JP7114160B2 - ドラム梱包用シート - Google Patents

Description

本発明は、ドラム梱包用シートに関する。

電線や光ファイバーなどのケーブルが巻き付けられたドラムを搬送するときには、複数のドラムをパレットに載せた状態で梱包することで、搬送効率を高めることができる。
従来のパレットの上面には、前後方向に延びている突起部が左右方向に間隔を空けて並べられている。そして、ドラムの軸方向を前後方向に配置して、二つの突起部の間にドラムを置くことで、ドラムをパレットに対して位置決めしている（例えば、特許文献１参照）。

特開２００２－３０８２７４号公報

前記した従来のドラムの搬送方法では、パレットに載せた全てのドラムの軸方向が同じ方向となる。このように複数のドラムを配置する場合には、複数のドラムの集合体の前後方向の長さと左右方向の長さとを揃えることが難しいため、複数のドラムを汎用の正方形のパレットに載せることが難しい。

そこで、従来は、複数のドラムの集合体に合わせて長方形に形成されたドラム搬送用のパレットを用意し、そのドラム搬送用のパレットが保管されている工場でドラムを梱包している。したがって、従来のドラムの搬送方法では、搬送コストが高くなるという問題がある。

本発明は、前記した問題を解決し、複数のドラムを汎用のパレットに対して容易かつコンパクトに位置決めして梱包できるドラム梱包用シートを提供することを課題とする。

前記課題を解決するため、本発明は、胴部の両端部に鍔板が設けられたドラムをパレットに対して位置決めするためのドラム梱包用シートであって、前記パレットの上面に重ねられる紙製のシート本体を備えている。前記シート本体には、前後左右の四つの載置領域が区画されている。前記載置領域には、前記ドラムの前記両鍔板の下端部がそれぞれ差し込まれる一対の差込部が形成されている。左前および右後の前記載置領域では、一対の前記差込部が前後方向および左右方向の一方に延びている。右前および左後の前記載置領域では、一対の前記差込部が前後方向および左右方向の他方に延びている。前記載置領域に形成された一対の前記差込部のうち一つの前記差込部は、前記シート本体の外縁部を窪ませた部位である。

本発明のドラム梱包用シートでは、パレットの上面に重ねたシート本体にドラムを載せて、ドラムの両鍔板の下端部を二つの差込部にそれぞれ差し込むことで、ドラムをパレットに対して容易に位置決めできる。そして、四つのドラムをパレットに対して位置決めした後に、四つのドラム、ドラム梱包用シートおよびパレットをストレッチフィルムなどの梱包材で囲むことによって、四つのドラムをパレットに載せた状態で梱包できる。

本発明のドラム梱包用シートでは、四つのドラムが前後左右に配置され、隣り合う両ドラムの軸方向が直交する。これにより、四つのドラムの集合体の前後方向の長さと左右方向の長さとを揃えることができる。したがって、四つのドラムを汎用の正方形のパレットにコンパクトに載せた状態で梱包できる。

本発明のドラム梱包用シートでは、シート本体が紙製であるため、ドラムの形状や大きさに合わせて差込部を容易に形成できるとともに、リサイクルし易い。
また、複数のシート本体を重ねて保管しておくことができるため、シート本体の保管スペースを確保し易い。

前記したドラム梱包用シートにおいて、前記載置領域に形成された一対の前記差込部のうち一つの前記差込部を、前記シート本体の外縁部を窪ませた部位に設けることで、シート本体の面積を抑えることができる。

前記したドラム梱包用シートは、段ボール製の二枚の前記シート本体を上下に重ねることで、耐荷重を高めることが好ましい。この場合には、二枚のシート本体の差込部にドラムの鍔板を深く差し込むことができるため、ドラムを安定させることができる。
また、上側の前記シート本体の段目と、下側の前記シート本体の段目とを交差させることで、ドラム梱包用シートが反り返るのを防ぐことができる。

本発明のドラム梱包用シートでは、複数のドラムを汎用のパレットに対して容易かつコンパクトに位置決めして梱包できるため、ドラムの搬送コストを低減できる。また、本発明のドラム梱包用シートは紙製であるため、ドラムの形状や大きさに合わせて差込部を容易に形成できるとともに、リサイクルし易い。

本発明の実施形態に係るドラム梱包用シートを用いたドラムの梱包を示した斜視図である。 本発明の実施形態に係るドラム梱包用シートを示した斜視図である。 本発明の実施形態に係るシート本体を上側から見た平面図である。 本発明の実施形態に係るシート本体を下側から見た底面図である。 本発明の実施形態に係るシート本体を前側から見た正面図である。 本発明の実施形態に係るシート本体を後側から見た背面図である。 本発明の実施形態に係るシート本体を左側から見た左側面図である。 本発明の実施形態に係るシート本体を右側から見た右側面図である。 本発明の実施形態に係るドラム梱包用シートにおけるドラムの配置を示した平面図である。

本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
以下の説明において、前後左右方向とは、本実施形態のドラム梱包用シートを説明する上で便宜上設定したものであり、ドラム梱包用シートの構成や使用形態を限定するものではない。

本実施形態のドラム梱包用シート１は、図１に示すように、四つのドラム５０をパレット１００に載せて梱包するための梱包材である。
パレット１００は、図２に示すように、樹脂製のリターナブルパレットであり、平面視で正方形に形成されている。

ドラム５０は、図１に示すように、円筒状の胴部５１と、胴部５１の軸方向の両端部にそれぞれ取り付けられた円板状の二枚の鍔板５２，５２と、を備えている（図９参照）。両鍔板５２，５２は、胴部５１よりも拡径されている。
本実施形態のドラム５０の胴部５１には、電線や光ファイバーなどのケーブル５３が巻き付けられている。このように、ドラム５０にはケーブル５３が収容されている。
なお、ドラム５０の胴部５１に巻き付ける部材は限定されるものではなく、例えば、ロープ、ロール紙または鋼板などの長い部材を巻き付けることができる。

ドラム梱包用シート１は、ドラム５０をパレット１００に対して位置決めするための段ボール製のシートである。本実施形態のドラム梱包用シート１は、図２に示すように、上下に重ねて接合された二枚のシート本体１０，１０を備えている。両シート本体１０，１０は同じ形状である。

シート本体１０は、図３および図４に示すように、略正方形に形成されている。シート本体１０の前後方向の長さおよび左右方向の長さは、パレット１００の前後方向の長さおよび左右方向の長さと同じに形成されている。

本実施形態のシート本体１０に用いられている段ボールは、四枚のライナを上下に配置し、各ライナの間にフルート（中芯）が挟まれることで、フルートが三層に形成された複々両面段ボールである。なお、シート本体１０に用いられる段ボールの構造や厚さは限定されるものではない。

本実施形態では、図２に示すように、上側のシート本体１０のフルートの段目と、下側のシート本体１０のフルートの段目とが直交（交差）するように、二枚のシート本体１０，１０が重ねられている。
本実施形態では、上側のシート本体１０の段目が前後方向に延びており、下側のシート本体１０の段目が左右方向に延びている。しかしながら、上側のシート本体１０の段目が左右方向に延びており、下側のシート本体１０の段目が前後方向に延びているように構成してもよい。

シート本体１０には、前後左右の四つの載置領域２０Ａ～２０Ｄが区画されている。左前および右後の載置領域２０Ａ，２０Ｂは前後方向に延びている長方形の領域である。また、右前および左後の載置領域２０Ｃ，２０Ｄは左右方向に延びている長方形の領域である。

左前の載置領域２０Ａは、シート本体１０の左前の角部を含む領域である。左前の載置領域２０Ａには、図３に示すように、一対の差込部２１，２２が形成されている。
両差込部２１，２２は、シート本体１０を貫通している開口部であり、前後方向に直線状に延びている。両差込部２１，２２は左右方向に間隔を空けて平行に配置されている。
一方の差込部２１は、シート本体１０の左縁部を窪ませた部位である。他方の差込部２２は、左前の載置領域２０Ａの右縁部に形成されている。両差込部２１，２２は、左前の載置領域２０Ａの前後方向の中央部に配置されている。

両差込部２１，２２は、図１に示すように、ドラム５０の両鍔板５２，５２の下端部がそれぞれ差し込まれる部位である。したがって、両差込部２１，２２の左右方向の間隔は、両鍔板５２，５２の間隔と同じ大きさに設定されている。また、両差込部２１，２２の前後方向の長さは、鍔板５２を安定して保持できるように設定されている。

左前の載置領域２０Ａにドラム５０を載せて、ドラム５０の両鍔板５２，５２の下端部を両差込部２１，２２にそれぞれ差し込むと、図９に示すように、ドラム５０は軸方向が左右方向に配置された状態で、左前の載置領域２０Ａに保持される。

ドラム５０の両鍔板５２，５２を両差込部２１，２２に差し込んだ状態において、ドラム５０が左前の載置領域２０Ａ内に収まるように、左前の載置領域２０Ａの大きさが設定されている。
つまり、左前の載置領域２０Ａの前後方向の長さは、ドラム５０の鍔板５２の直径と同じか僅かに大きく形成されている。また、左前の載置領域２０Ａの左右方向の長さは、ドラム５０の軸方向（左右方向）の長さと同じか僅かに大きく形成されている。

右後の載置領域２０Ｂは、図３に示すように、シート本体１０の中心を基準点として左前の載置領域２０Ａに対して点対称となるように配置されている。右後の載置領域２０Ｂは、シート本体１０の右後の角部を含む領域である。右後の載置領域２０Ｂには、左前の載置領域２０Ａと同様に、前後方向に延びている一対の差込部２１，２２が形成されており、一方の差込部２１はシート本体１０の右縁部を窪ませた部位である。

右前の載置領域２０Ｃは、シート本体１０の右前の角部を含む領域である。右前の載置領域２０Ｃには、左右方向に延びている一対の差込部２１，２２が形成されている。両差込部２１，２２は、前後方向に間隔を空けて平行に配置されている。
一方の差込部２１は、シート本体１０の前縁部を窪ませた部位である。他方の差込部２２は、右前の載置領域２０Ｃの後縁部に形成されている。両差込部２１，２２は、右前の載置領域２０Ｃの左右方向の中央部に形成されている。

右前の載置領域２０Ｃにドラム５０を載せて、ドラム５０の両鍔板５２，５２の下端部を両差込部２１，２２にそれぞれ差し込むと、図９に示すように、ドラム５０は軸方向が前後方向に配置された状態で、右前の載置領域２０Ｃに保持される。ドラム５０が右前の載置領域２０Ｃ内に収まるように、右前の載置領域２０Ｃの大きさが設定されている。

左後の載置領域２０Ｄは、図３に示すように、シート本体１０の中心を基準点として右前の載置領域２０Ｃに対して点対称となるように配置されている。左後の載置領域２０Ｄは、シート本体１０の左後の角部を含む領域である。左後の載置領域２０Ｄには、右前の載置領域２０Ｃと同様に、左右方向に延びている一対の差込部２１，２２が形成されており、一方の差込部２１はシート本体１０の後縁部を窪ませた部位である。

本実施形態のドラム梱包用シート１を用いて四つのドラム５０を梱包する場合には、図２に示すように、上下二枚のシート本体１０，１０を重ね合わせて、接着剤によって二枚のシート本体１０，１０を貼り合わせる。このとき、上側のシート本体１０の段目と下側のシート本体１０の段目とを直交させる。

そして、二枚のシート本体１０，１０をパレット１００の上面に重ねる。その後、図９に示すように、四つのドラム５０を上側のシート本体１０の各載置領域２０Ａ～２０Ｄにそれぞれ載せて、ドラム５０の両鍔板５２，５２を一対の差込部２１，２２に差し込む。
これにより、四つのドラム５０が前後左右の載置領域２０Ａ～２０Ｄにそれぞれ保持され、四つのドラム５０がパレット１００に対して位置決めされる。

左前の載置領域２０Ａのドラム５０および右後の載置領域２０Ｂのドラム５０は、軸方向が左右方向に配置される。右前の載置領域２０Ｃのドラム５０および左後の載置領域２０Ｄのドラム５０は、軸方向が前後方向に配置される。
このように、前後に隣り合う両ドラム５０，５０の軸方向が直交するとともに、左右に隣り合う両ドラム５０，５０の軸方向が直交している。
本実施形態では、隣り合う両ドラム５０，５０の一方のドラム５０の両鍔板５２，５２の径方向の端部が、他方のドラム５０の鍔板５２の側面に接している。

これにより、四つのドラム５０の集合体の前後方向の長さＬ１および左右方向の長さＬ２は、ドラム５０の軸方向の長さとドラム５０の鍔板５２の直径とを加算した大きさになっている。つまり、四つのドラム５０の集合体は、前後左右の四辺の長さＬ１，Ｌ２が同じ大きさになっている。

その後、図１に示すように、四つのドラム５０の集合体、ドラム梱包用シート１およびパレット１００の全周をテープなどの梱包材（図示せず）で囲む。
このようにして、四つのドラム５０をドラム梱包用シート１およびパレット１００に載せた状態で梱包できる。

以上のようなドラム梱包用シート１では、図１に示すように、パレット１００の上面に重ねたシート本体１０にドラム５０を載せて、ドラム５０の両鍔板５２，５２の下端部を二つの差込部２１，２２にそれぞれ差し込むことで、ドラム５０をパレット１００に対して容易に位置決めできる。

本実施形態のドラム梱包用シート１では、図９に示すように、隣り合う両ドラム５０，５０の軸方向が直交するように配置されており、四つのドラム５０の集合体の前後方向の長さＬ１と左右方向の長さＬ２とが同じ大きさである。したがって、四つのドラム５０を汎用の正方形のパレット１００にコンパクトに載せた状態で梱包できる。

このように、本実施形態のドラム梱包用シート１を用いることで、図１に示すように、四つのドラム５０を汎用のパレット１００に対して容易かつコンパクトに位置決めして梱包できるため、ドラム５０の搬送コストを低減できる。

本実施形態のドラム梱包用シート１では、シート本体１０が紙製であるため、ドラム５０の形状や大きさに合わせて差込部２１，２２を容易に形成できるとともに、リサイクルし易い。
また、複数のシート本体１０を重ねて保管しておくことができるため、シート本体の保管スペースを確保し易い。

本実施形態のドラム梱包用シート１では、図３に示すように、各載置領域２０Ａ～２０Ｄに形成された一対の差込部２１，２２のうち一つの差込部２１がシート本体１０の外縁部を窪ませた部位であるため、シート本体１０の面積を抑えることができる。

本実施形態のドラム梱包用シート１では、図２に示すように、段ボール製の二枚のシート本体１０，１０を上下に重ねているため、耐荷重を高めることができる。
また、図１に示すように、二枚のシート本体１０，１０の差込部２１，２２にドラム５０の鍔板５２を深く差し込むことができるため、ドラム５０を安定させることができる。
また、上側のシート本体１０の段目と、下側のシート本体１０の段目とを直交させることで、ドラム梱包用シート１が反り返るのを防ぐことができる。

以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
本実施形態のドラム梱包用シート１では、図３に示すように、左前および右後の載置領域２０Ａ，２０Ｂの差込部２１，２２が前後方向に延びており、右前および左後の載置領域２０Ｃ，２０Ｄの差込部２１，２２が左右方向に延びている。しかしながら、左前および右後の載置領域の差込部を左右方向に延ばして、右前および左後の載置領域の差込部を前後方向に延ばしてもよい。

本実施形態のドラム梱包用シート１では、載置領域２０Ａ～２０Ｄに形成された一方の差込部２１がシート本体１０の外縁部に形成されているが、本発明の参考例としては、一方の差込部２１をシート本体１０の外縁部よりも内側に形成してもよい。

本実施形態のドラム梱包用シート１では、上側のシート本体１０の段目と、下側のシート本体１０の段目とが直交しているが、上側のシート本体１０の段目と、下側のシート本体１０の段目とが交差していればよい。

本実施形態のドラム梱包用シート１では、二枚のシート本体１０，１０が上下に重ねられているが、三枚以上のシート本体１０を上下に重ねてもよく、また、一枚のシート本体１０を用いてドラム梱包用シートを構成してもよい。

本実施形態では、図１に示すように、樹脂製のパレット１００にドラム梱包用シート１を重ねているが、パレットの構造や材質は限定されるものではない。

本実施形態のドラム梱包用シート１のシート本体１０は、四枚のライナの間に三層のフルートが形成された複々両面段ボールであるが、段ボールの構造や厚さは限定されるものではない。

本実施形態のドラム梱包用シート１は段ボール製であるが、各種公知の板紙によってドラム梱包用シートを形成してもよい。

１ ドラム梱包用シート
１０ シート本体
２０Ａ 左前の載置領域
２０Ｂ 右後の載置領域
２０Ｃ 右前の載置領域
２０Ｄ 左後の載置領域
２１ 差込部
２２ 差込部
５０ ドラム
５１ 胴部
５２ 鍔板
５３ ケーブル
１００ パレット

Claims (2)

1. 胴部の両端部に鍔板が設けられたドラムをパレットに対して位置決めするためのドラム梱包用シートであって、
   前記パレットの上面に重ねられる紙製のシート本体を備え、
   前記シート本体には、前後左右の四つの載置領域が区画されており、
   前記載置領域には、
   前記ドラムの前記両鍔板の下端部がそれぞれ差し込まれる一対の差込部が形成され、
   左前および右後の前記載置領域では、一対の前記差込部が前後方向および左右方向の一方に延びているとともに、
   右前および左後の前記載置領域では、一対の前記差込部が前後方向および左右方向の他方に延びており、
   前記載置領域に形成された一対の前記差込部のうち一つの前記差込部は、前記シート本体の外縁部を窪ませた部位であることを特徴とするドラム梱包用シート。
2. 請求項１に記載のドラム梱包用シートであって、
   段ボール製の二枚の前記シート本体が上下に重ねられており、
   上側の前記シート本体の段目と、下側の前記シート本体の段目とが交差していることを特徴とするドラム梱包用シート。

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