JP7115410B2 - 車両空調システム - Google Patents

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Description

本発明は車両空調システムに係る。特に、本発明は、車室内空調の適正化を図るための改良に関する。
従来、特許文献1に開示されているように、車両に搭載された空調装置(空調ユニット)は、外気温度センサによって検出される外気温度や内気温度センサによって検出される車室内温度等のセンサ値、および、車室内設定温度(目標温度)等に基づいて、車室内に吹き出す空調風の温度や風量等の制御を行っている。
空調制御の一例として、外気温度が所定温度よりも高い場合には、冷媒循環回路を作動させると共に、空調ダクト内に配設されたエアミックスドアによってヒータコアをバイパスする空調風量を増大させ、これによって、車室内に吹き出す空調風の温度を低くする。一方、外気温度が所定温度よりも低い場合には、前記エアミックスドアによってヒータコアを通過する空調風量を増大させ、これによって、車室内に吹き出す空調風の温度を高くする。これら空調制御により車室内の快適性の改善を図っている。
特開2003-11657号公報
しかしながら、外気温度センサ等の外部環境を検出するセンサ(外部環境センサ)は車両周辺の外部環境を検出するものであるため、車両の周辺環境(外部環境)の一時的な変化によって適正な空調制御が実現できない場合がある。
例えば、冬季に、車室内の暖房が行われている状況(エアミックスドアによってヒータコアを通過する空調風量が増大している状態)で、車両がトンネル内を走行する場合が挙げられる。トンネル内の温度は、トンネル内を走行する各車両からの排熱やトンネル換気量の影響によって、実際の外気温度(トンネル外の温度)との間に乖離が生じていることがある。そして、このトンネル内の温度が実際の外気温度よりも高い場合、外気温度センサによって検出される外気温度の値(センサ値)も高くなり、冷媒循環回路の圧縮機の回転数が上昇したり、エアミックスドアによってヒータコアをバイパスする空調風量が増大されたりして、車室内に吹き出す空調風の温度を低くする制御が行われてしまう可能性がある。つまり、冬季であるにも係わらず冷風が車室内に吹き出されてしまう状況となる可能性がある。また、空調風の吹き出しモードも変化してしまう可能性がある。例えばFOOTモード(一般に暖房時の吹き出しモード)からFACEモード(一般に冷房時の吹き出しモード)に変化してしまう可能性がある。これらの状況は、乗員に違和感を与えてしまうばかりでなく、車室内の快適性を損なってしまうことになり好ましくない。また、前述したような冷媒循環回路の圧縮機の回転数が上昇する状況では、エネルギ消費率(燃料消費率等)が悪化してしまうことになる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両の周辺環境の一時的な変化が生じている状況であっても適正な空調制御を実現できる車両空調システムを提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、車室内の空調を行う車両空調システムを前提とする。そして、この車両空調システムは、外部環境センサと、環境判定部と、外部環境情報取得部と、乖離判定部と、空調制御部とを備えている。外部環境センサは、車両の外部環境を外部環境センサ値として検出する。環境判定部は、車両の現地点が、前記外部環境センサ値が補正された履歴のある環境不安定地点であるか否かを判定する。外部環境情報取得部は、車両の現地点の周辺の地点であって前記環境不安定地点以外の環境安定地点における外部環境情報を提供する外部環境情報提供手段からの前記外部環境情報、および、周辺の車両が取得した前記環境安定地点における外部環境情報のうち少なくとも一方を取得する。乖離判定部は、前記環境安定地点における前記外部環境情報と前記外部環境センサが検出した前記外部環境センサ値とが乖離しているか否かを判定する。空調制御部は、前記環境判定部が、車両の現地点が前記環境不安定地点であると判定した場合には、その環境不安定地点に車両が達した直前の前記外部環境センサ値を使用して空調制御を行う一方、前記環境判定部が、車両の現地点が前記環境不安定地点でないと判定し、且つ前記乖離判定部が、前記環境安定地点における前記外部環境情報と前記外部環境センサが検出した前記外部環境センサ値とが乖離していると判定した場合には、前記外部環境センサ値を前記環境安定地点における前記外部環境情報に合わせるように補正して空調制御を行う。
ここでいう車両の外部環境の例としては、外気温度、日射量、車外湿度等が挙げられる。また、環境不安定地点の例としては、トンネル内や地下駐車場内等が挙げられる。また、ここでいう「車両の現地点の周辺の地点であって環境不安定地点以外の環境安定地点」とは、車両がトンネル内を走行している場合には、トンネル周辺におけるトンネル外の地点であり、車両が地下駐車場内を走行している場合には、地下駐車場周辺における地下駐車場外(屋外)の地点である。
この特定事項により、車両の現地点が環境不安定地点であると判定された場合には、その環境不安定地点に車両が達した直前の外部環境センサ値を使用して空調制御を行う。つまり、一時的に外部環境が変化する可能性のある環境不安定地点であるか否かを、外部環境センサ値が補正された履歴の有無によって判定し、外部環境センサ値が補正された履歴がある環境不安定地点(一時的に外部環境が変化する可能性のある地点)に車両が位置していると判定された場合には、この環境不安定地点で外部環境センサが検出した外部環境センサ値を使用することなく、この環境不安定地点に達した直前の外部環境センサ値(直近の環境安定地点における外部環境センサ値)を使用して空調制御を行う。これにより、一時的に変化した外部環境の影響を受けて適正な空調制御が実現できなくなるといった状況を回避し、適正な空調制御を維持する。
また、環境判定部が、車両の現地点が環境不安定地点でないと判定した場合であっても、環境安定地点における外部環境情報と外部環境センサが検出した外部環境センサ値とが乖離していると判定された場合には、外部環境センサ値を環境安定地点における外部環境情報に合わせるように補正して空調制御を行う。つまり、車両の現地点が環境不安定地点であることの情報が存在していない場合(未だその情報が蓄積されていない場合も含む)であっても、環境安定地点における外部環境情報と外部環境センサ値とが乖離しておれば、車両の現地点は一時的に外部環境が変化する地点(環境不安定地点)である可能性が高く、この地点における外部環境センサ値を使用して空調制御を行った場合には、適正な空調制御が実現できなくなる可能性があると判断し、外部環境センサ値を環境安定地点における外部環境情報に合わせるように補正する。これにより、車両の現地点が環境不安定地点であることの情報が存在していない場合であっても適正な空調制御を行うことができる。
本発明では、車両の現地点が環境不安定地点であると判定された場合には、その環境不安定地点に車両が達した直前の外部環境センサ値を使用して空調制御を行う。また、車両の現地点が環境不安定地点でないと判定され、且つ環境安定地点における外部環境情報と外部環境センサが検出した外部環境センサ値とが乖離していると判定された場合には、外部環境センサ値を環境安定地点における外部環境情報に合わせるように補正して空調制御を行う。これにより、車両の現地点が環境不安定地点と判定された場合、および、車両の現地点が環境不安定地点でないと判定された場合の何れにおいても、一時的に変化する外部環境の影響を受けることなく、適正な空調制御を実現することができる。
実施形態における車両空調システムの概略構成を示す図である。 車両に搭載された空調ユニットの概略構成を示す図である。 空調ユニットの制御系の概略構成を示すブロック図である。 クラウドサーバおよびエアコンECUの機能ブロック図である。 環境変化対応制御の手順を説明するためのフローチャート図である。 変形例における車両空調システムの概略構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、外部環境情報を提供する外部環境情報提供手段としてクラウドサーバを使用した場合を例に挙げて説明する。
-車両空調システムの概略構成-
図1は、本実施形態における車両空調システム1の概略構成を示す図である。また、図2は、車両2に搭載された空調ユニット6の概略構成を示す図である。また、図3は、空調ユニット6の制御系の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、車両空調システム1は、車両2とクラウドサーバ3とを備えた構成となっている。
車両2には、車室内を空調(空気調和)するための空調ユニット6が搭載されている。そして、本実施形態における車両空調システム1は、この空調ユニット6を制御するエアコンECU200とクラウドサーバ3との間で各種情報の送受信(通信)を行って空調ユニット6の制御を行うようになっている。より具体的には、外気温度(後述する外気温度センサ111によって検出された外気温度、または、クラウドサーバ3から送信された外気温度)、車室内温度、および、車室内設定温度(目標温度)等に基づいて、車室内に吹き出す空調風の温度や風量、および、空調風の吹き出しモード(吹出口モード)等の制御を行うようになっている。
車両2には、前記クラウドサーバ3との間で情報の送受信を行うための送受信機201が搭載されている。この送受信機201およびクラウドサーバ3は、無線通信機能を有しており無線基地局や無線アクセスポイントを介してネットワーク(インターネット等)に接続されている。これにより、送受信機201を介したエアコンECU200からクラウドサーバ3に向けての車両情報(車両2の現在地の情報や空調ユニット6の作動状態の情報等)の送信や、クラウドサーバ3からエアコンECU200に向けての外部環境情報(外気温度、日射量、車外湿度の情報)等の送信が行われるようになっている。これらエアコンECU200とクラウドサーバ3との間での情報の送受信の詳細については後述する。
-空調ユニット-
次に、空調ユニット6について説明する。空調ユニット6は、図2に示すように、車室内に空調空気を導くための空気通路を形成する空調ダクト7、この空調ダクト7内において空気流を発生させる遠心式送風機(空調用送風機)61、空調ダクト7内を流れる空気を冷却するための冷媒循環回路8、および、空調ダクト7内を流れる空気を加熱するための冷却水回路9等を備えている。
空調ダクト7の最も上流側(風上側)は、吸込口切替箱(内外気切替箱)を構成する部分であって、車室内空気(内気)を取り入れる内気吸込口71、および、車室外空気(外気)を取り入れる外気吸込口72を有している。
更に、内気吸込口71および外気吸込口72の内側には、内外気切替ドア73が回動自在に取り付けられている。この内外気切替ドア73は、サーボモータ等のアクチュエータ73a(図3を参照)により駆動されて、吸込口モードを内気循環モードと外気導入モードとの間で切り替える。
また、空調ダクト7の最も下流側(風下側)は、吹出口切替箱を構成する部分であって、デフロスタ(DEF)開口部74、フェイス(FACE)開口部75、および、フット(FOOT)開口部76を有している。
前記DEF開口部74は、車両2のフロントガラスFWの内面に向かって空調空気を吹き出す。また、FACE開口部75は、乗員の頭部および胸部に向かって空調空気を吹き出す。更に、FOOT開口部76は、乗員の足元部に向かって空調空気を吹き出す。
そして、各開口部74,75,76の内側には、吹出口切替ドア77,78が回動自在に取り付けられている。これら吹出口切替ドア77,78は、サーボモータ等のアクチュエータ77a,78a(図3を参照)によりそれぞれ駆動されて、吹出口モードを、フェイス(FACE)モード、バイレベル(B/L)モード、フット(FOOT)モード、フットデフ(F/D)モードおよびデフロスタ(DEF)モードの何れかに切り替える。フェイスモードではFACE開口部75のみから空調空気が吹き出される。バイレベルモードではFACE開口部75およびFOOT開口部76それぞれから空調空気が吹き出される。フットモードではFOOT開口部76のみから空調空気が吹き出される。フットデフモードではFOOT開口部76およびDEF開口部74それぞれから空調空気が吹き出される。デフロスタモードではDEF開口部74のみから空調空気が吹き出される。
前記遠心式送風機61は、空調ダクト7と一体的に構成されたスクロールケースに回転自在に収容されたブロア62、および、このブロア62を回転駆動するブロアモータ63を有している。
そして、ブロアモータ63は、ブロア駆動回路63a(図3を参照)を介して印加されるブロア端子電圧に基づいて、ブロア風量(ブロア62の回転速度)が制御される。
冷媒循環回路8は、圧縮機81、この圧縮機81の吐出口より吐出された冷媒が流入する凝縮器(コンデンサ)82、凝縮液化された冷媒を気液分離して液冷媒のみを下流に流すレシーバ83、液冷媒を減圧膨張させるエキスパンションバルブ84、減圧膨張された冷媒を蒸発気化させる蒸発器(エバポレータ)85、および、これらを環状に接続する冷媒配管86等から構成されている。
前記蒸発器85は、空気通路の長手方向の一部分においてその通路内の全体に亘って配設されている。
圧縮機81は、吸入した冷媒を圧縮して吐出するもので、電動モータ87によって駆動される電動圧縮機として構成されている。電動モータ87は、図示しないインバータから出力される交流電圧によって、その作動(回転速度)が制御される交流モータである。この電動モータ87の作動に伴う動力が圧縮機81に伝達されることにより、冷媒循環回路8を冷媒が循環し、蒸発器85における冷媒の蒸発気化に伴って空気の冷却が行われる。また、電動モータ87が停止すると圧縮機81も停止し、冷媒循環回路8での冷媒の循環も行われなくなる。
また、凝縮器82は、圧縮機81で圧縮された冷媒を凝縮液化させる。具体的に、この凝縮器82は、冷却ファン88により送風される外気および走行風(車両走行時)と冷媒との間で熱交換を行うことで冷媒を凝縮液化させる。
前記冷却水回路9は、ウォータポンプ93によって、エンジンEGのウォータジャケット内で暖められた冷却水を循環させる回路であって、ヒータコア91を有している。
このヒータコア91は、内部にエンジン冷却水が流れ、このエンジン冷却水を暖房用熱源として空気を加熱する。なお、この冷却水回路9には、前記ヒータコア91の他に、エンジン冷却水の熱を大気に放出するためのラジエータや、冷却水の循環経路を切り替えるためのサーモスタット(何れも図示省略)等が備えられている。これらの構成については周知であるため、ここでの説明は省略する。
前記ヒータコア91は、蒸発器85よりも下流側の空気通路の一部分(例えば空気通路の長手方向の一部分においてその通路の下側半分)に配設されている。
また、ヒータコア91の上流側には、エアミックスドア92が回動自在に取り付けられている。このエアミックスドア92は、サーボモータ等のアクチュエータ92a(図3を参照)によって駆動されて、ヒータコア91に対し空気を全て迂回させるMAX・COOL位置から、ヒータコア91に空気を全て通すMAX・HOT位置までの間でその停止位置によって、ヒータコア91を通過する空気量とヒータコア91をバイパス(迂回)する空気量との割合を変更して、車室内へ吹き出す空気の温度を調整する。
図3に示すように、エアコンECU200は、車室内の空調要求に応じて前記空調ユニット6の圧縮機81(電動モータ87)や各アクチュエータ73a,77a,78a、92a等を制御するものである。このエアコンECU200は、図示していないが、一般的に公知のECU(Electronic Control Unit)とされており、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびバックアップRAM等を備えている。
図3に示すように、エアコンECU200には、車室内前面(インストルメントパネル)に設けられたエアコン操作パネル400上の各種スイッチからのスイッチ信号、および各種センサからのセンサ信号が入力される。
エアコン操作パネル400上に設けられた各種スイッチとしては、空調ユニット6を自動制御するためのオート(AUTO)スイッチ、圧縮機81を強制作動させるためのエアコン(A/C)スイッチ、吸込口モードを切り替えるための吸込口切替スイッチ、車室内の温度を所望の温度に設定するための温度設定スイッチ、ブロア62の送風量をマニュアルモードで設定するための風量切替スイッチ、および、吹出口モードを切り替えるための吹出口切替スイッチ等が備えられている。
また、エアコンECU200に接続される各種センサとしては、車室内温度を検出する内気温度センサ110、外気温度を検出する外気温度センサ111、車室内に照射される日射量を検出する日射センサ112、車外湿度を検出する車外湿度センサ113等がある。
また、エアコンECU200には、前記電動モータ(圧縮機81用の電動モータ)87および前記各アクチュエータ73a,77a,78a、92a、ブロア駆動回路63aが接続されており、車室内の空調要求に応じてこれらを制御する。
-環境変化対応制御-
次に、本実施形態の特徴である環境変化対応制御について説明する。
前述したように、外気温度センサ111等の外部環境を検出するセンサ(外部環境センサ)は車両周辺の外部環境を検出するものであるため、従来技術にあっては、車両の周辺環境(外部環境)の一時的な変化によって適正な空調制御が実現できない場合がある。例えば、冬季に、車室内の暖房が行われている状況(エアミックスドアによってヒータコアを通過する空調風量が増大している状態)で、車両がトンネル内を走行する場合が挙げられる。トンネル内の温度は、トンネル内を走行する各車両からの排熱やトンネル換気量の影響によって、実際の外気温度(トンネル外の温度)との間に乖離が生じていることがある。そして、このトンネル内の温度が実際の外気温度よりも高い場合、外気温度センサによって検出される外気温度の値(外気温度センサ値;外部環境センサ値、以下、単にセンサ値という場合もある)も高くなり、冷媒循環回路の圧縮機の回転数が上昇したり、エアミックスドアによってヒータコアをバイパスする空調風量が増大されたりして、車室内に吹き出す空調風の温度を低くする制御が行われてしまう可能性がある。つまり、冬季であるにも係わらず冷風が車室内に吹き出されてしまう状況となる可能性がある。また、空調風の吹き出しモードも変化してしまう可能性がある。例えばFOOTモード(一般に暖房時の吹き出しモード)からFACEモード(一般に冷房時の吹き出しモード)に変化してしまう可能性がある。これらの状況は、乗員に違和感を与えてしまうばかりでなく、車室内の快適性を損なってしまうことになり好ましくない。また、前述したような冷媒循環回路の圧縮機の回転数が上昇する状況では、エネルギ消費率(燃料消費率等)が悪化してしまうことになる。
本実施形態は、このように車両の周辺環境の一時的な変化が生じている状況であっても適正な空調制御を実現できるようにしている。以下、具体的に説明する。
先ず、この環境変化対応制御を実施するためのクラウドサーバ3およびエアコンECU200の構成について説明する。図4は、クラウドサーバ3およびエアコンECU200において環境変化対応制御を実施するための機能部分を示す機能ブロック図である。なお、車両2の外部環境を検出する外部環境センサとして代表的には、前述した外気温度センサ111、日射センサ112、車外湿度センサ113があり、これらセンサ111,112,113によって検出される車両周辺の外部環境としては、外気温度、日射量、車外湿度が挙げられる。以下の説明では、これらのうち外気温度を対象とする場合を例に挙げて説明する。また、以下の説明では、本発明でいう環境不安定地点をトンネル内とした場合を例に挙げて説明する。
この図4に示すように、クラウドサーバ3は、気象情報取得部31、環境不安定地点特定部32およびデータベース33を備えている。一方、エアコンECU200は、車両現在地取得部202、環境判定部203、外部環境情報取得部204、乖離判定部205、空調制御部206を備えている。以下、具体的に説明する。
(気象情報取得部)
気象情報取得部31は、車両2が走行可能な道路が存在する各地点での気象情報(外気温度を含む気象情報)を取得する。具体的には、気象庁や気象会社等から、各地点での気象情報(外気温度等)を取得する。この気象情報取得部31が取得した気象情報は、その地点の位置情報と関連付けられて一旦データベース33に記憶される。なお、このデータベース33に記憶された各地点の気象情報は、前記気象庁や気象会社等から気象情報を所定時間毎に取得する度に上書きされる。また、一般に、気象庁や気象会社等から取得する各地点での外気温度の情報としては、前述したトンネル内の温度の情報は含まれず、屋外における各地点の温度の情報のみとなっている。
そして、気象情報取得部31は、前記車両現在地取得部202によって取得された車両2の現在地の情報をエアコンECU200から受信(送受信機201を介して受信)した場合に、その車両2の現在地に該当する地点での気象情報である外気温度をデータベース33から読み出し、その外気温度の情報を当該車両2に向けて送信するようになっている。
(環境不安定地点特定部)
環境不安定地点特定部32は、車両2が走行する道路(または停車している道路)のうち、一時的に外気温度が変化する可能性のある地点を特定する機能部分である。この一時的に外気温度が変化する可能性のある地点(環境不安定地点)の一例としては前述したトンネル内が挙げられる。前述したように、トンネルは、その内部の温度が、トンネル内を走行する各車両からの排熱やトンネル換気量の影響によって、実際の外気温度(トンネル外の温度)との間に乖離が生じていることがある。車両2にあっては、トンネル外を走行する状態からトンネル内を走行する状態に移行した時点で外気温度センサ111が検出する外気温度(外気温度センサ値;外部環境センサ値)が一時的に変化する可能性がある。つまり、それまで安定的に検出されていた外気温度が急速に変化する可能性がある。このため、このトンネル内を環境不安定地点としている。
この環境不安定地点を特定する手法として具体的には、車両2が気象情報取得部31から取得した気象情報としての外気温度(トンネル外であって環境が安定した地点;環境安定地点)と、外気温度センサ111が検出した外気温度(外気温度センサ値)とが乖離している場合に、この乖離の原因は、車両2がトンネル内を通過していることにあるとして、この乖離が生じている地点を、環境不安定地点特定部32によって環境不安定地点として特定することになる。
より具体的には、本車両空調システム1の空調ユニット6にあっては、気象情報取得部31から取得した気象情報としての外気温度と、外気温度センサ111が検出した外部環境センサ値としての外気温度センサ値とが乖離している場合、空調制御で使用する外気温度として、外気温度センサ111が検出した外気温度(外気温度センサ値;外部環境センサ値)を気象情報取得部31から取得した外気温度に合わせるように補正し、この補正後の外気温度を使用して空調制御を行うようになっている(詳しくは後述する)。このようにして外気温度が補正された旨の情報は、エアコンECU200からクラウドサーバ3に送信される。この信号を受信したクラウドサーバ3にあっては、環境不安定地点特定部32によって前記外気温度が補正された車両2の位置を特定し、その位置を環境不安定地点として特定する。このようにして特定された環境不安定地点の情報は、データベース33に蓄積されていくことになる。
このような車両2(エアコンECU200)とクラウドサーバ3との間での情報の送受信が行われることにより、複数台の車両2から、外気温度が補正された旨の情報がクラウドサーバ3に送信されていくことになり、その度に、クラウドサーバ3にあっては、環境不安定地点特定部32によって環境不安定地点が特定され、その環境不安定地点の情報がデータベース33に蓄積されていく。つまり、それまで環境安定地点であった地点を環境不安定地点として登録し、その情報をデータベース33に蓄積していく。
(車両現在地取得部)
車両現在地取得部202は、車両2の現在地を気象情報取得部31に送信する。この車両現在地取得部202による車両2の現在地を取得する手法としては、車両2のGPS(Global Positioning System)機能を利用することが挙げられる。
このようにして車両2の現在地が気象情報取得部31に送信されることにより、前述した如く、気象情報取得部31は、その車両2の現在地に該当する地点での気象情報である外気温度をデータベース33から読み出し、その外気温度の情報を当該車両2に向けて送信することになる。
(環境判定部)
環境判定部203は、車両2の現地点が、前記外気温度センサ(外部環境センサ)111のセンサ値(外気温度センサ値)が補正された履歴のある環境不安定地点であるか否かを判定する。ここでいう「センサ値が補正された履歴」とは、前述したように、外気温度センサ111が検出した外気温度を気象情報取得部31から取得した外気温度に合わせるように補正したこと(気象情報取得部31から取得した気象情報としての外気温度と、外気温度センサ111が検出した外気温度センサ値としての外気温度とが乖離している場合)の履歴を含む。つまり、外気温度センサ111が検出した外気温度(外気温度センサ値)がそのまま使用されることなく、該外気温度センサ値が補正されて空調制御に使用された履歴である。
例えば、車両2がトンネル内を通過している状況において、このトンネル内において、過去にセンサ値(外気温度センサ値)が補正された履歴が存在し、その地点が環境不安定地点である旨の情報がデータベース33に存在している場合には、環境判定部203によって、車両2の現地点が環境不安定地点であると判定される。
一方、車両2がトンネル内を通過していない状況等において、その地点で過去にセンサ値が補正された履歴が存在しておらず、その地点が環境不安定地点である旨の情報がデータベース33に存在していない場合には、環境判定部203によって、車両2の現地点は環境不安定地点でないと判定される。
また、車両2がトンネル内を通過している状況であっても、このトンネル内において、過去にセンサ値が補正された履歴が存在しておらず、その地点が環境不安定地点である旨の情報がデータベース33に存在していない場合には、環境判定部203では、車両2の現地点が環境不安定地点であると判定されないことになる。なお、この場合、車両2がトンネル内を通過し、センサ値が補正された場合には、その履歴が存在することとなり、その地点が環境不安定地点である旨の情報がデータベース33に記憶され、それ以降は、前述したように、環境判定部203によって、その地点が環境不安定地点であると判定されることになる。
(外部環境情報取得部)
外部環境情報取得部204は、前記クラウドサーバ3に記憶されている環境安定地点(前述した環境不安定地点の特定動作によって特定された環境不安定地点以外の地点)の外部環境情報である外気温度のうち、車両2の現地点の周辺の環境安定地点における外気温度をクラウドサーバ3から取得する。
本実施形態にあっては、この車両2の現地点の周辺の環境安定地点における外気温度とは、車両2がトンネル内を走行している状況にあっては、そのトンネル周辺におけるトンネル外の地点での外気温度である。例えば、トンネルの入口付近の外気温度である。この外気温度をクラウドサーバ3から取得する動作が、本発明でいう「車両の現地点の周辺の地点であって環境不安定地点以外の環境安定地点における外部環境情報を提供する外部環境情報提供手段からの外部環境情報を取得する」動作に相当する。
(乖離判定部)
乖離判定部205は、前記外部環境情報取得部204が取得した環境安定地点における外気温度と外気温度センサ111が検出した外気温度とを比較し、これらの値が所定値以上乖離しているか否かを判定する。この所定値としては例えば5℃が挙げられる。つまり、冬季において換気量が不十分なトンネルにあっては、そのトンネル内の温度とトンネル外の温度との間に5℃以上の乖離が生じている場合が多い。つまり、トンネル外の温度に比べてトンネル内の温度は5℃以上高い場合が多い。逆に、夏季において換気量が不十分なトンネルにあっても、そのトンネル内の温度とトンネル外の温度との間に5℃以上の乖離が生じている場合が多い。つまり、トンネル外の温度に比べてトンネル内の温度は5℃以上低い場合が多い。 つまり、この乖離の有無を判断することで、前述したセンサ値の補正によって求められたセンサ値を使用して空調制御を行う必要がある(トンネル内の走行中等であって気象情報取得部31から取得した外気温度を使用して空調制御を行う必要がある)か否かを判定することが可能である。前記値はこれに限定されるものではなく、適宜設定される。
(空調制御部)
空調制御部206は、前記環境判定部203が、車両2の現在地が前記環境不安定地点であると判定した場合には、その環境不安定地点に車両2が達した直前の外気温度センサ値を使用して空調制御を行う。つまり、車両2の現在地が環境不安定地点である(例えばトンネル内を走行している)と判定された場合には、その環境不安定地点において外気温度センサ111が検出した外気温度は、実際の外気温度と乖離しており、適正な空調制御を実現できない可能性があるとして、環境不安定地点に車両2が達した直前、つまり、車両2がトンネルに入る直前で外気温度センサ111が検出していた外気温度を使用して空調制御を行う。
この制御を実現するためには、外気温度センサ111が検出していた外気温度の履歴を、車両の位置情報に関連付けてエアコンECU200のRAMに記憶させておき、車両2がトンネルに入る直前で外気温度センサ111が検出していた外気温度の情報を読み出すようにする。つまり、車両2の現在地が環境不安定地点であると環境判定部203が判定する直前(環境不安定地点に達する直前)に外気温度センサ111が検出していた外気温度がトンネルに入る直前での外気温度であると判断し、その外気温度(外気温度センサ値)を使用して空調制御を行う。
一方、空調制御部206は、前記環境判定部203が、車両の現地点が前記環境不安定地点でないと判定し、且つ前記乖離判定部205が、前記環境安定地点における外気温度と外気温度センサ111が検出した外気温度とが乖離していると判定した場合には、外気温度センサ111が検出した外気温度(外気温度センサ値)を環境安定地点における外気温度に合わせるように補正して空調制御を行う。つまり、車両2の現在地が環境不安定地点でないと判定された場合であっても、車両の現地点が環境不安定地点であることの情報が存在していないだけであって、実際には環境不安定地点である可能性があることに鑑み、環境安定地点における外気温度と外気温度センサ111が検出した外気温度とが乖離している場合には、外気温度センサ111が検出した外気温度を環境安定地点における外気温度に合わせるように補正し、その補正後の外気温度を使用して空調制御を行う。
(環境変化対応制御の手順)
次に、環境変化対応制御の具体的な手順について、図5のフローチャートに沿って説明する。このフローチャートは、エアコンECU200において所定時間毎に繰り返して実行される。
先ず、ステップST1において、クラウドサーバ3から環境不安定地点の情報を読み込む。具体的には、エアコンECU200の車両現在地取得部202によって取得した車両2の現在地の情報をクラウドサーバ3に送信し、このクラウドサーバ3が車両2の現在地の情報と、予め蓄積している環境不安定地点の情報とを比較し、車両2の現在地が環境不安定地点であるか否かの情報を車両2に送信することになる。
クラウドサーバ3から環境不安定地点の情報を読み込んだ後、ステップST2では、車両2の現地点(現在走行している地点)は環境不安定地点であるか否かを判定する。この判定は、前述したクラウドサーバ3からの情報に基づいて行われる。
車両2の現地点が環境不安定地点であり、ステップST2でYES判定された場合には、ステップST3に移り、環境不安定地点に車両2が達した直前、つまり、車両2がトンネルに入る直前で外気温度センサ111が検出していた外気温度を、空調制御に使用する外気温度として維持する。そして、ステップST4において、この維持された外気温度(車両2がトンネルに入る直前で外気温度センサ111が検出していた外気温度)を使用して空調制御を実行する。
一方、車両2の現地点が環境不安定地点ではなく、ステップST2でNO判定された場合には、ステップST5に移り、クラウドサーバ3からの外気温度(環境安定地点における外気温度)と外気温度センサ111が検出した外気温度(外気温度センサ値)との間に乖離が生じているか(例えば5℃以上の乖離が生じているか)を判定する。
これら外気温度に乖離が生じておらず、ステップST5でNO判定された場合には、ステップST4において、外気温度センサ111が検出した外気温度(外気温度センサ値)を使用して空調制御を実行する。これは、車両2がトンネル内を通過していない状況等であって、外気温度センサ111が検出した外気温度を使用することで適正な空調制御が実現できる状況が想定される。
一方、クラウドサーバ3からの外気温度と外気温度センサ111が検出した外気温度との間に乖離が生じており、ステップST5でYES判定された場合には、ステップST6に移り、外気温度センサ111が検出した外気温度(外気温度センサ値)を環境安定地点における外気温度(クラウドサーバ3からの外気温度)に合わせるように補正する。そして、ステップST4において、この補正された外気温度(環境安定地点における外気温度)を使用して空調制御を実行する。これは、車両2がトンネル内を通過している状況等であって、外気温度センサ111が検出した外気温度を使用した場合には適正な空調制御が実現できないことから、クラウドサーバ3からの外気温度を使用して空調制御を実行する状況が想定される。
以上のようにして空調制御が実行された後、ステップST7に移り、外気温度センサ値の補正の有無の情報を、車両2の現地点の情報と共にクラウドサーバ3に送信する。つまり、外気温度センサ値の補正が行われた場合(ステップST6において外気温度センサ値の補正が行われた場合)には、その補正が行われた地点(車両2の現地点)は環境不安定地点であると判断することができるので、その地点情報をクラウドサーバ3に送信することで、該クラウドサーバ3では、その地点を環境不安定地点としてデータベース33に記憶することになる。このため、それまで環境不安定地点として記憶されていなかった地点にあっては、新たに環境不安定地点としてデータベース33に登録(記憶)されることになる。また、既に環境不安定地点として記憶されている地点にあっては、その環境不安定地点の最新の情報(詳細な位置情報等)がデータベース33に記憶されることになる。
以上の動作が繰り返される。
-実施形態の効果-
以上説明したように、本実施形態では、車両2の現地点が環境不安定地点(トンネル内)であると判定された場合には、その環境不安定地点に車両2が達した直前(トンネルの入口の手前)の外気温度センサ値(外部環境センサ値)を使用して空調制御を行う。また、車両2の現地点が環境不安定地点でないと判定され、且つ環境安定地点における外気温度(外部環境情報)と外気温度センサ111が検出した外気温度センサ値(外部環境センサ値)とが乖離していると判定された場合には、外気温度センサ値を環境安定地点における外気温度に合わせるように補正して空調制御を行うようにしている。これにより、車両2の現地点が環境不安定地点と判定された場合、および、車両2の現地点が環境不安定地点でないと判定された場合の何れにおいても、一時的に変化する外部環境の影響を受けることなく、適正な空調制御を実現することができる。つまり、一時的に変化する外部環境の影響によって、車室内に吹き出す空調風の温度が変化したり、空調風の吹き出しモードが変化したりすることがなく、乗員に違和感を与えてしまうことを回避でき、車室内の快適性を良好に確保することができる。また、一時的に変化する外部環境の影響によって、冷媒循環回路8の圧縮機81の回転数が上昇してしまう状況を回避でき、エネルギ消費率(燃料消費率等)の悪化を抑制することができる。
また、本実施形態では、外気温度センサ値の補正の有無の情報を、車両2の現地点の情報と共にクラウドサーバ3に送信するようにしている。このため、車両2における適正な空調制御を行いながらも、環境不安定地点の情報を順次データベース33に記憶していくことができる。このため、環境不安定地点および環境安定地点の判別の信頼性を高めていくことができ、環境不安定地点であるにも係わらず環境安定地点であると判定されてしまう状況を減少させていくことができ、適正な空調制御の信頼性を高めることができる。
-変形例-
次に変形例について説明する。本変形例は、外部環境情報を提供する外部環境情報提供手段として周辺の車両を利用した場合を例に挙げて説明する。それ以外の構成および動作は、前記実施形態のものと同様であるので、ここでは前記実施形態との相違点についてのみ説明する。
図6は、本変形例における車両空調システム1の概略構成を示す図である。この図6に示すように、本変形例では、複数の車両2,2A,2B,2C,…がコネクティッドサーバ30を介して各種情報の送受信を行うようになっている。つまり、各車両2,2A,2B,2C,…には図示しないDCM(Data Communication Module)が搭載されており、このDCMおよびコネクティッドサーバ30を介して複数の車両2,2A,2B,2C,…同士の間で各種情報の送受信を行うようになっている。
そして、本変形例では、制御対象である車両2の周囲を走行している車両2A,2B,2Cに備えられた外気温度センサからのセンサ値(外気温度センサ値)が、それぞれのDCMからコネクティッドサーバ30に送信され、このコネクティッドサーバ30内のデータベース(図示省略)に格納される。そして、制御対象である車両2は、前記車両現在地取得部202によって取得された車両2の現在地の情報をエアコンECU200からコネクティッドサーバ30に向けて送信(送受信機201を介して送信)し、コネクティッドサーバ30は、その車両2の現在地に該当する地点での気象情報である外気温度(各車両2A,2B,2C,…から受信していた外気温度の情報)をデータベースから読み出し、その外気温度の情報を当該車両2に向けて送信する。
車両2において、この外気温度の情報を受信した後の動作は前記実施形態のものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
本変形例にあっても前記実施形態ものと同様の効果を奏することができる。つまり、車両2の現地点が環境不安定地点と判定された場合、および、車両2の現地点が環境不安定地点でないと判定された場合の何れにおいても、一時的に変化する外部環境の影響を受けることなく、適正な空調制御を実現することができる。
-他の実施形態-
なお、本発明は、前記実施形態および前記変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲および該範囲と均等の範囲で包含される全ての変形や応用が可能である。
例えば、前記実施形態および前記変形例では、車両2の外部環境として外気温度を対象とした場合を例に挙げて説明した。本発明はこれに限らず、日射量を外部環境とする場合にも適用が可能である。つまり、本発明でいう外部環境センサ値を日射量センサ値とし、外部環境センサを日射センサ112とする場合である。この場合、例えば夏季の日中に車両2がトンネル内を走行する状況では、日射センサ112によって検出される日射量は少なくなるが、車両2の現地点が環境不安定地点であると判定された場合には、車両2がトンネル内に入る直前の日射量センサ値を使用して空調制御を行う。また、車両2の現地点が環境不安定地点でないと判定され、且つ環境安定地点における日射量(外部環境情報)と日射センサ112が検出した日射量センサ値(外部環境センサ値)とが乖離していると判定された場合には、日射量センサ値を環境安定地点における日射量に合わせるように補正して空調制御を行うことになる。
また、車外湿度を外部環境とする場合にも適用が可能である。つまり、本発明でいう外部環境センサ値を車外湿度センサ値とし、外部環境センサを車外湿度センサ113とする場合である。この場合、例えば車両2がトンネル内に進入した際、車外湿度センサ113によって検出される車外湿度が変化することになるが、車両2の現地点が環境不安定地点であると判定された場合には、車両2がトンネル内に入る直前の車外湿度センサ値を使用して空調制御を行う。また、車両2の現地点が環境不安定地点でないと判定され、且つ環境安定地点における車外湿度(外部環境情報)と車外湿度センサ113が検出した車外湿度センサ値(外部環境センサ値)とが乖離していると判定された場合には、車外湿度センサ値を環境安定地点における車外湿度に合わせるように補正して空調制御を行うことになる。
また、前記実施形態と前記変形例とを組み合わせるようにしてもよい。つまり、外部環境情報を提供する外部環境情報提供手段として、クラウドサーバ3と、周辺の車両2A,2B,2C,…から外部環境情報を取得するコネクティッドサーバ30とを併用するものである。
また、前記実施形態および前記変形例では、環境不安定地点をトンネル内とした場合について説明した。本発明はこれに限らず、地下駐車場内を環境不安定地点とした場合においても同等に扱うことができる。
また、前記実施形態および前記変形例では、環境不安定地点であることの判定は、外気温度センサ111のセンサ値が補正され、その補正後のセンサ値によって空調制御が行われたことを条件としていた。本発明はこれに限らず、空調制御が行われることなく、単に、気象情報取得部31またはコネクティッドサーバ30から取得した外気温度と、外気温度センサ111が検出した外気温度とが乖離して、センサ値が補正されたことのみを条件としてもよい。つまり、この補正後のセンサ値が空調制御に使用されたか否かは問わないものである。
また、前記実施形態および前記変形例では、冷媒循環回路8に備えられた圧縮機81を、電動モータ87によって駆動される電動圧縮機とした場合について説明した。本発明はこれに限らず、エンジンEGからの動力を受けて駆動する所謂メカ駆動式の圧縮機であってもよい。この場合、エンジンEGと圧縮機との間の動力伝達系には電磁クラッチが設けられており、この電磁クラッチを解放することによって圧縮機を停止させることになる。
本発明は、車室内の空調制御を行う車両空調システムに適用可能である。
1 車両空調システム
2、2A~2C 車両
3 クラウドサーバ(外部環境情報提供手段)
111 外気温度センサ(外部環境センサ)
112 日射センサ(外部環境センサ)
113 車外湿度センサ(外部環境センサ)
203 環境判定部
204 外部環境情報取得部
205 乖離判定部
206 空調制御部

Claims (1)

  1. 車室内の空調を行う車両空調システムにおいて、
    車両の外部環境を外部環境センサ値として検出する外部環境センサと、
    車両の現地点が、前記外部環境センサ値が補正された履歴のある環境不安定地点であるか否かを判定する環境判定部と、
    車両の現地点の周辺の地点であって前記環境不安定地点以外の環境安定地点における外部環境情報を提供する外部環境情報提供手段からの前記外部環境情報、および、周辺の車両が取得した前記環境安定地点における外部環境情報のうち少なくとも一方を取得する外部環境情報取得部と、
    前記環境安定地点における前記外部環境情報と前記外部環境センサが検出した前記外部環境センサ値とが乖離しているか否かを判定する乖離判定部と、
    前記環境判定部が、車両の現地点が前記環境不安定地点であると判定した場合には、その環境不安定地点に車両が達した直前の前記外部環境センサ値を使用して空調制御を行う一方、前記環境判定部が、車両の現地点が前記環境不安定地点でないと判定し、且つ前記乖離判定部が、前記環境安定地点における前記外部環境情報と前記外部環境センサが検出した前記外部環境センサ値とが乖離していると判定した場合には、前記外部環境センサ値を前記環境安定地点における前記外部環境情報に合わせるように補正して空調制御を行う空調制御部と、を備えていることを特徴とする車両空調システム。
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