以下、本開示に係る情報処理システム、情報処理装置、方法及びプログラムの実施の形態を、図面に基づいて説明する。但し、以下に説明する実施の形態は、実施形態を例示するものであって、本開示に係る情報処理システム、情報処理装置、方法及びプログラムを以下に説明する具体的構成に限定するものではない。実施にあたっては、実施の態様に応じた具体的構成が適宜採用され、また、種々の改良や変形が行われてよい。
[第一の実施形態]
<システムの構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1aの機能構成の概略を示す図である。本実施形態に係る情報処理システム1aは、1又は複数のプロセッサが、各種メモリに展開された各種プログラムを解釈及び実行することで、受付部21a、第一バリュー充当部22a、第二バリュー充当部23a及びチャージ部43aを備える情報処理システムとして機能する。本実施形態では、これらの機能がいずれも汎用のプロセッサによって実行される例について説明するが、これらの機能は、その一部又は全部が、1又は複数の専用のプロセッサによって実現されてもよい。また、情報処理システム1aが備える各機能部は、遠隔に、及び/又は分散して(例えば、クラウド上に)実装されてよい。また、これらの機能部は、単一のソフトウェアモジュールではなく、複数のソフトウェアモジュールによって実現されていてもよい。
受付部21aは、ユーザが第一のバリューを用いて支払を行うためのユーザ識別情報と、当該支払の対象バリューの量とを受け付ける。
第一バリュー充当部22aは、対象バリューの一部又は全部に対して、ユーザ識別情報に紐付けられた第一のバリューを充当する。
第二バリュー充当部23aは、対象バリューの一部又は全部に対して、ユーザ識別情報に係るユーザに紐付けられた、第一のバリューとは異なる種類の第二のバリューを充当する。ここで、対象バリューの一部又は全部とは、対象バリューのうち、第一のバリューが充当されなかった部分である。また、第二バリュー充当部23aは、第二のバリューの残高情報を有するアカウントの残高が対象バリューの一部又は全部に対して不足している場合に、当該対象バリューの一部又は全部に対して、不足が確認された時点における残高を超える量の第二のバリューを充当する。
チャージ部43aは、ユーザに紐付けられたアカウントに対して第二のバリューをチャージする。
<処理の流れ>
次に、本実施形態において実行される処理の流れを説明する。なお、実施形態に係るフローチャートに示された処理の具体的な内容及び処理順序は、本開示を実施するための一例である。具体的な処理内容及び処理順序は、本開示の実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
図2は、第一の実施形態に係るバリュー充当処理の流れを示すフローチャートである。第一の実施形態に係る支払対象バリュー充当処理において、受付部21aは、ユーザ識別情報と、支払対象バリューの量とを受け付け(ステップS1)、第一バリュー充当部22aは、支払対象バリューの一部又は全部に対して、ユーザに紐付けられた第一のバリューを充当し(ステップS2)、第二バリュー充当部23aは、第一のバリューが充当されなかった部分に対して、ユーザに紐付けられた第二のバリューを充当し(ステップS3)、チャージ部43aは、ユーザアカウントに第二のバリューをチャージする(ステップS4)。
[第二の実施形態]
本実施形態では、本開示に係る情報処理システム、情報処理装置、方法及びプログラムを、店舗に設置されたPOS端末に接続される支払システムにおいて実施した場合の実施の形態について説明する。但し、本開示に係る情報処理システム、情報処理装置、方法及びプログラムは、ユーザ識別情報を用いてユーザを識別し、支払サービスを提供するための技術について広く用いることが可能であり、本開示の適用対象は、実施形態において示した例に限定されない。
<システムの構成>
図3は、本実施形態に係るシステムの構成を示す概略図である。本実施形態に係るシステムは、ネットワークに接続されることで互いに通信可能なポイント処理サーバ1と、支払処理サーバ3と、1又は複数のPOS(point of sale)端末5と、アカウント管理サーバ7と、1又は複数のユーザ端末9とを備える。なお、本実施形態では、ポイント処理と支払処理とが異なるサーバにおいて処理される構成を例に挙げて説明するが、ネットワークや装置の構成は、本実施形態における例示に限定されない。例えば、ポイント処理と支払処理とは単一のサーバによって処理されてもよいし、また、ポイント処理及び支払処理の夫々は、更に複数のサーバに分散して処理されてもよい。
本実施形態に係るシステムは、ユーザが使用可能な第一のバリュー(本実施形態では、ポイント)及び第二のバリュー(本実施形態では、電子マネー)を用いた支払処理を実行可能なシステムである。本実施形態において、ユーザのアカウントに関連づけられた第一のバリューの使用可能量を取得する処理、第一のバリューの使用可能量をユーザ識別情報の送信元(本実施形態では、POS端末5)に通知する処理、及び第一のバリューを用いた支払処理は、主にポイント処理サーバ1によって処理される。また、本実施形態において、第二のバリューを用いた支払処理、及び第二のバリューのチャージ処理は、主に支払処理サーバ3によって処理される。
ここで、第一のバリュー及び第二のバリューは、夫々が独立して支払に用いることが可能であるが、本実施形態では、第一のバリューのためのサービスとしてのポイントサービスを介して、第二のバリューである電子マネーによる支払を行う例について説明する。以下、本実施形態における、ポイントサービスを介した電子マネー支払を、「簡易支払」と称する。簡易支払を利用して支払を行いたいユーザは、オペレータ(店舗のスタッフ等)からポイントサービスの利用有無を訊ねられた際、又は、ポイントの使用の有無を訊ねられた際に、「ポイントで支払う」旨を伝える。
但し、本実施形態において説明する第一のバリュー及び第二のバリューの具体的な内容は、本開示に係る技術を適用する場合の例示であり、本実施形態に開示された具体例に限定されない。例えば、第一のバリューは、ポイント以外のバリュー(例えば、通貨やマイル、クーポン等)であってもよいし、第二のバリューは、通貨以外のバリュー(ポイントやマイル、クーポン等)であってもよい。その他、本開示に係る技術は、支払のために複数種類のバリューが用いられる様々なシステムに適用可能である。
図4は、本実施形態に係るシステムのハードウェア構成の概略を示す図である。ポイント処理サーバ1は、ユーザに対してポイントサービスを提供するためのサーバである。ポイント処理サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置14、NIC(Network Interface Card)等の通信ユニット15、等を備えるコンピュータである。但し、ポイント処理サーバ1の具体的なハードウェア構成に関しては、実施の態様に応じて適宜省略や置換、追加が可能である。また、ポイント処理サーバ1は、単一の筐体からなる装置に限定されない。ポイント処理サーバ1は、所謂クラウドや分散コンピューティングの技術等を用いた、複数の装置によって実現されてよい。
支払処理サーバ3は、ユーザに対して支払サービスを提供するためのサーバである。支払処理サーバ3は、ポイント処理サーバ1同様、CPU31、ROM32、RAM33、記憶装置34、通信ユニット35等を備えるコンピュータである。但し、支払処理サーバ3の具体的なハードウェア構成に関しては、実施の態様に応じて適宜省略や置換、追加が可能である。また、支払処理サーバ3は、単一の筐体からなる装置に限定されない。支払処理サーバ33は、所謂クラウドや分散コンピューティングの技術等を用いた、複数の装置によって実現されてよい。
POS端末5は、店舗等の、ユーザが商品やサービスを購入する場所に設定されて、商品/サービスが購入される際の支払等を行うための端末装置である。POS端末5は、CPU51、ROM52、RAM53、記憶装置54、通信ユニット55、入力装置56、出力装置57等を備えるコンピュータである。ここで、POS端末5は、入力装置36として、キーボードやタッチパネルの他に、光学コードリーダやRFIDリーダ等の、ユーザ識別情報を読み取るための装置を備える。但し、POS端末5の具体的なハードウェア構成に関しては、実施の態様に応じて適宜省略や置換、追加が可能である。例えば、POS端末5として、従来のPOSレジスター端末に代えて、入出力装置としてタッチパネルディスプレイを備え、ユーザが所望のアプリケーションをインストールし実行可能な所謂スマートフォンが用いられてもよく、POS端末5として用いることができる機器の種類は限定されない。また、POS端末5は、単一の筐体からなる装置に限定されない。POS端末5は、所謂クラウドや分散コンピューティングの技術等を用いた、複数の装置によって実現されてよい。
アカウント管理サーバ7は、ユーザアカウントを管理するためのサーバである。アカウント管理サーバ7は、CPU、ROM、RAM、記憶装置、通信ユニット等(図示は省略する)を備えるコンピュータである。また、アカウント管理サーバ7は、単一の筐体からなる装置に限定されない。アカウント管理サーバ7は、所謂クラウドや分散コンピューティングの技術等を用いた、複数の装置によって実現されてよい。ポイント処理サーバ1及び支払処理サーバ3は、アカウント管理サーバ7にアクセスすることで、ユーザの会員状態、ポイント残高、電子マネー残高等の、ユーザに関する情報を取得する。
ユーザ端末9は、ユーザによって使用される端末装置である。ユーザ端末9は、CPU、ROM、RAM、記憶装置、通信ユニット、入力装置、出力装置等(図示は省略する)を備えるコンピュータである。また、ユーザ端末9は、単一の筐体からなる装置に限定されない。ユーザ端末9は、所謂クラウドや分散コンピューティングの技術等を用いた、複数の装置によって実現されてよい。ユーザは、これらのユーザ端末9を介してポイント処理サーバ1及び支払処理サーバ3によって提供される各種サービスを利用する。
図5は、本実施形態に係る情報処理システムの機能構成の概略を示す図である。POS端末5は、記憶装置54に記録されているプログラムが、RAM53に読み出され、CPU51によって実行されて、POS端末5に備えられた各ハードウェアが制御されることで、識別情報読取部61及び情報送信部62を備える情報処理装置として機能する。なお、本実施形態及び後述する他の実施形態では、POS端末5の備える各機能は、汎用プロセッサであるCPU51によって実行されるが、これらの機能の一部又は全部は、1又は複数の専用プロセッサによって実行されてもよい。
識別情報読取部61は、第一のバリューに係る処理(本実施形態では、使用可能ポイント量取得、通知、使用等のポイント関連処理)のためにユーザから提示されたユーザ識別情報を読み取る。
情報送信部62は、識別情報読取部61によって読み取られたユーザ識別情報を、ポイント関連処理を行うポイント処理サーバ1へ送信する。
ポイント処理サーバ1は、記憶装置14に記録されているプログラムが、RAM13に読み出され、CPU11によって実行されて、ポイント処理サーバ1に備えられた各ハードウェアが制御されることで、受付部21、第一バリュー充当部22、第二バリュー充当部23、使用可能量通知部24、完了通知部25、ポイントユーザ識別情報生成部26及びポイントユーザ識別情報記憶部27を備える情報処理装置として機能する。なお、本実施形態及び後述する他の実施形態では、ポイント処理サーバ1の備える各機能は、汎用プロセッサであるCPU11によって実行されるが、これらの機能の一部又は全部は、1又は複数の専用プロセッサによって実行されてもよい。
受付部21は、ユーザが第一のバリューを用いて支払を行うためにユーザから提示されたユーザ識別情報と、当該支払の対象バリューの量とを受け付ける。本実施形態において、支払の対象バリューの量は、POS端末5において入力された、ユーザによる支払額である。但し、本開示に係る技術を適用可能な支払の対象バリューの種類は、一般的な通貨に限定されない。本開示に係る技術は、ポイントや所謂マイルを使用した商品交換等、一般的な通貨以外の支払対象バリューについても適用することが可能である。また、本開示に係る技術を適用可能な支払は、物やサービスへの対価の支払に限定されない。本開示に係る技術は、対象バリューをあるユーザから他のユーザに移転させることが出来るシステムに広く適用可能である。
第一バリュー充当部22は、対象バリューの一部又は全部に対して、ユーザ識別情報に紐付けられた第一のバリューを充当する。上述の通り、本実施形態における第一のバリューはポイントであり、第一バリュー充当部22は、受信されたユーザ識別情報に係るユーザについて、ポイント関連処理を行う。
第二バリュー充当部23は、対象バリューの一部又は全部に対して、ユーザ識別情報に係るユーザに紐付けられた、第一のバリューとは異なる種類の第二のバリューを充当する。ここで、対象バリューの一部又は全部とは、対象バリューのうち、第一のバリューが充当されなかった部分である。
また、第二バリュー充当部23は、第二のバリューの残高情報を有するアカウントの残高が対象バリューの一部又は全部に対して不足している場合に、当該対象バリューの一部又は全部に対して、不足が確認された時点における残高を超える量の第二のバリューを充当する。この際、第二バリュー充当部23は、記録された不足分の合計が予め設定された上限に達しない範囲で、不足分を記録して対象バリューへの充当を実行する。但し、第二バリュー充当部23によって充当される第二のバリューの量には、上限が設定されなくてもよい。
使用可能量通知部24は、ユーザが支払の対象バリュー(支払額)に充当可能な第一のバリュー(本実施形態では、ポイント)の量として、第一バリュー充当部22が充当可能な第一のバリューの量(本実施形態では、ポイント残高)と第二バリュー充当部23が充当可能な第二のバリューの量(本実施形態では、電子マネー残高及び与信枠)との合計を通知する。
完了通知部25は、受付部21によって受け付けられた対象バリューの量の全体に対する充当が完了した場合に、当該対象バリューの量の送信元に対して支払完了を通知する。
ポイントユーザ識別情報生成部26は、ユーザ端末9からの要求に応じてポイント関連処理のためのポイントユーザ識別情報を生成する。本実施形態において、ポイントユーザ識別情報は、ユーザのアカウントにアクセスするためにポイント処理サーバ1によって生成される識別情報である。なお、本実施形態では、ポイントユーザ識別情報として、生成の都度異なる値が生成され、所定の条件に従って無効化されるベンダーユーザ識別情報が用いられる例について説明するが、ポイントユーザ識別情報には、その他の態様が採用されてもよい。例えば、ポイントユーザ識別情報は、一時的なものではなく、固定された情報であってもよい。この際、固定されたユーザ識別情報は、ポイントサービス用のアプリケーションに表示されてもよいし、カード媒体に記録されたものであってもよい。
ポイントユーザ識別情報記憶部27は、生成されたポイントユーザ識別情報を、ユーザIDに関連づけて記憶する。
ここで、ユーザIDは、ポイント処理サーバ1と支払処理サーバ3との双方からアクセス可能なアカウント管理システムによって管理されるIDである。このため、本実施形態では、ポイント処理サーバ1及び支払処理サーバ3は、当該アカウント管理システムによって管理されるユーザIDを介して、異なるユーザ識別情報が付されたユーザの同一性を確認出来る。
支払処理サーバ3は、記憶装置34に記録されているプログラムが、RAM33に読み出され、CPU31によって実行されて、支払処理サーバ3に備えられた各ハードウェアが制御されることで、事前認証部41、認証結果保持部42、チャージ部43、支払ユーザ識別情報生成部44及び支払ユーザ識別情報記憶部45を備える情報処理装置として機能する。なお、本実施形態及び後述する他の実施形態では、支払処理サーバ3の備える各機能は、汎用プロセッサであるCPU31によって実行されるが、これらの機能の一部又は全部は、1又は複数の専用プロセッサによって実行されてもよい。
事前認証部41は、受付部21によって対象バリューの量が受け付けられる前に、チャージ部43によるチャージを、ユーザについて許可するか否かを判定するための認証を実行する。
認証結果保持部42は、事前認証部41によってチャージ部43によるチャージを許可しないと判定されたユーザを識別可能な情報を保持する。
チャージ部43は、ユーザに紐付けられたアカウントに対して第二のバリューをチャージする。なお、本実施形態において、チャージ部43は、第二バリュー充当部23による対象バリューへの充当の完了後に、記録された不足分以上の量の第二のバリューをアカウントにチャージする。なお、ここでチャージされる第二のバリューの量は、不足分と同量であってもよいし、不足分以上の定量であってもよい。チャージされる第二のバリューの量を不足分と同量とするか定額とするかは、ユーザが予め選択して、ユーザ設定情報に設定しておくことが可能である。
支払ユーザ識別情報生成部44は、ユーザ端末9からの要求に応じて支払処理のための支払ユーザ識別情報を生成する。本実施形態において、支払ユーザ識別情報は、ユーザの支払手段にアクセスするために支払処理サーバ3によって生成される識別情報である。なお、本実施形態では、支払ユーザ識別情報として、生成の都度異なる値が生成され、一回使用されることで無効化されるワンタイムユーザ識別情報が用いられる例について説明するが、支払ユーザ識別情報には、その他の態様が採用されてもよい。例えば、支払ユーザ識別情報は、可変ではなく、固定された情報であってもよい。この際、固定されたユーザ識別情報は、支払サービス用のアプリケーションに表示されてもよいし、カード媒体に記録されたものであってもよい。
支払ユーザ識別情報記憶部45は、生成された支払ユーザ識別情報を、ユーザIDに関連づけて記憶する。
<処理の流れ>
次に、本実施形態に係る情報処理システムによって実行される処理の流れを説明する。なお、以下に説明する処理の具体的な内容及び処理順序は、本開示を実施するための一例である。具体的な処理内容及び処理順序は、本開示の実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
図6は、本実施形態に係る、事前認証処理の概要を示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、簡易支払サービスの利用申込を行なったユーザのリストに対して、定期的に実行される。但し、本フローチャートに示された処理が実行されるタイミングは、ここで説明される例に限定されない。例えば、事前認証処理は、ユーザがユーザ端末9を操作して簡易支払サービスの利用申込を行なったタイミングで実行されてもよい。また、本実施形態では、支払処理サーバ3が事前認証処理を実行する例について説明するが、事前認証処理は、その他の実行主体(例えば、ポイント処理サーバ1等)によって実行されてもよい。
支払処理サーバ3の事前認証部41は、本実施形態に係る簡易支払サービスの利用申込を行ったユーザのユーザIDを、簡易支払サービス利用ユーザリストから抽出し(ステップS301)、抽出されたユーザIDに関連づけられているクレジットカード情報をユーザ設定情報又はアカウント管理サーバから取得し(ステップS302)、取得されたクレジットカード情報をクレジット処理システムに対して送信することで、当該クレジットカード情報の認証(オーソライズ)を行う(ステップS303)。クレジット処理システムから認証の結果(クレジットカードの認証の成功/失敗)が得られると、支払処理サーバ3の認証結果保持部42は、認証の結果を確認可能な情報を記録する(ステップS304)。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。但し、事前認証処理において事前認証されるクレジットカード情報は、本実施形態において説明された、ユーザIDに関連づけられたクレジットカード情報に限定されない。例えば、事前認証部41は、ユーザ端末9に紐づけられたクレジットカード情報を、事前認証の対象としてもよい。
事前認証の方法は、本実施形態に示された例に限定されないが、例えば、抽出されたクレジットカード情報と、クレジット請求額0(ゼロ)円とをクレジット処理システム(図示は省略する)に送信してクレジット処理の要求を行い、当該要求に対するクレジット処理システムによる応答内容(クレジット支払の可否)を参照することで、抽出されたクレジットカード情報を、実際の請求を行うことなく認証することが出来る。本実施形態では、クレジット処理システムからクレジットカードの認証に失敗したことを示す応答(クレジット支払不可)が得られた場合、支払処理サーバ3の認証結果保持部42が、対応するユーザをブラックリストに登録する。
なお、本実施形態では、事前認証処理において、ブラックリスト方式を採用したが、事前認証処理における結果の保持方法は、ブラックリスト方式に限定されない。認証結果の記録には、ホワイトリスト方式が採用されてもよいし、認証結果は、ユーザの会員状態を確認可能な情報としてユーザ毎に保持されてもよい。事前認証処理による確認結果は、後述する支払フローにおいて参照され、簡易支払サービスの利用可否の確認に用いられる。
図7から図10は、本実施形態に係る支払フローの概要を示すフローチャート及び通信シーケンスである。本フローチャートに示された処理は、POS端末5において、商品やサービスに付されたバーコードがスキャンされたり、店員(オペレータ)によって商品/サービスの価格が入力されたりした後で、顧客(ユーザ)による支払額を確定するための操作(例えば、「小計」ボタンの押下等)が行われたことを契機として実行される。
ステップS101からステップS107では、ユーザの支払額が確定され、ポイントサービス利用のためのユーザ識別情報が読み取られる。POS端末5は、オペレータによる支払額確定操作を受け付けると、ユーザによる支払額(支払の対象バリューの量)を確定し(ステップS101)、ポイントサービスの利用有無をユーザに確認するための入力受付画面(例えば、オペレータやユーザに利用有無の指示操作を受け付けるための画面や、ユーザ識別情報読取の待機画面)を出力する(ステップS102)。この際、オペレータはユーザに対してポイントサービスの利用有無を訊ね、ポイントサービスを利用するためのユーザ識別情報を提示するよう要求する。
本実施形態では、ポイントサービスを介して簡易支払サービスを利用する例について説明する。ユーザは、簡易支払サービスの利用を希望する場合、オペレータに対して、「ポイントで支払う」旨を伝える。これは、ユーザが実際に利用する支払手段は、ポイントユーザ識別情報を介してポイント、電子マネー及び与信枠を用いて支払を行う簡易支払サービスであるが、オペレータ及びPOS端末5は、これを従来のポイント支払と認識して処理するためである。また、ユーザは、「ポイントで支払う」旨を伝えるのと並行して、オペレータに対して、ユーザ識別情報を読み取らせるための媒体(コードが表示されたユーザ端末9や、コードが印刷されたカード、コードが記録されたRFIDタグ等)を提示する。ここで、ユーザ識別情報を示すコードは、一次元コード(所謂バーコード)や二次元コード(所謂二次元バーコード)の形式を有してよい。
ポイント処理サーバ1のポイントユーザ識別情報生成部26、又は支払処理サーバ3の支払ユーザ識別情報生成部44は、ユーザが使用するスマートフォン等のユーザ端末9において起動されたポイント/支払処理用アプリケーションによって送信(ステップS103)されたユーザ識別情報の発行要求を、インターネットを介して受信し、ポイント処理用のポイントユーザ識別情報、又は支払処理用の支払ユーザ識別情報を生成し、発行する(ステップS105)。ここで生成されるユーザ識別情報は、ポイント処理サーバ1のポイントユーザ識別情報記憶部27、又は支払処理サーバ3の支払ユーザ識別情報記憶部45において、ユーザIDと関連づけられて記録される。また、ポイント処理サーバ1は、アカウント管理サーバ7に問い合わせることで、対象ユーザのアカウントのポイント残高及び電子マネー残高を取得し、支払処理サーバ3及びユーザ端末9のアプリケーションに通知する(ステップS104)。
なお、ユーザ端末9において実行されるポイントサービス用のアプリケーションと支払処理用のアプリケーションとは、両方の機能を有する一のアプリケーションとして実装されてよい。本実施形態では、当該アプリケーションを、まとめてポイント/支払処理用アプリケーションと称する。ユーザ端末9のポイント/支払処理用アプリケーションは、発行されたポイントユーザ識別情報又は支払ユーザ識別情報を受信し、受信されたユーザ識別情報に基づくコード(一次元/二次元コード)をユーザ端末9のディスプレイに表示させる(ステップS106)。ユーザは、表示されたコードをオペレータに提示し、POS端末5の識別情報読取部61は、オペレータによって操作されるPOS端末5のコードリーダを介して、表示されたコードからユーザ識別情報を読み取る(ステップS107)。その後、処理はステップS109へ進む。
ステップS109及びステップS110では、使用可能ポイント量の照会要求と、それに伴うユーザ識別情報が送受信される。POS端末5の情報送信部62は、オペレータの操作によってユーザが提示したコードからユーザ識別情報が読み取られると、ユーザによってポイントサービスの利用が希望されたと判断し、コードから読み取られたユーザ識別情報及び当該POS端末5に設定された店舗IDを、ポイント処理サーバ1に送信する(ステップS109)。ポイント処理サーバ1は、POS端末5から送信されたユーザ識別情報及び店舗IDを受信する(ステップS110)。その後、処理はステップS111へ進む。
ステップS111からステップS113では、対象ユーザのユーザID、ポイント残高、電子マネー残高及び与信枠残高が取得される。ポイント処理サーバ1は、ユーザ識別情報に基づいて、ポイントユーザ識別情報記憶部27又は支払ユーザ識別情報記憶部45に問い合わせることで、対象ユーザのユーザIDの取得及び会員状態の確認を行う(ステップS111)。更に、ポイント処理サーバ1は、ユーザ識別情報に基づいて、アカウント管理サーバ7に問い合わせることで、対象ユーザアカウントのポイント残高及び電子マネー残高を取得する(ステップS112)。更に、ポイント処理サーバ1は、簡易支払の与信枠残高を取得する(ステップS113)。
ここで、与信枠残高とは、簡易支払においてポイント残高及び電子マネー残高の他に用意される、ユーザに対する与信枠の現在の残高である。本開示では、与信枠として、電子マネーの与信枠残高(電子マネー残高を一時的にマイナスとし、事後的に電子マネーをチャージしてマイナス分を相殺する)、電子マネーの自動定額チャージ額(電子マネーアカウントに対して定額が自動的にチャージされる)、電子マネーの自動チャージ上限(電子マネーアカウントに対して必要額が自動的にチャージされる)、を用いる例について説明する。但し、与信枠にはその他の手段が採用されてもよい。その後、処理はステップS114へ進む。
ステップS114及びステップS115では、簡易支払に係る各種制限が取得される。ポイント処理サーバ1は、予め設定されてユーザに紐づけられたユーザ設定情報や、認証結果保持部42によって保持されている事前認証結果(本実施形態では、ブラックリスト)から、ユーザによる簡易支払の制限情報(例えば、月当たりの簡易支払の利用回数上限や、ブラックリストへの登録有無)を取得する(ステップS114)。また、ポイント処理サーバ1は、ステップS110で受信された店舗IDに基づいて、予め設定されて店舗IDに紐づけられた店舗設定情報を特定し、特定された店舗設定情報から、店舗におけるポイント支払の使用制限情報(例えば、購入1回あたりの使用可能ポイント上限値)を取得する(ステップS115)。その後、処理はステップS117へ進む。
ステップS117及びステップS118では、使用可能ポイント量が算出され、送信される。ポイント処理サーバ1の使用可能量通知部24は、ステップS111からステップS115までの処理で取得された情報に基づいて、対象ユーザが今回の支払で使用可能と見做せるポイント量(使用可能ポイント量)を算出する(ステップS117)。本実施形態において、使用可能ポイント量は、具体的には以下に説明する手順で算出される。
(1)はじめに、対象ユーザが簡易支払を利用可能か否かが判定される。例えば、ユーザの会員状態や制限情報に基づいて、当該ユーザが簡易支払を利用できないステータスであることが確認された場合(例えば、ブラックリストに登録されて簡易支払の利用資格が停止されていたり、月当たりの簡易支払の利用回数が上限を超えていたり、等)、使用可能ポイント量は「0(ゼロ)」と算出される。
(2)当該ユーザが簡易支払を利用できるステータスであることが確認された場合、次に、ポイント残高、電子マネー残高及び与信枠残高に基づいて、使用可能ポイント量が算出される。この場合、「使用可能ポイント量=ポイント残高+電子マネー残高+与信枠残高」である。例えば、ポイント残高500ポイント、電子マネー残高500円、与信枠残高1000円であり、1ポイント=1円で使用できる場合、これらを合計した2000ポイントが、使用可能ポイント量として算出される。
(3)最後に、算出された使用可能ポイント量が、予め設定された何らかの制限を超えていないかが確認される。算出された使用可能ポイント量が、予め設定された上限値(例えば、支払先の店舗によって設定された、購入1回あたりの使用可能ポイント上限値や、ユーザによって設定された、1月あたりの使用可能ポイント上限値)を超えている場合、該当する1又は複数の上限値のうち最も低い上限値が、使用可能ポイント量として算出される。
今回の支払における対象ユーザの使用可能ポイント量が算出されると、ポイント処理サーバ1の使用可能量通知部24は、対象ユーザのポイントユーザ識別情報及び使用可能ポイント量を、POS端末5に対して送信する(ステップS118)。送信された情報はPOS端末5によって受信され、その後、処理はステップS119へ進む。
なお、本実施形態において、POS端末5は、ステップS109で送信した使用可能ポイント量の照会要求を、従来のポイント残高紹介と認識し、ステップS118で送信された使用可能ポイント量を、ポイント残高として受信し、後に続く処理を行なっても問題ない。このような手法を採用することで、POS端末5側のシステムは従来のポイント使用と同様の処理によって本開示に係る簡易支払サービスを利用することが可能であり、POS端末5側のシステムを改修することなく、又はPOS端末5側のシステムの改修を最小限に留めて、本開示に係る簡易支払サービスを利用することが出来る。
ステップS119からステップS123では、ユーザの要求に応じて簡易支払による支払額への充当が行われる。POS端末5は、ステップS118で受信された、対象ユーザアカウントの使用可能ポイント量を表示し、これらの使用可能ポイントの全部又は一部について、今回の支払に充当するか否かの指示を受け付けるための画面を表示する(ステップS119)。なお、ステップS107のユーザ識別情報読み取りの際に、既にユーザからオペレータに対して「ポイントで支払う」旨が伝えられていた場合、ここでは、オペレータは改めてユーザにポイント使用の意思を確認しなくてもよい。但し、支払額に対して使用可能ポイント量が不足している場合、ユーザは、支払額の一部を簡易支払で支払うか、又は簡易支払の利用を取り止めて他の支払手段で支払を行うかを選択してもよい。
使用可能ポイントを支払に充当しないとの指示が受け付けられた場合(ステップS120のNO)、ポイント使用処理はスキップされ、処理はステップS131へ進む。一方、使用可能ポイントを使用する(支払に充当する)との指示、及び使用するポイントの量を指定する指示が受け付けられた場合(ステップS120のYES)、POS端末5は、受けつけられた使用ポイント量を含むポイント充当指示を、ポイント処理サーバ1に送信する(ステップS121)。なお、支払額が使用可能ポイント量よりも少ない場合には、ここでユーザが簡易支払の意思を変更しない限り、ステップS101で確定された支払額と同額の使用ポイント量がポイント処理サーバ1に送信される。
ポイント処理サーバ1の受付部21は、POS端末5から送信された、使用ポイント量を含むポイント充当指示を受信し(ステップS122)、ポイント処理サーバ1の第一バリュー充当部22及び第二バリュー充当部23は、簡易支払処理を実行する(ステップS123)。簡易支払処理の詳細については、図11及び図12を参照して後述する。ポイント処理サーバ1の完了通知部25は、簡易支払処理が完了すると、ポイント充当完了通知を、支払処理サーバ3及びPOS端末5に対して送信する(ステップS124)。
ステップS125からステップS127では、ユーザに対して簡易支払の完了が通知される。少なくとも簡易支払処理の間、ユーザ端末9のアプリケーションは、ポイント処理サーバ1又は支払処理サーバ3に対して支払状況を問い合わせる(ステップS125)。より具体的には、本実施形態では、ユーザ端末9のアプリケーションは、起動中一定間隔で(例えば、1秒毎に)、未通知且つ一定期間内(例えば、直近5分以内)の支払状況をサーバに対して問い合わせる。但し、ユーザ端末9のアプリケーションが支払状況を取得する方法には、その他の方法が採用されてもよい。ポイント処理サーバ1又は支払処理サーバ3は、簡易支払処理が完了すると、支払完了画面を生成し、ユーザ端末9のアプリケーションに対して送信する(ステップS126)。支払完了画面を受信したユーザ端末9のアプリケーションは、支払完了画面をユーザ端末9のディスプレイに表示させることで、ユーザに対して簡易支払によるポイント充当が完了したことを通知する(ステップS127)。
ステップS128では、簡易支払処理の完了を受けて、各種情報が更新される。ポイント処理サーバ1は、支払へのポイント充当が完了すると、対象ユーザの支払履歴データを更新し、更に、アカウント管理サーバ7によって管理される対象ユーザのポイント残高及び電子マネー残高を更新する。具体的には、ポイント処理サーバ1は、対象ユーザの支払履歴に新たなレコードを追加し、当該レコードに、ユーザ識別情報、ユーザID、対象ユーザの支払額(使用ポイント量)及び支払日時情報を関連づけて記録する。また、ポイント処理サーバ1は、今回の使用ポイント量及び使用電子マネー額を、アカウント管理サーバ7に対して対象ユーザを特定可能な情報(ユーザIDやユーザ識別情報)と共に通知し、使用された量のポイント及び/又は電子マネーを、対象ユーザアカウントのポイント残高及び/又は電子マネー残高から減らすことで、ポイント残高及び/又は電子マネー残高を更新する。
ステップS130からステップS132では、支払が完了される。POS端末5は、ステップS124においてポイント処理サーバ1によって送信されたポイント充当完了通知を受信すると、支払額から使用されたポイントに相当する額を減じることで、ポイントを支払の一部又は全部に充当し、完了が通知されたポイント充当によって支払額の全てが充当されたか否かを判定する(ステップS130)。ここで、支払額に未充当の部分があると判定された場合(ステップS130のNO)、POS端末5は、ユーザが希望する簡易支払/ポイント支払以外のその他の支払手段(例えば、現金支払やクレジットカード支払、電子マネー支払等)を受け付け、指示された支払手段を用いて支払処理を実行する(ステップS131)。なお、その他の支払手段による処理の詳細については、説明を省略する。支払額の全てについて充当が完了すると、POS端末5は、支払を完了させ、レシートを発行する(ステップS132)。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
図11及び図12は、本実施形態に係る、簡易支払処理の概要を示すフローチャート及び通信シーケンスである。本フローチャートに示された処理は、図9のステップS122において、ポイント処理サーバ1がPOS端末5から送信された情報を受信したことを契機として実行される。
ステップS201では、優先設定の内容が確認される。ポイント処理サーバ1の第一バリュー充当部22は、POS端末5から送信された、使用ポイント量(以下、「ポイント決済額」と称する)を含むポイント充当指示を受信すると、対象ユーザのユーザ設定情報を参照し、対象ユーザに係る簡易支払の設定が、ポイント優先(第一のバリュー優先)であるか電子マネー優先(第二のバリュー優先)であるかを判定する。ここで、ポイント優先とは、対象ユーザが保有しているポイント残高を優先的に使用して支払を行うためのオプションであり、電子マネー優先とは、対象ユーザが保有している電子マネー残高を優先的に使用して支払を行うためのオプションである。対象ユーザに係る簡易支払の設定が電子マネー優先である場合、処理はステップS202へ進む。一方、対象ユーザに係る簡易支払の設定がポイント優先である場合、処理はステップS203へ進む。
ステップS202では、ユーザが有するポイント残高を用いない簡易支払処理が依頼される。対象ユーザに係る簡易支払の設定が電子マネー優先である場合、第二バリュー充当部23は、ポイント残高を確認することなく、ステップS122で受信した使用ポイント量(ポイント決済額)を、支払処理サーバ3に通知し、ポイント決済額全体に対する充当を依頼する。その後、処理はステップS212へ進む。
ステップS203及びS204では、ユーザが有するポイント残高がポイント決済額以上である場合に、ポイント残高のみを用いた簡易支払処理が行われる。ポイント処理サーバ1の第一バリュー充当部22は、ステップS122で受信した使用ポイント量(ポイント決済額)と対象ユーザのポイント残高とを比較する(ステップS203)。ポイント残高がポイント決済額以上である場合、換言すれば、「ポイント残高-ポイント決済額」が0以上である場合(ステップS203のYES)、第一バリュー充当部22は、ポイント残高からポイント決済額相当のポイントを使用して決済を行い(ステップS204)、本フローチャートに示された処理を終了する。一方、ポイント残高がポイント決済額未満である場合、換言すれば、「ポイント残高-ポイント決済額」が0未満である場合(ステップS203のNO)、処理はステップS211へ進む。
ステップS211からステップS213では、ユーザが有するポイント残高と電子マネー残高との合計がポイント決済額以上である場合に、ポイント残高及び電子マネー残高を用いた簡易支払処理が行われる。第二バリュー充当部23は、ポイント決済のためのポイント残高が不足している場合、不足ポイント量(=ポイント決済額-ポイント残高)を、支払処理サーバ3に通知し、不足ポイント量の充当を依頼する(ステップS211)。支払処理サーバ3は、不足ポイント量の充当依頼を受信すると、受信した不足ポイント量と対象ユーザの電子マネー残高とを比較する(ステップS212)。不足ポイント量が電子マネー残高以下である場合、換言すれば、「電子マネー残高-不足ポイント量」が0以上である場合(ステップS212のYES)、支払処理サーバ3は、不足ポイント量に相当する対象ユーザの電子マネーを対象ユーザのポイントの代わりに支払に充当してよいことを、ポイント処理サーバ1に通知し(ステップS213)、処理はステップS231へ進む。一方、不足ポイント量が電子マネー残高を超えている場合、換言すれば、「電子マネー残高-不足ポイント量」が0未満である場合(ステップS212のNO)、電子マネー残高が不足しているため、処理はステップS221へ進む。
ステップS221からステップS225では、ユーザが有するポイント残高、電子マネー残高及び与信枠残高の合計がポイント決済額以上である場合に、ポイント残高、電子マネー残高及び与信枠残高を用いた簡易支払処理が行われる。支払処理サーバ3は、電子マネー残高が不足している場合、不足電子マネー量(=不足ポイント量-電子マネー残高)を算出し(ステップS221)、対象ユーザの与信枠残高を取得して(ステップS222)、不足電子マネー量と与信枠残高とを比較する(ステップS223)。「与信枠残高-不足電子マネー量」が0未満である場合(ステップS223のNO)、対象ユーザの与信枠残高では今回の支払額に対してポイントを充当することができないため、本フローチャートに示された処理はエラー終了する(ステップS224)。具体的には、支払処理サーバ3はポイント処理サーバ1に対してエラーを返し、ポイント処理サーバ1はPOS端末5に対してエラー(ポイント支払エラー)を返し、処理は終了する。一方、「与信枠残高-不足電子マネー量」が0以上である場合(ステップS223のYES)、支払処理サーバ3は、電子マネー残高及び与信枠残高から不足ポイント量相当の電子マネーを対象ユーザのポイントの代わりに支払に充当することを、ポイント処理サーバ1に通知し(ステップS225)、処理はステップS231へ進む。
ステップS231では、決済額に対するポイント(電子マネー/与信枠による見做しポイントを含む)が充当される。第二バリュー充当部23は、ポイント残高を全て使用し、更に不足ポイント量については、支払処理サーバ3から通知された不足ポイント量相当の電子マネー(与信枠残高を含む)を対象ユーザのポイントの代わりとして決済を行い、本フローチャートに示された処理を終了する。なお、本実施形態において、支払処理サーバ3は、対象ユーザの電子マネー残高を減ずることで、不足ポイントに充当された電子マネーの支払を行う。本フローチャートに示された処理が終了すると、ポイント処理サーバ1による処理は支払フローへ戻り、図9のステップS124以降の処理が実行される。
図13は、本実施形態に係る、与信枠残高回復処理の概要を示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、簡易支払処理において与信枠残高を用いたポイント充当を行った支払処理サーバ3が、ポイント処理サーバ1から送信されるポイント充当完了通知(ステップS124)を受信したことを契機として実行される。但し、与信枠残高回復処理は、例えば月次バッチ処理されてもよい。このような実行タイミングとすることで、月初に与信枠残高が回復する等のサービス形態とすることが出来る。
支払処理サーバ3は、簡易支払処理において与信枠残高を用いたポイント充当を行った場合、ポイント処理サーバ1から送信されるポイント充当完了通知(ステップS124)が受信されるのを待って(ステップS241)、充当したポイント量に応じて、与信枠残高を更新する(ステップS242)。具体的には、支払処理サーバ3には対象ユーザの与信枠上限(例えば、5000円)が設定されており、与信枠を用いて不足電子マネー量(例えば、1000円)の充当を行った場合、与信枠残高を、充当に用いられた補った不足電子マネー量分減額して更新する(例えば、4000円=5000円-1000円)。その後、支払処理サーバ3は、対象ユーザのクレジットカード情報と、少なくとも「与信枠の上限-現在の与信枠残高」相当額(上記例では、1000円)のクレジット請求額とをクレジット処理システムに送信してクレジット処理の要求を行い(ステップS243)、与信枠残高を与信枠上限まで回復させる(ステップS244)。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
従来、ユーザは各企業が発行するポイントを、商品やサービスに対する支払の一部又は全部に充てることができるが、ポイント残高が支払額に対して不足する場合、ユーザは他の支払手段に変更をする必要や会計を一度中断して別途チャージする必要があり、手間が生じていた。
これに対して、本実施形態に係るシステムによれば、ポイント残高が支払額を下回る場合に、不足分相当の電子マネーを発行して支払に充当することで、会計を中断してのチャージ等を不要とし、シームレスな支払が可能となる。更に、本実施形態に係るシステムによれば、ユーザによって事前に設定されている場合には、ユーザがポイント残高を有している場合でも、支払額相当の電子マネーを支払に充当することで、ポイントは別の用途で使いたいユーザのニーズを損ねることなく支払を実現することが可能となる。
[第三の実施形態]
上記説明した第二の実施形態では、与信枠残高を用いることで第二のバリュー(電子マネー)のチャージ前に第二のバリューを支払対象に充当し、充当後に第二のバリューをチャージして与信枠残高を回復する方法(以下、「充当後チャージ方式」と称する)を採用した例について説明した。但し、第二のバリューをチャージするタイミングは、第二の実施形態において説明した例に限定されない。以下に説明する第三の実施形態では、第二のバリューを支払対象に充当する前に第二のバリューをチャージし、チャージされた第二のバリューを用いて支払対象への充当を行う方法(以下、「充当前チャージ方式」と称する)を採用する例について説明する。なお、第二の実施形態において説明した構成及び処理内容については、同一の符号を付し、説明を省略する。
<システムの構成>
本実施形態に係るシステムのネットワーク構成及びハードウェア構成は、図3及び図4を参照して説明した第二の実施形態と概略同様であるため、説明を省略する。
図14は、本実施形態に係る情報処理システムの機能構成の概略を示す図である。本実施形態では、ポイント処理サーバ1bの第二バリュー充当部23b、及び支払処理サーバ3bのチャージ部43bの機能が、第二の実施形態において説明したポイント処理サーバ1の第二バリュー充当部23、及び支払処理サーバ3のチャージ部43の機能と異なる。その他の機能部については、第二の実施形態と概略同様であるため、説明を省略する。
本実施形態において、チャージ部43bは、アカウントの残高が対象バリューの一部又は全部に対して不足している場合に、第二バリュー充当部23bによる対象バリューへの充当の前に、少なくとも不足分以上の量の第二のバリューをアカウントにチャージする。なお、ここでチャージされる第二のバリューの量は、不足分と同量であってもよいし、不足分以上の定量であってもよい。チャージされる第二のバリューの量を不足分と同量とするか定量とするかは、ユーザが予め選択して、ユーザ設定情報に設定しておくことが可能である。
本実施形態において、第二バリュー充当部23bは、チャージ部43bによって不足分以上の第二のバリューがチャージされた後に、チャージ部43bによってチャージされた第二のバリューを用いて、対象バリューへの充当を実行する。
<処理の流れ>
次に、本実施形態に係る情報処理システムによって実行される処理の流れを説明する。なお、以下に説明する処理の具体的な内容及び処理順序は、本開示を実施するための一例である。具体的な処理内容及び処理順序は、本開示の実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
本実施形態に係る事前認証処理及び支払フローについては、第二の実施形態において図6から図10を参照して説明した内容と概略同様であるため、説明を省略する。また、上述の通り、本実施形態では、充当前チャージ方式を採用しているため、第二の実施形態において図13を参照して説明した、第二のバリューを支払対象に充当した後に第二のバリューをチャージして与信枠残高を回復させる処理は不要である。
図15から図17は、本実施形態に係る、簡易支払処理(充当前チャージ方式)の概要を示すフローチャート及び通信シーケンスである。本フローチャートに示された処理は、支払フローのステップS122において、ポイント処理サーバ1がPOS端末5から送信された情報を受信したことを契機として実行される。
ステップS401からステップ413及びステップS431の処理は、第二の実施形態において説明した、簡易支払処理のステップS201からステップS213及びステップS231と概略同様であるため、説明を省略する。以下、ステップS421からステップS427の処理について説明する。
ステップS421からステップS427では、ユーザが有するポイント残高、電子マネー残高及び与信枠の合計がポイント決済額以上である場合に、ポイント残高、電子マネー残高及び与信枠を用いた簡易支払処理が行われる。支払処理サーバ3は、電子マネー残高が不足している場合、不足電子マネー量(=不足ポイント量-電子マネー残高)を算出し(ステップS421)、対象ユーザの与信枠を取得して(ステップS422)、不足電子マネー量と与信枠とを比較する(ステップS423)。
本実施形態において、与信枠とは、対象ユーザに対して予め設定された電子マネーの自動定額チャージ額(電子マネーアカウントに対して定額が自動的にチャージされる)、又は、対象ユーザに対して予め設定された電子マネーの自動チャージ上限(電子マネーアカウントに対して上限以下であれば必要額が自動的にチャージされる)、の何れかである。
「与信枠-不足電子マネー量」が0未満である場合(ステップS423のNO)、対象ユーザの与信枠では今回の支払額に対してポイントを充当することができないため、本フローチャートに示された処理はエラー終了する(ステップS424)。具体的には、支払処理サーバ3はポイント処理サーバ1に対してエラーを返し、ポイント処理サーバ1はPOS端末5に対してエラー(ポイント支払エラー)を返し、処理は終了する。
一方、「与信枠-不足電子マネー量」が0以上である場合(ステップS423のYES)、支払処理サーバ3は、与信枠に応じた電子マネーを対象ユーザの電子マネー残高にチャージし(ステップS425)、ユーザの電子マネー残高を更新する(ステップS426)。具体的には、支払処理サーバ3は、対象ユーザのクレジットカード情報と、少なくとも「不足電子マネー量」相当額のクレジット請求額とをクレジット処理システムに送信してクレジット処理の要求を行い、クレジット処理の完了通知を受けて、クレジット請求額分の電子マネーを残高に加算する。例えば、不足電子マネー量が1000円であり、対象ユーザの自動定額チャージ額が3000円である場合、3000円の定額チャージでユーザの電子マネー残高を不足電子マネー量以上とすることが出来る。また、例えば、不足電子マネー量が1000円であり、対象ユーザの自動チャージ上限が3000円である場合、上限を超えない1000円のチャージでユーザの電子マネー残高を不足電子マネー量と同額とすることが出来る。
ユーザの電子マネー残高が不足電子マネー量以上になると、支払処理サーバ3は、電子マネー残高から不足ポイント量相当の電子マネーを対象ユーザのポイントの代わりに支払に充当することを、ポイント処理サーバ1に通知し(ステップS427)、処理はステップS431へ進む。
<バリエーション>
上記説明した第二の実施形態及び第三の実施形態では、ポイント優先設定の場合にはポイント残高、電子マネー残高、与信枠の順に優先的に使用し、電子マネー優先設定の場合には電子マネー残高、与信枠の順に優先的に使用する例について説明したが、電子マネー残高も使わずに与信枠のみを使用する「チャージ優先設定」が可能であってもよい。この場合、電子マネー残高は0と見做されるため、受付部21によって支払対象バリューの量(ポイント決済額)が受け付けられてチャージ優先の処理が選択されると、電子マネー優先設定のステップS202と同様にポイント決済額が支払処理サーバに通知された後に、ステップS212からステップS222(又はステップS412からステップS422)の処理はスキップされ、ステップS223(又はステップS423)では、「与信枠-ポイント決済額」が0以上であるか否かが判定される。そして、チャージ部43(又はチャージ部43b)は、少なくとも支払対象バリュー(ポイント決済額)に相当する量の第二のバリュー(電子マネー)をチャージする。このようにすることで、ポイント処理用のユーザ識別情報を介して支払に充当されるバリューの選択肢を更に増やすことが出来、ユーザは、ポイント処理用のユーザ識別情報を提示するのみで、予め設定した所望の種類のバリューを支払に充当することが可能となる。
また、上記実施形態では、ユーザ識別情報を取得する手段として、一次元/二次元コードと光学コードリーダを主に説明したが、ユーザ識別情報の取得手段には、本実施形態において説明したもの以外の手段(例えば、RFIDとICリーダや、文字列とOCR等)が採用されてもよい。