に、スケーリングされた平面図を表示する表示処理部と、
    を含むことを特徴とする荷電粒子線装置。
  8. 荷電粒子線を試料に照射した場合に当該試料内で生じる物理現象の範囲の大きさを演算する工程と、
    前記物理現象の範囲を示す平面図と前記物理現象の範囲の大きさを示す数値情報とを有する参照像を生成する工程と、
    前記参照像を表示する工程と、
    を含み、
    前記物理現象の範囲の大きさとして、前記荷電粒子線の侵入範囲の大きさ、及び、前記荷電粒子線の照射により生じる信号の発生範囲の大きさが演算される、
    ことを特徴とする設定支援方法。
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