JP7119151B1 - 木質耐火構造体、建物構造及びその構築方法 - Google Patents

木質耐火構造体、建物構造及びその構築方法 Download PDF

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Abstract

【課題】長期荷重を保つように、他の建材に取り付けることができる木質耐火構造体、建物構造及びその構築方法を提供する。【解決手段】木質耐火構造体10は、建物の柱又は梁に使用される。木質耐火構造体10は、荷重を支持する木質構造用芯材11と、木質構造用芯材11の外周面を覆う木質被覆材12と、を備え、木質構造用芯材11の一部は、外周面が露出している。長期荷重を保つように、木質耐火構造体10を他の建材に取り付けることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、建物の柱又は梁に使用される木質耐火構造体、建物構造及びその構築方法に関するものである。
木質耐火構造体は、火炎に晒されて表面が炭化しても、芯材が炭化しないようにして、長期荷重を保つようにする必要がある。このような木質耐火構造体として、木質構造用芯材の外周面に、木質被覆材を取り付けた木質耐火構造体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、木質系材料からなるコア部と、コア部の表面を被覆して木造耐火構造体の外表面を構成する被覆部と、を備え、被覆部は、発火温度が1000℃以上のユーカリ材で構成されている木造耐火構造体が開示されている。これにより、木の質感を出しつつ、層構成を簡素にして断面積を抑制することが可能な木造耐火構造体とすることができる。
特開2012-52330号公報
しかしながら、特許文献1には、木造耐火構造体の具体的な組付方法が開示されていない。特に、長期荷重を保つように、木造耐火構造体を他の建材に取り付けることに関する記載がない。
そこで、本発明は、長期荷重を保つように、他の建材に取り付けることができる木質耐火構造体、建物構造及びその構築方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の木質耐火構造体は、建物の柱又は梁に使用される木質耐火構造体であって、荷重を支持する木質構造用芯材と、前記木質構造用芯材の外周面を覆う木質被覆材と、を備え、前記木質構造用芯材の一部は、外周面が露出していることを特徴とする。
また、本発明の木質耐火構造体では、前記木質構造用芯材の長手方向において、前記木質被覆材の端面に発生する被覆材継ぎ目に、耐火シーリング材が充填されていてもよい。
また、本発明の木質耐火構造体では、前記木質構造用芯材は、断面長方形に形成され、断面において、少なくとも3枚の前記木質被覆材によって、外周面が覆われていてもよい。
また、本発明の木質耐火構造体では、前記木質構造用芯材は、断面正方形に形成され、断面において、同一の断面形状の4枚の前記木質被覆材によって、外周面が覆われていてもよい。
また、本発明の木質耐火構造体では、前記木質被覆材の前記木質構造用芯材の周方向に隣接する箇所は、締結金具及び接着剤の少なくとも一方で連結され、前記木質被覆材と前記木質構造用芯材とは、締結金具及び接着剤の少なくとも一方で連結されていてもよい。
また、本発明の建物構造では、木質耐火構造体と、前記木質耐火構造体と直交するように設けられる構造材と、前記木質構造用芯材と前記構造材とを連結する連結金具と、前記連結金具を覆うように取り付けられる端部被覆材及び前記木質被覆材の少なくとも一方と、を備えていてもよい。
また、本発明の建物構造では、前記端部被覆材及び前記木質被覆材の少なくとも一方は、燃焼遅延剤が含浸されていてもよい。
また、本発明の建物構造の構築方法では、荷重を支持する木質構造用芯材を前記木質構造用芯材に直交するように設けられている構造材に設置する設置工程と、前記木質構造用芯材に、前記木質構造用芯材の外周面を覆う木質被覆材を取り付ける木質被覆材取付工程と、を含んでもよい。
さらに、本発明の建物構造の構築方法では、前記構造材と前記木質構造用芯材とを連結金具で連結する連結工程と、前記連結金具を覆う端部被覆材を前記木質構造用芯材に取り付ける端部被覆材取付工程と、を含んでもよい。
このように構成された本発明の木質耐火構造体は、建物の柱又は梁に使用される木質耐火構造体であって、荷重を支持する木質構造用芯材と、木質構造用芯材の外周面を覆う木質被覆材と、を備え、木質構造用芯材の一部は、外周面が露出している。そのため、木質被覆材に覆われていない木質構造用芯材の端部に、連結金具等を取り付けて、木質耐火構造体を他の建材に取り付けることができる。その結果、長期荷重を保つように、木質耐火構造体を他の建材に取り付けることができる。
また、本発明の木質耐火構造体では、木質構造用芯材の長手方向において、木質被覆材の端面に発生する被覆材継ぎ目に、耐火シーリング材が充填されている。この場合、火災時に、木質被覆材の炭化による熱収縮によって、木質被覆材の端面に発生する被覆材継ぎ目が拡大した場合でも、耐火シーリング材によって被覆材継ぎ目を埋めることができる。そのため、被覆材継ぎ目の耐火性を確保することができる。
また、本発明の木質耐火構造体では、木質構造用芯材は、断面長方形に形成され、木質構造用芯材は、断面において、少なくとも3枚の木質被覆材によって、外周面が覆われている。この場合、本発明の木質耐火構造体を梁に適用することができる。
また、本発明の木質耐火構造体では、木質構造用芯材は、断面正方形に形成され、木質構造用芯材は、断面において、同一の断面形状の4枚の木質被覆材によって、外周面が覆われている。この場合、木質耐火構造体の各面を、同じ断面形状の木質被覆材で覆って、同じ合わせ目とすることができる。そのため、木質耐火構造体の各面を同等の耐火性能とすることができる。
また、本発明の木質耐火構造体では、木質被覆材の木質構造用芯材の周方向に隣接する箇所は、締結金具及び接着剤の少なくとも一方で連結され、木質被覆材と木質構造用芯材とは、接着剤で接合されている場合、火災時に、熱せられた締結金具が熱橋となって、熱を木質構造用芯材に伝えるのを防止することができる。そのため、火災時に、木質構造用芯材が炭化することを抑制することができる。
また、本発明の建物構造では、木質耐火構造体と、木質耐火構造体と直交するように設けられる構造材と、木質構造用芯材と構造材とを連結する連結金具と、連結金具を覆うように取り付けられる端部被覆材及び木質被覆材の少なくとも一方と、を備える。この場合、火災時に、連結金具が直接加熱されることを防ぐことができる。そのため、連結金具が熱橋となって、熱を木質構造用芯材に伝えるのを防止することができる。
また、本発明の建物構造では、端部被覆材及び木質被覆材の少なくとも一方は、燃焼遅延剤が含浸されている場合、短い長さの端部被覆材又は木質被覆材を燃焼遅延剤に容易に漬け込むことができる。そのため、端部被覆材の内部まで、燃焼遅延剤を含浸することができる。
また、本発明の建物構造の構築方法では、荷重を支持する木質構造用芯材を、木質構造用芯材に直交するように設けられている構造材に設置する設置工程と、木質構造用芯材に、木質構造用芯材の外周面を覆う木質被覆材を取り付ける木質被覆材取付工程と、を含む。この場合、木質被覆材に覆われていない木質構造用芯材を構造材に取り付けることができる。そのため、長期荷重を保つように、木質耐火構造体を構造材に取り付けることができる。
さらに、本発明の建物構造の構築方法では、構造材と木質構造用芯材とを連結金具で連結する連結工程と、連結金具を覆う端部被覆材を木質構造用芯材に取り付ける端部被覆材取付工程と、を含む。この場合、長期荷重を保つようするために取り付けられた連結金具が、火災時に、直接加熱されることを防ぐことができる建物構造を簡易な方法で構築することができる。
実施例1の建物構造を示す分解斜視図である。 実施例1の木質耐火構造体を示す断面図である。 実施例1の建物構造を示す断面図である。 実施例1の木質構造用芯材の設置工程及び連結工程を説明する分解側面図である。 実施例1の木質被覆材取付工程を示す説明図である。 実施例1の端部被覆材取付工程を示す説明図である。 実施例1の耐火シーリング材塗布・充填工程を説明する断面図である。 実施例1の化粧材取付工程を示す説明図である。 実施例2の木質耐火構造体を示す断面図である。 実施例3の木質構造用芯材の設置工程及び連結工程を説明する側面図である。 実施例3の木質構造用芯材の設置工程及び連結工程を説明する分解側面図である。 実施例3の木質構造用芯材の設置工程及び連結工程を説明する分解側面図である。 実施例3の木質被覆材取付工程を示す分解断面図である。 別の実施例の建物構造を示す分解斜視図である。 別の実施例の木質耐火構造体を示す断面図である。 別の実施例の木質耐火構造体を示す斜視図である。 別の実施例の木質耐火構造体を示す斜視図である。 別の実施例の木質耐火構造体を示す断面図である。 別の実施例の建物構造を示す斜視図である。
以下、本発明による木質耐火構造体、建物構造及びその構築方法を実現する実施形態を、図面に示す実施例1~3に基づいて説明する。
実施例1では、建物の柱としての木質耐火構造体が、構造材としての土台に取り付けられている建物構造について説明する。
[建物構造の構成]
図1は、実施例1の建物構造を示す分解斜視図である。図2は、実施例1の木質耐火構造体を示す断面図である。図3は、実施例1の建物構造を示す断面図である。以下、実施例1の建物構造の構成を説明する。
図1に示すように、建物構造は、構造材としての土台31に連結金具50を介して取り付けられた木質耐火構造体10と、木質耐火構造体10の端部11aを覆う端部被覆材22と、端部被覆材22と土台31との間に設置される床材32と、を備えている。
(木質耐火構造体)
図1に示すように、木質耐火構造体10は、荷重を支持する木質構造用芯材11と、木質構造用芯材11の外周面を覆う木質被覆材12と、を備える。
<木質構造用芯材>
木質構造用芯材11及び木質被覆材12は、樹種の制限はなく、スギ、ヒノキ、アカマツ、クロマツ、ヒバ、カラマツ、ベイヒ、ベイヒバ、ベイマツ、ベイツガ、ケヤキ、クリ、カシ、ナラ、又はブナ等の木材とすることができる。木質構造用芯材11及び木質被覆材12は、無垢材、集成材、単板積層材、又は無等級材とすることができる。木質構造用芯材11及び木質被覆材12は、一般流通材又は特注材を用いることができる。
木質構造用芯材11及び木質被覆材12は、密度の制限は無いが、例えば、密度0.38±0.08g/cm以上とすることができる。木質構造用芯材11及び木質被覆材12は、含水率の制限は無いが、例えば、含水率15%以下とすることができる。
図2に示すように、木質構造用芯材11は、断面正方形(例えば、105mm×105mm)の角材とすることができる。
<木質被覆材>
図1に示すように、木質被覆材12の長さは、木質構造用芯材11の長さ以下とすることができる。
図2に示すように、木質構造用芯材11は、断面において、同一の断面形状の4枚の木質被覆材12によって、外周面が覆われている。木質被覆材12は、断面矩形(例えば、165mm×60mm)の角材とすることができる。木質耐火構造体10の横断面方向の厚さは、求める耐火時間に応じて、例えば、木質構造用芯材11の厚さの約3倍とすることができる。木質被覆材12は、角面(C面)や丸面(R面)の面取りを形成することもできる。
木質被覆材12は、締結部材(留付材)としての締結金具S及び接着剤Gによって、木質構造用芯材11に取り付けられる。木質被覆材12と木質構造用芯材11とは、接着剤Gと締結金具Sによって連結することができる。木質被覆材12の木質構造用芯材11の周方向に隣接する箇所において、木質被覆材12同士は、接着剤Gと締結金具Sによって連結することができる。なお、木質被覆材12と木質構造用芯材11とは、接着剤G及び締結金具Sの少なくとも一方によって連結され、木質被覆材12の木質構造用芯材11の周方向に隣接する箇所において、木質被覆材12同士は、接着剤G及び締結金具Sの少なくとも一方によって連結されてもよい。
接着剤Gは、ウレタン系樹脂接着剤を用いることができる。接着剤Gは、木質被覆材12に部分的に塗布することもできる。
締結金具Sは、釘(例えば、直径3.9mm以上×長さ90mm以上)とすることができる。締結金具Sは、熱伝導率の低い材質とすることができる。よって、締結金具Sによる木質構造用芯材11の炭化を低減することができる。例えば、鉄の熱伝導率は、20℃~100℃で74.6(W/m・K)であり、ステンレスの熱伝導率は、20℃~100℃で13.0~26.4(W/m・K)である。すなわち、締結金具Sの材質は、熱伝導率が鉄より低いステンレスとすることもできる。
木質被覆材12は、図1に示すように、長手方向の端部を、締結金具Sによって固定されて、木質構造用芯材11に取り付けることができる。締結金具Sは、木質被覆材12の長手方向に、例えば、2984mmの間隔を空けて取り付けることができる。また、締結金具Sは、木質被覆材12の幅方向に、例えば、85mmの間隔を空けて取り付けることができる。
これにより、締結金具Sの本数を減らすことができ、締結金具Sの熱橋による木質構造用芯材11の炭化を低減することができる。また、木質被覆材12の長手方向の中間に、締結金具Sを設けないため、木の質感を現しとした優れた外観とすることができる。なお、締結金具Sの頭部には、木栓を設けることもできる。
図1に示すように、木質被覆材12が取り付けられた木質構造用芯材11は、端部11aが下方に突出して、外周面が露出している。端部11aには、木質構造用芯材11と土台31とを連結する連結金具50を挿入するためのスリット11bが形成されている。
なお、耐久性の向上や着色のために、木質被覆材12の表面に塗装を施すこともできる。塗装材質としては、植物性塗料、アルキド樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料、アクリルシリコーン系塗料、又はシリコーンゴム系塗料等を使用することができる。
(連結金具)
図3に示すように、連結金具50は、略矩形のプレート状に形成することができる。連結金具50には、連結金具50と土台31とをドリフトピン等の締結具Dによって接続するための貫通穴51が形成されている。
木質構造用芯材11は、連結金具50を介して、木質耐火構造体10と直交する土台31に連結される。
具体的には、土台31に形成された凹溝31aに、連結金具50の下半分を挿入して、ドリフトピン等の締結具Dによって、連結金具50が土台31に取り付けられる。木質構造用芯材11の端部11aのスリット11bに、連結金具50の上半分を挿入して、ドリフトピン等の締結具Dによって、連結金具50が木質構造用芯材11に取り付けられる。
(床材)
図1及び図3に示すように、土台31の上には、床材32が設置される。床材32は、耐火性能を有する耐火ボードとすることもできるし、耐火ボートと床仕上げ材とすることもできる。床材32には、木質構造用芯材11を挿入可能な開口部32aが形成されている。
(端部被覆材)
図1及び図3に示すように、木質構造用芯材11の端部11aは、断面において、同一の断面形状の4枚の端部被覆材22によって、外周面が覆われている。端部被覆材22は、木質構造用芯材11及び木質被覆材12と同様の材質とすることができる。所望の耐火性能の確保を前提に、端部被覆材22には、角面(C面)や丸面(R面)の面取りを形成することもできる。
端部被覆材22は、燃焼を遅延させる燃焼遅延剤を含浸することができる。燃焼遅延剤としては、ホウ酸系薬剤、リン酸系薬剤、ハロゲン系薬剤、リン酸・ホウ酸混合系薬剤を用いることができる。なお、木質被覆材12についても、燃焼を遅延させる燃焼遅延剤を含浸することができる。すなわち、端部被覆材22及び木質被覆材12の少なくとも一方は、燃焼遅延剤を含浸させることができる。
端部被覆材22は、締結金具S及び接着剤Gによって、木質構造用芯材11の端部11aに取り付けられる。端部被覆材22は、木質被覆材12と隙間(例えば、1mm)を設けてもよい。この隙間は、被覆材継ぎ目を構成する。被覆材継ぎ目は、木質被覆材12同士の継ぎ目や、木質被覆材12と端部被覆材22との継ぎ目や、木質被覆材12と床材32との継ぎ目や、端部被覆材22と床材32との継ぎ目などを含むものとする。各端部被覆材22と木質構造用芯材11は、接着剤Gと締結金具Sによって接合することができる。端部被覆材22の木質構造用芯材11の周方向に隣接する箇所において、端部被覆材22同士は、接着剤Gと締結金具Sによって接合することができる。
なお、耐久性の向上や着色のために、端部被覆材22の表面に塗装を施すこともできる。塗装材質としては、植物性塗料、アルキド樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料、アクリルシリコーン系塗料、又はシリコーンゴム系塗料等を使用することができる。
(耐火シーリング材)
図3に示すように、木質構造用芯材11の長手方向において、木質被覆材12の端面に発生する被覆材継ぎ目に、耐火シーリング材Eが充填されている。具体的には、耐火シーリング材Eは、木質被覆材12と端部被覆材22との間の被覆材継ぎ目に充填される。なお、木質被覆材12と端部被覆材22との間の被覆材継ぎ目に耐火シーリング材Eを塗布することで、この被覆材継ぎ目に耐火シーリング材Eを充填するようにしてもよい。
耐火シーリング材Eとしては、高温時に発泡性を発揮する耐火シーリング材(例えば、変成シリコーン系シーリング材)とすることができる。
(化粧材)
床材32の上には、床仕上げ材33を設けることもできる。また、幅木34を設けて、端部被覆材22や、木質被覆材12と端部被覆材22との被覆材継ぎ目に充填された耐火シーリング材Eや、木質被覆材12を取り付けている締結金具Sを覆うようにしてもよい。また、幅木34に、燃焼遅延剤を含浸することもできる。なお、化粧材には、仕上げ材33や幅木34が含まれるものとする。
[建物構造の構築方法]
図4は、実施例1の木質構造用芯材の設置工程及び連結工程を説明する分解側面図である。図5は、実施例1の木質被覆材取付工程を示す説明図である。図6は、実施例1の端部被覆材取付工程を示す説明図である。図7は、実施例1の耐火シーリング材塗布・充填工程を説明する断面図である。図8は、実施例1の化粧材取付工程を示す説明図である。以下、実施例1の建物構造の構築方法を説明する。
実施例1では、木質被覆材12が取り付けられていない木質構造用芯材11を、土台31に組み付ける構築方法を説明する。
(設置工程・連結工程)
図4に示すように、設置工程・連結工程では、木質構造用芯材11を、木質構造用芯材11に直交するように設けられている土台31に設置し、連結する。
具体的には、まず、締結具Dによって、連結金具50の上部が土台31から上方に突出するように、連結金具50を土台31に取り付ける。次に、床材32の開口部32aから連結金具50の上部が上方に突出するようにして、床材32を土台31の上に設置する。
そして、木質構造用芯材11の端部11aのスリット11bに、連結金具50の上部を挿入して、木質構造用芯材11を土台31に設置する。次いで、締結具Dによって、連結金具50と木質構造用芯材11を締結して、木質構造用芯材11を土台31に連結する。これにより、木質構造用芯材11と土台31が連結金具50によって連結される。
(木質被覆材取付工程)
図5に示すように、木質被覆材取付工程では、木質構造用芯材11に、木質構造用芯材11の外周面を覆う木質被覆材12を取り付ける。
具体的には、まず、木質被覆材12の接合面に接着剤Gを塗布する。この際、木質被覆材12の接合面の全面に接着剤Gを塗布してもよいし、部分的に塗布してもよい。次いで、木質被覆材12を木質構造用芯材11に貼り付けて、木質被覆材12の上端と下端に締結金具Sで固定する。この際、木質構造用芯材11の端部11aが露出するように、木質被覆材12を木質構造用芯材11に取り付ける。なお、施工に際しては、万力等を使用して、木質被覆材12を木質構造用芯材11に密着させてもよい。
(端部被覆材取付工程)
図6に示すように、端部被覆材取付工程では、連結金具50の側面を覆うように、端部被覆材22を木質構造用芯材11の端部11aに取り付ける。
具体的には、まず、端部被覆材22の接合面に接着剤Gを塗布する。この際、端部被覆材22の接合面の全面に接着剤Gを塗布してもよいし、部分的に塗布してもよい。次いで、端部被覆材22を木質構造用芯材11の端部11aに貼り付けて、締結金具Sで固定する。なお、端部被覆材22のように、木質構造用芯材11の長手方向において、被覆材長さが短い場合、木質被覆材12の上端と下端を締結金具Sで固定する態様に限定されない。例えば、木質被覆材12の一箇所を締結金具Sで固定してもよい。
この際、木質被覆材12の下端面と、端部被覆材22の上端面との間に、被覆材継ぎ目を形成するように、端部被覆材22を木質構造用芯材11の端部11aに取り付けてもよい。なお、万力等を使用して、木質被覆材12を木質構造用芯材11に密着させてもよい。
(耐火シーリング材塗布・充填工程)
図7に示すように、耐火シーリング材塗布・充填工程では、木質被覆材12と端部被覆材22との被覆材継ぎ目に、耐火シーリング材Eを充填してもよい。なお、耐火シーリング材Eを充填した後に、木質被覆材12の表面に塗装を施すこともできる。また、耐火シーリング材Eを木質被覆材12又は端部被覆材22の木口に塗布してから、端部被覆材22を取り付けてもよい。
(化粧材取付工程)
図8に示すように、化粧材取付工程では、床材32の上に床仕上げ材33を設置する。また、端部被覆材22、木質被覆材12と端部被覆材22との被覆材継ぎ目に充填された耐火シーリング材E、及び木質被覆材12を取り付けている締結金具Sを覆うように、幅木34を取り付けてもよい。
[木質耐火構造体、建物構造及びその構築方法の作用]
以下、実施例1の木質耐火構造体、建物構造及びその構築方法の作用を説明する。
実施例1の木質耐火構造体10は、建物の柱又は梁に使用される。この木質耐火構造体10は、荷重を支持する木質構造用芯材11と、木質構造用芯材11の外周面を覆う木質被覆材12と、を備え、木質構造用芯材11の端部11aは、外周面が露出している(図1)。
ところで、木質構造用芯材の長手方向の全面(全周面)にわたって、例えば、木質被覆材によって覆われている場合であって、この木質耐火構造体を他の建材に取り付ける場合は、木質被覆材の側面に、連結金具を取り付けることになる。すなわち、荷重を支持する木質構造用芯材に、直接連結金具を取り付けることができない。このような取り付け方では、火災によって木質被覆材が延焼すると、連結金具による連結が解除されてしまうため、木質耐火構造体を、長期荷重を保つように他の建材に取り付けることが困難となる。
実施例1では、木質被覆材12に覆われていない木質構造用芯材11の端部11aに、連結金具を取り付けて、木質耐火構造体10を他の建材に取り付けることができる。そのため、長期荷重を保つように、木質耐火構造体10を他の建材の芯材に取り付けることができる。
また、木質構造用芯材11の外周面は、木質被覆材12によって覆われているので、木の質感を現しとすることができる。
また、木質被覆材12は、火災時に、表面が徐々に炭化するが、木質構造用芯材11は、未炭化の状態を維持することができる。そのため、未炭化の木質構造用芯材11が炭化した木質被覆材12を保持することができる。その結果、炭化した木質被覆材12は、断熱層として作用し、火災による炭化の進行を抑えることができる。
また、火災後に、木質構造用芯材11が健全である場合、炭化した木質被覆材12を取り外し、再度、健全な木質被覆材12を木質構造用芯材11に取り付けることで、簡単に修復することができる。
実施例1の木質耐火構造体10では、木質構造用芯材11の長手方向において、木質被覆材12の端面に発生する被覆材継ぎ目に、耐火シーリング材Eが充填されている(図3)。
これにより、火災時に、木質被覆材12の炭化による熱収縮によって、木質被覆材12の端面に発生する被覆材継ぎ目が拡大した場合でも、耐火シーリング材Eによって被覆材継ぎ目を埋めることができる。特に熱膨張性の耐火シーリング材であれば、熱によって膨張するので、被覆材継ぎ目が広がっても、確実にその被覆材継ぎ目を埋めることができる。
実施例1の木質耐火構造体10では、木質構造用芯材11は、断面正方形に形成され、断面において、同一の断面形状の4枚の木質被覆材12によって、外周面が覆われている(図2)。
これにより、木質構造用芯材11の各面を、同じ断面形状の木質被覆材12で覆って、同じ合わせ目とすることができる。そのため、木質耐火構造体10の各面を同等の耐火性能とすることができる。
実施例1の建物構造は、木質耐火構造体10と、木質耐火構造体10と直交するように設けられる構造材(土台31)と、木質構造用芯材11と構造材(土台31)とを連結する連結金具50と、連結金具50を覆うように取り付けられる端部被覆材22と、を備える(図3)。
これにより、火災時に、連結金具50が直接加熱されることを防ぐことができる。そのため、連結金具50が熱橋となって、熱を木質構造用芯材11に伝えるのを防止することができる。その結果、火災時に、木質構造用芯材11が炭化することを抑制することができる。
そして、木質構造用芯材11と構造材(土台31)とを連結金具50によって連結した状態を維持することができる。そのため、火災時に、長期荷重を保つように、木質耐火構造体10を構造材(土台31)に取り付けた状態を維持することができる。
実施例1の建物構造では、端部被覆材22は、燃焼遅延剤が含浸されていてもよい(図3)。
要するに、短い長さの端部被覆材22であれば、燃焼遅延剤に容易に漬け込むことができる。そのため、端部被覆材22の内部まで、燃焼遅延剤を含浸することができる。その結果、連結金具50を覆う端部被覆材22の延焼を遅延させることができる。そして、火災時に熱橋となって木質構造用芯材11を炭化させやすい連結金具50が熱せられることを遅延させることができる。
実施例1の建物構造の構築方法は、建物の柱又は梁に使用される木質耐火構造体10を有する。この建物構造の構築方法は、荷重を支持する木質構造用芯材11を、木質構造用芯材11に直交するように設けられている構造材(土台31)に設置する設置工程と、木質構造用芯材11に、木質構造用芯材11の外周面を覆う木質被覆材12を取り付ける木質被覆材取付工程と、を含む(図4及び図5)。
これにより、木質被覆材12に覆われていない木質構造用芯材11を構造材(土台31)に取り付けることができる。そのため、長期荷重を保つように、木質耐火構造体10を構造材(土台31)に取り付けることができる。
また、木質構造用芯材11を構造材(土台31)に取り付けた状態で、木質被覆材12を取り付けることができる。そのため、木質被覆材12が取り付けられていない木質構造用芯材11を構造材(土台31)に組み付けることができる。その結果、木質被覆材12が取り付けられた場合と比べて大幅に軽量化できるので、施工性を向上させることができる。
実施例1の建物構造の構築方法は、構造材(土台31)と木質構造用芯材11とを連結金具50で連結する連結工程と、連結金具50を覆う端部被覆材22を木質構造用芯材11に取り付ける端部被覆材取付工程と、を含む(図6)。
これにより、長期荷重を保つようにするために取り付けられた連結金具50が、火災時に、直接加熱されることを防ぐことができる建物構造を簡易な方法で構築することができる。
実施例2の木質耐火構造体は、木質被覆材と端部被覆材の取付方法が異なる点で、実施例1の木質耐火構造体と相違する。
[木質耐火構造体の構成]
図9は、実施例2の木質耐火構造体を示す断面図である。以下、実施例2の木質耐火構造体の構成を説明する。なお、上記実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一の用語又は同一の符号を用いて説明する。
(木質被覆材)
図9に示すように、実施例2の木質耐火構造体10Aの木質被覆材12は、締結部材(留付材)としての締結金具S及び接着剤Gによって、木質構造用芯材11に取り付けられる。各木質被覆材12と木質構造用芯材11は、接着剤Gによって接合することができる。木質被覆材12の木質構造用芯材11の周方向に隣接する箇所において、木質被覆材12同士は、接着剤Gと締結金具Sによって接合することができる。
(端部被覆材)
端部被覆材22は、締結金具S及び接着剤Gによって、木質構造用芯材11の端部11aに取り付けられる。各端部被覆材22と木質構造用芯材11は、接着剤Gによって接合することができる。端部被覆材22の木質構造用芯材11の周方向に隣接する箇所において、端部被覆材22同士は、接着剤Gと締結金具Sによって接合することができる。
[木質耐火構造体の作用]
以下、実施例2の木質耐火構造体10Aの作用を説明する。
実施例2の木質耐火構造体10Aは、木質被覆材12の木質構造用芯材11の周方向に隣接する箇所は、接着剤Gと締結金具Sで連結され、木質被覆材12と木質構造用芯材11とは、接着剤Gのみで接合されている(図9)。
これにより、火災時に、熱せられた締結金具Sが熱橋となって、熱を木質構造用芯材11に伝えるのを防止することができる。そのため、火災時に、木質構造用芯材11が炭化することを抑制することができる。なお、木質被覆材12同士、及び木質被覆材12と木質構造用芯材11を、接着剤Gのみで接合することで、さらに、熱を木質構造用芯材11に伝えるのを防止することができる。
なお、実施例2のこの他の構成及び作用効果については、実施例1と略同様であるため、説明を省略する。
実施例3の木質耐火構造体は、木質被覆材と端部被覆材の取付方法が異なる点で、上記実施例の木質耐火構造体と相違する。
[木質耐火構造体の構成]
図10は、実施例3の木質構造用芯材の設置工程及び連結工程を説明する側面図である。図11及び図12は、実施例3の木質構造用芯材の設置工程及び連結工程を説明する分解側面図である。図13は、実施例3の木質被覆材取付工程を示す分解断面図である。以下、実施例3の建物構造の構築方法を説明する。なお、上記実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一の用語又は同一の符号を用いて説明する。
実施例3では、複数の木質被覆材12が取り付けられた木質構造用芯材11を、土台31に組み付ける構築方法を説明する。
(設置工程・連結工程)
図10に示すように、設置工程・連結工程では、締結具Dによって、連結金具50の上部が土台31から上方に突出するように、連結金具50を土台31に取り付ける。次に、床材32の開口部32aから連結金具50の上部が上方に突出するようにして、床材32を土台31の上に設置する。
また、図11に示すように、予め工場等において、木質構造用芯材11の対向する2つの外周面に、木質被覆材12を取り付ける。
具体的には、まず、木質被覆材12の接合面に接着剤Gを塗布する。この際、木質被覆材12の接合面の全面に接着剤Gを塗布してもよいし、部分的に塗布してもよい。次いで、木質被覆材12を木質構造用芯材11に貼り付けて、木質被覆材12の上端と下端に締結金具Sで固定する。この際、木質構造用芯材11の端部11aが露出するように、木質被覆材12を木質構造用芯材11に取り付ける。なお、施工に際しては、万力等を使用して、木質被覆材12を木質構造用芯材11に密着させてもよい。
そして、木質被覆材12が取り付けられた木質構造用芯材11の端部11aのスリット11bに、連結金具50の上部を挿入して、木質構造用芯材11を土台31に設置する。次いで、締結具Dによって、連結金具50と木質構造用芯材11を締結して、木質構造用芯材11を土台31に連結する。これにより、木質構造用芯材11と土台31が連結金具50によって連結される。すなわち、土台31に設置される木質構造用芯材11の一部は、外周面が露出している。
(木質被覆材取付工程)
木質被覆材取付工程では、木質構造用芯材11に、木質構造用芯材11の外周面を覆う木質被覆材12を取り付ける。
具体的には、まず、木質被覆材12の接合面に接着剤Gを塗布する。この際、木質被覆材12の接合面の全面に接着剤Gを塗布してもよいし、部分的に塗布してもよい。次いで、図13に示すように、木質被覆材12を木質構造用芯材11に貼り付けて、木質被覆材12の上端と下端に締結金具Sで固定する。木質構造用芯材11の端部11aが露出するように、木質被覆材12を木質構造用芯材11に取り付ける。なお、施工に際しては、万力等を使用して、木質被覆材12を木質構造用芯材11に密着させてもよい。
(端部被覆材取付工程)
端部被覆材取付工程では、連結金具50の側面を覆うように、端部被覆材22を木質構造用芯材11の端部11aに取り付ける。
(耐火シーリング材塗布・充填工程)
耐火シーリング材塗布・充填工程では、木質被覆材12と端部被覆材22との被覆材継ぎ目に、耐火シーリング材Eを充填してもよい。
(化粧材取付工程)
化粧材取付工程では、床材32の上に床仕上げ材33を設置する。また、端部被覆材22、木質被覆材12と端部被覆材22との被覆材継ぎ目に充填された耐火シーリング材E、及び木質被覆材12を取り付けている締結金具Sを覆うように、幅木34を取り付けてもよい。
なお、例えば、予め工場等において、木質構造用芯材11の対向する2つの外周面に取り付けられる木質被覆材12は、木質構造用芯材11を土台31に設置した際に、床材32と当接するように、取り付けられてもよい。すなわち、予め工場等において、木質構造用芯材11の対向する2つの外周面に取り付けられる木質被覆材12は、下端位置がスリット11bの上端位置とはならなくてもよい。
この場合、木質被覆材取付工程において、木質構造用芯材11に、木質構造用芯材11の外周面を覆う木質被覆材12を、連結金具50の側面を覆うように取り付けることができる。この場合、端部被覆材取付工程を省略することができる。
このような工程を経て構築された建物構造は、工場などで木質構造用芯材11にあらかじめ木質被覆材12を取り付け、現場で建て方を行い、端部被覆材22を取り付けることができる。そのため、施工性を向上させることができる。
以上、本発明の木質耐火構造体、建物構造及びその構築方法を実施例1~3に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や各実施例の組み合わせ等は許容される。
実施例1~3では、連結金具50は、土台31に形成された凹溝31aに挿入されて固定される矩形のプレート状に形成される例を示した。しかし、連結金具は、この態様に限定されるものではない。例えば、図14に示すように、連結金具150は、土台31の側面に取り付けられるT字形のプレート状に形成することもできる。
実施例1~3では、木質被覆材12を断面矩形の角材とする例を示した。しかし、木質被覆材の形状は、この態様に限定されるものではない。例えば、図15に示すように、木質被覆材112は、所望の耐火性能を前提に、木質構造用芯材11に取り付けられて、断面円形となるように形成することもできる。
実施例1~3では、木質構造用芯材11の長手方向において、1枚の木質被覆材12が木質構造用芯材11に取り付けられる例を示した。しかし、図16に示すように、木質構造用芯材11の長手方向において、2枚の木質被覆材12を木質構造用芯材11に取り付けてもよいし、3枚以上の木質被覆材を取り付けてもよい。この場合、木質構造用芯材11の長手方向における、木質被覆材12の突合せ部分に形成された被覆材継ぎ目に、耐火シーリング材Eを充填してもよい。
また、図17に示すように、木質構造用芯材11の上方に断面矩形の木質被覆材12を取り付け、木質構造用芯材11の下方に木質被覆材112を取り付けることもできる。すなわち、木質構造用芯材の長手方向において、複数の木質被覆材が取り付けられる場合、木質被覆材の形状を異ならせることができる。
各木質被覆材12,112を固定する締結金具の数は、実施例1~3の態様に限定されるものではない。例えば、図18(a)に示すように、各木質被覆材12を多数の締結金具Sによって固定することもできる。また、図18(b)に示すように、締結金具Sを木質耐火構造体10の外周面に対して傾斜した姿勢で取り付けることができる。
各端部被覆材22を固定する締結金具の数は、実施例1~3の態様に限定されるものではない。例えば、図18(a)及び図18(b)を参照しながら上述した木質被覆材12と同様に、各端部被覆材を多数の締結金具Sによって固定したり、締結金具Sを木質耐火構造体の外周面に対して傾斜した姿勢で取り付けたりすることができる。
実施例3では、木質構造用芯材11の対向する2つの外周面に、木質被覆材12を取り付けた木質構造用芯材11を土台31に設置し連結した後に、残りの木質被覆材12を取り付ける例を示した。しかし、木質構造用芯材11の1~3つの外周面に木質被覆材12を取り付けた木質構造用芯材11を土台31に設置し連結した後に、残りの木質被覆材12を取り付けることもできる。
実施例1~3では、本発明を、建物の柱としての木質耐火構造体に適用する例を示した。しかし、本発明は、建物の梁としての木質耐火構造体に適用することもできる。これによって、現場の手間や工期を削減することができる。
例えば、図19に示すように、木質耐火構造体10は、断面長方形の木質構造用芯材211と、木質構造用芯材211の3つの外周面を覆う木質被覆材212と、から構成することができる。なお、木質耐火構造体10は、断面長方形の木質構造用芯材211と、木質構造用芯材211の3つ以上の外周面を覆う木質被覆材212と、から構成することもできる。すなわち、木質構造用芯材211は、断面において、少なくとも3枚の木質被覆材212によって、外周面が覆われることで形成することができる。木質耐火構造体10は、木質被覆材212が設けられていない面を、耐火性のある耐火ボード41に当接させて取り付けることができる。
実施例1~3では、締結金具Sを釘とする例を示した。しかし、締結金具Sは、木ネジとすることもできる。
実施例1~3では、端部被覆材22は、燃焼遅延剤が含浸されている例を示した。しかし、木質被覆材12,112にも燃焼遅延剤を含浸してもよい。この場合、燃焼遅延剤が含侵しやすいよう、長さを短くした木質被覆材を、木質構造用芯材11の長手方向において、複数枚貼り合わせてもよい。
また、木質被覆材12及び端部被覆材22の木質構造用芯材11と接する面に、予め燃焼を遅延させる塗布材を塗布してもよい。また、木質被覆材12及び端部被覆材22の木質構造用芯材11と接する面に、予め燃焼を遅延させる耐火材を貼り付けてもよい。
実施例1~3では、本発明を、建物の柱としての木質耐火構造体が、構造材としての土台に取り付けられる例を示した。しかし、本発明は、木質耐火構造体が他の木質耐火構造体に取り付ける場合にも適用することができる。
10 木質耐火構造体
11 木質構造用芯材
11a 端部
12 木質被覆材
22 端部被覆材
31 土台(構造材の一例)
50 連結金具
E 耐火シーリング材

Claims (8)

  1. 建物の柱又は梁に使用される木質耐火構造体であって、
    荷重を支持する木質構造用芯材と、
    前記木質構造用芯材の外周面を覆う木質被覆材と、を備え、
    前記木質構造用芯材の部は、外周面が露出していて、
    前記端部に隣接する前記木質被覆材の端面に発生する被覆材継ぎ目に、熱膨張性の耐火シーリング材が充填されている
    ことを特徴とする、木質耐火構造体。
  2. 前記木質構造用芯材は、断面長方形に形成され、断面において枚の前記木質被覆材によって、外周面が覆われている
    ことを特徴とする、請求項1に記載の木質耐火構造体。
  3. 前記木質構造用芯材は、断面正方形に形成され、断面において、同一の断面形状の4枚の前記木質被覆材によって、外周面が覆われている
    ことを特徴とする、請求項2に記載の木質耐火構造体。
  4. 前記木質被覆材の前記木質構造用芯材の周方向に隣接する箇所は、締結金具及び接着剤の少なくとも一方で連結され、
    前記木質被覆材と前記木質構造用芯材とは、締結金具及び接着剤の少なくとも一方で連結されている
    ことを特徴とする、請求項1~の何れか一項に記載の木質耐火構造体。
  5. 請求項1~の何れか一項に記載の木質耐火構造体と、
    前記木質耐火構造体と直交するように設けられる構造材と、
    前記木質構造用芯材と前記構造材とを連結する連結金具と、
    前記連結金具を前記木質構造用芯材の端部に取り付ける締結具と、
    前記連結金具及び前記締結具を覆うように取り付けられる端部被覆材と、を備える
    ことを特徴とする、建物構造。
  6. 前記端部被覆材は、燃焼遅延剤が含浸されている
    ことを特徴とする、請求項に記載の建物構造。
  7. 建物の柱又は梁に使用される木質耐火構造体を有する建物構造の構築方法であって、
    荷重を支持する木質構造用芯材の端部を、前記木質構造用芯材に直交するように設けられている構造材に設置する設置工程と、
    前記木質構造用芯材に、前記木質構造用芯材の外周面を覆う木質被覆材を取り付ける木質被覆材取付工程と、
    前記木質被覆材の端面に発生する被覆材継ぎ目に、熱膨張性の耐火シーリング材を充填する耐火シーリング材充填工程と、を含む
    ことを特徴とする、建物構造の構築方法。
  8. 前記構造材と前記木質構造用芯材とを連結金具及び締結具で連結する連結工程と、
    前記連結金具及び前記締結具を覆う端部被覆材を前記木質構造用芯材の端部に取り付ける端部被覆材取付工程と、を含む
    ことを特徴とする、請求項に記載の建物構造の構築方法。
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