JP7119971B2 - 四輪駆動車 - Google Patents

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Description

本発明は、トランスファと後輪側差動歯車装置と前輪側差動歯車装置とを備え、前輪側の減速比を後輪側の減速比よりも小さくしている四輪駆動車に関して、前記後輪側差動歯車装置の減速比および前記前輪側差動歯車装置の減速比を変更させずに、前記前輪側の減速比と前記後輪側の減速比との差を適切に設定することができる技術に関する。
例えば、特許文献1には、従駆動輪側の減速比を主駆動輪側の減速比よりも小さくして、すなわち後輪側の減速比を前輪側の減速比よりも小さくして、制御カップリングの係合により後輪側に瞬時にトルク配分を可能にした四輪駆動車が提案されている。上記特許文献1では、前輪駆動をベースとした四輪駆動車において、前輪側差動歯車装置の減速比と後輪側差動歯車装置の減速比とを異ならせることによって、すなわち前記後輪側差動歯車装置の減速比を前記前輪側差動歯車装置の減速比よりも小さくすることによって、前記後輪側の減速比を前記前輪側の減速比よりも小さくしている。
これに対して、後輪駆動をベースとした四輪駆動車においても、前記前輪側の減速比を前記後輪側の減速比よりも小さくすることによって、すなわち前記前輪側差動歯車装置の減速比を前記後輪側差動歯車装置の減速比よりも小さくすることによって、例えばクラッチ等の係合により前輪側に瞬時にトルク配分を可能にすることができると考えられる。
特開平11-28942号公報
ところで、後輪駆動をベースとした四輪駆動車では、例えば車種ごとに前記前輪側差動歯車装置および前記後輪側差動歯車装置の減速比が異なるように複数種類設定されており、既存の前記前輪側差動歯車装置および前記後輪側差動歯車装置の種類を増加させずに、前記前輪側の減速比を前記後輪側の減速比よりも小さくさせるためには、車種ごとに減速比が異なる前記前輪側差動歯車装置および前記後輪側差動歯車装置の種類の中から、前記前輪側差動歯車装置の減速比が前記後輪側差動歯車装置の減速比よりも小さい差動歯車装置を選択することが考えられる。しかしながら、既存の前記前輪側差動歯車装置および前記後輪側差動歯車装置の種類の中から前記前輪側差動歯車装置と前記後輪側差動歯車装置とを選択すると、前記前輪側の減速比と前記後輪側の減速比との差を適切に設定できないという問題があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、既存の前輪側差動歯車装置および後輪側差動歯車装置の種類を増加させることなく、前輪側の減速比と後輪側の減速比との差を適切に設定することができる四輪駆動車を提供することにある。
第1発明の要旨とするところは、(a)入力回転部材からの動力を左右の後輪へ出力する第1出力回転部材と、左右の前輪へ動力を出力する第2出力回転部材と、前記第1出力回転部材から前記第2出力回転部材へ伝達する伝達トルクを断接するクラッチと、を有するトランスファと、(b)前記第1出力回転部材から出力された動力を前記左右の後輪へそれぞれ分配する後輪側差動歯車装置と、(c)前記第2出力回転部材から出力された動力を前記左右の前輪へそれぞれ分配する前輪側差動歯車装置と、を備えた四輪駆動車であって、(d)前記トランスファは、前記クラッチに動力伝達可能に連結されるドライブギヤからアイドラギヤと前記第2出力回転部材に動力伝達可能に連結されるドリブンギヤとを介して、または、前記クラッチに動力伝達可能に連結されるドライブスプロケットからチェーンと前記第2出力回転部材に連結されるドリブンスプロケットとを介して、前記第1出力回転部材から前記第2出力回転部材に動力を伝達し、(e)前記ドライブギヤの歯数は前記ドリブンギヤの歯数に対して、または前記ドライブスプロケットの歯数は前記ドリブンスプロケットの歯数に対して、少なく、(f)前記入力回転部材の回転速度と前記前輪の回転速度との比である前輪側トータル減速比が、前記入力回転部材の回転速度と前記後輪の回転速度との比である後輪側トータル減速比よりも小さくされていることにある。
第1発明によれば、(d)前記トランスファは、前記クラッチに動力伝達可能に連結されるドライブギヤからアイドラギヤと前記第2出力回転部材に動力伝達可能に連結されるドリブンギヤとを介して、または、前記クラッチに動力伝達可能に連結されるドライブスプロケットからチェーンと前記第2出力回転部材に連結されるドリブンスプロケットとを介して、前記第1出力回転部材から前記第2出力回転部材に動力を伝達し、(e)前記ドライブギヤの歯数は前記ドリブンギヤの歯数に対して、または前記ドライブスプロケットの歯数は前記ドリブンスプロケットの歯数に対して、少なく、(f)前記入力回転部材の回転速度と前記前輪の回転速度との比である前輪側トータル減速比が、前記入力回転部材の回転速度と前記後輪の回転速度との比である後輪側トータル減速比よりも小さくされている。このため、前記前輪側差動歯車装置の減速比と前記後輪側差動歯車装置の減速比とを変更させずに、前記ドライブギヤの歯数前記ドリブンギヤの歯数に対して少なく変更、または、前記ドライブスプロケットの歯数前記ドリブンスプロケットの歯数に対して少なく変更させることによって、前記前輪側トータル減速比と前記後輪側トータル減速比との差を変更することができる。これによって、既存の前輪側差動歯車装置および後輪側差動歯車装置の種類を増加させることなく、前輪側の減速比と後輪側の減速比との差を適切に設定することができる。
本発明が好適に適用された四輪駆動車の構成を概略的に説明する骨子図である。 図1の四輪駆動車に設けられたトランスファの構成を説明する断面図である。 図1の四輪駆動車に設けられたトランスファの構成を説明する骨子図である。 本発明の他の実施例すなわち実施例2の四輪駆動車を説明する図であり、その実施例2の四輪駆動車に設けられたトランスファの構成を説明する骨子図である。
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された四輪駆動車10の概略構成を説明する図である。図1に示すように、四輪駆動車10は、駆動力源としてのエンジン12と、左右一対の前輪14L、14Rと、左右一対の後輪16L、16Rと、エンジン12からの駆動力を前輪14L、14Rと後輪16L、16Rとへそれぞれ伝達する動力伝達装置18等と、を備えている。なお、後輪16L、16Rは、二輪駆動走行中のときと四輪駆動走行中のときとに、共に駆動輪となる主駆動輪である。また、前輪14L、14Rは、二輪駆動走行中のときに従動輪となり且つ四輪駆動走行中のときに駆動輪となる副駆動輪である。四輪駆動車10は、前置エンジン後輪駆動(FR)をベースとする四輪駆動車である。
動力伝達装置18は、図1に示すように、自動変速機20と、トランスファ22と、フロントプロペラシャフト24およびリヤプロペラシャフト26と、前輪側差動歯車装置28と、後輪側差動歯車装置30と、左右一対の前輪車軸32L、32Rと、左右一対の後輪車軸34L、34R等と、を備えている。動力伝達装置18では、自動変速機20を介して伝達されたエンジン12からの駆動力(動力)を、トランスファ22から、例えば、リヤプロペラシャフト26、後輪側差動歯車装置30、後輪車軸34L、34R等を順次介して後輪16L、16Rへ伝達する。また、動力伝達装置18では、トランスファ22に伝達されたエンジン12からの駆動力の一部が前輪14L、14R側へ分配されると、その分配された駆動力を、例えば、フロントプロペラシャフト24、前輪側差動歯車装置28、前輪車軸32L、32R等を順次介して前輪14L、14Rへ伝達する。なお、動力伝達装置18には、前輪側差動歯車装置28と前輪車軸32Rとの間の動力伝達経路を選択的に切断または接続する噛合式クラッチ36が備えられている。
図2および図3はトランスファ22の概略構成を説明する図である。図2および図3に示すように、トランスファ22は、非回転部材としてのトランスファケース38を備えている。トランスファ22は、トランスファケース38内において、後輪側出力軸(第1出力回転部材)40と、前輪駆動用ドライブギヤ(ドライブギヤ)42と、前輪駆動用クラッチ(クラッチ)44と、を共通の第1回転軸線C1まわりに備えている。後輪側出力軸40は、リヤプロペラシャフト26に動力伝達可能に連結されており、後輪側出力軸40は、エンジン12から自動変速機20の出力軸(入力回転部材)20aに伝達される駆動力を後輪16L、16Rへ出力する。なお、自動変速機20の出力軸20aは、トランスファ22の後輪側出力軸40にエンジン12からの駆動力を入力するトランスファ22の入力回転部材(入力軸)としても機能する。前輪駆動用ドライブギヤ42は、後輪側出力軸40に対して相対回転可能に後輪側出力軸40に支持されている。前輪駆動用クラッチ44は、多板の湿式クラッチであり、前輪駆動用クラッチ44は、後輪側出力軸40から前輪駆動用ドライブギヤ42へ伝達する伝達トルクを調整する。すなわち、前輪駆動用クラッチ44は、後輪側出力軸40から前輪駆動用ドライブギヤ42に動力伝達可能に連結された後述する前輪側出力軸(第2出力回転部材)46へ伝達する伝達トルクを調整する。
また、トランスファ22は、図2および図3に示すように、トランスファケース38内において、前輪側出力軸46と、前輪駆動用ドリブンギヤ(ドリブンギヤ)48と、を共通の第2回転軸線C2回りに備えている。さらに、トランスファ22は、前輪駆動用アイドラギヤ(アイドラギヤ)50を備えている。前輪側出力軸46は、フロントプロペラシャフト24に動力伝達可能に連結されており、前輪側出力軸46は、例えば前輪駆動用クラッチ44によって前輪駆動用ドライブギヤ42にエンジン12からの駆動力の一部が伝達されると、そのエンジン12からの駆動力の一部を前輪14L、14Rへ出力する。前輪駆動用ドリブンギヤ48は、前輪側出力軸46に一体的に設けられており、前輪駆動用ドリブンギヤ48は、前輪側出力軸46に動力伝達可能に連結されている。前輪駆動用アイドラギヤ50は、前輪駆動用ドライブギヤ42と前輪駆動用ドリブンギヤ48とにそれぞれ噛み合わされており、前輪駆動用アイドラギヤ50は、前輪駆動用ドライブギヤ42と前輪駆動用ドリブンギヤ48とをそれぞれ動力伝達可能に連結する。
前輪駆動用クラッチ44は、図2および図3に示すように、クラッチハブ52と、クラッチドラム54と、摩擦係合要素56と、ピストン58と、を備えている。クラッチハブ52は、後輪側出力軸40に動力伝達可能に連結されている。クラッチドラム54は、前輪駆動用ドライブギヤ42に動力伝達可能に連結されている。摩擦係合要素56は、クラッチハブ52に対して第1回転軸線C1方向に移動可能且つクラッチハブ52に対して動力伝達可能に設けられた複数枚の第1摩擦板56aと、クラッチドラム54に対して第1回転軸線C1方向に移動可能且つクラッチドラム54に対して動力伝達可能に設けられた複数枚の第2摩擦板56bと、を有している。ピストン58は、摩擦係合要素56に当接して第1摩擦板56aと第2摩擦板56bとを挟圧する。
トランスファ22は、前輪駆動用クラッチ44が解放状態である場合には、後輪側出力軸40と前輪駆動用ドライブギヤ42との間の動力伝達経路が切断されるので、エンジン12から自動変速機20を介して伝達された駆動力を後輪16L、16Rのみへすなわちリヤプロペラシャフト26のみへ伝達する。また、トランスファ22は、前輪駆動用クラッチ44がスリップ係合状態または完全係合状態である場合には、後輪側出力軸40と前輪駆動用ドライブギヤ42との間の動力伝達経路が接続されるので、エンジン12から自動変速機20を介して伝達された駆動力を前輪14L、14Rおよび後輪16L、16Rにすなわちフロントプロペラシャフト24およびリヤプロペラシャフト26にそれぞれに分配する。すなわち、トランスファ22は、前輪駆動用ドライブギヤ42から前輪駆動用アイドラギヤ50と前輪駆動用ドリブンギヤ48とを介して、前輪駆動用クラッチ44によって後輪側出力軸40から前輪側出力軸46にエンジン12から自動変速機20を介して伝達された駆動力を伝達する。
トランスファ22は、前輪駆動用クラッチ44を作動させる装置として、図2および図3に示すように、電動モータ60と、電動モータ60の回転運動を直線運動に変換するねじ機構62と、を備えている。
ねじ機構62は、後輪側出力軸40と同じ軸心である第1回転軸線C1上に配置されており、ねじ軸部材64とナット部材66とを備えている。ナット部材66は、ウォームギヤ68を介して電動モータ60に間接的に連結されている。また、ナット部材66は、そのナット部材66が第1回転軸線C1まわりに回転することによってねじ軸部材64に対して第1回転軸線C1方向に移動可能に、ねじ軸部材64に螺合されている。また、ウォームギヤ68は、電動モータ60のモータシャフトと一体的に形成されたウォーム70と、ナット部材66に一体的に形成されたウォームホイール72と、を備えた歯車対である。このように構成されることによって、ねじ機構62は、ウォームギヤ68を介してナット部材66に伝達された電動モータ60から回転を、そのナット部材66の第1回転軸線C1方向の直線運動に変換する。
図2および図3に示すように、前輪駆動用クラッチ44のピストン58は、ねじ機構62のナット部材66に対して第1回転軸線C1まわりの相対回転が可能且つナット部材66に対して第1回転軸線C1方向の相対移動が不能に、ナット部材66に連結されている。これによって、ねじ機構62においてナット部材66が直線運動する力は、ピストン58を介して前輪駆動用クラッチ44の摩擦係合要素56に伝達される。
前輪側差動歯車装置28は、図1に示すように、第3回転軸線C3まわりに回転可能に支持された容器状のデファレンシャルケース28aと、デファレンシャルケース28aに固定されたリングギヤ28bと、デファレンシャルケース28aに両端部が支持され、第3回転軸線C3に直交する姿勢でノックピン(図示しない)によりデファレンシャルケース28aに固定された円柱状のピニオンシャフト28cと、ピニオンシャフト28cを挟んで対向する状態で第3回転軸線C3まわりに回転自在に配置され、デファレンシャルケース28a内に収容された一対のサイドギヤ28d、28eと、ピニオンシャフト28cが挿通させられることによってそのピニオンシャフト28cにより回転可能に支持された状態でデファレンシャルケース28aと共に回転し、一対のサイドギヤ28d、28eと噛み合う一対のピニオン28f、28gと、を備えている。このように構成された前輪側差動歯車装置28は、噛合式クラッチ36が係合している状態において、トランスファ22の前輪側出力軸46から出力された駆動力を、左右一対の前輪車軸32L、32Rと共に回転する一対のサイドギヤ28d、28eの差動回転を許容しつつ左右一対の前輪14L、14Rへそれぞれ分配するようになっている。なお、リングギヤ28bは、フロントプロペラシャフト24の前輪14L、14R側の端部に形成されたギヤ24aと噛み合っている。
後輪側差動歯車装置30は、図1に示すように、第4回転軸線C4まわりに回転可能に支持された容器状のデファレンシャルケース30aと、デファレンシャルケース30aに固定されたリングギヤ30bと、デファレンシャルケース30aに両端部が支持され、第4回転軸線C4に直交する姿勢でノックピン(図示しない)によりデファレンシャルケース30aに固定された円柱状のピニオンシャフト30cと、ピニオンシャフト30cを挟んで対向する状態で第4回転軸線C4まわりに回転自在に配置され、デファレンシャルケース30a内に収容された一対のサイドギヤ30d、30eと、ピニオンシャフト30cが挿通させられることによってそのピニオンシャフト30cにより回転可能に支持された状態でデファレンシャルケース30aと共に回転し、一対のサイドギヤ30d、30eと噛み合う一対のピニオン30f、30gと、を備えている。このように構成された後輪側差動歯車装置30は、トランスファ22の後輪側出力軸40から出力された駆動力を、左右一対の後輪車軸34L、34Rと共に回転する一対のサイドギヤ30d、30eの差動回転を許容しつつ左右一対の後輪16L、16Rへそれぞれ分配するようになっている。なお、リングギヤ30bは、リヤプロペラシャフト26の後輪16L、16R側の端部に形成されたギヤ26aと噛み合っている。
以上のように構成された四輪駆動車10では、図示しない電子制御装置から電動モータ60に供給される駆動電流によって電動モータ60のモータシャフトの回転量が制御されることにより、二輪駆動走行と四輪駆動走行とが選択的に切り替えられる。
たとえば、前記電子制御装置で二輪駆動走行モードが選択されると、前記モータシャフトの回転量が制御されることによって、前記モータシャフトの回転により移動させられるナット部材66の移動位置が、ピストン58が前輪駆動用クラッチ44の摩擦係合要素56から離間させられる2WD位置に移動させられる。これによって、エンジン12の駆動力が後輪16L、16Rのみに伝達される二輪駆動走行が行われる。なお、前記二輪駆動走行モードが選択されているときには、噛合式クラッチ36によって前輪側差動歯車装置28と前輪車軸32Rとの間の動力伝達経路が切断される。
また、前記電子制御装置で四輪駆動走行モードが選択されると、前記モータシャフトの回転量が制御されることによって、前記モータシャフトの回転により移動させられるナット部材66の移動位置が、ピストン58が前輪駆動用クラッチ44の摩擦係合要素56を押圧する4WD位置に移動させられる。これによって、エンジン12の駆動力が後輪16L、16Rだけでなくエンジン12の駆動力の一部が前輪14L、14Rにも伝達される四輪駆動走行が行われる。なお、前記電子制御装置で四輪駆動走行モードが選択されているときには、噛合式クラッチ36によって前輪側差動歯車装置28と前輪車軸32Rとの間の動力伝達経路が接続される。
ところで、従来の前置エンジン後輪駆動(FR)をベースとする四輪駆動車では、前輪側差動歯車装置28の減速比ifが後輪側差動歯車装置30の減速比irよりも小さくなるように、前輪側差動歯車装置28および後輪側差動歯車装置30が、それぞれ減速比が順次異なる複数種類の既存の前輪側差動歯車装置および後輪側差動歯車装置の種類の中から選択されていた。このため、前輪側差動歯車装置および後輪側差動歯車装置を減速比if、irの差が例えば5~10%程度になっていた。たとえば、減速比ifが3.133の既存の前輪側差動歯車装置28と、減速比irが3.357の既存の後輪側差動歯車装置30とを使用すると、前輪側差動歯車装置28の減速比ifと後輪側差動歯車装置30の減速比irとを異ならせるだけであるので、前輪側トータル減速比if_totalと後輪側トータル減速比ir_totalとの差S(ir_total/if_total)は、7%程度で、差Sは、1.07(四捨五入して小数第2位まで求めた値)となり、理想的な差Siと言われる0~2%程度を実現することができなかった。ここで、前輪側差動歯車装置28の減速比ifは、フロントプロペラシャフト24の回転速度Nfp(rpm)と前輪側差動歯車装置28のリングギヤ28bの回転速度Nfrg(rpm)との比(if=Nfp/Nfrg)であり、後輪側差動歯車装置30の減速比irは、リヤプロペラシャフト26の回転速度Nrp(rpm)と後輪側差動歯車装置30のリングギヤ30bの回転速度Nrrg(rpm)との比(ir=Nrp/Nrrg)である。前輪側トータル減速比if_totalは、自動変速機20の出力軸20aの回転速度Nj(rpm)と前輪14L、14Rの平均回転速度(回転速度)Nfav(rpm)との比(if_total=Nj/Nfav)である。また、後輪側トータル減速比ir_totalは、自動変速機20の出力軸20aの回転速度Nj(rpm)と後輪16L、16Rの平均回転速度(回転速度)Nrav(rpm)との比(ir_total=Nj/Nrav)である。
本実施例の四輪駆動車10では、前輪駆動用ドライブギヤ42と前輪駆動用ドリブンギヤ48との歯数を相互に異ならせることによって、前輪側差動歯車装置28の減速比ifと後輪側差動歯車装置30の減速比irとを変更させずに、前輪側トータル減速比if_totalと後輪側トータル減速比ir_totalとの差Sを理想的な差Siと言われる範囲内に適切に設定している。例えば、本実施例の四輪駆動車10では、前輪駆動用ドライブギヤ42の歯数を33歯に設定しており、前輪駆動用ドリブンギヤ48の歯数を35歯に設定している。これにより、前輪側トータル減速比if_totalは、式(1)で示すように表され、前輪側トータル減速比if_totalは、3.324となる。但し、式(1)に示されている前輪側トランスファ減速比if_tfは、自動変速機20の出力軸20aの回転速度Nj(rpm)と前輪側出力軸46の回転速度Nfts(rpm)との比(if_tf=Nj/Nfts)であり、本実施例では1.061程度である。また、後輪側トータル減速比ir_totalは、式(2)で示すように表され、後輪側トータル減速比ir_totalは、3.357となる。但し、式(2)に示されている後輪側トランスファ減速比ir_tfは、自動変速機20の出力軸20aの回転速度Nj(rpm)と後輪側出力軸40の回転速度Nrts(rpm)との比(ir_tf=Nj/Nrts)であり、本実施例では1.000である。これによって、前輪側トータル減速比if_totalと後輪側トータル減速比ir_totalとの差Sが、1%程度になり理想的な差Siと言われる0~2%程度を実現することができる。
if_total=if×if_tf ・・・(1)
ir_total=ir×ir_tf ・・・(2)
上述のように、本実施例の四輪駆動車10によれば、トランスファ22は、前輪駆動用クラッチ44のクラッチドラム54に動力伝達可能に連結された前輪駆動用ドライブギヤ42から前輪駆動用アイドラギヤ50と前輪側出力軸46に動力伝達可能に連結された前輪駆動用ドリブンギヤ48とを介して、後輪側出力軸40から前輪側出力軸46に駆動力を伝達し、前輪駆動用ドライブギヤ42と前輪駆動用ドリブンギヤ48とは、相互の歯数が異なり、自動変速機20の出力軸20aの回転速度Njと前輪14L、14Rの平均回転速度Nfavとの比である前輪側トータル減速比if_totalが、自動変速機20の出力軸20aの回転速度Njと後輪16L、16Rの平均回転速度Nravとの比である後輪側トータル減速比ir_totalよりも小さくされている。このため、前輪側差動歯車装置28の減速比ifと後輪側差動歯車装置30の減速比irとを変更させずに、前輪駆動用ドライブギヤ42の歯数と前輪駆動用ドリブンギヤ48の歯数とを変更させることによって、前輪側トータル減速比if_totalと後輪側トータル減速比ir_totalとの差Sを変更することができる。これによって、既存の前輪側差動歯車装置28および後輪側差動歯車装置30の種類を増加させることなく、前輪側の減速比すなわち前輪側トータル減速比if_totalと後輪側の減速比すなわち後輪側トータル減速比ir_totalとの差Sを適切に設定することができる。
続いて、本発明の他の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明において、実施例相互に共通する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の四輪駆動車は、図4に示すように、トランスファ22が、前輪駆動用クラッチ44のクラッチドラム54に動力伝達可能に連結された前輪駆動用ドライブスプロケット(ドライブスプロケット)80から前輪駆動用チェーン(チェーン)82と前輪側出力軸46に動力伝達可能に連結された前輪駆動用ドリブンスプロケット(ドリブンスプロケット)84とを介して、前輪駆動用クラッチ44によって後輪側出力軸40から前輪側出力軸46に駆動力を伝達している点で相違しており、その他の点は、前述の実施例1の四輪駆動車10と略同様である。
本実施例の四輪駆動車では、前輪駆動用ドライブスプロケット80と前輪駆動用ドリブンスプロケット84との歯数を相互に異ならせることによって、前輪側差動歯車装置28の減速比ifと後輪側差動歯車装置30の減速比irとを変更させずに、前輪側トータル減速比if_totalと後輪側トータル減速比ir_totalとの差Sを適切に設定している。例えば、本実施例の四輪駆動車では、前輪駆動用ドライブスプロケット80の歯数を33歯に設定しており、前輪駆動用ドリブンスプロケット84の歯数を35歯に設定している。これにより、前輪側トータル減速比if_totalは、3.324となり、後輪側トータル減速比ir_totalは、3.357となる。これによって、前輪側トータル減速比if_totalと後輪側トータル減速比ir_totalとの差Sが、1%程度になり理想的な差Siと言われる0~2%程度を実現することができる。
上述のように、本実施例の四輪駆動車によれば、トランスファ22は、前輪駆動用クラッチ44のクラッチドラム54に動力伝達可能に連結された前輪駆動用ドライブスプロケット80から前輪駆動用チェーン82と前輪側出力軸46に動力伝達可能に連結された前輪駆動用ドリブンスプロケット84とを介して、後輪側出力軸40から前輪側出力軸46に駆動力を伝達し、前輪駆動用ドライブスプロケット80と前輪駆動用ドリブンスプロケット84とは、相互の歯数が異なり、自動変速機20の出力軸20aの回転速度Njと前輪14L、14Rの平均回転速度Nfavとの比である前輪側トータル減速比if_totalが、自動変速機20の出力軸20aの回転速度Njと後輪16L、16Rの平均回転速度Nravとの比である後輪側トータル減速比ir_totalよりも小さくされている。このため、前輪側差動歯車装置28の減速比ifと後輪側差動歯車装置30の減速比irとを変更させずに、前輪駆動用ドライブスプロケット80の歯数と前輪駆動用ドリブンスプロケット84の歯数とを変更させることによって、前輪側トータル減速比if_totalと後輪側トータル減速比ir_totalとの差Sを変更することができる。これによって、既存の前輪側差動歯車装置28および後輪側差動歯車装置30の種類を増加させることなく、前輪側の減速比すなわち前輪側トータル減速比if_totalと後輪側の減速比すなわち後輪側トータル減速比ir_totalとの差Sを適切に設定することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、自動変速機20の出力軸20aは、後輪側出力軸40に対して相対回転不能に連結されており、自動変速機20の出力軸20aの回転速度Njは、後輪側出力軸40の回転速度Nrtsと同じであったが、例えば、自動変速機20の出力軸20aの回転速度Njを変速させて後輪側出力軸40に伝達する変速機をトランスファ22に設けても良い。また、前述の実施例において、前輪駆動用クラッチ44は、多板の湿式クラッチであったが、例えば単板のクラッチ等であっても良い。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:四輪駆動車
14L、14R:前輪
16L、16R:後輪
20a:出力軸(入力回転部材)
22:トランスファ
28:前輪側差動歯車装置
30:後輪側差動歯車装置
40:後輪側出力軸(第1出力回転部材)
42:前輪駆動用ドライブギヤ(ドライブギヤ)
44:前輪駆動用クラッチ(クラッチ)
46:前輪側出力軸(第2出力回転部材)
48:前輪駆動用ドリブンギヤ(ドリブンギヤ)
50:前輪駆動用アイドラギヤ(アイドラギヤ)
80:前輪駆動用ドライブスプロケット(ドライブスプロケット)
82:前輪駆動用チェーン(チェーン)
84:前輪駆動用ドリブンスプロケット(ドリブンスプロケット)
if_total:前輪側トータル減速比
ir_total:後輪側トータル減速比
Nfav:平均回転速度(回転速度)
Nj:回転速度
Nrav:平均回転速度(回転速度)

Claims (1)

  1. 入力回転部材からの動力を左右の後輪へ出力する第1出力回転部材と、左右の前輪へ動力を出力する第2出力回転部材と、前記第1出力回転部材から前記第2出力回転部材へ伝達する伝達トルクを断接するクラッチと、を有するトランスファと、
    前記第1出力回転部材から出力された動力を前記左右の後輪へそれぞれ分配する後輪側差動歯車装置と、
    前記第2出力回転部材から出力された動力を前記左右の前輪へそれぞれ分配する前輪側差動歯車装置と、を備えた四輪駆動車であって、
    前記トランスファは、前記クラッチに動力伝達可能に連結されるドライブギヤからアイドラギヤと前記第2出力回転部材に動力伝達可能に連結されるドリブンギヤとを介して、または、前記クラッチに動力伝達可能に連結されるドライブスプロケットからチェーンと前記第2出力回転部材に連結されるドリブンスプロケットとを介して、前記第1出力回転部材から前記第2出力回転部材に動力を伝達し、
    前記ドライブギヤの歯数は前記ドリブンギヤの歯数に対して、または前記ドライブスプロケットの歯数は前記ドリブンスプロケットの歯数に対して、少なく
    前記入力回転部材の回転速度と前記前輪の回転速度との比である前輪側トータル減速比が、前記入力回転部材の回転速度と前記後輪の回転速度との比である後輪側トータル減速比よりも小さくされている
    ことを特徴とする四輪駆動車。
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