JP7119209B2 - コロイダルシリカ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コロイダルシリカ及びその製造方法に関し、特に、平均一次粒子径が33nm以上であり会合比が1.2以上であり真比重が1.95以上でありアルコキシ基を含むシリカ粒子を含有するコロイダルシリカ及びその製造方法に関する。
コロイダルシリカは、シリカ微粒子を水等の媒体に分散させたものであり、紙、繊維、鉄鋼等の分野で物性改良剤として使用されている他、半導体ウエハ等の電子材料の研磨剤としても使用されている。このような用途に用いられるコロイダルシリカに分散されているシリカ粒子には、高真比重及び高会合が要求される。
上記要求に応え得るコロイダルシリカの製造方法として、例えば、アルコキシシランを加水分解して得られた加水分解液をアルカリ触媒等を含む母液に添加する製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の製造方法によれば、アルコキシシランを一旦加水分解して得られた加水分解液を調製してから、当該加水分解液を母液に添加しており、真比重が高く緻密な粒子が得られるが、真比重が高すぎることにより被研磨物である基板等の表面上の欠陥(例えばスクラッチ)が増加するという問題がある。また、製造工程が長時間及び多段階となるため、煩雑である、コストが高額になる、という問題がある。
これとは別に、アルコキシシランを加水分解せずに母液に添加し、コロイダルシリカを製造する製造方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献2には、会合比が高く、かつ真比重が高いシリカ粒子を得る製法については記載されておらず、特許文献2に記載の製造方法により得られたコロイダルシリカは高い研磨性が得られにくく、研磨性のさらなる向上については検討の余地がある。
従って、研磨性に優れたコロイダルシリカの開発が望まれており、当該コロイダルシリカを容易に製造することができ、製造コストを低減することができる製造方法の開発が望まれている。
国際公開第2010/035613号 特開2016-008157号公報
本発明は、アルコキシ基を含み、適切な真比重を持つシリカ粒子を含有したコロイダルシリカ、及び、当該コロイダルシリカを容易に製造することができ、製造コストを低減することができる製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、平均一次粒子径が33nm以上であり、会合比が1.2以上であり、真比重が1.95以上であり、シリカ粒子1g当たり1000質量ppm以上のアルコキシ基を含有し、円相当径が20nm未満のシリカ粒子数の割合が15%未満であり、1級アミンをシリカ粒子1g当たり5μmol以上含有する、シリカ粒子を含有するコロイダルシリカによれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
代表的な本発明は以下の通りである。
項1.
コロイダルシリカであって、
前記コロイダルシリカに含まれるシリカ粒子は、
平均一次粒子径が33nm以上であり、
会合比が1.2以上であり、
真比重が1.95以上であり、
シリカ粒子1g当たり1000質量ppm以上のアルコキシ基を含有し、
円相当径が20nm未満のシリカ粒子数の割合が15%未満であり、
1級アミンをシリカ粒子1g当たり5μmol以上含有する、
ことを特徴とするコロイダルシリカ。
項2.
前記シリカ粒子は真比重が1.95以上2.20以下である、項1に記載のコロイダルシリカ。
項3.
前記シリカ粒子の表面に、下記一般式(1)
-(CH)-R (1)
(式(1)中、nは0以上の任意の整数を示し、Rは任意の官能基を示す。)
で表される有機官能基を有する、項1又は2に記載のコロイダルシリカ。
項4.
前記シリカ粒子の表面に、カチオン性有機官能基を有する、項1~3のいずれかに記載のコロイダルシリカ。
項5.
前記シリカ粒子の表面に、アミノ基を有する、項4に記載のコロイダルシリカ。
項6.
前記シリカ粒子の表面に、アニオン性有機官能基を有する、項1~3のいずれかに記載のコロイダルシリカ。
項7.
前記シリカ粒子の表面に、スルホ基を有する、項6に記載のコロイダルシリカ。
項8.
(1)アルカリ触媒及び水を含む母液を調製する工程1、
(2)アルコキシシランを前記母液に添加して混合液を調製する工程2、
(3)前記混合液にアルカリ触媒を添加して、種粒子分散液を調製する工程3、及び、
(4)前記種粒子分散液に、水及び有機溶媒を添加し、次いでアルコキシシランを添加する工程4
をこの順に有し、
前記アルカリ触媒は1級アミンである、
ことを特徴とするコロイダルシリカの製造方法。
項9.
(3.5)工程3で得られた種粒子分散液に水を添加し、次いでアルコキシシランを添加して種粒子分散液を調製する工程3.5
を前記工程3及び工程4の間に有する、項8に記載の製造方法。
本発明のコロイダルシリカに含まれるシリカ粒子は、平均一次粒子径が33nm以上であり、会合比が高く、真比重が適切であり、アルコキシ基量が高く、円相当径が20nm未満のシリカ粒子数の割合が15%未満であり、1級アミンを含むため、研磨剤として使用された際に高い研磨速度、低い欠陥性を示すことができる。また、本発明のコロイダルシリカの製造方法は、当該コロイダルシリカを容易に製造することができ、製造コストを低減することができる。
実施例1、6及び7で得られたコロイダルシリカのゼータ電位の測定結果を示す図である。 実施例6で得られたコロイダルシリカのXPSによる分析結果を示す図である。 実施例7で得られたコロイダルシリカのXPSによる分析結果を示す図である。
以下、本発明のコロイダルシリカ及びその製造方法について詳細に説明する。
本発明のコロイダルシリカは、シリカ粒子について、平均一次粒子径が33nm以上であり、会合比が1.2以上であり、真比重が1.95以上であり、円相当径が20nm未満のシリカ粒子数の割合が15%未満であるため、研磨性に優れている。また、本発明のコロイダルシリカは、シリカ粒子のアルコキシ基量が高いため、被研磨物である基板等の表面の欠陥(例えばスクラッチ)を低減できる。また、本発明のコロイダルシリカは、異形化されたシリカ粒子を含有してもよい。
また、本発明の製造方法は、工程1においてアルカリ触媒及び水を含む母液を調製し、工程2において当該母液にアルコキシシランを添加して混合液を調製しているので、アルコキシシランを加水分解してケイ酸水溶液を一旦調製してその液を母液に添加する必要がない。このため、会合比が高く、真比重が適切であり、アルコキシ基含有量が高く、1級アミンを含み、円相当径が20nm未満のシリカ粒子数の割合が15%未満であるシリカ粒子を含有するコロイダルシリカを容易に製造することができる。また、本発明の製造方法は、工程が少ないため製造コストが低減されている。また、本発明の製造方法は、工程1において調製された、アルカリ触媒及び水を含む母液に、工程2においてアルコキシシランを添加し、次いで、工程3において更にアルカリ触媒を添加して種粒子を調製しているので、種粒子が異形化されやすく、工程4において当該種粒子を成長させているので、平均一次粒子径が33nm以上で会合比が1.2以上であり、真比重が1.95以上であり、シリカ粒子1g当たり1000質量ppm以上のアルコキシ基を含有し、円相当径が20nm未満のシリカ粒子数の割合が15%未満であり、1級アミンをシリカ粒子1g当たり5μmol以上含有するシリカ粒子を高純度で含有し、研磨性に優れたコロイダルシリカを容易に製造することができる。
1.コロイダルシリカ
本発明のコロイダルシリカは、平均一次粒子径が33nm以上であり、会合比が1.2以上であり、真比重が1.95以上であり、シリカ粒子1g当たり1000質量ppm以上のアルコキシ基を含有し、円相当径が20nm未満のシリカ粒子数の割合が15%未満であり、1級アミンをシリカ粒子1g当たり5μmol以上含有する、シリカ粒子を含むことを特徴とする。
コロイダルシリカ中のシリカ粒子の平均一次粒子径は、33nm以上が好ましく、38nm以上がより好ましい。シリカ粒子の平均一次粒子径の下限が上記範囲であると、本発明のコロイダルシリカの研磨性がより一層向上する。また、シリカ粒子の平均一次粒子径は、200nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。シリカ粒子の平均一次粒子径の上限が上記範囲であると、被研磨物の傷の発生がより一層低減される。
本明細書において、上記コロイダルシリカ中のシリカ粒子の平均一次粒子径は、以下の測定方法により測定することができる。すなわち、コロイダルシリカをホットプレートの上で予備乾燥後、800℃で1時間熱処理して測定用サンプルを調製する。調製した測定用サンプルを用いて、BET比表面積を測定する。シリカの真比重を2.2として、2727/BET比表面積(m/g)の値を換算して、コロイダルシリカ中のシリカ粒子の平均一次粒子径(nm)とする。
コロイダルシリカ中のシリカ粒子の平均二次粒子径は、40nm以上が好ましく、50nm以上がより好ましく、60nm以上が更に好ましい。シリカ粒子の平均二次粒子径の下限が上記範囲であると、本発明のコロイダルシリカの研磨性がより一層向上する。また、シリカ粒子の平均二次粒子径は、400nm以下が好ましく、300nm以下がより好ましい。シリカ粒子の平均二次粒子径の上限が上記範囲であることにより、被研磨物の傷の発生がより一層低減される。
本明細書において、上記コロイダルシリカ中のシリカ粒子の平均二次粒子径は、以下の測定方法により測定することができる。すなわち、動的光散乱法の測定用サンプルとして、コロイダルシリカを0.3重量%クエン酸水溶液に加えて均一化したものを調製する。当該測定用サンプルを用いて、動的光散乱法(大塚電子株式会社製「ELSZ-2000S」)により二次粒子径を測定する。
コロイダルシリカ中のシリカ粒子の会合比は1.2以上が好ましく、1.4以上がより好ましく、1.5以上が更に好ましく、1.8以上が特に好ましい。シリカ粒子の会合比の下限が上記範囲であると、本発明のコロイダルシリカの研磨性がより一層向上する。また、シリカ粒子の会合比は、5.5以下が好ましく、5.0以下がより好ましい。シリカ粒子の会合比の上限が上記範囲であると、被研磨物の傷の発生がより一層低減される。
本明細書において、上記コロイダルシリカ中のシリカ粒子の会合比は、コロイダルシリカ中のシリカ粒子の平均二次粒子径/平均一次粒子径を算出することにより得られる値である。
シリカ粒子が含有するアルコキシ基の量は、シリカ粒子1g当たり1000質量ppm以上が好ましく、2500質量ppm以上がより好ましく、4000質量ppm以上が更に好ましい。アルコキシ基量の下限が上記範囲であると、被研磨物の傷の発生がより一層低減される。また、シリカ粒子が含有するアルコキシ基量は、15000質量ppm以下が好ましく、12000質量ppm以下がより好ましく、10000質量ppm以下が更に好ましい。アルコキシ基量の上限が上記範囲であると、本発明のコロイダルシリカの研磨性がより一層向上する。
なお、上記アルコキシ基量は、以下の方法により測定することができる。すなわち、コロイダルシリカを215000G、90分の条件で遠心分離後、上澄みを廃棄して固形分を60℃、90分の条件で真空乾燥させる。得られるシリカ乾固物0.5gを秤量し、1M水酸化ナトリウム水溶液50mLに入れ、撹拌させながら50℃で24時間加熱することでシリカを溶解させる。前記シリカ溶解液をガスクロマトグラフにより分析し、アルコール含有量を求め、アルコキシ基量とする。ガスクロマトグラフの検出器は水素炎イオン化検出器(FID)を用いる。ガスクロマトグラフ分析は、JIS K0114に従って行う。
本発明のコロイダルシリカにおける円相当径が20nm未満のシリカ粒子数の割合は、全シリカ粒子数の15%未満が好ましく、10%未満がより好ましい。円相当径が20nm未満のシリカ粒子数の割合の上限が上記範囲であると、小粒子が少なくなり本発明のコロイダルシリカの研磨性がより一層向上する。
円相当径が20nm未満のシリカ粒子数の割合は、以下の測定方法により測定することができる。すなわち、コロイダルシリカに含まれる一次粒子100個を走査型電子顕微鏡(SEM;5万倍)により観察し、画像解析によって一次粒子の円相当径が20nm未満である粒子の数を求め、SEMで一次粒子の円相当径を測定された粒子の数に対する個数割合を%で表す。
本発明のコロイダルシリカに含まれるシリカ粒子は、1級アミンを含有することが好ましい。1級アミンとしては特に限定されず、下記一般式(2)で表されるアミンが好ましい。
NH-R (2)
(式中、Rは置換されてもよい炭素数1~12のアルキル基を示す。)
上記一般式(2)において、Rは置換されてもよい炭素数1~12のアルキル基を示す。当該アルキル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。
直鎖状又は分岐状のアルキル基の炭素数は、1~12であってもよく、好ましくは1~8、より好ましくは1~6である。直鎖状のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられる。分岐状のアルキル基としては、イソプロピル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-メチル-1-エチルプロピル基、2-メチル-2-エチルプロピル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1-エチルヘキシル基、2-エチルヘキシル基、3-エチルヘキシル基、4-エチルヘキシル基、5-エチルヘキシル基などが挙げられる。好ましい直鎖状又は分岐状のアルキル基は、n-プロピル基、n-ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、n-オクチル基などである。
環状のアルキル基の炭素数は、例えば3~12であってもよく、好ましくは3~6である。環状のアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられる。好ましい環状のアルキル基は、シクロヘキシル基である。
上記一般式(2)中のRにおいてアルキル基は置換されていてもよい。置換基の数としては、例えば0個、1個、2個、3個、4個などであってもよく、好ましくは0個、1個又は2個、より好ましくは0個又は1個である。なお、置換基の数が0個のアルキル基とは置換されていないアルキル基である。置換基としては、例えば炭素数1~3のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基)などが挙げられる。ただし、置換基として、ヒドロキシル基、置換されていないアミノ基は除外する。複数の置換基を有するアルキル基において、置換基は、同一であっても異なっていてもよい。
一実施形態において、上記一般式(2)中のRは、置換されてもよい炭素数1~8(好ましくは炭素数1~6)の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。また、別の実施形態において、当該Rは、炭素数1~3のアルコキシ基で置換されてもよい炭素数1~8(好ましくは炭素数1~6)の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。
一実施形態において、1級アミンは、3-エトキシプロピルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、及びシクロヘキシルアミンからなる群から選択される少なくとも1種のアミンである。これらの中でも、シリカ粒子を異形化しやすい点で、3-エトキシプロピルアミンが好ましい。
1級アミンは、単独であってもよいし、二種以上を混合されていてもよい。
1級アミンのシリカ粒子における含有量は、シリカ粒子1g当たり、5μmol以上が好ましく、10μmolがより好ましく、20μmol以上が更に好ましい。1級アミンの含有量の下限が上記範囲であると粒子径を制御しやすくなる。また、1級アミンのシリカ粒子における含有量はシリカ粒子1g当たり、100μmol以下が好ましく、90μmol以下がより好ましい。1級アミンの含有量の上限が上記範囲であることにより、シリカ粒子が異形化しやすい。
なお、1級アミンの含有量は、以下の方法により測定することができる。すなわち、コロイダルシリカを215000G、90分の条件で遠心分離後、上澄みを廃棄して固形分を60℃、90分の条件で真空乾燥させる。得られるシリカ乾固物0.5gを秤量し、1M水酸化ナトリウム水溶液50mLに入れ、撹拌させながら50℃で24時間加熱することでシリカを溶解させる。シリカ溶解液をイオンクロマトグラフにより分析し、アミン量を求める。イオンクロマトグラフ分析は、JIS K0127に従って行う。
1級アミンの沸点は85℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましい。沸点が上記範囲であると、反応温度より高く、反応途中における気化が抑制される。また、上記沸点は、500℃以下が好ましく、300℃以下がより好ましい。
本発明のコロイダルシリカに含まれるシリカ粒子は、その真比重は1.95以上が好ましく、2.00以上がより好ましい。真比重の下限が上記範囲であると、本発明のコロイダルシリカの研磨性がより一層向上する。また、真比重は、2.20以下が好ましく、2.16以下がより好ましい。真比重の上限が上記範囲であると、被研磨物の傷の発生がより一層低減される。なお、真比重は、試料を150℃のホットプレート上で乾固後、300℃炉内で1時間保持した後、エタノールを用いた液相置換法で測定する測定方法により測定することができる。
コロイダルシリカ中のシリカ粒子のシラノール基密度は、1.9個/nm以上が好ましく、2.0個/nm以上がより好ましく、2.1個/nm以上がさらに好ましい。シラノール基密度の下限が上記範囲であると、被研磨物の傷の発生がより一層低減される。また、シラノール基密度は、5.0個/nm以下が好ましく、4.5個/nm以下がより好ましく、3.4個/nm以下がさらに好ましい。シラノール基密度の上限が上記範囲であると、本発明のコロイダルシリカの研磨性がより一層向上する。なお、コロイダルシリカ中のシリカ粒子のシラノール基密度はシアーズ法により求めることができる。シアーズ法は、G.W.Sears,Jr.,“Determination of Specific Surface Area of Colloidal Silica by Titration with Sodium Hydroxide”,Analytical Chemistry,28(12),1981(1956).の記載を参照して実施した。測定には1wt%シリカ分散液を使用し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で滴定を行い、下記式に基づき、シラノール基密度を算出する。
ρ=(a×f×6022)÷(c×S)
上記式中、ρ:シラノール基密度(個/nm)、a:pH4-9の0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液の滴下量(mL)、f:0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液のファクター、c:シリカ粒子の質量(g)、S:BET比表面積(m/g)をそれぞれ表す。
本発明のコロイダルシリカは、例えば紙、繊維、鉄鋼等の分野で物性改良剤として使用できる他、半導体ウエハ等の電子材料の研磨剤として使用できる。また、乾燥させてパウダーとすることで、フィラー用添加剤、トナー外添剤等として使用できる。
コロイダルシリカ中のシリカ粒子は、表面に下記一般式(1)
-(CH)-R (1)
で表される有機官能基を有することが好ましい。上記一般式(1)で表わされる有機官能基を有することにより、コロイダルシリカの凝集がより一層抑制される。また、上記一般式(1)で表わされる有機官能基を有することにより、例えば、研磨剤として研磨対象物との静電気的引力又は斥力を利用して研磨性能を調整する;フィラーとしてポリマー樹脂内に添加した際に分散性を向上させる等の、他物質との相互作用を調整することができる。
上記一般式(1)中、nは0以上の任意の整数を示す。nは、1以上の整数であることが好ましい。また、nは、20以下の整数であることが好ましく、12以下の整数であることがより好ましく、6以下の整数であることがさらに好ましく、4以下の整数であることが特に好ましい。
上記一般式(1)中、Rは任意の官能基を示す。Rとしては官能基であれば特に限定されず、カチオン、アニオン、極性、非極性等の官能基が挙げられる。本発明のコロイダルシリカは、シリカ粒子の表面に、カチオン性有機官能基、アニオン性有機官能基、極性有機官能基、非極性有機官能基等を有することが好ましく、カチオン性有機官能基、アニオン性有機官能基を有することがより好ましい。
カチオン性有機官能基としては特に限定されず、アミノ基等が挙げられる。
アニオン性有機官能基としては特に限定されず、スルホ基、カルボキシ基等が挙げられる。これらの中でも、スルホ基が好ましい。
極性有機官能基、又は、非極性有機官能基としては特に限定されず、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基等が挙げられる。
なお、コロイダルシリカ中のシリカ粒子の表面に上記一般式(1)で表わされる有機官能基が付与されたことは、下記XPS測定及びゼータ電位測定により確認することができる。
(XPS測定)
コロイダルシリカを5℃、77,000Gで、90分間遠心分離する。得られた沈殿物を60℃で12時間乾燥させた後、乳鉢と乳棒を使用してすりつぶし、60℃で2時間減圧乾燥して、乾燥粉を調製する。
調製された乾燥粉をXPSにより測定し、粒子表面の有機官能基に由来するピークを確認する。
(ゼータ電位測定)
ゼータ電位は、電気泳動光散乱法、コロイド振動電流法、電気音響法、超音波減衰法等の測定原理を使用した装置により測定できる。
2.コロイダルシリカの製造方法
本発明のコロイダルシリカの製造方法は、
(1)アルカリ触媒及び水を含む母液を調製する工程1、
(2)アルコキシシランを前記母液に添加して混合液を調製する工程2、
(3)前記混合液にアルカリ触媒を添加して、種粒子分散液を調製する工程3、及び、
(4)前記種粒子分散液に、水及び有機溶媒を添加し、次いでアルコキシシランを添加する工程4
をこの順に有し、
前記アルカリ触媒は1級アミンであることを特徴とする。
(工程1)
工程1は、アルカリ触媒及び水を含む母液を調製する工程である。
アルカリ触媒は、1級アミンであってよい。当該アミンとしては、上記コロイダルシリカにおいて説明したアミンを用いればよい。
母液中のアミンの含有量は0.30mmol/kg以上が好ましく、0.50mmol/kg以上がより好ましい。アミンの含有量の下限が上記範囲であると、粒子径を制御しやすくなる。また、母液中のアミンの含有量は、20.0mmol/kg以下が好ましく、15.0mmol/kg以下がより好ましい。アミンの含有量の上限が上記範囲であることにより、シリカ粒子が異形化しやすい。
母液を調製する方法としては特に限定されず、水にアルカリ触媒を従来公知の方法により添加して撹拌すればよい。
母液のpHは特に限定されず、9.5以上が好ましく、10.0以上がより好ましい。母液のpHの下限が上記範囲であると、粒子径を制御しやすくなる。また、母液のpHは12.0以下が好ましく、11.5以下がより好ましい。母液のpHの上限が上記範囲であると、シリカ粒子が異形化しやすい。
(工程2)
工程2は、アルコキシシランを上記母液に添加して混合液を調製する工程である。
アルコキシシランとしては特に限定されず、下記一般式(3)
Si(OR (3)
(式中、Rはアルキル基を示す。)
で表されるアルコキシシランが挙げられる。
上記一般式(3)において、Rはアルキル基を示す。Rはアルキル基であれば特に限定されず、炭素数1~8の低級アルキル基であることが好ましく、炭素数1~4の低級アルキル基であることがより好ましい。上記アルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等を例示することができる。上記一般式(3)で表されるアルコキシシランとしては、Rがメチル基であるテトラメトキシシラン(テトラメチルオルトシリケート)、Rがエチル基であるテトラエトキシシラン(テトラエチルオルトシリケート)、Rがイソプロピル基であるテトライソプロポキシシランが好ましく、Rがメチル基であるテトラメトキシシラン、Rがエチル基であるテトラエトキシシランがより好ましく、テトラメトキシシランがより一層好ましい。
アルコキシシランは、単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。また、アルコキシシランは一度に全量を添加してもよいし、数回(例えば2回、3回など)に分けて添加してもよい。
工程2におけるアルコキシシランの添加量は特に限定されず、工程2におけるアルコキシシランの添加量s2(mol)と、母液中のアルカリ触媒の量c1(mol)のモル比(s2/c1)は、10以上が好ましく、100以上がより好ましく、150以上がさらに好ましい。s2/c1の下限が上記範囲であることにより、種粒子がより一層異形化し易くなる。また、s2/c1は8500以下が好ましく、8000以下がより好ましい。s2/c1の上限が上記範囲であると、反応中にゲル化し難い。
アルコキシシランの添加に要する時間は、5分以上が好ましく、10分以上がより好ましい。添加時間の下限が上記範囲であると、反応中にゲル化し難い。また、アルコキシシランの添加に要する時間は、1000分以下が好ましく、600分以下がより好ましい。添加時間の上限が上記範囲であると、生産性が向上し、製造コストを抑制できる。
混合液のpHは、8.5以下が好ましく、8.0以下がより好ましい。混合液のpHの上限が上記範囲であると、種粒子がより一層異形化し易くなる。また、混合液のpHは、4.5以上が好ましく、4.9以上がより好ましい。混合液のpHの下限が上記範囲であると、ゲル化し難い。
工程2における混合液の温度は、70℃以上が好ましく、75℃以上がより好ましい。混合液の温度の下限が上記範囲であると、反応時にゲル化し難い。また、混合液の温度は95℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましい。混合液の温度の上限が上記範囲であると、アルコキシシランの気化が抑制されやすい。
(工程3)
工程3は、混合液にアルカリ触媒を添加して、種粒子分散液を調製する工程である。
アルコキシシランの添加終了から工程3のアルカリ触媒添加開始までの時間(以下、「熟成時間」と表わす。)は0分以上1500分以下が好ましい。熟成時間の調整によって異形度を制御でき、熟成時間が上記範囲であると、生産性を確保しつつ、所望の会合比のシリカ粒子を得ることができる。
熟成中の混合液の温度は、70℃以上が好ましく、75℃以上がより好ましい。当該温度の下限が上記範囲であると、粒子径を制御しやすい。また、当該温度は95℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましい。当該温度の上限が上記範囲であると、ゲル化し難い。
アルカリ触媒は、1級アミンであり、置換されていてもよい。当該アミンとしては、上記コロイダルシリカにおいて説明したアミンを用いればよい。また、工程3において用いられるアルカリ触媒は、工程1において用いられるアルカリ触媒と同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
工程3におけるアルカリ触媒の添加量は特に制限されず、上記工程2におけるアルコキシシランの添加量s2(mol)と、工程3におけるアルカリ触媒の添加量c3(mol)とのモル比(s2/c3)は、500以下が好ましく、400以下がより好ましく、300以下が更に好ましい。s2/c3の上限が上記範囲であることにより、シリカ粒子の一次粒子径をより一層制御し易くなる。また、s2/c3は、30以上が好ましく、35以上がより好ましい。s2/c3の下限が上記範囲であることにより、より一層ゲル化が抑制される。また、アルカリ触媒は一度に全量を添加してもよいし、数回(例えば2回、3回など)に分けて添加してもよい。
また、工程3においてアルカリ触媒は水等の溶媒にて希釈された後、希釈液として添加されてもよい。
種粒子分散液のpHは、8.0以上が好ましく、8.5以上がより好ましい。種粒子分散液のpHの下限が上記範囲であると、ゲル化し難い。また、種粒子分散液のpHは、12.0以下が好ましく、11.0以下がより好ましい。種粒子分散液のpHの上限が上記範囲であると、シリカが溶解し難い。
工程3におけるアルカリ触媒添加時の種粒子分散液の温度は、特に制限されない。当該温度は、70℃以上が好ましく、75℃以上がより好ましい。当該温度の下限が上記範囲であると、粒子径を制御しやすい。また、当該温度は95℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましい。当該温度の上限が上記範囲であると、ゲル化し難い。
(工程4)
工程4は、種粒子分散液に、水及び有機溶媒を添加し、次いでアルコキシシランを添加する工程である。工程4では任意にアルカリ触媒を、さらに添加してもよい。
種粒子分散液は、上記工程3で得られたものであってもよいし、後述の工程3.5で得られたものであってもよい。
工程4における水の添加量は、種粒子分散液中の種粒子の量を1質量部として、10質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましい。水の添加量の下限が上記範囲であると、新たな核粒子の生成が抑制され、その結果、種粒子の成長が促進され、シリカ粒子の平均二次粒子径がより一層大きくなる。また、水の添加量は、種粒子分散液中の種粒子の量を1質量部として、250質量部以下が好ましく、220質量部以下がより好ましい。水の添加量の上限が上記範囲であると、より一層種粒子が成長し易くなる。また、水は一度に全量を添加してもよいし、数回(例えば2回、3回など)に分けて添加してもよい。
工程4における有機溶媒としては、例えば親水性の有機溶媒が用いられ、具体的には、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類を例示することができる。有機溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、有機溶媒は一度に全量を添加してもよいし、数回(例えば2回、3回など)に分けて添加してもよい。
特に本発明では、アルコール類を用いることが好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノールを用いることがより好ましく、メタノール、エタノールを用いることがさらに好ましく、メタノールが特に好ましい。アルコール類は、後述する水置換の際に、加熱蒸留によって容易に水と置換するからである。
さらには、有機溶媒として、アルコキシシランの加水分解により生じるアルコールと同じアルコールを使用することがより一層好ましい。例えば、アルコキシシランとしてテトラメチルオルトシリケートを使用した場合に、当該シリケートの加水分解により反応系中にメタノールが生じるので、有機溶媒として同じメタノールを使用する。このようにすることで、溶媒の回収、再利用を容易に行なうことができる。
工程4における有機溶媒の添加量は、種粒子分散液中の種粒子量を1質量部として、0.3質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましい。有機溶媒の添加量の下限が上記範囲であると、新たな核粒子の生成が抑制され、その結果、種粒子の成長が促進され、シリカ粒子の平均一次粒子径がより一層大きくなる。また、有機溶媒の添加量は、種粒子分散液中の種粒子量を1質量部として、55.0質量部以下が好ましく、50.0質量部以下がより好ましい。有機溶媒の添加量の上限が上記範囲であると、真比重の低下を抑制できる。
工程4におけるアルコキシシランとしては、上記工程2において説明した、有機官能基をもたないテトラアルコキシシランである、上記一般式(3)で表わされるアルコキシシランに加えて、有機官能基を有するアルコキシシランを用いてもよい。
上記有機官能基を有するアルコキシシランとしては、下記一般式(4)、下記一般式(5)で表わされるアルコキシシランが挙げられる。
(ORSi[(CH-R] (4)
(ORSi[(CH-R][(CH-R] (5)
上記一般式(4)及び(5)中、Rは上記一般式(3)のRと同様に定義される基であり、R及びRは同一又は異なって上記一般式(1)のRと同様に定義される基であり、nは上記一般式(1)のnと同様に定義される整数である。
上記一般式(4)又は(5)で表わされるアルコキシシランとしては、具体的には、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、アリルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-トリメトキシシリルプロピル-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-スルホプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の分子中に一種又は二種以上の有機官能基を有するアルコキシシラン類;トリメチルクロロシラン、ジエチルジクロロシラン等のクロロシラン類等が挙げられる。
工程4においてアルコキシシランは、単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。上記一般式(3)で表されるアルコキシシランの添加量に対する有機官能基を有するアルコキシシランの添加量は、0.0004~0.03モル倍であることが好ましく、0.001~0.03モル倍であることがより好ましい。上記一般式(3)で表されるアルコキシシランの添加量の割合が少な過ぎると、粒子内部に導入される有機官能基が少なくなり、所望の特性を付与することができないおそれがある。有機官能基を有するアルコキシシランの添加量の割合が多過ぎると、二次粒径の増大、凝集物の生成、ゲル化を生じるおそれがある。
また、工程4でアルコキシシランを添加する際、アルコキシシランをあらかじめ有機溶媒で希釈してから添加してもよい。工程4における有機溶媒としては、例えば親水性の有機溶媒が用いられ、具体的には、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類を例示することができる。有機溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。特に本発明では、工業的に入手し易い点からアルコール類を用いることが好ましく、メタノール、エタノールがより好ましく、メタノールが更に好ましい。アルコール類は、水置換の際に、加熱蒸留によって容易に水と置換するからである。さらには、有機溶媒として、ケイ酸アルキルの加水分解により生じるアルコールと同じアルコールを使用することがより一層好ましい。例えば、アルコキシシランとしてテトラメチルオルトシリケートを使用した場合に、当該シリケートの加水分解により反応系中にメタノールが生じるので、有機溶媒として同じメタノールを使用する。このようにすることで、溶媒の回収、再利用を容易に行なうことができる。
工程4における有機溶媒の添加量は、アルコキシシラン添加量の総量に対して0~3倍の質量であることが好ましく、0~1.5倍の質量であることがより好ましい。有機溶媒の添加量が上記範囲であると、真比重の低下を抑制できる。
工程4における上記一般式(3)のアルコキシシランの添加量は特に制限されず、工程4における上記一般式(3)のアルコキシシランの添加量s4(mol)と、種粒子分散液中の種粒子量sp4(mol)のモル比(s4/sp4)は、3以上が好ましい。アルコキシシランの添加量の下限が上記範囲であると、より一層効率よくコロイダルシリカを得ることができる。また、s4/sp4は30以下が好ましく、26以下がより好ましい。アルコキシシランの添加量の上限が上記範囲であると、反応途中で新たな核粒子が生成し難く、主粒子の成長が促進される。なお、上記モル比は、種粒子の分子量を60.08g/molとし規定した値である。
工程4におけるアルコキシシランの添加に要する時間は、5分以上が好ましく、10分以上がより好ましい。添加時間の下限が上記範囲であると、反応中にゲル化し難い。また、アルコキシシランの添加に要する時間は、1000分以下が好ましく、600分以下がより好ましい。添加時間の上限が上記範囲であると生産性が向上し、製造コストを抑制できる。
工程4におけるアルコキシシラン添加時の種粒子分散液のpHは、12.0以下が好ましく、11.5以下がより好ましい。pHの上限が上記範囲であると、シリカ粒子が溶解し難い。また、アルコキシシラン添加時の種粒子分散液のpHは、7.0以上が好ましく、7.5以上がより好ましい。pHの下限が上記範囲であると、ゲル化し難い。また、pHを上記範囲に保つためにアルコキシシラン添加中にアルカリ触媒を添加しても良い。
工程4におけるアルコキシシラン添加時の種粒子分散液の温度は、70℃以上が好ましく、75℃以上がより好ましい。温度の下限が上記範囲であると、反応時にゲル化し難い。また、アルコキシシラン添加時の種粒子分散液の温度は90℃以下が好ましく、85℃以下がより好ましい。温度の上限が上記範囲であると、アルコキシシランが気化し難い。
工程4においてはアルカリ触媒を添加することもできる。アルカリ触媒を添加することにより反応系のpHを所望の範囲に調整できる。また、アルカリ触媒を添加することにより反応途中で新たな核粒子が生成し難く、主粒子の成長が促進される点で有利である。工程4におけるアルカリ触媒は、1級アミンである。当該アミンとしては、上記コロイダルシリカにおいて説明したアミンを用いればよい。また、工程4において用いられるアルカリ触媒は、工程1又は3において用いられるアルカリ触媒と同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
工程4におけるアルカリ触媒は、アルコキシシラン添加時の種粒子分散液のpHが好ましくは7.0~12.0、より好ましくは7.5~11.5となるように添加する。アルカリ触媒は一度に全量を添加してもよいし、数回(例えば2回、3回など)に分けて添加してもよい。アルカリ触媒の添加は、通常、アルコキシシランの添加時及び/又は添加前に行われるが、アルコキシシラン添加時の反応系のpHが上記範囲であれば、アルコキシシランの添加後としてもよい。また、アルカリ触媒を数回(例えば2回、3回など)に分けて添加する場合は、アルコキシシランの添加と同時、添加前及び添加後からなる群から選択される2以上の時期に添加してもよい。
(工程3.5)
本発明のコロイダルシリカの製造方法は、上記工程3の後、工程4の前に、更に、工程3で得られた種粒子分散液に水を添加し、次いでアルコキシシランを添加して種粒子分散液を調製する工程3.5を有してもよい。工程3.5においては任意にアルカリ触媒及び/又は有機溶媒をさらに添加してもよい。工程3.5で調製された種粒子分散液を上記工程4に供することができる。工程3.5を設けることにより、種粒子の成長が促進されて一次粒子径をより一層大きくできる。
工程3.5における水の添加量は、種粒子分散液中の種粒子の量を1質量部として、10質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましい。水の添加量の下限が上記範囲であると、新たな核粒子の生成が抑制され、その結果、種粒子の成長が促進され、シリカ粒子の平均二次粒子径がより一層大きくなる。また、水の添加量は、種粒子分散液中の種粒子の量を1質量部として、250質量部以下が好ましく、220質量部以下がより好ましい。水の添加量の上限が上記範囲であると、より一層種粒子が成長し易くなる。また、水は一度に全量を添加してもよいし、数回(例えば2回、3回など)に分けて添加してもよい。
工程3.5においては種粒子分散液に有機溶媒を添加してもよい。有機溶媒は、アルコキシシラン添加前に種粒子分散液に添加されることが好ましい。また、有機溶媒は一度に全量を添加してもよいし、数回(例えば2回、3回など)に分けて添加してもよい。
工程3.5における有機溶媒としては、上記工程4において説明した有機溶媒を用いればよい。また、工程3.5において用いられる有機溶媒は、工程4において用いられる有機溶媒と同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
工程3.5における有機溶媒の添加量は、種粒子分散液中の種粒子量を1質量部として、0.3質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましい。有機溶媒の添加量の下限が上記範囲であると、新たな核粒子の生成が抑制され、その結果、種粒子の成長が促進され、シリカ粒子の平均一次粒子径がより一層大きくなる。また、有機溶媒の添加量は、種粒子分散液中の種粒子量を1質量部として、55.0質量部以下が好ましく、50.0質量部以下がより好ましい。有機溶媒の添加量の上限が上記範囲であると、真比重の低下を抑制できる。
工程3.5においてアルコキシシランは、単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。また、アルコキシシランは一度に全量を添加してもよいし、数回(例えば2回、3回など)に分けて添加してもよい。さらにまた、工程3.5でアルコキシシランを添加する際、アルコキシシランをあらかじめ有機溶媒で希釈してから添加してもよい。
工程3.5におけるアルコキシシランとしては、上記工程4において説明したアルコキシシランを用いればよい。また、工程3.5において用いられるアルコキシシランは、工程2または4において用いられるアルコキシシランと同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
工程3.5におけるアルコキシシランの添加量は特に制限されず、工程3.5におけるアルコキシシランの添加量s3.5(mol)と、種粒子分散液中の種粒子量sp3.5(mol)のモル比(s3.5/sp3.5)は、3以上が好ましい。アルコキシシランの添加量の下限が上記範囲であると、より一層効率よくコロイダルシリカを得ることができる。また、s3.5/sp3.5は30以下が好ましく、26以下がより好ましい。アルコキシシランの添加量の上限が上記範囲であると、反応途中で新たな核粒子が生成し難く、主粒子の成長が促進される。
工程3.5におけるアルコキシシランの添加に要する時間は、5分以上が好ましく、10分以上がより好ましい。添加時間の下限が上記範囲であると、反応中にゲル化し難い。また、アルコキシシランの添加に要する時間は、1000分以下が好ましく、600分以下がより好ましい。添加時間の上限が上記範囲であると生産性が向上し、製造コストを抑制できる。
工程3.5におけるアルコキシシラン添加時の種粒子分散液のpHは、12.0以下が好ましく、11.5以下がより好ましい。pHの上限が上記範囲であると、シリカ粒子が溶解し難い。また、アルコキシシラン添加時の種粒子分散液のpHは、7.0以上が好ましく、7.5以上がより好ましい。pHの下限が上記範囲であると、ゲル化し難い。また、pHを上記範囲に保つためにアルコキシシラン添加中にアルカリ触媒を添加しても良い。
工程3.5におけるアルコキシシラン添加時の種粒子分散液の温度は、70℃以上が好ましく、75℃以上がより好ましい。種粒子分散液の温度の下限が上記範囲であると、ゲル化し難い。また、種粒子分散液の温度は90℃以下が好ましく、85℃以下がより好ましい。種粒子分散液の温度の上限が上記範囲であると、アルコキシシランが気化し難い。
工程3.5においては種粒子分散液にアルカリ触媒を添加することもできる。アルカリ触媒を添加することにより反応系のpHを所望の範囲に調整できる。また、アルカリ触媒を添加することにより反応途中で新たな核粒子が生成し難く、主粒子の成長が促進される点で有利である。工程3.5におけるアルカリ触媒は、1級アミンである。当該アミンとしては、上記コロイダルシリカにおいて説明したアミンを用いればよい。また、工程3.5において用いられるアルカリ触媒は、工程1、3又は4において用いられるアルカリ触媒と同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
工程3.5におけるアルカリ触媒は、アルコキシシラン添加時の反応系のpHが好ましくは7.0~12.0、より好ましくは7.5~11.5となるように添加することができる。アルカリ触媒は一度に全量を添加してもよいし、数回(例えば2回、3回など)に分けて添加してもよい。アルカリ触媒の添加は、通常、アルコキシシランの添加時及び/又は添加前に行われるが、アルコキシシラン添加時の反応系のpHが上記範囲であれば、アルコキシシランの添加後としてもよい。また、アルカリ触媒を数回(例えば2回、3回など)に分けて添加する場合は、アルコキシシランの添加と同時、添加前及び添加後からなる群から選択される2以上の時期に添加してもよい。
また、本発明のコロイダルシリカの製造方法は、上記工程4の後に、更に、コロイダルシリカを濃縮する工程を有していてもよい。濃縮の方法としては特に限定されず、従来公知の方法により濃縮することができる。このような濃縮方法としては、例えば、65~100℃程度の温度で加熱濃縮する方法、限外濾過により濃縮する方法が挙げられる。
濃縮後のコロイダルシリカのシリカ粒子の濃度は特に限定されず、コロイダルシリカを100質量%として1~50質量%程度であることが好ましい。
本発明のコロイダルシリカの製造方法では、工程4又は5において得られるコロイダルシリカ中に、反応時に副生したアルコール及び工程3.5、4又は5において添加された有機溶媒が含まれる。このため、工程4又は5、或いは上記のコロイダルシリカの濃縮工程に次いで有機溶媒を系外留去する工程を有していてもよい。有機溶媒を系外留去する方法としては特に限定されず、例えば、コロイダルシリカを加熱しながら純水を滴下し、容量を一定に保つことにより、純水で分散媒を置換する方法が挙げられる。また、他の方法としては、コロイダルシリカを沈殿・分離、遠心分離等により溶媒と分離した後に、水に再分散させる方法、限外濾過による水への溶媒置換を例示することができる。
(工程5)
本発明のコロイダルシリカが上記一般式(1)で表わされる有機官能基を有する場合、本発明のコロイダルシリカの製造方法は、上記工程4の後に、更に、有機官能基を有するアルコキシシランを添加する工程5を有していてもよい。
工程5において、有機官能基を有するアルコキシシランとしては、上記一般式(4)又は(5)で表わされる有機官能基を有するアルコキシシランを用いることができる。
工程5において、有機官能基がカチオン性有機官能基である場合、カチオン性官能基を有するアルコキシシランとしては、例えば、アミノプロピルトリメトキシシラン、(アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、(アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルジメチルエトキシシラン、アミノプロピルメチルジエトキシシラン、アミノブチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
有機官能基がカチオン性有機官能基である場合、工程5における有機官能基を有するアルコキシシランの添加量は特に限定されず、有機官能基を有するアルコキシシラン添加前のコロイダルシリカの固形分1gに対して、0.5~350μmolが好ましく、5.5~170μmolがより好ましい。有機官能基を有するアルコキシシランの添加量の下限が上記範囲であることにより、コロイダルシリカの変性の程度がより一層十分となり、より一層長期間安定分散可能な変性コロイダルシリカを得ることができ、また酸性でのコロイダルシリカのプラスチャージが大きくなることで研磨対象物との静電気的引力・斥力をより増大させることができる。有機官能基を有するアルコキシシランの添加量の上限が上記範囲であることにより二次粒子径の増大、凝集物の生成、ゲル化がより一層抑制される。
工程5において、有機官能基がアニオン性有機官能基、特に、スルホ基である場合、例えば、有機官能基を有するアルコキシシランとしては、化学的にスルホ基に変換できる官能基を有する有機官能基を有するアルコキシシランが好ましい。このような有機官能基を有するアルコキシシランとしては、例えば、1)加水分解によりスルホ基に変換できるスルホン酸エステル基を有する有機官能基を有するアルコキシシラン、2)酸化によりスルホ基に変換できるメルカプト基及び/又はスルフィド基を有する有機官能基を有するアルコキシシランが挙げられる。なお、コロイダルシリカ表面のスルホン酸修飾は溶液中で行われるため、修飾効率を高めるためには、後者のメルカプト基及び/又はスルフィド基を有する有機官能基を有するアルコキシシランを用いることが好ましい。
メルカプト基を有する有機官能基を有するアルコキシシランとしては、例えば、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
スルフィド基を有する有機官能基を有するアルコキシシランとしては、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドが挙げられる。
有機官能基がアニオン性有機官能基であり、特に、スルホ基である場合、工程5における有機官能基を有するアルコキシシランの使用量は特に限定されず、有機官能基を有するアルコキシシラン添加後のコロイダルシリカの固形分1gに対して、0.5~350μmolが好ましく、5.5~170μmolがより好ましい。有機官能基を有するアルコキシシランの添加量の下限が上記範囲であることにより、酸性におけるゼータ電位がより一層十分に安定する。有機官能基を有するアルコキシシランの添加量の上限が上記範囲であることにより、二次粒径の増大、凝集物の生成、ゲル化がより一層抑制される。
シリカ粒子表面を修飾したメルカプト基及びスルフィド基を酸化する方法としては、酸化剤を用いる方法が挙げられる。例えば、硝酸、過酸化水素、酸素、オゾン、有機過酸(過カルボン酸)、臭素、次亜塩素酸塩、過マンガン酸カリウム、クロム酸等が挙げられる。これらの酸化剤の中でも過酸化水素及び有機過酸(過酢酸、過安息香酸類)が比較的取り扱いが容易で酸化収率も良好である点で好ましい。なお、反応で副生する物質を考慮すれば、過酸化水素を用いることが最も好ましい。
酸化剤の添加量は、有機官能基を有するアルコキシシランの3倍モルから100倍モルが好ましい。酸化剤の添加量の上限は特に限定されず、50倍モル程度がより好ましい。なお、コロイダルシリカ及び有機官能基を有するアルコキシシランについては、スルホ基に酸化(変換)される官能基以外は酸化反応において安定な構造を有するので、副生成物が抑制されている。
工程5において、有機官能基を有するアルコキシシラン剤を添加する際の温度は限定されないが、常温(約20℃)から沸点が好ましい。反応時間も限定されないが、10分~10時間が好ましく、30分~2時間がより好ましい。添加時のpHも限定されないが、3以上11以下が好ましい。pHが上記範囲内であることにより、有機官能基を有するアルコキシシランとシリカ表面との反応がより一層促進され、有機官能基を有するアルコキシシランどうしの自己縮合がより一層抑制される。また、pHを調整するための酸性・塩基性物質の添加量が少なくて済み、シリカ粒子が安定に保持される。
有機官能基を有するアルコキシシランは有機溶媒で希釈してコロイダルシリカに加えることが好ましい。有機溶媒で希釈された有機官能基を有するアルコキシシランを使用することによって、二次粒子径の増大及び凝集物の生成を抑制することが出来る。有機官能基を有するアルコキシシランを有機溶媒で希釈する場合、特に限定されないが、有機官能基を有するアルコキシシランの割合が0.1~100質量%、好ましくは1~100質量%となるように有機溶媒で希釈すればよい。
有機溶媒としては、特に限定されないが、親水性有機溶媒であることが好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級アルコールなどを例示することができる。
本発明のコロイダルシリカは、ナトリウム、カリウム、鉄、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、チタン、ニッケル、クロム、銅、亜鉛、鉛、銀、マンガン、コバルト等の金属不純物の含有量が、1ppm以下であることが好ましい。金属不純物の含有量が1ppm以下であることにより、電子材料等の研磨に好適に用いることができる。
本発明のコロイダルシリカ、及び、本発明の製造方法により製造されるコロイダルシリカは、研磨剤、紙のコーティング剤などの様々な用途に使用することができる。上記コロイダルシリカを含む研磨剤も、本発明の一つである。本発明のコロイダルシリカは、シリカ粒子について、平均一次粒子径が33nm以上であり、会合比が1.2以上であり、真比重が1.95以上であり、アルコキシ基含有量が多く、円相当径が20nm未満の粒子数の割合が15%未満であり、1級アミンを含み、ナトリウムなどの金属不純物の含有量を1ppm以下と高純度にすることができるので、特に半導体ウエハの化学機械研磨の研磨剤として好適に用いることができる。
以下、実施例等を参照して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
(工程1)フラスコに、溶媒として純水7500gを入れ、アルカリ触媒として3-エトキシプロピルアミン(3-EOPA)0.38685gを添加することにより母液を調製した。母液のpHは10.2であった。
(工程2)母液を内温85℃まで加熱した後、当該母液にテトラメチルオルトシリケート2740gを内温変動しないよう温調しつつ、120分かけて定速滴下し、混合液を調製した。
(工程3)60分間撹拌後、混合液に3-エトキシプロピルアミン(3-EOPA)50.124gを添加して、種粒子分散液を調製した。種粒子分散液のpHは10.3であった。
(工程4)別のフラスコに、純水6061g、メタノール930g、種粒子分散液581g、及び3-エトキシプロピルアミン(3-EOPA)8.761gを入れた。次いで、内温80℃まで加熱し、内温変動しないように温調しながら、360分かけてテトラメチルオルトシリケート2000gを定速滴下し、滴下終了後15分間撹拌して、コロイダルシリカを調製した。次いで、コロイダルシリカを常圧下ベース量として800mL採取し、容量を一定に保ちながらコロイダルシリカをフィードして、シリカ濃度が20質量%となるまで加熱濃縮した。次いで、メタノールを系外留去するために、容量を一定に保ちながら、純水500mLにて分散媒を置換して、コロイダルシリカを調製した。得られたコロイダルシリカの物性を表1に、ゼータ電位を図1に示す。
実施例2
フラスコに、溶媒として純水6103gを入れ、メタノール1142g、コアとなるシリカ粒子として実施例1の種粒子分散液296g、及びアルカリ触媒として3-エトキシプロピルアミン(3-EOPA)10.148gを入れた。次いで、内温80℃まで加熱した後、内温変動しないように温調しながら、360分かけてテトラメチルオルトシリケート2000gを定速滴下し、滴下終了後15分間撹拌して、コロイダルシリカを調製した。得られたコロイダルシリカを常圧ベース量として800mL採取し、容量を一定に保ちながらコロイダルシリカをフィードして、シリカ濃度が20質量%となるまで加熱濃縮した。次いで、メタノールを系外留去するために、容量を一定に保ちながら、純水500mLにて分散媒を置換して、コロイダルシリカを調製した。得られたコロイダルシリカの物性を表1に示す。
実施例3
(工程1)フラスコに、溶媒として純水6250gを入れ、アルカリ触媒として3-エトキシプロピルアミン(3-EOPA)0.32238gを添加することにより母液を調製した。母液のpHは10.2であった。
(工程2)母液を内温80℃まで加熱した後、当該母液にテトラメチルオルトシリケート3107.9gを内温変動しないよう温調しつつ、100分かけて定速滴下し、混合液を調製した。
(工程3)15分撹拌後、混合液に3-エトキシプロピルアミン(3-EOPA)56.8680gを添加して、種粒子分散液を調製した。種粒子分散液のpHは10.3であった。
(工程3.5)別のフラスコに、純水5840g及び種粒子分散液1921gを入れた。次いで、内温80℃まで加熱し、内温変動しないように温調しながら、360分かけてテトラメチルオルトシリケート2000gを定速滴下し、滴下終了後15分間撹拌した。次いで、3-エトキシプロピルアミン(3-EOPA)36.6280gを入れて、種粒子分散液を調製した。この種粒子分散液のpHは10.3であった。
(工程4)別のフラスコに、純水4719g、メタノール665g、コアとなるシリカ粒子として工程3.5で得られた種粒子分散液2366gを入れた。次いで、内温80℃まで加熱し、内温変動しないように温調しながら、360分かけてテトラメチルオルトシリケート2000gを定速滴下し、滴下終了後15分間撹拌して、コロイダルシリカを調製した。次いで、コロイダルシリカを常圧下ベース量として2600mL採取し、容量を一定に保ちながらコロイダルシリカをフィードして、シリカ濃度が20質量%となるまで加熱濃縮した。次いで、メタノールを系外留去するために、容量を一定に保ちながら、純水2000mLにて分散媒を置換して、コロイダルシリカを調製した。得られたコロイダルシリカの物性を表1に示す。
実施例4
(工程1)フラスコに、溶媒として純水6250gを入れ、アルカリ触媒として3-エトキシプロピルアミン(3-EOPA)0.32240gを添加することにより母液を調製した。母液のpHは10.2であった。
(工程2)母液を内温80℃まで加熱した後、当該母液にテトラメチルオルトシリケート3729.5gを内温変動しないよう温調しつつ、120分かけて定速滴下し、混合液を調製した。
(工程3)純水で3-エトキシプロピルアミン(3-EOPA)68.0110gを20質量%濃度に希釈したアミン希釈水を、混合液に30分かけて添加して、種粒子分散液を調製した。種粒子分散液のpHは10.4であった。
(工程3.5)別のフラスコに、純水5989g及び種粒子分散液1761gを入れた。次いで、内温80℃まで加熱し、内温変動しないように温調しながら、360分かけてテトラメチルオルトシリケート2000gを定速滴下し、滴下終了後15分間撹拌した。次いで、3-エトキシプロピルアミン(3-EOPA)10.0010gを入れて、種粒子分散液を調製した。この種粒子分散液のpHは10.3であった。
(工程4)別のフラスコに、純水4389g、メタノール1005g、コアとなるシリカ粒子として工程3.5で得られた種粒子分散液2356g、及び3-エトキシプロピルアミン(3-EOPA)6.432gを入れた。次いで、内温80℃まで加熱し、内温変動しないように温調しながら、360分かけてテトラメチルオルトシリケート2000gを定速滴下し、滴下終了後15分間撹拌して、コロイダルシリカを調製した。次いで、コロイダルシリカを常圧下ベース量として2700mL採取し、容量を一定に保ちながらコロイダルシリカをフィードして、シリカ濃度が20質量%となるまで加熱濃縮した。次いで、メタノールを系外留去するために、容量を一定に保ちながら、純水1350mLにて分散媒を置換して、コロイダルシリカを調製した。得られたコロイダルシリカの物性を表1に示す。
実施例5
(工程1)フラスコに、溶媒として純水7500gを入れ、アルカリ触媒として3-エトキシプロピルアミン(3-EOPA)0.62300gを添加することにより母液を調製した。母液のpHは10.4であった。
(工程2)母液を内温85℃まで加熱した後、当該母液にテトラメチルオルトシリケート2740gを内温変動しないよう温調しつつ、120分かけて定速滴下し、混合液を調製した。
(工程3)60分間撹拌後、混合液に3-エトキシプロピルアミン(3-EOPA)50.124gを添加して、種粒子分散液を調製した。種粒子分散液のpHは10.3であった。
(工程4)別のフラスコに、純水6061g、メタノール930g、種粒子分散液581g、及び3-エトキシプロピルアミン(3-EOPA)8.761gを入れた。次いで、内温80℃まで加熱し、内温変動しないように温調しながら、360分かけてテトラメチルオルトシリケート2000gを定速滴下し、滴下終了後15分間撹拌して、コロイダルシリカを調製した。次いで、コロイダルシリカを常圧下ベース量として800mL採取し、容量を一定に保ちながらコロイダルシリカをフィードして、シリカ濃度が20質量%となるまで加熱濃縮した。次いで、メタノールを系外留去するために、容量を一定に保ちながら、純水500mLにて分散媒を置換して、コロイダルシリカを調製した。得られたコロイダルシリカの物性を表1に示す。
実施例6
実施例1と同様にして、コロイダルシリカ(シリカ濃度20質量%)を調製した。
(工程5)
調製されたコロイダルシリカ750gに、3-エトキシプロピルアミン(3-EOPA)0.7gを添加し、pH9に調整した。室温で、3-アミノプロピルトリメトキシシラン0.7gおよびメタノール74.1gの混合液を添加した。次いで、液中のメタノールを系外留去するために容量を一定に保ちつつ、純水200mLで分散媒を置換して、シリカ粒子にカチオン性有機官能基が表面修飾されたコロイダルシリカを調製した。得られたコロイダルシリカのゼータ電位を図1に示す。
実施例7
実施例1と同様にして、コロイダルシリカ(シリカ濃度20質量%)を調製した。
(工程5)
調製されたコロイダルシリカ830gに、3-エトキシプロピルアミン(3-EOPA)0.8gを添加し、pH9に調整した。次いで、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン9.9gを添加し、次いで、30%過酸化水素水21.1gを添加した。次いで、液中のメタノールを系外留去するために容量を一定に保ちつつ、純水200mLで分散媒を置換して、3時間加熱還流し、シリカ粒子にアニオン性有機官能基が表面修飾されたコロイダルシリカを調製した。得られたコロイダルシリカのゼータ電位を図1に示す。
比較例1
水1732gに25%水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液0.151gを加え撹拌して母液を調製し、還流するまで加熱した。また、テトラメチルオルトシリケートを加水分解して、9%ケイ酸水溶液を調製した。還流下で、母液にケイ酸水溶液346.5gを3時間かけて滴下した後、30分間還流した。次いで、25%水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液を1.26g滴下し、種粒子分散液を調製した。次いで、種粒子分散液に水2910gを加え、撹拌して加熱還流した。次いで、9%ケイ酸水溶液500gと、25%水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液1.21gとを2.5時間かけて滴下しながら、水とメタノールとの混合物を600g抽出した。この操作を26回行うことで、コロイダルシリカを調製した。得られたコロイダルシリカの物性を表1に示す。比較例1で得られたコロイダルシリカは、1級アミンが検出されなかった。
比較例2
水2000gに25%水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液0.365gを加え撹拌して母液を調製し、80℃まで加熱した。母液の温度を80℃に保ちながら、テトラメチルオルトシリケート228gを3時間かけて滴下した。次いで、直ちに25%水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液2.92gを添加した。温度を80℃に保ちながら、テトラメチルオルトシリケート228gと25%水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液3.19gを3時間かけて滴下した。この操作を4回行うことで、コロイダルシリカを調製した。得られたコロイダルシリカの物性を表1に示す。比較例2で得られたコロイダルシリカは、実施例1~4と比較して、シリカ粒子について、会合比が低く、1級アミンが検出されなかった。
比較例3
メタノールの添加による影響を評価した。フラスコに、溶媒として純水6991gを入れ、コアとなる粒子として実施例1の種粒子分散液581g、アルカリ触媒として3-エトキシプロピルアミン(3-EOPA)8.761gを添加することにより母液を調製した。母液のpHは10.2であった。母液を内温80℃まで加熱した後、当該母液にテトラメチルオルトシリケート2000gを内温変動しないよう温調しつつ、360分かけて定速滴下した。滴下終了後15分間撹拌して、混合液を調製した。比較例3では主粒子の成長が見られなかった。母液にメタノールを添加しなかったことによって、新しい核粒子(小粒子)の生成を抑制できず、その結果、主粒子の成長が阻害されたためである。得られたコロイダルシリカの物性を表1に示す。
上述のようにして得られた実施例及び比較例のコロイダルシリカの特性は、以下の方法により評価した。
(平均一次粒子径)
コロイダルシリカをホットプレートの上で予備乾燥後、800℃で1時間熱処理して測定用サンプルを調製した。調製した測定用サンプルを用いて、BET比表面積を測定した。シリカの真比重を2.2として、2727/BET比表面積(m/g)の値を換算して、コロイダルシリカ中のシリカ粒子の平均一次粒子径(nm)とした。
(平均二次粒子径)
動的光散乱法の測定用サンプルとして、コロイダルシリカを0.3重量%クエン酸水溶液に加えて均一化したものを調製した。当該測定用サンプルを用いて、動的光散乱法(大塚電子株式会社製「ELSZ-2000S」)により平均二次粒子径を測定した。
(会合比)
平均二次粒子径/平均一次粒子径により算出される値を会合比とした。
(真比重)
試料を150℃のホットプレート上で乾固後、300℃炉内で1時間保持した後、エタノールを用いた液相置換法で測定する測定方法により、真比重を測定した。
(アミン含有量)
コロイダルシリカを215000G、90分の条件で遠心分離後、上澄みを廃棄して固形分を60℃、90分の条件で真空乾燥させた。得られたシリカ乾固物0.5gを秤量し、1M水酸化ナトリウム水溶液50mLに入れ、撹拌させながら50℃で24時間加熱することでシリカを溶解させた。シリカ溶解液をイオンクロマトグラフにより分析し、アミン量を求めた。イオンクロマトグラフ分析は、JIS K0127に従った。
(アルコキシ基量)
コロイダルシリカを215000G、90分の条件で遠心分離後、上澄みを廃棄して固形分を60℃、90分の条件で真空乾燥させた。得られたシリカ乾固物0.5gを秤量し、1M水酸化ナトリウム水溶液50mLに入れ、撹拌させながら50℃で24時間加熱することでシリカを溶解させた。前記シリカ溶解液をガスクロマトグラフにより分析し、アルコール含有量を求め、アルコキシ基量とした。ガスクロマトグラフの検出器は水素炎イオン化検出器(FID)を用いた。ガスクロマトグラフ分析は、JIS K0114に従った。
(円相当径が20nm未満の粒子数の割合)
一次粒子100個を走査型電子顕微鏡(SEM;5万倍)により観察し、画像解析によって一次粒子径の円相当径が20nm未満の粒子の数を求め、SEMで一次粒子の円相当径を測定された粒子の数に対する個数割合が、15%未満であれば「○」、15%以上であれば「×」と評価した。
(シラノール基密度)
コロイダルシリカ中のシリカ粒子のシラノール基密度はシアーズ法により求めることができる。シアーズ法は、G.W.Sears,Jr.,“Determination of Specific Surface Area of Colloidal Silica by Titration with Sodium Hydroxide”,Analytical Chemistry,28(12),1981(1956).の記載を参照して実施した。測定には1wt%シリカ分散液を使用し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で滴定を行い、下記式に基づき、シラノール基密度を算出した。
ρ=(a×f×6022)÷(c×S)
上記式中、ρ:シラノール基密度(個/nm)、a:pH4-9の0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液の滴下量(mL)、f:0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液のファクター、c:シリカ粒子の質量(g)、S:BET比表面積(m/g)をそれぞれ表す。
Figure 0007119209000001
実施例1、6及び7で得られたコロイダルシリカのゼータ電位測定及びXPS測定を下記方法により行った。
(ゼータ電位測定)
コロイダルシリカのゼータ電位を超音波減衰法を利用した測定装置を用いて測定した。
(XPS測定)
コロイダルシリカを5℃、77,000Gで、90分間遠心分離した。得られた沈殿物を60℃で12時間乾燥させた後、乳鉢と乳棒を使用してすりつぶし、60℃で2時間減圧乾燥して、乾燥粉を調製した。
調製された乾燥粉をXPSにより測定し、粒子表面の有機官能基に由来するピークを確認した。
実施例1、6及び7で得られたコロイダルシリカのゼータ電位の測定結果を図1に示す。また、実施例6で得られたコロイダルシリカのXPSによる分析結果を図2に、実施例7で得られたコロイダルシリカのXPSによる分析結果を図3に示す。
図1では、実施例1で得られたコロイダルシリカのゼータ電位に対して、実施例6で得られたコロイダルシリカのゼータ電位はプラスにシフトした。特に、実施例6の等電点は5以上となっていた。且つ図2のXPS測定結果でN原子が検出されたことから、シリカ粒子表面にカチオン性官能基であるアミノ基が付与されたことが分かった。
また、図1では、実施例1で得られたコロイダルシリカのゼータ電位に対して、実施例7で得られたコロイダルシリカのゼータ電位はマイナスにシフトした。特に、実施例7のゼータ電位はpH3~9の全領域で負となっていた。且つ図3のXPS測定結果でS原子が検出されたことから、シリカ粒子表面にアニオン性官能基であるスルホ基が付与されたことが分かった。

Claims (9)

  1. コロイダルシリカであって、
    前記コロイダルシリカに含まれるシリカ粒子は、
    平均一次粒子径が33nm以上であり、
    会合比が1.2以上であり、
    真比重が1.95以上であり、
    シリカ粒子1g当たり1000質量ppm以上のアルコキシ基を含有し、
    円相当径が20nm未満のシリカ粒子数の割合が15%未満であり、
    1級アミンをシリカ粒子1g当たり5μmol以上含有する、
    ことを特徴とするコロイダルシリカ。
  2. 前記シリカ粒子は真比重が1.95以上2.20以下である、請求項1に記載のコロイダルシリカ。
  3. 前記シリカ粒子の表面に、下記一般式(1)
    -(CH)-R (1)
    (式(1)中、nは0以上の任意の整数を示し、Rは任意の官能基を示す。)
    で表される有機官能基を有する、請求項1又は2に記載のコロイダルシリカ。
  4. 前記シリカ粒子の表面に、カチオン性有機官能基を有する、請求項1~3のいずれかに記載のコロイダルシリカ。
  5. 前記シリカ粒子の表面に、アミノ基を有する、請求項4に記載のコロイダルシリカ。
  6. 前記シリカ粒子の表面に、アニオン性有機官能基を有する、請求項1~3のいずれかに記載のコロイダルシリカ。
  7. 前記シリカ粒子の表面に、スルホ基を有する、請求項6に記載のコロイダルシリカ。
  8. (1)アルカリ触媒及び水を含む母液を調製する工程1、
    (2)アルコキシシランを前記母液に添加して混合液を調製する工程2、
    (3)前記混合液にアルカリ触媒を添加して、種粒子分散液を調製する工程3、及び、
    (4)前記種粒子分散液に、水及び有機溶媒を添加し、次いでアルコキシシランを添加する工程4
    をこの順に有し、
    前記アルカリ触媒は1級アミンである、
    ことを特徴とするコロイダルシリカの製造方法。
  9. (3.5)工程3で得られた種粒子分散液に水を添加し、次いでアルコキシシランを添加して種粒子分散液を調製する工程3.5
    を前記工程3及び工程4の間に有する、請求項8に記載の製造方法。
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