JP6939722B2 - 全固体電池 - Google Patents

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Description

本開示は、全固体電池に関する。
全固体電池は、正極層および負極層の間に固体電解質層を有する電池であり、可燃性の有機溶媒を含む電解液を有する液系電池に比べて、安全装置の簡素化が図りやすいという利点を有する。
一方、全固体電池に関する技術ではないものの、特許文献1には、非水電解質二次電池を充電・放電させて活性化する活性化工程を含む非水電解質二次電池の製造方法であって、上記非水電解質二次電池が、固溶体正極とSi系負極とを備え、上記固溶体正極が、[Li1.5][Li{0.5(1−x)}Mn1−x1.5x]Oで表される活物質を含むものであり、上記活性化工程が、初回充電の際、最大電圧に到達するまでに、印加する充電電流値を高い充電電流値に一回以上切り替える処理であり、上記充電電流値の一回目の切り替えを、充電電圧が3.75V以上4.52V以下で行うことを特徴とする非水電解質二次電池の製造方法が開示されている。
特開2018−055901号公報 特開2013−243116号公報
初回放電容量が良好な全固体電池が求められている。本開示は、上記実情に鑑みてなされものであり、初回放電容量が良好な全固体電池を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本開示においては、正極層と、負極層と、上記正極層および上記負極層の間に形成された固体電解質層とを有する全固体電池であって、上記正極層は、LiNiCoMn(1.15≦x≦1.55、a+b+c=1、0≦a≦0.85、0≦b≦0.85、0.15≦c≦0.70、yは電荷中性を満たすように定まる値である)で表される組成を有する正極活物質を含有し、上記負極層は、Si系活物質を含有し、正極容量に対する負極容量の容量比をAとした場合に、2≦A≦5.5を満たし、上記正極活物質において、Me(MeはLi以外の金属元素)に対するLiのモル比をLi/Meとした場合に、0.1083A+0.9085≦Li/Meを満たす、全固体電池を提供する。
本開示によれば、容量比Aおよびモル比Li/Meが、所定の関係を満たすことにより、初回放電容量が良好な全固体電池とすることができる。
本開示における全固体電池は、初回放電容量が良好であるという効果を奏する。
本開示における全固体電池の一例を示す概略断面図である。 Li/Me比と、初回放電容量との関係を示すグラフである。 容量比Aと、Li/Me比との関係を示すグラフである。
以下、本開示における全固体電池について、詳細に説明する。
図1は、本開示における全固体電池の一例を示す概略断面図である。図1に示す全固体電池10は、正極層1と、負極層2と、正極層1および負極層2の間に形成された固体電解質層3とを有する。さらに、全固体電池10は、正極層1の集電を行う正極集電体4と、負極層2の集電を行う負極集電体5とを有する。正極層1は所定の組成を有する正極活物質を含有し、負極層2はSi系活物質を含有する。また、正極容量に対する負極容量の容量比をAとした場合に、容量比Aが所定の範囲内にある。また、上記正極活物質において、Me(MeはLi以外の金属元素)に対するLiのモル比をLi/Meとした場合に、容量比AおよびLi/Meが、所定の関係を満たす。
本開示によれば、容量比Aおよびモル比Li/Meが、所定の関係を満たすことにより、初回放電容量が良好な全固体電池とすることができる。ここで、Si系活物質は、高容量な負極活物質として知られているが、充放電時の体積変化が大きいことから、負極層にクラックが生じたり、負極層からSi系活物質が滑落したりしやすい。これに対して、正極容量に対する負極容量の容量比を大きくすることで、負極層全体としての体積変化が緩和され、負極層にクラックが生じたり、負極層からSi系活物質が滑落したりすることを抑制できる。
一方、Si系活物質は、初回充電時にLiと反応するが、初回放電時にSi系活物質からLiが脱離せず、Liが固定化される場合がある(Li失活)。特に、正極容量に対する負極容量の容量比Aを大きくすると、Si系活物質によるLi失活の影響が大きくなる。これに対して、正極活物質として、通常よりもLiを豊富に有する正極活物質を用いると、Si系活物質によるLi失活が生じたとしても、電池の実容量(2サイクル目以降の容量)を向上させることができる。本開示においては、容量比A、正極活物質におけるLi/Me比、および、初回放電容量の間に、一定の相関が見られることを見出した。具体的には、ある容量比Aに対して、Li/Me比を所定値以上に設定することで、初回放電容量として、最大の容量を引き出せることを見出した。このように、本開示によれば、容量比Aおよびモル比Li/Meが、所定の関係を満たすことにより、初回放電容量が良好な全固体電池とすることができる。
また、正極容量に対する負極容量の容量比を、容量比Aとする。負極容量は、負極活物質の理論容量に、負極活物質の量を乗じることにより得られる。一方、正極容量は、正極活物質の充電容量に、正極活物質の量を乗じることにより得られる。正極活物質の充電容量は、対極を金属Liとした単極圧粉セルを作製し、0.1CでCCCV充電(1/100Cカットまたは20時間カット)を行い、得られる初回充電容量を、正極活物質の充電容量とする。容量比Aは、例えば2以上であり、2.5以上であってもよい。一方、容量比Aは、例えば5.5以下であり、5.0以下であってもよい。
また、上記正極活物質において、Me(MeはLi以外の金属元素)に対するLiのモル比をLi/Meとする。なお、モル比Li/Meを、Li/Me比と称する場合がある。本開示における全固体電池は、通常、0.1083A+0.9085≦Li/Meを満たす。
1.正極層
正極層は、少なくとも正極活物質を含有する層である。また、正極層は、必要に応じて、固体電解質、導電材およびバインダーの少なくとも一つを含有していてもよい。
正極層は、正極活物質として、LiNiCoMn(1.15≦x≦1.55、a+b+c=1、0≦a≦0.85、0≦b≦0.85、0.15≦c≦0.70、yは電荷中性を満たすように定まる値である)で表される組成を有する正極活物質を含有する。以下、この正極活物質をNCM活物質と称する場合がある。NCM活物質は、少量の金属元素をさらに含有していてもよい。少量の金属元素としては、例えば、Al元素、W元素、Zr元素が挙げられる。少量の金属元素の割合は、NCM活物質に含まれる全ての金属元素に対して、例えば、10mol%以下であり、5mol%以下であってもよい。
上記xは、例えば1.15以上であり、1.20以上であってもよい。一方、上記xは、例えば1.55以下であり、1.50以下であってもよい。上記yは、電荷中性を満たすように定まる値であり、NCM活物質の組成によって異なる。上記yは、例えば2より大きい。一方、上記yは、例えば3以下である。
上記aは、0であってもよく、0より大きくてもよい。後者の場合、上記aは、例えば0.10以上であり、0.15以上であってもよい。一方、上記aは、例えば0.85以下であり、0.70以下であってもよく、0.50以下であってもよい。上記bは、0であってもよく、0より大きくてもよい。後者の場合、上記bは、例えば0.10以上であり、0.15以上であってもよい。一方、上記bは、例えば0.85以下であり、0.70以下であってもよく、0.50以下であってもよい。上記cは、例えば0.15以上であり、0.20以上であってもよく、0.25以上であってもよい。一方、上記cは、例えば0.70以下であり、0.60以下であってもよく、0.50以下であってもよい。
また、NCM活物質において、Me(MeはLi以外の金属元素)に対するLiのモル比をLi/Meとする。Li/Meの値は、例えば1.15以上であり、1.20以上であってもよい。Li/Meの値が小さすぎると、初回放電容量が十分に向上しない可能性がある。一方、Li/Meの値は、例えば1.55以下であり、1.50以下であってもよい。Li/Meの値が大きすぎると、初回充電においてNCM活物質からLiが脱離する際に、NCM活物質において不可逆的な構造変化(例えば酸素脱離)が生じ、初回放電時に反応可能なLi量が低下する可能性がある。
正極層は、正極活物質として、NCM活物質のみを含有していてもよく、他の活物質を含有していてもよい。後者の場合、全ての正極活物質におけるNCM活物質の割合が、50重量%以上であってもよく、70重量%以上であってもよく、90重量%以上であってもよい。
また、正極活物質の表面は、コート層で被覆されていてもよい。コート層により、正極活物質と固体電解質(特に硫化物固体電解質)とが反応することを抑制できる。コート層としては、例えば、LiNbO、LiPO、LiPON等のLi含有酸化物が挙げられる。コート層の厚さは、例えば1nm以上である。一方、コート層の厚さは、例えば20nm以下であり、10nm以下であってもよい。
正極活物質の形状としては、例えば、粒子状が挙げられる。正極活物質の平均粒径(D50)は、例えば、0.1μm以上、50μm以下である。なお、平均粒径は、例えば、レーザー回折式粒度分布計、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定から算出できる。
正極層における正極活物質の割合は、例えば20重量%以上であり、30重量%以上であってもよく、40重量%以上であってもよい。一方、正極層における正極活物質の割合は、95重量%以下であり、90重量%以下であってもよく、80重量%以下であってもよい。
また、正極層は、必要に応じて、固体電解質、導電材およびバインダーの少なくとも一つを含有していてもよい。上記固体電解質としては、例えば、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、窒化物固体電解質、ハロゲン化物固体電解質等の無機固体電解質が挙げられる。硫化物固体電解質としては、例えば、Li元素、X元素(Xは、P、Si、Ge、Sn、B、Al、Ga、Inの少なくとも一種である)、および、S元素を含有する固体電解質が挙げられる。また、硫化物固体電解質は、O元素およびハロゲン元素の少なくとも一方をさらに含有していてもよい。また、酸化物固体電解質としては、例えば、Li元素、Y元素(Yは、Nb、B、Al、Si、P、Ti、Zr、Mo、W、Sの少なくとも一種である)、および、O元素を含有する固体電解質が挙げられる。また、窒化物固体電解質としては、例えばLiNが挙げられ、ハロゲン化物固体電解質としては、例えばLiCl、LiI、LiBrが挙げられる。
上記導電材としては、例えば、炭素材料が挙げられる。炭素材料としては、例えば、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)等の粒子状炭素材料、炭素繊維、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)等の繊維状炭素材料が挙げられる。
上記バインダーとしては、例えば、ブチレンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム系バインダー、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ化物系バインダーが挙げられる。
正極層の厚さは、例えば、0.1μm以上、1000μm以下である。正極層の形成方法としては、例えば、正極活物質および分散媒を少なくとも含有するスラリーを塗工し、乾燥する方法が挙げられる。
2.負極層
負極層は、少なくとも負極活物質を含有する層である。また、負極層は、必要に応じて、固体電解質、導電材およびバインダーの少なくとも一つを含有していてもよい。
負極層は、負極活物質として、Si系活物質を含有する。Si系活物質は、Liと合金化可能な活物質であることが好ましい。Si系活物質としては、例えば、Si単体、Si合金、Si酸化物が挙げられる。Si合金は、Si元素を主成分として含有することが好ましい。Si合金中のSi元素の割合は、例えば、50mol%以上であってもよく、70mol%以上であってもよく、90mol%以上であってもよい。Si酸化物としては、例えばSiOが挙げられる。
負極層は、負極活物質として、Si系活物質のみを含有していてもよく、他の活物質を含有していてもよい。後者の場合、全ての負極活物質におけるSi系活物質の割合が、50重量%以上であってもよく、70重量%以上であってもよく、90重量%以上であってもよい。
負極活物質の形状としては、例えば、粒子状が挙げられる。負極活物質の平均粒径(D50)は、特に限定されないが、例えば10nm以上であり、100nm以上であってもよい。一方、負極活物質の平均粒径(D50)は、例えば50μm以下であり、20μm以下であってもよい。
負極層における負極活物質の割合は、例えば、20重量%以上であり、30重量%以上であってもよく、40重量%以上であってもよい。一方、負極活物質の割合は、例えば、80重量%以下であり、70重量%以下であってもよく、60重量%以下であってもよい。
負極層に用いられる、固体電解質、導電材およびバインダーについては、上記「1.正極層」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
負極層の厚さは、例えば、0.1μm以上、1000μm以下である。負極層の形成方法としては、例えば、負極活物質および分散媒を少なくとも含有するスラリーを塗工し、乾燥する方法が挙げられる。
3.固体電解質層
固体電解質層は、正極層および負極層の間に配置される層である。固体電解質層は、固体電解質を少なくとも含有し、必要に応じてバインダーを含有していてもよい。固体電解質、バインダーおよびLiイオン伝導性材料については、上記「1.正極層」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。中でも、固体電解質層は、固体電解質として硫化物固体電解質を含有することが好ましい。
固体電解質層の厚さは、例えば、0.1μm以上、1000μm以下である。固体電解質層の形成方法としては、例えば、固体電解質を圧縮成形する方法が挙げられる。
4.その他の部材
本開示における全固体電池は、上述した負極層、正極層および固体電解質層を少なくとも有する。さらに通常は、正極層の集電を行う正極集電体、および、負極層の集電を行う負極集電体を有する。正極集電体の材料としては、例えば、SUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボンが挙げられる。一方、負極集電体の材料としては、例えば、SUS、銅、ニッケルおよびカーボンが挙げられる。なお、正極集電体および負極集電体の厚さ、形状については、電池の用途に応じて適宜選択することが好ましい。また、本開示における全固体電池は、上述した負極層、正極層および固体電解質層を収納する電池ケースを有していてもよい。
5.全固体電池
本開示における全固体電池は、全固体リチウム電池であることが好ましい。また、本開示における全固体電池は、一次電池であってもよく、二次電池であってもよいが、中でも二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。また、本開示における全固体電池は、単層電池であってもよく、積層電池であってもよい。積層電池は、モノポーラ型積層電池(並列接続型の積層電池)であってもよく、バイポーラ型積層電池(直列接続型の積層電池)であってもよい。全固体電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型が挙げられる。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
[製造例]
(1−z)LiNi0.33Co0.33Mn0.33−zLiMnOで表される組成を有する正極活物質を作製した。具体的には、水酸化リチウムと炭酸マンガンと水酸化コバルトと水酸化ニッケルとを所定のモル比となるように秤量したのち混合し、これを酸素気流中において800℃で10時間焼成することにより、リチウムニッケルコバルトマンガン酸化物を合成した。このようにして、z=0、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55の正極活物質をそれぞれ作製した。
[比較例1]
(正極構造体の作製)
正極活物質(LiNi1/3Co1/3Mn1/3、z=0)および硫化物固体電解質(LiI−LiO−LiS−P)を、正極活物質:硫化物固体電解質=75:25の重量比で秤量した。その後、正極活物質100重量部に対して、PVDF−HFPバインダー(Solvay社製Soref 21510)が1.5重量部、導電材(VGCF、昭和電工社製)が3.0重量部となるように秤量した。これらの材料を混合し、酪酸ブチルを添加し、固形分率が63重量%となるように調整した。その後、超音波ホモジナイザーを用いて1分間混練し、正極スラリーを得た。得られた正極スラリーを、正極集電体(Al箔、昭和電工社製)の表面に、アプリケータ(350μm)を用いて塗工し、5分間自然乾燥し、100℃で5分間加熱乾燥した。その後、25℃、線圧1ton/cmでロールプレスし、正極集電体および正極層を有する正極構造体を得た。
(負極構造体の作製)
負極活物質(Si)および硫化物固体電解質(LiI−LiO−LiS−P)を、負極活物質:硫化物固体電解質=58:42の重量比で秤量した。その後、負極活物質100重量部に対して、濃度5重量%のバインダー溶液(クレハ社製PVDF系バインダーを含む酪酸ブチル溶液)をバインダーが1.5重量部となるように秤量した。さらに、負極活物質100重量部に対して、導電材(VGCF)が3.0重量部となるように秤量した。これらの材料を混合し、酪酸ブチルを添加し、固形分率が63重量%となるように調整した。その後、超音波ホモジナイザーを用いて1分間混練し、負極スラリーを得た。得られた負極スラリーを、負極集電体(Cu箔)の表面に、アプリケータを用いて塗工し、5分間自然乾燥し、100℃で5分間加熱乾燥した。その後、25℃、線圧1ton/cmでロールプレスし、負極集電体および負極層を有する負極構造体を得た。
正極容量に対する負極容量の容量比は、負極スラリー塗工時に、アプリケータのギャップ調整(250μm〜800μm)を行うことにより、変化させた。なお、容量比Aは、容量比A=(負極活物質の理論容量×負極活物質量)/(正極活物質の充電容量×正極活物質量)で定義される。容量比は、それぞれ、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5とした。なお、正極活物質の充電容量は、4.7V充電容量に相当する。
(電池の作製)
正極構造体の正極層と、負極構造体の負極層とを、固体電解質層を介して対向するように配置し、5tonでプレスすることにより、電池を得た。
[比較例2、3および実施例1〜9]
正極活物質の組成を、表1に記載された内容に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、電池を得た。
Figure 0006939722
[評価]
比較例1〜3および実施例1〜9で得られた電池に対して、上限4.55V、下限2.5V、0.1Cの条件で、CCCV充放電を行った。初回放電容量[mAh/g]の結果を表2、表3および図2に示す。
Figure 0006939722
Figure 0006939722
表2、表3および図2に示すように、容量比A、Li/Me比および初回放電容量の間には、一定の相関が見られた。例えば、容量比Aが2.0である場合、Li/Me比の増加に伴って、初回放電容量も増加し、Li/Me比が1.15以上になると、初回放電容量は、ほぼ一定になった。この傾向は、容量比Aが2.0以外の場合でも同様であった。すなわち、ある容量比Aに対して、Li/Me比を所定値以上に設定することで、初回放電容量として、最大の容量を引き出せることが確認された。
また、初回放電容量が、ほぼ一定になる状態を飽和として捉え、飽和が生じる条件を求めた。表2および図2に基づいて、飽和が生じたLi/Me比の範囲は、容量比Aが2.0の場合、1.15以上であり、容量比Aが2.5の場合、1.20以上であり、容量比Aが3.0の場合、1.25以上であり、容量比Aが3.5の場合、1.30以上であり、容量比Aが4.0の場合、1.35以上であり、容量比Aが4.5の場合、1.40以上であり、容量比Aが5.0の場合、1.45以上であり、容量比Aが5.5の場合、1.55以上であった。
これらの関係を図3に示す。図3において、容量比Aにおける最小のLi/Me比(例えば、容量比Aが2.0の場合、Li/Me比が1.20)を、最小Li/Me比とした場合、図3には、8点の最小Li/Me比のプロットが存在する。これらのプロットから線形近似を行うと、傾きは0.1083となる。なお、Li/Me比が5.5である場合、Li/Me比が大きすぎて信頼性が低い可能性があるため、Li/Me比が5.0のプロット(5.0、1.45)を通る直線を定義すると、Y=0.1083X+0.9085となる。このように、0.1083A+0.9085≦Li/Meを満たすように、容量比AおよびLi/Me比を設定することで、初回放電容量として、最大限の容量を引き出すことができることが確認された。
なお、8点の最小Li/Me比のプロットから求められる関係式は、Y=0.1083X+0.925となる。この場合、本開示における全固体電池は、0.1083A+0.925≦Li/Meを満たしていてもよい。また、容量比Aが2.0〜5.0の範囲における7点の最小Li/Me比のプロットから求められる関係式は、Y=0.1X+0.95となる。この場合、本開示における全固体電池は、0.1A+0.95≦Li/Meを満たしていてもよい。
1 …正極層
2 …負極層
3 …固体電解質層
4 …正極集電体
5 …負極集電体
10 …全固体電池

Claims (1)

  1. 正極層と、負極層と、前記正極層および前記負極層の間に形成された固体電解質層とを有する全固体電池であって、
    前記正極層は、LiNiCoMn(1.15≦x≦1.55、a+b+c=1、0≦a≦0.85、0≦b≦0.85、0.15≦c≦0.70、yは電荷中性を満たすように定まる値である)で表される組成を有する正極活物質を含有し、
    前記負極層は、Si系活物質を含有し、
    正極容量に対する負極容量の容量比をAとした場合に、2≦A≦5.5を満たし、
    前記正極活物質において、Me(MeはLi以外の金属元素)に対するLiのモル比をLi/Meとした場合に、0.1083A+0.9085≦Li/Meを満たす、全固体電池。
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