JP7126671B2 - 給湯器 - Google Patents
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Description
このような給湯器では、浴槽や暖房機側の熱交換器と給湯回路側の熱交換器とをそれぞれ異なる燃焼室に設置して異なるバーナで加熱する構成(二缶二水路型)の他、特許文献1に開示されるように、1つの燃焼室内に給湯回路側の熱交換器と浴槽や暖房機側の熱交換器とを併設して、2つの熱交換器を共通のバーナで加熱するようにした一缶二水路型の構成もよく用いられている。
ところが、一缶二水路型の給湯器において、例えば給湯回路と風呂回路とを併設している場合、先に給湯回路のみを単独使用して出湯させている状態で、風呂の追い焚きを開始して風呂回路を同時使用すると、バーナの熱量が同じ燃焼室内にある風呂回路側の熱交換器に消費されて、最大熱量に占める給湯回路側の熱量の割合が減少してしまう。
この状態でも給湯回路の単独使用時で決定した最大水量は変わらないため、設定温度での出湯に必要な熱量を給湯回路側の熱交換器に与えることができず、能力オーバーとなって設定温度よりも低い温度で出湯されてしまい、適正な運転が行えないおそれがあった。
通水経路の一方は、熱交換器に接続される給水管と出湯管とを含む給湯回路であり、出湯管には、流量を制御する出湯流量制御手段が備えられて、
コントローラは、給湯回路の単独使用の際には、最大アウトプットの初期値に基づき、設定温度で出湯するための出湯管での最大水量を決定して出湯流量制御手段を制御し、給湯回路での運転を制御する一方、
コントローラは、2つの通水経路が同時使用となった際には、最大アウトプットの暫定値を、給湯回路の単独使用時に与えられる最大アウトプットの初期値と、予め設定された熱分配率とを用いた以下の式に基づいて計算し、算出した最大アウトプットの暫定値に基づいて、設定温度で出湯するための最大水量を決定して出湯流量制御手段を制御し、給湯回路での運転を制御することを特徴とする。
最大アウトプットの暫定値=最大アウトプットの初期値×熱分配率
なお、「最大アウトプット」は、バーナにより熱交換器に与えられる最大熱量をいう。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、熱分配率は、少なくとも一方の通水経路における少なくとも水温に基づいて変更可能であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、通水経路の他方は、外部の浴槽に繋がって浴槽の湯水を熱交換器との間で循環させる風呂回路であり、コントローラは、給湯回路の単独使用中に、風呂回路に設けられて湯水の循環を検出する循環検出手段によって湯水の循環を検出した際に、2つの通水経路の同時使用と判断することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3の構成において、最大アウトプットの暫定値に基づく給湯回路の運転制御は、少なくとも風呂回路の使用終了により解除されることを特徴とする。
特に、コントローラは、2つの通水経路の同時使用の際には、最大アウトプットの暫定値に基づいて設定温度で出湯するための最大水量を決定して出湯流量制御手段を制御するので、同時使用の際には給湯回路での最大水量を減少させて運転することができる。よって、低温出湯を効果的に防止可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、熱分配率を少なくとも水温に基づいて変更可能としているので、より正確な最大アウトプットの暫定値を算出することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、コントローラは、給湯回路の単独使用中に、風呂回路の循環検出手段によって湯水の循環を検出した際に、2つの通水経路の同時使用と判断することで、給湯回路と風呂回路との双方の通水経路へ確実に通水した状態で最大アウトプットの変更制御を実行することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3の効果に加えて、最大アウトプットの暫定値に基づく給湯回路の運転制御を、少なくとも風呂回路の使用終了により解除するようにしたことで、給湯回路を使用終了から再使用した際の出湯流量制御手段の余計な動作を排除でき、同時使用から給湯回路を間欠運転しても出湯特性の悪化を防止することができる。
図1は、給湯器の一例を示す概略回路図である。この給湯器1は、燃焼室2の下部に、互いに数が異なる複数のバーナ4,4・・を備えた3つのバーナユニット3,3・・と、各バーナユニット3に燃焼用空気を供給する燃焼ファン5とが設けられ、燃焼室2内の上部には、バーナ4,4・・の燃焼排気が通過する給湯熱交換器6と風呂熱交換器7とが併設されている。8は点火プラグ、9はフレームロッドで、燃焼室2の上部には、両熱交換器6,7を通過した燃焼排気を排出する排気フード10が設けられ、燃焼室2の外側には、燃焼室2からの燃焼排気の漏出を検出するヒューズ回路をプリントしたシート状の過熱防止装置11が巻回されている。
いる。
そして、出湯管20における給湯熱交換器6の出口際には、出口温度を検出する給湯熱交換器サーミスタ26が設けられ、バイパス管22との接続部の下流側には、出湯温度を検出する給湯出湯サーミスタ27と、ステッピングモータにより駆動して出湯管20の流量を可変制御する水量制御弁28とが設けられている。
よって、ここには、バーナユニット3に加熱される給湯熱交換器6と、給湯熱交換器6に接続される給水管19及び出湯管20、バイパス管22を含む給湯回路Aが形成される。
よって、ここには、バーナユニット3に加熱される風呂熱交換器7と、風呂熱交換器7と浴槽31との間に接続される風呂戻り管33及び風呂往き管34とを含む風呂回路Bが形成される。
このように、給湯器1は、1つの燃焼室2内に通水経路が異なる給湯熱交換器6と風呂熱交換器7とが併設されて共通のバーナユニット3,3・・によって加熱される一缶二水路型となっている。
50はコントローラで、マイコンやメモリの他、各モータの駆動回路、各サーミスタ及びセンサの検出回路等を備え、各サーミスタやセンサ等の検出信号を受けて各弁等を動作させて出湯温制御や浴槽31への湯張り制御等を行う。51は給湯リモコン、52は風呂リモコンである。
湯出口に接続された外部配管の給湯栓が開栓されて器具内に通水され、その通水を給湯水量センサ25で検知すると、コントローラ50は、燃焼ファン5を所定時間回転させて、燃焼室2内に貯留している燃焼排気を排出させる(プリパージ)。その後、ガス管12の元ガス電磁弁15、各ガス電磁弁14を開弁させ、ガス比例弁16を所定開度で開弁させて、各バーナユニット3へガスを供給すると共に、イグナイタを作動させて点火プラグ8でバーナ4,4・・に点火する。
これにより、給湯熱交換器6において、給湯伝熱管18を流れる水がバーナ4の燃焼排気と熱交換されて、加熱された湯が出湯管20及び外部配管を通って給湯栓から出湯される。
また、給湯リモコン51又は風呂リモコン52で設定された設定温度と、入水サーミスタ24から検出される入水温度と、給湯水量センサ25から検出される入水量と、バーナユニット3,3・・により与えられる最大アウトプット(最大熱量)とから、以下の式(1)によって、設定温度で出湯するための最大水量(最大出湯量)を算出し、算出した最大水量となるように水量制御弁28の開度を制御する。
最大水量[l/分]=((設定温度[℃]-入水温度[℃])×通水量[l/分])
÷最大アウトプット ・・(1)
給湯栓を閉じると、給湯水量センサ25からの信号停止を確認したコントローラ50は、元ガス電磁弁15及びガス電磁弁14を閉じてバーナ4を消火させ、所定時間燃焼ファン5を回転させる(ポストパージ)。
次に、ポンプ35を作動させて、風呂熱交換器7と浴槽31との間で湯を循環させる。よって、風呂熱交換器7と浴槽31との間を循環する風呂循環水は、風呂伝熱管30を流れる際にバーナ4の燃焼排気と熱交換されて設定温度まで追い焚きされる。設定温度に達すると、バーナ4の燃焼を停止させ、ポンプ35を停止させる。また、風呂リモコン52の追い焚きスイッチの操作により、任意のタイミングでも追い焚きが可能となっている。
まずS1で、コントローラ50は、給湯回路Aと風呂回路Bとが同時使用中か否かを判別する。給湯回路Aの使用は、バーナ4に設けたフレームロッド9からの炎電流の検出等によって確認され、風呂回路Bの使用は、風呂リモコン52の追い焚きスイッチのON動作によって確認できる。同時使用でなければ本制御は終了する。
最大アウトプットの暫定値=最大アウトプットの初期値×熱分配率 ・・(2)
この熱分配率は、図3のテーブルに示すように、風呂戻りサーミスタ36から得られる風呂戻り温度に応じて予め設定されており、S3の計算は、風呂戻り温度に対応する熱分配率を選択して行われる。図3において、例えば風呂戻り温度0℃は、0℃以上で10℃未満の範囲を示す。他の温度も同じである。
そして、S5で、同時使用の終了が確認されると、本制御は終了する。この同時使用の終了は、風呂の追い焚きが終了して給湯回路Aの単独使用となった場合か、給湯燃焼と風呂の追い焚きとが共に終了した場合に確認される。風呂の追い焚き終了を解除条件としたのは、給湯燃焼の終了を解除条件とすると、時間をおいて再び給湯燃焼が開始されて間欠使用された場合、一旦水量制御弁が開方向へ動作した後、閉方向へ動作するため、水量が変動して出湯温度がふらつき、出湯特性の悪化に繋がるからである。
また、コントローラ50は、給湯回路Aの単独使用の際には、最大アウトプットの初期値に基づき、設定温度で出湯するための出湯管20での最大水量を決定して水量制御弁28を制御する一方、給湯回路A及び風呂回路Bが同時使用となった際には、最大アウトプットの暫定値に基づいて設定温度で出湯するための最大水量を決定して水量制御弁28を制御するので、同時使用の際には給湯回路Aでの最大水量を減少させて運転することができる。よって、低温出湯を効果的に防止可能となる。
加えて、最大アウトプットの暫定値に基づく給湯回路Aの運転制御を、風呂回路Bの使用終了(追い焚き終了)により解除しているので、給湯回路Aを使用終了から再使用した際の水量制御弁28の余計な動作を排除でき、同時使用から給湯回路Aを間欠運転しても出湯特性の悪化を防止することができる。
また、風呂戻り温度によって熱分配率を可変とする場合に限らず、風呂往き温度や風呂回路の通水量によるものとしたり、給湯回路の水温や通水量によるものとしたり、これらの複数の項目に重み付けをした式に基づいて熱分配率を算出したり等、適宜変更可能である。
さらに、風呂回路の循環検出手段は、風呂水流スイッチの他、ポンプの駆動電流等の他の検出手段としてもよいし、複数の検出手段に基づいて循環を検出するようにしてもよい。
加えて、最大アウトプットの暫定値に基づく給湯回路の運転制御の解除条件は、追い焚き終了時に限らず、出湯特性に影響がなければ給湯回路の使用終了としても差し支えない。
その他、給湯器自体の構成も、一缶二水路型であれば、各熱交換器が潜熱回収用の副熱交換器を備えるものであったり、バイパス管がない給湯回路であったりしても差し支えない。また、給湯回路でない通水経路としては、風呂回路に限らず、外部の床暖房や浴室暖房機等に接続される暖房回路等であっても本発明は適用可能である。
Claims (4)
- 下部にバーナが配置される燃焼室と、
前記燃焼室の上部に併設される2つの熱交換器と、
各前記熱交換器ごとにそれぞれ接続される2つの通水経路と、
前記バーナの燃焼を制御すると共に、前記バーナにより与えられる最大アウトプットに基づいて運転を制御するコントローラと、を含んでなる給湯器であって、
前記通水経路の一方は、前記熱交換器に接続される給水管と出湯管とを含む給湯回路であり、前記出湯管には、流量を制御する出湯流量制御手段が備えられて、
前記コントローラは、前記給湯回路の単独使用の際には、前記最大アウトプットの初期値に基づき、設定温度で出湯するための前記出湯管での最大水量を決定して前記出湯流量制御手段を制御し、前記給湯回路での運転を制御する一方、
前記コントローラは、前記2つの通水経路が同時使用となった際には、前記最大アウトプットの暫定値を、前記給湯回路の単独使用時に与えられる前記最大アウトプットの初期値と、予め設定された熱分配率とを用いた以下の式に基づいて計算し、算出した前記最大アウトプットの暫定値に基づいて、前記設定温度で出湯するための前記最大水量を決定して前記出湯流量制御手段を制御し、前記給湯回路での運転を制御することを特徴とする給湯器。
最大アウトプットの暫定値=最大アウトプットの初期値×熱分配率 - 前記熱分配率は、少なくとも一方の前記通水経路における少なくとも水温に基づいて変更可能であることを特徴とする請求項1に記載の給湯器。
- 前記通水経路の他方は、外部の浴槽に繋がって前記浴槽の湯水を前記熱交換器との間で循環させる風呂回路であり、
前記コントローラは、前記給湯回路の単独使用中に、前記風呂回路に設けられて前記湯水の循環を検出する循環検出手段によって前記湯水の循環を検出した際に、前記2つの通水経路の同時使用と判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の給湯器。 - 前記最大アウトプットの暫定値に基づく前記給湯回路の運転制御は、少なくとも前記風呂回路の使用終了により解除されることを特徴とする請求項3に記載の給湯器。
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