JP7122075B2 - 包装食品分別装置及び包装食品分別方法 - Google Patents

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Description

本発明は、包装食品から生じた廃棄物等を食品部分から生じる廃棄物等と包装部分から生じる廃棄物等とに分別するための包装食品分別装置及び包装食品分別方法に関するものである。
循環型社会の形成に向け、事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理することのほか、原材料、製品等については、廃棄物等となることを抑制し(Reduce)、廃棄物等のうち有用なものについては、循環資源として再使用(Reuse)、再生利用(Recycle。前二者と併せて「3R」とも呼ばれる。)及び熱回収をし、循環的な利用をすることが、企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility,CSR)として求められている。
しかしながら、廃棄物等に有用なものが含まれている場合であっても、有用でないものが含まれている限り、循環的な利用をすることができず、廃棄物としての処分を行わざるを得ない。また、廃棄物等が有用なものからなる場合であっても、循環的な利用の方法を異にするものが混在している限り、同様である。
したがって、循環資源について適正に循環的な利用をし、廃棄物について適正な処分をするためには、廃棄物等について適切な分別が行われることが前提となる。
これを食品から生じた廃棄物等についてみると、食品製造業においては、返品その他の事情により、また、食品流通業においては、売れ残りその他の事情により、これらを適正に処理しなければならない場合もあるところ、特に輸送、保管、取引、使用等に当たり、容器に入れられ、又は包装に包まれた食品(以下単に「包装食品」という。)から生じた廃棄物等にあっては、食品部分から生じる廃棄物等のほか、包装部分から生じる廃棄物等が混在することになるため、食品部分から生じる廃棄物等と包装部分から生じる廃棄物等とに適切に分別することが重要となる。
例えば、廃棄物等のもととなった包装食品(以下単に「もとの包装食品」という。)がコーヒーバッグ(一回で飲み切るのに適した量のコーヒー(コーヒー豆を煎って挽き粉としたものをいう。以下同じ。)が不織布製の袋に包まれたものをいい、手の指で掴むための紐を備えるもののほか、カップその他の容器に引き掛けるための紙製のフックを備えるもの、いわゆる簡易式のドリップコーヒーを含む。以下同じ。)である場合にあっては、コーヒーから生じる廃棄物等と不織布製の袋から生じる廃棄物等とに、また、もとの包装食品がティーバッグ(一回で飲み切るのに適した量の茶(ツバキ科の常緑低木の若葉を採取して飲料用に製したものをいう。以下同じ。)が不織布製の袋に包まれたものをいい、手の指で掴むための紐を備える。以下同じ。)である場合にあっては、茶から生じる廃棄物等と不織布製の袋から生じる廃棄物等とに、いかにして両者を混在させることなく分別することができるかが課題となる。
とはいえ、このような分別を手動で行えば、確実ではあるものの、多くの時間と労力とを要し、実際的でない。
そこで、包装食品から生じた廃棄物等について、これを食品部分から生じる廃棄物等と包装部分から生じる廃棄物等とに自動で分別するためのものとして、従来、特許文献1に記載された包装食品分別装置(以下「従来の包装食品分別装置」という。)がある。
従来の包装食品分別装置は、「モーターで回転する水平軸に沿って複数の平板状の破砕刃を取付け、かつ各破砕刃の上流部分を折曲げて回転により上流側から下流側に流れる風を発生させる送風ファン部とした破砕ローター」と「投入部」と「分離板」と「生ゴミ収納箱」と「包装材排出部」とから構成され、「前記投入部に投入した包装食品を、回転する前記破砕ローターの破砕刃で破砕して、生ゴミをその自重と破砕刃による押圧力によって前記分離板の通孔から生ゴミ収納箱へ落し、包装材を破砕刃の送風ファン部が発生させる風力によって前記包装材排出部へ排出し、生ゴミと包装材とを分別してなることを特徴とする包装食品分別装置」として、「包装食品を投入部に投入するのみで、当該包装食品を包装材と生ゴミ(食品)とに容易かつ短時間で分別することができる」とされるものである。
特開2002-126555号公報
ところで、包装食品から生じた廃棄物等にも様々なものがあるところ、例えば、もとの包装食品がコーヒーバッグやティーバッグ(以下これらを併せて「コーヒーバッグ等」という。)であった場合にあっては、包装部分は、専ら不織布製の袋からなり、柔らかくて薄く、また、食品部分は、コーヒーや茶からなり、予め細かくされている。
したがって、コーヒーバッグ等から生じた廃棄物等にあっては、包装部分を破くためには弱い破砕力でも足り、包装部分を破きさえすれば、そこから食品部分が飛び出して食品部分と包装部分とに分離されるため、包装部分を砕くまでは要しない。むしろ包装部分を砕き過ぎると、細かくなり過ぎた包装部分は風による影響を受けにくくなり、これを送風により排出することが難しくなるため、強い破砕力はかえって適当でない。
しかしながら、従来の包装食品分別装置は、「破砕刃」による破砕と「送風ファン部」による送風とを「水平軸」の回転により生じさせるものであったため、「水平軸」の回転を遅くして破砕力を弱くすると、これに伴って送風力も弱くなるものでもあった。
そのため、コーヒーバッグ等から生じた廃棄物等について、従来の包装食品分別装置を使用した場合にあっては、次のような問題が生じていた。
[「水平軸」の回転を遅くした場合について]
まず、「水平軸」の回転を遅くした場合にあっては、次のような問題が生じるおそれがあった。
(1)破砕力を弱くするために「水平軸」の回転を遅くすると、送風力も弱くなる。
(2)送風力が弱くなると、包装部分が排出されるまでにかかる時間も長くなる。
(3)包装部分が排出されるまでにかかる時間が長くなると、包装部分が破砕され続ける時間も長くなる。
(4)包装部分が破砕され続ける時間が長くなると、弱くなった破砕力にもかかわらず、包装部分が破砕され続けて細かくなってしまうおそれがある。
(5)包装部分が破砕され続けて細かくなると、送風による影響を受けにくくなるため、排出されるまでにかかる時間も更に長くなる。
(6)以後、上記(3)から上記(5)までの過程が繰り返される中で、包装部分は破砕され続ける結果、細かくなり過ぎてしまう。
細かくなり過ぎた包装部分は、食品部分、すなわち、コーヒーや茶と大きさにより区別することが難しいものとして、適切な分別を妨げるものとなる。
[「水平軸」の回転を速くした場合について]
次に、「水平軸」の回転を速くした場合であっても、次のような問題が生じるおそれがあった。
(1)「水平軸」の回転を速くすると、送風力が強くなるとともに、破砕力も強くなる。
(2)送風力が強くなると、包装部分が排出されるまでにかかる時間が短くなり、これが破砕され続ける時間も短くなることにより、強くなった破砕力にもかかわらず、包装部分が破かれないまま排出されてしまう場合がある。
(3)上記(2)の場合でなかったとしても、破砕力が強くなると、強くなった送風力にもかかわらず、強くなった破砕力によって破砕されることにより、包装部分が細かくなり過ぎてしまう場合がある。
包装食品から生じた廃棄物等として包装部分が破かれないまま排出されたものは、食品部分と包装部分とが混在するものとして、適切な分別を妨げるものとなる。
細かくなり過ぎた包装部分もまた、適切な分別を妨げるものとなることは、既に述べたとおりである。
さらに、コーヒーバッグ等以外の包装食品から生じた廃棄物等についても、包装部分の硬さや厚さ、食品部分の大きさに応じて、破砕力と送風力とを適切に組み合わせなければならないことは、コーヒーバッグ等から生じた廃棄物等における場合と何ら変わるところがない。
以上のように、従来の包装食品分別装置にあっては、破砕力と送風力とを独立して制御することができないため、包装食品から生じた廃棄物等を食品部分から生じる廃棄物等と包装部分から生じる廃棄物等とに適切に分別することができないおそれがあった。
そこで、本発明は、包装食品から生じた廃棄物等を食品部分から生じる廃棄物等と包装部分から生じる廃棄物等とに適切に分別することを課題とし、その課題を解決するための原理として、包装食品分別装置をして、破砕部又は切断部の回転と、送風装置の送風と、を独立して制御することができるようにしたものである。
本発明は、その課題を解決するための手段として、例えば、次のとおりのものとした。
[一]
駆動装置と、
前記駆動装置の動力を受けて自らの中心線を中心に回転する回転軸と、
前記回転軸に連結されている破砕部又は切断部であって、当該回転軸の中心線を中心に回転するものと、
前記破砕部又は前記切断部を覆う筒体であって、一端側に入口部を、一端側と他端側との間かつ下側に第一の出口部を、他端側に第二の出口部を、それぞれ有するものと、
前記筒体の内部を一端側から他端側に向かって流れる風を送風する送風装置と、
を備え、
前記破砕部又は前記切断部の回転と、前記送風装置の送風と、を独立して制御することができる包装食品分別装置。
[二]
前記破砕部又は前記切断部を二以上備え、
前記破砕部又は前記切断部は、前記回転軸の径方向に沿って長めに延びており、かつ、前記回転軸の軸方向に沿って互いに間隔をとって配置されている
上記[一]の項に記載の包装食品分別装置。
[三]
前記破砕部又は前記切断部は、前記回転軸から径方向に突き出ている突出部を介して、前記回転軸に連結されており、
前記破砕部又は前記切断部は、連結部を介して、前記突出部に連結されており、
前記破砕部又は前記切断部は、前記連結部を中心に回転することができる状態にある
上記[一]又は[二]の項に記載の包装食品分別装置。
[四]
前記筒体の内周面のうち上側にある部分から下方向に延びており、かつ、前記回転軸の軸方向に沿って長めに延びている移動制限板を備える上記[一]~[三]のいずれかの項に記載の包装食品分別装置。
[五]
前記筒体が傾いていない状態と前記筒体が斜めに傾いている状態とを互いに切り替えるための傾斜装置を備える上記[一]~[四]のいずれかの項に記載の包装食品分別装置。
[六]
前記第一の出口部の近傍に設置されて、当該第一の出口部に向けて風を通すための通風装置を備える上記[一]~[五]のいずれかの項に記載の包装食品分別装置。
[七]
上記[一]~[六]のいずれかの項に記載の包装食品分別装置を使用し、
前記入口部から前記筒体の内部へと包装食品から生じた廃棄物等を入れ、
前記第一の出口部から前記筒体の外部へと食品部分を出し、
前記第二の出口部から前記筒体の外部へと包装部分を出し、
包装食品から生じた廃棄物等を食品部分から生じる廃棄物等と包装部分から生じる廃棄物等とに分別する包装食品分別方法。
本発明により、包装食品から生じた廃棄物等を食品部分から生じる廃棄物等と包装部分から生じる廃棄物等とに適切に分別することができる。
以下、図1から図18までを参照しながら、本発明に係る包装食品分別装置を実施するための形態(以下単に「包装食品分別装置」という。)について、説明する。
[図面の詳細な説明]
まず、図1から図18までについて、詳細に説明する。なお、いずれの図面も、本発明を説明するためのものであって、背景技術を説明するためのものではない。
[図1]
図1は、包装食品分別装置を示す斜視図である。ただし、筒体の内部を一部透過させており、その透過した部分を点線により示している。また、筒体の開閉部を開いている状態を示してもいる。
なお、図中の矢印付き破線により各種の方向を示している。以下、図2、図6から図9まで及び図15において同じ。
[図2]
図2は、包装食品分別装置を示す斜視図である。ただし、断面図である図3及び図4のための切断線を付しており、これを一点鎖線により示している。切断線は二本あり、それぞれa-a線とb-b線である。
[図3]
図3は、包装食品分別装置を示す断面図であって、図2中の切断線のうち、a-a線に係るものである。すなわち、包装食品分別装置を図2中のa-a線で切断したものを包装食品分別装置の背面と対向する位置から視たものを示している。
[図4]
図4は、包装食品分別装置を示す断面図であって、図2中の切断線のうち、b-b線に係るものである。すなわち、包装食品分別装置を図2中のb-b線で切断したものを包装食品分別装置の左側面と対向する位置から視たものを示している。
[図5]
図5は、駆動装置を示す斜視図である。図中の矢印付き破線は、各部の動く方向を示すものである。
[図6]
図6は、主たる回転軸及び破砕部を示す斜視図であって、全体を示すものである。
[図7]
図7は、主たる回転軸及び破砕部を示す斜視図であって、部分を示すものである。
[図8]
図8は、主たる回転軸及び破砕部を示す斜視図であって、動作を示すものである。
[図9]
図9は、主たる回転軸及び切断部を示す斜視図であって、部分を示すものである。
[図10]
図10は、第一の出口部を示す斜視図である。ただし、斜視断面図である図11のための切断線を付しており、これを一点鎖線により示している。切断線は一本あり、c-c線である。
[図11]
図11は、第一の出口部を示す斜視断面図であって、図10中のc-c線に係るものである。すなわち、第一の出口部を図10中のc-c線で切断したものを示している。
[図12]
図12は、包装食品分別装置を使用した場合の作用を示す参考図である。ただし、筒体の内部を透過させた上で、これを包装食品分別装置の背面と対向する位置から視たものを示すとともに、その透過した部分も実線により示している。なお、見やすくするために、送風装置を省略している。
図中の矢印付き点線は、物の動きを示しており、また、図中の矢印付き破線は、回転方向を示している。
さらに、図中の破線は、主たる回転軸の中心線を通る仮想水平面を示しており、また、図中の点線は、主たる回転軸の中心線及び移動制限板の少なくとも一部を通る仮想平面を示している。
[図13]
図13は、包装食品分別装置を使用した場合の作用を示す参考図である。ただし、筒体の内部を透過させた上で、これを包装食品分別装置の左側面と対向する位置から視たものを示すとともに、その透過した部分も実線により示している。
図中の矢印付き点線は、物の動きを示しており、また、図中の矢印付き破線は、空気が流れる方向を示すものである。
[図14]
図14は、包装食品分別装置を制御するための操作方法を示す流れ図である。いわゆるフローチャートであり、特に矢印が付されている場合を除き、操作が上から下へと流れることを示している。
[図15]
図15は、包装食品分別装置及び傾斜装置を示す左側面図である。なお、包装食品分別装置及び傾斜装置は、脚部を介して、水平な地面に置かれている。
図中の(a)部分は水平状態を示すものであり、また、図中の(b)部分は傾斜状態を示すものであり、これらの各部分の間に付した矢印付き実線により水平状態と傾斜状態とを互いに切り替えることができることを示している。また、図中の破線は、仮想水平面を示している。
[図16]
図16は、通風装置を示す斜視図である。ただし、図中の点線は、各部における説明の便宜上の境界を示すためのものである。
なお、図中の矢印付き破線は、圧縮空気が流れる方向を示すものである。以下、図18において同じ。
[図17]
図17は、通風装置及び第一の出口部の関係を示す斜視図である。ただし、斜視断面図である図18のための切断線を付しており、これを一点鎖線により示している。切断線は一本あり、d―d線である。
[図18]
図18は、通風装置及び第一の出口部の関係を示す斜視断面図であって、図17中のd-d線に係るものである。すなわち、通風装置及び第一の出口部を図17中のd―d線で切断したものを示している。
[用語の意義等]
この明細書における各用語の意義等は、次のとおりである。
この明細書で「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であって、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによって汚染された物を除く。)をいう。
この明細書で「廃棄物等」とは、廃棄物のほか、一度使用され、若しくは使用されずに収集され、若しくは廃棄された物品(現に使用されているものを除く。)又は製品の製造、加工、修理若しくは販売、エネルギーの供給、土木建築に関する工事、農畜産物の生産その他の人の活動に伴い副次的に得られた物品(廃棄物を除く。)をいう。
この明細書で「回転運動」とは、物体が相互間の相対的位置を変えず、一定直線を中心にその周囲を動く運動をいう。なお、この明細書において「回転運動」を単に「回転」ということがある。
この明細書で「自転」とは、回転運動のうち、その中心となる一定直線が、回転運動をする物体の内部にある場合をいう。
この明細書で「公転」とは、回転運動のうち、その中心となる一定直線が、回転運動をする物体の外部にある場合をいう。
この明細書で「回転軸」とは、棒状の部材であって、その中心線を中心に回転するものをいう。
この明細書でいう「中心線」には、物体の中心を通る仮想直線のほか、当該物体の中心の近傍を通る仮想直線を含むものとする。
[包装食品から生じた廃棄物等W]
包装食品から生じた廃棄物等Wは、包装食品分別装置1を使用して分別をしようとする対象である。
包装食品から生じた廃棄物等Wとして、コーヒーバッグから生じた廃棄物等又はティーバッグから生じた廃棄物等が特に好ましいが、これらに限られることなく、例えば、出汁バッグから生じた廃棄物等であってもよい。
包装食品から生じた廃棄物等Wは、少なくとも、もとの包装食品において食品をなしていた部分(以下単に「食品部分」という。)Fと、もとの包装食品において包装をなしていた部分(以下単に「包装部分」という。)Pと、からなる。
特に、包装食品から生じた廃棄物等Wがコーヒーバッグから生じた廃棄物等である場合にあっては、食品部分Fはコーヒーからなり、包装部分Pは専ら不織布製の袋からなる。
[包装食品分別装置1]
包装食品分別装置1は、例えば、図1から図4まで、特に図1及び図4に示すように、駆動装置10と、主たる回転軸20と、破砕部30と、筒体50と、送風装置60と、を備えるものである。もっとも、包装食品分別装置1は、破砕部30に代えて、切断部40を備えるものであってもよく、破砕部30と切断部40との両方を備えるものであってもよい。
これらのほか、包装食品分別装置1は、例えば、図1から図4までに示すように、脚部70を備えるものであってもよく、例えば、図15に示すように、傾斜装置80を備えるものであってもよく、例えば、図17に示すように、通風装置90を備えるものであってもよい。
また、図示しないものの、包装食品分別装置1は、覆いによって、その一部又は全体が覆われていてもよい。
なお、主たる回転軸20と、破砕部30又は切断部40とを組み合わせたものは、包装食品分別装置1に使用することができる軸部材として、包装食品分別装置用軸部材をなしてもよい。
以下、包装食品分別装置1が備える要素について、それぞれ説明する。
[駆動装置10]
駆動装置10は、主たる回転軸20に動力を与え、又は伝えることにより、主たる回転軸20を回転させるためのものである。
以下、図5を参照しながら、駆動装置10の例について、説明する。
駆動装置10は、例えば、第一の原動機11と、第一の駆動軸12と、小ベルト車13と、ベルト14と、大ベルト車15と、を備えるものである。
[駆動装置10/第一の原動機11]
第一の原動機11は、火力、水力、電力、風力その他のエネルギーを機械的エネルギーに変換する装置であって、動力を発生させるためのものである。
第一の原動機11からは第一の駆動軸12が延びている。第一の原動機11は、第一の駆動軸12を回転させることによって、その発生させた動力を他に伝えることができる。
第一の原動機11が第一の駆動軸12を回転させる速度は、例えば、毎分1160回転から毎分1610回転までの範囲内にあることが好ましく、これを変動させることにより調整することができることがより好ましい。
[駆動装置10/第一の駆動軸12]
第一の駆動軸12は、第一の原動機11の動力を小ベルト車13に伝達するための回転軸である。第一の駆動軸12は、その中心線を中心に自転することができる。
第一の駆動軸12は、第一の原動機11から延びて小ベルト車13まで達し、小ベルト車13の中心にある孔にかたく嵌め合わされており、小ベルト車13と互いに固定されている。
[駆動装置10/小ベルト車13]
小ベルト車13は、ベルト伝動に用いられる車であって、その直径が大ベルト車15の直径より小さい車である。
小ベルト車13の周側面には溝が周方向に沿って延びており、この溝にはベルト14が巻き掛けられている。
[駆動装置10/ベルト14]
ベルト14は、小ベルト車13から大ベルト車15にかけ渡されて、小ベルト車13に伝達された第一の原動機11の動力を大ベルト車15に伝達するための部材である。
ベルト14は、平帯状の物が環をなしている部材からなる。もっとも、ベルト14は、これに代えて、紐又は鎖であってもよい。
[駆動装置10/大ベルト車15]
大ベルト車15は、ベルト伝動に用いられる車であって、その直径が小ベルト車13の直径より大きい車である。
大ベルト車15の周側面には溝が周方向に沿って延びており、この溝にはベルト14が巻き掛けられている。
大ベルト車15の中心にある孔には、主たる回転軸20がかたく嵌め合わされており、大ベルト車15は、主たる回転軸20と互いに固定されている。
[駆動装置10/小括]
第一の原動機11を動かすと、第一の駆動軸12がその中心線を中心に自転する。
第一の駆動軸12が自転すると、これとかたく嵌め合わされている小ベルト車13は、第一の駆動軸12の中心線を中心に公転する。
小ベルト車13が公転すると、ベルト14を介して、大ベルト車15が、主たる回転軸20の中心線Aを中心に公転する。
大ベルト車15が公転すると、これとかたく嵌め合わされている主たる回転軸20は、その中心線Aを中心に自転する。
以上のようにして、駆動装置10の動力を受けて、主たる回転軸20が回転する。
[主たる回転軸20]
主たる回転軸20は、自らの中心線Aを中心に回転する回転軸であり、自らが回転することによって、破砕部30又は切断部40を回転させるためのものである。
以下、図1から図4まで及び図6から図9までを参照しながら、主たる回転軸20の例について、説明する。
[主たる回転軸20/形状等]
主たる回転軸20は、棒状の部材からなる。すなわち、主たる回転軸20は、細長い形をしており、互いの間にある空間的な隔たりが他に比して大きなものとなる両端として、一端と他端とを有し、一端から他端までにわたって長めに延びている。
以下、主たる回転軸20が長めに延びている方向を「主たる回転軸20の長手方向」ということがある。なお、主たる回転軸20の長手方向は、主たる回転軸20の中心線Aの延びる方向と一致する。したがって、主たる回転軸20の中心線Aの延びる方向と主たる回転軸20の長手方向とを同視することができる。
主たる回転軸20の形状は、三角柱、四角柱、六角柱その他の角柱であってもよいが、例えば、図3及び図4に示すように、円柱であることが好ましい。すなわち、主たる回転軸20の中心線Aと垂直に交わる平面において主たる回転軸20を切断して得られる断面形状は、三角形、四角形、六角形その他の多角形であってもよいが、真円形、楕円形その他の円形であることが好ましく、円形のうち、例えば、図3に示すように、真円形であることがより好ましい。なお、主たる回転軸20の中心線Aと平行である仮想平面において主たる回転軸20を切断して得られる断面形状は、例えば、図4に示すように、長方形となる。
主たる回転軸20は、適当な長さ及び太さを有する。主たる回転軸20の長さは、900mm~1100mmが好ましく、1000mm~1050mmがより好ましい。また、主たる回転軸20の太さは、20mm~30mmが好ましく、25mm~28mmがより好ましい。
主たる回転軸20は、これに適当な剛性をもたらす材料、例えば、金属からなることが好ましく、鋼からなることがより好ましい。
[主たる回転軸20/支持態様]
主たる回転軸20は、自らの中心線Aを中心に自転することができるように支持されている。
ここで、図6及び図7を参照しながら、主たる回転軸20との関係において特定される各方向について説明すると、次のとおりである。
「主たる回転軸20の軸方向」とは、主たる回転軸20の回転の中心となる一定直線に沿う方向をいい、「主たる回転軸20の周方向」とは、当該一定直線と垂直に交わる仮想平面上にある仮想円であって、当該一定直線上の点を中心とするものの円周に沿う方向をいい、また、「主たる回転軸20の径方向」とは、当該仮想円の半径に沿う方向をいう。以下同じ。
主たる回転軸20が自らの中心線Aを中心に自転することができるように支持されるに当たり、主たる回転軸20の軸方向は、主たる回転軸20の中心線Aが延びる方向及び主たる回転軸20の長手方向と概ね一致することが好ましく、これらと一致することがより好ましい。なお、主たる回転軸20の軸方向と主たる回転軸20の長手方向とが一致する場合にあっては、主たる回転軸20の軸方向と主たる回転軸20の長手方向とを同視することができる。
主たる回転軸20が自らの中心線Aを中心に自転することができるように支持されるに当たり、主たる回転軸20の軸方向に沿って延びる仮想直線と水平面とは、互いに平行であってもよく、互いに平行でなくてもよいが、互いに平行である状態と互いに平行でない状態とを互いに切り替えることができることが好ましい。
主たる回転軸20は、例えば、図4に示すように、次のようにして支持されていることが好ましい。
主たる回転軸20の一端が軸受21aにゆるく嵌め合わされ、主たる回転軸20の他端が軸受21bにゆるく嵌め合わされている。すなわち、主たる回転軸20は、軸受21aと軸受21bにおいて、ここを滑り動くことができる状態に支持されている。
主たる回転軸20には、破砕部30又は切断部40が連結されている。
[破砕部30]
破砕部30は、主たる回転軸20の中心線Aを中心に回転し、その回転に伴って生じる力により、包装食品から生じた廃棄物等Wのうち、専ら包装部分Pを破り砕くための部分である。もっとも、破砕部30が、包装部分Pを破るためのものであるか、又は砕くためのものであるかは、包装食品から生じた廃棄物等Wの別による。
特に、包装食品から生じた廃棄物等Wがコーヒーバッグ等から生じた廃棄物等Wである場合にあっては、包装部分Pを切断するものより、これを破砕するものが好ましく、破砕するもののうち、包装部分Pを砕くものより、これを破くものがより好ましい。
この観点から、主たる回転軸20に連結されるものとして、破砕部30又は切断部40のうち、破砕部30が好ましい。
以下、図1、図3及び図4並びに図6から図8までを参照しながら、破砕部30の例について、説明する。
破砕部30は、板状又は棒状の部材であって、主たる回転軸20に連結されたものからなる。主たる回転軸20が自らの中心線Aを中心に自転するとき、破砕部30は、主たる回転軸20の中心線Aを中心に公転する。
破砕部30は、板状又は棒状である。破砕部30は、これに適当な剛性をもたらす材料からなる。すなわち、破砕部30は、例えば、金属を薄く平たくしたもの又は細長くした金属からなる。
破砕部30は、主たる回転軸20に連結されている。このとき、破砕部30は、主たる回転軸20の中心線Aを中心に自転したとき、主たる回転軸20の軸方向に沿って流れる風が起きにくい態様で連結されていることが好ましい。
破砕部30は、主たる回転軸20の軸方向に沿って長めに延びるように連結されていてもよいが、例えば、図6及び図7に示すように、主たる回転軸20の径方向に沿って長めに延びるように連結されていることが好ましい。
破砕部30が板状である場合において、破砕部30の表面のうち最も面積の大きいもの(以下「最大面積表面」という。)Sと主たる回転軸20の軸方向との関係について、次のことがいえる。
最大面積表面Sを含む仮想平面と主たる回転軸20の軸方向に沿って延びる仮想直線とが垂直に交わるときは、主たる回転軸20の軸方向に沿って流れる風が起きにくいほか、主たる回転軸20の周方向に沿って流れる風も起きにくい。
最大面積表面Sを含む仮想平面と主たる回転軸20の軸方向に沿って延びる仮想直線とが平行であるときは、主たる回転軸20の軸方向に沿って流れる風が起きにくいものの、主たる回転軸20の周方向に沿って流れる風が起きやすいところ、この風が主たる回転軸20の軸方向に沿って流れる風へと転じるおそれがある。
最大面積表面Sを含む仮想平面と主たる回転軸20の軸方向に沿って延びる仮想直線とが垂直以外の角度において交わるときは、主たる回転軸20の軸方向に沿って流れる風が起きやすい。
最大面積表面Sの形状は、長方形であることが好ましく、長方形のうち、長辺の長さが70mm~80mm、短辺の長さが20mm~30mmであるものがより好ましい。
破砕部30は、二以上設けられていることが好ましい。この場合において、破砕部30の数は、八個から五十六個までの範囲内にあることが好ましく、十六個から四十八個までの範囲内にあることがより好ましく、三十二個であることが最も好ましい。
破砕部30は、主たる回転軸20の周方向に沿って互いに間隔をとって配置されていることが好ましく、その間隔として、60度、90度、120度、180度又は360度がより好ましく、180度が特に好ましい。
破砕部30は、主たる回転軸20の軸方向に沿って互いに間隔をとって配置されていることが好ましく、その間隔として、20mm~40mmがより好ましく、30mmが特に好ましい。
破砕部30は、例えば、図6に示すように、次のようにして配置されていることが特に好ましい。
二個の破砕部30が並行して配置され、一対の破砕部30Pをなしている。すなわち、一対の破砕部30Pは、二個の破砕部30からなる。一対の破砕部30Pが主たる回転軸20の周方向に沿って互いに180度の間隔をとって二対配置され、一列の破砕部30Cをなしている。すなわち、一列の破砕部30Cは、二対の破砕部30Pからなり、四個の破砕部30からなる。そして、一列の破砕部30Cが主たる回転軸20の軸方向に沿って互いに間隔をとって十六列配置され、十六列の破砕部をなしている。すなわち、十六列の破砕部は、六十四個の破砕部30からなる。ここで、十六列をなす破砕部30において、偶数列にあるものと奇数列にあるものとは、互いに90度回転させたものに相当し合う。
破砕部30は、主たる回転軸20の中心線Aを中心に公転したとき、主たる回転軸20の軸方向に沿って流れる風が起きにくいものとするとの観点から、例えば、図6及び図7に示すように、主たる回転軸20の径方向に沿って長めに延びており、主たる回転軸20の周方向に沿って互いに間隔をとって配置されており、また、主たる回転軸20の軸方向に沿って互いに間隔をとって配置されていることが好ましく、さらに、最大面積表面Sを含む仮想平面と主たる回転軸20の軸方向に沿って延びる仮想直線とが垂直に交わるものであることも好ましく、以上のうち、二以上を満たすことがより好ましく、全部を満たすことが特に好ましい。
[破砕部30/突出部31,連結部32]
破砕部30は、突出部31を介して主たる回転軸20に連結されていてもよい。突出部31は、例えば、図6及び図7に示すように、主たる回転軸20から主たる回転軸20の径方向に突き出ている部分である。二個の破砕部30が突出部31の表面と裏面とに一個ずつ連結され、一対の破砕部30Pをなしている。
破砕部30は、例えば、図6及び図7に示すように、連結部32を介して突出部31に連結されている。
連結部32は、例えば、突出部31に穿たれているボルト孔と、このボルト孔とゆるく又はかたく嵌り合うボルトと、このボルトとかたく嵌り合うナットとを組み合わせたものからなることが好ましいが、破砕部30と突出部31とが溶接されている部分であってもよい。
破砕部30は、破砕部30と突出部31とを連結する連結部32を中心に公転することができる状態で突出部31に連結されていることが好ましい。このとき、破砕部30は、例えば、図8に示すように、主たる回転軸20がその中心線Aを中心に自転していない間にあっては、自重により重力方向に垂れ下がっているが、主たる回転軸20がその中心線Aを中心に自転している間にあっては、主たる回転軸20の径方向に沿って長めに延びるものとなる。すなわち、破砕部30は、主たる回転軸20が自転し始めると慣性に従って主たる回転軸20の回転方向とは逆の方向に回転し始めるが、やがて遠心力により主たる回転軸20の径方向に沿って長めに延びたものとなる。
なお、主たる回転軸20の径方向に沿って長めに延びている破砕部30は、少なくとも主たる回転軸20がその中心線Aを中心に自転している間において、主たる回転軸20の径方向に沿って長めに延びているものであれば、これを含む。
破砕部30が連結部32を中心に公転することができる場合にあっては、破砕部30が包装食品から生じた廃棄物等Wに接触したときに生じる衝撃を緩和することができることから、包装食品から生じた廃棄物等Wが細かくなり過ぎることを避けることができる。
もっとも、破砕部30は、固定された状態で突出部31に連結されていてもよく、突出部31を介することなく、主たる回転軸20に直接連結されていてもよい。また、主たる回転軸20と破砕部30とは、一体成形又は溶接により、予め一体化されていてもよく、このとき、破砕部30は、主たる回転軸20の中心線Aを中心に自転することになる。
[切断部40]
切断部40は、主たる回転軸20の中心線Aを中心に回転し、その回転に伴って生じる力により、包装食品から生じた廃棄物等Wのうち、専ら包装部分Pを断ち切るための部分である。もっとも、切断部40が、包装部分Pを切るためのものであるか、又は絶つためのものであるかは、包装食品から生じた廃棄物等Wの別による。
以下、図9を参照しながら、切断部40の例について、説明する。
切断部40は、板状の部材のうち、刃を有するものであって、主たる回転軸20に連結されたものからなる。主たる回転軸20が自らの中心線Aを中心に自転するとき、切断部40は、主たる回転軸20の中心線Aを中心に公転する。このとき、切断部40の刃は、板状の部材のうち、例えば、図9に示すように、主たる回転軸20が回転しようとする側を向いている部分に設けられていることが好ましい。
切断部40は、これに適当な剛性をもたらす材料からなる。すなわち、切断部40は、例えば、金属を薄く平たくしたもの又は細長くした金属からなり、その一部が刃となっている。
なお、その余のことについては、上記[破砕部30]及び[破砕部30/突出部31,連結部32]の項の記載を切断部40、突出部41及び連結部42について準用する。
[筒体50]
筒体50は、包装食品から生じた廃棄物等Wを破砕し、又は切断するための空間をその内部に形成するためのものである。すなわち、筒体50は、その内部において、包装食品から生じた廃棄物等W及びこれから分離された物を閉じ込めて、これらが移動することができる範囲を限定するためのものである。
これにより、筒体50は、包装食品から生じた廃棄物等Wと破砕部30又は切断部40とを確実に接触させ、これを破砕し、又は切断させるとともに、包装食品から生じた廃棄物等Wから分離された物が拡散することを防ぎ、その収集を容易にする。
以下、図1から図4までを参照しながら、筒体50の例について、説明する。
筒体50は、筒状の部材からなり、細長い形をしているとともに、中空になっている。
すなわち、筒体50は、互いの間にある空間的な隔たりが他に比して大きなものとなる両端として、一端と他端とを有し、一端から他端までにわたって長めに延びているとともに、筒体50の中は空になっており、その内部において空間を有する。
なお、筒体50が長めに延びている方向のことを「筒体50の長手方向」ということがある。以下同じ。
筒体50の一端側と主たる回転軸20の一端側とは同じ方向にあり、また、筒体50の他端側と主たる回転軸20の他端側とは同じ方向にある。
筒体50の長手方向は、主たる回転軸20の軸方向と一致しなくてもよいが、一致することが好ましい。
筒体50は、その内部において、破砕部30又は切断部40を覆うことができる空間を有する。このとき、筒体50と破砕部30又は切断部40との間において空隙が存在することが好ましく、破砕部30又は切断部40の下方に存在する空隙に比して、破砕部30又は切断部40の上方に存在する空隙が広いことがより好ましい。なお、破砕部30又は切断部40の上方に存在する空隙は、例えば、図12及び図13に示すように、包装食品から生じた廃棄物等W及びこれから分離された包装部分Pが筒体50の一端側から他端側まで移動する際の通路Rをなす。
破砕部30又は切断部40の上方に存在する空隙は、広いものであることが好ましく、例えば、80mm~90mmであることがより好ましい。
破砕部30又は切断部40の下方に存在する空隙は、狭いものであることが好ましく、例えば、2mm~3mmであることがより好ましい。
筒体50の長手方向と垂直に交わる平面において筒体50を切断して得られる断面形状は、四角形、六角形その他の多角形であってもよいが、例えば、図3に示すように、円形であることが好ましい。なお、筒体50の長手方向と平行である平面において筒体50を切断して得られる断面形状は、例えば、図4に示すように、長方形となる。
筒体50は、その表面として、外方を向く外表面と、内方を向く内表面と、を有する。
筒体50は、その外表面として、平面からなり、互いに平行である一対の外側面と、一の曲面又は二以上の平面からなり、一対の外側面の間に介在する外周面と、を有する。
筒体50は、その内表面として、平面からなり、互いに平行である一対の内側面と、一の曲面又は二以上の平面からなり、一対の内側面の間に介在する内周面と、有する。
ここで、一対の外側面は、一端側の外側面と他端側の外側面とからなり、また、一対の内側面は、一端側の内側面と他端側の内側面とからなる。また、外周面と内周面とこれらの間に介在する部分とを併せて「側周部」ということがある。以下同じ。
側周部は、本体部50aと、開閉部50bと、からなる。
開閉部50bは、例えば、蝶番50cを介して、本体部50aと連結されている。このため、例えば、図1に示すように、開閉部50bを開くことができ、これにより筒体50の内部を目視したり、筒体50の内部を手入れしたりすることができる。開閉部50bの外表面には、開閉部50bを開閉する際に使用者が掴むための取っ手が設けられていてもよい。
筒体50は、これに適当な剛性をもたらす材料からなり、例えば、金属からなることが好ましい。
筒体50は、その一対の内側面のうち、一端側に軸受21aを備えるとともに、他端側に軸受21bを備える。このとき、軸受21aと軸受21bとのいずれも、例えば、図4に示すように、内側面から外側面まで貫通するものであることが好ましいが、内側面から外側面まで貫通するものでなくてもよい。
軸受21aと軸受21bとは、同一の高さに位置することが好ましい。このとき、軸受21aは一端側の内側面のうち下側に位置するとともに、軸受21bも他端側の内側面のうち下側に位置することがより好ましい。これにより、破砕部30又は切断部40の上方に存在する空隙を広くすることができる。
軸受21aには主たる回転軸20の一端がゆるく嵌め合わされ、軸受21bには主たる回転軸20の他端がゆるく嵌められている。すなわち、軸受21aと軸受21bとには、ここを滑り動くことができる状態で主たる回転軸20が支持されている。
筒体50は、一端側において、入口部51を有する。また、筒体50は、一端側と他端側との間かつ下側において、第一の出口部52を有する。さらに、筒体50は、他端側において、第二の出口部53を有する。
また、筒体50は、内周面の上側において、移動制限板54を備えることが好ましく、外周面の下側において、延長部55を備えることが好ましい。なお、筒体50は、側周部の上側において、孔を有しないことが好ましい。
筒体50は、例えば、図1から図4までに示すように、脚部70によって適当な高さに支持されていることが好ましい。このとき、第一の出口部52(第一の出口部52に第一の収集管52bが連接されている場合にあっては、第一の収集管52b)の下方に空隙が生じるように支持されていることがより好ましい。
[筒体50/入口部51]
入口部51は、ここを通じて筒体50の外部から内部へと、包装食品から生じた廃棄物等Wを入れるための入口となる部分である。
以下、図1から図4までを参照しながら、入口部51の例について、説明する。
入口部51は、筒体50の一端側かつ上側の部分を貫き、筒体50の外部から内部へと通じる開口である。このとき、入口部51は、筒体50の一端側かつ上側の部分のうち、外側面から内側面までを貫くものであってもよいが、例えば、図4に示すように、外周面から内周面までを貫くものであることが好ましい。
入口部51が外周面から内周面までを貫くものである場合にあっては、筒体50の内側面のより高い位置に送風装置60を設けることができるため、破砕部30又は切断部40より高い位置に送風装置60を配置し、包装食品から生じた廃棄物等W及びこれから分離された包装部分Pが筒体50の内部を一端側から他端側まで移動するための通路Rをなすことができる。
入口部51の形状は、四角形、六角形その他の多角形であってもよいが、図1及び図2に示すように、円形であることが好ましい。
入口部51は、包装食品から生じた廃棄物等Wを入れることができる形状及び大きさのものであればよく、例えば、もとの包装食品がコーヒーバッグ等である場合にあっては、入口部51が円形であるときは、直径70mm~110mmであることが好ましく、直径80mm~100mmであることがより好ましく、また、入口部51が円形以外の形状であるときは、上記の直径を有する円より大きいものであることが好ましい。
入口部51は、これを開閉可能に塞ぐ蓋を備えていてもよい。
入口部51には、例えば、図1から図4までに示すように、導入管51bが連接されていることが好ましい。
[筒体50/入口部51/導入管51b]
導入管51bは、包装食品から生じた廃棄物等Wを入口部51に円滑に導き入れるためのものである。
導入管51bは、その両端が開口し、うち下端側の開口が入口部51と連通しており、入口部51からその上方に向けて延びている管からなる。
導入管51bは、真っ直ぐに延びている管であることが好ましいが、上方に向けて拡径しながら延びている管、すなわち、漏斗状の管であってもよい。
導入管51bは、その上端側の開口を開閉可能に塞ぐ蓋を備えていてもよい。
[筒体50/第一の出口部52]
第一の出口部52は、ここを通じて筒体50の内部から外部へと、包装食品から生じた廃棄物等Wから分離した食品部分Fを出すための出口となる部分である。
第一の出口部52は、包装食品から生じた廃棄物等W及びこれから分離した物のうち、包装食品から生じた廃棄物等W及び包装部分Pを通過させることなく、専ら食品部分Fを通過させるものであることが好ましい。
以下、図1から図4まで、図10及び図11を参照しながら、第一の出口部52の例について、説明する。
第一の出口部52は、筒体50に穿たれている二以上の孔52aであって、互いに間隔をとって配置されているものからなる。すなわち、二以上の孔52aは、それぞれの間に存在する筒体50の一部により互いに隔てられている。二以上の孔52aとこれらの間に存在する筒体50の一部とは、共同で、篩として機能する。孔52aは、二以上であればよく、多数であることが好ましい。
孔52aは、筒体50の一端側と他端側との間かつ下側の部分を貫いて、筒部50の内部から外部へと通じるものである。すなわち、孔52aは、筒体50の内周面から外周面までを貫通している。孔52aは、破砕部30又は切断部40が存在する領域にわたって配置されていることが好ましく、当該領域よりも広い領域にわたって存在することがより好ましい。
孔52aは、互いに異なる形状又は異なる大きさのものであってもよいが、互いに同一の形状及び大きさのものであることが好ましい。
孔52aの大きさは、その形状にもよるが、例えば、食品部分Fの大きさより大きく、包装部分Pの大きさより小さいことが好ましい。
孔52aの形状及び大きさについては、包装食品から生じた廃棄物等Wの別に応じて、適当なものに設定すればよく、例えば、もとの包装食品がコーヒーバッグ等である場合にあっては、次のことがいえる。
孔52aの形状については、三角形、四角形、六角形、八角形その他の多角形であってもよいが、真円形、楕円形、長円形、卵形その他の円形であることが好ましく、例えば、図10及び図11に示すように、真円であることがより好ましい。
孔52aの大きさについては、その形状が真円である場合にあっては、直径2mm~8mmであることが好ましく、直径3mm~5mmであることがより好ましく、その形状が真円以外の場合にあっては、上記のような直径を有する円の面積と同程度の面積を有することが好ましい。なお、孔52aの深さについては、筒体50の厚さによることになる。
第一の出口部52には、例えば、図1から図4までに示すように、第一の収集管52bが連接されていることが好ましい。
[筒体50/第一の出口部52/第一の収集管52b]
第一の収集管52bは、包装食品から生じた廃棄物等Wから分離した食品部分Fを収集するための管である。
第一の収集管52bは、漏斗状の管からなる。すなわち、第一の収集管52bは、その両端が開口しており、うち上端側の開口が第一の出口部52に連通しており、かつ、第一の出口部52からその下方に向けて縮径しながら延びている管からなる。
第一の収集管52bは、その下端側の開口を塞ぐための蓋を備えていてもよい。
[筒体50/第二の出口部53]
第二の出口部53は、ここを通じて筒体50の内部から外部へと、包装食品から生じた廃棄物等Wから分離した包装部分Pを出すための出口となる部分である。
以下、図1から図4までを参照しながら、第二の出口部53の例について、説明する。
第二の出口部53は、筒体50の他端側の部分を貫いて、筒体50の内部から外部へと通じる開口である。このとき、第二の出口部53は、筒体50の他端側の部分のうち、内周面から外周面までを貫通しているものであってもよいが、例えば、図4に示すように、内側面から外側面までを貫通しているものであることが好ましい。第二の出口部53が内側面から外側面までを貫通しているものである場合にあっては、送風装置60による送風Bをそのまま利用して、包装部分Pを筒体50の外部へと出すことができることによる。
第二の出口部53の形状及び大きさは、包装部分Pを通過させることができる形状及び大きさであればよい。
第二の出口部53には、例えば、図1から図4までに示すように、第二の収集管53bが連接されていることが好ましい。
[筒体50/第二の出口部53/第二の収集管53b]
第二の収集管53bは、包装食品から生じた廃棄物等Wから分離した包装部分Pを収集するためのものである。
第二の収集管53bは、屈曲する管からなる。すなわち、第二の収集管53bは、その両端が開口しており、うち一端側の開口が第二の出口部53に連通しており、かつ、第二の出口部53からその斜め下方に向けて屈曲しながら延びている管からなる。
第二の収集管53bは、その他端側の開口を塞ぐための蓋を備えていてもよい。
[筒体50/移動制限板54]
移動制限板54は、包装食品から生じた廃棄物等W及びこれから分離した包装部分Pが筒体50の内部において主たる回転軸20の周方向に沿って移動をすることができる範囲について、筒体50と破砕部30又は切断部40との間にある空隙のうち、破砕部30又は切断部40の上方にある領域に限定し、当該領域を通じて包装食品から生じた廃棄物等W及びこれから分離した包装部分Pを筒体50の一端側から他端側まで移動させるための部分である。
以下、図1、図3及び図4を参照しながら、移動制限板54の例について、説明する。
移動制限板54は、板状の部材からなる。
移動制限板54は、筒体50の内周面のうち上側にある部分から下方向に延びており、かつ、主たる回転軸20の軸方向に沿って長めに延びている。
移動制限板54の表面のうち最も面積の大きいものを含む仮想平面と主たる回転軸20の軸方向に沿って延びる仮想直線とが平行であるときは、破砕部30又は切断部40が主たる回転軸20を中心に公転することに伴って主たる回転軸20の周方向に沿って流れる風が生じたときであっても、その風が筒体50の内部を一端側から他端側に向かって流れるものへと転じにくい。
移動制限板54の表面のうち最も面積の大きいものを含む仮想平面と主たる回転軸20の軸方向に沿って延びる仮想直線とが垂直以外の角度において交わるときは、破砕部30又は切断部40が主たる回転軸20を中心に公転することに伴って主たる回転軸20の周方向に沿って流れる風が生じた場合において、その風が筒体50の内部を一端側から他端側に向かって流れるものへと転じやすいため、好ましくない。
移動制限板54の表面のうち最も面積の大きいものを含む仮想平面と主たる回転軸20の軸方向に沿って延びる仮想直線とが垂直に交わるときは、包装食品から生じた廃棄物等W及び包装部分Pが筒体50の内部を一端側から他端側まで移動することを妨げるため、好ましくない。
なお、以上のことは、筒体50がその内周面において移動制限板54以外の他の板状の部材を備える場合において、当該他の板状の部材についても同様に当てはまる。
したがって、筒体50は、その内周面において、移動制限板54以外の他の板状の部材であって、移動制限板54について好ましくないとされる各態様のものを備えないものであることが好ましい。
移動制限板54は、例えば、図3に示すように、筒体50の内周面のうち主たる回転軸20の斜め上方に位置する部分から延びており、かつ、ここから斜め下方向に延びているものであることが好ましい。
さらにいうと、例えば、図12に示すように、主たる回転軸20の中心線Aを含む仮想水平面と、主たる回転軸20の中心線A及び移動制限板54の少なくとも一部を含む仮想平面とがなす角の大きさが、100度から140度までの範囲内にあることが好ましく、110度から130度までの範囲内にあることがより好ましい。
すなわち、主たる回転軸20の回転方向を正の方向とした場合において、主たる回転軸20の中心線Aを含み、かつ、水平な仮想平面を、主たる回転軸20の中心線Aを中心に正の方向に回転させると、移動制限板54の少なくとも一部を含む仮想平面となるときの角度として、100度から140度までの範囲内のものであることが好ましく、110度から130度までの範囲内にあるものがより好ましい。
移動制限板54は、これに適当な剛性をもたらす材料からなり、例えば、金属からなることが好ましい。
[筒体50/延長部55]
延長部55は、筒体50からその下方へと延び、筒体50の外周面から連続する平面を形成するための部分である。筒体50をその長手方向と垂直に交わる平面で切断して得られる断面形状が円形である場合にあっては、筒体50の外周面は、曲面をなすことから、脚部70その他の部材を連結することが困難であるのに対し、延長部55は、平面をなすことから、脚部70その他の部材を連結することが容易となる。
延長部55は、例えば、図3に示すように、筒体50のうち本体部50aに連結され、そこから筒体50の下方に向けて垂れ下がるようにして延びている。
延長部55には脚部70が連結されており、筒体50は延長部55を介して脚部70により支持されている。
[送風装置60]
送風装置60は、筒体50の内部を一端側から他端側に向かって流れる風Bを送風するためのものである。ただし、ここでいう「筒体50の内部を一端側から他端側に向かって流れる風B」とは、破砕部30又は切断部40が公転することに伴って生じるもの以外のものをいう。すなわち、送風装置60は、破砕部30又は切断部40以外の物であって、単独で筒体50の内部を一端側から他端側に向かって流れる風Bを送風することができるものである。もっとも、このような送風装置60を備える限りにおいて、破砕部30又は切断部40が、単独で又は他と共同して、筒体50の内部を一端側から他端側に向かって流れる風Bを送風することは妨げられない。
ここで、「風」とは、空気の流れをいうところ、その流れる方向については、例えば、旗、幟、吹流しその他の空気の流れを間接的に示すことができるものを使用して確認することができるほか、市販の風向計を使用して確認することもできる。
以下、図1から図4までを参照しながら、送風装置60の例について、説明する。
送風装置60は、筒体50の一端側において、風を送ろうとする方向が筒体50の内方を向くようにして、設けられている。
このとき、送風装置60は、筒体50の一端側のうち、内側面に設けられていることが好ましく、内側面のうち、上側の部分に設けられていることがより好ましく、破砕部30又は切断部40より高い位置に設けられていることが更に好ましく、また、第二の出口部53の少なくとも一部と対向する位置に設けられることも好ましい。
送風装置60は、例えば、図3及び図4に示すように、第二の原動機61と、第二の駆動軸62と、羽根車63と、を備える。
[送風装置60/第二の原動機61]
第二の原動機61は、火力、水力、電力、風力その他のエネルギーを機械的エネルギーに変換する装置であって、第一の原動機11とは独立した動力を発生させるためのものである。もっとも、第一の原動機11と第二の原動機61とは、その発生させる動力の源となるエネルギーの供給源を互いに同じくするものであってもよく、例えば、同一の電源をエネルギー源とすることができる。
第二の原動機61からは第二の駆動軸62が延びている。第二の原動機61は、第二の駆動軸62を自転させることができる。
第二の原動機61が第二の駆動軸62を回転させる速度は、例えば、毎分1260回転から毎分2780回転までの範囲内にあることが好ましく、これを変動させることにより調整することができることがより好ましい。さらに、速度の調整は、連続的に変動させることにより行うものであってもよいが、段階的に変動させることにより行うものであることが好ましく、例えば、第一段階を毎分1260回転とし、第二段階を毎分1380回転とし、第三段階を毎分1730回転とし、第四段階を毎分2780回転とすることがより好ましい。
[送風装置60/第二の駆動軸62]
第二の駆動軸62は、第二の原動機61の動力を羽根車63に伝達する回転軸である。第二の駆動軸62は、その中心線を中心に自転することができる。
第二の駆動軸62は、第二の原動機61から延びて羽根車63まで達し、羽根車63の中心にある孔にかたく嵌め合わされており、羽根車63と互いに固定されている。
[送風装置60/羽根車63]
羽根車63は、曲面をなす羽根が車の周囲についているものであり、第二の駆動軸62を中心に公転することにより風を起こすためのものである。羽根車63についている羽根の枚数は、例えば、3枚から6枚までの範囲内にあることが好ましい。
[送風装置60/小括]
第二の原動機61を動かすと、第二の駆動軸62がその中心線を中心に自転する。
第二の駆動軸62が自転すると、これとかたく嵌め合わされている羽根車63は、第二の駆動軸62の中心線を中心に公転する。
羽根車63が公転すると、筒体50の内部を一端側から他端側に向かって流れる風Bが発生する。
なお、送風装置60は、筒体50の他端側に設けられていてもよい。この場合における送風装置60は、周囲の空気を吸引することにより、筒体50の内部を一端側から他端側に向かって流れる風Bを送風することになる。
[独立制御性]
包装食品分別装置1にあっては、破砕部30又は切断部40の回転と、送風装置60の送風と、を独立して制御することができる。
ここでいう「独立して制御する」とは、次に掲げる操作のうち、少なくとも[1-1]と[2-2]とを組み合わせたもの又は[1-2]と[2-3]とを組み合わせたものをすることができることをいう。なお、これらの操作のうち、後者は、図14中の操作2又は操作3に相当するものでもある。
[1-1]破砕部30又は切断部40の回転を遅くすること
[1-2]破砕部30又は切断部40の回転を変えないこと
[1-3]破砕部30又は切断部40の回転を速くすること
[2-1]送風装置60の送風を弱くすること
[2-2]送風装置60の送風を変えないこと
[2-3]送風装置60の送風を強くすること
ここで、破砕部30又は切断部40の回転を速くすると、その破砕し、又は切断しようとする力は強くなり、破砕部30又は切断部40の回転を遅くすると、その破砕し、又は切断しようとする力は弱くなることは、先に述べたとおりである。
また、[1-1]と[2-2]とを組み合わせたもの又は[1-2]と[2-3]とを組み合わせたもののほか、更に[1-1]と[2-3]とを組み合わせたものをすることができることが好ましい。
さらに、[1-3]と[2-2]とを組み合わせたものをすることができることがより好ましく、[1―3]と[2-1]とを組み合わせたものをすることができることもより好ましい。なお、これらの操作のうち、前者は図14中の操作1に相当するものであり、後者は図14中の操作4に相当するものでもある。
特に、もとの包装食品がコーヒーバッグ等である場合にあっては、これらの操作を適切に行うことにより、包装食品から生じた廃棄物等Wを適切に分別することができる。
また、もとの包装食品がコーヒーバッグ等以外のものである場合であっても、これらの別に応じて、適切な操作を組み合わせることができる。
破砕部30又は切断部40の回転と、送風装置60の送風と、を独立して制御することができることは、例えば、破砕部30又は切断部40が回転するための動力と、送風装置60が送風するための動力とが、互いに独立していることに基づくものである。
破砕部30又は切断部40の回転は主たる回転軸20の回転に伴うものであるところ、主たる回転軸20の回転は、駆動装置10の動力を受けてのもの、特に第一の原動機11の動力を受けてのものであるのに対し、送風装置60の送風は、第二の原動機61の動力を受けてのものである。
ここで、第一の原動機11と第二の原動機61とは、互いに独立した動力を発生させるものとして、そのエネルギー源を同じくするか否かにかかわらず、互いに独立している。
以上のとおり、破砕部30又は切断部40が回転するための動力と送風装置60が送風するための動力とは互いに独立していることから、包装食品分別装置1は、破砕部30又は切断部40の回転と、送風装置60の送風と、を独立して制御することができる。
さらに、包装食品分別装置1において、破砕部30又は切断部40の回転と、送風装置60の送風と、を独立して制御するに当たり、他の要素もまた、より適当な構成とされていることが好ましい。
ここでいう「送風装置60の送風」とは、送風装置60が筒体50の内部を一端側から他端側に向かって流れる風Bを送風することであるところ、これと破砕部30又は切断部40の回転とを独立して制御するためには、破砕部30又は切断部40が回転したとき、これに伴って筒体50の内部を一端側から他端側に向かって流れる風が生じにくいことが好ましい。
以上の観点から、破砕部30又は切断部40は、次に掲げる条件[a]から[d]までのうち、いずれかを満たすことが好ましく、二以上を満たすことがより好ましく、三以上を満たすことが更に好ましく、全部を満たすことが最も好ましい。
[a]主たる回転軸20の径方向に沿って長めに延びていること。
[b]主たる回転軸20の周方向に沿って互いに間隔をとって配置されていること。
[c]主たる回転軸20の軸方向に沿って互いに間隔をとって配置されていること。
[d]最大面積表面Sを含む仮想平面と主たる回転軸20の軸方向に沿って延びる仮想直線とが垂直に交わること。
[通路R]
包装食品分別装置1は、筒体50の内部において、包装食品から生じた廃棄物等W及びこれから分離された包装部分Pが筒体50の内部を一端側から他端側まで移動するための通路(以下単に「通路」ということがある。)Rを有することが好ましい。
通路Rは、包装食品から生じた廃棄物等W及びこれから分離された包装部分Pが、ここを通ることにより、破砕部30又は切断部40との接触を過度に繰り返すことなく、筒体50の内部を一端側から他端側まで移動するためのものである。
通路Rは、例えば、図3及び図4に示すように、筒体50の内部において、破砕部30又は切断部40の上方に空隙が存在しており、かつ、この空隙に向けて、送風装置60が筒体50の内部を一端側から他端側に向かって流れる風Bを送風することができる状態にあるときに、これを構成することができる。
この観点から、送風装置60は、筒体50の一端側の内側面において、破砕部30又は切断部40より高い位置に設けられていることが好ましく、また、通路Rの先には、第二の出口部53があることが好ましい。
以上により、送風装置60と、破砕部30又は切断部40の上方にある空隙と、第二の出口部53とを通る仮想直線が存在するように、それぞれを設けることがより好ましい。
[包装食品分別装置1の使用]
以下、図12及び図13を参照しながら、包装食品分別装置1を使用し、包装食品から生じた廃棄物等Wを食品部分から生じる廃棄物等と包装部分から生じる廃棄物等とに分別する方法の例について、説明する。
包装食品分別装置1を使用しようとする者は、次の行為を行う。
[包装食品分別装置1の使用/包装食品から生じた廃棄物等Wの準備]
まず、包装食品から生じた廃棄物等Wを準備する。ここでは、包装食品から生じた廃棄物等Wの例として、コーヒーバッグから生じた廃棄物等を準備する。
[包装食品分別装置1の使用/駆動装置10の起動]
次に、駆動装置10を起動させる。駆動装置10が起動すると、例えば、図12に示すように、主たる回転軸20が中心線Aを中心に自転し、主たる回転軸20が自転すると、破砕部30が主たる回転軸20の中心線Aを中心に公転する。
[包装食品分別装置1の使用/送風装置60の起動]
駆動装置10を起動させた後、送風装置60を起動させる。もっとも、駆動装置10を起動させる前に、送風装置60を起動させてもよい。
送風装置60が起動すると、例えば、図13に示すように、送風装置60は、筒体50の内部を一端側から他端側に向かって流れる風Bの送風を開始する。
[包装食品分別装置1の使用/包装食品から生じた廃棄物等Wの入口部51からの投入]
駆動装置10の起動及び送風装置60の起動の後、入口部51から筒体50の内部へと包装食品から生じた廃棄物等Wを入れる。
[包装食品分別装置1の使用/包装食品から生じた廃棄物等Wの移動]
[0]包装食品から生じた廃棄物等Wの落下
包装食品から生じた廃棄物等Wは、入口部51から筒体50の内部に入ると、例えば、図12及び図13に示すように、筒体50の内部を一端側から他端側に向かって流れる風Bを受けて、筒体50の一端側から他端側へと流されながら、自重により落下する。
包装食品から生じた廃棄物等Wが落下する先には、主たる回転軸20の中心線Aを中心に公転する破砕部30がある。
[1]包装食品から生じた廃棄物等Wの上昇
包装食品から生じた廃棄物等Wは、例えば、図12及び図13に示すように、落下する過程において、主たる回転軸20の中心線Aを中心に公転する破砕部30に接触するか、又はこれが起こす風、すなわち、主たる回転軸20の周方向に沿って流れる風に煽られることにより、破砕部30が公転する方向に沿って生じる力を受けると、舞い上がり、筒体50の内部を上昇するとともに、筒体50の内部を一端側から他端側に向かって流れる風Bを受けて、筒体50の内部を一端側から他端側に向かって移動する。この間、包装食品から生じた廃棄物等Wは、破砕部30の上方に存在する空隙からなる通路Rを通ることになる。
[2]包装食品から生じた廃棄物等Wの再落下
包装食品から生じた廃棄物等Wは、例えば、図12及び図13に示すように、上昇する過程において、移動制限板54まで達し、これに接触すると、反対の方向へと跳ね返り、やがて自重により再び落下するとともに、筒体50の内部を一端側から他端側に向かって流れる風Bを受けて、筒体50の内部を一端側から他端側に向かって移動する。この間、包装食品から生じた廃棄物等Wは、破砕部30の上方に存在する空隙からなる通路Rを通ることになる。
[3]小括
以後、上記[1]及び上記[2]の過程が繰り返される。この間、包装食品から生じた廃棄物等Wは、筒体50の一端側から他端側に向かって上昇落下を繰り返しながら、破砕部30の上方に存在する空隙からなる通路Rを通って、筒体50の内部を移動する。
[包装食品分別装置1の使用/包装食品から生じた廃棄物等Wからの分離]
包装食品から生じた廃棄物等Wが筒体50の内部を移動する過程において破砕部30に接触すると、包装部分Pが破かれる。
包装部分Pが破かれると、その破れた部分から食品部分Fが自重又は遠心力により包装部分Pの外部へと飛び出してゆく結果、包装食品から生じた廃棄物等Wは、食品部分Fと包装部分Pとに分離される。
[包装食品分別装置1の使用/食品部分Fの移動及び第一の出口部52からの排出]
包装食品から生じた廃棄物等Wから分離された食品部分Fは、その自重により落下し、やがて第一の出口部52まで達すると、ここから筒体50の外部へと出る。
筒体50の外部に出た食品部分Fは、収集され、食品部分から生じた廃棄物等となる。
なお、食品部分Fは、予め細かくされたものとして、風の影響を受けにくいことから、包装食品から生じた廃棄物等Wと同様の動き(上記[包装食品分別装置1の使用/包装食品から生じた廃棄物等Wの移動]の項中の[1]から[3]までに記載のものをいう。)をしない。
[包装食品分別装置1の使用/包装部分Pの移動及び第二の出口部53からの排出]
[1´]包装部分Pの上昇
包装食品から生じた廃棄物等Wから分離された包装部分Pは、例えば、図12及び図13に示すように、落下する過程において、主たる回転軸20の中心線Aを中心に公転する破砕部30に接触するか、又はこれが起こす風、すなわち、主たる回転軸20の周方向に沿って流れる風に煽られることにより、破砕部30が公転する方向に沿って生じる力を受けると、舞い上がり、筒体50の内部を上昇するとともに、筒体50の内部を一端側から他端側に向かって流れる風Bを受けて、筒体50の内部を一端側から他端側に向かって移動する。この間、包装部分Pは、破砕部30の上方に存在する空隙からなる通路Rを通ることになる。
[2´]包装部分Pの再落下
包装食品から生じた廃棄物等Wから分離された包装部分Pは、例えば、図12及び図13に示すように、上昇する過程において、移動制限板54まで達し、これに接触すると、反対の方向へと跳ね返り、やがて自重により再び落下するとともに、筒体50の内部を一端側から他端側に向かって流れる風Bを受けて、筒体50の内部を一端側から他端側に向かって移動する。この間、包装部分Pは、破砕部30の上方に存在する空隙からなる通路Rを通ることになる。
[3´]小括
以後、上記[1´]及び上記[2´]の過程が繰り返される。この間、包装部分Pは、筒体50の一端側から他端側に向かって上昇落下を繰り返しながら、破砕部30の上方に存在する空隙からなる通路Rを通って、筒体50の内部を移動し、第二の出口部53まで達すると、ここから筒体50の外部へと出る。
筒体50の外部に出た包装部分Pは、収集され、包装部分から生じた廃棄物等となる。
なお、包装部分Pが筒体50の内部を移動する過程において破砕部30に接触すると、包装部分Pは更に破かれることになるところ、破砕部30の回転と送風装置60の送風とを調整し、包装部分Pが細かくなり過ぎる前に第二の出口部53まで達することができるようにする。
[包装食品分別装置1の使用/破砕部30の回転と送風装置60の送風との調整]
包装食品分別装置1を使用するに当たり、破砕部30の回転と送風装置60の送風とを適切な関係に調整するためには、例えば、図14に示すように、次のような流れに従って操作することが好ましい。
[調整開始]
調整を開始するに当たって、予め破砕部30の回転と送風装置60の送風とをいずれも「弱め」にする。例えば、駆動装置10については毎分1160回転とし、送風装置60については毎分1260回転とする。
[分岐1]
第一の出口部52から食品部分Fが出てくるか否かを確認する。
第一の出口部52から食品部分Fが出てくるときは、分岐2に進む。
第一の出口部52から食品部分Fが出てこないときは、包装食品から生じた廃棄物等Wがそもそも破かれていない可能性があるため、包装食品から生じた廃棄物等Wが破かれるようにするために、破砕部30の回転を速くする必要がある。
そこで、第一の出口部52から食品部分Fが出てくるようになるまで破砕部30の回転を速くしてゆき、第一の出口部52から食品部分Fが出てくるようになったときは分岐2に進む。
[分岐2]
第一の出口部52から包装部分Pが出てくるか否かを確認する。
第一の出口部52から包装部分Pが出てこないときは、分岐3に進む。
第一の出口部52から包装部分Pが出てくるときは、包装部分Pが破かれ続けて細かくなり過ぎている可能性があるため、包装部分Pが細かくなり過ぎる前に第二の出口部53まで達することができるように、送風装置60の送風を強くする必要がある。
そこで、第一の出口部52から包装部分Pが出てこないようになるまで送風装置60の送風を強くしてゆき、第一の出口部52から包装部分Pが出てこなくなったときは分岐3に進む。
[分岐3]
第二の出口部53から包装部分Pが出てくるか否かを確認する。
第二の出口部53から包装部分Pが出てくるときは、分岐4に進む。
第二の出口部53から包装部分Pが出てこないときは、送風装置60の送風が弱過ぎて包装部分Pが第二の出口部53まで達していない可能性があるため、包装部分Pが第二の出口部53まで達することができるように、送風装置60の送風を強くする必要がある。
そこで、第二の出口部53から包装部分Pが出てくるようになるまで送風装置60の送風を強くしてゆき、第二の出口部53から包装部分Pが出てくるようになったときは分岐4に進む。
[分岐4]
第二の出口部53から包装食品から生じた廃棄物等Wが出てくるか否かを確認する。
第二の出口部53から包装食品から生じた廃棄物等Wが出てこないときは、調整は終了する。
第二の出口部53から包装食品から生じた廃棄物等Wが出てくるときは、送風装置60の送風が強過ぎる可能性がある。かといって、送風装置60の送風を弱くすれば、第二の出口部53から包装部分Pが出てこなくなるおそれもある(分岐3において「いいえ」を満たす状態)。
いま、第一の出口部52からは、食品部分Fは出てくるが(分岐1において「はい」を満たす状態)、包装部分Pは出てこない状態にあり(分岐2において「いいえ」を満たす状態)、このことは、破砕部30の回転を速くする余地がまだあることを示唆している。
すなわち、破砕部30の回転を速くすれば、送風装置60の送風を弱くしたとしても、第二の出口部53から包装部分Pが出てくるようにしたまま、第二の出口部53から包装食品から生じた廃棄物等Wが出てくるおそれを減らすことができる可能性がある。
そこで、送風装置60の送風を弱くし、かつ、破砕部30の回転を速くした上で分岐2に戻り、そこから再び調整を試みるようにする。
第二の出口部53から包装食品から生じた廃棄物等Wが出てこなくなったときは、調整は終了する。
[調整終了]
調整が終了すると、第一の出口部52から食品部分Fが出てくるが、包装部分Pは出てこなくなり、また、第二の出口部53から包装部分Pが出てくるが、包装食品から生じた廃棄物等Wは出てこないようになる。
さらに、包装食品分別装置1が傾斜装置80を備える場合にあっては、送風装置60の送風の強弱を調整することに代えて、又はこれと併せて、筒体50を傾斜させてもよく、更にその傾斜させる角度を調整してもよい。
例えば、筒体50の一端側に対して筒体50の他端側が上方に位置する状態にすることにより、包装食品から生じた廃棄物等Wが筒体50の内部に留まる時間を長くすることができる。これに対し、筒体50の一端側に対して筒体50の他端側が下方に位置する状態にすることにより、包装食品から生じた廃棄物等Wが筒体50の内部に留まる時間を短くすることができる。
なお、傾斜装置80の詳細については、下記[傾斜装置80]の項において説明する。
[包装食品分別装置1の使用/小括]
以上のとおり、包装食品分別装置1は、包装食品から生じた廃棄物等Wを食品部分から生じた廃棄物等と包装部分から生じた廃棄物等とに適切に分別することができる。
[脚部70]
脚部70は、筒体50を適当な高さに支持することによって、第一の出口部52(第一の出口部52に第一の収集管52bが連接されている場合にあっては、第一の収集管52b)の下方に空隙を生じさせるためのものである。なお、この空隙は、第一の出口部52から出てきた食品部分Pを収集する際において作業領域を確保するためのものである。
以下、図1から図4までを参照しながら、脚部70の例について、説明する。
脚部70は、柱体からなり、適当な剛性を有する材料からなり、適当な長さ及び太さを有する。脚部70は、筒体50を支持することができればよいが、例えば、図1及び図2に示すように、全部で4本あることが好ましい。脚部70には、図示しないものの、包装食品分別装置1を移動させるための車輪がそれぞれに設けられていてもよい。
脚部70は、例えば、図3に示すように、延長部55を介して、間接的に、筒体50と連結されている。もっとも、脚部70は、延長部55を介することなく、直接的に、筒体50と連結されていてもよい。
[傾斜装置80]
傾斜装置80は、筒体50が傾いていない状態と筒体50が斜めに傾いている状態とを互いに切り替えるためのものである。
ここで、「筒体50が傾いていない状態」とは、例えば、図15中の(a)部分に示すように、筒体50の長手方向に沿って延びる仮想直線が水平面に対して平行である状態をいい、「筒体50が斜めに傾いている状態」とは、例えば、図15中の(b)部分に示すように、筒体50の長手方向に沿って延びる仮想直線が水平面に対して平行でない状態をいう。また、「筒体50が傾いていない状態」を単に「水平状態」といい、「筒体50が斜めに傾いている状態」を単に「傾斜状態」ということがある。以下同じ。
なお、筒体50の長手方向と主たる回転軸20の軸方向とが一致するときは、筒体50の長手方向に沿って延びる仮想直線に代えて、主たる回転軸20の軸方向に沿って延びる仮想直線をもって、筒体50が水平状態又は傾斜状態のいずれかにあるかを確認することもできる。
以下、図15を参照しながら、傾斜装置80の例について、説明する。
傾斜装置80は、例えば、傾斜装置用回転軸81と、傾斜装置用軸受82と、枠体83と、角度調整板84と、固定手段85と、からなる。
[傾斜装置80/傾斜装置用回転軸81]
傾斜装置用回転軸81は、筒体50を回転させて、これを斜めに傾けるに当たり、その回転運動の中心をなすための回転軸である。
傾斜装置用回転軸81は、棒状の部材からなり、筒体50の外周面(筒体50に延長部55が連結されている場合にあっては、延長部55)から突き出るようにして、筒体50の外方に、かつ、水平に延びている。
[傾斜装置80/傾斜装置用軸受82]
傾斜装置用軸受82は、傾斜装置用回転軸81を回転することができる状態に支持するためのものである。傾斜装置用軸受82には、傾斜装置用回転軸81がゆるく嵌め合わされている。すなわち、傾斜装置用軸受82には、傾斜装置用回転軸81が滑り動くように嵌め合わされている。傾斜装置用軸受82からは枠体83が筒体50の長手方向に沿って両側に向かって延びている。
[傾斜装置80/枠体83]
枠体83は、これを介して、筒体50(筒体50に延長部55が連結されている場合にあっては、延長部55。以下この[傾斜装置80/枠体83]の項において同じ。)と脚部70とを繋ぐための部分である。枠体83は、四角形の環をなす梁状の部材からなる。枠体83は、筒体50の周りを囲んでいる。筒体50は、枠体83に固定されていない。筒体50は、傾斜装置用回転軸81と傾斜装置用軸受82とのゆるい嵌め合いを介して、枠体83に回転可能に支持されている。枠体83の隅には、脚部70が連結されている。
[傾斜装置80/角度調整板84]
角度調整板84は、筒体50を斜めに傾けるに当たり、その傾ける角度について、範囲をもって調整可能とするためのものである。角度調整板84は、板状の物からなり、枠体83に連結されている。角度調整板84には、角度調整用孔84aが穿たれている。角度調整用孔84aは、角度調整板84一枚ごとに、二つ以上穿たれていることが好ましい。角度調整板84は、一枚であってもよいが、二枚以上あることが好ましい。
[傾斜装置80/固定手段85]
固定手段85は、筒体50を斜めに傾けるに当たり、その傾けた角度を固定するためのものである。固定手段85は、筒体50(筒体50に延長部55が連結されている場合にあっては、延長部55。以下この[傾斜装置80/固定手段85]の項において同じ。)に穿たれているボルト穴(図示しない)とボルト85aとからなる。ここで、ボルト穴の径と角度整用孔84aの径とは、概ね一致する。ボルト85aは、角度調整用孔84aを通って角度調整板84を貫き、筒体50に穿たれたボルト孔まで達し、これと嵌まり合うことができる程度の長さ及び太さを有する。
[傾斜装置80の使用]
以下、図15を参照しながら、水平状態から傾斜状態への移行と、傾斜状態の固定と、傾斜状態から水平状態への移行と、水平状態の固定とについて、説明する。
なお、図15中の(a)部分は水平状態を示しており、また、図15中の(b)部分は傾斜状態の例を示している。
[傾斜装置80の使用/もとの水平状態]
ボルト85aは、角度調整用孔84aのうち、傾斜装置用回転軸81の中心線と結んだ仮想直線と水平方向に延びる仮想直線とがなす角の大きさが0度となる位置にあるものを通って角度調整板84を貫き、筒体50(筒体50に延長部55が連結されている場合にあっては、延長部55)に穿たれているボルト穴まで達し、これとかたく嵌め合わされている。
この場合において、筒体50は、水平状態にあり、かつ、固定されている。
[傾斜装置80の使用/水平状態から傾斜状態への移行]
ボルト85aをボルト穴から抜き、更に角度調整用孔84aからも抜き取る。
筒体50は、傾斜装置用回転軸81と傾斜装置用軸受82とのゆるい嵌め合いにより、枠体83に回転可能に支持されている状態となる。
傾斜装置用回転軸81を中心に40度、正の方向に回転させて、筒体50を傾斜状態とする。ここでは、例えば、図15中の(b)部分に示すように、筒体50の他端側が筒体50の一端側に対して上方に位置するように、筒体50を傾けるものとする。もっとも、筒体50の他端側が筒体50の一端側に対して下方に位置するように、筒体50を傾けてもよい。
ボルト85aを、角度調整用孔84aのうち、傾斜装置用回転軸81の中心線と結んだ仮想直線と水平方向に延びる仮想直線とがなす角の大きさが40度となる位置にあるものを通し、更に角度調整用孔84aにまで達しさせ、これとかたく嵌め合わす。
[傾斜装置80の使用/傾斜状態の固定]
ボルト85aは、角度調整用孔84aのうち、傾斜装置用回転軸81の中心線と結んだ仮想直線と水平方向に延びる仮想直線とがなす角の大きさが40度となる位置にあるものを通って角度調整板84を貫き、筒体50(筒体50に延長部55が連結されている場合にあっては、延長部55)に穿たれているボルト孔まで達し、これとかたく嵌め合わされている。
この場合において、筒体50は、傾斜状態にあり、かつ、固定されている。
[傾斜装置80の使用/傾斜状態から水平状態への移行]
ボルト85aをボルト穴から抜き、更に角度調整用孔84aからも抜き取る。
筒体50は、傾斜装置用回転軸81と傾斜装置用軸受82とのゆるい嵌め合いにより、枠体83に回転可能に支持されている状態となる。
傾斜装置用回転軸81を中心に、負の方向に40度回転させて、筒体50を水平状態とする。すなわち、図15中の(a)部分に示すような状態とする。
ボルト85aを、角度調整用孔84aのうち、傾斜装置用回転軸81の中心線と結んだ仮想直線と水平方向に延びる仮想直線とがなす角の大きさが0度となる位置にあるものを通し、更に角度調整用孔84aにもかたく嵌め合わせる。
[傾斜装置80の使用/水平状態の固定]
ボルト85aは、角度調整用孔84aのうち、傾斜装置用回転軸81の中心線と結んだ仮想直線と水平方向に延びる仮想直線とがなす角の大きさが0度となる位置にあるものを通って角度調整板84を貫き、筒体50(筒体50に延長部55が連結されている場合にあっては、延長部55)に穿たれているボルト穴まで達し、これとかたく嵌め合わされている。
この場合において、筒体50は、水平状態にあり、かつ、固定されている。
[傾斜装置80の使用/傾斜装置80の作用]
傾斜装置80を使用して筒体50を水平状態から傾斜状態へと移行させることにより、包装食品から生じた廃棄物等W及び包装部分Pが筒体50の内部を一端側から他端側まで移動するまでにかかる時間を調整することができる。
傾斜状態のうち、例えば、図15中の(b)部分に示すように、筒体50の一端側に対して筒体50の他端側が上方に位置する状態に筒体50がある場合にあっては、包装食品から生じた廃棄物等W及び包装部分Pが筒体50の内部を一端側から他端側まで移動するに当たり、その移動の速度が、水平状態にある場合に比して、遅くなる。
これは、包装食品から生じた廃棄物等W及び包装部分Pは、自らを筒体50の一端側に引き寄せようとする重力に抗しながら、筒体50の内部を一端側から他端側まで移動することになるためである。
一方、傾斜状態のうち、筒体50の一端側に対して筒体50の他端側が下方に位置する状態に筒体50がある場合にあっては、包装食品から生じた廃棄物等W及び包装部分Pが筒体50の内部を一端側から他端側まで移動するに当たり、その移動の速度が、水平状態にある場合に比して、速くなる。
これは、包装食品から生じた廃棄物等W及び包装部分Pは、自らを筒体50の他端側に引き寄せようとする重力に乗じながら、筒体50の内部を一端側から他端側まで移動することになるためである。
このように、傾斜装置80を使用して筒体50を水平状態から傾斜状態へと移行させ、包装食品から生じた廃棄物等W及び包装部分Pが筒体50の内部を一端側から他端側まで移動するまでにかかる時間を調整することができるため、包装食品から生じた廃棄物等Wを食品部分から生じる廃棄物等と包装部分から生じる廃棄物等とに適切に分別することができる。
さらに、傾斜装置80を使用することと、破砕部30又は切断部40の回転と送風装置60の送風とを独立して制御することと、を組み合わせることにより、更に精緻な調整が可能となるため、包装食品から生じた廃棄物等Wを食品部分から生じる廃棄物等と包装部分から生じる廃棄物等とにより適切に分別することができる。
[通風装置90]
通風装置90は、第一出口部52の近傍に設置されて、第一の出口部52に向けて風を通すことにより、第一の出口部52において、孔52aが食品部分Fにより塞がれることを防ぐための装置である。
というのも、第一の出口部52は二以上の孔52aからなるところ、孔52aの大きさは食品部分Fの大きさより大きいにもかかわらず、静電気の影響により、孔52aの周囲に食品部分Fが付着し、このことが積み重なり続けると、やがて孔52aが食品部分Fにより塞がれてしまうことがある。
そこで、通風装置90は、第一の出口部52に向けて風を通し、孔52aの周囲に付着した食品部分F又は孔52aの周囲に付着するおそれのある食品部分Fを吹き飛ばすことにより、孔52aの周囲に食品部分Fが付着し続けないようにするものである。
以下、図16から図18までを参照しながら、通風装置90の例について、説明する。
通風装置90は、例えば、供給管91と、有孔管92と、を備えるものである。これらのほか、通風装置90は、例えば、図16に示すように、迂回管93を備えるものであることが好ましく、また、調整弁94を備えることも好ましい。
[通風装置90/供給管91]
供給管91は、圧縮された空気(以下「圧縮空気」という。)を通風装置90に対して供給する手段(以下「供給手段」という。)に接続するための管である。
供給管91の一端は、供給手段に接続することができるものとなっている。なお、供給手段として、図示しないものの、高圧空気容器や空気圧縮機を使用することができる。
供給管91の他端は、有孔管92(通風装置90が迂回管93を備えるものである場合にあっては、有孔管92及び迂回管93)の一端に接続されている。
なお、供給管91は二以上の管からなってもよく、例えば、通風装置90が調整弁94を備える場合にあっては、供給管91は第一の供給管91aと第二の供給管91bとからなる。
[通風装置90/有孔管92]
有孔管92は、第一の出口部52に向けて圧縮空気を吹き出すための管である。
有孔管92の一端は、供給管91の他端に接続されている。
有孔管92の他端は、通風装置90が迂回管93を備えるものである場合にあっては、迂回管93の他端と接続されている。
有孔管92の外径は、3mm~6mmであることが好ましく、4mmであることがより好ましい。また、有孔管92の内径は、2mm~5mmであることが好ましく、3mmであることがより好ましい。
有孔管92は、その側周部分において、圧縮空気を吹き出すための吹出孔92aを多数有する。
吹出孔92aは、有孔管92の内周面から外周面までを貫通している。
吹出孔92aは、互いに間隔をとって有孔管92の一端から他端までにわたって穿たれており、その間隔として、例えば、1cm~2cmであることが好ましく、1.5cmであることがより好ましい。
吹出孔92aの大きさは、適当な勢いをもって圧縮空気を吹き出すことができるものであればよく、例えば、0.5mm~1.5mmであることが好ましく、1mmであることがより好ましい。
[通風装置90/迂回管93]
迂回管93は、供給管91から供給される圧縮空気の一部を迂回させて、有孔管92の一端側ではなく、他端側から供給することにより、吹出口92aから吹き出す圧縮空気の勢いを均すための管である。
迂回管93は、少なくとも屈曲した部分を有するか、又は全体として屈曲している。
迂回管93の一端は、供給管91の他端に接続されている。
迂回管93の他端は、有孔管92の他端と接続されている。
[通風装置90/調整弁94]
調整弁94は、有孔管92に流入する圧縮空気の量を調整し、もって吹出孔92aから吹き出す圧縮空気の勢いを調整するための弁である。
調整弁94は、供給管91の途中に設置されている。すなわち、通風装置90が調整弁94を備えるものである場合にあっては、供給管91は二以上の管からなることになる。
調整弁94の一端は、第一の供給管91aの他端と接続されている。また、調整弁94の他端は、第二の供給管91bの一端と接続されている。
[通風装置90/小括]
以下、図16を参照しながら、供給管91と、有孔管92と、迂回管93と、を備える通風装置90における圧縮空気の流れについて、説明する。
供給手段から圧縮空気が供給されると、供給された圧縮空気は、供給管91の一端から他端に向かって流れ、供給管91の他端まで差し掛かると、直ちに有孔管92へと流れる圧縮空気と、迂回管93へと流れる圧縮空気と、に分れることになる。
直ちに有孔管92へと流れた圧縮空気は、有孔管92の一端から他端に向かって流れる過程において、吹出孔92aを通って外部へと吹き出す。
迂回管93へと流れた圧縮空気は、迂回管93の一端から他端に向かって流れ、迂回管93の他端まで差し掛かると、有孔管92へと流れることになる。
迂回管93を経由して有孔管92へと流れた圧縮空気は、有孔管92の他端から一端に向かって流れる過程において、吹出孔92aを通って外部へと吹き出す。
ここで、通風装置90が迂回管93を備えるものでない場合にあっては、有孔管92の一端側から他端側に近づくにつれて、孔92aから吹き出す圧縮空気の勢いは弱くなる。
これに比して、通風装置90が迂回管93を備えるものである場合にあっては、有孔管92の一端側にある吹出孔92aから吹き出す圧縮空気の勢いと、有孔管92の他端側にある吹出孔92aから吹き出す空気の勢いと、を均すことができる。
[通風装置90/第一の出口部52との関係]
以下、図17及び図18を参照しながら、通風装置90と第一の出口部52との関係の例について、説明する。
通風装置90は、第一の出口部52の近傍において、有孔管92が第一の出口部52に沿って延びるとともに、吹出孔92aが第一の出口部52がある方を向くようにして設置されることが好ましい。このとき、有孔管92が、例えば、図17に示すように、第一の出口部52が延びている方向に、すなわち、筒体50の長手方向に沿って延びていることが好ましい。もっとも、有孔管92は、筒体50の長手方向と垂直に交わる方向に沿って延びるようにして設置されてもよい。
通風装置90における圧縮空気の流れは、上記[通風装置90/小括]の項のとおりであるところ、以上のように通風装置90が第一の出口部52に設置された場合において、有孔管92の吹出口92aから吹き出した圧縮空気は、第一の出口部52の表面に沿って流れることになる。例えば、図17及び図18に示すように、第一の出口部52が曲面をなしている場合にあっては、吹出口92aから吹き出した圧縮空気は、この曲面に沿って流れることになる。
このとき、吹出口92aから吹き出した圧縮空気は、第一の出口部52の表面に沿って流れながら、孔52aの周囲に付着した食品部分F及び孔52aの周囲に付着するおそれのある食品部分Fを吹き飛ばしてゆく。
以上のようにして、通風装置90は、第一の出口部52における孔52aの周囲に付着した食品部分F及び孔52aの周囲に付着するおそれのある食品部分Fを吹き飛ばすことができる。
包装食品分別装置の斜視図であって、一部を透過したものである。 包装食品分別装置の斜視図であって、切断線を付したものである。 包装食品分別装置の断面図であって、図2中のa-a線に係るものである。 包装食品分別装置の断面図であって、図2中のb-b線に係るものである。 駆動装置の斜視図である。 主たる回転軸及び破砕部の斜視図であって、全体を示すものである。 主たる回転軸及び破砕部の斜視図であって、一部を示すものである。 主たる回転軸及び破砕部の斜視図であって、動きを示すものである。 主たる回転軸及び切断部の斜視図であって、一部を示すものである。 第一の出口部の斜視図であって、一部を示すものである。 第一の出口部の斜視断面図であって、図10中のc-c線に係るものである。 包装食品分別装置を使用した場合の作用を示す背面参考図である。 包装食品分別装置を使用した場合の作用を示す左側面参考図である。 包装食品分別装置を制御するための操作方法を示す流れ図である。 包装食品分別装置及び傾斜装置の左側面図である。 通風装置の斜視図である。 通風装置及び第一の出口部の関係を示す斜視図である。 通風装置及び第一の出口部の関係を示す斜視断面図であって、図17中のd-d線に係るものである。
1 包装食品分別装置
・10 駆動装置
・・11 第一の原動機
・・12 第一の駆動軸
・・13 小ベルト車
・・14 ベルト
・・15 大ベルト車
・20 主たる回転軸
・・21a 軸受(一端側)
・・21b 軸受(他端側)
・30 破砕部
・・31 突出部
・・32 連結部
・40 切断部
・・41 突出部
・・42 連結部
・50 筒体, 50a 本体部, 50b 開閉部, 50c 蝶番
・・51 入口部, (51a 欠番,) 51b 導入管
・・52 第一の出口部, 52a 孔, 52b 第一の収集管
・・53 第二の出口部,(53a 欠番,) 53b 第二の収集管
・・54 移動制限板
・・55 延長部
・60 送風装置
・・61 第二の原動機
・・62 第二の駆動軸
・・63 羽根車
・70 脚部
・80 傾斜装置
・・81 傾斜装置用回転軸
・・82 傾斜装置用軸受
・・83 枠体
・・84 角度調整板
・・85 固定手段
・90 通風装置
・・91 供給管, 91a 第一の供給管, 91b 第二の供給管
・・92 有孔管, 92a 吹出孔
・・93 迂回管
・・94 調整弁

A 主たる回転軸の中心線
W 包装食品から生じた廃棄物等
F 食品部分
P 包装部分
B 筒体の内部を一端側から他端側に向かって流れる風
R 通路

Claims (7)

  1. 駆動装置と、
    前記駆動装置の動力を受けて自らの中心線を中心に回転する回転軸と、
    前記回転軸に連結されている二以上の破砕部又は切断部であって、前記回転軸の径方向に沿って延びており、前記回転軸の軸方向に沿って互いに間隔をとって配置されており、かつ、当該回転軸の中心線を中心に回転するものと、
    前記破砕部又は前記切断部を覆う筒体であって、一端側かつ上側に入口部を、一端側と他端側との間かつ下側に第一の出口部を、他端側に第二の出口部を、それぞれ有するものと
    前記筒体の内部を一端側から他端側に向かって流れる風を送風する送風装置と、
    前記筒体の内周面のうち上側にある部分から下方向に延びており、かつ、前記回転軸の軸方向に沿って延びている移動制限板と、
    を備え
    前記破砕部又は前記切断部の回転と、前記送風装置の送風と、を独立して制御することができ、
    前記筒体の内部において前記破砕部又は前記切断部の上方に空隙が存在し、前記空隙に向けて前記送風装置が前記筒体の内部を一端側から他端側に向かって流れる風を送風し、
    分別をしようとする対象である、包装食品から生じた廃棄物等及びこれから分離された包装部分が、前記筒体の内部を一端側から他端側に向かって流れる風を受けて、前記破砕部又は前記切断部の上方に存在する空隙からなる通路を通って、前記筒体の内部を一端側から他端側に向かって移動する
    装食品分別装置。
  2. 前記破砕部又は前記切断部は、前記回転軸の周方向に沿って互いに間隔をとって配置されている請求項1に記載の包装食品分別装置。
  3. 前記破砕部又は前記切断部は、前記回転軸から径方向に突き出ている突出部を介して、前記回転軸に連結されており、
    前記破砕部又は前記切断部は、連結部を介して、前記突出部に連結されており、
    前記破砕部又は前記切断部は、前記連結部を中心に回転することができる状態にある
    請求項1又は2に記載の包装食品分別装置。
  4. 前記移動制限板は、前記筒体の内周面のうち前記回転軸の斜め上方に位置する部分から延びており、かつ、ここから斜め下方向に延びているものである請求項1~3のいずれか1項に記載の包装食品分別装置。
  5. 前記筒体が傾いていない状態と前記筒体が斜めに傾いている状態とを互いに切り替えるための傾斜装置を備える請求項1~4のいずれか1項に記載の包装食品分別装置。
  6. 前記第一の出口部の近傍に設置されて、当該第一の出口部に向けて風を通すための通風装置を備える請求項1~5のいずれか1項に記載の包装食品分別装置。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の包装食品分別装置を使用し、
    前記入口部から前記筒体の内部へと包装食品から生じた廃棄物等を入れ、
    前記第一の出口部から前記筒体の外部へと食品部分を出し、
    前記第二の出口部から前記筒体の外部へと包装部分を出し、
    包装食品から生じた廃棄物等を食品部分から生じる廃棄物等と包装部分から生じる廃棄物等とに分別する包装食品分別方法。
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