JP2020157338A - 金型プレス方法及び金型プレス装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クランク式サーボプレスにおいて、下死点よりも高い位置で材料を加圧した状態でスライドを長時間保持することを可能にする金型プレス方法及び金型プレス装置を提供すること。【解決手段】スライド12と、ボルスタ22と、コンロッド10と、駆動モータ4と、クランク軸8と、ロードセル31と、メカブレーキ35と、コントローラ14と、を備える金型プレス装置を用いて対象物を加工する金型プレス方法であって、ロードセル31により検知された荷重Pをメカブレーキ35によって保持することが可能か否かの判断をコントローラ14により行う判断工程(S403)を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、金型プレス方法及び金型プレス装置に関する。
従来、マグネシウム合金や炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics(CFRP))等の難加工材を成型する際には、成形性を高めるために、材料を長時間加圧した状態で保持した後又は材料を一定時間加圧した状態で保持した後に、本成型を実施している。一般的に、このような加工を行う場合には、液圧プレス(例えば、油圧プレス)が使用されている。液圧プレスは、環境負荷が大きいという課題や生産性が低いという課題があるため、近年では、サーボモータを搭載したクランク式のプレス装置(以下、クランク式サーボプレスという)への置き換えが進んでいる。例えば、特許文献1には、クランク式のプレス装置が開示されている。
特開2011−152547号公報
しかしながら、クランク式サーボプレスの場合、材料を加圧した状態で長時間保持することができるスライドの位置は、下死点近傍に限られる。スライドの位置が下死点から離れる(下死点よりも高くなる)につれ、同一の加圧力を維持するために必要なモータのトルクが上がるため、サーボモータには大きな電流を流し続ける必要がある。サーボモータに供給される電流が所定の電流よりも小さい場合には、サーボモータを連続して動作させる時間(以下、連続動作時間という)に制限はないが、所定の電流以上になると、電流の大きさに応じて連続動作時間に制限が設けられる。この場合、サーボモータの連続動作時間は、サーボモータに供給される電流が大きいほど短くなる。そして、サーボモータに所定の電流を流し始めてから所定の時間が経過すると、サーボモータの過熱防止のための保護機能、すなわち電子サーマルが働く。そのため、下死点よりも高い位置で、材料を加圧した状態でスライドの保持を長時間行うと、加圧力が比較的小さい場合においても電子サーマルが働き、サーボモータが停止してしまうおそれがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、クランク式サーボプレスにおいて、下死点よりも高い位置で材料を加圧した状態でスライドを長時間保持することを可能にする金型プレス方法及び金型プレス装置を提供することを例示的課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、以下の趣旨を有する。
[趣旨1]
本発明の金型プレス方法は、
対象物を加工する金型の上型を上下に動作させるスライドと、
前記スライドに対向し前記上型と対になる前記金型の下型を保持するボルスタと、
前記スライドを上下に移動させるコンロッドと、
前記コンロッドを上下に移動させるための動力を発生する駆動手段と、
前記コンロッドを介して前記駆動手段の動力を前記スライドに伝達するクランク軸と、
前記対象物の加工中に前記対象物に加わる荷重を検知する荷重検知手段と、
前記駆動手段を停止させるブレーキと、
電力の供給又は遮断により前記駆動手段を制御し、前記メカブレーキを制御する制御手段と、
を備える金型プレス装置を用いて前記対象物を加工する金型プレス方法であって、
前記荷重を前記ブレーキによって保持することが可能か否かの判断を前記制御手段により行う判断工程を備える。
[趣旨2]
前記判断工程において前記荷重を前記ブレーキによって保持することが可能と判断された場合に、前記制御手段により前記ブレーキを作動させた後に前記駆動手段への電力の供給を遮断し、所定の時間が経過した後に前記駆動手段への電力の供給を再開し、前記ブレーキを開放する荷重保持工程を備えてもよい。
[趣旨3]
前記判断工程において、前記制御手段は、前記ブレーキによって保持することが可能な荷重のうち最大の荷重に基づいて前記判断を行ってもよい。
[趣旨4]
前記最大の荷重は、下死点からの前記スライドの高さに基づき求められてもよい。
[趣旨5]
前記金型プレス装置が、前記判断工程において前記荷重を前記ブレーキによって保持することが不可能と判断された場合に、前記制御手段により前記荷重を前記ブレーキによって保持することが不可能である旨の情報を表示させる表示部を備えてもよい。
[趣旨6]
前記判断工程において前記荷重を前記メカブレーキによって保持することが不可能と判断された場合に、前記制御手段により前記スライドを前記加工の始動位置まで移動させる移動工程を備えてもよい。
[趣旨7]
本発明の金型プレス装置は、
趣旨1から趣旨6のいずれか1項に記載の金型プレス方法を実施する。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施の形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、クランク式サーボプレスにおいて、下死点よりも高い位置で材料を加圧した状態でスライドを長時間保持することを可能にする金型プレス方法及び金型プレス装置を提供することができる。
実施形態のプレス装置の構成を示す斜視図 実施形態の(a)プレス装置のブロック図、(b)プレス装置の伝達機構を示す図 実施形態の(a)クランク角度とスライドの位置を示す概略図、(b)メインギヤとピニオンギヤを示す概略図 実施形態の加圧保持可能の可否を判断する処理を示すフローチャート 実施形態の(a)加圧動作を示すタイミングチャート、(b)ブレーキ開放信号を示す図、(c)ベース遮断解除信号を示す図
[実施形態]
(プレス装置の説明)
図1は、例えば、一体型ストレートサイドフレーム型又はCフレーム型のプレス装置Sの概略図である。図1には、上下方向、左右方向及び前後方向も両矢印で示す。図1を用いてプレス装置Sについて説明する。プレス装置Sは、筐体2の内外に、駆動手段である駆動モータ4、伝達機構6、クランク軸8、コンロッド10、スライド12を有して構成される。また、プレス装置Sは、コントローラ14、記憶部15、表示部16、入力部18、を有している。
駆動モータ4は、例えばサーボ制御されるサーボモータであり、回転量及び回転方向を制御しつつ伝達機構6、クランク軸8、コンロッド10を介して後述する金型3を上下移動させるものである。伝達機構6は、例えばギヤやベルト等の伝達部材を有して構成され、駆動モータ4のモータ軸の回転をクランク軸8へと伝達するものである。駆動モータ4への制御信号はコントローラ14から送られるようになっている。
クランク軸8及びコンロッド10は、伝達機構6により伝達されたモータ軸の回転移動を往復移動(本実施形態では、上下移動。)に変換するためのものである。モータ軸の回転によりクランク軸8が回転し、クランク軸8に一端近傍が連結されたコンロッド10にその回転が伝達されてコンロッド10が上下移動(昇降移動)するようになっている。
コンロッド10の他端近傍にはスライド12が連結されている。コンロッド10の上下移動に伴いスライド12がギブ(不図示)に沿って上下移動するようになっている。プレス装置Sにおいては、スライド12と対向するようにボルスタ22が配置されている。スライド12のボルスタ22と対向する側の面(本実施形態では下面。)に金型3の一部としての上型3aが装着される。ボルスタ22のスライド12と対向する側の面(本実施形態では上面。)に金型3の一部として、上型3aと対になる下型3bが装着される。
上型3aと下型3bとの間に加工の対象物としてのワークWを配置し、上型3aと下型3bとで押圧することにより、プレス装置SによるワークWに対するプレス加工が行われる。詳しくは、コントローラ14により制御されて駆動モータ4が回転する。駆動モータ4の回転が伝達機構6、クランク軸8を介してコンロッド10へと伝達され、スライド12が上下移動する。スライド12の下方移動によって上型3aが下型3bに押圧され、ワークWのプレス加工が行われる。すなわち、プレス装置Sにおいて、駆動モータ4、伝達機構6、クランク軸8、コンロッド10、スライド12がプレス部を構成する。伝達機構6には、クランク軸8の回転数を検知するための回転数検知手段であるロータリーエンコーダ25が設けられている。なお、ロータリーエンコーダ25は、駆動モータ4の回転軸に設けられていてもよい。
制御手段であるコントローラ14は、記憶部15に記憶されている各種プログラムに従ってプレス装置Sを制御する。表示部16は、プレス装置Sの状態を示すデータを表示する。入力部18は、プレス装置Sを操作するために必要なデータを入力するために用いられる。更に、プレス装置Sは、荷重を検知するための荷重検知手段であるロードセル31を備えている。
(プレス装置の要部及びブロック図)
図2(a)は、本実施形態のプレス装置Sのブロック図であり、図1で説明した構成と同じ構成には同じ符号を付している。コントローラ14は、時間を計測するためのタイマー14aを有している。プレス装置Sはアンプ34を備えており、アンプ34は、ロードセル31によって検知した荷重に応じた信号を増幅してコントローラ14に出力する。
プレス装置Sはメカブレーキ35を備えている。メカブレーキ35は、加工終了後や緊急停止時に、駆動モータ4への電流の供給が停止した後、駆動モータ4の回転を停止させるためのブレーキである。メカブレーキ35は、スライド12を所定の位置に保持することが可能な力を作用させることが可能となっている。
メカブレーキ35は、例えば、エアの圧力を用いたエア式のメカブレーキであり、エアが注入されるとブレーキが開放され、ブレーキがかかっていない状態となる。コントローラ14は、メカブレーキ35にブレーキ開放信号を出力しており、例えば、コントローラ14がハイレベルのブレーキ開放信号をメカブレーキ35に出力すると、ブレーキが開放されてブレーキがかかっていない状態となる。以下、メカブレーキ35のブレーキがかかっていない状態を、ブレーキOFFと表記する。
また、メカブレーキ35は、エアがなくなると例えばバネにより保持され、ブレーキがかかっている状態(作動している状態)となる。例えば、コントローラ14がローレベルのブレーキ開放信号をメカブレーキ35に出力すると、ブレーキがかかっている状態となる。以下、メカブレーキ35のブレーキがかかっている状態を、ブレーキONと表記する。
プレス装置Sはサーボアンプ33を備えており、サーボアンプ33はコントローラ14の指示に従い駆動モータ4の制御を行う。コントローラ14がサーボアンプ33に例えばハイレベルのベース遮断解除信号を出力すると、サーボアンプ33から駆動モータ4へ電流が供給され、駆動モータ4が駆動する。駆動モータ4が駆動している状態を、以下、モータONと表記する。一方、コントローラ14がサーボアンプ33に例えばローレベルのベース遮断解除信号を出力すると、サーボアンプ33から駆動モータ4への電流の供給が遮断され、駆動モータ4が停止する。駆動モータ4が停止している状態を、以下、モータOFFと表記する。他の構成は図1と同様であり説明を省略する。
(伝達機構について)
図2(b)はプレス装置Sの伝達機構6近傍を示すプレス装置Sの内部構成図である。図1、図2(a)で説明した構成と同じ構成には同じ符号を付し、説明を省略する。メインギヤ37は歯数mの歯を有するギヤであり、クランク軸8に接続されている。メインギヤ37の歯は後述するピニオンギヤ39の歯とかみ合っている。ピニオンギヤ39は歯数nの歯を有するギヤであり、駆動モータ4の回転軸に接続されている。メカブレーキ35は、前後方向(図1参照)において、ピニオンギヤ39が設けられている側とは反対側の駆動モータ4の端部(プレス装置Sの背面側)に設けられている。
(メカブレーキのトルクについて)
メカブレーキ35のトルク(以下、ブレーキトルクという)Tbで保持することが可能な荷重(加工圧)Pと最大荷重Pmaxについて説明する。図3(a)は、コンロッド10の回転角度αとスライド12の位置yを示す模式図である。コンロッド10の回転角度αは、スライド12が上死点にあるときを基準(α=0度)とする。スライド12の位置yは、スライド12が下死点にあるときを基準(y=0)とした高さであり、スライド12が上死点にあるときに後述するストローク長さとなる(y=d)。すなわち、コンロッド10の回転に応じて、スライド12の位置yは、0≦y≦dの範囲で変化する。dはストローク長さであり、aはコンロッド10の長さである。また、T[kgf・m]はトルク、N[rpm]は回転数、P[kgf]は加圧力、vはスライド12の速度で下向きを正とする。
まず、コンロッド10の長さaとクランク軸8の回転半径であるクランク半径(=d/2)との比、すなわちコンロッド比λは、
λ=a/(d/2)=2a/d
で表される。
スライド12の位置yは、クランク角度αを用いて以下の式(1)で表される。
なお、xを以下のように定義すると、クランク角度αは、スライド12の位置yによって定義されたxを用いて、以下の式(2)に換算することができる。
また、加圧力Pは、以下の式(3)から求められる。
なお、βを以下のように定義すると、式(3)は式(3’)のように表すことができる。
P=T×β×10[kgf]=T×β[tonf] (3’)
図3(b)はメインギヤ37及びピニオンギヤ39を示す図である。ここで、駆動モータ4のトルクをTm、ピニオンギヤ39の歯数をn、メインギヤ37のトルクをTc、メインギヤ37の歯数をmとする。そうすると、駆動モータ4のトルクTmとメインギヤ37のトルクTcについて、次の関係が成り立つ。
Tm=Tc×n/m (又は、Tc=Tm×m/n)
そして、メカブレーキトルクTbがメインギヤ37のトルクTc以上である場合に(Tc≦Tb)、ブレーキトルクTbによって荷重Pを保持することが可能となる。このときの荷重Pを最大荷重Pmaxとすると、最大荷重Pmaxは、上述したβを用いて以下の式(4)で表すことができる。
Pmax=Tb×m/n×β[tonf] 式(4)
ブレーキトルクTbのメカブレーキ35は、最大荷重Pmaxまでの荷重Pを保持することができる。一方、荷重Pが最大荷重Pmaxを超える場合には、メカブレーキ35のみでは荷重Pを保持することができず、下からの力によってスライド12が上方へ移動してしまうこととなる。
式(4)で表すことができる最大荷重Pmaxは、加工におけるスライド12の停止位置y(言い換えれば、クランク角度α)が予めわかっていれば、予め求めることができる。
(動作説明)
(加圧保持可能か否かの判断処理)
図4は、下死点上の所定の位置y(言い換えればクランク角度α)でスライド12を停止させ、メカブレーキ35によって荷重Pを保持することが可能か否かの判断処理と、メカブレーキ35によって荷重Pを保持することが可能と判断された後の荷重保持処理を説明するフローチャートである。プレス装置Sは、下死点よりも高い位置yでスライド12を停止させ、荷重Pを所定の時間Ts保持する動作を含む加工を行うために、加工を開始する。以下、所定の時間Tsを停止時間Tsという。停止時間Tsは、ワークWに対してどのような加工を行うか(又は、どの金型3を用いるか)によって予め決定される値であり、記憶部15に予め保持されている。
ステップ(以下、Sとする)401でコントローラ14は、スライド12を加工における停止位置yまで移動させる。なお、停止位置yに対応するクランク角度αは既知の値である。S402でコントローラ14は、タイマー14aをリセットしスタートさせる(停止タイマー起動)。S403でコントローラ14は、ロードセル31の検知結果に基づいて、スライド12の停止位置yにおける荷重Pを求め、求めた荷重Pが予め求めていた最大荷重Pmax以下であるか否かを判断する。コントローラ14は判断手段として機能し、コントローラ14によるS403の判断処理は判断工程に相当する。
S403でコントローラ14は、荷重Pが最大荷重Pmax以下であると判断した場合、処理をS404に進め、荷重Pが最大荷重Pmaxより大きいと判断した場合、処理をS413に進める。コントローラ14は、メカブレーキ35のブレーキトルクTbによって荷重Pを保持できると判断し、S404でメカブレーキ35にローレベル(OFF)のブレーキ開放信号を出力する。
S405でコントローラ14は、時間T1が経過するのを待つ。S405でコントローラ14は、時間T1が経過したと判断した場合、処理をS406に進め、時間T1が経過していないと判断した場合、処理をS405に戻す。ここで、時間T1は、コントローラ14がローレベルのブレーキ開放信号を出力してから、実際にメカブレーキ35がブレーキONとなるまでの遅れ時間であり、以下、ブレーキ作動遅れ時間T1という。ブレーキ作動遅れ時間T1は、例えば50ミリ秒である。
S406でコントローラ14は、駆動モータ4を停止させるために、サーボアンプ33を介して駆動モータ4にローレベル(OFF)のベース遮断解除信号を出力する。S407でコントローラ14は、タイマー14aを参照することにより、時間Txが経過したか否かを判断する。
ここで、時間Txは、
Tx=Ts−(T0+T1+T2)
である。なお、時間T0は、コントローラ14がメカブレーキ35のブレーキトルクTbによって荷重Pを保持できる(又は保持できない)と判断するために要する時間であり、以下、初期遅れ時間T0といい、例えば数ミリ秒である。時間T2は、コントローラ14からハイレベルのブレーキ開放信号が出力されてからメカブレーキ35が実際に開放されるまでの開放待ち時間であり、ブレーキ開放待ち時間T2という。
S407でコントローラ14は、時間Txが経過していないと判断した場合、処理をS407に戻し、時間Txが経過したと判断した場合、処理をS408に進める。S408でコントローラ14は、サーボアンプ33を介して駆動モータ4にハイレベル(ON)のベース遮断解除信号を出力する。S409でコントローラ14は、メカブレーキ35にハイレベル(ON)のブレーキ開放信号を出力する。S403で荷重Pをメカブレーキ35によって保持することが可能と判断された場合に、コントローラ14によりメカブレーキ35を作動させた後に(S404)駆動モータ4への電力の供給を遮断し(S406)、所定の時間が経過した後に(S407 Yes)駆動モータ4への電力の供給を再開し(S408)、その後メカブレーキ35を開放する(S409)までの工程は、荷重保持工程に相当する。
S410でコントローラ14は、ブレーキ開放待ち時間T2が経過するのを待つ。S410でコントローラ14は、ブレーキ開放待ち時間T2が経過したと判断した場合、処理をS411に進め、ブレーキ開放待ち時間T2が経過していないと判断した場合、処理をS410に戻す。なお、メカブレーキ35が開放確認のためのセンサを有している場合には、コントローラ14がセンサの信号に基づいてメカブレーキ35が開放されたことを判断してもよい。S411でコントローラ14は、モーションを再開する。S412でコントローラ14は、スライド12を始動位置まで移動させ、加工を終了し、処理を終了する。
S413でコントローラ14は、メカブレーキ35のブレーキトルクTbでは荷重Pを保持できない(保持不可)と判断する。S414でコントローラ14は、例えば、表示部16にプレス装置Sのメカブレーキ35のブレーキトルクTbによっては荷重Pを保持することができない旨を表示し、ユーザに報知して(保持不可通知)、処理をS411に進める。コントローラ14は、モーションを再開し(S411)スライド12を加工の始動位置まで移動させる(S412)。S412の処理は移動工程に相当する。
(荷重Pが最大荷重Pmax以下の場合の動作)
図5は、荷重Pが最大荷重Pmax以下の場合の動作を説明する図である。図5(a)は、横軸に時間tを示し、縦軸にスライド12の位置y、スライド12の速度v、荷重Pをそれぞれ示す。図5(b)は、ブレーキ開放信号の状態、言い換えればメカブレーキ35の状態を示し、ブレーキが開放されているとき(ブレーキOFF)とブレーキがかかっているとき(ブレーキON)を示す。図5(c)は、ベース遮断解除信号の状態、言い換えれば駆動モータ4の状態を示し、駆動モータ4が駆動しているとき(モータON)と駆動モータ4が停止しているとき(モータOFF)を示す。
加工が開始され、スライド12が始動位置から下降し、停止位置に到達する。ここで、荷重Pが最大荷重Pmax以下であるため、コントローラ14は、駆動モータ4によって保持していた荷重Pをメカブレーキ35により保持するように、駆動モータ4からメカブレーキ35に切り替える。より詳細には、コントローラ14は、判断に要する初期遅れ時間T0が経過した後、メカブレーキ35を作動させる(ブレーキON)。コントローラ14は、更にブレーキ作動遅れ時間T1待機した後に、駆動モータ4を停止させる(モータOFF)。これにより、荷重Pはメカブレーキ35のブレーキトルクTbによって保持される。
更に、停止時間Tsから求められる時間Txが経過した後、コントローラ14は、駆動モータ4の駆動を開始し(モータON)、メカブレーキ35を開放する(ブレーキOFF)。なお、図5では、ハイレベルのブレーキ開放信号の出力のタイミングとハイレベルのベース遮断解除信号の出力のタイミングとが略同じであるが、これは、サーボアンプ33から駆動モータ4への電流の供給開始の方が、メカブレーキ35が開放されるよりも早いからである。駆動モータ4の駆動開始がメカブレーキ35の開放よりも早いタイミングであれば略同じタイミングでなくてもよい。コントローラ14は、ブレーキ開放待ち時間T2待機した後、モーションを再開し、加工が終了したらスライド12を始動位置まで戻す。
このように、荷重Pが最大荷重Pmax以下である場合には、スライド12の停止位置において、駆動モータ4の駆動を停止して、メカブレーキ35のブレーキトルクTbによって荷重Pを保持することができる。メカブレーキ35による加圧保持を開始する際には、メカブレーキ35によって荷重Pを保持している状態(ブレーキがかかった状態)で、駆動モータ4の駆動を停止させる。また、加圧保持の時間が経過してモーションを再開する際には、駆動モータ4の駆動が開始した後で、メカブレーキ35のブレーキを開放する。
以上、本実施形態によれば、荷重Pをメカブレーキ35によって機械的に保持しているため、負荷がかかった状態でも電子サーマルが作動することがなく、長時間、加圧保持することができる。また、メカブレーキ35によって荷重Pを保持している間、駆動モータ4への電流の供給は停止しているため、消費電力を低減することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能であり、例えば以下のような変形例がある。
例えば、次のようにしてもよい。所定の加工における停止時間Ts、スライド12の停止位置(クランク角度α)は予め既知の値である。プレス装置Sのメカブレーキ35のブレーキトルクTbも予めわかっており、最大荷重Pmaxも予め既知の値である。このため、プレス装置SによってワークWへの加工を開始する前に、コントローラ14が表示部16にこれらの値を参考値として表示させてもよい。
更に、プレス装置Sのモーションを設定する画面において、設定した停止位置で保持可能な荷重Pをコントローラ14が予め予測値として算出して荷重Pを表示部16に表示させ、ユーザに対して、予めメカブレーキ35によって荷重Pを保持することが可能か否かを報知するようにしてもよい。
また、図5ではスライド12を停止位置において停止させた直後にメカブレーキ35を作動させているが、これに限定されない。例えば、スライド12が停止位置に到達してから、コントローラ14が一定時間、荷重Pを一定とするような制御を行い、荷重Pが略安定した後にコントローラ14による判断処理を行い、メカブレーキ35による保持に切り替える方法でもよい。この場合、例えば、図4のS401とS402の処理の間に荷重Pを安定させるための制御が行われる。
メカブレーキはエア圧で開放するタイプを例に挙げたが、電磁力で開放するタイプ(電磁ブレーキ)等、他のメカブレーキであってもよい。
更に、ブレーキ開放信号及びベース遮断解除信号の論理は逆であってもよい。
以上、本実施形態によれば、クランク式サーボプレスにおいて、下死点よりも高い位置で材料を加圧した状態でスライドを長時間保持することを可能にする金型プレス方法及び金型プレス装置を提供することができる。
2 筐体
3 金型
3a 上型
3b 下型
4 駆動モータ
6 伝達機構
8 クランク軸
10 コンロッド
12 スライド
14 コントローラ
14a タイマー
15 記憶部
16 表示部
18 入力部
22 ボルスタ
25 ロータリーエンコーダ
31 ロードセル
33 サーボアンプ
35 メカブレーキ
37 メインギヤ
39 ピニオンギヤ
S プレス装置
W ワーク

Claims (7)

  1. 対象物を加工する金型の上型を上下に動作させるスライドと、
    前記スライドに対向し前記上型と対になる前記金型の下型を保持するボルスタと、
    前記スライドを上下に移動させるコンロッドと、
    前記コンロッドを上下に移動させるための動力を発生する駆動手段と、
    前記コンロッドを介して前記駆動手段の動力を前記スライドに伝達するクランク軸と、
    前記対象物の加工中に前記対象物に加わる荷重を検知する荷重検知手段と、
    前記駆動手段を停止させるブレーキと、
    電力の供給又は遮断により前記駆動手段を制御し、前記メカブレーキを制御する制御手段と、
    を備える金型プレス装置を用いて前記対象物を加工する金型プレス方法であって、
    前記荷重を前記ブレーキによって保持することが可能か否かの判断を前記制御手段により行う判断工程を備えることを特徴とする金型プレス方法。
  2. 前記判断工程において前記荷重を前記ブレーキによって保持することが可能と判断された場合に、前記制御手段により前記ブレーキを作動させた後に前記駆動手段への電力の供給を遮断し、所定の時間が経過した後に前記駆動手段への電力の供給を再開し、前記ブレーキを開放する荷重保持工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の金型プレス方法。
  3. 前記判断工程において、前記制御手段は、前記ブレーキによって保持することが可能な荷重のうち最大の荷重に基づいて前記判断を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の金型プレス方法。
  4. 前記最大の荷重は、下死点からの前記スライドの高さに基づき求められることを特徴とする請求項3に記載の金型プレス方法。
  5. 前記金型プレス装置が、前記判断工程において前記荷重を前記ブレーキによって保持することが不可能と判断された場合に、前記制御手段により前記荷重を前記ブレーキによって保持することが不可能である旨の情報を表示させる表示部を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の金型プレス方法。
  6. 前記判断工程において前記荷重を前記ブレーキによって保持することが不可能と判断された場合に、前記制御手段により前記スライドを前記加工の始動位置まで移動させる移動工程を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の金型プレス方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の金型プレス方法を実施する金型プレス装置。
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