JP7126975B2 - 金型プレス方法及び金型プレス装置 - Google Patents
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Description
本発明の金型プレス方法は、
対象物を加工する金型の上型を上下に動作させるスライドと、
前記スライドに対向し前記上型と対になる前記金型の下型を保持するボルスタと、
前記スライドを上下に移動させるコンロッドと、
前記コンロッドを上下に移動させるための動力を発生する駆動手段と、
前記コンロッドを介して前記駆動手段の動力を前記スライドに伝達するクランク軸と、
前記対象物の加工中に前記対象物に加わる荷重を検知する荷重検知手段と、
前記駆動手段を停止させるブレーキと、
電力の供給又は遮断により前記駆動手段を制御し、前記メカブレーキを制御する制御手段と、
を備える金型プレス装置を用いて前記対象物を加工する金型プレス方法であって、
前記荷重を前記ブレーキによって保持することが可能か否かの判断を前記制御手段により行う判断工程を備える。
前記判断工程において前記荷重を前記ブレーキによって保持することが可能と判断された場合に、前記制御手段により前記ブレーキを作動させた後に前記駆動手段への電力の供給を遮断し、所定の時間が経過した後に前記駆動手段への電力の供給を再開し、前記ブレーキを開放する荷重保持工程を備えてもよい。
前記判断工程において、前記制御手段は、前記ブレーキによって保持することが可能な荷重のうち最大の荷重に基づいて前記判断を行ってもよい。
前記最大の荷重は、下死点からの前記スライドの高さに基づき求められてもよい。
前記金型プレス装置が、前記判断工程において前記荷重を前記ブレーキによって保持することが不可能と判断された場合に、前記制御手段により前記荷重を前記ブレーキによって保持することが不可能である旨の情報を表示させる表示部を備えてもよい。
前記判断工程において前記荷重を前記メカブレーキによって保持することが不可能と判断された場合に、前記制御手段により前記スライドを前記加工の始動位置まで移動させる移動工程を備えてもよい。
本発明の金型プレス装置は、
趣旨1から趣旨6のいずれか1項に記載の金型プレス方法を実施する。
(プレス装置の説明)
図1は、例えば、一体型ストレートサイドフレーム型又はCフレーム型のプレス装置Sの概略図である。図1には、上下方向、左右方向及び前後方向も両矢印で示す。図1を用いてプレス装置Sについて説明する。プレス装置Sは、筐体2の内外に、駆動手段である駆動モータ4、伝達機構6、クランク軸8、コンロッド10、スライド12を有して構成される。また、プレス装置Sは、コントローラ14、記憶部15、表示部16、入力部18、を有している。
図2(a)は、本実施形態のプレス装置Sのブロック図であり、図1で説明した構成と同じ構成には同じ符号を付している。コントローラ14は、時間を計測するためのタイマー14aを有している。プレス装置Sはアンプ34を備えており、アンプ34は、ロードセル31によって検知した荷重に応じた信号を増幅してコントローラ14に出力する。
図2(b)はプレス装置Sの伝達機構6近傍を示すプレス装置Sの内部構成図である。図1、図2(a)で説明した構成と同じ構成には同じ符号を付し、説明を省略する。メインギヤ37は歯数mの歯を有するギヤであり、クランク軸8に接続されている。メインギヤ37の歯は後述するピニオンギヤ39の歯とかみ合っている。ピニオンギヤ39は歯数nの歯を有するギヤであり、駆動モータ4の回転軸に接続されている。メカブレーキ35は、前後方向(図1参照)において、ピニオンギヤ39が設けられている側とは反対側の駆動モータ4の端部(プレス装置Sの背面側)に設けられている。
メカブレーキ35のトルク(以下、ブレーキトルクという)Tbで保持することが可能な荷重(加工圧)Pと最大荷重Pmaxについて説明する。図3(a)は、コンロッド10の回転角度αとスライド12の位置yを示す模式図である。コンロッド10の回転角度αは、スライド12が上死点にあるときを基準(α=0度)とする。スライド12の位置yは、スライド12が下死点にあるときを基準(y=0)とした高さであり、スライド12が上死点にあるときに後述するストローク長さとなる(y=d)。すなわち、コンロッド10の回転に応じて、スライド12の位置yは、0≦y≦dの範囲で変化する。dはストローク長さであり、aはコンロッド10の長さである。また、T[kgf・m]はトルク、N[rpm]は回転数、P[kgf]は加圧力、vはスライド12の速度で下向きを正とする。
λ=a/(d/2)=2a/d
で表される。
Tm=Tc×n/m (又は、Tc=Tm×m/n)
Pmax=Tb×m/n×β[tonf] 式(4)
ブレーキトルクTbのメカブレーキ35は、最大荷重Pmaxまでの荷重Pを保持することができる。一方、荷重Pが最大荷重Pmaxを超える場合には、メカブレーキ35のみでは荷重Pを保持することができず、下からの力によってスライド12が上方へ移動してしまうこととなる。
(加圧保持可能か否かの判断処理)
図4は、下死点上の所定の位置y(言い換えればクランク角度α)でスライド12を停止させ、メカブレーキ35によって荷重Pを保持することが可能か否かの判断処理と、メカブレーキ35によって荷重Pを保持することが可能と判断された後の荷重保持処理を説明するフローチャートである。プレス装置Sは、下死点よりも高い位置yでスライド12を停止させ、荷重Pを所定の時間Ts保持する動作を含む加工を行うために、加工を開始する。以下、所定の時間Tsを停止時間Tsという。停止時間Tsは、ワークWに対してどのような加工を行うか(又は、どの金型3を用いるか)によって予め決定される値であり、記憶部15に予め保持されている。
Tx=Ts-(T0+T1+T2)
である。なお、時間T0は、コントローラ14がメカブレーキ35のブレーキトルクTbによって荷重Pを保持できる(又は保持できない)と判断するために要する時間であり、以下、初期遅れ時間T0といい、例えば数ミリ秒である。時間T2は、コントローラ14からハイレベルのブレーキ開放信号が出力されてからメカブレーキ35が実際に開放されるまでの開放待ち時間であり、ブレーキ開放待ち時間T2という。
図5は、荷重Pが最大荷重Pmax以下の場合の動作を説明する図である。図5(a)は、横軸に時間tを示し、縦軸にスライド12の位置y、スライド12の速度v、荷重Pをそれぞれ示す。図5(b)は、ブレーキ開放信号の状態、言い換えればメカブレーキ35の状態を示し、ブレーキが開放されているとき(ブレーキOFF)とブレーキがかかっているとき(ブレーキON)を示す。図5(c)は、ベース遮断解除信号の状態、言い換えれば駆動モータ4の状態を示し、駆動モータ4が駆動しているとき(モータON)と駆動モータ4が停止しているとき(モータOFF)を示す。
3 金型
3a 上型
3b 下型
4 駆動モータ
6 伝達機構
8 クランク軸
10 コンロッド
12 スライド
14 コントローラ
14a タイマー
15 記憶部
16 表示部
18 入力部
22 ボルスタ
25 ロータリーエンコーダ
31 ロードセル
33 サーボアンプ
35 メカブレーキ
37 メインギヤ
39 ピニオンギヤ
S プレス装置
W ワーク
Claims (7)
- 対象物を加工する金型の上型を上下に動作させるスライドと、
前記スライドに対向し前記上型と対になる前記金型の下型を保持するボルスタと、
前記スライドを上下に移動させるコンロッドと、
前記コンロッドを上下に移動させるための動力を発生する駆動手段と、
前記コンロッドを介して前記駆動手段の動力を前記スライドに伝達するクランク軸と、
前記対象物の加工中に前記対象物に加わる荷重を検知する荷重検知手段と、
前記駆動手段を停止させるブレーキと、
電力の供給又は遮断により前記駆動手段を制御し、前記メカブレーキを制御する制御手段と、
を備える金型プレス装置を用いて前記対象物を加工する金型プレス方法であって、
前記荷重を前記ブレーキによって保持することが可能か否かの判断を前記制御手段により行う判断工程を備えることを特徴とする金型プレス方法。 - 前記判断工程において前記荷重を前記ブレーキによって保持することが可能と判断された場合に、前記制御手段により前記ブレーキを作動させた後に前記駆動手段への電力の供給を遮断し、所定の時間が経過した後に前記駆動手段への電力の供給を再開し、前記ブレーキを開放する荷重保持工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の金型プレス方法。
- 前記判断工程において、前記制御手段は、前記ブレーキによって保持することが可能な荷重のうち最大の荷重に基づいて前記判断を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の金型プレス方法。
- 前記最大の荷重は、下死点からの前記スライドの高さに基づき求められることを特徴とする請求項3に記載の金型プレス方法。
- 前記金型プレス装置が、前記判断工程において前記荷重を前記ブレーキによって保持することが不可能と判断された場合に、前記制御手段により前記荷重を前記ブレーキによって保持することが不可能である旨の情報を表示させる表示部を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の金型プレス方法。
- 前記判断工程において前記荷重を前記ブレーキによって保持することが不可能と判断された場合に、前記制御手段により前記スライドを前記加工の始動位置まで移動させる移動工程を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の金型プレス方法。
- 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の金型プレス方法を実施する金型プレス装置。
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JP2019059092A JP7126975B2 (ja) | 2019-03-26 | 2019-03-26 | 金型プレス方法及び金型プレス装置 |
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JP2019059092A JP7126975B2 (ja) | 2019-03-26 | 2019-03-26 | 金型プレス方法及び金型プレス装置 |
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ID=72640982
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2019059092A Active JP7126975B2 (ja) | 2019-03-26 | 2019-03-26 | 金型プレス方法及び金型プレス装置 |
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Citations (2)
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---|---|---|---|---|
US4011809A (en) | 1974-04-03 | 1977-03-15 | L. Schuler Gmbh | Press with hydraulic overload safety device and ram weight counterbalancing mechanism |
JP2004322163A (ja) | 2003-04-25 | 2004-11-18 | Toyota Motor Corp | 鍛造機 |
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JP3769915B2 (ja) * | 1998-01-06 | 2006-04-26 | 日産自動車株式会社 | プレス装置の異常検出装置 |
-
2019
- 2019-03-26 JP JP2019059092A patent/JP7126975B2/ja active Active
Patent Citations (2)
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US4011809A (en) | 1974-04-03 | 1977-03-15 | L. Schuler Gmbh | Press with hydraulic overload safety device and ram weight counterbalancing mechanism |
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