JP7121981B2 - 熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマー及び製品の製造方法 - Google Patents

熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマー及び製品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマー及び製品の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、3級アルコシキカルボニル基を末端に有するα-置換メタクリル酸系エステルに由来する重合単位を含み、比較的高温で分解し、かつ残渣が少ない熱分解性バインダー用のメタクリル酸系エステルポリマー、及びそれを用いた製品の製造方法に関する。本発明はセラミック焼結体製造用バインダー、スクリーン印刷用バインダー又は積層セラミックコンデンサ製造用バインダーに好適に使用できる。
近年の携帯電話、デジタルカメラ、パソコン、テレビ、DVDレコーダー等の通信機器や電子機器等の急速な小型化・高機能化・高速化に伴い、電子部品や電子デバイスの微少化・高密度化・高集積化が求められている。例えば、電子回路をスクリーン印刷でできるだけ精密で微細に印刷するためには、適度な粘性を持ち、焼結工程で熱分解して完全に揮発性成分にまで分解され、炭素を含む残渣を生じないバインダー(結合剤とも称される)が必要とされる。また、セラミックスや粉末金属成形用のバインダーの特性として、適度な粘性や極性を有し、加熱処理によって熱分解し、焼成後に炭素を含む残渣が生じないことが求められる。スクリーン印刷工程や積層セラミックコンデンサ製造に用いられるバインダーとして、ポリビニルブチラール(ブチラール樹脂、PVB樹脂)、メタクリル樹脂、セルロース誘導体が用いられることが多い。例えば、ブチラール樹脂(PVB樹脂)として、モビタール(クラレ製)、ピオロフォーム(クラレ製)が、アクリルポリマーとして、アロン(東亜合成製)が、アクリル系ポリマーとして、KCシリーズ(共栄社オリコックス製)、エチルセルロース(グラフト)アクリルポリマーとして、アクリットKWE(大成ファインケミカル製)が上市されている。
例えば、特開2017-226560号公報(特許文献1)、特開2017-186184号公報(特許文献2)、特開2016-89074号公報(特許文献3)、特開2008-202041号公報(特許文献4)、特開2014-256749号公報(特許文献5)、特開2004-217686号公報(特許文献6)でも熱分解性バインダー用ポリマーが提案されている。
このように、熱分解性バインダー用ポリマーに関する分野の技術展開は目覚ましい。
特開2017-226560号公報 特開2017-186184号公報 特開2016-89074号公報 特開2008-202041号公報 特開2014-256749号公報 特開2004-217686号公報
しかしながら、従来の熱分解性バインダー用ポリマーは、高温焼結時に残渣が生じることがあった。そのため、高温焼結時に残渣の発生をできるだけ抑えた熱分解性バインダー用ポリマーを提供することが求められている。
この課題を解決するため、発明者は、ポリマーの側鎖に熱分解性基を導入して、熱安定性の低下を引き起こすことなく、ある特定の温度で側鎖の官能基が熱分解し、揮発性の熱分解性生成物を放出し、側鎖の熱分解後に残存するポリマーが更に高温で速やかに解重合し、低分子量かつ揮発性の分解生成物にまで変換できれば、高温焼結時の分解を促進し、かつ使用時の熱安定性を保持できるものと考えた。
従来の熱分解性バインダー用ポリマーは、熱安定性に乏しく、貯蔵や取り扱いが面倒であった。また、従来の熱分解性バインダー用ポリマーを含む材料を単独で、あるいは他の材料と組み合わせて、混合、攪拌、溶解、濃縮、乾燥等の操作を行う際に、高温での操作が行えないという課題もあった。
発明者は、これまで知られていなかったBOC基を含むメタクリル酸系エステルに由来する重合単位を含むポリマーであれば、常温ではバインダーとしての効果を持ちながら、比較的高い温度での焼成過程では分解して残渣を少なくし得る熱分解性バインダー用ポリマーとして使用できることを見いだし、本発明に至った。
かくして本発明によれば、3級アルコシキカルボニル基を末端に有するα-置換メタクリル酸系エステルに由来する重合単位を含む熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマーであり、
前記メタクリル酸エステル系ポリマーは、窒素気流下において10℃/分の昇温速度で室温から500℃まで加熱した場合、残渣が1重量%以下になる性質を有することを特徴とする熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマーが提供される。
また、本発明によれば、セラミック焼結体、スクリーン印刷物又は積層セラミックコンデンサから選択される製品を製造する方法であって、前記製品を構成する部材と、上記熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマーとを含む混合物を加熱することで、前記熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマーを熱分解することにより、前記部材から構成される製品を製造することを特徴とする製品の製造方法が提供される。
本発明によれば、常温ではバインダーとしての効果を持ちながら、比較的高い温度での焼成過程では分解して残渣を少なくし得る熱分解性バインダー用ポリマーを提供できる。
本発明の熱分解性バインダー用ポリマーは、熱分解によって残渣を生じないことが望ましい用途全てに用いることができる。
また、以下のいずれかの場合、常温ではバインダーとしての効果を持ちながら、比較的高い温度での焼成過程では分解して残渣をより少なくし得る熱分解性バインダー用ポリマーを提供できる。
(1)熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマーが、前記3級アルコシキカルボニル基を末端に有するα-置換メタクリル酸系エステルと、3級アルコシキカルボニル基を末端に有さない1,1-ジ置換エチレン型モノマーとのコポリマー単位を含む。
(2)熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマーが、セラミック焼結体製造用バインダー、スクリーン印刷用バインダー又は積層セラミックコンデンサ製造用バインダーである。
(3)3級アルコシキカルボニル基を末端に有するα-置換メタクリル酸系エステルが、下記一般式(1):
Figure 0007121981000001
(式中、Rは、炭素数4~8の第3級アルキル基、Rは、置換基を有していてもよい、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素に由来する2価の基、Rは、置換基を有していてもよい、炭素数1~4のアルキル基から、それぞれ選択される。)
で示される構造を有する。
(4)Rがt-ブチル基、Rがエチレン基、Rがメチル基である。
(5)3級アルコシキカルボニル基を末端に有さない1,1-ジ置換エチレン型モノマーが、下記一般式(2):
Figure 0007121981000002
(式中、Rは、エステル基、フェニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルコキシ基、ニトリル基及びハロゲンから選択され、Rは、炭素数1~4のアルキル基から選択される。)
で示される構造を有する。
(6)3級アルコシキカルボニル基を末端に有さない1,1-ジ置換エチレン型モノマーが、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸i-ブチル、α-メチルスチレン及びリモネンから選択される。
(7)熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマーが、前記3級アルコシキカルボニル基を末端に有するα-置換メタクリル酸系エステルに由来する重合単位を10mol%以上含む。
合成BHEMAのH-NMRスペクトルである。 合成PBHEMAのH-NMRスペクトルである。 BHEMA9:MMA1のモル比で合成したP(BHEMA-co-MMA)のH-NMRスペクトルである。 BHEMA7:MMA3のモル比で合成したP(BHEMA-co-MMA)のH-NMRスペクトルである。 合成P(BHEMA-co-nBMA)のH-NMRスペクトルである。 合成P(BHEMA-co-AMS)のH-NMRスペクトルである。 合成BHEAのH-NMRスペクトルである。 合成PBHEAのH-NMRスペクトルである。 PBHEMA、P(BHEMA-co-MMA)-47、及びP(BHEMA-co-Lim)-59の熱重量曲線である。 PBHEMA、PBHEA、及びPBStの熱重量曲線である。 PBHEMA、P(BHEMA-co-MMA)-89、P(BHEMA-co-MMA)-73、及びP(BHEMA-co-MMA)-37の熱重量曲線である。 P(BHEMA-co-Lim)-95及びP(BHEMA-co-Lim)-59の熱重量曲線である。 P(BHEMA-co-nBMA)-57、P(BHEMA-co-iBMA)-57、及びP(BHEMA-co-tBMA)-50/50の熱重量曲線である。 PBHEMA及びPHEMAの熱重量曲線である。 200℃、60分加熱したPBHEMAの加熱前後のIRスペクトルである。 P(BHEMA-co-MMA)-37のH-NMRスペクトルと、P(BHEMA-co-MMA)-37を200℃で35分加熱した後のH-NMRスペクトルである。
3級アルコシキカルボニル基の一例であるt-ブトキシカルボニル(BOC)基は保護基として知られ、有機合成で利用される官能基であり、BOC基を有するポリマーは、高分子関連分野ではレジスト用の反応性ポリマーとして利用されている。反応性ポリマーは、光酸発生剤を組み合わせることで化学増幅レジストとして、1980年代に実用化されており、反応性ポリマーとして、BOC基を導入したスチレン系ポリマーが最も代表的なものとして挙げられている。BOC基を導入したスチレン系ポリマーは、ポリマーの側鎖に含まれるベンゼン環上のフェノール性の水酸基をBOC基で保護したものである。スチレン系ポリマー以外に、アミノ基(-R-NH-)やアミド基(-CONH)の活性水素をBOC基で置換したポリマーも知られている。一方、アクリル酸2-エチルヘキシル(HEA)やメタクリル酸2-エチルヘキシル(HEMA)の水酸基をBOC基で保護したモノマー及びそのポリマーに関する学術的な論文報告は発明者は承知していない。また、BOC基を含む(メタ)アクリル酸エステルに関するレジスト材料に関しても、特許第621721号公報及び特許第5696352号公報の2件の例があるにすぎない。
そのため、本発明の(1)3級アルコシキカルボニル基を末端に有するα-置換メタクリル酸系エステルに由来する重合単位を含み、(2)窒素気流下において10℃/分の昇温速度で室温から500℃まで加熱した場合、残渣が1重量%以下になる性質を有する、メタクリル酸エステル系ポリマーは、熱分解性バインダー用として極めて有用であると発明者は考えている。
以下、本発明をより詳細に説明する。
(熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマー)
熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマー(以下、単に熱分解性ポリマーとも呼称する)は、3級アルコシキカルボニル基を末端に有するα-置換メタクリル酸系エステルに由来する重合単位を含む。
本発明の熱分解性ポリマーであれば、下記効果を得ることが可能となる。
(i)熱分解開始温度を比較的高くすることができ(例えば、180℃)、その温度以下では安定であるため、高温での混合、攪拌、溶解、濃縮、乾燥等の操作や取り扱いが容易となる。
(ii)500℃以上での重量残渣を極めて小さくすることができる(例えば、窒素雰囲気での熱分解条件において分解前の重量に対して重量残渣を1%以下とすることができる)。
(iii)3級アルコシキカルボニル基を末端に有するα-置換メタクリル酸系エステルは、様々なモノマーと共重合可能であり、コポリマーのガラス転移温度を-80℃から150℃までの範囲で調整でき、かつ単独ポリマーと同様か、あるいは更に優れた分解特性を示すことが可能となる。
(iv)200℃で数分から数十分間加熱することにより、BOC基の脱保護が進行し、側鎖に水酸基を含むポリマーを容易に生成できる。脱保護後のポリマーは、脱保護前のポリマーと異なる溶解性を示し、脱保護前のポリマーは非極性溶媒に可溶であり、脱保護後は極性溶媒にも可溶となる。一般に、水酸基を含むメタクリル酸エステルモノマーを重合すると重合過程中にゲル化(架橋構造の形成)が起こり、溶媒に不溶なポリマーが生成するが、BOC基を含むメタクリル酸エステルポリマーの熱分解を経る過程では可溶性のポリマーを容易に得ることができる。そのため、熱分解を経る過程で製造したポリマーも上記と同様の熱分解性、すなわち500℃以上での重量残渣が極めて小さい特性を示す。
(1)3級アルコシキカルボニル基を末端に有するα-置換メタクリル酸系エステル
上記エステルとしては、例えば、下記一般式(1):
Figure 0007121981000003
(式中、Rは、炭素数4~8の第3級アルキル基、Rは、置換基を有していてもよい、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素に由来する2価の基、Rは、置換基を有していてもよい、炭素数1~4のアルキル基から、それぞれ選択される。)
で示される構造を有するエステルが挙げられる。
上記一般式(1)中、炭素数4~8の第3級アルキル基としては、t-ブチル基、t-アミル基、t-オクチル基等が挙げられる。
脂肪族炭化水素に由来する2価の基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等の直鎖状アルキレン基、エチリデン基、プロピレン基、1,2-ブチレン基、1,2-ジメチルエチレン基等の分岐鎖状アルキレン基、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデシレン基等のシクロアルキレン基が挙げられる。
芳香族炭化水素に由来する2価の基としては、フェニレン基、ナフタレンジイル基等が挙げられる。
炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基等が挙げられる。
上記R~Rにおいて、置換基としては、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホン基等が挙げられる。また、Rが芳香族炭化水素に由来する2価の基である場合、置換基には、炭素数1~4のアルキル基も挙げられる。
上記一般式(1)中、Rはt-ブチル基であることが好ましい。Rはアルキレン基が好ましく、エチレン基(-CHCH-)が更に好ましい。Rはメチル基が好ましい。
上記一般式(1)の3級アルコシキカルボニル基を末端に有するα-置換メタクリル酸系エステルは、例えば、末端にヒドロキシ基を有するメタクリル系モノマーと二炭酸ジアルキルとを、例えば室温で反応させることにより得ることができる。この反応には、触媒(例えば、ジメチルアミノピリジン、トリアルキルアミン(アルキルは炭素数1~4)等)及び溶媒(例えば、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、メチルエチルケトン等)を使用してもよい。
ポリマーは、3級アルコシキカルボニル基を末端に有するα-置換メタクリル酸系エステルに由来する単位のみからなっていてもよく、以下に記載する1,1-ジ置換エチレン型モノマーに由来する単位を含む場合、3級アルコシキカルボニル基を末端に有するα-置換メタクリル酸系エステルに由来する単位を10mol%以上含んでいてもよい。含有量がこの範囲にあることで、より残渣の少ない熱分解性ポリマーを提供できる。含有量は20~95mol%であることがより好ましく、30~95mol%であることが更に好ましい。
(2)3級アルコシキカルボニル基を末端に有さない1,1-ジ置換エチレン型モノマー
熱分解性ポリマーは、3級アルコシキカルボニル基を末端に有するα-置換メタクリル酸系エステルと、3級アルコシキカルボニル基を末端に有さない1,1-ジ置換エチレン型モノマーとのコポリマー単位を含んでいてもよい。
3級アルコシキカルボニル基を末端に有さない1,1-ジ置換エチレン型モノマー(以下、単に1,1-ジ置換モノマーとも称する)は、3級アルコシキカルボニル基を末端に有するメタクリル系モノマーと共重合させることができさえすれば、特に限定されない。
1,1-ジ置換モノマーは、例えば、下記一般式(4):
Figure 0007121981000004
(式中、Rは、エステル基、フェニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルコキシ基、ニトリル基及びハロゲンから選択され、Rは、炭素数1~4のアルキル基から選択される。)
で示される構造を有するモノマーが挙げられる。
がエステル基の場合、エステル基は第1級アルキルエステルであることが好ましい。具体的には、Rがメチル基の場合、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸テトラデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸i-ブチル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸シクロヘキシルメチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェネチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-クロロエチル、メタクリル酸2,2-ジアミノエチル等が挙げられる。
が置換アルキル基、Rがエステル基の場合、イタコン酸エステルが挙げられる。ここで、エステル基はメタクリル酸エステルと同様である。
がフェニル基、Rがメチル基の場合、α-メチルスチレン等が挙げられる。
がアルキル基、Rがメチル基の場合、イソブテン、ジイソブチレン、オリゴイソブチレン、ポリイソブチレン等があげられる。
がシクロアルキル基、Rがメチル基の場合、α-メチルビニルシクロヘキサン、α-メチルビニルシクロペンタン、リモネン等が挙げられる。
がアルキルカルボニルオキシ基、Rがメチル基の場合、酢酸イソプロペニル等が挙げられる。
がアルコキシ基、Rがメチル基の場合、α-メチルビニルアルキルエーテル等があげられる。
がニトリル基、Rがメチル基の場合、メタクリロニトリル等があげられる。
ここでアルキル基は直鎖状であっても分岐を含んでもよく、また置換基を含んでもよい。
(3)ポリマーの物性
ポリマーは、-80~150℃のガラス転移温度(Tg)を示すことが好ましい。Tgが-80℃未満の場合、熱分解性メタクリル酸エステル系ポリマーとしての取り扱い性が不十分となることがある。Tgが使用環境下の温度に比べて低い場合、あるいは使用環境下の温度より高い場合、熱分解性メタクリル酸エステル系ポリマーと同時に使用する他の材料との混和性や相溶性が不十分となることがある。また、熱分解性メタクリル酸エステル系ポリマーを用いて得られる製造物の成形性ならびに製造物の機械強度や靭性が不十分となることがある。Tgは-20℃~120℃がより好ましく、20~100℃が更に好ましい。
ポリマーは、2000~2000000のポリスチレン換算数平均分子量(Mn)を示すことが好ましい。Mnが2000未満の場合、製造物の成形性ならびに製造物の機械強度や靭性が不十分となることがある。Mnが2000000より大きい場合、熱分解性メタクリル酸エステル系ポリマーの取り扱い性が低下することがある。Mnは5000~200000がより好ましく、10000~100000が更に好ましい。
ポリマーは、1~10のMw/Mn(Mnは数平均分子量)を示すことが好ましい。Mw/Mnが10より大きい場合、ペースト中の粘着性が不十分となることがある。Mw/Mnは1~5がより好ましく、1~3が更に好ましい。
(4)熱分解性ポリマーの製造方法
熱分解性ポリマーの製造方法は、熱分解性ポリマーを製造するためのモノマー(例えば、3級アルコシキカルボニル基を末端に有するα-置換メタクリル酸系エステル及び1,1-ジ置換エチレン型モノマー)を、重合開始剤(又は重合触媒)の存在下で重合させることにより得ることができる。
重合開始剤(又は重合触媒)としては、ラジカル重合用の開始剤(アゾ開始剤、過酸化物、レドックス開始剤)であっても、アニオン重合開始剤(アルキルリチウム、グリニヤール化合物)であってもよく、また遷移金属触媒を用いる配位重合用触媒であってもよい。重合開始剤を用いてあるいは重合開始剤を用いずに、紫外線照射、放射線照射を行ってもよい。
具体的には、モノマーを、溶媒に溶解し、重合開始剤(又は重合触媒)の存在下で重合させることにより得ることができる。溶媒及び触媒の選択、重合条件(温度、時間等)は適宜設定できる。
溶媒としては、エーテル類(例えば、アニソール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、アルカン類(例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等)、カルボン酸エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)が挙げられる。触媒としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスジメチルバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等が挙げられる。
重合条件としては、熱重合開始剤の場合は、例えば、0~120℃の範囲で0.5~48時間加熱する条件が挙げられる。
本発明で得られるポリマーは、下記一般式(5)に示すように側鎖にアルコキシカルボニルオキシ基を含むポリマーであり、α-置換アクリル酸エステルを繰り返し単位として含む構造からなり、下記一般式(6)に示されるアルコキシカルボニルオキシ基を含むα-置換アクリル酸エステルを繰り返しとして含む構造からなる、あるいは、下記一般式(7)に示されるアルコキシカルボニルオキシ基を含むα-置換アクリル酸エステルと1,1-ジ置換エチレン型モノマーとを繰り返しの一部として含む構造からなる。ここで、アルコキシカルボニルオキシ基を含むα-置換アクリル酸エステルの繰り返し構造は、1種類であってもよいし、また2種類以上の構造を同時に含んでもよい。また、アルコキシカルボニルオキシ基を含むα-置換アクリル酸エステル以外の繰り返し構造は、1種類であってもよいし、また2種類以上の構造を同時に含んでもよい。
Figure 0007121981000005
Figure 0007121981000006
xはアルコキシカルボニルオキシ基を含むα-置換アクリル酸エステルに由来する単位の繰り返し数、yは1,1-ジ置換エチレン型モノマーに由来する単位の繰り返し数、を意味する。
Figure 0007121981000007
(5)添加剤
バインダーは、必要に応じて、溶剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、難燃剤、防かび剤、充填剤、着色剤等の添加物を含有してもよい。
(6)ポリマーを利用する製品
本発明の上記方法によって生産されたポリマーを利用する製品としては、セラミック焼結体、スクリーン印刷物又は積層セラミックコンデンサが挙げられる。上記ポリマーはこれらの製品の構成物として好適に使用できる。
本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の実施例では、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEMA、東京化成工業株式会社製)、二炭酸ジt-ブチル((BOC)O、和光純薬工業株式会社製)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、ナカライテスク株式会社製)、メタクリル酸メチル(MMA、ナカライテスク株式会社製)、メタクリル酸n-ブチル(nBMA、東京化成工業株式会社製)、メタクリル酸i-ブチル(iBMA、東京化成工業株式会社製)、メタクリル酸t-ブチル(tBMA、東京化成工業株式会社製)、リモネン(Lim,東京化成工業株式会社製)、(α-メチルスチレン(AMS、東京化成工業株式会社製)、過酸化ベンゾイル(BPO、ナカライテスク株式会社製)については市販品をそのまま使用した。2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN、和光純薬工業株式会社製)は再結晶(溶媒:クロロホルム)したものを用いた。その他の試薬、溶媒は購入したものをそのまま用いた。
また、以下の実験例では、熱重量減少、ガラス転移温度(Tg)、H―NMRスペクトル、IRスペクトル、分子量を、以下の装置を使用し、以下の条件で測定した。
(熱重量減少)
示差熱・熱重量同時測定装置(株式会社島津製作所製DTG-60)を使用し、窒素気流下(流量20~50mL/分)で測定した。
(ガラス転移温度)
示差走査熱量計(株式会社島津製作所製DSC-60)でTgを測定した。
H-NMRスペクトル)
FT-NMR分光計(日本電子株式会社製ECX-400:400MHz、ESC-400:400MHz)を使用して測定した。
(赤外吸収(IRスペクトル))
IRの測定には赤外分光光度計(日本分光株式会社製FTIR-4600)を用いた。
(分子量)
分子量測定には、サイズ排除クロマトグラフィー(カラム:東ソー株式会社製TSKgelGMHHR-N及びGMHHR-H、ポンプ:日本分光株式会社製PU-2080-Plus、RI検出器:日本分光株式会社製RI-2031-Plus、デガッサー:日本分光株式会社製DG-2080-53、恒温槽:クロマトサイエンスCS-300C,40℃、展開溶媒:テトラヒドロフラン、流速:0.8mL/分)を用いた。
実施例
(1)BOC基を含むメタクリル酸ヒドロキシエチル誘導体(BHEMA)の合成例
3.98gの(BOC)O、9.80gのHEMAを10mLのトルエンに溶解し、DMAP(0.490g)を加えて室温で24時間撹拌した。得られた溶液にクロロホルム(40mL)を加え、1%HCl(40mL、3回)で洗浄し、溶液中の有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、自然ろ過し、ろ液をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/ヘキサン=3/7体積比)で精製した。フラクションを減圧留去、真空乾燥して無色透明の液体を得た。H-NMRスペクトルにより構造を同定した(図1参照)。図1から、下記式の反応が起こっていることを確認できた。収量は1.65g、収率は31%であった。
Figure 0007121981000008
(2)BHEMAの重合例
BHEMA(0.49g,3.0mmol),BPO(7.3mg,0.03mmol)をトルエン3mLに溶かし、均一溶液とした。これをコック付きの重合管に入れ、凍結-脱気-融解サイクルを3回行った。凍結-脱気-融解サイクルの手順は以下のとおりである。まず、重合管の内容物を液体窒素で凍結した後、真空ポンプを用いて重合管内の空気を減圧脱気し、コックを閉じてから室温で融解、その後液体窒素で再度凍結して真空脱気した。これらの操作を3回繰り返した。その後、恒温槽で80℃、24時間重合した。反応後、反応溶液を水/メタノール混合溶液(1:9体積比)中に滴下し、ポリマーを沈殿させた。デカンテーションによってポリマーを分離し、60℃で3時間真空乾燥することで乾燥したポリマーを得た。収量0.36g、収率73%であった。H-NMRスペクトルにより構造を同定した(図2参照)。図2から、下記式の反応が起こっていることを確認できた。SECにより求めたポリマーのMnは2.8×10、Mw/Mnは3.1であった。熱重量分析により求めたポリマーの分解開始温度(5%重量減少温度、Td5)は、199℃(窒素気流下、昇温速度10℃/分)であった。DSCにより求めたポリマーのガラス転移温度(Tg)は49℃であった。
Figure 0007121981000009
(3)BHEMAとMMAのコポリマー(P(BHEMA-co-MMA)の合成例1
所定のモル比のBHEMAとMMAならびに1重量%のBPOをトルエンに溶解し、均一溶液とした。これを重合管に入れ、凍結-脱気-融解サイクルを3回行った後、恒温槽で80℃、10時間重合した。重合時の反応式を下記する。
Figure 0007121981000010
反応後、反応溶液を水/メタノール混合溶媒(1:9体積比)中に滴下し、コポリマーを沈殿させ、単離したコポリマーを60℃で3時間真空乾燥した。収率は79%であった。BHEMAとMMAの仕込みモル比9:1の条件で共重合によって生成したコポリマーの収率は79%であった。H-NMRスペクトル(図3Aに示す)によりコポリマー中の組成比を決定したところ、BHEMAの水素由来のピーク(b、c)の積分強度と、MMAの水素由来のピーク(f)の積分強度計算によって、コポリマー中の組成は、x/y=89/11であった。SECにより求めたMnは3.1×10、Mw/Mnは2.6であった。Td5は197℃、Tgは52℃であった。
(4)BHEMAとMMAのコポリマー(P(BHEMA-co-MMA)の合成例2
上記合成例1と同様に、BHEMAとMMAの仕込みモル比7:3の条件で80℃、24時間重合することによって生成したコポリマーの収率は50%であった。H-NMRスペクトル(図3Bに示す)によりコポリマー中の組成比を決定したところ、BHEMAの水素由来のピーク(b、c)の積分強度と、MMAの水素由来のピーク(f)の積分強度計算によって、コポリマー組成は、x/y=73/27であった。SECにより求めたMnは2.8×10、Mw/Mnは2.5であった。Td5は199℃、Tgは68℃であった。
(5)BHEMAとnBMA、iBMA、AMSあるいはLimとのコポリマー(それぞれP(BHEMA-co-nBMA、BHEMA-co-iBMA、BHEMA-co-AMS、BHEMA-co-Lim)の合成例
所定量のBHEMAと、所定量のnBMA、iBMA、AMS、あるいはLim、ならびに所定量のBPOあるいはAIBNを用いて、80℃あるいは60℃で10時間あるいは24時間重合した。反応式は(3)の反応式のMMAをそれぞれnBMA、iBMA、AMSあるいはLimに置き換えたものである。反応後、反応溶液をメタノール中に滴下し、それぞれコポリマーを単離した。60℃で3時間真空乾燥後、H-NMRスペクトルによりコポリマー中の組成比を決定した。
BHEMAとnBMAの仕込みモル比1:1の条件で、開始剤としてBPOを用いて80℃で10時間共重合することによって生成したコポリマーの収率は47%であった。図4Aに示すH-NMRスペクトルによりコポリマー中の組成比を決定したところ、BHEMAの水素由来のピーク(b、c)の積分強度と、nBMAの水素由来のピーク(f)の積分強度計算によって、コポリマー組成は、x/y=57/43であった。SECにより求めたMnは3.3×10、Mw/Mnは1.9であった。Td5は210℃、Tgは39℃であった
BHEMAとAMSの仕込みモル比1:1の条件で、開始剤としてAIBNを用いて60℃で24時間共重合することによって生成したコポリマーの収率は19%であった。図4Bに示すH-NMRスペクトルによりコポリマー中の組成比を決定したところ、BHEMAの水素由来のピーク(b、c)の積分強度と、AMSの水素由来のピーク(f)の積分強度計算によって、コポリマー組成はx/y=51/49であった。SECにより求めたMnは3.9×10、Mw/Mnは2.1であった。Td5は182℃、Tgは77℃であった。
他のコポリマーも同様の方法で、合成し、組成を決定した。
上記合成例から得られたポリマーの数平均分子量(Mn)、多分散度(Mw/Mn)、分解開始温度(5%重量減少温度、Td5)、ガラス転移温度(Tg)を、ポリマーの製造条件とあわせて、表1に示す。コポリマーのTgの値は、用いた1,1-ジ置換エチレン型モノマーの種類に依存して異なった。BHEMAとMMAのコポリマーのTgの値は、コポリマー中のMMA含量の増加に伴って高くなり、コポリマー中のBHEMA組成が28mol%から89mol%のコポリマーに対して52℃から88℃の値であった。BHEMAとAMSのコポリマーのTgの値は、BHEMAとMMAのコポリマーのTgの値と同様の77℃であった。BHEMAとnBMAあるいはiBMAのコポリマーのTgの値は39℃から48℃であり、コポリマーは比較的柔軟な固体であった。BHEMAとLimのコポリマーのTgは、PBHEMAのTgの値に比べてわずかに低い値(37℃から40℃)であった。
Figure 0007121981000011
(6)PBHEMAの熱分解によるPHEMAの製造例
(2)BHEMAの重合例と同様にして合成したPBHEMAを、減圧下、200℃で30分時間加熱することによってPHEMAを合成した。加熱前後のIRスペクトル(図8に示す)の比較より、加熱前のスペクトルの1760cm-1に観察されたt-ブトキシカルボニルオキシ基に含まれるカルボニル基の伸縮振動に基づく吸収が加熱後に消失し、新たに3400cm-1付近に水酸基に基づく吸収が出現した。加熱前のPBHEMAは、トルエン、クロロホルム等の非極性溶媒に可溶であったのに対し、加熱によって生成したPHEMAは、アセトンや酢酸エチル等の極性溶媒に可溶となった。熱重量分析による分解開始温度(Td5)は254℃、500℃における重量残渣は、1.5重量%であった。
比較例1:PBStの作製例
水/メタノール(体積比1/4)の混合水溶液40mLと酢酸4-ビニルフェニル1.04gの混合物に、酢酸アンモニウムを3.97g添加した後、室温で24時間撹拌した。反応混合物をエバポレーターで濃縮し、残渣を酢酸エチルで抽出した(40mL、3回)。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、自然ろ過し、ろ液を減圧留去した後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒:クロロホルム/酢酸エチル(95/5、体積比)で精製し、4-ヒドロキシスチレンを単離した。収量は0.54g、収率は73%であった。氷浴中、上記の方法で合成した4-ヒドロキシスチレン0.54gに炭酸カリウム0.96g、テトラヒドロフラン1mLを加え室温で30分撹拌した。反応混合物に、二炭酸ジ-t-ブチル0.88gを添加した後、室温に戻し、さらに24時間撹拌した。その後、イオン交換水5mLを加えクロロホルム(10mL、3回)で抽出を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、自然ろ過し、ろ液を減圧留去した後、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/ヘキサン(7/3、体積比)で精製、得られた流出液から溶媒を減圧留去、真空乾燥し、無色液体の4-(t-ブトキシカルボニルオキシ)スチレンを得た。収量は0.82g、収率は82%であった。4-(t-ブトキシカルボニルオキシ)スチレン0.65g、AIBN4.9mg、トルエン5mLを重合管に入れ、凍結-脱気-融解サイクルを3回行った後、恒温槽で60℃、24時間重合した。反応混合物を300mLのメタノール中に滴下し、生成物のPBStを沈殿させた。単離したPBStを60℃で2時間真空乾燥した。収量は0.43g、収率は66%であった。SECにより求めたポリマーのMnは3.2×10、Mw/Mnは1.7であった。熱重量分析により求めたポリマーのTd5は181℃であった。DSCにより求めたポリマーのTgは123℃であった。
比較例2:PBPhMAの作製例
アクリル酸クロリド(1.8g)、4-(t-ブトキシカルボニルオキシ)ベンジルアルコール(4.5g)、トリエチルアミン(250mL)を塩化メチレン25mLに溶かし、0℃で5時間攪拌した後、さらに室温で24時間撹拌した。反応混合物をろ過し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒:クロロホルム/ヘキサン=5/5、体積比)で精製し、アクリル酸4-(t-ブトキシカルボニルオキシ)ベンジル(BPhMA)を単離した。収量は2.4g、収率は43%であった。AIBN(2.5mg)及びBPhMA(0.5g)をアニソール(2g)に溶解して、均一溶液を得た。これを重合管に入れ、凍結-脱気-融解サイクルを3回行った後、恒温槽で60℃、3時間重合した。重合反応後、反応溶液をメタノール(200mL)中に滴下して、ポリマーを沈殿させた。これをデカンテーションにより分離し、60℃で3時間真空乾燥した。収量は0.33g(収率66%)であった。Mnは2.7×10、Mw/Mnは2.7であった。
比較例3:PBHEAの合成例
HEA4.64gとBOCO8.73gとをトルエン(10mL)に溶解し、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP:0.490g)を加え、室温で24時間撹拌することで、BHEAを得た。得られた混合液にクロロホルム(40mL)を加えた後、5%HCl水溶液(40mL)で3回洗い、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥した溶液を自然ろ過し、ろ液をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/ヘキサン=5/5、体積比)により精製した。得られた精製物を減圧留去及び真空乾燥することで無色透明の液体を得た。収量は7.54g、収率は87%であった。H-NMRスペクトルにより構造を同定した。
H-NMR(400MHz、CDCl);δ6.40(d,J=16.0Hz,1H),6.14-6.07(dd,J=12.0Hz及び8.0Hz,1H)、5.82(d,J=12.0Hz,1H)、4.34-4.26(m,4H)、1.45(s,9H)
AIBN(2.5mg)及びBHEA(0.5g)をアニソール(2g)に溶解して、均一溶液を得た。これを重合管に入れ、凍結-脱気-融解サイクルを3回行った後、恒温槽で60℃、3時間重合した。重合反応後、反応溶液を水/メタノール混合溶液(200mL)(1:9、体積比)中に滴下して、ポリマーを沈殿させた。これをデカンテーションにより分離し、60℃で3時間真空乾燥した。収量は0.39g(収率78%)であった。SECにより求めたMnは24×10、Mw/Mnは2.4であった。熱重量分析により求めたTd5は187℃、DSCにより求めたTgは20℃であった。
実施例13:BHEMAとtBMAとのコポリマー(BHEMA-co-tBMA)の合成例
所定のモル比のBHEMAとtBMAならびに1重量%のBPOをトルエンに溶解し、均一溶液とした。これを重合管に入れ、凍結-脱気-融解サイクルを3回行った後、恒温槽で80℃、24時間重合した。重合反応後、反応溶液を水/メタノール混合溶液(200mL)(1:9、体積比)中に滴下して、ポリマーを沈殿させた。これをデカンテーションにより分離し、60℃で3時間真空乾燥した。収率は26%であった。SECにより求めたポリマーのMnは3.2×104、Mw/Mnは1.7であった。熱重量分析により求めたTd5は、208℃であった。DSCにより求めたTgは76℃であった。
熱重量分析の結果
ポリマーを窒素気流下、10℃/分で昇温した時の各温度での重量残渣量(重量%)を表2に示す。PBHEMA、P(BHEMA-co-MMA)-47、及び(BHEMA-co-Lim)-59の熱重量曲線を図7Aに示す。PBHEMA、PBHEA、及びPBStの熱重量曲線を図7Bに示す。PBHEMA、P(BHEMA-co-MMA)-89、P(BHEMA-co-MMA)-73、及びP(BHEMA-co-MMA)-37の熱重量曲線を図7Cに示す。P(BHEMA-co-Lim)-95及びP(BHEMA-co-Lim)-59の熱重量曲線を図7Dに示す。P(BHEMA-co-nBMA)-57、P(BHEMA-co-iBMA)-59、及びP(BHEMA-co-tBMA)-50/50の熱重量曲線を図7Eに示す。PBHEMA及びPHEMAの熱重量曲線を図7Fに示す。
Figure 0007121981000012
表2のポリマーの構造式をまとめて下記する。
Figure 0007121981000013
熱重量分析曲線に共通してみられる200℃付近での急激な重量減少は、下記反応式に示すポリマー及びコポリマーの側鎖BOC基の熱分解反応によるイソブテンと二酸化炭素の脱離によるものであり、単独ポリマーであるPBHEMAや各種1,1-ジ置換エチレン型モノマーとのコポリマーに対して、同様の温度で起こることがわかる(Td5の値は、182℃から211℃の範囲、表1参照)。共重合に用いた1,1-ジ置換エチレン型モノマーの種類ごとにTg5の値を比較すると、MMAとのコポリマーならびにLimとのコポリマーのTd5値は197℃から200℃の狭い温度範囲にあり、PBHEMAのTd5値(199℃)と同様であった。熱分解によって解重合が進行しやすいことが知られているAMSとのコポリマーのTd5値は182℃であった。nBMA、iBMA、tBMAとのコポリマーのTd5値は208℃から210℃の範囲にあった。
Figure 0007121981000014
重量減少の割合は、ポリマー中に含まれるBOC基の量に依存し、ポリマーの化学構造から予想される値とよく一致した。本発明によるポリマーならびにコポリマーに含まれるアルコール性の水酸基をBOC基で保護した場合の分解開始温度(脱保護が起こる温度)は、フェノールを保護したもの(比較例1及び比較例2)に比べて高く、本発明のBOC基で保護したアルコール性の水酸基を含むポリマーならびにコポリマーが熱安定性に優れていることを示す。例えば、実施例で示したポリマーはいずれも180℃以下で重量減少は認められず(重量残渣量は95%以上)、200℃においてもなお93.4%から97.3%の高い重量残渣量を示した。これに対し、フェノール性の水酸基を保護したPBSt(比較例1)ならびにPBAPhMA(比較例2)では、160℃付近から重量減少が観察され、特に比較例2では分解温度が低く、この場合には200℃においてBOC基の脱保護反応が完了していることを示す。
BOC基の熱分解によって生成したポリマー及びコポリマーは更に加熱することにより、下記反応式に示すように、低分子量で揮発性の高いモノマーが生成する解重合機構によって分解反応が起こり、ポリマー及びコポリマーは低分子量で揮発性の高い分解生成物に変換されるため残渣を生じない。
Figure 0007121981000015
実施例に示したポリマーならびにコポリマーの500℃における重量残渣は、1%以下であり、600℃においては多くのコポリマーが0.1%以下の重量残渣を生じるにすぎないことがわかった。これらBOC基を含むポリマーならびにコポリマーが、加熱によって完全に揮発性の分解生成物のみを与えることが厳密に要求される用途に適していることを示す。
一方、比較例1から比較例に示したポリマーの500℃における重量残渣は、.9%から34.4であり、加熱によって完全に揮発性の分解生成物を与えることが要求される用途には使用できないことがわかる。比較例1から比較例に示したポリマーの400℃における重量残渣は、26.7%から54.8%であり、実施例1から実施例12に示したポリマーの400℃における重量残渣が0.4%から6.4%であることと大きく異なる。比較例3に示したポリマーPBHEAは、PBHEMAと同じ側鎖構造(BOC基で保護した2-ヒドロキシエチルエステル構造)を有するが、アクリル酸エステルがα-メチル基を含まないモノ置換型エチレンであり、そのポリマーであるポリアクリル酸エステル(PBHEA)の熱分解では、ランダム分解が優先して進行し、低分子量で揮発性の高いモノマーが生成する解重合機構による分解反応が起こりにくいことが知られている。このような場合には、定量的に揮発性のモノマーを生成することが困難であり、そのため複雑な熱分解反応を引き起こし、500℃以上での重量残渣が生じる。このことは、効率よく加熱によって完全に揮発性の分解生成物を与えるために、BHEMAの重合、あるいはBHEMAと1,1-ジ置換エチレン型モノマーとを組み合わせた共重合によって生成するポリマーあるいはコポリマーが適していることを示す。
特に、メタクリル酸系エステル、α-メチルスチレン(AMS)やリモネン(Lim)等の解重合が起こりやすい1,1-ジ置換エチレン型モノマーと組み合わせることが有効である。更に、BHEMAとメタクリル酸系エステルとを組み合わせる場合において、アルキルエステルはメチルエステル(MMA)、あるいはn-ブチルエステルやi-ブチルエステル等の第1級アルキルエステル(nBMA、iBMA等)であることが好ましい。実施例13および図7Eに示すように、t-ブチルエステル等の第3級アルキルエステル(tBMA等)エステルアルキル基を含むメタクリル酸エステルとBHEMAのコポリマー(仕込み組成1:1モル比)の熱分解では、オレフィンやアルコールの脱離が起こりやすく、このような場合においては、400℃で残渣が生じやすい。tBMAとBHEMAのコポリマー(仕込み組成1:1モル比)は、500℃以上加熱することにより残渣量は1%以下となり、比較例1から比較例3と比べると、熱分解に優れている。
また、PBHEMAを200℃で数分から数十分間加熱することにより、BOC基を定量的に熱分解し、ポリメタクリル酸2-ヒドロキシエチルを製造することができる。図8に、PBHEMAのIRスペクトルと、PBHEMAを200℃で60分加熱した後のIRスペクトルを示す。加熱前のスペクトルの1760cm-1に観察されたt-ブトキシカルボニルオキシ基に含まれるカルボニル基の伸縮振動に基づく吸収が加熱後に消失し、新たに3400cm-1付近に水酸基に基づく吸収が出現した。このことから、PBHEMAの加熱によってPHEMAが生成していることがわかる。図7FのPBHEMA及びPHEMAの熱重量曲線からわかるように、BOC基の熱分解を経る過程で製造したPHEMAは、500℃以上での小さい重量残渣の値を示し、熱分解性に優れている。
図9に、P(BHEMA-co-MMA)-37のH-NMRスペクトルと、P(BHEMA-co-MMA)-37を200℃で35分加熱した後のH-NMRスペクトルを示す。加熱前のスペクトルの1.5ppmに観察されたt-ブトキシカルボニルオキシ基に含まれるメチル基の水素に基づく吸収が加熱後に消失した。一般に、水酸基を含むメタクリル酸エステルモノマーを重合すると重合過程中にゲル化(架橋構造の形成)が起こり、溶媒に不溶なポリマーが生成することが知られているが、BOC基を含むメタクリル酸エステルポリマーの熱分解を経る過程によって、効率よく可溶性のポリマーを得ることができる。脱保護前のポリマーは、トルエン、クロロホルム等の非極性溶媒に可溶であるのに対し、脱保護後のポリマーは、脱保護前のポリマーと異なる溶解性を示し、脱保護後のポリマーは、アセトンや酢酸エチル等の極性溶媒に可溶となった。

Claims (9)

  1. 3級アルコキシカルボニル基を末端に有するα-置換メタクリル酸系エステルに由来する重合単位を含む熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマーであり、
    前記メタクリル酸エステル系ポリマーは、前記3級アルコキシカルボニル基を末端に有するα-置換メタクリル酸系エステルに由来する重合単位を10mol%以上含み、窒素気流下において10℃/分の昇温速度で室温から500℃まで加熱した場合、残渣が1重量%以下になる性質を有することを特徴とする熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマー。
  2. 前記熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマーが、前記3級アルコキシカルボニル基を末端に有するα-置換メタクリル酸系エステルに由来する重合単位を20mol%以上含む請求項1に記載の熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマー。
  3. 前記熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマーが、前記3級アルコキシカルボニル基を末端に有するα-置換メタクリル酸系エステルからなるポリマー又は前記3級アルコキシカルボニル基を末端に有するα-置換メタクリル酸系エステルと、3級アルコキシカルボニル基を末端に有さない1,1-ジ置換エチレン型モノマーとのコポリマー単位を含むポリマーである請求項1又は2に記載の熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマー。
  4. 前記熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマーが、セラミック焼結体製造用バインダー、スクリーン印刷用バインダー又は積層セラミックコンデンサ製造用バインダーである請求項1~3のいずれか1つに記載の熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマー。
  5. 前記3級アルコキシカルボニル基を末端に有するα-置換メタクリル酸系エステルが、下記一般式(1):
    Figure 0007121981000016

    (式中、Rは、炭素数4~8の第3級アルキル基、Rは、置換基を有していてもよい、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素に由来する2価の基、Rは、置換基を有していてもよい、炭素数1~4のアルキル基から、それぞれ選択される。)
    で示される構造を有する請求項1~のいずれか1つに記載の熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマー。
  6. 前記Rがt-ブチル基、前記Rがエチレン基、前記Rがメチル基である請求項に記載の熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマー。
  7. 前記3級アルコキシカルボニル基を末端に有さない1,1-ジ置換エチレン型モノマーが、下記一般式(2):
    Figure 0007121981000017

    (式中、Rは、エステル基、フェニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルコキシ基、ニトリル基及びハロゲンから選択され、Rは、炭素数1~4のアルキル基から選択される。)
    で示される構造を有する請求項3及び請求項3を引用する場合の請求項4~6のいずれか1つに記載の熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマー。
  8. 前記3級アルコキシカルボニル基を末端に有さない1,1-ジ置換エチレン型モノマーが、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸i-ブチル、α-メチルスチレン及びリモネンから選択される請求項3、7及び請求項3を引用する場合の請求項4~6のいずれか1つに記載の熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマー。
  9. セラミック焼結体、スクリーン印刷物又は積層セラミックコンデンサから選択される製品を製造する方法であって、前記製品を構成する部材と、請求項1~8のいずれか1つに記載の熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマーとを含む混合物を加熱することで、前記熱分解性バインダー用のメタクリル酸エステル系ポリマーを熱分解することにより、前記部材から構成される製品を製造することを特徴とする製品の製造方法。
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