JP5904799B2 - 試料の内部構造を観察する荷電粒子線装置および試料観察方法 - Google Patents

試料の内部構造を観察する荷電粒子線装置および試料観察方法 Download PDF

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本発明は走査電子顕微鏡や、これを用いたパターン計測・検査装置等の荷電粒子線装置に関する。特に、試料の内部構造を観察する技術に関する。
走査型電子顕微鏡などの荷電粒子線装置を用いて試料形状の三次元構造を計測・観察する方法が知られている。走査型電子顕微鏡は試料表面に電子線を照射し、照射された領域から得られる二次電子や反射電子等の二次粒子の信号に基づいて画像を取得するものである。これらの二次粒子は主に試料表面近傍からの情報をもつものであり、一般的には、二次粒子等を用いた試料上方からの観察では試料の表面近傍の情報しか得られない。
試料内部構造を解析する手法には、CT法、イオンミリング法、FIB法、機械研磨法、切削法などが挙げられるが、専用の装置が必要である場合や、試料を切削することによって破壊や消失を伴う場合もある。特に、試料内部に内包される異物等の解析を行う場合には、上記切削法などの物理的な断面作製では異物の変形や脱落といった形態変化を招く恐れがある。また、機械研磨法や切削法では広い領域の解析には適用しやすいが、局所領域での内部構造解析には適用しにくい。
これに対して、特許文献1に記載されるように、加速電圧によって一次電子線の試料内部への侵入深さが変わることを用いて、試料内部の構造を観察する技術が知られている。
特開平11−250850号公報
しかし、特許文献1に記載の発明は観察対象となる試料を走査透過像で観察を行うため、試料を観察可能となるまでイオンミリング法、FIB法、機械研磨法、切削法などにより薄片化する必要があるため非破壊での内部構造解析は困難である。
本発明は、試料表面から観察または分析を行うことで、試料を破壊することなく、また試料や基板形状に依らず試料内部構造を解析することを目的とする。
試料に荷電粒子線を照射して、照射によって発生した二次信号から試料の画像を生成する荷電粒子線装置であって、複数に分割された反射電子検出器を有し、前記試料から出射される反射電子の方位角から前記試料の表面の凹凸形状を分析する凹凸形状分析部と、試料の任意の領域における試料の厚さ方向の組成を分析して同一組成である部分の厚さを評価する組成分析部と、を備え、前記試料の形状を明確に捉える加速電圧において、前記凹凸形状を分析し、前記荷電粒子線が前記試料の構造物に到達する加速電圧において、前記同一組成である部分の厚さを評価し、同一組成である部分の厚さと試料表面の凹凸形状とに基づいて前記試料の内部構造を構築する内部構造構築部とを備える。

試料表面から観察/分析を行い、データ取得を行うため、試料を破断することなく非破壊で試料内部構造(膜厚、異物形状など)を把握することができる。
荷電粒子線装置の全体構成の概略図である。 (a)電子線侵入深さの説明図、(b)複数点での膜厚計測の概略説明図である。 試料表面の凹凸形状計測の概略を説明する図である。 試料内部構造解析の一例を示したフローチャートである。 異物を内包した試料の内部構造解析例である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下では走査電子顕微鏡の実施例を説明するが、走査電子顕微鏡を応用したパターン計測装置や試料観察装置、欠陥検査装置等の荷電粒子線装置にも応用可能である。ここでいう荷電粒子線装置とは、荷電粒子線を試料に照射し、照射によって発生した二次電子や反射電子等の二次信号から画像を生成する手段を有する装置を指す。
図1は、本実施例の走査電子顕微鏡の全体構成の概略を示す図であり、走査電子顕微鏡を断面で示した模式図である。
電子銃101に熱あるいは電圧を印加し電子線102が放出され、収束レンズ103で収束され、偏向器104によって走査される。収束レンズ103、偏向器104は1個または複数で電子線102を収束する。この電子線102はさらに対物レンズ105により微小スポットとして収束され、試料106上に照射される。この電子線102の照射によって試料106から発生する二次信号107(二次電子、反射電子、吸収電流、特性X線など)によって画像取得または組成分析を行う。
画像取得は、二次電子検出器110や反射電子検出器108によって検出された二次信号を試料上の走査位置の画素と対応付けて、表示部111に表示あるいはデジタルデータとして画像生成される。
組成分析にはX線検出器109が用いられる。電子線102が試料に照射されると、試料から特性X線等、試料の組成情報を持つ二次信号107が発生する。これを検出し、スペクトル解析することで、電子線102が照射された領域の組成を分析することができる。
取得した画像や分析された試料の組成は、表示部111に表示される。表示部は走査電子顕微鏡本体に併設されてもよいし、ネットワークで接続されて遠隔したコンピュータ等の表示部であってもよい。制御用PC112は取得した膜厚情報などから内部構造を構築する際に用いるが、制御用PC112は同じく走査電子顕微鏡本体に併設されてもよいし、ネットワークで接続されて遠隔したコンピュータ等であってもよい。
また、対物レンズ105は試料を対物レンズ内部に挿入して高分解能観察を実現するインレンズ方式、試料を対物レンズ下部に配置することで大型試料に対応できるアウトレンズ方式、または対物レンズ下方に仮想レンズが形成されることにより高分解能と大型試料観察を両立したシュノーケルレンズ方式(セミインレンズ方式)など種々の方式が用いられる。またX線分析は半導体検出器と波高分析器を用いて検出した特性X線のエネルギーに応じて同定を行うエネルギー分散型や、分光結晶を用いて検出する特性X線の波長に応じて同定を行う波長分散型など種々の方式が用いられる。
また、本実施例の荷電粒子線装置は他の外部観察装置や検査装置などとネットワークで接続し、解析対象個所の位置情報を入出力してもよい。
図2は膜厚計測についての説明図で、(a)電子線侵入深さの説明図、(b)複数点での膜厚計測の概略説明図である。
基板201上に形成された膜202に対し、電子線203を照射する。基板上の膜は1層あるいは組成の異なる複数層で形成される。図2(a)に示すように、電子線203が照射されると、組成分析用の電子線203が照射された領域から特性X線205が発生する。電子線203は加速電圧によって決まるエネルギーや、試料を構成する元素、密度、結晶状態等によって、試料内部に潜り込む領域、深さが異なる。以下、電子線203が潜り込むことによってX線が発生する領域を、X線発生領域204とよぶ。電子線203は試料を構成する元素、密度、膜厚等の情報から計算を行い、膜202を通過して基板201まで到達する加速電圧が自動選択される。X線発生領域を変化させるための条件は、加速電圧や試料を構成する元素、密度、結晶状態がある。X線検出器206で検出された特性X線205の定性分析から試料を構成する元素が同定され、加速電圧などの電子線照射条件を含めて計算される特性X線205の発生領域、X線検出器206で検出された特性X線205を演算して得られる定量分析結果及び試料を構成する元素の密度情報から計算を行い、膜202の膜厚情報207が求まる。
膜表面の凹凸を計測する場合や膜厚分布を求める場合は、複数点での膜厚情報210を取得する。特に、凹凸の位置がわかっている場合には、凹部208を横断あるいは囲むように複数点にライン状あるいはグリッド状に電子線209を照射する。電子線209の照射点は少なくとも凹部の内外の各1点以上を選択する必要がある。凹部について説明したが凸部の場合も同様である。以下で説明するように、試料に異物が内包されている場合、凹部または凸部は、異物の垂直上方にあたる試料上の領域と言い換えることもできる。
以上、試料が基板の上に積層された膜であるとして説明したが、必ずしも膜である必要はなく、試料の高さ方向に形成された構造物であればよい。組成の異なる堆積した、あるいは付着した異物、膜に生じた傷などによる形状変形なども含まれる。以下では簡単のため、試料の高さ方向の構造物を膜と表現するが、本明細書において膜とは同一組成からなる構造物を広く指すものとする。
次に、図3を用いて試料表面の凹凸形状を測定または観察する方法について説明する。ここで、試料表面とは用いる装置の分解能により依存する識別可能な深さ情報で、加速電圧等に依存する。例えば、二次電子を用いる場合は一般的に二次電子の発生深さ(約10nm)を示すが、反射電子の場合にはそれよりも深い情報も検出しうる。試料表面とは上述の領域でかつ、観察している試料上部に構造が無い状態を示す。また、内部構造とは試料から物理的に露出していない状態の構造を表す。例えば、上述の「試料表面」より下側、すなわち凹凸形状観察用の一次電子線が侵入する深さ(侵入長)で検出できる試料構造のことをいう。何らかの粒子が膜中に存在している場合、粒子上部が膜面より露出している場合は露出部分は「試料表面」であるし、粒子上部に膜が覆っていると認識できる領域は「試料内部」となる。図3は試料表面の凹凸形状計測の概略を説明する図である。図3(a)では4分割された円環状反射電子検出器を用いて凹凸形状計測を行う例を示している。試料301に電子線302が照射され、試料301直上に配置された4分割反射電子検出器303で反射電子304を検出する。4分割された反射電子検出器の各検出素子305で取得する反射電子信号量は試料凹凸、材質などによって変化するが、試料上の任意の測定点において4検出素子で取得した信号量を演算することで、試料表面の各種の凹凸情報を構築できる。
試料に対向して配置された4分割された反射電子検出器の各検出素子305A〜305Dの検出信号は、試料の傾斜情報を反映する。凹凸情報を求めるには、例えば、次式に示すようにそれぞれの検出信号からX、Y方向に二次元的な積分を行うことで高さ分布Z(P2)を求めることができる。なお、x0、x1、y0、1はそれぞれ二次元上での位置、Z(P0)は原点(x0、y0)における高さを示す。
ここで凹凸情報とは図3(b)のように凹凸が認識できるSEM像306、図3(c)のように凹凸を分かりやすく示した鳥瞰図307、図3(d)のようにSEM像中の任意のラインで抽出した断面プロファイル308などがある。なお、断面プロファイル308はSEM像をZ方向を含む任意の方向に二次元的に切り出し、当該方向の試料高さの分布を示すものである。
このうち、図3(d)の断面プロファイル308では、ベースライン高さ309が示されている。取得した凹凸情報は、ベースライン高さ309を基準とした相対的な高さの変位によって表されている。ベースライン高さ309は4分割された反射電子検出器の各検出素子305で検出した信号量の差分が0となる位置、あるいは基準高さと設定したキャリブレーション位置が起点となる。ベースライン高さ309は高さの絶対値が既知のものをキャリブレーション試料として用いることで、絶対基準高さで表現しても良い。また、断面プロファイル308を複数の方向に対して作成することで、凹凸情報310は取得画像中の任意の画素から数値として抽出可能である。試料セットが傾斜している場合などでは、試料表面凹凸形状に誤差要因が加わり、内部構造が歪むといったことが生じかねないが、ベースライン高さ309を基準とすることで、試料傾斜を補正して水平調整を行い、本来の内部構造を把握することも可能となる。
ここで反射電子検出器は4分割としたが、分割数は2以上であれば試料から出射される反射電子の方位角を弁別して検出が可能であり、これに限定されるものではない。また、試料表面の凹凸形状計測の手法としては、上述した方法以外にも、試料傾斜またはビーム傾斜によってステレオ像を取得する方法など種々適用可能である。
さて、試料の内部構造を観察するには、従来、試料を切削することが必要となる場合が多く、試料の破壊や消失を伴っていた。特に、試料内部に内包される異物等の解析を行う場合には、上記切削法などの物理的な断面作製では、試料を切削するための刃物等の接触あるいは摩擦等により応力が加えられ、解析対象となる異物の変形や脱落といった形態変化を招く恐れがあった。
また、図3に示すような凹凸形状の観察では、試料表面近傍の情報が大部分を占めており、試料の内部構造を分析することはできない。膜厚が均一で基板表面も平滑な試料の場合には、試料表面の凹凸形状を把握することで内部異物の存在を推測することもできる場合もあるが、基板および試料表面の平滑性が前提となっているため、現実的には試料表面の凹凸が内部に埋め込まれた異物に起因するものであるか否かを判別することは困難である。基板および試料表面の平滑性が確保された試料で異物が内部に埋め込まれた場合でも、たとえば三角形状の異物が埋め込まれていた場合、三角形状異物の頭頂部が試料に対し上向きあるいは下向きであったとしても、試料表面の凹凸は同様の形状を示すため、さらに異物の全形を精度良く把握することは困難となる。
本実施例では、試料表面の凹凸形状の情報と、同一組成である部分の厚さに基づいて、試料の内部構造を分析する。試料表面の凹凸形状の情報は二次信号に基づく試料の画像から分析することができ、同一組成である部分の厚さは元素分析等によって試料の厚さ方向の組成を分析することにより評価することができる。なお、以下で「厚さ」は「深さ」と言い換えることもできる。
特に、本実施例では試料上の複数の点において試料の組成ごとの厚さを計測する。
これによって、基板に平行な面における試料の内部構造の面内分布を把握することができ、結果として、これらの分析結果から試料の局所領域に対して内部構造を構築することが可能となる。したがって、本実施例によれば試料を破壊することなく、内部構造を計測または観察することができる。
試料内部構造解析の一例を示したフローチャートを図4に示す。
解析対象となる試料を走査電子顕微鏡の試料室に装填する。次に走査電子顕微鏡の試料ステージを移動させ、解析対象個所の特定を行う(ステップ401)。解析対象箇所とは内部構造の解析を行う範囲として設定された領域をいう。解析対象箇所はユーザによって指定されても良く、また検査条件が設定されているレシピによって予め指定されていて自動で設定されても良い。または、走査電子顕微鏡画像以外に外部画像、たとえば色情報を持った光学顕微鏡画像やデジタルカメラ画像などを用いて、外部画像が取得された装置から出力される位置情報を解析対象箇所として設定することも可能である。
次に、解析対象個所で試料表面の凹凸形状計測を行い(ステップ402)、基準高さ情報の取得(ステップ403)と試料表面凹凸情報の取得(ステップ404)を実施する。ステップ402、ステップ403、ステップ404は、例えば図3を用いて説明した方法により行う。ここで、基準高さ情報とは4分割された反射電子検出器の各検出素子305で検出した信号量の差分が0となる位置、あるいは基準高さとして設定したキャリブレーション位置をいい、試料表面凹凸情報とは各測定点において計算された高さ情報と基準高さ情報の差分をいう。
次に、凹凸形状を観察した位置と同じ解析対象個所において、元素分析を行い(ステップ405)、試料の厚さ方向の組成を分析し、同一組成である部分の厚さの情報(以下、構造物の厚さ情報という)を取得する(ステップ406)。なお、構造物とは膜の他にも、人工的なパターンや試料に内包される異物も含むものとする。三次元形状計測(ステップ402)と元素分析(ステップ405)による構造物の厚さ情報の取得(ステップ406)は試料位置移動を行わずに同じ解析対象個所で測定を行うため、容易にデータ取得を行うことができる。なお、凹凸形状を観察した位置と同じ解析対象個所とは、凹凸形状を観察した複数の位置のうち一部について元素分析を行い、構造物の厚さ情報を取得する場合も含むものとする。元素分析(ステップ405)を行う加速電圧は試料を構成する元素、密度、膜厚等の情報から計算を行い、解析対象となる構造物を透過して到達する条件が自動選択される。試料表面の凹凸形状を観察する場合は元素分析と同一の加速電圧でも良いし、試料形状を明確に捉えるため、加速電圧を変えて測定を行ってもよい。
三次元形状計測(ステップ402)による基準高さ情報と試料表面凹凸情報と元素分析(ステップ405)による構造物の厚さ情報を加減算して合算し(ステップ407)各測定点における基準高さから算出した構造物の位置情報を取得する。次に、各測定で得られた各測定点における基準高さから算出した構造物の位置情報をプロットしてグラフ化あるいは三次元図化することで、試料内部構造を構築する(ステップ408)ことができる。
ここで最終的に構築される試料内部構造とは、例えば三角錘形状の異物が基材と膜の間に内包されている場合、異物の形状、大きさ、異物位置、異物の向き等の情報を示す。
試料内部構造構築のための計算は、試料の表面の凹凸形状情報と、構造物の厚さ情報を加減算することによって行う。一例として、以下の通りである。
試料表面形状:[基準高さ−試料表面の凹凸情報]
構造物1形状:[基準高さ−試料表面の凹凸情報+構造物1の厚さ情報]
構造物2形状:[基準高さ−試料表面の凹凸情報+構造物1の厚さ情報+構造物2の厚 さ情報]
以下、構造物の総数が増えた際には各構造物について厚さ情報を加算していき、試料表面形状、構造物1〜構造物nまで分析してこれらの情報を加減算することで内部構造が構築できる。
凹凸形状情報と組成分析から得られる膜厚情報は画像及び組成分析情報を取得した走査電子顕微鏡制御PCあるいは分析制御PCで計算を行い取得できる、あるいは外部接続されたPCまたは単独PCでも算出可能である。これらの情報を元に内部構造情報を構築する際も、上述の各制御用PCあるいは外部接続されたPCまたは単独PCで構築可能である。
図5に、試料内部構造解析の一例として異物を内包した試料の解析例を示す。この例では異物および膜が上述した「構造物」にあたる。基板501上に形成された1層あるいは複数の組成の異なる複数層で形成された膜502の内部に異物503が内包されている。異物503の垂直上方にあたる試料表面領域を含むように、電子線504を走査し、試料表面の凹凸形状の情報を取得する。図5では、電子線504の走査は異物503の垂直上方にあたる試料表面領域を横断するように図5中丸字で示す1−9の順に走査する。ここで、異物503の垂直上方にあたる試料表面領域とは、例えば図5中丸字3−7で電子線が照射される領域をいう。解析対象となる異物503を含む領域はユーザによる目視、あるいは検査装置、光学顕微鏡、実体顕微鏡、金属顕微鏡、X線像など各種観察によって存在を確認する、あるいは試料表面の凹凸などから異物の存在を推測する。試料表面の凹凸形状情報は、例えば、図3を用いて説明したような方法で取得することができる。これによって、試料表面凹凸情報505と試料基準高さ506が取得できる。
次に、異物503の垂直上方にあたる試料表面領域を含むように、電子線507を照射し、各電子線507照射個所において膜の膜厚情報508と異物の厚さ情報509を取得する。膜の膜厚情報508および異物の厚さ情報509の取得は、例えば、図2を用いて説明したような方法で取得することができる。
なお、凹凸形状情報と膜厚情報は、試料上の1箇所で分析すればその領域での試料の内部構造を構築することができる。さらに本実施例に示すように、1直線上の複数の箇所で凹凸形状情報と膜厚情報を分析することで、二次元の内部構造を構築することができる。さらに、少なくとも同一直線上にない3点で表面凹凸情報と膜厚情報を取得すれば、三次元で試料の内部構造を構築することができる。
凹凸形状情報と膜厚情報の分析領域の選び方はユーザが事前に選択する構成であってもよいし、自動的に領域選択されてもよい。自動的に領域選択する手法としては、走査電子顕微鏡の反射電子像による組成コントラストでの異物位置の判別や、上述の外部画像が取得された異物の特定位置情報から設定することもできる。
特に、試料が異物を内包する場合には、分析領域として、少なくとも、前記異物の垂直上方にあたる第一の領域と、前記試料上で前記第一の領域以外の第二の領域を選択するようにするとよい。なお、凹凸形状情報と膜厚情報を分析するのは一定の範囲を持った領域であっても、点状であってもよい。本明細書において分析領域とは点状の領域も含むものとする。
次に、取得した各情報の合算を行う。まず、基準高さ506を原点0として、基準高さ−表面凹凸情報510によって試料表面情報を取得する。更に、基準高さ−表面凹凸情報+膜の膜厚情報511によって膜情報を求め、基準高さ−表面凹凸情報+膜の膜厚情報+異物の膜厚情報512によって異物情報を求め、プロットすることで試料内部構造再構築結果513が得られる。ここで、膜情報とは各測定点における膜の深さ方向位置をいい、異物情報とは異物の大きさや埋まっている深さ位置を指す。図5では説明を簡単にするため、電子線の照射点数を9点のみとしているが、試料表面の凹凸形状と膜厚情報の測定点数を増やすことで微細な試料形状も把握できる。
また、電子線507をライン状に照射すると二次元的な断面情報が得られ、電子線507をグリッド状に照射すると三次元的な内部構造が把握可能となる。
以上の実施例によれば、三次元形状計測手段、膜厚計測手段を備えた表面観察装置のみで内部構造を解析できるため、断面作製のための機械研磨、イオンミリングなどの特殊な個別装置を必要とせず、簡便に、非破壊で試料内部構造(膜厚、異物形状など)を把握することができる。
上述した実施例は、試料内部に内包される異物だけでなく、半導体デバイスに代表されるような多層膜や配線材の形状評価、樹脂強度向上のために混入される分散材の内部形状評価などにも適用可能である。比較的大きな形状の内部構造評価はX線CTなどを用いれば対応できるが、微細化する半導体デバイスなどでは分解能的に対応困難な場合が多い。これに対し、本手法では走査電子顕微鏡を用いた解析であるため、より高分解能な走査電子顕微鏡を用いることで容易に対応できる。
本実施例によれば、試料や基板の平滑性や、試料構成材質の導電性の有無に依らず試料内部構造が把握可能である。
本実施例では、大気中で反応が進行しやすい試料、汚染しやすい試料を観察する例を示す。例えばリチウムイオン電池材料や活性度の高い金属材などが挙げられる。
内部組織や内包される異物が大気暴露により変質しやすい試料の場合には、断面作製で内部組織や内包された異物を露出させることで変質を生じてしまう恐れがある。このような試料の場合には、従来、断面作製装置及び観察のための荷電粒子線装置に試料を搬送する際にも、雰囲気遮断を行える試料搬送用機器を用いて作業を行っているが、専用機器を必要とし、作業も煩雑となる可能性がある。試料表層の組織が変質しやすい場合は、試料表面にたとえばPtなどの金属あるいはCなどのコーティングにより保護膜を形成し、保護膜を含む積層膜構造物として試料表層組織を解析することも可能である。
このような試料においても、本発明による走査電子顕微鏡で試料の内部構造を観察することで、内部組織を露出することなく、試料表面から観察/分析することで内部構造を把握できる。
試料内部に内包される異物が非導電性である場合、一次電子線の照射により試料表面に帯電現象が起こりやすくなる。この帯電現象により一次電子線照射あるいは二次信号の発生が阻害され、試料ドリフトや信号発生量の増減などの一因となり試料断面作製ならびに試料観察を阻害する恐れがある。表面凹凸情報並びに膜厚情報を取得する際に帯電現象に基づく試料ドリフトによる位置ずれ、あるいは信号発生量増減による凹凸形状演算及び膜厚計測結果に誤差などが生じるといった問題が発生する。
これに対し、本実施例のように、荷電粒子線装置に試料室内真空度調整による帯電軽減機能を付随することで、試料を構成する材質の導電性が低い場合であっても、帯電の影響を低減した観察または分析が可能となる。
101 電子銃
102、203、209、302、504、507 電子線
103 収束レンズ
104 偏向器
105 対物レンズ
106、301 試料
107 二次信号
108 反射電子検出器
109、206 X線検出器
110 二次電子検出器
111 表示部
112 制御用PC
201、501 基板
202、502 膜
204 X線発生領域
205 特性X線
207 膜厚情報
208 凹部
210 複数点での膜厚情報
303 4分割反射電子検出器
304 反射電子
305 検出素子
306 SEM像
307 鳥瞰図
308 断面プロファイル
309 ベースライン高さ
310 凹凸情報
503 異物
505 表面凹凸情報
506 基準高さ
508 膜の膜厚情報
509 異物の厚さ情報
510 基準高さ−表面凹凸情報
511 基準高さ−表面凹凸情報+膜の膜厚情報
512 基準高さ−表面凹凸情報+膜の膜厚情報+異物の厚さ情報

Claims (14)

  1. 試料に荷電粒子線を照射して、前記照射によって発生した二次信号から前記試料の画像を生成する荷電粒子線装置であって、
    複数に分割された反射電子検出器を有し、前記試料から出射される反射電子の方位角から前記試料の表面の凹凸形状を分析する凹凸形状分析部と、
    前記試料の任意の領域における、前記試料の厚さ方向の組成を分析し、同一組成である部分の厚さを評価する組成分析部と、を備え、
    前記試料の形状を明確に捉える加速電圧において、前記凹凸形状を分析し、
    前記荷電粒子線が前記試料の構造物に到達する加速電圧において、前記同一組成である部分の厚さを評価し、
    前記領域における前記凹凸形状と前記同一組成である部分の厚さに基づいて、前記試料の内部構造を構築する内部構造構築部とを備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
    前記凹凸形状および前記同一組成である部分の厚さは、前記試料上の複数箇所で分析され、
    前記内部構造は二次元または三次元に構築されることを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項2に記載の荷電粒子線装置において、
    前記試料は異物を内包するものであって、
    前記複数箇所として、少なくとも、前記異物の垂直上方にあたる第一の領域と、前記試料上で前記第一の領域以外の第二の領域が選択されることを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の荷電粒子線装置において、
    前記内部構造構築部は、前記凹凸形状と前記同一組成である部分の厚さを加減算することで前記試料の内部構造を構築することを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の荷電粒子線装置において、
    前記凹凸形状は、所定の基準高さと前記基準高さからの相対変位によって表現されることを特徴とする荷電粒子線装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の荷電粒子線装置において、さらに、
    前記内部構造を表示する表示部を備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の荷電粒子線装置において、さらに、
    前記試料の帯電を緩和する手段を備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の荷電粒子線装置において、
    前記組成分析部が、X線検出器を有することを特徴とする荷電粒子線装置。
  9. 試料に荷電粒子線を照射して、前記照射によって発生した二次信号から前記試料の画像を生成する試料観察方法であって、
    前記試料の形状を明確に捉える加速電圧において、前記試料から出射される反射電子の方位角から前記試料の表面の凹凸形状を分析するステップと、
    前記荷電粒子線が前記試料の構造物に到達する加速電圧において、前記試料の任意の領域における、前記試料の厚さ方向の組成を分析し、同一組成である部分の厚さを評価するステップと、
    前記領域における前記凹凸形状と前記同一組成である部分の厚さに基づいて、前記試料の内部構造を構築するステップとを備えることを特徴とする試料観察方法。
  10. 請求項に記載の試料観察方法において、
    前記凹凸形状および前記同一組成である部分の厚さは、前記試料上の複数点で分析され、
    前記内部構造は二次元または三次元に構築されることを特徴とする試料観察方法。
  11. 請求項10のいずれかに記載の試料観察方法において、
    前記内部構造を構築するステップは、前記凹凸形状と前記同一組成である部分の厚さを加減算することで前記試料の内部構造を構築することを特徴とする試料観察方法。
  12. 請求項11のいずれかに記載の試料観察方法において、
    前記試料は単層または多層の膜による層構造であることを特徴とする試料観察方法。
  13. 請求項12のいずれかに記載の試料観察方法において、
    前記試料は異物を内包していることを特徴とする試料観察方法。
  14. 請求項13のいずれかに記載の試料観察方法において、
    前記試料の内部構造は大気暴露により変質する材質であることを特徴とする試料観察方法。
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