JP7126882B2 - 生体適合膜の形成方法、および、生体適合膜の形成装置 - Google Patents
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Description
本発明は、生体適合膜における生体適合性を高めることを可能とした生体適合膜の形成方法、および、生体適合膜の形成装置を提供することを目的とする。
図1を参照して、生体適合膜の形成装置を説明する。
生体適合膜の形成装置は、処理槽、第1原料供給部、第2原料供給部、第1ポリエチレングリコール供給部、第2ポリエチレングリコール供給部、および、制御部を備えている。処理槽は、表面を含む成膜対象を収容する。第1原料供給部は、成膜対象にイソシアナート基を含む第1原料を供給する。第2原料供給部は、成膜対象にアミノ基を含む第2原料を供給する。第1ポリエチレングリコール供給部は、第1ポリエチレングリコールを成膜対象に供給する。第2ポリエチレングリコール供給部は、第1ポリエチレングリコールよりも重合度が小さい第2ポリエチレングリコールを成膜対象に供給する。制御部は、第1原料供給部、第2原料供給部、第1ポリエチレングリコール供給部、および、第2ポリエチレングリコール供給部の駆動を制御する。
O=C=N‐R1‐N=C=O … 式(1)
H2N‐R2‐NH2 … 式(2)
6≦(l+m+n)≦48 … 式(7)
3≦n≦48 … 式(8)
6≦(l+m+n)≦48 … 式(9)
図2を参照して、生体適合膜の形成方法を説明する。
生体適合膜の形成方法は、ポリ尿素膜を形成することと、反応基と第1PEGとを反応させることと、反応基と第2PEGとを反応させることと、を含む。ポリ尿素膜を形成することは、イソシアナート基を含む第1原料と、アミノ基を含む第2原料とを成膜対象Sの表面SFに供給して、表面SFにおける第1原料と第2原料との重合により、第1末端にイソシアナート基を有し、かつ、第2末端にアミノ基を有する複数のポリ尿素分子を形成する。これによって、表面SFにポリ尿素膜を形成する。第1PEGを反応させることは、ポリ尿素膜の複数の反応基における第1の複数の反応基と、第1PEGとを反応させる。第2PEGを反応させることは、複数の反応基における第2の複数の反応基と、第2PEGとを反応させる。
図2が示すように、生体適合膜の形成方法は、成膜工程(ステップS11)と、表面修飾工程(ステップS12)とを含む。成膜工程では、第1原料と第2原料とを成膜対象Sの表面SFにおいて重合させることによって、ポリ尿素膜を形成する。成膜工程において、成膜対象Sの温度は、10℃以上50℃以下に設定することが好ましい。
(1)第1PEGのみがポリ尿素膜に反応する場合と比べて、ポリ尿素膜に反応するPEGの密度を高めることができる。また、第2PEGのみがポリ尿素膜に反応する場合と比べて、第1PEGが反応する分だけ、生体適合膜が、形状における自由度の高められたPEGを含むことができる。これにより、生体適合膜における生体適合性を高めることができる。
(4)第1PEGの重合度が3以上48以下であり、第2PEGの重合度が3以上48以下であることによって、ポリ尿素膜に反応するPEGの密度を高めつつ、かつ、第1PEGの形状における自由度を高めることができる。
Claims (5)
- イソシアナート基を含む第1原料と、アミノ基を含む第2原料とを成膜対象の表面に供給して、前記表面における前記第1原料と前記第2原料との重合により、第1末端にイソシアナート基を有し、かつ、第2末端にアミノ基を有する複数のポリ尿素分子を形成し、これによって、前記表面にポリ尿素膜を形成することと、
前記ポリ尿素膜において、前記イソシアナート基と前記アミノ基とが反応基であり、複数の前記反応基における第1の複数の反応基と、第1ポリエチレングリコールとを反応させることと、
複数の前記反応基における第2の複数の反応基と、前記第1ポリエチレングリコールよりも重合度が小さい第2ポリエチレングリコールとを反応させることと、を含み、
前記第1ポリエチレングリコールおよび前記第2ポリエチレングリコールのうち、前記反応基と反応する官能基としてアミノ基を含むポリエチレングリコールが、アミノ基含有ポリエチレングリコールであり、
前記第1ポリエチレングリコールおよび前記第2ポリエチレングリコールのうち、前記アミノ基含有ポリエチレングリコール以外のポリエチレングリコールが、前記反応基と反応する官能基としてアルデヒド基を含むアルデヒド基含有ポリエチレングリコールである
生体適合膜の形成方法。 - 前記第1の複数の反応基と前記第1ポリエチレングリコールとを反応させることと、前記第2の複数の反応基と前記第2ポリエチレングリコールとを反応させることとを同時に行う
請求項1に記載の生体適合膜の形成方法。 - 前記第1ポリエチレングリコールにおける重合度は、3以上48以下であり、
前記第2ポリエチレングリコールにおける重合度は、3以上48以下である
請求項1または2に記載の生体適合膜の形成方法。 - 前記反応基と反応した前記第1ポリエチレングリコールのモル数と、前記反応基と反応した前記第2ポリエチレングリコールのモル数との総和に対して、前記反応基と反応した前記第1ポリエチレングリコールのモル数の百分率が、30%以上70%以下である
請求項1から3のいずれか一項に記載の生体適合膜の形成方法。 - 表面を含む成膜対象を収容する処理槽と、
前記成膜対象にイソシアナート基を含む第1原料を供給する第1原料供給部と、
前記成膜対象にアミノ基を含む第2原料を供給する第2原料供給部と、
第1ポリエチレングリコールを前記成膜対象に供給する第1ポリエチレングリコール供給部と、
前記第1ポリエチレングリコールよりも重合度が小さい第2ポリエチレングリコールを前記成膜対象に供給する第2ポリエチレングリコール供給部と、
前記第1原料供給部、前記第2原料供給部、前記第1ポリエチレングリコール供給部、および、前記第2ポリエチレングリコール供給部の駆動を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1原料供給部に前記第1原料を供給させ、かつ、前記第2原料供給部に前記第2原料を供給させて、前記表面における前記第1原料と前記第2原料との重合により、複数のポリ尿素分子を形成し、これによって、ポリ尿素膜を前記表面に形成した後に、
前記第1ポリエチレングリコール供給部に前記第1ポリエチレングリコールを供給させ、かつ、前記第2ポリエチレングリコール供給部に前記第2ポリエチレングリコールを供給させて、前記ポリ尿素膜が有するイソシアナート基とアミノ基とによって構成される反応基のなかで、第1の複数の反応基と前記第1ポリエチレングリコールとを反応させ、かつ、第2の複数の反応基と前記第2ポリエチレングリコールとを反応させ、
前記第1ポリエチレングリコールおよび前記第2ポリエチレングリコールのうち、前記反応基と反応する官能基としてアミノ基を含むポリエチレングリコールが、アミノ基含有ポリエチレングリコールであり、
前記第1ポリエチレングリコールおよび前記第2ポリエチレングリコールのうち、前記アミノ基含有ポリエチレングリコール以外のポリエチレングリコールが、前記反応基と反応する官能基としてアルデヒド基を含むアルデヒド基含有ポリエチレングリコールである
生体適合膜の形成装置。
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