JP2004184285A - 車両の協調制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】外部ネットワークからのデータが少なくとも部分的に不完全な状態にあっても、その不完全な部分を運転環境データ(車両周辺情報)等に基づく予測(天候予測/健康不利益予測/危険度予測)によって補い、ナビ制御部及び/又は室内環境制御部の機能を発揮させることのできる車両の協調制御システムを提供する。
【解決手段】RAM30dの予測ルール保存領域AR(ワークエリア)には、例えばICカード、光磁気ディスク(MO)のようにデータ更新可能な協調予測情報記録媒体31と無線通信技術を用い、I/Oインターフェース30aを介して予測制御に必要なルールが予め保存されている。したがって、協調予測制御部30(CPU30b)は、所定の条件をトリガとして、RAM30dの予測ルール保存領域ARに保存された予測ルールにデータ保存領域ADに保存されたデータをあてはめ、予測結果に応じてCPU8b,15bに制御信号を出力する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載ナビゲーション制御部(以下、ナビ制御部という)と室内環境制御部とを備えた車両の協調制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
位置検出機能、経路探索機能及び経路誘導機能を有するナビ制御部と、所定の検出データに基いて車両の動きを制御する車両制御部とを備えた技術が知られている。
そして、特許文献1には、外部ネットワークから取得した天気情報と、車載
センサから取得した外気温と、ナビ制御部において検出された車両現在位置及び絶対時刻とから、道路状況として路面の滑りやすさを判断して、アクセル、ステアリング、ブレーキ等の車両運動を制御することが記載されている。
また、特許文献2には、外部ネットワークから取得した現在及び過去の渋滞情報と現在及び将来の天候情報とから渋滞予測を行い、ナビ制御部の指示により渋滞予測結果を表示すること、又は経路探索により最適経路を表示することが記載されている。
さらに、特許文献3には、外部ネットワークから取得した緊急情報に基づき、ナビ制御部の指示により避難場所、消防署等の関係施設を強調表示するとともに、地震の際に避難場所の経路探索や表示を行ったり、火災の際に最適経路の再経路探索や表示を行ったりすることが記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−82198号公報
【特許文献2】
特開平10−79094号公報
【特許文献3】
特開平2000−55687号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1に示すものでは、天気情報は外部ネットワークから常に供給される(いつでも取得できる)ことを前提として車両運動制御が構築されているので、例えば地形の影響により車両が通信電波到達圏外に位置するときには制御全体がストップしてしまう。
また、特許文献2に示すものでは、渋滞情報と天候情報とは外部ネットワークから常に供給される(いつでも取得できる)ことを前提としてナビ制御が構築されているので、例えば地形の影響により車両が通信電波到達圏外に位置するときには制御全体がストップしてしまう。
さらに、特許文献3に示すものでは、緊急情報は外部ネットワークから常に供給される(いつでも取得できる)ことを前提としてナビ制御が構築されているので、例えば地形の影響により車両が通信電波到達圏外に位置するときには制御全体がストップしてしまう。
【0005】
このように、携帯電話、インターネット、VICS(Vehicle Information & Communication System;道路交通情報通信システム)、ITS(Intelligent Transport Systems;高度道路交通システム)等に代表される外部ネットワークからの情報は、地形の影響(通信電波到達圏外)、気象の変化(荒天)、自然災害の発生(中継局被害)、通信の輻輳(回線過密)等によって入手困難な場合があり、かかる場合には上記した各特許文献では必要とされる制御が実施できなくなる。つまり、これらの外部ネットワークは、情報技術の先頭を切ってインフラストラクチャ(産業基盤)の整備が急ピッチで進められているが、基本的な脆弱さを依然として克服できていないので、突発的に情報が断絶するおそれがある。また、外部ネットワークからの情報には提供される時点ですでにタイムラグを有することが不可避であり、天候の急変時等に直ちに対応できるものとはなっていない。さらに、外部ネットワークから提供される情報の密度(例えば、気象情報等の提供単位の細かさ)は、テレビ・ラジオ放送局や新聞社のような既存のマスメディアに比べれば格段に高く(細かく)なったが、情報密度の向上にも自ずと限界があり、移動体である車両毎の個別のニーズに特化した情報を提供するまでには至っていない。そこで、外部ネットワークからの情報が不足・欠落した場合には状況判断、情報選択、将来予測等が運転者等の乗員に委ねられることとなるが、運転中や緊急時にはそれらの能力を十分に発揮できなかったり、時間的に間に合わなかったり、運転操作が疎かになったりするおそれがある。
【0006】
そこで本発明の課題は、外部ネットワークからのデータが少なくとも部分的に不完全な状態にあっても、その不完全な部分を運転環境データ(車両周辺情報)等に基づく予測(天候予測/健康不利益予測/危険度予測)によって補い、ナビ制御部及び/又は室内環境制御部の機能を発揮させることのできる車両の協調制御システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するために、第一発明に係る車両の協調制御システムは、
位置検出手段により車両の現在位置データを取得し、経路探索手段により目的地までの経路を検索し、経路誘導手段により前記経路に沿って前記車両を目的地まで誘導案内する車載ナビゲーション制御部(以下、ナビ制御部という)と、前記車両に備えられる運転環境検出手段により取得した運転環境データに基づいてその車両の室内環境を制御する室内環境制御部とを備えた車両の協調制御システムであって、
外部ネットワークから取得した気象データと前記運転環境検出手段により取得した運転環境データとのうちの少なくとも一方のデータと、前記経路に関する地図データとに基づいて、その経路上の天候を予測する天候予測手段と、
その天候予測手段により予測される経路上の天候と、前記車両の現在位置データとに基づいて、前記室内環境制御部へ室内環境の制御信号を出力する環境制御指令手段と、
を含むことを特徴とする。
【0008】
また、第一発明に係る車両の協調制御システムは、より具体的には、
位置検出手段により車両の現在位置データを取得し、経路探索手段により目的地までの経路を検索し、経路誘導手段により前記経路に沿って前記車両を目的地まで誘導案内する車載ナビゲーション制御部(以下、ナビ制御部という)と、前記車両に備えられる運転環境検出手段により取得した運転環境データに基づいてその車両の室内環境を制御する室内環境制御部とを備えた車両の協調制御システムであって、
前記経路に沿っての走行中において、外部ネットワークから過去に取得した気象データと、前記運転環境検出手段としての外気の風向及び風速、温湿度、気圧の各検出手段により取得した運転環境データと、前記経路に関する地図データとに基づいて、その経路上の天候を予測する天候予測手段と、
その天候予測手段により予測される経路上の天候と、前記車両の現在位置データとに基づいて、前記室内環境制御部へ室内環境の制御信号を出力し、車載エアコンディショナによる車室内の温湿度調整を行う環境制御指令手段と、
を含むことを特徴とする。
【0009】
これらの協調制御システムによれば、外部ネットワークから取得すべき気象データが不足・欠落した場合でも、運転環境検出手段により取得される運転環境データや最適経路に関する地図データを用いて経路上の(例えば、中間地点通過時や目的地到着時の)天候を予測することができる。しかも、車載エアコンディショナ(以下、単にエアコンともいう)の温湿度調整等により、予測される経路上の天候と車両の現在位置データとに応じて室内環境を(例えば、中間地点通過前あるいは目的地到着前に)快適に整えることができ、エネルギーを無駄に消費せずにすむ。したがって、出発後に天候が急変し、かつ外部ネットワークの通信電波到達圏外となるような山間地を走行するような状況下にあっても、例えば、車両が目的地等の手前で所定距離又は所定時間以内に近づいたときにエアコン等を稼働させることができ、目的地等への到着前に室内環境を整えて快適な走行ができる。
【0010】
そして、このような快適走行を実現させるために、環境制御指令手段から室内環境制御部へ出力される室内環境の制御信号は、運転環境検出手段により取得した運転環境データに基づく室内環境の制御信号に優先して処理されることが望ましい。
【0011】
なお、環境制御指令手段から室内環境制御部へ出力される室内環境の制御信号の内容が、経路に関する地図データにより補正されるときには、エアコン等を駆動するためにエンジン出力を効率的に使用することができる。例えば、地図データによりしばらくすると比較的長い上り坂が続くことがわかっていれば、平地を走行している間にエアコン等を稼働させるように室内環境の制御信号内容を補正することによって、登坂時にエンジンへの負担を軽減することになる。
【0012】
次に、上記課題を解決するために、第二発明に係る車両の協調制御システムは、
位置検出手段により車両の現在位置データを取得し、経路探索手段により目的地までの経路を検索し、経路誘導手段により前記経路に沿って前記車両を目的地まで誘導案内する車載ナビゲーション制御部(以下、ナビ制御部という)と、前記車両に備えられる運転環境検出手段により取得した運転環境データに基づいてその車両の室内環境を制御する室内環境制御部とを備えた車両の協調制御システムであって、
外部ネットワークから取得した健康不利益データ及び/又は前記運転環境検出手段により取得した運転環境データに基づいて、前記経路に関する地図データに予め記憶されている健康不利益エリアの通過時点での健康不利益発生の有無を予測する不利益予測手段と、
その不利益予測手段が前記健康不利益エリア通過時における健康不利益の発生を予測した場合に、その予測に基づいて前記経路を変更させ得る経路変更指令手段と、
を含むことを特徴とする。
【0013】
また、第二発明に係る車両の協調制御システムは、より具体的には、
位置検出手段により車両の現在位置データを取得し、経路探索手段により目的地までの経路を検索し、経路誘導手段により前記経路に沿って前記車両を目的地まで誘導案内する車載ナビゲーション制御部(以下、ナビ制御部という)と、前記車両に備えられる運転環境検出手段により取得した運転環境データに基づいてその車両の室内環境を制御する室内環境制御部とを備えた車両の協調制御システムであって、
前記経路に沿っての走行中において、外部ネットワークから過去に取得した花粉飛散データと、前記運転環境検出手段としての外気の風向及び風速、温湿度、気圧の各検出手段により取得した運転環境データとに基づいて、前記経路に関する地図データに予め記憶されている花粉飛散エリアの通過時点での花粉飛散の有無及び飛散量の大小を予測する不利益予測手段と、
その不利益予測手段が前記花粉飛散エリア通過時における花粉の飛散を予測した場合に、その予測に基づいて前記ナビ制御部へ経路再選択又は再経路探索の実行信号を出力して前記経路を変更させ得る経路変更指令手段と、
を含むことを特徴とする。
【0014】
これらの協調制御システムによれば、外部ネットワークから取得すべき健康不利益データ(花粉飛散データ等)が不足・欠落した場合でも、運転環境検出手段により取得される運転環境データ(外気の風向及び風速、温湿度、気圧等)や経路に関する地図データに予め記憶されている健康不利益エリア(花粉飛散エリア等)を用いて健康不利益発生(花粉飛散等)の有無を予測することができる。しかも、健康不利益発生(花粉飛散等)の予測に応じてナビ制御部の経路再選択・再経路探索等が実行されるので、健康不利益発生(花粉飛散等)を回避した経路に容易に変更することができる。さらに、室内環境を制御するために検出された運転環境データを花粉飛散等の健康不利益の発生予測に活用できるので、予測精度が向上する。なお、健康不利益予測には、春先のスギ花粉やヒノキ花粉の飛散予測の他に、夏場の光化学スモッグの発生予測等が含まれる。また、経路再選択とは、経路探索手段により選択され現在走行中(使用中)の経路以外の経路を選択する操作をいい、再経路探索とは経路探索手段において経路コストの計算と経路選択をやり直す操作をいう。
【0015】
花粉の飛散予測の場合、不利益予測手段が、外部ネットワークから過去に(通信電波到達圏内にあるときに)取得したデータと、運転環境検出手段により取得した運転環境データとに基づいて、花粉飛散エリア通過時の天候を予測し、その予測される天候を予測因子として花粉飛散の有無及び飛散量の大小を予測することになる。したがって、花粉飛散エリアが外部ネットワークの通信電波到達圏外となるような山間地を含み、かつ出発後にその花粉飛散エリアの天候が急変するような状況下にあっても、飛散花粉を浴びるおそれのあるルートを避けて快適で健康的な走行ができる。
【0016】
さて、上記課題を解決するために、第三発明に係る車両の協調制御システムは、その第一の態様として、
位置検出手段により車両の現在位置データを取得し、経路探索手段により目的地までの経路を検索し、経路誘導手段により前記経路に沿って前記車両を目的地まで誘導案内する車載ナビゲーション制御部(以下、ナビ制御部という)と、前記車両に備えられる運転環境検出手段により取得した運転環境データに基づいてその車両の室内環境を制御する室内環境制御部とを備えた車両の協調制御システムであって、
災害発生時において、外部ネットワーク及び放送電波のうちの少なくとも一方から取得した災害データと、前記運転環境検出手段により取得した運転環境データと、前記ナビ制御部の位置検出手段により取得した現在位置データとに基づいて、その車両の現在の危険度を予測する危険度予測手段と、
その危険度予測手段が所定レベル以上の危険度を予測したとき、その予測に基づいて前記ナビ制御部の経路探索手段へ経路探索の緊急実行信号を出力し、前記ナビ制御部の地図データに危険度が所定レベル以下として予め記憶された避難場所を目的地とする避難経路を定める避難経路自動検索手段と、
を含むことを特徴とする。
【0017】
この協調制御システムによれば、災害発生時において、外部ネットワークから取得すべき災害データが不足・欠落した場合でも、運転環境検出手段により取得される運転環境データ(外気の風向と風速、温湿度、気圧及びワイパの動作有無と速さから選ばれた少なくとも1種)や、放送電波から取得した災害データや、ナビ制御部の位置検出手段により取得した現在位置データを用いて現在の危険度を予測することができる。しかも、危険度の予測が所定レベル以上であるとナビ制御部の経路探索が緊急に実行されるので、危険度の低い避難場所への移動をスムーズに行える。さらに、室内環境を制御するために検出された運転環境データを危険度の予測に活用できるので、予測精度が向上する。なお、災害データには、風水害(台風、集中豪雨、洪水、崖崩れ等)、地震、津波、落雷、竜巻、雪崩等の自然災害に関するデータの他に、火災やテロ、紛争、戦争等の人為的災害に関するデータが含まれる。
【0018】
この場合、経路探索手段による避難経路の探索は、複数の避難場所を目的候補地とし、現在位置から各候補地への経路コストをそれぞれ算出し、運転環境検出手段により取得した運転環境データに基づいて各経路コストを補正し、その結果、補正経路コストが最低となる経路を避難経路と定め、その避難経路の目的地を避難場所と定めることにより、より危険度の低い避難場所に安全かつ迅速に移動することが可能となる。
【0019】
一方、上記課題を解決するために、第三発明に係る車両の協調制御システムは、その第二の態様として、
位置検出手段により車両の現在位置データを取得し、経路探索手段により目的地までの経路を検索し、経路誘導手段により前記経路に沿って前記車両を目的地まで誘導案内する車載ナビゲーション制御部(以下、ナビ制御部という)と、前記車両に備えられる運転環境検出手段により取得した運転環境データに基づいてその車両の室内環境を制御する室内環境制御部とを備えた車両の協調制御システムであって、
災害発生時において放送電波を受信してその音声を一時的に録音する第一録音手段と、
その第一録音手段に録音された放送受信音声波形から所定のキーワードを検出する音声認識手段と、
その音声認識手段がいずれかのキーワードを検出したとき、前記第一録音手段に録音された放送受信音声をそのキーワードの前後所定時間にわたりその検出時刻とともに録音することにより、所定のキーワードを含む部分のみを選択して音声増幅することなく録音可能とした第二録音手段と、
その第二録音手段に録音された音声を増幅して再生する再生手段と、
を含むことを特徴とする。
【0020】
この協調制御システムによれば、災害発生時において、例えば、外部ネットワークの通信電波到達圏外となるような山間地を避難場所とせざるを得なかった場合に、放送受信音声の必要部分のみを音声増幅することなく録音することにより、放送電波からの災害データをバッテリの消費電力を抑制しつつ効率的に取得することができる。
【0021】
そして、上記課題を解決するために、第三発明に係る車両の協調制御システムは、その第三の態様として、
位置検出手段により車両の現在位置データを取得し、経路探索手段により目的地までの経路を検索し、経路誘導手段により前記経路に沿って前記車両を目的地まで誘導案内する車載ナビゲーション制御部(以下、ナビ制御部という)と、前記車両に備えられる運転環境検出手段により取得した運転環境データに基づいてその車両の室内環境を制御する室内環境制御部とを備えた車両の協調制御システムであって、
災害発生時において、外部ネットワーク及び放送電波のうちの少なくとも一方から取得した災害データと、前記運転環境検出手段により取得した運転環境データと、前記ナビ制御部の位置検出手段により取得した現在位置データとに基づいて、その車両の現在の危険度を予測する危険度予測手段と、
その危険度予測手段が所定レベル以上の危険度を予測したとき、その予測に基づいて前記ナビ制御部の経路探索手段へ経路探索の緊急実行信号を出力し、前記ナビ制御部の地図データに危険度が所定レベル以下として予め記憶された避難場所を目的地とする避難経路を定める避難経路自動検索手段と、
災害発生時において前記放送電波を受信してその音声を一時的に録音する第一録音手段と、
その第一録音手段に録音された放送受信音声波形から所定のキーワードを検出する音声認識手段と、
その音声認識手段がいずれかのキーワードを検出したとき、前記第一録音手段に録音された放送受信音声をそのキーワードの前後所定時間にわたりその検出時刻とともに録音することにより、所定のキーワードを含む部分のみを選択して音声増幅することなく録音可能とした第二録音手段と、
その第二録音手段に録音された音声を増幅して再生する再生手段と、
を含むことを特徴とする。
【0022】
このような協調制御システムでは、災害発生時において、外部ネットワークから取得すべき災害データが不足・欠落した場合でも、放送電波から効率的に取得した災害データを活用して、現在の危険度の予測とナビ制御部の経路探索(避難経路探索)とを行える。したがって、より安全な避難場所へ次々に移動して、危険を回避することができるようになる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。本発明に係る車両の協調制御システムの全体構成を図1に示す。この協調制御システム100は、主として協調予測制御部30とナビ制御部8(車載ナビゲーション制御部)と車両情報制御部15とから構成されている。
【0024】
各制御部30,8,15はマイクロコンピュータで構成され、それぞれのI/Oインターフェース30a,8a,15aとCPU30b,8b,15b、ROM30c,8c,15c、RAM30d,8d,15dとがバスライン30e,8e,15eで接続されている。また、協調予測制御部30のI/Oインターフェース30aは、ナビ制御部8のI/Oインターフェース8aと車両情報制御部15のI/Oインターフェース15aとにそれぞれ接続されている。
【0025】
これによって、ナビ制御部8に入力された各種データの全部又は一部は、CPU8bの送信指令又はCPU30bの送信要求により、I/Oインターフェース8a,30aを介してRAM30dのデータ保存領域AD(ワークエリア)に一時保存される。同様に、車両情報制御部15に入力された各種データの全部又は一部は、CPU15bの送信指令又はCPU30bの送信要求により、I/Oインターフェース15a,30aを介してRAM30dのデータ保存領域AD(ワークエリア)に一時保存される。データ保存領域ADに入力(保存)されたこれらのデータは、協調制御システム100での制御のために使用されるが、使用後用途のなくなったデータや制御に使用されなかったデータは、所定時間毎に消去され又は書き換えられる。他方、CPU30bから出力される制御コマンド(制御信号)は、I/Oインターフェース30aと8a(及び/又は15a)とを介してCPU8b(及び/又は15b)に伝達される。なお、ナビ制御部8に入力されるデータ及びそれらのデータを用いてナビシステム50(車載ナビゲーションシステム)で実行される制御の内容、並びに、車両情報制御部15に入力されるデータ及びそれらのデータを用いて車両制御システム60で実行される制御の内容については後述する。
【0026】
また、RAM30dの予測ルール保存領域AR(ワークエリア)には、例えばICカード、光磁気ディスク(MO)のようにデータ更新可能な協調予測情報記録媒体31とBluetooth(登録商標)のような無線通信技術を用い、I/Oインターフェース30aを介して予測制御に必要なルールが予め保存されている。したがって、本発明の協調予測制御部30(CPU30b)は、所定の条件をトリガとして、RAM30dの予測ルール保存領域ARに保存された予測ルールにデータ保存領域ADに保存されたデータをあてはめ、予測結果に応じてCPU8b,15bに制御信号を出力する。
【0027】
図2はナビシステム50の詳細を示すブロック図である。ナビ制御部8のI/Oインターフェース8aの入力ポート側には、位置検出器1(位置検出手段)、地図データ入力器6(地図データ入力手段)、操作スイッチ群7及びリモコンセンサ11が接続されている。位置検出器1は、地磁気センサ2、ジャイロスコープ3、距離センサ(車速センサ)4、及び衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機を有している。これらのセンサ等2,3,4,5は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサ等により各々補間しながら使用するように構成されている。なお、十分な精度が得られる場合には、これらの一部で位置検出器1を構成してもよい。また、位置検出器1として、ステアリングの回転センサ、各駆動輪の車輪回転センサ等を用いてもよい。
【0028】
地図データ入力器6は、位置検出の精度向上のために、マップマッチング用データ、地図データ及び目印データを含む各種データを入力するための入力装置である。データ量に応じて、DVD−ROM、CD−ROM、メモリカード、ハードディスク等の記録媒体から選択使用される。操作スイッチ群7には、例えば表示装置(後述)と一体になったタッチスイッチ、メカニカルスイッチ、音声認識スイッチ等が用いられ、各種入力に使用される。リモコンセンサ11は、リモコン12(リモートコントロール端末)で操作されたデータ内容を検知して入力する。
【0029】
I/Oインターフェース8aの出力ポート側には、表示装置10が接続されている。表示装置10の画面には、位置検出器1から入力された車両現在位置マークと、地図データ入力器6より入力された地図データと、その地図上に描かれる誘導経路(最適経路)等の付加データとを重ねてカラー表示することができる。
【0030】
さらに、I/Oインターフェース8aには、携帯電話、VICS、FM多重信号受信機等の移動体通信機器13が接続され、ナビ制御部8とインターネット、専用情報センタ等の外部ネットワーク14との双方向通信が可能である。外部ネットワーク14から移動体通信機器13を介して入力されるデータ(例えば、気象データ、花粉飛散データ、災害データ等)の表示方法として、VICS等では次の3種が考慮されている。すなわち、(1)ナビシステム用の表示装置10の地図表示画面に重ね表示する地図表示型、(2)FM文字多重放送のように文字と簡易図形で表示する簡易図形表示型、(3)液晶表示板等に文字情報のみを表示する文字表示型の3種である。したがって、テキストデータに自動変換してナビ制御部8のRAM8dに直接記憶させたり、自動認識した文字・図形を表示装置10の地図表示画面に重ね表示しリモコン12でクリックして記憶させたり、あるいはリモコン12によるデータ内容の人為的入力操作で地図表示画面とともに記憶させたりすることで、外部ネットワーク14からの入力データを後述する予測制御に活用できる。なお、I/Oインターフェース8aには、各種データの入出力を行うための外部メモリ9も接続されている。また、既述の通り、ナビ制御部8のデータを協調予測制御部30へ提供して協調制御信号を受け取るために、I/Oインターフェース8aは協調予測制御部30のI/Oインターフェース30aと接続されている。
【0031】
このように、リモコン12又は操作スイッチ群7から目的地を入力すると、車両の現在位置を位置検出器1で検出し、現在位置から目的地までの最適経路を自動選択して誘導経路を作成し、表示装置10に表示する経路案内が行われる。つまり、ナビ制御部50は、位置検出器1により車両の現在位置を測定し、経路探索手段(CPU8b)により目的地までの最適経路を探し出し、経路誘導手段(CPU8b)により最適経路に沿って車両を目的地まで誘導案内する機能を備えている。なお、最適経路の設定にはダイクストラ法等の手法が用いられる。
【0032】
図3は車両制御システム60の詳細を示すブロック図である。車両情報制御部15のI/Oインターフェース15aの入力ポート側には、大気センサ群16、風力センサ群17、シートセンサ群18、車両センサ群19、乗員情報入力器20(乗員情報入力手段)及び放送電波受信機25が接続されている。これらのセンサ群16,17,18,19は、運転環境検出手段としてそれぞれ対象となるデータ(運転環境データ)を検出する。大気センサ群16は、車室内及び外気(車室外)の気温・湿度・気圧を検出対象とする。風力センサ群17は、車両における風向・風速を検出対象とし、車速によるベクトル補正を行うことにより外気(車室外)の対地風向・風速を算出する。シートセンサ群18は、乗員の有無・乗車人数、チャイルドシートの有無(乳幼児の乗車有無)を検出対象とする。車両センサ群19は、空車車両重量、車体サイズ(車室内容量・乗車定員)、最低地上高等の車両固有データと、現在車両重量、エンジン出力、車速、ワイパの動作有無・速さ等の現在データとを検出対象とする。
【0033】
乗員情報入力器20は、運転環境検出手段として、各乗員の健康状態・病歴・嗜好等に関する個人的データを検出対象とし、これらのデータは、例えばICカード、光磁気ディスク(MO)のようにデータ更新可能な個人情報記録媒体21からBluetooth(登録商標)のような無線通信技術を用いて入力される。放送電波受信機25は、カーラジオ、液晶テレビ等の放送受信音声を音声認識技術等によって録音(入力)する。
【0034】
さらに、I/Oインターフェース15aには、エンジン制御回路22、ライト制御回路23及びエアコンディショナ制御回路24が接続され、これらはエンジン、ライト及びエアコン(車載エアコンディショナ)に関する各種データをそれぞれ車両情報制御部15に提供するとともに、車両情報制御部15からエンジン、ライト及びエアコンへの制御指令を受け取る。なお、既述の通り、車両情報制御部15のデータを協調予測制御部30へ提供して協調制御信号を受け取るために、I/Oインターフェース15aは協調予測制御部30のI/Oインターフェース30aと接続されている。
【0035】
車両情報制御部15は、上記運転環境検出手段(各センサ群)16,17,18,19により取得した運転環境データに基づいて車両の室内環境を制御するための室内環境制御部を構成している。すなわち、この室内環境制御部15は、エアコンディショナ制御回路24を駆動し、車室内の温湿度が所定値(所定範囲)になるように調整して車両の室内環境を制御する。
【0036】
ここで、図4を参照して本発明における予測制御の一般則について概説する。
まず、予測の手法について、次のような一般則が成り立つ。
(1)特定種類のデータについては、そのデータの時間変化(履歴)に基いて将来値を予測できる。例えば、渇水によりダムの水位が1m/日ずつ過去連続3日間低下した(図4:データ1→1’→1”)とき、明日の天気予報が晴れなのでさらに1m/日の水位が低下すると予測される。
(2)現時点での複数種類のデータから将来値を予測できる。例えば、集中豪雨のとき、現在の水位(図4:データ1”)と堤防の想定強度(図4:データ2)とから数時間以内の堤防の決壊を予測できるので、避難勧告が必要となる。
また、補正の手法について、次のような一般則が成り立つ。
(3)予測点(目的地到着途中のターゲット)に近づくほど誤差が小さく(精度が高く)なる。例えば、1週間先の天気予報よりも本日の天気予報の方がよく当たる。
(4)誤差はなくせないが、予測ルールの拡張・変化・見直し等によって誤差を小さくすることができる。例えば、農作物の収量予測の精度は年々向上している。
【0037】
図1の協調予測制御部30において、RAM30dの予測ルール保存領域ARには、上記一般則(1)〜(4)に基いて、例えば表1に示すような具体的な予測ルールが予め保存されている。
【0038】
【表1】
Figure 2004184285
【0039】
表1では、予測が開始されるトリガ条件に対応付けて、入力要素、入力要素欠落時の入力デフォルト値、データ要求内容、出力処理内容等が保存されている。そして、これらの入力要素に新たな予測技術やセンサ等が追加されたときには、それに応じて保存してある予測ルールが更新され、更新ルールに基づく協調制御(出力処理)が行われる。
【0040】
図5は本発明における協調予測制御部で実行される全体フローチャートを示す。まずS1において、IDルール(表1参照)を協調予測情報記録媒体31から予測ルール保存領域ARに読み込む(図1参照)。次に、ナビ制御部8又は室内環境制御部15(車両情報制御部)に入力されるセンサ検出値等(図2、図3参照)が予測開始のトリガ条件に該当するか否かを確認し、該当する場合(S2でYES)には入力要素があるかをチェックする。入力要素があれば(S3でYES)、協調予測制御部30は、ナビ制御部8又は室内環境制御部15(車両情報制御部)に対して協調予測制御に必要なデータ(表1参照)を要求し(S4)、得られたデータはデータ保存領域ADに保存される(図1参照)。次いで、協調予測制御(S5;図6参照)を実行し、RAM30dの予測ルール保存領域ARに保存された予測ルールにデータ保存領域ADに保存されたデータをあてはめ、予測結果に応じてCPU8b,15bに制御信号を出力する。その後、IDルールに変更があるか確認し、変更があれば(S6でYES)ルールIDをインクリメントしてから(S7)、リターンする。
【0041】
なお、S3でNO(入力要素なし)の場合には、S8で入力デフォルト値(表1参照)を読み込んでからS4に移行する。また、S2でNO(予測開始トリガ条件に該当せず)の場合にはS6にジャンプし、S6でNO(IDルールに変更なし)の場合にはそのままリターンする。
【0042】
図6は第一実施例の協調予測制御の詳細フローチャートを示し、図5におけるS5の内容が具体的に表わされている。また、図7及び図8は、図6の制御が行われる際の車両の状況を表わしている。
【0043】
図6のフローチャートにおいて、まずエアコン調整タイマを初期化して計時スタートする(S11)。このエアコン調整タイマは、プログラムスタートからの、又はエアコンの温湿度調整を開始してからの経過時間を計時しているので、エアコンの温湿度調整開始直後にリセットされる。次に、現在携帯電話等の外部ネットワーク14(図2)から気象データを取得可能であるかを確認し、取得できない場合(S12でNO)には、外部ネットワークから過去に取得した気象データがあるかを判断する。過去の気象データがあれば(S13でYES)、運転環境データとして大気センサ群16のうち外気の温湿度と気圧、風力センサ群17のうち外気の風向及び風速がそれぞれ検出される(S14)。そして、S13の過去の気象データと、S14で検出した運転環境データと、ナビ制御部8での最適経路に関する地図データとから、その最適経路上の中間地点通過時及び/又は目的地到着時の天候を予測する(S15)。さらに、S15で予測した天候が上記気象データ又は過去に予測した天候データから変化しているかを判断し、変化している場合(S16でYES)には、エアコン調整タイマが所定時間(例えば10分間)経過しているかをチェックする。このときタイマが所定時間経過していれば(S17でYES)、S18にてデータに各種補正を加えた後にエアコンの温湿度調整を行い(S19)、S11にリターンする。S16でNOの場合、及びS17でNOの場合には、S12にリターンする。なお、S19のエアコン温湿度調整に先立ち、音声や表示により乗員に対するメッセージ確認を行ってもよい。また、S14で検出される大気圧には海抜からの高度補正がなされている。
【0044】
図6に示すように、S19でエアコンの温湿度調整を開始した直後に、S11でエアコン調整タイマをリセットしているので、温湿度調整開始後の所定時間はたとえ天候予測が再び変化してもすぐにエアコンの再調整が行われない(S17でNOとなる)ようになっている。これによって、エアコンの温湿度調整が頻繁にON・OFFを繰り返し、ハンチングを起こすのを防止している。
【0045】
以上の説明は、図8の示す状況に対応している。図8において、出発時点(現在地)では携帯電話等の外部ネットワーク14(図2)と接続可能で、目的地について例えば「北の風、晴れ…低気圧接近するが降水確率は低い」との気象データが得られる。しかし、平地走行から山地に近づくにつれて外部ネットワーク14と繋がらなくなり、新たな気象データを得られなくなることがある(図6のS12でNOの状態)。このようなとき、車両に備えられる風力センサ群17(図3)により、「風が北風から強い南風に変化した」との検出データ、及び車両に備えられる大気センサ群16(図3)により、「大気は高温多湿で、気圧が下がっている」との検出データが協調予測制御部30にもたらされた場合を想定する(図6のS14)。また、ナビ制御部8の最適経路に関する地図データには「目的地は北側の山頂付近」と表示されているものとする。ところで、『高湿度の大気が低気圧や山に当たって上昇気流を生じると天候は雨模様になりやすい』との天候ルールが存在する。そこで、最適経路上での風向変化を天候予測開始のトリガ条件とし、上記ルールに従って最適経路上の中間地点通過時あるいは目的地到着時の天候を予測したところ、図8に示すように中間地点通過時の降水確率が出発時よりも高まっている(図6のS16でYESの状態)。
【0046】
このように、これから先途中で雨が降り出す確率が高いことが判明したときに、協調予測制御部30(CPU30b;環境制御指令手段)は室内環境制御部15(CPU15b)に対して、室内環境の制御信号を出力する(具体的には、S19において、車両が中間降雨地の手前で所定距離(例えば50km)又は所定時間(例えば1時間)以内に近づいたときに、エアコンディショナ制御回路24を駆動してエアコン等を稼働させ、車室内の温湿度調整を行う)。そして、この協調予測制御部30(CPU30b;環境制御指令手段)による室内環境の制御信号は、車両制御システム60において室内環境制御部15(CPU15b)が出力する室内環境の制御信号に優先して処理され、降雨の予想される中間地点通過時までに快適な室内環境を整えることができる。
【0047】
協調制御システムにおける車室内の温湿度調整には、以下に例示するような種々の補正やパラメータが考慮される。
(1)ナビ制御部8の最適経路に関して「これから長い上り坂が続く」との地図データがあるので、エアコンの効きをよくするために坂道になる前の平地で温湿度調整を行うようにする。あるいは、ナビ制御部8の現在位置データにより車両が中間降雨地の手前50kmに近づいたので、エアコンを早目に稼働させて温湿度調整を行い、エンジンへの負担を軽くする。[地図データ補正]
(2)車両センサ群19(図3)が「空車車両重量が大でエンジン出力は低め、車室内容量も大」との運転環境データを検出しているので、エンジンにかかる負荷を均すために平地で温湿度調整を行う。[車両センサ補正]
(3)シートセンサ群18(図3)が「チャイルドシート使用(乳幼児乗車)」との運転環境データを検出しているので、車室温を下げすぎないようにする。[シートセンサ補正]
(4)乗員情報入力器20(図3)により「暑がりの大人が乗車している」との個人的データ(運転環境データ)が入力されているので、除湿力を最大とする。[乗員情報補正]
【0048】
図6に戻り、S12において外部ネットワークから気象データが取得可能である場合(S12でYES)には、外部ネットワークから取得した気象データが過去のデータから変化したか否かをチェックし、変化があれば(S20でYES)エアコン調整タイマの所定時間経過を確認し(S17でYES)、上記と同様に各種補正を加えた後にエアコンの温湿度調整を行い(S18・S19)、S11にリターンする。図7に示すように、ナビ制御部8の最適経路に関する地図データにおいて中間地点通過時の車両位置予測ができるので、外部ネットワークから取得した気象データの変化を監視すれば、目的地に至るまでの間の天候の変化を予測することができる。なお、S20でNOの場合には、S12にリターンする。
【0049】
(実施例2)
本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。本発明に係る車両の協調制御システムの全体構成を図9に示す。この協調制御システム100は、主として協調予測制御部30とナビ制御部8(車載ナビゲーション制御部)と車両情報制御部15とから構成されている。
【0050】
各制御部30,8,15はマイクロコンピュータで構成され、それぞれのI/Oインターフェース30a,8a,15aとCPU30b,8b,15b、ROM30c,8c,15c、RAM30d,8d,15dとがバスライン30e,8e,15eで接続されている。また、協調予測制御部30のI/Oインターフェース30aは、ナビ制御部8のI/Oインターフェース8aと車両情報制御部15のI/Oインターフェース15aとにそれぞれ接続されている。
【0051】
これによって、ナビ制御部8に入力された各種データの全部又は一部は、CPU8bの送信指令又はCPU30bの送信要求により、I/Oインターフェース8a,30aを介してRAM30dのデータ保存領域AD(ワークエリア)に一時保存される。同様に、車両情報制御部15に入力された各種データの全部又は一部は、CPU15bの送信指令又はCPU30bの送信要求により、I/Oインターフェース15a,30aを介してRAM30dのデータ保存領域AD(ワークエリア)に一時保存される。データ保存領域ADに入力(保存)されたこれらのデータは、協調制御システム100での制御のために使用されるが、使用後用途のなくなったデータや制御に使用されなかったデータは、所定時間毎に消去され又は書き換えられる。他方、CPU30bから出力される制御コマンド(制御信号)は、I/Oインターフェース30aと8a(及び/又は15a)とを介してCPU8b(及び/又は15b)に伝達される。なお、ナビ制御部8に入力されるデータ及びそれらのデータを用いてナビシステム50(車載ナビゲーションシステム)で実行される制御の内容、並びに、車両情報制御部15に入力されるデータ及びそれらのデータを用いて車両制御システム60で実行される制御の内容については後述する。
【0052】
また、RAM30dの予測ルール保存領域AR(ワークエリア)には、例えばICカード、光磁気ディスク(MO)のようにデータ更新可能な協調予測情報記録媒体31とBluetooth(登録商標)のような無線通信技術を用い、I/Oインターフェース30aを介して予測制御に必要なルールが予め保存されている。したがって、本発明の協調予測制御部30(CPU30b)は、所定の条件をトリガとして、RAM30dの予測ルール保存領域ARに保存された予測ルールにデータ保存領域ADに保存されたデータをあてはめ、予測結果に応じてCPU8b,15bに制御信号を出力する。
【0053】
図10はナビシステム50の詳細を示すブロック図である。ナビ制御部8のI/Oインターフェース8aの入力ポート側には、位置検出器1(位置検出手段)、地図データ入力器6(地図データ入力手段)、操作スイッチ群7及びリモコンセンサ11が接続されている。位置検出器1は、地磁気センサ2、ジャイロスコープ3、距離センサ(車速センサ)4、及び衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機を有している。これらのセンサ等2,3,4,5は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサ等により各々補間しながら使用するように構成されている。なお、十分な精度が得られる場合には、これらの一部で位置検出器1を構成してもよい。また、位置検出器1として、ステアリングの回転センサ、各駆動輪の車輪回転センサ等を用いてもよい。
【0054】
地図データ入力器6は、位置検出の精度向上のために、マップマッチング用データ、地図データ及び目印データを含む各種データを入力するための入力装置である。データ量に応じて、DVD−ROM、CD−ROM、メモリカード、ハードディスク等の記録媒体から選択使用される。操作スイッチ群7には、例えば表示装置(後述)と一体になったタッチスイッチ、メカニカルスイッチ、音声認識スイッチ等が用いられ、各種入力に使用される。リモコンセンサ11は、リモコン12(リモートコントロール端末)で操作されたデータ内容を検知して入力する。
【0055】
I/Oインターフェース8aの出力ポート側には、表示装置10が接続されている。表示装置10の画面には、位置検出器1から入力された車両現在位置マークと、地図データ入力器6より入力された地図データと、その地図上に描かれる誘導経路(最適経路)等の付加データとを重ねてカラー表示することができる。
【0056】
さらに、I/Oインターフェース8aには、携帯電話、VICS、FM多重信号受信機等の移動体通信機器13が接続され、ナビ制御部8とインターネット、専用情報センタ等の外部ネットワーク14との双方向通信が可能である。外部ネットワーク14から移動体通信機器13を介して入力されるデータ(例えば、気象データ、花粉飛散データ、災害データ等)の表示方法として、VICS等では次の3種が考慮されている。すなわち、(1)ナビシステム用の表示装置10の地図表示画面に重ね表示する地図表示型、(2)FM文字多重放送のように文字と簡易図形で表示する簡易図形表示型、(3)液晶表示板等に文字情報のみを表示する文字表示型の3種である。したがって、テキストデータに自動変換してナビ制御部8のRAM8dに直接記憶させたり、自動認識した文字・図形を表示装置10の地図表示画面に重ね表示しリモコン12でクリックして記憶させたり、あるいはリモコン12によるデータ内容の人為的入力操作で地図表示画面とともに記憶させたりすることで、外部ネットワーク14からの入力データを後述する予測制御に活用できる。なお、I/Oインターフェース8aには、各種データの入出力を行うための外部メモリ9も接続されている。また、既述の通り、ナビ制御部8のデータを協調予測制御部30へ提供して協調制御信号を受け取るために、I/Oインターフェース8aは協調予測制御部30のI/Oインターフェース30aと接続されている。
【0057】
このように、リモコン12又は操作スイッチ群7から目的地を入力すると、車両の現在位置を位置検出器1で検出し、現在位置から目的地までの最適経路を自動選択して誘導経路を作成し、表示装置10に表示する経路案内が行われる。つまり、ナビ制御部50は、位置検出器1により車両の現在位置を測定し、経路探索手段(CPU8b)により目的地までの最適経路を探し出し、経路誘導手段(CPU8b)により最適経路に沿って車両を目的地まで誘導案内する機能を備えている。なお、最適経路の設定にはダイクストラ法等の手法が用いられる。
【0058】
図11は車両制御システム60の詳細を示すブロック図である。車両情報制御部15のI/Oインターフェース15aの入力ポート側には、大気センサ群16、風力センサ群17、シートセンサ群18、車両センサ群19、乗員情報入力器20(乗員情報入力手段)及び放送電波受信機25が接続されている。これらのセンサ群16,17,18,19は、運転環境検出手段としてそれぞれ対象となるデータ(運転環境データ)を検出する。大気センサ群16は、車室内及び外気(車室外)の気温・湿度・気圧を検出対象とする。風力センサ群17は、車両における風向・風速を検出対象とし、車速によるベクトル補正を行うことにより外気(車室外)の対地風向・風速を算出する。シートセンサ群18は、乗員の有無・乗車人数、チャイルドシートの有無(乳幼児の乗車有無)を検出対象とする。車両センサ群19は、空車車両重量、車体サイズ(車室内容量・乗車定員)、最低地上高等の車両固有データと、現在車両重量、エンジン出力、車速、ワイパの動作有無・速さ等の現在データとを検出対象とする。
【0059】
乗員情報入力器20は、運転環境検出手段として、各乗員の健康状態・病歴・嗜好等に関する個人的データを検出対象とし、これらのデータは、例えばICカード、光磁気ディスク(MO)のようにデータ更新可能な個人情報記録媒体21からBluetooth(登録商標)のような無線通信技術を用いて入力される。放送電波受信機25は、カーラジオ、液晶テレビ等の放送受信音声を音声認識技術等によって録音(入力)する。
【0060】
さらに、I/Oインターフェース15aには、エンジン制御回路22、ライト制御回路23及びエアコンディショナ制御回路24が接続され、これらはエンジン、ライト及びエアコン(車載エアコンディショナ)に関する各種データをそれぞれ車両情報制御部15に提供するとともに、車両情報制御部15からエンジン、ライト及びエアコンへの制御指令を受け取る。なお、既述の通り、車両情報制御部15のデータを協調予測制御部30へ提供して協調制御信号を受け取るために、I/Oインターフェース15aは協調予測制御部30のI/Oインターフェース30aと接続されている。
【0061】
車両情報制御部15は、上記運転環境検出手段(各センサ群)16,17,18,19により取得した運転環境データに基づいて車両の室内環境を制御するための室内環境制御部を構成している。すなわち、この室内環境制御部15は、エアコンディショナ制御回路24を駆動し、車室内の温湿度が所定値(所定範囲)になるように調整して車両の室内環境を制御する。
【0062】
ここで、図12を参照して本発明における予測制御の一般則について概説する。
まず、予測の手法について、次のような一般則が成り立つ。
(1)特定種類のデータについては、そのデータの時間変化(履歴)に基いて将来値を予測できる。例えば、渇水によりダムの水位が1m/日ずつ過去連続3日間低下した(図12:データ1→1’→1”)とき、明日の天気予報が晴れなのでさらに1m/日の水位が低下すると予測される。
(2)現時点での複数種類のデータから将来値を予測できる。例えば、集中豪雨のとき、現在の水位(図12:データ1”)と堤防の想定強度(図12:データ2)とから数時間以内の堤防の決壊を予測できるので、避難勧告が必要となる。
また、補正の手法について、次のような一般則が成り立つ。
(3)予測点(目的地到着途中のターゲット)に近づくほど誤差が小さく(精度が高く)なる。例えば、1週間先の天気予報よりも本日の天気予報の方がよく当たる。
(4)誤差はなくせないが、予測ルールの拡張・変化・見直し等によって誤差を小さくすることができる。例えば、農作物の収量予測の精度は年々向上している。
【0063】
図9の協調予測制御部30において、RAM30dの予測ルール保存領域ARには、上記一般則(1)〜(4)に基いて、例えば表2に示すような具体的な予測ルールが予め保存されている。
【0064】
【表2】
Figure 2004184285
【0065】
表2では、予測が開始されるトリガ条件に対応付けて、入力要素、入力要素欠落時の入力デフォルト値、データ要求内容、出力処理内容等が保存されている。そして、これらの入力要素に新たな予測技術やセンサ等が追加されたときには、それに応じて保存してある予測ルールが更新され、更新ルールに基づく協調制御(出力処理)が行われる。
【0066】
図13は本発明における協調予測制御部で実行される全体フローチャートを示す。まずS1において、IDルール(表2参照)を協調予測情報記録媒体31から予測ルール保存領域ARに読み込む(図9参照)。次に、ナビ制御部8又は室内環境制御部15(車両情報制御部)に入力されるセンサ検出値等(図10、図11参照)が予測開始のトリガ条件に該当するか否かを確認し、該当する場合(S2でYES)には入力要素があるかをチェックする。入力要素があれば(S3でYES)、協調予測制御部30は、ナビ制御部8又は室内環境制御部15(車両情報制御部)に対して協調予測制御に必要なデータ(表2参照)を要求し(S4)、得られたデータはデータ保存領域ADに保存される(図9参照)。次いで、協調予測制御(S5;図14参照)を実行し、RAM30dの予測ルール保存領域ARに保存された予測ルールにデータ保存領域ADに保存されたデータをあてはめ、予測結果に応じてCPU8b,15bに制御信号を出力する。その後、IDルールに変更があるか確認し、変更があれば(S6でYES)ルールIDをインクリメントしてから(S7)、リターンする。
【0067】
なお、S3でNO(入力要素なし)の場合には、S8で入力デフォルト値(表2参照)を読み込んでからS4に移行する。また、S2でNO(予測開始トリガ条件に該当せず)の場合にはS6にジャンプし、S6でNO(IDルールに変更なし)の場合にはそのままリターンする。
【0068】
図14は第二実施例の協調予測制御の詳細フローチャートを示し、図13におけるS5の内容が具体的に表わされている。また、図15は、図14の制御が行われる際の車両の状況を表わしている。
【0069】
図14のフローチャートにおいて、まず乗員情報入力器20(図11)により入力された個人的データ(運転環境データ)から、乗員の中に花粉症の人がいるかを確認する。花粉症の人がいる場合には(S31でYES)、現在携帯電話等の外部ネットワーク14(図10)から気象データ及び花粉飛散データを取得可能であるかを確認し、取得できない場合(S32でNO)には、外部ネットワークから過去に取得した花粉飛散データがあるかを判断する。過去の花粉飛散データがあれば(S33でYES)、運転環境データとして大気センサ群16のうち外気の温湿度と気圧、風力センサ群17のうち外気の風向及び風速がそれぞれ検出される(S34)。そして、S33の過去の花粉飛散データとS34で検出した運転環境データとから、その最適経路上の中間地点通過時及び/又は目的地到着時の天候を予測する(S35)。さらに、S35で予測した天候が上記気象データ又は過去に予測した天候データから変化しているかを判断し、変化している場合(S36でYES)には、天候の変化により花粉飛散エリアが変化(変動)したかを確認する。花粉飛散エリアが変動していれば(S37でYES)、ナビ制御部8へ経路再選択又は再経路探索の実行信号を出力し(S38)、最適経路を変更して(S39)、S31にリターンする。なお、S39の最適経路変更に先立ち、音声や表示により乗員に対するメッセージ確認を行ってもよい。また、S34で検出される大気圧には海抜からの高度補正がなされている。そして、予測した天候が変化していない場合(S36でNO)、及び花粉飛散エリアが変動していない場合(S37でNO)には、そのままS31にリターンする。
【0070】
一方、S32において外部ネットワークから花粉飛散データが取得可能である場合(S32でYES)には、外部ネットワークから取得した花粉飛散データが過去のデータから変化したか否かをチェックし、変化があれば(S40でYES)上記と同様にナビ制御部8へ経路再選択又は再経路探索の実行信号を出力し(S38)、最適経路を変更して(S39)、S31にリターンする。ただし、S40でNOの場合にはそのままS31にリターンする。
【0071】
以上の説明は、図15の示す状況に対応している。図15において、出発時点では携帯電話等の外部ネットワーク14(図10)と接続可能で、例えば「目的地に着くまでずっと雨で、花粉飛散量は非常に少ない」との気象データ及び花粉飛散データが得られる。したがって、「乗員の中に花粉症の人がいる」との乗員情報(図14のS31)のあるなしに拘わらず、ナビ制御部8の経路探索手段によって探索された最適経路A(ルートA案)に沿って走行させることができる。しかし、図15の中継地点に近づくにしたがって、地形の関係から外部ネットワーク14からの花粉飛散データが得られなくなり、さらに運転環境データとしての外気の風向及び風速、温湿度、気圧の検出データ(図14のS34)から予測される天候が外部ネットワーク14から過去に取得した気象データ又は過去の天候予測データから変化する(図14のS36)場合がある。
【0072】
ここでは、予測される天候が「目的地に到着する前に雨が上がり快晴に向かう」と変化した場合について考える。ところで、『花粉の放出量(飛散量)は、降雨時には少ないが、雨が上がるとそれまで溜め込んでいた分も含めて一気に大量放出する傾向がある』との花粉飛散ルールが存在する。そこで、天候変化を花粉飛散予測開始のトリガ条件とし、上記ルールに従って最適経路に関する地図データに予め記憶されている花粉飛散エリアの通過時点での花粉飛散の有無及び飛散量の大小を予測する。すなわち、地図データから「花粉飛散シーズン中であること」及び「最適経路周辺地形に杉木立が多いこと」がわかり、また車両に備えられる風力センサ群17(図11)の検出データにより、「この付近ではルートB案からルートA案の方向に風が吹いているので、最適経路としてきたルートA上に多量の花粉が飛散する可能性が高いこと」がわかる(図14のS37)。このとき、協調予測制御部30(CPU30b;経路変更指令手段)からナビ制御部8(CPU8b)へ再経路探索の実行信号が出力される(図14のS38)。すると、花粉飛散エリアの車両通過予定時刻における花粉濃度予測に応じて、道路ノードのコストに係数を掛ける処理がなされるので、花粉飛散量が多い(花粉を浴びる)ルートは相対的にコスト高となる。その結果、走行車両が中継地点に達するまでに、最適経路はこれまでのルートA案からルートB案に変更される(図14のS39)。
【0073】
このように、これから先途中で雨が上がり晴れる確率が高くなり、最適経路が花粉飛散エリアを通過することが判明したときに、協調予測制御部30(CPU30b;経路変更指令手段)はナビ制御部8(CPU8b)に対して再経路探索信号を出力する。ナビ制御部8では、花粉濃度予測に応じて道路ノードのコストに係数を掛ける処理を行った上で最適経路の探索がなされるので、花粉飛散の少ないルートを新たな最適経路とすることができる。なお、走行途中に健康上の不利益を引き起こすおそれのある原因として、上記花粉の他に光化学スモッグ等を例示することができる。
【0074】
(実施例3)
本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。本発明に係る車両の協調制御システムの全体構成を図16に示す。この協調制御システム100は、主として協調予測制御部30とナビ制御部8(車載ナビゲーション制御部)と車両情報制御部15とから構成されている。
【0075】
各制御部30,8,15はマイクロコンピュータで構成され、それぞれのI/Oインターフェース30a,8a,15aとCPU30b,8b,15b、ROM30c,8c,15c、RAM30d,8d,15dとがバスライン30e,8e,15eで接続されている。また、協調予測制御部30のI/Oインターフェース30aは、ナビ制御部8のI/Oインターフェース8aと車両情報制御部15のI/Oインターフェース15aとにそれぞれ接続されている。
【0076】
これによって、ナビ制御部8に入力された各種データの全部又は一部は、CPU8bの送信指令又はCPU30bの送信要求により、I/Oインターフェース8a,30aを介してRAM30dのデータ保存領域AD(ワークエリア)に一時保存される。同様に、車両情報制御部15に入力された各種データの全部又は一部は、CPU15bの送信指令又はCPU30bの送信要求により、I/Oインターフェース15a,30aを介してRAM30dのデータ保存領域AD(ワークエリア)に一時保存される。データ保存領域ADに入力(保存)されたこれらのデータは、協調制御システム100での制御のために使用されるが、使用後用途のなくなったデータや制御に使用されなかったデータは、所定時間毎に消去され又は書き換えられる。他方、CPU30bから出力される制御コマンド(制御信号)は、I/Oインターフェース30aと8a(及び/又は15a)とを介してCPU8b(及び/又は15b)に伝達される。なお、ナビ制御部8に入力されるデータ及びそれらのデータを用いてナビシステム50(車載ナビゲーションシステム)で実行される制御の内容、並びに、車両情報制御部15に入力されるデータ及びそれらのデータを用いて車両制御システム60で実行される制御の内容については後述する。
【0077】
また、RAM30dの予測ルール保存領域AR(ワークエリア)には、例えばICカード、光磁気ディスク(MO)のようにデータ更新可能な協調予測情報記録媒体31とBluetooth(登録商標)のような無線通信技術を用い、I/Oインターフェース30aを介して予測制御に必要なルールが予め保存されている。したがって、本発明の協調予測制御部30(CPU30b)は、所定の条件をトリガとして、RAM30dの予測ルール保存領域ARに保存された予測ルールにデータ保存領域ADに保存されたデータをあてはめ、予測結果に応じてCPU8b,15bに制御信号を出力する。
【0078】
図17はナビシステム50の詳細を示すブロック図である。ナビ制御部8のI/Oインターフェース8aの入力ポート側には、位置検出器1(位置検出手段)、地図データ入力器6(地図データ入力手段)、操作スイッチ群7及びリモコンセンサ11が接続されている。位置検出器1は、地磁気センサ2、ジャイロスコープ3、距離センサ(車速センサ)4、及び衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機を有している。これらのセンサ等2,3,4,5は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサ等により各々補間しながら使用するように構成されている。なお、十分な精度が得られる場合には、これらの一部で位置検出器1を構成してもよい。また、位置検出器1として、ステアリングの回転センサ、各駆動輪の車輪回転センサ等を用いてもよい。
【0079】
地図データ入力器6は、位置検出の精度向上のために、マップマッチング用データ、地図データ及び目印データを含む各種データを入力するための入力装置である。データ量に応じて、DVD−ROM、CD−ROM、メモリカード、ハードディスク等の記録媒体から選択使用される。操作スイッチ群7には、例えば表示装置(後述)と一体になったタッチスイッチ、メカニカルスイッチ、音声認識スイッチ等が用いられ、各種入力に使用される。リモコンセンサ11は、リモコン12(リモートコントロール端末)で操作されたデータ内容を検知して入力する。
【0080】
I/Oインターフェース8aの出力ポート側には、表示装置10が接続されている。表示装置10の画面には、位置検出器1から入力された車両現在位置マークと、地図データ入力器6より入力された地図データと、その地図上に描かれる誘導経路(最適経路)等の付加データとを重ねてカラー表示することができる。
【0081】
さらに、I/Oインターフェース8aには、携帯電話、VICS、FM多重信号受信機等の移動体通信機器13が接続され、ナビ制御部8とインターネット、専用情報センタ等の外部ネットワーク14との双方向通信が可能である。外部ネットワーク14から移動体通信機器13を介して入力されるデータ(例えば、気象データ、花粉飛散データ、災害データ等)の表示方法として、VICS等では次の3種が考慮されている。すなわち、(1)ナビシステム用の表示装置10の地図表示画面に重ね表示する地図表示型、(2)FM文字多重放送のように文字と簡易図形で表示する簡易図形表示型、(3)液晶表示板等に文字情報のみを表示する文字表示型の3種である。したがって、テキストデータに自動変換してナビ制御部8のRAM8dに直接記憶させたり、自動認識した文字・図形を表示装置10の地図表示画面に重ね表示しリモコン12でクリックして記憶させたり、あるいはリモコン12によるデータ内容の人為的入力操作で地図表示画面とともに記憶させたりすることで、外部ネットワーク14からの入力データを後述する予測制御に活用できる。なお、I/Oインターフェース8aには、各種データの入出力を行うための外部メモリ9も接続されている。また、既述の通り、ナビ制御部8のデータを協調予測制御部30へ提供して協調制御信号を受け取るために、I/Oインターフェース8aは協調予測制御部30のI/Oインターフェース30aと接続されている。
【0082】
このように、リモコン12又は操作スイッチ群7から目的地を入力すると、車両の現在位置を位置検出器1で検出し、現在位置から目的地までの最適経路を自動選択して誘導経路を作成し、表示装置10に表示する経路案内が行われる。つまり、ナビ制御部50は、位置検出器1により車両の現在位置を測定し、経路探索手段(CPU8b)により目的地までの最適経路を探し出し、経路誘導手段(CPU8b)により最適経路に沿って車両を目的地まで誘導案内する機能を備えている。なお、最適経路の設定にはダイクストラ法等の手法が用いられる。
【0083】
図18は車両制御システム60の詳細を示すブロック図である。車両情報制御部15のI/Oインターフェース15aの入力ポート側には、大気センサ群16、風力センサ群17、シートセンサ群18、車両センサ群19、乗員情報入力器20(乗員情報入力手段)及び放送電波受信機25が接続されている。これらのセンサ群16,17,18,19は、運転環境検出手段としてそれぞれ対象となるデータ(運転環境データ)を検出する。大気センサ群16は、車室内及び外気(車室外)の気温・湿度・気圧を検出対象とする。風力センサ群17は、車両における風向・風速を検出対象とし、車速によるベクトル補正を行うことにより外気(車室外)の対地風向・風速を算出する。シートセンサ群18は、乗員の有無・乗車人数、チャイルドシートの有無(乳幼児の乗車有無)を検出対象とする。車両センサ群19は、空車車両重量、車体サイズ(車室内容量・乗車定員)、最低地上高等の車両固有データと、現在車両重量、エンジン出力、車速、ワイパの動作有無・速さ等の現在データとを検出対象とする。
【0084】
乗員情報入力器20は、運転環境検出手段として、各乗員の健康状態・病歴・嗜好等に関する個人的データを検出対象とし、これらのデータは、例えばICカード、光磁気ディスク(MO)のようにデータ更新可能な個人情報記録媒体21からBluetooth(登録商標)のような無線通信技術を用いて入力される。放送電波受信機25は、カーラジオ、液晶テレビ等の放送受信音声を音声認識技術等によって録音(入力)する。
【0085】
さらに、I/Oインターフェース15aには、エンジン制御回路22、ライト制御回路23及びエアコンディショナ制御回路24が接続され、これらはエンジン、ライト及びエアコン(車載エアコンディショナ)に関する各種データをそれぞれ車両情報制御部15に提供するとともに、車両情報制御部15からエンジン、ライト及びエアコンへの制御指令を受け取る。なお、既述の通り、車両情報制御部15のデータを協調予測制御部30へ提供して協調制御信号を受け取るために、I/Oインターフェース15aは協調予測制御部30のI/Oインターフェース30aと接続されている。
【0086】
車両情報制御部15は、上記運転環境検出手段(各センサ群)16,17,18,19により取得した運転環境データに基づいて車両の室内環境を制御するための室内環境制御部を構成している。すなわち、この室内環境制御部15は、エアコンディショナ制御回路24を駆動し、車室内の温湿度が所定値(所定範囲)になるように調整して車両の室内環境を制御する。
【0087】
ここで、図19を参照して本発明における予測制御の一般則について概説する。
まず、予測の手法について、次のような一般則が成り立つ。
(1)特定種類のデータについては、そのデータの時間変化(履歴)に基いて将来値を予測できる。例えば、渇水によりダムの水位が1m/日ずつ過去連続3日間低下した(図19:データ1→1’→1”)とき、明日の天気予報が晴れなのでさらに1m/日の水位が低下すると予測される。
(2)現時点での複数種類のデータから将来値を予測できる。例えば、集中豪雨のとき、現在の水位(図19:データ1”)と堤防の想定強度(図19:データ2)とから数時間以内の堤防の決壊を予測できるので、避難勧告が必要となる。
また、補正の手法について、次のような一般則が成り立つ。
(3)予測点(目的地到着途中のターゲット)に近づくほど誤差が小さく(精度が高く)なる。例えば、1週間先の天気予報よりも本日の天気予報の方がよく当たる。
(4)誤差はなくせないが、予測ルールの拡張・変化・見直し等によって誤差を小さくすることができる。例えば、農作物の収量予測の精度は年々向上している。
【0088】
図16の協調予測制御部30において、RAM30dの予測ルール保存領域ARには、上記一般則(1)〜(4)に基いて、例えば表3に示すような具体的な予測ルールが予め保存されている。
【0089】
【表3】
Figure 2004184285
【0090】
表3では、予測が開始されるトリガ条件に対応付けて、入力要素、入力要素欠落時の入力デフォルト値、データ要求内容、出力処理内容等が保存されている。そして、これらの入力要素に新たな予測技術やセンサ等が追加されたときには、それに応じて保存してある予測ルールが更新され、更新ルールに基づく協調制御(出力処理)が行われる。
【0091】
図20は本発明における協調予測制御部で実行される全体フローチャートを示す。まずS1において、IDルール(表3参照)を協調予測情報記録媒体31から予測ルール保存領域ARに読み込む(図16参照)。次に、ナビ制御部8又は室内環境制御部15(車両情報制御部)に入力されるセンサ検出値等(図17、図18参照)が予測開始のトリガ条件に該当するか否かを確認し、該当する場合(S2でYES)には入力要素があるかをチェックする。入力要素があれば(S3でYES)、協調予測制御部30は、ナビ制御部8又は室内環境制御部15(車両情報制御部)に対して協調予測制御に必要なデータ(表3参照)を要求し(S4)、得られたデータはデータ保存領域ADに保存される(図16参照)。次いで、協調予測制御(S5;図21参照)を実行し、RAM30dの予測ルール保存領域ARに保存された予測ルールにデータ保存領域ADに保存されたデータをあてはめ、予測結果に応じてCPU8b,15bに制御信号を出力する。その後、IDルールに変更があるか確認し、変更があれば(S6でYES)ルールIDをインクリメントしてから(S7)、リターンする。
【0092】
なお、S3でNO(入力要素なし)の場合には、S8で入力デフォルト値(表3参照)を読み込んでからS4に移行する。また、S2でNO(予測開始トリガ条件に該当せず)の場合にはS6にジャンプし、S6でNO(IDルールに変更なし)の場合にはそのままリターンする。
【0093】
図21は第三実施例の協調予測制御の詳細フローチャートを示し、図20におけるS5の内容が、災害発生時においてより危険性の低い場所への速やかな避難を支援する移動フェーズとして具体的に表わされている。
【0094】
図21のフローチャートにおいて、まず現在携帯電話等の外部ネットワーク14(図17)から災害データを取得可能であるかを確認し、取得できない場合(S51でNO)には、放送電波から災害データを取得する(S52)。このように、ラジオ・テレビ放送局から送信される災害データ(放送電波)は、情報密度において外部ネットワークから取得されるデータに劣るものの、基盤整備の点では外部ネットワークよりもまだ信頼度が高い。したがって、「外部ネットワークからは既に災害データを取得できなくなっているが、放送電波からは災害データを取得できる」という事態は、現時点で災害が発生した場合に十分想定される。さらに、運転環境データとして大気センサ群16のうち外気の温湿度と気圧、風力センサ群17のうち外気の風向及び風速、車両センサ群19のうちワイパの動作有無及び速さがそれぞれ検出される(S53)。なお、S53で検出される大気圧には海抜からの高度補正がなされており、ワイパの動作有無及び速さから雨の強さ(雨量)が推定される。
【0095】
そして、S52の災害データと、S53で検出した運転環境データと、ナビ制御部8の位置検出器1(図17)により取得した現在位置データとから、車両の現在の危険度を予測する(S54)。さらに、S54で予測した危険度が一定レベル以上であるかを判断し、一定レベル以上となっている場合(S55でYES)には、協調予測制御部30(CPU30b;避難経路自動検索手段)からナビ制御部8へ経路探索の緊急実行信号を出力し、最適避難経路を決定して(S56)、S51にリターンする。なお、S56の最適避難経路決定に先立ち、音声や表示により乗員に対するメッセージ確認を行ってもよい。
【0096】
この避難経路探索を実施するには、複数の避難場所を目的候補地とし、現在位置から各候補地への経路コストをそれぞれ算出し、S53で取得した運転環境データに基づいて各経路コストを補正し、補正経路コストが最低となる経路を最適避難経路と定め、その最適避難経路の目的地を避難場所と定めることとしている。
ここで、経路コストの補正は例えば次のように行われる。
(1)湛水しやすい窪地等のコストは高く設定する(例:鉄道をくぐる地下道)。
(2)弱者(乳幼児・高齢者・身体障害者・負傷者等)が乗車している場合、駐車場から建物に至る屋根・階段の有無等もコストに反映される。
(3)距離が遠い又は時間がかかる避難場所まではコスト高となる。
(4)相対的に重量が大きい車両、排気管地上高が低い車両での移動はコスト高となる。
【0097】
なお、S51において外部ネットワークから災害データが取得可能である場合(S51でYES)には、外部ネットワークから災害データを取得し(S57)、S53に移る。従って、この場合には、S54の危険度予測において、外部ネットワーク及び放送電波から取得した災害データのうちいずれか一方又は両方を用いることができる。また、S55において、危険度が一定レベルを下回る場合(S55でNO)にはS51にリターンすることとしたが、現在地に最も近い避難場所を目的地として最適避難経路を設定してもよい。
【0098】
図22は第三実施例の協調予測制御の退避フェーズとして、放送電波の省エネ録音・再生モードを示すフローチャートを示す。この図は、災害発生時において、避難場所あるいは自宅において、また走行中あるいは停車中において、車両に備え付けのラジオ・液晶テレビ等により低消費電力で放送電波を受信する手順を表わしている。
【0099】
図22のフローチャートにおいて、まず緊急情報留守録音モードであるかを確認し、当該モードにセットされている場合(S61でYES)には、シートセンサ群18(図18)がすべてOFF、すなわち乗員なしであるかをチェックする。乗員なしが確認されると(S61でYES)、放送電波を受信してその音声を第一レコーダ(第一録音手段)に一時的に録音する(S63)。その録音中に、災害発生時のキーワードである「台風」・「地震」・「津波」・「天気」・「風力」・「ヘクトパスカル」・「警報」等が検出されると(S64でYES)、その検出時刻(放送時刻)とキーワードの前後所定時間(例えば前後各3分間)分の録音音声とを第二レコーダ(第二録音手段)へ録音(ダビング)する(S65)。第二レコーダへのダビングが終了すると、ポジションランプを所定時間(例えば30秒間)点滅させて(S66)、車両から離れて避難している乗員に緊急情報(放送受信音声)が録音されたことを報知し、S61にリターンする。なお、S64のキーワード検出は、第一レコーダに録音されパワーアンプ(増幅器)作動前の放送受信音声波形に対して、音声認識処理を施すことによって行われ、車両用バッテリの消費が抑制されるので第一レコーダを長時間作動させることができる。第一レコーダは所定時間を経過すると重ね録音されるエンドレスなものが望ましい。
【0100】
車外に避難していた乗員がポジションランプの点滅に気が付いて、緊急情報再生スイッチをONすると(S67でYES)、第二レコーダの録音有無を確認後(S68でYES)、第二レコーダの録音内容をスピーカ(再生手段)で再生する。なお、第二レコーダに録音がなければ(S68でNO)、「緊急情報なし」を報知する(S70)。
【0101】
なお、図22(退避フェーズ)のフローチャートは、図21(移動フェーズ)のS52において放送電波から災害データを取得する際に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両の協調制御システムに係る第一実施例の全体構成を示すブロック図。
【図2】図1のナビシステムの詳細を示すブロック図。
【図3】図1の車両制御システムの詳細を示すブロック図。
【図4】本発明における予測制御の一般則の説明図。
【図5】本発明における協調予測制御部で実行される全体フローチャート。
【図6】第一実施例の協調予測制御の詳細フローチャート。
【図7】図6の協調予測制御が行われる状況の説明図。
【図8】図7とは異なる状況の説明図。
【図9】本発明の車両の協調制御システムに係る第二実施例の全体構成を示すブロック図。
【図10】図9のナビシステムの詳細を示すブロック図。
【図11】図9の車両制御システムの詳細を示すブロック図。
【図12】本発明における予測制御の一般則の説明図。
【図13】本発明における協調予測制御部で実行される全体フローチャート。
【図14】第二実施例の協調予測制御の詳細フローチャート。
【図15】図14の協調予測制御が行われる状況の説明図。
【図16】本発明の車両の協調制御システムに係る第三実施例の全体構成を示すブロック図。
【図17】図16のナビシステムの詳細を示すブロック図。
【図18】図16の車両制御システムの詳細を示すブロック図。
【図19】本発明における予測制御の一般則の説明図。
【図20】本発明における協調予測制御部で実行される全体フローチャート。
【図21】第三実施例の協調予測制御の移動フェーズを示す詳細フローチャート。
【図22】第三実施例の協調予測制御の退避フェーズとして、放送電波の省エネ録音・再生モードを示すフローチャート。
【符号の説明】
1 位置検出器(位置検出手段)
8 ナビ制御部(車載ナビゲーション制御部)
8b CPU(経路探索手段;経路誘導手段)
15 室内環境制御部
16 大気センサ群(運転環境検出手段)
17 風力センサ群(運転環境検出手段)
18 シートセンサ群(運転環境検出手段)
19 車両センサ群(運転環境検出手段)
20 乗員情報入力器(乗員情報入力手段;運転環境検出手段)
30 協調予測制御部
30b CPU(天候予測手段;環境制御指令手段/不利益予測手段;経路変更指令手段/危険度予測手段;避難経路自動検索手段)
100 協調制御システム

Claims (17)

  1. 位置検出手段により車両の現在位置データを取得し、経路探索手段により目的地までの経路を検索し、経路誘導手段により前記経路に沿って前記車両を目的地まで誘導案内する車載ナビゲーション制御部(以下、ナビ制御部という)と、前記車両に備えられる運転環境検出手段により取得した運転環境データに基づいてその車両の室内環境を制御する室内環境制御部とを備えた車両の協調制御システムであって、
    外部ネットワークから取得した気象データと前記運転環境検出手段により取得した運転環境データとのうちの少なくとも一方のデータと、前記経路に関する地図データとに基づいて、その経路上の天候を予測する天候予測手段と、
    その天候予測手段により予測される経路上の天候と、前記車両の現在位置データとに基づいて、前記室内環境制御部へ室内環境の制御信号を出力する環境制御指令手段と、
    を含むことを特徴とする車両の協調制御システム。
  2. 位置検出手段により車両の現在位置データを取得し、経路探索手段により目的地までの経路を検索し、経路誘導手段により前記経路に沿って前記車両を目的地まで誘導案内する車載ナビゲーション制御部(以下、ナビ制御部という)と、前記車両に備えられる運転環境検出手段により取得した運転環境データに基づいてその車両の室内環境を制御する室内環境制御部とを備えた車両の協調制御システムであって、
    前記経路に沿っての走行中において、外部ネットワークから過去に取得した気象データと、前記運転環境検出手段としての外気の風向及び風速、温湿度、気圧の各検出手段により取得した運転環境データと、前記経路に関する地図データとに基づいて、その経路上の天候を予測する天候予測手段と、
    その天候予測手段により予測される経路上の天候と、前記車両の現在位置データとに基づいて、前記室内環境制御部へ室内環境の制御信号を出力し、車載エアコンディショナによる車室内の温湿度調整を行う環境制御指令手段と、
    を含むことを特徴とする車両の協調制御システム。
  3. 前記環境制御指令手段から前記室内環境制御部へ出力される室内環境の制御信号は、前記運転環境検出手段により取得した運転環境データに基づく室内環境の制御信号に優先して処理される請求項1又は2に記載の車両の協調制御システム。
  4. 前記環境制御指令手段から前記室内環境制御部へ出力される室内環境の制御信号の内容は、前記経路に関する地図データにより補正される請求項1ないし3のいずれか1項に記載の車両の協調制御システム。
  5. 前記室内環境制御部には、前記車両に対して室内環境の制御を行う場合の各乗員の健康状態・病歴・嗜好等に関する個人的データが乗員情報入力手段を介して予め入力されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の車両の協調制御システム。
  6. 前記室内環境制御部には、前記運転環境データとして乗車人数及び/又は乳幼児の乗車有無が入力される請求項1ないし5のいずれか1項に記載の車両の協調制御システム。
  7. 前記室内環境制御部には、前記車両に対して室内環境の制御を行う際のパラメータとして、空車車両重量、現在車両重量、エンジン出力、車室内容量及び乗車定員から選ばれた少なくとも1種が入力される請求項1ないし6のいずれか1項に記載の車両の協調制御システム。
  8. 位置検出手段により車両の現在位置データを取得し、経路探索手段により目的地までの経路を検索し、経路誘導手段により前記経路に沿って前記車両を目的地まで誘導案内する車載ナビゲーション制御部(以下、ナビ制御部という)と、前記車両に備えられる運転環境検出手段により取得した運転環境データに基づいてその車両の室内環境を制御する室内環境制御部とを備えた車両の協調制御システムであって、
    外部ネットワークから取得した健康不利益データ及び/又は前記運転環境検出手段により取得した運転環境データに基づいて、前記経路に関する地図データに予め記憶されている健康不利益エリアの通過時点での健康不利益発生の有無を予測する不利益予測手段と、
    その不利益予測手段が前記健康不利益エリア通過時における健康不利益の発生を予測した場合に、その予測に基づいて前記経路を変更させ得る経路変更指令手段と、
    を含むことを特徴とする車両の協調制御システム。
  9. 位置検出手段により車両の現在位置データを取得し、経路探索手段により目的地までの経路を検索し、経路誘導手段により前記経路に沿って前記車両を目的地まで誘導案内する車載ナビゲーション制御部(以下、ナビ制御部という)と、前記車両に備えられる運転環境検出手段により取得した運転環境データに基づいてその車両の室内環境を制御する室内環境制御部とを備えた車両の協調制御システムであって、
    前記経路に沿っての走行中において、外部ネットワークから過去に取得した花粉飛散データと、前記運転環境検出手段としての外気の風向及び風速、温湿度、気圧の各検出手段により取得した運転環境データとに基づいて、前記経路に関する地図データに予め記憶されている花粉飛散エリアの通過時点での花粉飛散の有無及び飛散量の大小を予測する不利益予測手段と、
    その不利益予測手段が前記花粉飛散エリア通過時における花粉の飛散を予測した場合に、その予測に基づいて前記ナビ制御部へ経路再選択又は再経路探索の実行信号を出力して前記経路を変更させ得る経路変更指令手段と、
    を含むことを特徴とする車両の協調制御システム。
  10. 前記不利益予測手段は、前記外部ネットワークから過去に取得した花粉飛散データと、前記運転環境検出手段により取得した運転環境データとに基づいて、前記花粉飛散エリア通過時の天候を予測し、その予測される天候を予測因子として花粉飛散の有無及び飛散量の大小を予測する請求項9に記載の車両の協調制御システム。
  11. 前記室内環境制御部には、各乗員の健康状態・病歴・嗜好等に関する個人的データが乗員情報入力手段を介して予め入力されている請求項8ないし10のいずれか1項に記載の車両の協調制御システム。
  12. 位置検出手段により車両の現在位置データを取得し、経路探索手段により目的地までの経路を検索し、経路誘導手段により前記経路に沿って前記車両を目的地まで誘導案内する車載ナビゲーション制御部(以下、ナビ制御部という)と、前記車両に備えられる運転環境検出手段により取得した運転環境データに基づいてその車両の室内環境を制御する室内環境制御部とを備えた車両の協調制御システムであって、
    災害発生時において、外部ネットワーク及び放送電波のうちの少なくとも一方から取得した災害データと、前記運転環境検出手段により取得した運転環境データと、前記ナビ制御部の位置検出手段により取得した現在位置データとに基づいて、その車両の現在の危険度を予測する危険度予測手段と、
    その危険度予測手段が所定レベル以上の危険度を予測したとき、その予測に基づいて前記ナビ制御部の経路探索手段へ経路探索の緊急実行信号を出力し、前記ナビ制御部の地図データに危険度が所定レベル以下として予め記憶された避難場所を目的地とする避難経路を定める避難経路自動検索手段と、
    を含むことを特徴とする車両の協調制御システム。
  13. 危険度の予測に用いられる前記運転環境検出手段は、外気の風向と風速、温湿度、気圧及びワイパの動作有無と速さから選ばれた少なくとも1種を検出する請求項12に記載の車両の協調制御システム。
  14. 前記経路探索手段による避難経路の探索は、複数の避難場所を目的候補地とし、現在位置から各候補地への経路コストをそれぞれ算出し、前記運転環境検出手段により取得した運転環境データに基づいて各経路コストを補正し、
    その結果、補正経路コストが最低となる経路を前記避難経路と定め、その避難経路の目的地を避難場所と定める請求項12又は13に記載の車両の協調制御システム。
  15. 位置検出手段により車両の現在位置データを取得し、経路探索手段により目的地までの経路を検索し、経路誘導手段により前記経路に沿って前記車両を目的地まで誘導案内する車載ナビゲーション制御部(以下、ナビ制御部という)と、前記車両に備えられる運転環境検出手段により取得した運転環境データに基づいてその車両の室内環境を制御する室内環境制御部とを備えた車両の協調制御システムであって、
    災害発生時において放送電波を受信してその音声を一時的に録音する第一録音手段と、
    その第一録音手段に録音された放送受信音声波形から所定のキーワードを検出する音声認識手段と、
    その音声認識手段がいずれかのキーワードを検出したとき、前記第一録音手段に録音された放送受信音声をそのキーワードの前後所定時間にわたりその検出時刻とともに録音することにより、所定のキーワードを含む部分のみを選択して音声増幅することなく録音可能とした第二録音手段と、
    その第二録音手段に録音された音声を増幅して再生する再生手段と、
    を含むことを特徴とする車両の協調制御システム。
  16. 前記第二録音手段に放送受信音声が録音されたことを車外に向けて報知する報知手段が設けられている請求項15に記載の車両の協調制御システム。
  17. 位置検出手段により車両の現在位置データを取得し、経路探索手段により目的地までの経路を検索し、経路誘導手段により前記経路に沿って前記車両を目的地まで誘導案内する車載ナビゲーション制御部(以下、ナビ制御部という)と、前記車両に備えられる運転環境検出手段により取得した運転環境データに基づいてその車両の室内環境を制御する室内環境制御部とを備えた車両の協調制御システムであって、
    災害発生時において、外部ネットワーク及び放送電波のうちの少なくとも一方から取得した災害データと、前記運転環境検出手段により取得した運転環境データと、前記ナビ制御部の位置検出手段により取得した現在位置データとに基づいて、その車両の現在の危険度を予測する危険度予測手段と、
    その危険度予測手段が所定レベル以上の危険度を予測したとき、その予測に基づいて前記ナビ制御部の経路探索手段へ経路探索の緊急実行信号を出力し、前記ナビ制御部の地図データに危険度が所定レベル以下として予め記憶された避難場所を目的地とする避難経路を定める避難経路自動検索手段と、
    災害発生時において前記放送電波を受信してその音声を一時的に録音する第一録音手段と、
    その第一録音手段に録音された放送受信音声波形から所定のキーワードを検出する音声認識手段と、
    その音声認識手段がいずれかのキーワードを検出したとき、前記第一録音手段に録音された放送受信音声をそのキーワードの前後所定時間にわたりその検出時刻とともに録音することにより、所定のキーワードを含む部分のみを選択して音声増幅することなく録音可能とした第二録音手段と、
    その第二録音手段に録音された音声を増幅して再生する再生手段と、
    を含むことを特徴とする車両の協調制御システム。
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