JP7120636B2 - 木材搬送装置 - Google Patents

木材搬送装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7120636B2
JP7120636B2 JP2019047954A JP2019047954A JP7120636B2 JP 7120636 B2 JP7120636 B2 JP 7120636B2 JP 2019047954 A JP2019047954 A JP 2019047954A JP 2019047954 A JP2019047954 A JP 2019047954A JP 7120636 B2 JP7120636 B2 JP 7120636B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lumber
drum
single rail
conveying
transport
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019047954A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020145998A (ja
Inventor
全宏 上田
Original Assignee
上田技研産業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 上田技研産業株式会社 filed Critical 上田技研産業株式会社
Priority to JP2019047954A priority Critical patent/JP7120636B2/ja
Publication of JP2020145998A publication Critical patent/JP2020145998A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7120636B2 publication Critical patent/JP7120636B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は木材搬送装置に関し、より詳細には山林などから伐倒木を搬出するのに好適に使用される木材搬送装置に関するものである。
山林で伐採された木材は伐採現場から所定の集材場所まで搬出された後トラック等に積み込まれて製材所等に運ばれる。これまで伐倒木の山林からの搬出は人力による搬出、架線を用いた搬出、林業作業車を用いた搬出あるいはヘリコプターを用いた搬出などが行われてきた。
しかしながら、人力による木材の搬出は、近年の林業従事者の人口減少及び高齢化などによって作業労働力が圧倒的に不足している。また、林業作業車を用いた搬出では作業道の建設が必要となり、ヘリコプターを用いた搬出では搬出できる木材の本数が限られるため、これらの木材搬出方法では搬出費用が高くなる。一方で、近年の安価な輸入木材の増加によって国内木材価格が大きく下落しており、従来の木材搬出方法では採算が取れなくなっている。このため現在の国内の多くの山林では伐倒木がそのまま放置された状態となっている。
そこで山林から木材を容易に搬出する方法がこれまで種々提案はされている。例えば特許文献1では、作業道にタワーヤーダーを固定する共にタワーヤーダーとジグザク滑車とを組み合わせて間伐材を伐採場所から集材場所まで搬送するシステムが提案されている。また特許文献2では、伐採場所から集材場所まで連続して搬送用樋を設置すると共に、搬送用樋の内定面に回転移動するチェーンを設け伐採した木材を搬送する装置が提案されている。
特開2008-109918号公報 特開2012-105581号公報
前記提案の搬出方法によれば従来の搬出方法に比べて作業の効率化及び省力化はある程度図れるものと考えられるが、林業従事者の今後の人口減少及び高齢化などを考慮すると一層の作業の効率化及び省力化が望まれる。
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、不整地で急峻な山林からでも多くの木材を集材場所まで効率的に搬送可能な装置を提供することにある。
前記目的を達成する本発明に係る木材搬送装置は、単軌条を用いて木材を搬送する搬送装置であって、前記単軌条に跨り又は前記単軌条に懸吊され所望速度で自走可能な駆動車と、前記単軌条に跨り又は前記単軌条に懸吊され、前記駆動車に連結されて移動する少なくとも2台の搬送車とを備え、前記搬送車は、搬送する木材を固定する固定機構と、前記搬送車間の距離を搬送する木材の長手方向の長さに合わせて調整する間隔調整機構とを有し、搬送する木材の長手方向両端部を固定して木材を搬送することを特徴とする。
前記構成の木材搬送装置において、前記間隔調整機構が、搬送方向前後に位置する一方の搬送車に回動可能に設けられたドラムと、前記ドラムに巻き付けられ、先端部が搬送方向前後に位置する他方の搬送車に固定され第1紐状部材と、前記一方の搬送車に設けられ、前記ドラムからの第1紐状部材の巻き出しを不能とするストッパー機構とを有する構成としてもよい。
前記構成の木材搬送装置において、前記ストッパー機構が、前記ドラムの回動軸に取り付けられ前記ドラムと共に回動する歯車と、前記歯車の歯溝に係入して前記歯車の回動を不能とするピンとから構成される構成としてもよい。
前記構成の木材搬送装置において、前記ピンが、前記歯車に接触せず第1紐状部材の前記ドラムからの巻き出し及び巻き取りを可能とする解放位置と、前記歯車に接触し第1紐状部材の巻き取りは可能とするが巻き出しは不能とする制限位置とに移動自在である構成としてもよい。
前記構成の木材搬送装置において、前記ストッパー機構が、前記ドラムの回動軸に取り付けられ前記ドラムと共に回動するウォームホイールと、前記ウォームホイールに歯合するウォームギアとから構成されるようにしてもよい。
前記構成の木材搬送装置において、前記駆動車及び前記搬送車が前記単軌条に跨り移動し、前記固定機構が、前記搬送車の各々の上面に設けられた鋸歯状部と、一方の端部が前記搬送車に固定された第2紐状部材と、この第2紐状部材の他方の端部と前記搬送車とを締結する締結部材とから構成されるようにしてもよい。
前記構成の木材搬送装置において、前記駆動車及び前記搬送車が前記単軌条に懸吊して移動し、前記固定機構が、木材の長手方向端部に固定される固定具と、前記固定具と前記搬送車の下部とを着脱可能に接続する第3紐状部材とから構成されるようにしてもよい。
前記構成の木材搬送装置において、前記搬送車の各々に2つの固定機構を備え、前記搬送車の各々は搬送方向の前側と後側とで異なる木材の端部を固定可能である構成としてもよい。
前記構成の木材搬送装置において、搬送方向の先頭及び/又は後尾に駆動車が配置されている構成としてもよい。
前記構成の木材搬送装置において、前記単軌条が移設可能である構成としてもよい。
本発明の木材搬送装置によれば、搬送車を搬送方向前後に複数連結させることによって複数本の木材を直線列状に搬送できるので不整地で急峻な山林からでも木材を集材場所まで効率的に搬送可能となる。
第1実施形態の木材搬送装置WT1の概説図である。 軌道2の正面図である。 軌道2の設置方法を説明する工程図である。 軌道2の他の設置方法を示す説明図である。 軌道2の他の設置方法を示す斜視図である。 図1の駆動車1aの搬送方向に対して平行方向の垂直断面図である。 図1の駆動車1aの搬送方向に対して直角方向の垂直断面図である。 駆動車1aの駆動輪12aの垂直断面斜視図である。 図1の搬送車1aの正面図である。 図9のA-A線断面図である。 支持板5に形成されたガイド孔55の拡大正面図である。 第1の実施形態における他の固定機構を示す図である。 第2実施形態の木材搬送装置WT2の概説図である。 軌道2の正面図である。 軌道2の設置方法を示す説明図である。 図13の駆動車1bの搬送方向に対して平行方向の垂直断面図である。 図13の駆動車1bの搬送方向に対して直角方向の垂直断面図である。 図13の搬送車1bの正面図である。 図18のB-B線断面図である。
以下、本発明に係る木材搬送装置について図に基づいてさらに詳しく説明するが本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1に示す木材搬送装置WT1は、山林等の不整地の斜面に設けられた、円柱状の単軌条21を有する軌道2と、単軌条21に跨り自走する駆動車1aと、駆動車1aに連結された複数の搬送車4を備える。後述するように搬送車4は単軌条21に跨り移動自由である。このため単軌条21に傾斜があれば搬送車4は下方に向かって移動する。したがって、傾斜面の上方から下方に木材Trを搬送する場合、駆動車1aは搬送方向に縦列配置された複数個の搬送車4の最後尾に配置され、縦列配置された搬送車4が重力により単軌条21を下方に自由滑走するのを制動し所定速度で移動させる役割を果たす。一方、傾斜面の下方から上方に木材Trを搬送する場合、駆動車1aは搬送方向に縦列配置された複数個の搬送車4の先頭に配置され、縦列配置された搬送車4を牽引して所定速度で移動させる。以下、本発明に係る木材搬送装置WT1を構成する軌道2、駆動車1a、搬送車4について順に説明する。
(軌道)
軌道2についてまず説明する。軌道2の構造及びその設置については、本出願人が出願した特開2019-11652号公報に例示されているものが本発明でも適用することができる。図2は軌道2の一例を示す正面図である。なお、図2の上下方向、長手方向及び紙面奥行き方向が軌道2の上下方向、長手方向及び左右方向である。
図2に示す軌道2は、上下方向に所定距離隔てて平行に配置された断面円形状の単軌条21及び下フレーム22と、単軌条21と下フレーム22との間に長手方向に所定間隔で設けられた複数の鉛直材23と、鉛直材23と鉛直材23との間に「ハ」字状に設けられた複数の斜材24と、長手方向両端側の鉛直材23と当該鉛直材23の両隣の斜材24とにわたって上下方向中央部において単軌条21と平行に設けられた円柱状の2つの固定支持部25とを有する。軌道2を構成するこれらの部材の主要材料は金属材料である。具体的にはステンレス鋼が好適に使用される。軌道2の長手方向の長さは通常4m~6m程度である。複数の軌道2を長手方向に連設することによって単軌条21が建設される。
山林等の不整地への軌道2の設置は次のようにして行う。図3に軌道2の設置方法を示す。まず図3(a)に示すように、山林等の傾斜面に支持杭31を打ち込む。支持杭31の傾斜面に対する打ち込み角度θは、鉛直方向に対して傾斜面の下側方向に20°以上45°以下の範囲である。打ち込み角度θをこの範囲とすることによって、複数本の木材を駆動車1aと搬送車4とで搬送する場合でも軌道2を支持杭31によってしっかりと支えることができる。通常、傾斜面の傾きが急になるほど支持杭31の打ち込み角度θは大きくするのが望ましい。支持杭31は下端を沈下抑制板35の貫通孔351に挿通させた後、地面に打ち込む。そして、沈下抑制板35を地面に接触させ、支持杭31の沈下抑制板35の直上部分に止め具36を取り付ける。沈下抑制板35に形成された貫通孔351の内径は支持杭31の外径よりも大きく、止め具36の外径よりは小さく設定されている。これにより、支持杭31の地面への沈み込み方向にかかる力は、止め具36を介して沈下抑制板35にかかり、支持杭31の地面への沈み込みが抑制される。
使用する支持杭31の太さ、長さ、材質などは、駆動車1a及び搬送車4とで搬送する木材の重量等から適宜決定すればよい。通常、支持杭31として長さ1m~2m程度、太さ(外径)4cm~8cm程度の単管パイプが好適に使用される。もちろん丸太杭などであっても構わないが、杭打ち作業の効率などを考慮すると単管パイプが好ましい。支持杭31の打ち込み深さについては、深いほど支持杭31の安定性は向上するが杭打ち作業に時間と労力が必要となる。また、撤収作業すなわち支持杭31の引き抜き作業にも時間と労力が必要となる。本発明者等の実験によれば、傾斜面に土質にもよるが通常打ち込み深さが10cm~20cm程度で木材などの重量物を駆動車1a及び搬送車4とで搬送する場合でも耐えられることがわかった。なお、湿地帯などの土質の場合にはより深く杭打ちを行う必要がある。
次いで、図3(b)に示すように、傾斜面に所定角度で打ち込まれた支持杭31に軌道2の下フレーム22を接続する。支持杭31に対する下フレーム22の接続位置に特に限定はないが、軌道2を安定に支持する観点からは、支持杭31の下方すなわち傾斜面の近傍で接続するのが望ましい。支持杭31として単管パイプを使用する場合には、支持杭31と下フレーム22との接続は市販のクランプ34を使用することができる。ただし、支持杭31と下フレーム22との接続は、下フレーム22を中心として軌道2が揺動可能である必要がある。
そして、下フレーム22の中心軸を中心として軌道2を揺動させて、単軌条21の中心軸と下フレーム22の中心軸とを含む平面が鉛直方向と平行となる鉛直状態になるように調整する。軌道2の鉛直状態の調整は、例えば気泡管水準器を用いて行えばよい。
次に、図3(c)に示すように、単管パイプ状の角度調整部材32の一方端部を、鉛直状態に調整された軌道2の固定支持部25に接続し、角度調整部材32のもう一方端部を支持杭31に接続して軌道2を鉛直状態で固定する。角度調整部材32による軌道2と支持杭31との固定位置は、前記支持杭31と下フレーム22との接続位置よりも上方位置である。また、角度調整部材32と軌道2の固定支持部25との接続及び角度調整部材32と支持杭31との接続には、角度調整部材32及び支持杭31として単管パイプを使用する場合には市販のクランプ34を使用できる。
なお、軌道2を鉛直状態に調整する前に、固定支持部25及び支持杭31の少なくとも一方と角度調整部材32とを角度調整部材32の抜き差し可能に予め弱く接続しておき、軌道2を鉛直状態に調整した後、緩く接続していた部分を抜き差し不能に強く接続するようにしても構わない。
傾斜面の角度が急な場合などには、例えば図4(a)に示すように、支持杭31の近傍に補助杭33を鉛直方向に打ち込み、補助杭33と支持杭31とを接続して、支持杭31による軌道2の支持を補強するようにしてもよい。具体的には、支持杭31と同様に、補助杭33の下端に沈下抑制板35を取り付けた後、補助杭33を地面に打ち込む。そして、沈下抑制板35を地面に接触させ、補助杭33の沈下抑制板35の直上部分に止め具36を取り付ける。補助杭33と支持杭31との接続位置は支持杭31の上端部であるのが好ましい。補助杭33としては、支持杭31と同様に、単管パイプが好適に使用される。補助杭33及び支持杭31として単管パイプを使用する場合には、市販のクランプを接続部材として使用できる。補助杭33の打ち込み深さは、支持杭31と同様に、杭打ち作業と撤収作業(引き抜き作業)の時間と労力及び補強の強度などの観点から通常は10cm~20cm程度で足りる。
あるいは図4(b)に示すように、支持杭31の先端と軌道2よりも傾斜面上側に位置する樹木とを帯状バンドBdで張力のかかった状態で連結して支持杭31による軌道2の支持を補強するようにしてもよい。
図5に、以上説明した設置方法で軌道2を設置した場合の斜視図を示す。軌道2は、長手方向の長さが通常4m~6m程度であり、軌道2が長手方向に連続して接続されることによって駆動車1a及び搬送車4が移動する単軌条21が建設される。図5は、建設中の軌道2の長手方向先端であって、次の軌道2を長手方向に延設する場合には、軌道2の単軌条21同士及び下フレーム22同士をそれぞれ直線ジョイントを用いて接続する。そして、延設した軌道2の長手方向先端部を前記の本発明の方法で鉛直状態に固定する。この作業を繰り返すことによって軌道2は所定の位置から所望の位置まで設置可能となる。また、所定領域の木材の搬送が終了した後は軌道2は撤収されて次の場所に移設可能である。
(駆動車)
駆動車1aとしては、本出願人が既に出願している特開2017-7786号公報に記載の駆動車(台車)が好適に使用可能である。図6に駆動車1aの搬送方向に対して平行方向の垂直断面図を示し、図7に駆動車1aの搬送方向に対して垂直方向の垂直断面図を示す。図1の木材搬送装置WT1で使用される駆動車1aは単軌条21に跨り自走可能な駆動車であって、筐体11内の搬送方向前後に2つの駆動部D1,D2とを備える。図7に示すように、駆動車1aは、筐体11と、この筐体11に支持され、単軌条21の外周に周方向に等間隔で圧接する5つの駆動車輪12a,12b,12c,12d,12e(以下、「駆動車輪12」と総称することがある)とを有する。そして、駆動車輪12を回転可能に支持する軸受け(不図示)と筐体11との間には圧縮コイルバネ(付勢手段)14が介装されている。駆動車輪12を回転駆動させるモーター(駆動源)M1が駆動車輪12aの近傍に設けられている。
また、筐体1の幅方向(紙面左右方向)の中央下部には、一対の摺動部材17a,17bが設けられている。摺動部材17a,17bは断面長方形状の棒状で、単軌条21よりも下方で軌道2を挟んで離隔対向するように配置されている。摺動部材17a,17bによって、走行中の駆動車1aの単軌条21を中心とする揺れが抑えられる。
摺動部材17a,17bの材質としては、摩擦係数が小さく、耐摩耗性の高いものが好ましい。例えば、ポリアセタールやポリアミド、PTFE,ポリフェニレンサルファイドなどが挙げられ、これらの中でもポリアセタールが好ましい。なお、このような摩擦係数の小さい材料は、摺動部材の軌道2との対向面側だけに設けるようにしても構わない。
駆動車輪12aは単軌条21の中心軸を通る鉛直線上で単軌条21に駆動車1aの自重で圧接し、残る4つの駆動車輪12b,12c,12d,12eは単軌条21の中心軸を中心として点対称に配置され、圧縮コイルバネ14の付勢力で単軌条21にそれぞれ圧接している。圧縮コイルバネ14による荷重としては、通常、数千N程度が好ましく、より好ましくは4000N以上である。
図8に示すように、駆動車輪12の外周面は単軌条21の外周と略同一曲率の凹面121とされ、外周縁の軸方向両端にはギア歯122が形成されている。単軌条21に圧接した状態において隣り合う駆動車輪のギア歯122は歯合する。また、5つの駆動車輪12a,12b,12c,12d,12eが単軌条21に圧接した状態では、単軌条21の外周の83%程度が5つの駆動車輪12によって覆われる。これにより、駆動車輪12による単軌条21のグリップ力が大きくなり、駆動車1aの滑りが確実に防止され、伐採した木材などの重量物でも容易に運搬できるようになる。駆動車輪12と単軌条21との接触面積は広いほど駆動車輪のグリップ力が向上するが、通常、単軌条21の外周の50%~90%を駆動車輪12で覆うようにするのが好ましい。
図7において、モーターM1の駆動力は、ギアボックス51を介して駆動ギア16(図6に図示)に伝えられ、駆動ギア16が回転することによって駆動ギア16に歯合する伝達ギア15が回転し、伝達ギア15と同じ回転軸に取り付けられた駆動車輪12aが回転する。駆動車輪12aとその両側の駆動車輪12b,12eとは、駆動車輪の外周縁に形成されたギア歯122が互いに歯合している。これにより、駆動車輪12aが回転すると、駆動車輪12b,12eも回転する。同様にして、駆動車輪12c,12dと、それぞれ隣り合う駆動車輪12b,12eとは、駆動車輪の外周縁に形成されたギア歯121が歯合しているので、駆動車輪12b,12eが回転すると駆動車輪12c,12dも回転する。このようにして5つの駆動車輪12はすべて駆動するようになる。なお、もう一つの駆動部D2も同様の構成である。
駆動車1aは、前後方向に2組の駆動部D1,D2を備えているので、複数本の木材を積載した複数台の搬送車4を所望速度で移動させることができる。また必要により、駆動車1aの上面空間などに建設資材や機材などを載置し搬送することもできる。駆動車1aの速度はモーターM1,M2の回転により制御される。また、駆動車1aに設けられた不図示のセンサーによって駆動車1aの移動速度が監視される。これにより、駆動車1aを複数台使用する場合、例えば複数台の搬送車4の先頭と最後尾とに駆動車1aを連結する場合に、先頭と最後尾の2台の駆動車1aの移動速度を同期させることが可能となる。また、駆動車1aの移動速度が設定された速度から外れた場合には、不図示の非常用ブレーキによって駆動車1aを緊急停止させることも可能となる。
軌道2に対する駆動車1aの着脱は、山林等に設置された既設軌道からは着脱作業が煩雑なので、駆動車1aの走行方向の長さよりも若干長い単軌条を有する移動用軌道を予め準備しておき、移動用軌道に駆動車1aを取付け、山林等に建設された既設軌道の端部に移動用軌道を連結し、駆動車1aを移動用軌道から既設軌道に移動させることにより既設軌道に駆動車1aを取り付ける。既設軌道から駆動車1aを取り外す場合は、前記場合と逆の手順である。
モーターM1,M2への電力供給は、駆動車1aに搭載されたバッテリー(不図示)から行う。バッテリーとモーターM1,M2との間にインバーターを介設すれば、駆動車1aの走行速度を調整することもできる。
以上説明した実施形態では、前側の駆動部D1と後側の駆動部D2にそれぞれモーターM1,M2を設けて駆動車輪12を回転させていたが、1つのモーターで前後の駆動部D1,D2のすべての駆動車輪を回転させても構わない。
(搬送車)
図9に搬送車4の正面図を示し、図10に図9の搬送車4のA-A線断面図を示す。なお、以下の説明における前後方向、左右方向、上下方向は図9及び図10に示す各々の方向をいうものとする。
搬送車4は単軌条21に跨り走行可能であって、前後方向に離隔対向して配置された前板41及び後板42と、前板41と後板42との間に軌道2に対して左右対称に配置され、前後方向両端部が前板41及び後板42に固定された右側板43及び左側板44とを有する。前板41及び後板42は、下端の左右中央から上方に向かって略長方形状に切り欠かれた切り欠き部411を有する。切り欠き部411の左右方向の幅は単軌条21が挿入可能な幅とされており、下端から所定長さのところまではそれよりも上方の部分よりも広い拡大部412とされている。前板41及び後板42の拡大部412には断面長方形で前後方向に延在するの摺動部材413a,413bが固定される。摺動部材413a,413bは、単軌条21よりも下方で軌道2を挟んで離隔対向するように配置され、走行中の搬送車4の単軌条21を中心とする揺れを抑制する働きを奏する。また前板41及び後板42の上端には、前後方向から見て下方に凹んだ円弧状で縁端が鋸歯状にされた鋸歯状部414,424が形成されている。そして前板41及び後板42の軌道2よりも右側部の上下方向略中央には貫通孔415,425が形成されている。
図10に示すように、右側板43及び左側板44は、前後方向から見た断面形状が略水平に配置された上面部43a,44aと、略垂直に配置された側面部43b,44bと、上面部43a,44aの軌道側の端部と側面部43b,44bの上端部とを接続し、軌道2から離れるにしたがって上方に傾斜する接続部43c,44cとが一体成形された形状を有し、軌道2に対して左右対称に配置されている。右側板43及び左側板44の上面部43a,44aには、前板41及び後板42から前後方向の搬送車3の中心方向に所定距離隔てて、上端部が前板41及び後板42の上端部と同一形状、すなわち上端部が前後方向から見て下方に凹んだ円弧状でその縁端は鋸歯状と成形された固定用板45,46が取り付けられている。そして、右側板43の上面部43aの前板41と固定用板45との間及び後板42と固定用板46との間にフックF1,F2が固定され、左側板44の上面部44aの前板41と固定用板45との間及び後板42と固定用板46との間には貫通孔47(図10に図示)が形成され、貫通孔47には頭部にフック部F3が固定されたボルトBtの軸部が上面部の上側から下側に挿通され、上面部44aの下側においてボルトBtの軸部に六角柱形状のナットNtが螺合される。後述するように、搬送車4の上面に木材Trを載置し、フックF1,F2とフック部F3との間にチェーン(紐状部材)Ch1を架け渡して、ボルトBtの軸部にナットNtを螺合し締め付けることによって、フック部F3の固定されたボルトBtが下方に移動し木材Trが搬送車4に固定される。つまり本実施形態では、頭部にフックF3が固定されたボルトBtとナットNtが締結部材を構成する。
右側板43及び左側板44の接続部43c,44cには単軌条21に対して左右対称となるように一対のローラ48a,48bが回動自在に軸支されており、接続部43c,44cの前後方向所定距離隔てた位置にも同様にもう一対のローラ(不図示)が回転自在に軸支されている。これら2対のローラが単軌条21に接触し回転することによって搬送車4は単軌条21上を自由に走行可能とされている。本実施形態ではローラ対48a,48bは前後方向に2対設けているが、積載する木材Trの重量等を考慮してローラ対を3対以上としても勿論構わない。
図10及び図11に示すように、右側板43の右方には右側板43と離隔対向するように、右側板43と略同一形状の支持板5が配置され、支持板5の前後方向両端部は前板41及び後板42に固定されている。右側板43及び支持板5の前後方向略中央で上下方向略中央部において右側板43と支持板5とにドラム軸51が回動可能に軸支されている。このドラム軸51にはワイヤーW1が巻回されるドラム6が固定される。ドラム6は、ドラム本体61と、ドラム本体61の軸方向両端に取り付けられた一対のガイド側板62a,62bとを有する。そしてさらにドラム軸51には、ドラム6よりもさらに外方にガイド側板62a,62bよりも大径の板状歯車63が固定される。より詳細には、板状歯車63の直径は、板状歯車63の歯溝底部を結んだ円周がガイド側板62a,62bの外周縁よりも半径方向外方となるように設定される(図11を参照)。ドラム本体61の外周にはワイヤーW1の一方端が固定されると共に所定長さのワイヤーW1が巻き付けられる。ワイヤーW1の長さは、後述するように、搬送する木材Trの長さを考慮して適宜決定されるが、通常3m以上8m以下の範囲である。ワイヤーW1の先端は後板42に形成された貫通孔425から後方に引き出され、後続の搬送車4の前板41に形成された貫通孔415から内部に進入し、貫通孔415から抜け出ることが不能な抜け止め部材416に取り付けられている(図9に示す先行の搬送車4からのワイヤーW2及び抜け止め部材416を参照)。
ドラム軸51の右端部は支持板5から外方(右方)に突出し、突出したドラム軸51の先端部にはハンドルHが固定されている。ハンドルHはドラム軸51から半径方向外方に延在する長板状部52と、長板状部52の外方先端部から長板状部52に対して垂直方向に突出した軸に回動自在に設けられた円柱状の持ち手部53とを有する。
図9において、支持板5の板状歯車63の外縁に対応する部分、より詳細には、ドラム軸51を中心として上前部の板状歯車63の外縁付近には、後述するピン54の移動を案内するガイド孔55が形成されている。図11に示すように、ガイド孔55は上下方向に所定長さを有する長孔部55aと、長孔部55aの上端部から長穴部55aに対して交差する方向に延出した短孔部55bとを有し、短孔部55bの先端にはピン54が係入可能な凹部55cが形成されている。長孔部55aの途中部において板状歯車63の歯溝の軌道が横切ると共に、凹部55cは板状歯車63の歯溝の軌道よりも半径方向外方に位置する。すなわち、ピン54は長孔部55a内に位置すると板状歯車63の歯溝に係入し得るが、ピン54が凹部55cに位置すると板状歯車63そのものに接触しない。
図10に示すように、ピン54は、棒状の本体部541と本体部541の先端に取り付けられた球状の把持部542とを有し、本体部541の根元部は右側板43に揺動可能に支持され、本体部541はガイド孔55を挿通し支持板5から外方(右方)に突出している。図11に示すように、ピン54はガイド孔55内を移動可能である。より詳細には、板状歯車63と接触する位置(制限位置)と板状歯車63に接触しない位置(解放位置)とに移動可能である。ピン54が制限位置にある場合、すなわち長孔部55aに位置する場合、ピン54は自重によって下方に移動し、板状歯車63の歯溝に係入するか板状歯車63の歯に当接する。ピン54が板状歯車63の歯に当接した場合には、板状歯車63が歯間の1ピッチ以下回転した時にピン54は歯溝に落下して係入する。図11に示すピン54が歯溝に係入した状態では、板状歯車63が右回りに回転しようとすると、板状歯車63の歯と長孔部55aの前側内側面との間にピン54が挟持されて板状歯車63の回転が阻止される。つまりピン54が制限位置にある場合にはドラム6からのワイヤーW1の巻き出しが不能となる。したがって、本実施形態ではピン54と板状歯車63とが、ドラム6からのワイヤーW1の巻き出しを不能とするストッパー機構を構成している。一方、板状歯車63が左回りに回転しようとすると、ピン54は板状歯車63の歯によって上方に持ち上げられた後、次の歯溝に落下係入し、続く歯によって再び上方に持ち上げられ次いで歯溝に落下係入する。この動作が板状歯車63が回転する限り繰り返される。すなわち板状歯車63の左回りの回転はピン54によって阻止されない。換言すると、ピン54が制限位置にある場合であってもドラム6へのワイヤーW1の巻き取りは可能である。なお、ピン54を歯溝に係入する方向に付勢するバネなどの付勢手段(不図示)をさらに設けて、ピン54の歯溝への係入が確実になされるようにしてもよい。
これに対して、ピン54の歯溝との係合が解除されピン54が板状歯車63に接触しない凹部55cに係入している、すなわちピン54が解放位置にあると、図9における板状歯車63の右回り及び左回りの回転は可能となり、ワイヤーW1のドラム6からの巻き出し及びドラム6への巻き取りが可能となる。
(木材の積載及び固定)
次に、このような構成の搬送車4に木材Trを積載し固定する手順について説明する。まず、ピン54を解放位置としワイヤーのドラム6からの巻き出し及び巻き取りを可能として、前後方向に隣り合う2台の搬送車4の前後方向の間隔が、積載する木材Trの長手方向の長さとなるように調整する。より詳細には、ワイヤーW1を引き出して隣り合う2台の搬送車4の間隔が木材Trの長手方向の長さよりも若干広くなるようにした後、ピン54を制限位置としハンドルHを回してワイヤーW1を巻き取って2台の搬送車4の間隔が所望広さとなるよう調整してもよい。このように前後方向に隣り合う2台の搬送車4をワイヤーW1で連結していることで、木材Trの端部が搬送車から外れた場合であっても搬送車が単軌条21上を自由滑走(暴走)することが防止される。
そして、図1及び図9に示すように、積載する木材Trの長手方向の両端部が前方の搬送車4の後半部及び後方の搬送車4の前半分に位置するよう載置する。より詳細には、木材Trの長手方向の前端部が、前方の搬送車4の後板42の上端部の鋸歯状部424及び固定用板46の鋸歯状部と当接するように載置され、木材Trの長手方向の後端部が後方の搬送車4の前板41の上端部の鋸歯状部414及び固定用板45の鋸歯状部と当接するように載置される。次いで、図10に示すように、チェーンCh1の一方端がフックF1に係止され、積載された木材Trの上側表面にチェーンCh1が巻き掛けられて他方端がフックF3に係止される。そして、ナットNtを締め付けることによってボルトBtと共にフックF3が下方に引き寄せられ、鋸歯状部414及び固定用板45の鋸歯状部とチェーンCh1とによって木材Trは搬送車4の上面に締め付け固定される。このとき鋸歯状部が木材Trの表面に食い込み木材の前後及び左右のズレを効果的に抑制する。このように本実施形態では、前板及び後板の鋸歯状部414,424、固定用板45,46の鋸歯状部、チェーンCh1、フックF1,F2、ボルトBt,ナットNtが木材Trを固定する固定機構を構成する。なお、ナットNtの締め付け及び緩めは山林の急傾斜などでの作業性等を考慮するとインパクトレンチの使用が推奨される。
図1に示すように、以上説明した木材Trの搬送車4への積載と固定とが前側の搬送車4から順に行われ、N本の木材が(N+1)台の搬送車4にそれぞれ積載及び固定される。その後、駆動車1aが駆動されて木材Trは所定の集材場所まで搬送される。
なお、木材Trの搬送車4からの積み降ろしは、木材Trの積載と逆の手順で行えばよい。すなわち、ナットNtが緩められてフックF3が上方に移動可能とされチェーンCh1が緩められてフックF3からチェーンの一方端が外される。そして、不図示のクレーンやホイストなどを用いて木材Trが搬送車4から降ろされる。木材Trが降ろされるとハンドルHが回されてワイヤーW1がドラム6に巻き取られ一対の搬送車4の間隔は狭くされる。このとき木材Trが降ろされた搬送車4から順に間隔が狭くされていくので搬送車4を待機させておくスペースが最小限に抑えることが可能となる。そして、すべての木材Trが搬送車4から降ろされた後は、駆動車1aが木材搬送方向とは逆方向に駆動されて、搬送車4は搬送車間の間隔が全ての狭くされた状態となって木材の積み出し場所に戻される。
(変形例)
図12に締結部材の他の例を示す。前記実施形態では、締結部材は、頭部にフックF3が固定されたボルトBtとナットNtからを構成されていたが、図12に示す締結部材9aは、L字状の本体フレーム91と、本体フレーム91の長手部911に移動可能に取り付けられた移動フレーム92と、移動フレーム92に支持された挟持用のネジ部材93とを備える。本体フレーム91の短手部912の先端部の外側面にはチェーンを係止するためフック915が形成されている。移動フレーム92は、本体フレーム91の長手部911を挿通可能な貫通孔924を有する基部921と、内周面に雌ネジが螺刻されネジ部材93が螺入する貫通孔925を有する支持部922と、基部921と支持部922とを繋ぐ接続部923とを有する。ネジ部材93の先端には円板状部934が設けられている。
この締結部材9aを用いてチェーンCh1と搬送車4の左側板44とを締結する場合には、本体フレーム91の短手部912に設けられたフック915にチェーンCh1の一方端が係止されると共に、ネジ部材93の先端に設けられた円板状部934が左側板44の上面部44aの下面に当接するように締結部材9aが配置される。そして、フック915が下方向に移動する方向すなわち本体フレーム91が下方向に移動する方向にネジ部材93が回転されると、積載された木材Trの上側表面に巻き掛けられたチェーンCh1がフック915と共に下方に引き寄せられて、チェーンCh1と固定用板45の鋸歯状部(及び鋸歯状部414)とによって木材Trは搬送車4の上面に締め付け固定される。なお、この締結部材9aの基本構成は、後述する木材Trに取り付ける固定具9bの構成と共通する。
(第2実施形態)
図13に、本発明に係る木材搬送装置WT2の第2実施形態の概略説明図を示す。第2実施形態の木材搬送装置WT2が、第1実施形態の木材搬送装置WT1と本質的に相違する点は、第1実施形態では駆動車1a及び搬送車4が単軌条21に跨って移動するのに対して、第2実施形態では駆動車1b及び搬送車7が単軌条21に懸吊して移動する点である。この本質的相違に起因して、第2実施形態の木材搬送装置WT2を構成する軌道2、駆動車1b、搬送車7は、第1木材搬送装置WT1のそれらとは上下方向に対称な構造を有する。以下、本実施形態に係る木材搬送装置WT2を構成する軌道2、駆動車1b、搬送車7について第1実施形態のものと相違するところを中心に説明する。
(軌道)
図14に軌道2の正面図を示す。この図に示す軌道2は図2に示した軌道2と基本構造は同じであるが、図2の単軌条21と下フレーム22が逆になっている点が図2の軌道2と相違する。すなわち、単軌条21が軌道2の下部に位置し、下フレーム21に代わって上フレーム26とされている。後述する駆動車1b及び搬送車7は、この軌道2の下部に設けられた単軌条21に懸吊された状態で移動する。
図15に、軌道2の山林等の不整地への設置状態図を示す。図15(a)に示す軌道2の設置は、図3に図示した軌道2の設置方法と基本工程は同じである。まず山林等の傾斜面に支持杭31を打ち込む。次いで、支持杭31の上端部と軌道2の上フレーム26とをクランプなどの接続部材34で接続した後、円管状の角度調整部材32の一方端部を軌道2の固定支持部25に接続し、角度調整部材32のもう一方端部を支持杭31に接続して軌道2を鉛直状態で固定する。角度調整部材32による軌道2と支持杭31との固定位置は、支持杭31と上フレーム26との接続位置よりも下方位置である。また傾斜面の角度が急な場合などには、図15(b)に示すように、支持杭31の先端と軌道2よりも傾斜面上側に位置する樹木とを帯状バンドBdで張力のかかった状態で連結して支持杭31による軌道2の支持を補強するようにしてもよい。あるいはまた、支持杭31の近傍に補助杭を打ち込み、補助杭と支持杭31とを接続して、支持杭31による軌道2の支持を補強するようにしてもよい。
(駆動車)
図16に駆動車1bの搬送方向に対して平行方向の垂直断面図を示し、図17に駆動車1bの搬送方向に対して垂直方向の垂直断面図を示す。本実施形態の駆動車1bは、第1実施形態の駆動車1aを上下方向に対称の構造としたものであって、単軌条21に懸吊して自走する点を除けば第1実施形態の駆動車1aと構造及び部材は同一である。よって、ここでは駆動車1bの構造及び部材の詳しい説明は省略する。
(搬送車)
図18に搬送車7の正面図を示し、図19に図18の搬送車のB-B線断面図を示す。なお、以下の説明における前後方向、左右方向、上下方向は図18及び図19に示す各々の方向をいうものとする。
搬送車7は単軌条21に懸吊して走行可能であって、前後方向に離隔対向して配置された前板71及び後板72と、前板71と後板72との間に配置され、前後方向両端部が前板71及び後板72に固定された垂直断面が略J状の側板73(図19に図示)とを有する。前板71及び後板72は、上端の左右中央から下方に向かって略長方形状に切り欠かれた切り欠き部711を有する。切り欠き部711の上部は左右方向に拡大された拡大部712とされている。この拡大部712には、断面長方形で前後方向に延在するの摺動部材713a,713bの前後方向両端部が固定される。摺動部材713a,713bは、単軌条21よりも上方で軌道2を挟んで離隔対向するように配置され、走行中の搬送車7の単軌条21を中心とする揺れを抑制する働きを奏する。また切り欠き部711の上下方向中央部よりもやや下方には、左右方向中央から外方に拡がるように二等辺三角形状の部分拡大部714a,714bが形成されている。そして、部分拡大部714a,714bの下側片には単軌条21に対して左右対称となるように設けられた一対のローラ74a,74bの軸部が固定されている。後板72にも同様にして一対のローラ75a,75bの軸部が固定されている。前板71及び後板72に設けられたこれら2対のローラ74,75が単軌条21に当接し回転することによって搬送車7は単軌条21に懸吊した状態で自由に走行可能とされている。そして前板71及び後板72の軌道2よりも右側部の上下中央よりも下側には貫通孔715,725が形成されている。貫通孔725からワイヤーW1の巻き出し及び巻き取りが行われ、貫通孔715には先行の搬送車から伸び出たワイヤーW2の先端部が搬送車7内に進入し、ワイヤーW2の先端に抜け止め部材716が接続されている。
垂直断面が略J状の側板73は、右側板部73aと、右側板部73aと単軌条21を挟んで対向する左側板部73bと、単軌条21よりも下側において右側板部73aの下端と左側板部73bの下端とを略水平に接続する下板部73cとが屈曲一体成形されてなる。左側板部73bは右側板部73aよりも上下方向の長さが短く、前後方向両側部には単軌条21に下方から当接し回動するローラ76の軸部が固定されている。
右側板部73aの右方には右側板73aと離隔対向するように支持板77が配置されている。図18に示すように、支持板77の上下方向長さは側板73の右側板部73aと同じで、左右方向長さは右側板部73aの半分程度の長方形状である。そして、支持板77は、前側端下部において前方向に突き出た突出部771を有する。支持板77の前後方向略中央で上下方向略中央部において右側板部と支持板77とにドラム軸51が回動可能に軸支されている。このドラム軸51にはワイヤーW1が巻回されるドラム6が固定される。ドラム6は、ドラム本体61と、ドラム本体61の軸方向両端に取り付けられた一対のガイド側板62a,62bとを有する。そしてさらにドラム軸51には、ドラム6よりもさらに外方にガイド側板62a,62bよりも大径のウォームホイール64が固定される。より詳細には、ウォームホイール64の直径は、ウォームホイール64の歯溝底部を結んだ円周がガイド側板62a,62bの外周縁よりも半径方向外方となるように設定される。そしてさらに、図18に示すように、ウォームホイール64の歯部が、支持板77の前側端の突出部771よりも上方において支持板77から露出するよう設定される。ドラム本体61の外周には第1実施形態と同様にワイヤーW1の一方端が固定されると共に所定長さのワイヤーW1が巻き付けられる。
支持板77の突出部771には、回転軸81が垂直となるようにウォームギア8が回動可能に取り付けられている。回転軸81の先端部は六角円柱形状とされており、例えばインパクトレンチを用いて所望の方向に回転可能とされている。またウォームギア8は、支持板77の前側端から露出しているウォームホイール64と歯合している。これにより、例えばインパクトレンチをウォームギア8の先端部に嵌め入れて所望方向にウォームギア8を回転させるとウォームホイール64が回転し、このウォームホイール64の回転によってドラム6も回転してワイヤーW1のドラム6からの巻き出し及びドラム6への巻き取りがなされる。一方、ウォームギア8が停止しているときは、ウォームギア8によってウォームホイール64の回転は不能となる。すなわちワイヤーW1の巻き出し及び巻き取りが不能となる。したがって、本実施形態ではウォームホイール64とウォームギア8とがドラム6からのワイヤーW1の巻き出しを不能とするストッパー機構を構成する。
側板73の下板部73cの外底面には、前後方向に所定距離隔てて2つの輪っか部78a,78bが設けられている。そして輪っか部78a,78bの各々には、下端に木材Trを固定する固定具9bが取り付けられたチェーン(第3紐状部材)ChがフックFによって着脱可能に接続されている。図19に示すように、固定具9bは、L字状の本体フレーム91と、本体フレーム91の長手部911に移動可能に取り付けられた移動フレーム92と、移動フレーム92に支持された挟持用のネジ部材93とを備える。本体フレーム91の短手部912の先端部には木材を挟持するため挟持部913が形成されている。また長手部911の略中央部にはチェーンChが取り付けられる取り付け部914が設けられている。移動フレーム92は、本体フレーム91の長手部911を挿通可能な貫通孔924を有する基部921と、内周面に雌ネジが螺刻されネジ部材93が螺入する貫通孔925を有する支持部922と、基部921と支持部922とを繋ぐ接続部923とを有する。ネジ部材93は先端に尖形状部931を有し、尖形状部931とネジ部932との間に鍔状部933を有する。
固定具9bを木材Trに固定する場合には、本体フレーム91の挟持部913と移動フレーム92のネジ部材93との間が木材の直径以上となるように移動フレーム92を本体フレーム91の長手部に沿って移動させる。次いで、本体フレーム91の挟持部913と移動フレーム92のネジ部材93との間に木材を位置させた後、移動フレーム92を木材に近づける方向に移動させる。そして、ネジ部材93を木材に近づく方向に回転させて、ネジ部材93の尖形状部931を木材Trに食い込ませて鍔状部933と本体フレーム91の挟持部913との間で木材Trを強固に挟持する。急傾斜などの伐採地においては作業性等の点でネジ部材93の締め付け及び緩めにはインパクトレンチが好適に使用される。
本実施形態では固定具9bとチェーンChが木材Trを搬送車7に固定する固定機構を構成する。なお、側板73の下板部73cと固定具9bとを接続する第3紐状部材は、木材Trを吊り上げ支持可能である限りにおいてチェーンChの外、ワイヤーなど従来公知の紐状部材が使用可能である。
(木材の吊り下げ及び固定)
このような構成の搬送車7に木材Trを吊り下げ固定する手順について説明する。まず、前述の手順によって固定具9bが木材Trの長手方向両端部に取り付けられる。木材Trが搬送装置WT2の設置場所から離れている場合には、固定具9bにワイヤを接続してウインチ等を用いて木材Trを搬送装置WT2近傍まで移動させる。一方で、インパクトレンチ等を用いてウォームギア8を回転させてドラム6からのワイヤーW1の巻き出し及び巻き取りを可能として、前後方向に隣り合う2台の搬送車7の前後方向の間隔が、積載する木材Trの長手方向の長さとなるように調整する。そして、図13及び図18に示すように、木材Trの前端部に固定した固定具9bのチェーンChを前方の搬送車7の輪っか部78bに接続し、木材Trの後端部に固定した固定具9bのチェーンChを後方の搬送車7の輪っか部78aに接続して、木材Trを前後に位置する2台の搬送車7に吊り下げ固定する。
図13に示すように、以上説明した木材Trの搬送車7への吊り下げ固定が前側の搬送車から順に行われ、N本の木材が(N+1)台の搬送車7にそれぞれ吊り下げ固定された後、駆動車7が駆動されて木材Trは集材場所まで搬送される。
なお、木材Trの搬送車7からの積み降ろしは、固定具9bのネジ部93を緩めることによって木材Trを落下させればよい。すべての木材Trが搬送車7から取り外されると、ウォームギア8が回転されてワイヤーW1がドラム6に巻き取られ搬送車7の間隔が狭くされる。そして、駆動車1bが木材搬送方向とは逆方向に駆動されて木材の積み出し場所に搬送車が戻される。
(その他)
以上説明した実施形態では、傾斜面の上方から下方に木材Trを搬送するときは駆動車1は搬送方向最後尾に位置し、傾斜面の下方から上方へ木材Trを搬送するときは駆動車1は搬送方向先頭に位置していたが、平地において木材Trを搬送するときには駆動車1は搬送方向先頭に配置される。また起伏のある場所すなわち上り下りのあるにおいて木材Trを搬送する場合には駆動車1は少なくとも2台準備され搬送方向先頭及び最後尾に配置される。上りの場所及び平地では搬送方向先頭に配置された駆動車1が木材Trを積載した搬送車を牽引し、下りの場所では搬送方向最後尾に配置された駆動車1が木材Trを積載した搬送車の滑走を制御し所望速度での搬送を行う。
また以上説明した実施形態では、1台の搬送車に2つの固定機構を設け、搬送車の搬送方向の前側と後側とで異なる木材の端部を固定していたが、1台の搬送車に1本の木材の端部のみを固定するようにしても構わない。
本発明の木材搬送装置WTでは、搬送車を搬送方向前後に複数連結させることによって複数本の木材を直線列状に搬送できるので不整地で急峻な山林からでも木材を集材場所まで効率的に搬送可能となり有用である。
WT1,WT2 木材搬送装置
1a,1b 駆動車
2 軌道
4 搬送車
6 ドラム
8 ウォームギア
9a 締結部材
9b 固定具
11 筐体
12a,12b,12c,12d,12e 駆動車輪
14 圧縮コイルバネ(付勢手段)
17a,17b 摺動部材
21 単軌条
22 下フレーム
23 鉛直材
24 斜材
25 固定支持部
26 上フレーム
31 支持杭
32 角度調整部材
33 補助杭
34 クランプ
45,46 固定用板
51 回動軸
54 ピン
55 ガイド孔
63 歯車
64 ウォームホイール
414,424 鋸歯状部
121 凹面
122 ギア歯
W1 ワイヤー(第1紐状部材)
Ch1 ワイヤー(第2紐状部材)
Ch チェーン(第3紐状部材)

Claims (10)

  1. 単軌条を用いて木材を搬送する搬送装置であって、
    前記単軌条に跨り又は前記単軌条に懸吊され所望速度で自走可能な駆動車と、
    前記単軌条に跨り又は前記単軌条に懸吊され、前記駆動車に連結されて搬送方向前後に並んで移動する少なくとも2台の搬送車とを備え、
    前記搬送車は、搬送する木材を固定する固定機構と、搬送車間の距離を搬送する木材の長手方向の長さに合わせて調整する間隔調整機構とを有し、搬送する木材の長手方向両端部を固定して木材を搬送することを特徴とする木材搬送装置。
  2. 前記間隔調整機構が、
    搬送方向前後に位置する一方の搬送車に回動可能に設けられたドラムと、
    前記ドラムに巻き付けられ、先端部が搬送方向前後に位置する他方の搬送車に固定され第1紐状部材と、
    前記一方の搬送車に設けられ、前記ドラムからの第1紐状部材の巻き出しを不能とするストッパー機構とを有する請求項1記載の木材搬送装置。
  3. 前記ストッパー機構が、
    前記ドラムの回動軸に取り付けられ前記ドラムと共に回動する歯車と、
    前記歯車の歯溝に係入して前記歯車の少なくとも一方向への回動を不能とするピンとから構成される請求項2記載の木材搬送装置。
  4. 前記ピンが、前記歯車に接触せず第1紐状部材の前記ドラムからの巻き出し及び巻き取りを可能とする解放位置と、前記歯車に接触し第1紐状部材の巻き取りは可能とするが巻き出しは不能とする制限位置とに移動自在である請求項3記載の木材搬送装置。
  5. 前記ストッパー機構が、
    前記ドラムの回動軸に取り付けられ前記ドラムと共に回動するウォームホイールと、
    前記ウォームホイールに歯合するウォームギアとから構成される請求項2記載の木材搬送装置。
  6. 前記駆動車及び前記搬送車が前記単軌条に跨り移動し、
    前記固定機構が、
    前記搬送車の各々の上面に設けられた鋸歯状部と、
    一方の端部が前記搬送車に固定された第2紐状部材と、
    前記第2紐状部材の他方の端部と前記搬送車とを締結する締結部材と
    から構成される請求項1~5のいずれかに記載の木材搬送装置。
  7. 前記駆動車及び前記搬送車が前記単軌条に懸吊して移動し、
    前記固定機構が、
    木材の長手方向端部に固定される固定具と、
    前記固定具と前記搬送車の下部とを着脱可能に接続する第3紐状部材と
    から構成される請求項1~5のいずれかに記載の木材搬送装置。
  8. 前記搬送車の各々が2つの固定機構を備え、前記搬送車の各々は搬送方向の前側と後側とで異なる木材の端部を固定可能である請求項1~7のいずれかに記載の木材搬送装置。
  9. 搬送方向の先頭及び/又は後尾に駆動車が配置されている請求項1~8のいずれかに記載の木材搬送装置。
  10. 前記単軌条が移設可能である請求項1~9のいずれかに記載の木材搬送装置。
JP2019047954A 2019-03-15 2019-03-15 木材搬送装置 Active JP7120636B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019047954A JP7120636B2 (ja) 2019-03-15 2019-03-15 木材搬送装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019047954A JP7120636B2 (ja) 2019-03-15 2019-03-15 木材搬送装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020145998A JP2020145998A (ja) 2020-09-17
JP7120636B2 true JP7120636B2 (ja) 2022-08-17

Family

ID=72429110

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019047954A Active JP7120636B2 (ja) 2019-03-15 2019-03-15 木材搬送装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7120636B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003118976A (ja) 2001-10-16 2003-04-23 Fujii Denko Co Ltd 集材装置を備えた単軌条運搬機
JP2012120503A (ja) 2010-12-10 2012-06-28 Imura Satoru 森林資源活用システム
JP2019011652A (ja) 2017-07-03 2019-01-24 上田技研産業株式会社 跨座式台車用レールユニットの設置方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6430522A (en) * 1987-07-27 1989-02-01 Takeshi Yamashita Material collecting device

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003118976A (ja) 2001-10-16 2003-04-23 Fujii Denko Co Ltd 集材装置を備えた単軌条運搬機
JP2012120503A (ja) 2010-12-10 2012-06-28 Imura Satoru 森林資源活用システム
JP2019011652A (ja) 2017-07-03 2019-01-24 上田技研産業株式会社 跨座式台車用レールユニットの設置方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
島崎洋路、高橋祐吉、千葉一郎,モノレールによる間伐材搬出実験の成果,信州大学農学部演習林報告,1979年10月,16号,17-37

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020145998A (ja) 2020-09-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7568876B1 (en) Portable log skidder
US10501291B2 (en) Mobile winch system
US3123380A (en) Or heavy objects
CN217921108U (zh) 市政工程管道施工装置
JP7120636B2 (ja) 木材搬送装置
CN201761498U (zh) 液压制动无极绳连续牵引车
US2547935A (en) Transportation mechanism
CN201722111U (zh) 圆木拖车
CN201703298U (zh) 工作艇支撑限位装置
CN214775575U (zh) 木材运输车
CN210855050U (zh) 路缘石安装小车
CN109591872B (zh) 一种用于市政工程施工用的钢管搬运装置
FI128439B (fi) Telilliseen ajoneuvoon asennettava telajärjestely
US20110174913A1 (en) Wheel winch
CN201646783U (zh) 一种抗旱运水车
US2767870A (en) Self-loading wheeled carrier for elongated rigid articles and method
CN203781720U (zh) 绳牵引单轨吊牵引车
CN103787218B (zh) 一种绳牵引单轨吊牵引车
CN100335326C (zh) 在煤矿大倾角煤层运输、卸装重型设备的装置及其方法
CN220929437U (zh) 一种锚杆台车用注浆装置
CN220577317U (zh) 一种钢结构钢材运输装置
CN219883754U (zh) 一种消防用多功能拖挂式储运设备
CN111891257B (zh) 一种适于竹林间伐的集材设备及集材方法
JPH03251124A (ja) 木材の枝払方法および木材等の架線運搬装置
CN218703272U (zh) 一种大直径管道运输工具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220715

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220726

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220728

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7120636

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150