JP7121283B2 - ニッケルコバルト複合水酸化物の製造方法及び非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1においては、ニッケル、コバルト、マンガン及び添加元素を含む溶液を用いて、添加元素をニッケル、コバルト、マンガンと共沈させ、ニッケルコバルト複合水酸化物の二次粒子内部において添加元素を均一に存在させる製造方法が記載されている。
図1は、本実施形態に係る正極活物質の製造方法を説明するためのものである。図1を参照してニッケルコバルト複合水酸化物の製造方法及び非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法について説明する。
まず、ニッケル及びコバルトを含む第一溶液(以下「混合溶液」ともいう)と、25℃におけるpH(以下、pHについては液温25℃にて測定した場合の値とする。)が10以上のタングステンを含む第二溶液(以下「W溶液」ともいう)と、錯イオン形成因子を含む第三溶液(以下、「錯イオン形成溶液」ともいう)と、pHが10以上13.5以下である液媒体(以下「反応前溶液」ともいう)と、を準備する。次に、晶析工程として、反応前溶液に対して、混合溶液と、W溶液と、錯イオン形成溶液と、を別々に且つ同時に供給して反応溶液を形成する。このとき反応溶液のpHを10以上13.5以下の範囲に維持する。反応溶液からニッケル、コバルト及びタングステンを含む複合水酸化物を得る。以上により一次粒子が凝集してなる二次粒子からなるニッケルコバルト複合水酸化物が製造される。次に、熱処理工程において、このようにして得られるニッケル、コバルト及びタングステンを含む複合水酸化物を熱処理して熱処理物を得る。次に、混合工程として、熱処理物とリチウム化合物とを混合してリチウム混合物を得る。次に、焼成工程として、リチウム混合物を焼成することにより、ニッケル及びコバルトを含む層状構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を得る。以上により非水系電解質二次電池用正極活物質が製造される。
混合溶液は、目的のリチウム遷移金属酸化物の組成に応じてタングステンを除く各金属を含む塩を所定量水に溶解して調製される。塩の種類としては、硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩などが挙げられる。また、混合溶液を調製する際に、各金属を含む塩を溶解しやすくするために、水に酸性溶液(例えば硫酸水溶液)を加えてもよい。この場合、塩基性溶液をさらに加えてpH調整を行ってもよい。また混合溶液におけるニッケル等の金属元素の合計モル数は、目的とするリチウム遷移金属酸化物の平均粒径に応じて適宜設定できる。ここで金属元素の合計モル数は、混合溶液が、ニッケル及びコバルトを含む場合はニッケル及びコバルトの合計モル数であり、ニッケル、コバルト及びマンガンを含む場合はニッケル、コバルト及びマンガンの合計モル数を意味する。
W溶液は、実質的に金属イオンとしてタングステンイオンのみを含む溶液とする。W溶液は、目的の組成に応じてタングステン化合物を塩基性溶液に溶解してpHが10以上になるように調製される。タングステン化合物としては、パラタングステン酸アンモニウム、タングステン酸ナトリウムが挙げられる。W溶液におけるタングステンのモル数は、目的とする正極活物質の組成と混合溶液におけるニッケル等の合計モル数に応じて適宜調整する。実質的に金属イオンとしてタングステンイオンのみを含むとは、不可避的に混入する他の金属イオンの存在を許容することを意味する。W溶液における他の金属イオンの存在量は、タングステンイオンに対して例えば500ppm以下であり、50ppm以下が好ましい。W溶液におけるタングステンイオン濃度は、例えば0.04mol/L以上1.2mol/L以下、好ましくは0.6mol/L以上1.0mol/L以下である。
錯イオン形成溶液は、混合溶液に含まれる金属元素と錯イオンを形成する錯イオン形成因子を含むものである。例えば錯イオン形成因子がアンモニアである場合、錯イオン形成溶液にはアンモニア水溶液を用いることができ、アンモニア水溶液中に含まれるアンモニアの含量は、例えば5重量%以上25重量%以下、好ましくは10重量%以上20重量%以下である。
反応前溶液は、pH10以上13.5以下の液媒体であり、例えば、反応容器に、所定量の水と、水酸化ナトリウム水溶液等の塩基性溶液を用いてpH10以上13.5以下の溶液として調整される。溶液のpHを10以上13.5以下に調整することで、反応初期における反応溶液のpH変動を抑制することができる。
反応前溶液に対して、形成される反応溶液のpHを10以上13.5以下の範囲に維持しつつ、混合溶液と、W溶液と、錯イオン形成溶液とを別々に且つ同時に供給することにより、反応溶液からニッケル、コバルト及びタングステンを含む複合水酸化物粒子を得ることができる。反応前溶液には、混合溶液、W溶液及び錯イオン形成溶液に加えて、塩基性溶液を同時に供給してもよい。これにより反応溶液のpHを10以上13.5以下の範囲に容易に維持することができる。
Ni1-x-yCox 1MyWz(OH)2+p (1)
ニッケルコバルト複合水酸化物の製造方法においては、図2に示すように晶析工程の前に種生成工程を有することが好ましい。反応前溶液に対して、混合溶液の一部を供給することによりニッケル及びコバルトを含む複合水酸化物粒子を種晶として含む種溶液を得ることができる。すなわち、晶析工程に供する液媒体は、ニッケル及びコバルトを含む複合水酸化物を含む種溶液であることが好ましい。種生成工程にて得られるニッケル及びコバルトを含む複合水酸化物の粒子一個が、晶析工程後に得られる複合水酸化物の粒子一個を構成する種晶となることから、種生成工程において得られる種晶の数によって、晶析工程後に得られる水酸化物の二次粒子の総数を制御することができる。例えば、種生成工程において混合溶液を多く供給すると生成する種晶の数が多くなるので、晶析工程後の複合水酸化物の二次粒子の平均粒径が小さくなる傾向がある。また、例えば、種生成工程のpHを晶析工程のpHより高くする場合は、生成する種晶の成長よりも種晶の生成が優先されることで、より均質な粒径を有する種晶が生成し、粒度分布の狭い種溶液を得ることができる。これにより粒度分布の狭い複合水酸化物を得ることができる。種生成工程後、種溶液に対して、反応溶液のpHを10以上13.5以下の範囲に維持しつつ、混合溶液と、W溶液と、錯イオン形成溶液と、を別々に且つ同時に供給することで上述の晶析工程を行う。
熱処理工程では、上述のニッケルコバルト複合水酸化物の製造方法で得られるニッケルコバルト複合水酸化物を大気雰囲気下、熱処理することにより含有する水分を除去して熱処理物を得る。得られる熱処理物にはニッケルコバルト遷移金属酸化物が含まれる。
熱処理の温度は例えば、105℃以上900℃以下とし、熱処理時間は5時間以上30時間以下とする。
混合工程は、ニッケルコバルト遷移金属酸化物を含む熱処理物と、リチウム化合物とを混合して、リチウム混合物を得る工程である。
焼成工程は、混合工程で得られるリチウム混合物を熱処理して、リチウム遷移金属複合酸化物を得る工程である。焼成工程において、リチウム化合物に含まれるリチウムがニッケルコバルト遷移金属酸化物中に拡散することにより、リチウム遷移金属複合酸化物を得ることができる。
本実施形態の正極活物質は、式(2)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物を含む。リチウム遷移金属複合酸化物は、層状構造を有する六方晶系の結晶構造を有するものである。
LipNi1-x-yCox 2MyWzO2 (2)
(各溶液の準備)
硫酸ニッケル溶液と、硫酸コバルト溶液と、硫酸マンガン溶液と、をそれぞれ金属元素のモル比で1:1:1になるように水に溶解して混合した混合溶液(ニッケルイオン、コバルトイオン及びマンガンイオンを合わせた濃度で1.7モル/L)を準備した。混合溶液中の金属元素の総モル数を474モルとした。
パラタングステン酸アンモニウム4.7モル分を水酸化ナトリウム水溶液に溶解させて液温25℃におけるpHが12.3であるW溶液(濃度1.5モル/L)を準備した。
塩基性水溶液として、25重量%の水酸化ナトリウム水溶液を準備した。
錯イオン形成溶液として、12.5重量%のアンモニア水溶液を準備した。
反応容器に水40リットルを準備し、水酸化ナトリウム水溶液をpHが12.5になるように加えた。窒素ガスを導入し反応容器内を窒素で置換して反応前溶液を準備した。
反応溶液を撹拌しながら、反応前溶液に対して混合溶液をニッケル等の総モル数として4モル分加えて、ニッケル、コバルト及びマンガンを含む複合水酸化物を析出させた。
残りの混合溶液470モル分と、W溶液4.7モル分と、水酸化ナトリウム水溶液と、アンモニア水溶液を、塩基性(pH11.3)条件下、反応溶液中においてニッケル濃度が約300ppmであり、アンモニウム濃度が約10000ppmとなるように、それぞれを別々に且つ同時に反応溶液を撹拌しながら供給して、ニッケル、コバルト、マンガン及びタングステンを含む複合水酸化物粒子を析出させた。混合溶液の供給時間は18時間であった。
反応溶液の温度は、約50℃になるように制御した。
実施例1のニッケルコバルト複合水酸化物の高角度環状暗視野走査透過型電子顕微鏡(HAADF-STEM)像(以下、HAADF像)を図3に、TEM-EDX像を図4に示す。図3ではニッケルコバルト複合水酸化物粒子は、複数の一次粒子からなる二次粒子を形成している。図3において、一次粒子内部1は、例えば×で示される部位であり、一次粒子粒界2は、例えば実線で示される部位である。実施例1のニッケルコバルト複合水酸化物のTEM-EDX分析による一次粒子内部及び粒界におけるタングステン元素の組成比率(at%)を表1に示す。
平均組成(%)は各点(表1における1から4)の平均値とし、ばらつきは各点の標準偏差とし、変動係数は平均組成に対するばらつきの比の値である。
ニッケルコバルト複合水酸化物を、大気雰囲気下、300℃で20時間の熱処理を行い、ニッケル、コバルト、マンガン及びタングステンを含む遷移金属複合酸化物(以下、「ニッケルコバルト遷移金属複合酸化物」ともいう)として回収した。次にニッケルコバルト遷移金属複合酸化物に対する炭酸リチウムのモル比が1.15倍となるように両者を乾式混合し、大気雰囲気中930℃で15時間焼成した。その後、分散処理してリチウム遷移金属複合酸化物を得た。
得られたリチウム遷移金属複合酸化物を無機酸により溶解した後、ICP発光分光法により化学分析を行ったところ、その組成はLi1.15Ni0.33Co0.33Mn0.33W0.01O2であった。
実施例1のリチウム遷移金属複合酸化物のHAADF像を図5に、TEM-EDX像を図6に示す。実施例1のリチウム遷移金属複合酸化物のTEM-EDX分析による一次粒子内部及び粒界におけるタングステン元素の組成比率(at%)を表2に、SEM-EDX分析による一次粒子内部及び粒界におけるタングステン元素の組成比率(at%)を表3に示す。
W溶液を用いない以外は、実施例1と同様の条件にてニッケルコバルト遷移金属複合酸化物を得た。得られたニッケルコバルト遷移金属複合酸化物と炭酸リチウムと酸化タングステン(組成比で0.01モル分)を所定量乾式混合した以外は、実施例1と同様の条件にてリチウム遷移金属酸化物を得た。
得られたリチウム遷移金属複合酸化物を無機酸により溶解した後、ICP発光分光法により化学分析を行ったところ、その組成はLi1.15Ni0.33Co0.33Mn0.33W0.01O2であった。
続いて実施例1と同じ条件にて、HAADF像とTEM-EDX像を測定した。
比較例1のリチウム遷移金属複合酸化物のHAADF像を図7に、TEM-EDX像を図8に示す。比較例1の正極活物質のTEM-EDX分析による一次粒子内部及び粒界におけるタングステン元素の組成比率(at%)を表4に示す。
(各溶液の準備)
硫酸ニッケル溶液と、硫酸コバルト溶液と、硫酸マンガン溶液の混合溶液(ニッケル、コバルト及びマンガンを合わせた濃度で1.7モル/L)に、さらにパラタングステン酸アンモニウム4.7モル分を溶解させたこと以外は実施例1と同じ手順にてリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。
得られたリチウム遷移金属複合酸化物を無機酸により溶解した後、ICP発光分光法により化学分析を行ったところ、その組成はLi1.15Ni0.33Co0.33Mn0.33W0.01O2であった。
続いて実施例1と同じ条件にて、SEM-EDX像を測定した。
比較例2の正極活物質のSEM-EDX分析による一次粒子内部及び粒界におけるタングステン元素の組成比率(at%)を表5に示す。
(二次電池の作製)
以下の手順で非水系電解液二次電池を作製した。
上記で得られた正極活物質85重量部、アセチレンブラック10重量部、及びPVDF(ポリフッ化ビニリデン)5.0重量部を、NMP(N-メチル-2-ピロリドン)に分散させて正極スラリーを調製した。得られた正極スラリーをアルミニウム箔に塗布し、乾燥後ロールプレス機で圧縮成形し、所定サイズに裁断して正極板を得た。
人造黒鉛97.5重量部、CMC(カルボキシメチルセルロース)1.5重量部、及びSBR(スチレンブタジエンゴム)1.0重量部を水に分散させて負極スラリーを調製した。得られた負極スラリーを銅箔に塗布し、乾燥後ロールプレス機で圧縮成形し、所定サイズに裁断して負極板を得た。
EC(エチレンカーボネイト)とMEC(メチルエチルカーボネイト)を体積比率3:7で混合し、溶媒とした。得られる混合溶媒に六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)をその濃度が、1mol/Lになるように溶解させて、非水電解液を得た。
正極板のアルミニウム箔と負極板の銅箔に、それぞれリード電極を取り付けたのち120℃で真空乾燥を行った。次いで、正極と負極との間に多孔性ポリエチレンからなるセパレータを配し、袋状のラミネートパックにそれらを収納した。収納後60℃で真空乾燥して各部材に吸着した水分を除去した。真空乾燥後、ラミネートパック内に、先述の非水電解液を注入、封止し、ラミネートタイプの非水系電解液二次電池を得た。
以下の手順で固体電解質二次電池を作製した。
アルゴン雰囲気下で硫化リチウム及び五硫化リンを、そのモル比が7:3となるように秤量した。秤量物をメノウ乳鉢で粉砕混合し、硫化物ガラスを得た。これを固体電解質として用いた。
正極活物質60重量部、固体電解質36重量部及びVGCF(気相法炭素繊維)4重量部を混合し、正極合材を得た。
厚さ0.05mmのインジウム箔を直径11.00mmの円形にくり抜き、負極とした。
内径11.00mmの円筒状外型に外径11.00mmの円柱状下型を、外型下部から挿入した。下型の上端は外型の中間の位置に固定した。この状態で外型の上部から下型の上端に固体電解質80mgを投入した。投入後、外径11.00mmの円柱状上型を外型の上部から挿入した。挿入後、上型の上方から90MPaの圧力をかけて、固体電解質を成形し、固体電解質層とした。成形後上型を外型の上部から引き抜き、外型の上部から固体電解質層の上部に正極合材20mgを投入した。投入後、再度上型を挿入し、今度は360MPaの圧力をかけて正極合材を成形し、正極層とした。成形後上型を固定し、下型の固定を解除して外型の下部から引き抜き、下型の下部から固体電解質層の下部に負極を投入した。投入後、再度下型を挿入し、外型の下方から150MPaの圧力をかけて負極を成形し、負極層とした。圧力をかけた状態で下型を固定し、上型に正極端子、下型に負極端子を取り付け、全固体二次電池を得た。
上記の評価用二次電池を用い以下の要領で電池特性の評価を行った。
(初期放電容量)
充電電位4.3V、放電電位2.75V、放電負荷0.2C(なお、1Cは、1時間で放電が終了する電流負荷である。)の条件で、上記試験用二次電池を放電させた。このときの放電容量を初期放電容量Qd(mAh/g)とした。
充電電位4.3Vの条件で、上記試験用二次電池を充電させた。このときの充電容量を初期充電容量とした。初期放電容量の値を初期充電容量の値で除して、初期効率Qe(%)を求め、初期特性を評価した。初期効率が高いほど、初期特性が優れることになる。
評価用電池を25℃の恒温槽に入れ、満充電電圧4.5V、充電レート0.2C、充電時間10時間の条件で定電流定電圧充電を行った。充電後、放電電圧2.75V、放電レート0.2Cで定電流定電圧放電を行った。放電後、再充電し、評価用電池を60℃の恒温槽に移した。恒温槽において、充電電圧4.5V、充電レート0.2Cでトリクル充電しながら、50時間保存した。保存後、トリクル充電をやめ、25℃の恒温槽に戻し、放冷した。十分放冷した後、放電電圧2.75V、放電レート0.2Cで定電流定電圧放電を行い、放電容量Qs(mAh/g)を測定した。Qsが高いことは、高温保存特性が優れていることを意味する。
2 一次粒子粒界
Claims (9)
- ニッケルイオン及びコバルトイオンを含む第一溶液を準備することと、
タングステンイオンを含み、pHが10以上の第二溶液を準備することと、
アンモニウム水溶液を準備することと、
pHが10以上13.5以下の範囲にある反応前溶液を準備することと、
前記反応前溶液に、前記アンモニウム水溶液を供給せずに前記第一溶液の一部を供給して種溶液を準備することと、
前記種溶液に、前記第一溶液、第二溶液及びアンモニウム水溶液を別々に且つ同時に供給して、pHが10以上13.5以下の範囲に維持される反応溶液を得ることと、
前記反応溶液からニッケル、コバルト及びタングステンを含む複合水酸化物を得ることと、を含み、
前記反応溶液中のアンモニウムイオンの濃度が、1000ppm以上15000ppm以下の範囲に維持されるニッケルコバルト複合水酸化物の製造方法。 - 前記種溶液を準備することにおいて、供給する前記第一溶液に含まれる金属元素の合計モル数は、前記反応溶液を得ることにおいて供給する前記第一溶液に含まれる金属元素の合計モル数の1.5%以下である請求項1に記載の製造方法。
- 前記反応溶液中のニッケルイオンの濃度が、10ppm以上1000ppm以下の範囲に維持される請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記第一溶液を供給する時間が、12時間以上60時間以下である請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記ニッケルコバルト複合水酸化物は下記式(1)で表される組成を有する請求項1から4のいずれか1項に記載の製造方法。
Ni1-x-yCox 1MyWz(OH)2+p (1)
(式(1)中、1Mは、Mn、Al、Mg、Ca、Ti、Zr、Nb、Ta、Cr、Mo、Fe,Cu、Si、Sn、Bi、Ga、Y、Sm、Er、Ce、Nd、La、Cd及びLuからなる群より選択される少なくとも一種の元素であって、0.01≦x≦0.35、0≦y≦0.35、0<z≦0.05、0≦p≦0.5を満たす) - 前記式(1)中の1Mが、Mn及びAlの少なくとも一方である請求項5に記載の製造方法。
- 前記請求項1から6のいずれか1項に記載の製造方法により得られるニッケルコバルト複合水酸化物を酸素存在下で熱処理して熱処理物を得ることと、
前記熱処理物とリチウム化合物とを混合して、リチウム混合物を得ることと、
前記リチウム混合物を熱処理して、ニッケル及びコバルトを含み層状構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を得ることと、を含む非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。 - 前記リチウム遷移金属複合酸化物が下記式(2)で表される組成を有する請求項7に記載の製造方法。
LipNi1-x-yCox 2MyWzO2 (2)
(式(2)中、2Mは、Mn、Al、Mg、Ca、Ti、Zr、Nb、Ta、Cr、Mo、Fe,Cu、Si、Sn、Bi、Ga、Y、Sm、Er、Ce、Nd、La、Cd及びLuからなる群より選択される一種以上の元素であって、0.95≦p≦1.2、0.10≦x≦0.35、0≦y≦0.35、0<z≦0.05を満たす。) - 前記式(2)中の2Mが、Mn及びAlの少なくとも一方である請求項8に記載の製造方法。
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