JP2023004402A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Yosuke Akiyama
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Abstract

【課題】遊星歯車装置の減速比を大きくしつつ動力源の高回転化を抑制すること。【解決手段】第1入力軸から伝達された動力と第2入力軸から伝達された動力とを第1出力軸と第2出力軸とに分配する動力伝達装置であって、第1サンギヤと、第2サンギヤと、リングギヤと、第1サンギヤおよびリングギヤに噛み合う小径ピニオンギヤと第2サンギヤに噛み合う大径ピニオンギヤとからなるステップドピニオンギヤと、ステップドピニオンギヤを保持するキャリアと、を有する遊星歯車装置を備え、動力分配状態では、第1入力軸が第1出力軸に連結され、第2入力軸が第2サンギヤに連結され、第1出力軸がリングギヤに連結されており、減速駆動状態では、第1入力軸および第2入力軸が第1サンギヤに連結され、リングギヤが固定部材に固定され、第1出力軸がキャリアに連結されている。【選択図】図2

Description

本発明は、動力伝達装置に関する。
車両に搭載される動力伝達装置として、エンジン(第1動力源)からの動力を前輪と後輪とに分配して伝達するトランスファが知られている。トランスファの出力側は、前輪用プロペラシャフトと後輪用プロペラシャフトとに連結されている。そして、トランスファは、一方のプロペラシャフトのみに動力を出力する二輪駆動状態と、両方のプロペラシャフトに動力を出力する四輪駆動状態との間で切り替わることが可能である。
特許文献1には、トランスファケース内にモータ(第2動力源)を備えたトランスファにおいて、第2動力源から出力された動力を、一つの遊星歯車装置を介して前輪および後輪へ伝達することが開示されている。特許文献1に記載の構成では、遊星歯車装置に含まれる回転要素のうちの一つを固定部材に固定することによって、遊星歯車装置を減速機として機能させ、第1動力源の回転を減速して出力部材に伝達することができる。
国際公開第2010/141682号
トランスファに含まれる遊星歯車装置において、より大きな減速比を得ることが考えられる。しかしながら、遊星歯車装置の減速比が大きくなるほど入力部材の回転数が上昇するので、動力源の回転数が高くなってしまう。そのため、大きな減速比が得られる遊星歯車装置を備えたトランスファでは、この遊星歯車装置を減速機として機能させると、遊星歯車装置での大きな減速によって動力源の回転数が高回転になってしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、遊星歯車装置の減速比を大きくしつつ動力源の高回転化を抑制することができる動力伝達装置を提供することを目的とする。
本発明は、第1動力源からの動力を入力する第1入力軸と、第2動力源からの動力を入力する第2入力軸と、第1駆動輪に動力を伝達する第1出力軸と、第2駆動輪に動力を伝達する第2出力軸と、複数の回転要素を有する差動装置と、前記第1入力軸と前記第2入力軸と前記第1出力軸と前記複数の回転要素との接続関係を選択的に切り替える係合装置と、を備え、前記第1入力軸から伝達された動力と前記第2入力軸から伝達された動力とを前記第1出力軸と前記第2出力軸とに分配する動力分配状態と、前記第1入力軸の回転を減速して前記第1出力軸に伝達する減速駆動状態との間で切り替わることが可能な動力伝達装置であって、前記差動装置は、ステップドピニオン型の遊星歯車装置であり、前記遊星歯車装置は、第1サンギヤと、第2サンギヤと、リングギヤと、前記第1サンギヤおよび前記リングギヤに噛み合う小径ピニオンギヤと前記第2サンギヤに噛み合う大径ピニオンギヤとからなるステップドピニオンギヤと、前記ステップドピニオンギヤを自転可能かつ公転可能に保持するキャリアと、を有し、前記第2出力軸は、前記キャリアに連結されており、前記動力分配状態は、前記係合装置によって、前記第1入力軸が前記第1出力軸に連結され、前記第2入力軸が前記第2サンギヤに連結され、前記第1出力軸が前記リングギヤに連結された駆動状態であり、前記減速駆動状態は、前記係合装置によって、前記第1入力軸および前記第2入力軸が前記第1サンギヤに連結され、前記リングギヤが固定部材に固定され、前記第1出力軸が前記キャリアに連結された駆動状態であることを特徴とする。
この構成によれば、動力分配状態と減速駆動状態とで遊星歯車装置の減速比を変更することができる。動力分配状態では第2動力源が大径ピニオンギヤに接続されるのに対して、減速駆動状態では第1動力源および第2動力源が小径ピニオンギヤに接続される。そのため、遊星歯車装置のギヤ比(減速比)は、動力分配状態のほうが減速駆動状態よりも大きくなる。これにより、動力分配状態での遊星歯車装置の減速比を大きくしつつ、減速駆動状態では遊星歯車装置の減速比を小さくすることにより動力源の高回転化を抑制することができる。
また、前記係合装置は、第1係合装置と、第2係合装置と、第3係合装置と、を含み、前記第1係合装置は、前記第1入力軸および前記第2入力軸を前記第1サンギヤに連結する状態と、前記第2入力軸を前記第2サンギヤに連結する状態との間で切り替わり、前記第2係合装置は、前記リングギヤを固定部材に固定した状態と、前記リングギヤを前記固定部材から解放した状態との間で切り替わり、前記第3係合装置は、前記第1入力軸および前記リングギヤを前記第1出力軸に連結した状態と、前記キャリアを前記第1出力軸に連結した状態との間で切り替わってもよい。
この構成によれば、第1係合装置と第2係合装置と第3係合装置とによって、動力分配状態と減速駆動状態とに切り替えることができる。
また、前記遊星歯車装置の差動を制限した状態で前記第1駆動輪および前記第2駆動輪を駆動する非減速駆動状態に切り替わることが可能であり、前記第2係合装置は、前記リングギヤと前記キャリアとを連結した状態に切り替わることが可能であり、前記非減速駆動状態は、前記第1係合装置が前記第2入力軸を前記第2サンギヤに連結し、前記第2係合装置が前記リングギヤと前記キャリアとを連結し、前記第3係合装置が前記第1入力軸および前記リングギヤを前記第1出力軸に連結した駆動状態であってもよい。
この構成によれば、遊星歯車装置の差動を制限した状態で第1駆動輪と第2駆動輪とを駆動することができる。その際、第1動力源と第2動力源とのうちの少なくとも一方から動力が出力されていればよい。
また、前記第2動力源の動力で前記第2駆動輪のみを駆動する二輪駆動状態に切り替わることが可能であり、前記第3係合装置は、前記第1入力軸のみを前記第1出力軸に連結することが可能であり、前記二輪駆動状態は、前記第1係合装置が前記第2入力軸を前記第2サンギヤに連結し、前記第2係合装置が前記リングギヤと前記キャリアとを連結し、前記第3係合装置が前記第1入力軸のみを前記第1出力軸に連結した駆動状態であってもよい。
この構成によれば、第2動力源の動力で第2駆動輪のみを駆動する二輪駆動状態に切り替わることが可能である。
また、前記第2動力源の動力で前記第1駆動輪のみを駆動する二輪駆動状態に切り替わることが可能であり、前記第2出力軸は、前記第2係合装置によって前記キャリアに選択的に連結され、前記第2係合装置は、前記第2出力軸を前記キャリアから切り離した状態で前記リングギヤと前記キャリアとを連結した状態に切り替わることが可能であり、前記二輪駆動状態は、前記第1係合装置が前記第2入力軸を前記第2サンギヤに連結し、前記第2係合装置が前記第2出力軸を前記キャリアから切り離した状態で前記リングギヤと前記キャリアとを連結し、前記第3係合装置が前記第1入力軸および前記キャリアを前記第1出力軸に連結した駆動状態であってもよい。
この構成によれば、第2動力源の動力で第1駆動輪のみを駆動する二輪駆動状態に切り替わることが可能である。
本発明では、動力分配状態と減速駆動状態とで遊星歯車装置の減速比を変更することができる。動力分配状態では第2動力源が大径ピニオンギヤに接続されるのに対して、減速駆動状態では第1動力源および第2動力源が小径ピニオンギヤに接続される。そのため、遊星歯車装置のギヤ比(減速比)は、動力分配状態のほうが減速駆動状態よりも大きくなる。これにより、動力分配状態での遊星歯車装置の減速比を大きくしつつ、減速駆動状態では遊星歯車装置の減速比を小さくすることにより動力源の高回転化を抑制することができる。
図1は、実施形態における車両の概略構成を示すスケルトン図である。 図2は、トランスファを模式的に示すスケルトン図である。 図3は、動力伝達装置が減速駆動状態となる場合を示すスケルトン図である。 図4は、動力分配状態における遊星歯車装置の回転要素の状態を示す共線図である。 図5は、減速駆動状態における遊星歯車装置の回転要素の状態を示す共線図である。 図6は、第1変形例のトランスファを模式的に示すスケルトン図である。 図7は、第1変形例における動力伝達装置が二輪駆動状態となる場合を示すスケルトン図である。 図8は、第2変形例のトランスファを模式的に示すスケルトン図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態における動力伝達装置について具体的に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
図1は、実施形態における車両の概略構成を示すスケルトン図である。車両1は、エンジン2と、左右の前輪3L,3Rと、左右の後輪4L,4Rと、エンジン2の動力を前輪3と後輪4とにそれぞれ伝達する動力伝達装置10と、を備えている。この車両1は前置エンジン後輪駆動をベースとする四輪駆動車両である。後輪4は、主駆動輪であり、二輪駆動走行中と四輪駆動走行中に駆動輪となる。前輪3は、副駆動輪であり、二輪駆動走行中に従動輪となり、四輪駆動走行中に駆動輪となる。なお、本実施形態では、エンジン2が「第1動力源」、後輪4が「第1駆動輪」、前輪3が「第2駆動輪」である。
動力伝達装置10は、エンジン2に連結された変速機11と、変速機11に連結された前後輪動力分配装置であるトランスファ12と、トランスファ12にそれぞれ連結されたフロントプロペラシャフト13およびリアプロペラシャフト14と、フロントプロペラシャフト13に連結された前輪用デファレンシャルギヤ機構15と、リアプロペラシャフト14に連結された後輪用デファレンシャルギヤ機構16と、前輪用デファレンシャルギヤ機構15に連結された左右の前輪車軸17L,17Rと、後輪用デファレンシャルギヤ機構16に連結された左右の後輪車軸18L,18Rと、を備えている。なお、車輪と車軸について左右を特に区別しない場合には、符号L,Rを省略して、前輪3、後輪4、前輪車軸17、後輪車軸18と記載する。
エンジン2から出力された動力は変速機11を介してトランスファ12へ伝達される。そして、トランスファ12に伝達された動力は、リアプロペラシャフト14、後輪用デファレンシャルギヤ機構16、後輪車軸18の後輪側の動力伝達経路を順次介して後輪4へ伝達される。また、後輪4側へ伝達される動力の一部はトランスファ12によって前輪3側へ分配され、フロントプロペラシャフト13、前輪用デファレンシャルギヤ機構15、前輪車軸17の前輪側の動力伝達経路を順次介して前輪3へ伝達される。
また、車両1は、車両1を制御する電子制御装置100を備えている。電子制御装置100は、車両1の制御装置である。例えば、電子制御装置100は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えたマイクロコンピュータを含んで構成されている。CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことによって車両1の各種制御を実行する。
電子制御装置100には、車両1に搭載された各種センサからの信号が入力される。例えば、エンジン回転数センサ、モータ回転角度センサ、車速センサ、アクセル開度センサ、運転者の操作によって四輪駆動状態を選択するための4WD選択スイッチなどからのセンサ信号が電子制御装置100に入力される。電子制御装置100は、入力されたセンサ信号に基づいて車両1の駆動制御等を実行する。その際、電子制御装置100からは、エンジン2を制御する指令信号、変速機11を制御する指令信号、トランスファ12を制御する指令信号が出力される。
図2は、トランスファを模式的に示すスケルトン図である。トランスファ12は、第1入力軸21と、第2入力軸22と、後輪側出力軸23と、前輪側出力軸24と、遊星歯車装置25と、伝達装置26と、モータ30と、係合装置40と、を備えている。なお、本実施形態では、後輪側出力軸23が「第1出力軸」、前輪側出力軸24が「第2出力軸」、モータ30が「第2動力源」である。
第1入力軸21は、エンジン2からの動力をトランスファ12に入力する入力部材である。第1入力軸21には、エンジン2の動力が変速機11を介して伝達される。例えば、第1入力軸21は変速機11の出力部材にスプライン嵌合されている。
第2入力軸22は、モータ30からの動力を遊星歯車装置25に入力する入力部材である。第2入力軸22には、モータ30の動力が伝達される。例えば、第2入力軸22はモータ30の出力部材(ロータ軸33)にスプライン嵌合されており、ロータ軸33と一体回転する。
後輪側出力軸23は、トランスファ12から後輪4へ動力を出力する出力部材である。この後輪側出力軸23は、第1入力軸21と同一軸線上に配置され、リアプロペラシャフト14に連結された主駆動軸である。後輪側出力軸23とリアプロペラシャフト14とは一体回転する。
前輪側出力軸24は、トランスファ12から前輪3へ動力を出力する出力部材である。この前輪側出力軸24は、第1入力軸21および後輪側出力軸23とは異なる軸線上に配置され、フロントプロペラシャフト13に連結された副駆動軸である。前輪側出力軸24は後輪側出力軸23と平行に配置され、伝達装置26を介して遊星歯車装置25と動力伝達可能に接続されている。前輪側出力軸24とフロントプロペラシャフト13とは一体回転する。
伝達装置26は、前輪側の動力伝達経路を形成するものであり、遊星歯車装置25と前輪側出力軸24との間に設けられている。この伝達装置26は、ドライブギヤ27と、ドリブンギヤ28と、チェーンベルト29とを備えている。
ドライブギヤ27は、前輪側の出力部として機能する回転部材であって、前輪側出力軸24へ動力を伝達する出力ギヤである。このドライブギヤ27は、第1入力軸21および後輪側出力軸23と同一軸線上で、後輪側出力軸23に対して相対回転可能に配置されている。そして、ドライブギヤ27には遊星歯車装置25のキャリアCが一体回転するように連結されている。つまり、トランスファ12では、第1入力軸21および後輪側出力軸23と同一軸線上に、ドライブギヤ27と遊星歯車装置25の各回転要素とが配置されている。ドリブンギヤ28は、前輪側出力軸24に一体的に設けられたギヤである。チェーンベルト29は、ドライブギヤ27とドリブンギヤ28との間を連結する前輪用駆動チェーンである。そして、ドライブギヤ27が回転することによってドリブンギヤ28が回転し、ドリブンギヤ28と前輪側出力軸24とが一体回転する。
遊星歯車装置25は、複数の回転要素によって差動作用を行う差動装置であり、動力源の動力を前輪3と後輪4とに分配する動力分配装置として機能する。また、遊星歯車装置25は、第1入力軸21の回転を減速して後輪側出力軸23と前輪側出力軸24とに伝達する変速機としても機能する。
また、遊星歯車装置25は、ステップドピニオン型の遊星歯車装置である。この遊星歯車装置25は、第1サンギヤS1と、第2サンギヤS2と、第1サンギヤS1および第2サンギヤS2と同心円上に配置されたリングギヤRと、第1サンギヤS1およびリングギヤRに噛み合う小径ピニオンギヤP1と第2サンギヤS2に噛み合う大径ピニオンギヤP2とからなるステップドピニオンギヤPと、ステップドピニオンギヤPを自転可能かつ公転可能に保持するキャリアCと、を備えている。
第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とは、互いに歯数が異なりかつ外径の大きさが異なるサンギヤであり、同一軸線上に並んで配置されている。第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とは相対回転が可能である。
第1サンギヤS1は、第2サンギヤS2よりも歯数が多い大径サンギヤである。この第1サンギヤS1は小径ピニオンギヤP1と噛み合っている。また、第1サンギヤS1には、第1回転部材51が一体回転するように連結されている。第1回転部材51は、第1サンギヤS1と一体回転する部材であり、ギヤ歯51aを有する。ギヤ歯51aには、係合装置40によって動力源側の回転部材が選択的に連結される。
第2サンギヤS2は、第1サンギヤS1よりも歯数が少ない小径サンギヤである。この第2サンギヤS2は大径ピニオンギヤP2と噛み合っている。また、第2サンギヤS2には、第2回転部材52が一体回転するように連結されている。第2回転部材52は、第2サンギヤS2と一体回転する部材であり、ギヤ歯52aを有する。ギヤ歯52aには、係合装置40によって動力源側の回転部材が選択的に連結される。
ステップドピニオンギヤPは、互いに歯数の異なる小径ピニオンギヤP1と大径ピニオンギヤP2とが一体化されたピニオンギヤである。小径ピニオンギヤP1と大径ピニオンギヤP2とは軸方向に並んで配置されている。
キャリアCは、前輪側出力軸24が連結された回転要素である。また、キャリアCには、第3回転部材53が一体回転するように連結されている。第3回転部材53は、キャリアCと一体回転する部材であり、ギヤ歯53aを有する。ギヤ歯53aには、係合装置40によって後輪4側の回転部材が選択的に連結される。
リングギヤRは、反力要素として機能することが可能な回転要素である。また、リングギヤRには、第4回転部材54が一体回転するように連結されている。第4回転部材54は、リングギヤRと一体回転する部材であり、第1ギヤ歯54aと第2ギヤ歯54bとを有する。そして、リングギヤRの接続先は係合装置40によって選択的に切り替えられる。
モータ30は、電動機および発電機として機能することが可能な回転電機(モータ・ジェネレータ)である。また、モータ30はインバータを介してバッテリと電気的に接続されている。このモータ30は、ロータ31と、ステータ32と、ロータ軸33とを備えている。ロータ31はロータ軸33と一体回転する。ステータ32は、ステータコアと、ステータコアに巻き付けられたステータコイルとを有する。ロータ軸33には第2入力軸22が一体回転するように連結されている。
係合装置40は、トランスファ12を構成する回転部材の接続状態を切り替える装置である。この係合装置40は、入力切替部、変速切替部、および分配切替部として機能するものである。入力切替部は、第1入力軸21の接続先に関して、第1入力軸21を遊星歯車装置25の第1サンギヤS1に連結した状態と、第1入力軸21を第1サンギヤS1に連結しない状態とを切り替える。さらに、入力切替部は、第2入力軸22の接続先に関して、第2入力軸22を第1サンギヤS1に連結した入力状態と、第2入力軸22を第2サンギヤS2に連結した入力状態とを切り替える。変速切替部は、第1入力軸21の回転を変速して後輪側出力軸23に伝達する変速状態と、第1入力軸21の回転を変速せずに後輪側出力軸23に伝達する非変速状態とを切り替える。そして、分配切替部は、動力源の動力を前輪3と後輪4とうちのいずれか一方のみへ伝達する非分配状態と、動力源の動力を前輪3と後輪4とに分配して伝達する分配状態とを切り替える。図2に示すように、係合装置40は、第1係合装置41と、第2係合装置42と、第3係合装置43とを備えている。
第1係合装置41は、入力切替部および変速切替部として機能するものである。この第1係合装置41は第1入力軸21の接続先を選択的に切り替えるとともに、第2入力軸22の接続先を選択的に切り替える。
まず、第1入力軸21について説明すると、第1係合装置41は、第1入力軸21を第1サンギヤS1に連結した状態と、第1入力軸21を第1サンギヤS1に連結しない状態との間で切り替わる。つまり、第1係合装置41はエンジン2を第1サンギヤS1に選択的に連結する。そのため、第1係合装置41は、エンジン2の動力が遊星歯車装置25を介さずに後輪側出力軸23に伝達される状態と、エンジン2の動力が遊星歯車装置25を経由して後輪側出力軸23に伝達される状態との間で切り替わる。すなわち、第1係合装置41は、第1入力軸21の回転を変速せずに後輪側出力軸23に伝達する非変速状態と、第1入力軸21の回転を遊星歯車装置25で変速して後輪側出力軸23に伝達する変速状態とを切り替える。
次いで、第2入力軸22について説明すると、第1係合装置41は、第2入力軸22を第1サンギヤS1に連結した入力状態と、第2入力軸22を第2サンギヤS2に連結した入力状態との間で切り替わる。つまり、第1係合装置41はモータ30を第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とのうちのいずれか一方に選択的に連結する。そのため、第1係合装置41は、モータ30の動力を第1サンギヤS1に伝達する状態と、モータ30の動力を第2サンギヤS2に伝達する状態との間で切り替わる。
また、第1係合装置41は、第1切替スリーブ44を有するドグクラッチである。第1切替スリーブ44は、第1入力軸21の第1ギヤ歯21aおよび第2入力軸22のギヤ歯22aに噛み合う第1ギヤ歯44aと、第1回転部材51のギヤ歯51aおよび第2回転部材52のギヤ歯52aに噛み合う第2ギヤ歯44bとを有する。この第1切替スリーブ44は第1係合装置41のアクチュエータによって軸方向に移動する。
そして、第1切替スリーブ44は、第1ギヤ歯44aが第2入力軸22に常時噛み合った状態で、第1ギヤ歯44aの噛み合い相手に第1入力軸21を含める場合と含めない場合とに切り替わる。さらに、第2ギヤ歯44bが第1回転部材51と第2回転部材52とのうちのいずれか一方に噛み合う状態に切り替わる。第1ギヤ歯44aの噛み合い相手に第1入力軸21を含める場合、第2ギヤ歯44bは第1回転部材51に噛み合う。一方、第1ギヤ歯44aの噛み合い相手に第1入力軸21を含めない場合、第2ギヤ歯44bは第2回転部材52に噛み合う。
このように、第1係合装置41は、モータ30を第2サンギヤS2に連結した状態(第1入力状態)と、エンジン2およびモータ30を第1サンギヤS1に連結した状態(第2入力状態)との間で切り替わる。第1係合装置41が第1入力状態になると、モータ30の動力を第2サンギヤS2に伝達可能な接続状態となる。第1係合装置41が第2入力状態になると、エンジン2の動力およびモータ30の動力を第1サンギヤS1に伝達可能な接続状態となる。
第2係合装置42は、変速切替部として機能するものであり、リングギヤRの接続先を選択的に切り替える装置である。この第2係合装置42はリングギヤRを固定部材20に選択的に固定する。固定部材20は、トランスファケース自体もしくはトランスファケースに一体化された非回転部材である。
また、第2係合装置42は、第2切替スリーブ45を有するドグクラッチである。第2切替スリーブ45は、第4回転部材54の第1ギヤ歯54aに噛み合う第1ギヤ歯45aと、固定部材20に噛み合う第2ギヤ歯45bとを有する。この第2切替スリーブ45は第2係合装置42のアクチュエータによって軸方向に移動する。
そして、第2切替スリーブ45は、第1ギヤ歯45aが第4回転部材54に常時噛み合った状態で、第2ギヤ歯45bが固定部材20に噛み合う状態と噛み合わない状態とに切り替わる。つまり、第2切替スリーブ45は、固定部材20に噛み合う係合状態と、固定部材20には噛み合わない解放状態との間で切り替わる。
このように、第2係合装置42は、リングギヤRを固定部材20に連結した状態(固定状態)と、リングギヤRを回転可能に解放した状態(非固定状態)との間で切り替わる。第2係合装置42が固定状態になると、リングギヤRが機械的に固定された反力要素となるため、遊星歯車装置25は変速機として機能する。第2係合装置42が非固定状態になると、リングギヤRは回転可能となり、遊星歯車装置25は差動作用を行うことが可能な状態となる。
第3係合装置43は、分配切替部および入力切替部として機能するものである。この第3係合装置43は、後輪側出力軸23とキャリアCとリングギヤRと第1入力軸21との接続関係を切り替える装置である。具体的には、第3係合装置43は、第1入力軸21を後輪側出力軸23に連結した状態でリングギヤRを後輪側出力軸23に連結した状態(分配状態)と、第1入力軸21を後輪側出力軸23に連結せずにキャリアCを後輪側出力軸23に連結した状態(変速状態)と、第1入力軸21のみを後輪側出力軸23に連結した状態(二輪駆動状態)との間で切り替わる。すなわち、第3係合装置43は、第1入力軸21から後輪側出力軸23に伝達される動力の一部を前輪側出力軸24に分配する分配状態と、第1入力軸21の回転が遊星歯車装置25で減速されて伝達される変速状態(減速状態)と、第1入力軸21から後輪側出力軸23に伝達される動力を前輪側出力軸24には分配しない二輪駆動状態とを切り替える。
また、第3係合装置43は、第3切替スリーブ46を有するドグクラッチである。第3切替スリーブ46は、第1ギヤ歯46aと第2ギヤ歯46bと第3ギヤ歯46cとを有する。第1ギヤ歯46aは、第3回転部材53のギヤ歯53aと第4回転部材54の第2ギヤ歯54bとに噛み合う。第2ギヤ歯46bと第3ギヤ歯46cとはいずれも、第1入力軸21の第2ギヤ歯21bと後輪側出力軸23のギヤ歯23aとに噛み合う。この第3切替スリーブ46は第3係合装置43のアクチュエータによって軸方向に移動する。
そして、第3切替スリーブ46は、第3回転部材53に噛み合わない状態で第1入力軸21と後輪側出力軸23と第4回転部材54とに噛み合う分配状態と、第1入力軸21および第4回転部材54に噛み合わない状態で第3回転部材53および後輪側出力軸23に噛み合う変速状態と、第3回転部材53および第4回転部材54に噛み合わない状態で第1入力軸21および後輪側出力軸23に噛み合う二輪駆動状態との間で切り替わる。二輪駆動状態では、第2ギヤ歯46bが第1入力軸21の第2ギヤ歯21bおよび後輪側出力軸23のギヤ歯23aに噛み合う。
このようにトランスファ12は遊星歯車装置25と係合装置40とによって複数の駆動状態に切り替わることが可能である。そのために、電子制御装置100はトランスファ12の駆動状態を制御する際、モータ30の動作と係合装置40の状態と遊星歯車装置25の状態とを制御する。トランスファ12を制御する指令信号にはモータ30を制御する指令信号と係合装置40を制御する指令信号が含まれる。電子制御装置100は係合装置40のアクチュエータに指令信号を出力し、係合装置40の状態を制御する。そのため、電子制御装置100が係合装置40の切替制御が実行することによって、トランスファ12の駆動状態は、動力分配状態と減速駆動状態との間で切り替わる。
動力分配状態は、前輪3と後輪4とに動力が伝達される四輪駆動状態であって、遊星歯車装置25を差動状態にして、エンジン2の動力とモータ30の動力とを後輪側出力軸23と前輪側出力軸24とに分配する駆動状態である。動力分配状態では、モータ30から出力されるトルクによって前後配分制御が可能である。つまり、前輪3側に伝達される動力と後輪4側に伝達される動力との配分をモータ30のトルクによって制御することが可能である。すなわち、動力分配状態は、モータ30の動力により前輪3に駆動力を発生させ、前輪側出力軸24と後輪側出力軸23とに伝達される動力配分を変化させることを目的としている。
この動力分配状態は、図2に示すように、第1係合装置41が第2入力軸22を第2サンギヤS2に連結し、第2係合装置42が固定部材20からリングギヤRを解放し、第3係合装置43が第1入力軸21およびリングギヤRを後輪側出力軸23に連結した状態である。動力分配状態では、エンジン2の動力が第1入力軸21から後輪側出力軸23に伝達されるとともに、モータ30の動力が第2サンギヤS2に入力されることにより、差動状態の遊星歯車装置25を介して前輪側出力軸24に動力が伝達される。差動状態の遊星歯車装置25では、モータ30の動力が第2サンギヤS2に入力されることにより、リングギヤRに負方向のトルクが作用する。また、リングギヤRには第1入力軸21側からエンジン2の動力が作用している。
減速駆動状態は、前輪3と後輪4とに動力が伝達される四輪駆動状態であって、遊星歯車装置25を変速状態にして、エンジン2の回転を遊星歯車装置25で減速して後輪側出力軸23と前輪側出力軸24とに伝達する駆動状態である。
この減速駆動状態は、図3に示すように、第1係合装置41が第1入力軸21および第2入力軸22を第1サンギヤS1に連結し、第2係合装置42がリングギヤRを固定部材20に連結し、第3係合装置43がキャリアCを後輪側出力軸23に連結した状態である。つまり、第1サンギヤS1が入力要素となり、キャリアCが出力要素となり、リングギヤRが固定要素(反力要素)となる。これにより、遊星歯車装置25は減速機として機能する。
また、動力分配状態と減速駆動状態で、それぞれ異なる減速比がかかるように構成されている。つまり、トランスファ12は一つの遊星歯車装置25を用いて、動力分配状態での減速比と減速駆動状態での減速比とを異なる大きさに設定することが可能である。具体的には、トランスファ12は動力分配状態でかかる減速比よりも減速駆動状態でかかる減速比が小さくなるように構成されている。
動力分配状態では、大径ピニオンギヤP2にモータ30が接続されるため、遊星歯車装置25のギヤ比が大きくなる。大径ピニオンギヤP2には第2サンギヤS2が噛み合っているため、小径ピニオンギヤP1に第1サンギヤS1が噛み合う場合と比べてギヤ比は大きい。そのため、第1係合装置41によりモータ30を第2サンギヤS2に連結する場合には、第1係合装置41によりモータ30を第1サンギヤS1に連結した場合と比べて、遊星歯車装置25の減速比を大きくとれる。これにより、動力分配状態でかかる減速比を大きくとれる。
また、動力分配状態では、図4に示すように、モータ30のトルクTmを大きくすることによって前輪側出力軸24のトルクTrを増大させることが可能である。この場合、減速比が大きいことにより、前輪側出力軸24のトルクTfを増大させるために必要なモータトルクが小さくなる。例えば、キャリアCに作用するトルクの大きさが同じ場合には、第2サンギヤS2にトルクを入力した場合の方が第1サンギヤS1にトルクを入力した場合よりもモータトルクは小さくなる。つまり、モータ30の出力を抑制することができる。
減速駆動状態では、小径ピニオンギヤP1にモータ30が接続されるため、減速比が小さくなる。小径ピニオンギヤP1には第1サンギヤS1が噛み合っているため、大径ピニオンギヤP2に第2サンギヤS2が噛み合う場合と比べてギヤ比は小さい。そのため、第1係合装置41によりモータ30を第1サンギヤS1に連結する場合には、第1係合装置41によりモータ30を第2サンギヤS2に連結する場合と比べて、遊星歯車装置25の減速比が小さくなる。これにより、減速駆動状態でかかる減速比を小さくとれる。
そして、減速駆動状態では、図5に示すように、第1サンギヤS1に入力されたトルクTinがキャリアCから出力される。この場合、第1サンギヤS1の回転数は第2サンギヤS2の回転数よりも小さくなる。第1サンギヤS1が小径ピニオンギヤP1に噛み合っているので減速比を小さくできる。そのため、減速状駆動態ではエンジン2およびモータ30の高回転化を抑制することができる。
以上説明した通り、実施形態によれば、一つの遊星歯車装置25を用いて動力分配状態と減速駆動状態とに対して異なる減速比を設定することができる。その際、動力分配状態でかかる減速比よりも、減速駆動状態でかかる減速比を小さくすることができる。これにより、動力分配状態では、減速比を大きくとれるので小さなモータトルクでキャリアCに作用するトルクを大きくすることができる。また、減速駆動状態では、動力源を小径ピニオンギヤP1に接続することにより、動力源の回転数が高回転化することを抑制することができる。
また、トランスファ12に含まれる遊星歯車装置について、単にステップドピニオン型として大径ピニオンギヤP2のみを入力要素とする場合(比較例)には、動力分配状態と減速駆動状態とで同一の減速比に設定されることになる。そのため、減速比が大きくなるほど動力源の回転数が高くなってしまい、減速駆動状態では、ステップドピニオン型の遊星歯車装置での大きな減速によって動力源の回転数が高回転になってしまう。これに対して、実施形態によれば、動力分配状態では大径ピニオンギヤP2に動力源を接続し、減速駆動状態では小径ピニオンギヤP1に動力源を接続することにより、減速駆動状態でかかる減速比が動力分配状態でかかる減速比よりも小さくなる。
なお、トランスファ12は、後輪4のみに動力が伝達される二輪駆動状態に切り替わることが可能であってもよい。例えば、エンジン2の動力を後輪4のみに伝達する駆動状態である。この二輪駆動状態は、第1係合装置41が第1入力状態となり、第3係合装置43が二輪駆動状態となる場合である。つまり、第3係合装置43では、第3切替スリーブ46の第1ギヤ歯46aが第1入力軸21の第2ギヤ歯21bおよび後輪側出力軸23のギヤ歯23aに噛み合い、かつ第3切替スリーブ46の第1ギヤ歯46aおよび第3ギヤ歯46cは他のギヤ歯に噛み合わない。
また、車両1は、前輪駆動をベースとする四輪駆動車であってもよい。つまり、前輪3を主駆動輪とし、後輪4を副駆動輪とする車両であってもよい。この場合には、前輪3が第1駆動輪となり、後輪4が第2駆動輪となり、前輪側出力軸24が第1出力軸となり、後輪側出力軸23が第2出力軸となる。さらに、第1動力源は、エンジン2に限らず、モータであってもよい。
また、トランスファ12の構造は、上述した実施形態に限定されず、例えば図6~図8に示すような変形例に構成することが可能である。なお、変形例の説明では、実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図6は、第1変形例のトランスファを模式的に示すスケルトン図である。図7は、第1変形例における動力伝達装置が二輪駆動状態となる場合を示すスケルトン図である。
図6および図7に示すように、第1変形例のトランスファ12では、第2係合装置42によって遊星歯車装置25の差動を制限することが可能である。このトランスファ12は、遊星歯車装置25の差動を制限した状態で前輪3および後輪4を駆動する非減速駆動状態に切り替わることが可能である。
第2係合装置42は、キャリアCとリングギヤRとを連結した状態に切り替わることが可能である。キャリアCと一体回転する第3回転部材53は、第2ギヤ歯53bを有する。第2ギヤ歯53bは、第2切替スリーブ45の第1ギヤ歯45aと噛み合う。第2切替スリーブ45が第3回転部材53および第4回転部材54に噛み合うことによりリングギヤRとキャリアCとが連結され、遊星歯車装置25の回転要素が一体化される。この状態で、第3係合装置43が第1入力軸21およびリングギヤRを後輪側出力軸23に連結する。これにより、第1入力軸21の回転が遊星歯車装置25で減速されずに前輪側出力軸24に伝達される。
第3係合装置43は、図7に示すように、遊星歯車装置25を後輪側出力軸23に接続しない状態に切り替わることが可能である。この第3係合装置43は第1入力軸21のみを後輪側出力軸23に連結した状態となることが可能である。これにより、トランスファ12は、モータ30の動力で前輪3のみを駆動する二輪駆動状態と、エンジン2の動力で後輪4のみを駆動する二輪駆動状態とに切り替わることが可能である。
図8は、第2変形例のトランスファを模式的に示すスケルトン図である。第2変形例のトランスファ12では、第2係合装置42によって前輪側出力軸24を遊星歯車装置25から切り離すことが可能である。このトランスファ12は、モータ30の動力で後輪4のみを駆動する二輪駆動状態に切り替わることが可能である。
第2係合装置42は、遊星歯車装置25と伝達装置26との間に配置された係合装置である。第2切替スリーブ45は、第3ギヤ歯42cを有する。また、トランスファ12は、ドライブギヤ27と一体回転する第5回転部材55を備えている。第5回転部材55は、第1ギヤ歯55aと第2ギヤ歯55bとを有する。第1ギヤ歯55aは、第2切替スリーブ45の第3ギヤ歯45cに噛み合う。第2ギヤ歯55bは、第3切替スリーブ46の第3ギヤ歯46cに噛み合う。
図8に示すように、第2係合装置42が第5回転部材55と噛み合わない場合、前輪側出力軸24は遊星歯車装置25から切り離された状態となる。この場合に、第3係合装置43は、第1入力軸21およびキャリアCを後輪側出力軸23に連結した状態となる。これにより、トランスファ12は、モータ30の動力で後輪4のみを駆動する二輪駆動状態を実現することが可能である。
1 車両
2 エンジン(第1動力源)
3R,3L 前輪(第2駆動輪)
4R,4L 後輪(第1駆動輪)
10 動力伝達装置
12 トランスファ
13 フロントプロペラシャフト
14 リアプロペラシャフト
21 第1入力軸
22 第2入力軸
23 後輪側出力軸(第1出力軸)
24 前輪側出力軸(第2出力軸)
25 遊星歯車装置
30 モータ(第2動力源)
40 係合装置
41 第1係合装置
42 第2係合装置
43 第3係合装置
44 第1切替スリーブ
45 第2切替スリーブ
46 第3切替スリーブ
51 第1回転部材
52 第2回転部材
53 第3回転部材
54 第4回転部材
100 電子制御装置
C キャリア
S1 第1サンギヤ
S2 第2サンギヤ
P ステップドピニオンギヤ
P1 小径ピニオンギヤ
P2 大径ピニオンギヤ
R リングギヤ

Claims (5)

  1. 第1動力源からの動力を入力する第1入力軸と、
    第2動力源からの動力を入力する第2入力軸と、
    第1駆動輪に動力を伝達する第1出力軸と、
    第2駆動輪に動力を伝達する第2出力軸と、
    複数の回転要素を有する差動装置と、
    前記第1入力軸と前記第2入力軸と前記第1出力軸と前記複数の回転要素との接続関係を選択的に切り替える係合装置と、
    を備え、
    前記第1入力軸から伝達された動力と前記第2入力軸から伝達された動力とを前記第1出力軸と前記第2出力軸とに分配する動力分配状態と、前記第1入力軸の回転を減速して前記第1出力軸に伝達する減速駆動状態との間で切り替わることが可能な動力伝達装置であって、
    前記差動装置は、ステップドピニオン型の遊星歯車装置であり、
    前記遊星歯車装置は、第1サンギヤと、第2サンギヤと、リングギヤと、前記第1サンギヤおよび前記リングギヤに噛み合う小径ピニオンギヤと前記第2サンギヤに噛み合う大径ピニオンギヤとからなるステップドピニオンギヤと、前記ステップドピニオンギヤを自転可能かつ公転可能に保持するキャリアと、を有し、
    前記第2出力軸は、前記キャリアに連結されており、
    前記動力分配状態は、前記係合装置によって、前記第1入力軸が前記第1出力軸に連結され、前記第2入力軸が前記第2サンギヤに連結され、前記第1出力軸が前記リングギヤに連結された駆動状態であり、
    前記減速駆動状態は、前記係合装置によって、前記第1入力軸および前記第2入力軸が前記第1サンギヤに連結され、前記リングギヤが固定部材に固定され、前記第1出力軸が前記キャリアに連結された駆動状態である
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記係合装置は、第1係合装置と、第2係合装置と、第3係合装置と、を含み、
    前記第1係合装置は、前記第1入力軸および前記第2入力軸を前記第1サンギヤに連結する状態と、前記第2入力軸を前記第2サンギヤに連結する状態との間で切り替わり、
    前記第2係合装置は、前記リングギヤを固定部材に固定した状態と、前記リングギヤを前記固定部材から解放した状態との間で切り替わり、
    前記第3係合装置は、前記第1入力軸および前記リングギヤを前記第1出力軸に連結した状態と、前記キャリアを前記第1出力軸に連結した状態との間で切り替わる
    ことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記遊星歯車装置の差動を制限した状態で前記第1駆動輪および前記第2駆動輪を駆動する非減速駆動状態に切り替わることが可能であり、
    前記第2係合装置は、前記リングギヤと前記キャリアとを連結した状態に切り替わることが可能であり、
    前記非減速駆動状態は、前記第1係合装置が前記第2入力軸を前記第2サンギヤに連結し、前記第2係合装置が前記リングギヤと前記キャリアとを連結し、前記第3係合装置が前記第1入力軸および前記リングギヤを前記第1出力軸に連結した駆動状態である
    ことを特徴とする請求項2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記第2動力源の動力で前記第2駆動輪のみを駆動する二輪駆動状態に切り替わることが可能であり、
    前記第3係合装置は、前記第1入力軸のみを前記第1出力軸に連結することが可能であり、
    前記二輪駆動状態は、前記第1係合装置が前記第2入力軸を前記第2サンギヤに連結し、前記第2係合装置が前記リングギヤと前記キャリアとを連結し、前記第3係合装置が前記第1入力軸のみを前記第1出力軸に連結した駆動状態である
    ことを特徴とする請求項3に記載の動力伝達装置。
  5. 前記第2動力源の動力で前記第1駆動輪のみを駆動する二輪駆動状態に切り替わることが可能であり、
    前記第2出力軸は、前記第2係合装置によって前記キャリアに選択的に連結され、
    前記第2係合装置は、前記第2出力軸を前記キャリアから切り離した状態で前記リングギヤと前記キャリアとを連結した状態に切り替わることが可能であり、
    前記二輪駆動状態は、前記第1係合装置が前記第2入力軸を前記第2サンギヤに連結し、前記第2係合装置が前記第2出力軸を前記キャリアから切り離した状態で前記リングギヤと前記キャリアとを連結し、前記第3係合装置が前記第1入力軸および前記キャリアを前記第1出力軸に連結した駆動状態である
    ことを特徴とする請求項3に記載の動力伝達装置。
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