JP7116946B2 - 銅錫合金の製造方法 - Google Patents
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Description
項1.
銅錫合金の製造方法であって、
銅層又は銅錫層である第1の金属層、及び該第1の金属層より錫を多量に含有する銅錫層である第2の金属層が積層された、銅及び錫を元素構成比で銅:錫=50:50~95:5で含む銅錫含有層、並びに
錫により実質的に構成される錫供給層を接触させて積層体とし、
前記積層体を加熱することを特徴とする、
銅錫合金の製造方法。
項2.
前記銅錫含有層の厚みは0.1~50μmである、項1に記載の銅錫合金の製造方法。
項3.
前記第1の金属層及び前記第2の金属層の厚みは、それぞれ5~500nmである、項1又は2に記載の銅錫合金の製造方法。
項4.
第1の金属部材と第2の金属部材とを接合する方法であって、
前記第1の金属部材と前記第2の金属部材との間に、
銅層又は銅錫層である第1の金属層、及び該第1の金属層より錫を多量に含有する銅錫層である第2の金属層が積層された、銅及び錫を元素構成比で銅:錫=50:50~95:5で含む銅錫含有層、並びに
1層以上の錫供給層を配置し、
それら全体を加熱することを特徴とする、接合方法。
銅錫合金としては、銅及び錫を含有する合金を主たる成分として含有する合金であれば特に限定はない。具体的には、Cu3Sn、Cu6Sn5から選択される一種以上を含有することが好ましく、Cu3Snを含有することがより好ましい。Cu6Sn5は融点が415℃、Cu3Snは676℃と、共に錫合金としては耐熱性に優れている。その他、銅錫合金には、CuSn、Cu4Sn、Cu10Sn3、Cu40Sn11、Cu41Sn11、及びCu81Sn22から選択される一種以上が不可避不純物として含まれていてよい。
銅錫含有層は、銅層又は銅錫層である第1の金属層、及び該第1の金属層より錫を多量に含有する銅錫層である第2の金属層を積層することにより得られる。積層を形成するための方法としては、上記第1の金属層と上記第2の金属層とを積層可能な、公知の方法を広く採用することができるが、例えば蒸着等の方法は、純粋な銅の積層や錫の積層しか形成することができないため、採用不可能である。銅錫含有層を形成する方法としては、具体的には、めっき法、スパッタリング法、等を挙げることができる。
錫供給層は、錫により実質的に構成される。ここでいう「実質的に」とは、錫供給層がほぼ純粋な錫により構成され、わずかに他の金属元素等や、不純物が含まれることも許容されるということを意味する。
以上の通り、銅錫含有層及び錫供給層を設けて積層体を形成した後、該積層体を加熱することにより銅錫合金を形成する。加熱は、200~350℃で行うことが好ましく、240~320℃で行うことがより好ましい。
銅材上に、銅:錫の含有される割合が元素構成比で銅:錫=95:5の第1の金属層と、銅:錫の含有される割合が元素構成比で銅:錫=60:40の第2の金属層とを、湿式めっき手法を用い交互に積層して、銅錫含有層を形成した。形成された第1の金属層、第2の金属層の各層の厚みは図1に示すように、約25~50nmとした。積層数は、第1の金属層を100層、第2の金属層を100層の合計200層とした。さらに図2に示すように、銅錫含有層の上に、湿式めっき手法により錫めっきすることで、厚さ2μmの錫供給層を形成した。その後、300℃条件下で加熱した。銅錫含有層に含まれる銅及び錫の含有比率は、元素構成比で、銅:錫=83.7:16.3であった。また、銅錫含有層の厚みは、10μmであった。
図4に示したように、銅材(20mm×20mm、厚み1mm)上に、実施例1と同様の方法で銅錫含有層を作成した。その後、銅錫含有層の上に、湿式めっき手法により錫めっきすることで、厚さ1μmの錫供給層を形成した。接合する銅材(10mm×10mm、厚み1mm)上にも同様に銅錫合金層および厚さ1μmの錫供給層を形成した。これら錫供給層側同士を重ね合わせ、300℃条件下、0.5MPaの圧力をかけることにより銅錫合金を製造し、銅材の接合を行った。
銅材(20mm×20mm、厚み1mm)及び銅材(10mm×10mm、厚み1mm)の接合を行った。第1の金属層及び第2の金属層の各層の厚みを約8~15nmとし、第1の金属層と第2の金属層の積層数を、それぞれ300層ずつの合計600層とした以外は、実施例2と同様にして、銅錫合金を形成し、銅材の接合を行った。
銅材(20mm×20mm、厚み1mm)及び銅材(10mm×10mm、厚み1mm)の接合を行った。第1の金属層及び第2の金属層の各層の厚みを約200~400nmとし、第1の金属層と第2の金属層の積層数を、それぞれ15層ずつの合計30層とした以外は、実施例2と同様にして、銅錫合金を形成し、銅材の接合を行った。
銅材(20mm×20mm、厚み1mm)及び銅材(10mm×10mm、厚み1mm)の接合を行った。銅錫含有層は形成せず、両方の銅材に錫供給層を厚さ5μmで形成した。これらを重ね合わせ、300℃条件下、0.5MPaの圧力をかけることにより銅錫合金を製造し、接合した。
実施例2~4において接合部分に形成された銅錫合金の厚みは,銅錫含有層の各層の厚みに依存する傾向があった。これらの接合部の元素組成比からは、実施例2~4では、ともにCu6Sn5、Cu3Snなどの銅錫合金が形成されていると考えられる。また、加熱後においても銅錫含有層が残存していることが観察された。また、残存した銅錫合金層は加熱前の銅錫含有層と同等の元素組成比を有しているため、高融点の銅錫合金又は銅と考えられる。比較例1においては,銅材との接合界面部の平滑性が損なわれ粗雑となる銅材の浸食、いわゆる銅食われが生じている様子が確認された。一方,銅材に銅錫含有層を形成した実施例2~4においては、銅材との接合界面部は加熱前と同等の平滑性を保持しており,銅材の浸食(食われ)等はほとんど認められなかった。
2 銅錫含有層
3 銅材
Claims (4)
- 銅錫合金の製造方法であって、
銅層又は銅錫層である第1の金属層、及び該第1の金属層より錫を多量に含有する銅錫層である第2の金属層が積層された、銅及び錫を元素構成比で銅:錫=70:30~95:5(但し、このうち70:30は除く。)で含む銅錫含有層、並びに
錫により実質的に構成される錫供給層を接触させて積層体とし、
前記積層体を加熱することを特徴とする、
銅錫合金の製造方法。 - 前記銅錫含有層の厚みは0.1~50μmである、請求項1に記載の銅錫合金の製造方法。
- 前記第1の金属層及び前記第2の金属層の厚みは、それぞれ5~500nmである、請求項1又は2に記載の銅錫合金の製造方法。
- 第1の金属部材と第2の金属部材とを接合する方法であって、
前記第1の金属部材と前記第2の金属部材との間に、
銅層又は銅錫層である第1の金属層、及び該第1の金属層より錫を多量に含有する銅錫層である第2の金属層が積層された、銅及び錫を元素構成比で銅:錫=70:30~95:5(但し、このうち70:30は除く。)で含む銅錫含有層、並びに
1層以上の錫供給層を配置し、 それら全体を加熱することを特徴とする、接合方法。
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