JP7126370B2 - 筆記ボール及びボールペン - Google Patents
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Description
主成分として炭窒化チタン(TiCN)及び窒化チタン(TiN)のうちの少なくとも1つ、並びに、副成分として炭化タングステン(WC)、炭化チタン(TiC)、炭化クロム(Cr3C2)及び炭化モリブデン(Mo2C)のうちの少なくとも1つ、から成る硬質相成分と、
コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)及びモリブデン(Mo)のうちの少なくとも1つから成る結合相成分と、を含有し、
断面32の走査電子顕微鏡による観察にて、前記硬質相成分のみから成る硬質相33、前記結合相成分のみから成る結合相34及び該硬質相33の周囲又は近辺にあり前記硬質相成分と前記結合相成分とが混合した硬質相/結合相界面35とが認められるとともに、前記硬質相33と前記硬質相/結合相界面35とで構成される粒子36の平均径が2.0μm以下であることを特徴とする。
本実施の形態に係るボールペン10は、図1に示すようなボールペンであり、先端が開放し、後端が閉鎖した筒状の軸筒12と、この軸筒12の先端に継手11を介して装着されるボールペンチップ20と、この軸筒12の内部空間の前半部に当たるコレクター収納部14の軸心を貫通するインク誘導部13と、この軸筒12の内部空間の後半部に当たるインク収容部15の内部空間に収容される直液状態のインク40と、ボールペンチップ20の先端からコレクター収納部14の後端付近までを被蓋する図示しないキャップとから構成されている。
本実施形態の筆記ボール30は、主成分として炭窒化チタン(TiCN)及び窒化チタン(TiN)のうちの少なくとも1つ、並びに、副成分として炭化タングステン(WC)、炭化チタン(TiC)、炭化クロム(Cr3C2)及び炭化モリブデン(Mo2C)のうちの少なくとも1つ、から成る硬質相成分と、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)及びモリブデン(Mo)のうちの少なくとも1つから成る結合相成分と、を含有している。硬質相成分の主成分が筆記ボール30の全体に占める割合は70重量%以上である。また、硬質相成分の副成分としてWCが含有される場合、その含有量は15重量%以下である。筆記ボール30は、上記した硬質相成分をなす材料粉末と、結合相成分をなす材料粉末とを粉砕混合し、略球状に形成した後、焼結して球体に形成する。そして、得られた球体を、一定間隔に保持した2枚の砥石の間でダイヤモンドパウダーとともに転がし、ボール表面31を鏡面に仕上げる。このボール表面31のビッカース硬度(Hv)は1,600~2,000である。
本実施形態のインク40は、無機粒子41としてカーボンブラックを配合した水性インクである。
筆記の際、インク収容部15のインク40は、インク誘導部13、インク誘導孔26及びインク溝25を通じてボールハウス22に送られ、ボールハウス22に収容された筆記ボール30に十分に供給される。そして、筆記ボール30の回転により供給されたインク40が紙等の記録体に転写若しくは浸透し、筆記が完了となる。
下記の組成による実施例及び比較例に係る筆記ボールを、前記の方法にて製造した。
実施例1に係る筆記ボール30は、以下の組成の混合物で形成した。
TiCN(硬質相成分・主成分):70重量%
Mo2C(硬質相成分・副成分):12重量%
Cr3C2:6重量%(硬質相成分・副成分)
Ni:(結合相成分)12重量%
上記混合物を前記の方法にて筆記ボール30とした。
実施例2に係る筆記ボール30は、以下の組成の混合物で形成した。
TiCN(硬質相成分・主成分):85重量%
Cr3C2(硬質相成分・副成分):3重量%
Ni(結合相成分):8重量%
Mo(結合相成分):4重量%
上記混合物を前記の方法にて筆記ボール30とした。
実施例3に係る筆記ボール30は、以下の組成の混合物で形成した。
TiN(硬質相成分・主成分):85重量%
Cr3C2(硬質相成分・副成分):3重量%
Ni(結合相成分):8重量%
Mo(結合相成分):4重量%
上記混合物を前記の方法にて筆記ボール30とした。
実施例4に係る筆記ボール30は、以下の組成の混合物で形成した。
TiCN(硬質相成分・主成分):85重量%
Cr3C2(硬質相成分・副成分):3重量%
Co(結合相成分):8重量%
Mo(結合相成分):4重量%
上記混合物を前記の方法にて筆記ボール30とした。
実施例5に係る筆記ボール30は、以下の組成の混合物で形成した。
TiCN(硬質相成分・主成分):70重量%
WC(硬質相成分・副成分): 15重量%
Cr3C2(硬質相成分・副成分): 3重量%
Ni(結合相成分): 8重量%
Mo(結合相成分): 4重量%
上記混合物を前記の方法にて筆記ボール30とした。
比較例1に係る筆記ボールは、以下の組成の混合物で形成した。
WC:90重量%
Cr3C2:2重量%
Co:6重量%
Ni:2重量%
上記混合物を前記の方法にて筆記ボールとした。
比較例2に係る筆記ボールは、以下の組成の混合物で形成した。
WC:30重量%
TiC:55重量%
Cr3C2:3重量%
Co:10重量%
Mo:2重量%
上記混合物を前記の方法にて筆記ボールとした。
比較例3に係る筆記ボールは、以下の組成の混合物で形成した。
TiC:85重量%
Cr3C2:3重量%
Co:10重量%
Mo:2重量%
上記混合物を前記の方法にて筆記ボールとした。
下記の各試験に用いるインク40は、以下のとおりの組成のものを用いた。
カーボンブラック(顔料):8重量%
グリセリン(溶剤):10重量%
エチレングリコール(溶剤):5重量%
スチレンアクリル酸樹脂アンモニウム塩(分散剤):3重量%
オレイン酸カリウム(潤滑剤):0.3重量%
トリエタノールアミン(pH調節剤):0.5重量%
1,2-ベンゾイソチアゾール-3(2H)-オン(防腐剤):0.1重量%
カルボキシベンゾトリアゾール(防錆剤):0.2重量%
精製水:残部
上記組成のインク40について、トキメック製ELD・EMD型粘度計を測定器として用い、測定温度25℃、回転数50rpmの条件下にて、インク粘度を測定した。その測定の結果、インク粘度は3.8mPa・sであった。
上記組成のインク40について、堀場製作所製pHメーターを測定器として用い、測定温度25℃の条件下にて、インクpHを測定した。その測定の結果、インクpHは8.5であった。
上記組成のインク40を用いて、ボールペン10を製作し、50℃、80%の恒温槽中に放置した。90日後、恒温槽からボールペン10を取り出し、室温(25℃)で1日放置した。次いで、この室温で1日放置したボールペン10について、筆記ボール30の表面の観察を行った。
A:腐食が見られなかった。
B:やや腐食が見られた。
C:著しい腐食が認められた。
上記(2-1)と同様に製作したボールペン10を用いて、本件発明者が手で螺旋状に筆記をしたときの筆記感を発明者による官能評価とした。
A:非常に軽い
B:普通
C:重い
JIS S6054に準拠した機械筆記試験にて、筆記荷重0.98N(100g重)、筆記角度60°、筆記速度4.5mm/minで1,000m(又はインクが消費されるまで)螺旋筆記させた。
A:全て問題なく筆記可能。
B:カスレあるが試験終了まで筆記可能。
C:著しく摩耗し全て試験途中で筆記不能。
前記各実施例に係る筆記ボール30及び各比較例に係る筆記ボールを、それぞれ平面出しを行い、この平面の表面を走査電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ S-3400N)を用いて、加速電圧15kV、倍率5,000倍にて反射電子組成像を観察して、粒子20個分の長軸長を計測し、その平均値を求めた。また、反射電子組成像にWC粒子の析出が認められたか否かも確認した。
上記試験項目の各々について、結果は下記表1に示すとおりであった。
13 インク誘導部 14 コレクター収納部 15 インク収容部
17 コレクター
20 ボールペンチップ 21 ホルダー 22 ボールハウス
23 カシメ部 24 ボール受座 25 インク溝
26 インク誘導孔 27 テーパー部
30 筆記ボール 31 ボール表面 32 断面
33 硬質相 34 結合相 35 硬質相/結合相界面
36 粒子
40 インク 41 無機粒子
Claims (3)
- 主成分として炭窒化チタン、並びに、副成分として炭化タングステン、炭化チタン、炭化クロム及び炭化モリブデンのうちの少なくとも1つ、から成る硬質相成分と、
コバルト、ニッケル、クロム及びモリブデンのうちの少なくとも1つから成る結合相成分と、を含有し、
断面の走査電子顕微鏡による観察にて、前記硬質相成分のみから成る硬質相、前記結合相成分のみから成る結合相及び該硬質相の周囲にあり前記硬質相成分と前記結合相成分とが混合した硬質相/結合相界面とが認められるとともに、
前記硬質相と前記硬質相/結合相界面とで構成される粒子の平均径が2.0μm以下であることを特徴とする筆記ボール。 - 前記硬質相成分の主成分の含有量が、全体に占める割合として70重量%以上であるとともに、前記断面において、前記粒子の占める面積が80%以上であることを特徴とする請求項1記載の筆記ボール。
- 請求項1又は2に記載の筆記ボールと、
カーボンブラック、アルミナ、窒化ホウ素及び酸化チタンのうちの少なくとも1つから成る無機粒子を含有するインクと、
を備えたことを特徴とするボールペン。
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JP2005350707A (ja) | 2004-06-09 | 2005-12-22 | Tungaloy Corp | サーメットおよび被覆サーメット並びにそれらの製造方法 |
JP2007290196A (ja) | 2006-04-24 | 2007-11-08 | Pilot Ink Co Ltd | 変色性ボールペン |
JP2010031308A (ja) | 2008-07-25 | 2010-02-12 | Sumitomo Electric Ind Ltd | サーメット |
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