JPH11139068A - ボールペン - Google Patents

ボールペン

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JPH11139068A
JPH11139068A JP9319173A JP31917397A JPH11139068A JP H11139068 A JPH11139068 A JP H11139068A JP 9319173 A JP9319173 A JP 9319173A JP 31917397 A JP31917397 A JP 31917397A JP H11139068 A JPH11139068 A JP H11139068A
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JP
Japan
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ink
pen
ball
writing
tip
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JP9319173A
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English (en)
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Kazuhiko Furukawa
和彦 古川
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボールペンにおけるインクがまだ残っている
にもかかわらずペン先の内部の磨耗によって筆記不能と
なってしまう問題の解決、及び特に中性ボールペンで見
られる金属や顔料の摩耗や目詰まりしやすいインクを使
用した場合の筆記不良の問題、磨耗によるボール飛びな
どの問題を特別なインクや複雑な機構や高価な材質を必
要とせずに解決すると共に、汎用性のあるペン先部材を
提供することで安価で高性能なボールペンへの改良を課
題とする。 【解決手段】 内部にはインクをペン先まで導通させる
複数のチャンネル外接円径Aとその深さLとの間に0.
2XA<L<Aという関係とした。さらに、内部のテー
パー面の角度を60゜から90゜とすることでチップ製
造時のバラツキが無くなる。さらに逆流防止機構との組
み合わせでは効果が大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は先端に筆記部となるボー
ルをインクの流路を確保をするための適宜の寸法の隙間
を有した状態で抜け止めして、遊嵌したペン先の部品及
びその部品を使用したボールペンの改良を行うものであ
り、特に中程度の粘度を有する油性又は水性のボールペ
ンの不具合の解決に関する改良である。
【0002】
【従来の技術】従来、ボールペンタイプの筆記具では、
高級アルコール溶剤を主溶剤とした高粘度(約1万c
p)のインクをインク収容管に直接内蔵した所謂油性ボ
ールペンや、水を主溶剤としたごく低粘度(2から3c
p)のインクを中綿と呼ぶ繊維束芯に保蔵させた所謂水
性ボールペンや、油性と水性の中間の性質を持たせた中
性ボールペンが存在している。油性ボールペンは高粘度
のため書味が重く、ボテが多く、インクが直接保蔵され
ているため先端に空気が入ってしまうと逆流するトラブ
ルが発生しやすい。水性ボールペンはインクの残量が確
認できない、紙面ににじみやすい、中綿や中継芯などの
部材がインクをすべて吐き出さないために寿命が短い、
軸が太い等の欠点を有している。これらを解決するため
の中性ボールペンでは逆流防止機構などにより逆流の解
決は進んでいるが、インクの自由度が高く外からインク
が見える利点を生かして、近年ではインクの種類が増え
て、金銀などの金属光沢インクやパール調のインクなど
固形分が大きいインクでの流れや摩耗の問題を解決する
必要が生じてきた。
【0003】ボールペンでは複数枚の書類の複写などに
使用して強い筆圧で筆記していくとボールによって受け
座部が磨耗していってインクがまだ残っているにもかか
わらず、インクが出なくなって筆記できないという問題
が生じる場合がある。通常の油性ボールペンではチャン
ネル溝は貫通しておらず、φ0.7mmの筆記ボール径
の時にはチャンネル最大外接円径(A)はφ0.65〜
φ0.7mmとしてその長さLは0.1mm程度とする
のが一般的であり、L=0.154XAからL=0.1
43XA程度のごく狭い範囲で設定されている。特にイ
ンクの着色剤が固形の微粉体を分散させた顔料タイプの
インクである場合や潤滑性の良くない水をベースにした
水性タイプのインクの場合や、油性であってもインクの
粘度を中程度(25℃で10から5000cp)のイン
クとした場合には、固形分による摩耗や回転時のインク
の膜が切れやすいことから特にこれらの問題が発生しや
すくなる。こららの対策としてボールやチップホルダー
の材質を高硬度のステンレスなどの材質に変更した対策
が考案されているが、その場合にはチップホルダーの加
工も硬度に比例して加工が困難となってしまったり、高
価なペン先となってしまう欠点を有している。またイン
クによって改良した場合には、インク中に潤滑剤を多量
に配合すればこれらの欠点が緩和されるが、潤滑剤によ
ってインクが紙面ににじみやすくなったり、インクの表
面張力が低下してペン先に濡れやすくなって下向きにし
た場合にペン先からインクが漏れ出す直流の問題が発生
しやすくなってしまうので安易なインクによる改良も困
難である知見が得られた。
【0004】また、揮発しやすいインクを使用したボー
ルペンでは長時間筆記をしない場合などにキャップをし
て、インクの揮発を防止したり、落下などの衝撃によっ
てペン先から空気を巻き込んでカスレたりひどい場合に
はインクが逆流したり、インクがペン先から垂れてくる
所謂直流などを防止する目的でキャップの内部に弾性を
有するゴムなどの先端シール部材によってペン先をキャ
ップシールしているボールペンが知られている。しか
し、ノック式ボールペンの場合やユーザーがキャップを
忘れた場合やある程度の揮発しやすいインクが必須とな
る筆記具の場合などにはペン先内部のインクの流路であ
るチャンネル溝部でインクが固まったり固形物が詰まる
ことによるカスレや空気巻き込みによるカスレや逆流が
発生したりして筆記不能や服を汚す事故も発生してい
る。このような問題を解決するための対策としては、イ
ンクの粘度を高く(5千から1万cp程度)したり、油
膜の切れにくい高分子量溶剤を増量したり、軸内部の内
圧を大気圧以上に加圧して内部のインクを流出させた
り、実案登録2538086号等にみられるボールバル
ブなどの逆流防止機構を採用して対応しているが、摩耗
しやすい微粉末や固形分の多いインクの場合などのイン
ク流れや摩耗問題などペン全体性能としての問題を依然
として抱えている。特に油性ボールペンと水性ボールペ
ンの中間の中程度の粘度のインクを使用した所謂中性ボ
ールペンではこれらの問題が起こりやすく、やや不完全
なボールペンではあるがその他の利点が認められて上市
されている。一部にこれらの問題を改良したボールペン
も発明されてきているが、ペン先内部の磨耗の問題とイ
ンクの流れ性とペン先の生産性やコストと逆流防止機構
との相互作用性のすべてを解決した物は見られていな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、主に普及型
のペン先内部に筆記部となるボールを先端から突出した
状態で抜け止め不可能に遊嵌した所謂ボールペンタイプ
の筆記具の改良を目的としており、特に中程度の粘度の
インクを有するボールペンのペン先であるチップの改良
にかかわる物であり、筆記時の書味を初期から確保でき
ると共に、筆記が進んでペン体としての寿命が終了する
前にインクを残して筆記不能となる問題の解決を第1の
目的としている。さらにはインクの流れを安定して確保
することにより、金色や銀色など金属の微粉末を分散さ
せたインクや酸化チタン、樹脂微粉末などを有するパス
テル、パール調のインクなどペン先の内部にインクの粉
末成分が詰まりやすいインクでも使用可能なボールペン
を製造性やペン性能を犠牲にすることなく、問題を解決
する事で、特別な配合のインクや高度な加工を必要とし
ないで、安価で性能の良い筆記具を提供するという課題
を解決することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決する
為に案出された本発明のボールペンは、先端に筆記部と
なるボールを外部に臨出するように回転可能に抜け止め
されており、インク収容管の内部にはインクを内蔵して
いる。このインクはペン先の内部で適宜寸法に設定され
た複数本のチャンネル溝や横方向の横ガタや上下にもイ
ンク導出が可能な様にボールが移動可能な縦ガタなどの
インク流路を経て、回転可能で筆記部となるボールから
外部の紙面に導出されるように構成されている。この遊
嵌されたボールは自由に回転できる状態で塑性変形など
によるカシメによって抜け止めされる。
【0007】本発明を有効にする第1の形状のものとし
ては、前述のチャンネル溝の径Aと長さLを0.2<L
<Aに(望ましくは0.2XA<L<0.5XA)に設
定した。一般的な油性ボールペンではこのチャンネル溝
の長さLは0.15XA程度であるので、それをさらに
長く又はチャンネル溝を貫通させるとともにその長さを
0.2XA<L<Aとする事で本発明の効果が発揮され
る。ただしあまりチャンネル溝が長いと、チャンネル加
工時にペン先内部が割れたり、ツールが折れやすくな
る、等の問題が出る。この問題を緩和させるためチャン
ネル溝の後方の穴のテーパー角度を60゜から90゜と
してチャンネル加工時の加工力を縦方向に受け止める様
な強度のある形状とした。ボール出、カシメ内径、カシ
メ外径の最適化による安定したカシメによってボールを
抜け止めし、一例としてはカシメ加工時にカシメ部の内
径部をボールに当接するまでやや強めにカシメることな
どによって、内部にシール面を形成させ、シール面はボ
ールと略同等のRと全周にわたってある一定の巾を有し
た形状とするとさらに直流の問題の解決も図られる。ま
た縦ガタを確保すると同時にボールの軸方向後方の受け
面となりボールと略同等Rを有する受け座も設けられ
る。
【0008】本発明の第2の手段としてはさらに逆流防
止機構を設けることで問題のないボールペンとすること
が可能となる。逆流防止機構の例としては、重力で移動
する球体の逆止ボール又は少なくとも一端にテーパー面
又はR面を有する逆止コマと弁座の組合せによる逆止機
構が設けられている。これらのコマは非筆記時にはイン
クの流通孔である弁座を閉塞して逆流を防止するととも
に、筆記時にはコマは移動して弁座の一端から離れてイ
ンクの流路を確保できるとともにコマとコマが当接する
弁座の他端にはインク流路が確保される溝又はスキマを
設けることでインクは収容管からペン先外部までの流路
が確保され筆記が可能となる。逆止機構の第2の例とし
てはペン先の内部に筆記ボールを80g以下(望ましく
は20g以下)の弱い荷重で常に前方に押圧させるスプ
リング等弾性体(以後スプリングと呼ぶ)を設けたボー
ルバルブ方式の逆流防止機構とするとノック式ボールペ
ンなどの高度な性能や耐直流性能を要求される場合には
本発明の作用が有効になり、非筆記時にはボールがペン
先の先端の抜け止めであるカシメの内壁を弁座として当
接してインクの流路を閉塞し、逆流を防止する。筆記時
には100g程度の筆記圧でスプリングがたわんでボー
ルはペン先内部後方に移動してインク流路が確保され、
上述のコマ式同様の逆流防止機構の動作に加えて直流防
止機能を同時に得ることができる。この場合のチャンネ
ル溝は筆記時のインク流路の確保と逆止機構の流路の確
保を同時に行っており、筆記ボールは逆止機構のコマと
筆記ボールを兼用する。
【0009】チャンネル溝を貫通させてその後方に逆止
機構のコマを、その後方にペン先の後端を内方にカシメ
て周状の弁座を設けたり、弁座を有する別部品を固着さ
せたりして、前後に0.1から5mm程度移動可能に遊
嵌する逆止機構の場合には、チャンネル溝の後端が逆止
機構のコマに直接接触してインク流路となる。この時、
チャンネル後方のテーパー面は製造上60゜から90゜
の角度が望ましいが、さらに筆記時や脱泡遠心時のコマ
の受け面となるため55゜以下では強いGがかかるとコ
マが食い付いて動かなくなる不具合が生じる。また同様
に95゜以上では角部がエッジとなるために食い付きの
不具合が生じてしまう。特に中性ボールペンと呼ばれる
23℃±5℃でのインク粘度が10cpから5000c
pの顔料タイプ水性インクを有するものでは逆流のトラ
ブルが発生しやすく逆止機構を求められる上、摩耗が多
く、インクの流路を大きめに確保する必要があり、本発
明の効果は特に大きくなる。
【0010】
【作用】上記の解決手段の作用を以下に説明する。本発
明の改良では、十分なインク流路を確保することが可能
となって使い始めのインク量がやや不足して発生するカ
スレなど問題を解決できる上、筆記後半での磨耗によっ
てインクの流路であるチャンネル溝が狭くなったり、塞
がれてインクが出にくくなってしまう問題も解決するこ
とができる作用を有している。インクのチャンネル溝長
さLは通常のボールペンでは100μm(=0.1m
m)程度あれば十分と考えられてきた。しかしながら着
色剤として0.05μmから15μmの平均粒径の微粒
子固形分である金属粉、無機質粉を分散させたインクで
は初期でもこの寸法ではインクの流れを確保するのが困
難であるばかりでなく、これらのインクでは摩耗しやす
く、摩耗した場合にはチャンネル溝が完全に塞がらなく
て初期よりも流路が小さくなって、インクが残っている
のに正規の流量が確保できず薄い、かすれる、書けない
などの問題が発生したが、本発明のチャンネル溝と径の
関係式を満足させることで解決される。さらにチャンネ
ル溝の後方の穴加工角度Pを60゜から90゜の角度と
することで加工時の製造性や割れの問題と、逆止機構の
食い付きの問題をも解決可能となる事でチャンネル長さ
と径の関係式を満足させる形状を安定して加工でき、ペ
ン体の性能も安定する。また重い金属粉などのインクで
は多少なりともインク中の固形粉体が沈降するが、この
時、流路にこれらの沈降物が僅かに詰まっても筆記異常
が発生する問題をも解決できる作用を有する。つまりイ
ンクの流量を安定させ、磨耗に対する各部の寸法が十分
に確保される事で筆記不能を防止ことができる。
【0011】逆流を防止する機構を設けた場合には、前
述のチャンネル溝の構成による流量の効果との相乗効果
によってさらに滑らかな書味と磨耗に対する有効性とと
もに逆流の問題も解決する作用を有する。このチャンネ
ル溝は逆流防止機構の筆記時のインク流路確保の溝とし
ての機能を同時に兼用させることが可能であり、この場
合には組立性、コスト、部品の安定性を同時に満足させ
ることが可能となる作用も有している。特にインク粘度
が油性ボールペンに比較的して低い中性ボールペンでは
本発明が最も効果的に作用する。インクの流量が多く、
インクに潤滑性を付与することが比較的困難で、逆流や
磨耗の問題を解決できたり、インクの設計に自由度を与
えることができるようになって、結果的にペン体の総合
性能を向上させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1と図2に本発明の実施例であ
るボールペンの第1例を図示しており、図に従って以下
詳述する。ボールペンのペン先となるステンレス、真
鍮、洋白等の金属、又はプラスチック等製のチップの先
端には筆記ボール1が前端側はカシメ2によって後端側
には受け座6によって抜け止めされており、セラミッ
ク、超硬、ステンレス、プラスチック等製の球体である
筆記ボール1は前後に縦ガタを有した状態で回転可能に
遊嵌されている。カシメ2は40゜以上110゜以下
(望ましくは50゜から90゜)のカシメ角でカシメら
れており、一般的には金属の塑性変形によってまたは塑
性変形と切削の組み合わせ又は射出成形によってこれら
のカシメが加工されている。チップには後方から先端ま
でのインク孔7による流路が確保されており、チップは
さらに後方のインク収容管9、またはインク収容管9と
チップとの間の継手10に固着される。
【0013】チップ内部には、筆記時にボール1が後方
内部の受け座6に当接したときにもインク孔7が塞がれ
ることなく、インク流路を確保する目的で、複数本の放
射状の縦溝であるチャンネル溝4が設けられている。本
発明ではチャンネル溝の外接円外径Aとその最大深さ
(図1のL又はL’のうち大きい方、以後は単にLと省
略)との関係を0.2XA<L<Aとした。従来はイン
ク吸蔵体から繊維束芯を経由して筆記ボール1までイン
ク流通を確保する中綿式ボールペンではチャンネル4を
貫通させ、インクが直接保蔵される油性ボールペンでは
チャンネルは貫通させる必要はなくせいぜい0.1mm
程度の深さLにすれば良いと考えられてきた。またチャ
ンネル深さLがあまり大きすぎるとチップの加工時には
座屈やひび割れやツール折れなどの加工上のトラブルが
発生することは経験的に知られていたが漠然とした加工
都合の数値設定が行われてきた経緯がある。しかしなが
ら近年のインクの中粘度化による潤滑性の悪化や金銀な
どの摩耗しやすいインクの需要が増大してきたため、三
菱鉛筆(株)製中粘度ボールペンUM−100の部材と
本発明の試作品を使用して実験したところ後述する様な
チャンネル外径Aとチャンネル深さLとの間の関連性の
知見が得られた。
【0014】筆記ボール径Bとチャンネル径Aは通常は
比例関係にあり、ボール径が大きいほどチャンネル径は
大きくする必要があるが、ボール径0.38,0.5、
0.7、1.0で同一インクによる筆記摩耗性テストを
したところどれも筆記距離と磨耗量の相関は出たもの
の、ボール径と磨耗量についての相関は得られなかっ
た。インクの潤滑性が良くない場合にはボール径が小さ
いほど異常磨耗が見られたが、適切なインクではほぼ同
じ磨耗量であった。
【0015】チャンネル深さLを小さくした物L=0.
15Aでは筆記が進むとインク流量が暫減してしまう現
象が発生したがL=0.21Aではこの問題が無くなっ
た。さらにチャンネル4の後方のテーパー角度Pを鋭角
に設定すればチャンネル4の深さLが深くなっても座屈
や割れのトラブルは減少することが経験的に知られてい
たが、P=120゜が通常のドリル角であり、100゜程
度までは座屈に関する効果が見られず、P=50゜以下
では鋭角すぎてドリルの耐久性や切り粉のはけなどの製
造上の問題だけでなくインク孔の細く長い部分が長すぎ
て、インク追従性不良が発生した。この後端側テーパー
Pの角度を最適な60゜から90゜に設定した場合、L=
0.98Aまでは全く問題なく生産が可能であったが、
L=1.05Aとするとペン先の加工時に座屈が発生し
て外径部にひび割れが起こってしまった。さらにペン先
内部の変形が大きくなり内壁3の寸法が変形してしま
い、当初設定したインク流路確保のためのボール1との
横方向のスキマである横ガタが減って初期からインク流
量の少ない物が混入する問題が発生した。
【0016】本発明の最適範囲形状のペン先を従来の油
性ボールペンや通常インクの中粘度水性ボールペンに使
用して実験したところ問題は発生せず、インクの潤滑剤
を約半分に減少させた物でも筆記可能であり、インク設
計の許容度を大きくすることができた。
【0017】さらに逆流防止機構との組合せでは、継手
10内部に弁室を設けて球体又は一端にテーパー面を有
する非球体のコマを有する物が知られているが、本発明
との組合せで限定されることはなく、他の逆流防止及び
直流防止機構として知られる、ペン先の内部にボール1
を常に前方に弱く押圧するスプリング12をペン先の後
端カシメによって内蔵した場合はさらに効果的である。
このスプリング12は先端にストレート部を設けて直接
ボールを押圧する構造の物や先端部にコマを別部品とし
てその後端をスプリングで押す構造の物やスプリングの
後端が点カシメではなく継手の内径段部によって当接抜
け止めされた物やスプリングが樹脂、ゴム、板バネ等で
も全く同様の効果を発する。
【0018】実施例に使用したインク13は一般的な剪
断力下での23℃±5℃での粘度が10cpから500
0cpであり、水をベースとして、グリセリンやプロピ
レングリコールなどの他の溶剤を5〜50%、着色剤と
して顔料や染料を1〜20%、その他適宜の分散剤、ゲ
ル化剤、防腐剤、界面活性剤、潤滑剤などの各種添加剤
を含む。さらにインク13の後方には難揮発性のグリス
状のフォロワー14と固形でインクよりも見かけ比重の
軽いフォロワー棒を浮かべている。本発明を最も効果的
にする物は中粘度タイプのインクを使用し、比較的摩耗
の多い金属などの粒子を有するインクの場合であるが、
一般的な油性ボールペンや中粘度水性ボールペンであっ
てもインクに対する許容度の大きいボールペンとするこ
とが可能であり、潤滑剤を減らしてニジミを減少させる
などの応用が可能である。
【0019】本発明の他の実施例としては図3に示すチ
ャンネル4が貫通している物や、図4に示すような継手
を有しないものが考えられるが、同様の効果が得られ
る。
【0020】さらに他の実施例としては、図5に示すよ
うに、本発明のチャンネル4の後方に逆止機構の逆止ボ
ール11が直接接触可能に配置した物が考えられる。こ
の場合には本発明のチャンネル溝4の構成とした事によ
る効果とともに、逆止ボール11が、先端側へ移動した
ときの流路が確保されるとともに後端側のテーパー角度
Pを最適化したことでこの付近の異常な変形が無く、逆
止ボール11がこのテーパー面に食い付いて移動しなく
なる不具合の心配もなくなる。
【0021】
【発明の効果】本発明を実施すれば、磨耗によって筆記
不能になる問題や初期のガリガリした書味やインク流量
不足の問題などを解決する事ができる効果を有する。さ
らには組み立てやすい筆記具や従来は不可能であった金
属光沢などの特長のあるインクを使用することが安価で
安定的に提供することが可能となる上に、カスレ、ボー
ル飛びなどの磨耗耐久性の問題を高度なインクや複雑な
軸部の機構を採用しなくても解決することが可能とな
る。特にペン先内部にスプリングを内蔵して常に筆記ボ
ールを前方に押して本発明の内部シール面と密着させる
構造の物で、さらに効果が期待できる。従来は欠点の多
かった中粘度のインクを使用した所謂中性ボールペンで
はその欠点のほとんどを解決する効果があり、インクに
擬塑性と呼ばれる剪断力によってインク粘度が変化する
ものでは保存中は粘度がやや高く筆記中はボールによる
剪断力で粘度が落ちる事から本発明のペン先との併用に
大きな効果が期待できる。また、本発明は従来の油性ボ
ールペンや中綿式のボールペン、多数の櫛歯状のインク
保留体を使用した直液式水性ボールペンなどに応用して
も同様の効果が得られるものであり、逆止ボールなどに
よる逆流防止機構との併用でさらに逆流の問題のない筆
記具が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態であるボールペンの先
端側のペン先部材の構造を示す縦断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態であるボールペンリフ
ィールの全体を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態であるボールペンの先
端側のペン先部材の構造を示す縦断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態であるボールペンリフ
ィールの全体を示す縦断面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態であるボールペンの先
端側のペン先部材内部の構造を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ボール 2 カシメ 3 内壁 4 チャンネル 5 シール面 6 受け座 7 インク孔 8 チップ 9 インク収容管 10 継手 11 逆止ボール 12 スプリング 13 インク 14 フォロワー 15 受けコマ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端より臨出した状態で回転可能に遊嵌
    されたボールが、先端側にはカシメによって後端側には
    受け座によってそれぞれ前後退の移動規制されており、
    内部には後端側からインクを導出するインク孔を有する
    ペン先と、0.05μm〜15μmの平均粒径を有する
    微粉体(顔料)を分散させたインクを直接補蔵するイン
    ク収容管とを有するボールペンに於いて、筆記時にボー
    ルが受け座に当接してインク孔が塞がれても筆記用イン
    クをペン先の先端外部まで導出させるために、受け座と
    インク孔を連通する複数の溝によって構成されるチャン
    ネル溝がインク孔側に連通しており、かつチャンネル溝
    の最大長さ(L)がチャンネルの外接円最大外径(A)
    との間に関係式(0.2XA<L<A)が満足する事を
    特徴とするボールペン。
  2. 【請求項2】 内部に25℃の粘度が10〜5000c
    pの中程度の粘度のインクが直接補蔵されるインク収容
    管を有するボールペンに於いて、上述のチャンネル溝の
    後方のテーパーの角度が60゜から90゜である事を特
    徴とする請求項1に記載のボールペン。
  3. 【請求項3】 球状又はテーパー状の面を有する固形の
    コマが、非筆記時あるいはペン先を上に向けた時には球
    面状又はテーパー状の受け面を有する弁座に当接してイ
    ンク流路を閉塞して逆流を防止し、筆記時あるいはペン
    先を下に向けた時にコマは移動してインクの流路を確保
    する事で筆記用のインクがインク収容管からペン先の外
    部まで流通するように構成した逆流防止機構を有した事
    を特徴とする請求項1乃至2に記載のボールペン。
  4. 【請求項4】 上述の逆流防止のコマがチャンネル溝に
    直接、当接することでインク流路を確保する様に上述の
    チャンネル溝を設けた上で、先端側で当接する面をテー
    パー状とするとともにそのテーパー角度を60゜から9
    0゜とした事を特徴とする請求項3に記載のボールペ
    ン。
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Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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